早苗4
うpろだ431
「ねぇ、ちょっと○○」
ちびちびと一人酒を飲んでいたら、霊夢の声が背後から聞こえた
「ん、どうした腋巫女」
ノリで霊夢に返したら、瞬間頬に拳がめり込んでいた
「痛いじゃないか」
はっはっはと笑いながら返す
「…効いてるのか効いてないのか…」
頭が痛いといった風に手を当てる
すいませんぶっちゃけ痛いですやせ我慢です
「というかなんでいきなり殴るかね」
「胸に聞いてみなさい」
ぺたんと胸を触る
霊夢の
「うむ、ひらt」
最後まで言えずに吹き飛ばされる
かーちゃん、俺空飛んでるよっ
数メートル吹き飛ばされた後平然とした風体で立ち上がり
「痛いじゃないか」
はっはっはと以下略
「ええい、酒の入った○○は化け物かっ」
胸を触られたことより、俺が平然としてることのほうがインパクトでかいらしい
すいません酒が入ってテンション高いだけで普通に痛いですぶっちゃけ限界です
今更になるが、ここは神社で宴会の真っ最中
何でも、新しく来た神様御一行を迎える宴会だとかなんとか
現世から湖ごと引っ越すとかいう豪快な神様だと聞いている
つい最近こっちに来た自分としては、若干だが親近感が湧かないでもない
まぁ、あちらさんは自分の意志で、俺は半強制的にという違いはあるが
ちなみに、俺が宴会に参加すること自体は珍しいことではない
というより、八雲の紫さんが手を回した所為で、幻想郷での俺の地位が変に確立してしまって参加したくなくても引っ張り出されている
おかげで来て数ヶ月だというのにこの有様さっ
「で、なにようですかい霊夢さんや」
悪ふざけが過ぎたので、というか俺が限界なので、と話題を戻す
と、霊夢もああ、とさも思い出したふうにって忘れてたのかい
「ほら例の神様なんだけどさ、それの付き人というか巫女というか、その娘とちょっと話しててくれない?」
「別にいいけど、何で俺?」
「いやね、向こうから来たばかりっていうことでちょっと話が合わないというかわからないというか、ね。だったら向こうにいた○○のがまだ話があうでしょ」
「成程、それでその娘さんは何所に?」
あっちと霊夢が差した先には、緑の髪の一部を左側で纏め、霊夢みたいな一部というかどう考えても巫女装束じゃねーだろなそれでいて巫女っぽい服を着ていた
もちろん腋は出ている
違うのは青いというところか
…うーむおしい
「黄色がいない」
「は?」
しまった思わず口に出してしまった
いやだってさ!思うじゃん!赤腋巫女青腋巫女って来たら黄腋巫女欲しいだろ!?
何故って理由は聞くな
わかるやつにはわかるさ
「いやなんでもない」
今度魔理沙あたりにでもやってもらおうかと思案しつつ誤魔化す
「んじゃちょっくら話してくるわ」
「お願いね、何も出ないけど」
「その後、しっぽりむふふといきたいところですな」
また殴られた
こりないな、俺
「隣いいかい?」
その娘の横に立ち、一応の確認をする
ここで断られたら俺、泣いちゃうっ
「あ、はいどうぞ」
よかった俺はまだ落ちぶれちゃいないみたいだぜっ
「んじゃ失礼してっと」
横に座る
まずは自己紹介といこう
「俺は○○ってんだ。目麗しい貴女のお名前は?」
自分で言ってて鳥肌がたった
やばい何俺言ってんだ
「あはは、
東風谷 早苗と言います。そ、そんな…目麗しいだなんて…」
ぽっと頬を赤らめものすごい照れ様
かわいいじゃないかこの野郎っ
「まぁ半分本音で半分御世辞だ。酒の入った俺の言動は話半分に聞いてくれ」
というか、酒が入ると思ったことをいいまくる癖があるため自重したいが自重できない
今のは若干の嘘が入るがまぁ流石に取り返しのつかないことになったら困るので
「ああ、貴方が○○さんですか。向こうから来たっていう」
ようやっと得心したというふうにぽんっと手を打つ
「そうそう、つってもつい最近だけどね。で、何やら赤い腋巫女に話し相手を頼まれたわけなのですよ早苗ちゃん」
「腋巫女…?ああ、霊夢さんの事ですか」
「ただし本人の前では言うなよ?言ったら鉄拳制裁が待ってる」
いまだに赤い頬を指しながら言う
くすくすと笑う早苗ちゃん
「ところで肝心の神様は何処だ?」
きょろきょろと見渡すが近くには見当たらない
というか俺と同じく一人で飲んでたわけだしな
「あ、ええと、八坂様ならあちらに」
指す方向を見ると、何やらすんごいのとちんまいのがよろしくやっていた
なんだあの鉄パイプはとかいう心の声はなんとか堪えた
これは堪えるべきだ
「えーと、どっち?」
「八坂様なら背の高いほうです」
「ふーん?」
なんだ、普通に話せるじゃないか
「不躾なこと聞くんだけど、一体何が話が合わないんだ?」
「あ、ええと、ですね」
ごそごそと懐を弄る
そこはかとなくえろいぞ早苗ちゃん
「こういうことなわけです」
恥ずかしそうに両手で顔の横にもってくる
さて、取り出したるはー四角くてーぱかっと開いてー液晶画面が二つーペンがついててーっておい
「いやいや早苗ちゃん、何故それを持っているんだ」
「その、仕事柄といいますか、外に出ることが少ないので暇な時にはこれとかあれとかあれとかで…」
そこはほら、読書とかさ
とか言いたいけど言えない
あれとかあれとかってほかにもあるんかP○PとかW○iとか
「それで、向こうにいたのに向こうに疎くてついでにこっちじゃそれの話題も振れないから話が合わないと」
「お恥ずかしながら…」
たはは、と笑う早苗ちゃん
「現代っ子というかなんというか…ところで何をやってるんだ?」
「何…といいますと?」
「いや、ほらどんなジャンルのゲームやってるのかなーと」
「あ、はい。これです」
といってカートリッジを抜き出す
「…何故に遊○王…」
「あれ?おかしいですか?」
疑問にすら思ってないかのように聞いてくる
「いやほら、他にもあるじゃん。世界○の迷○とかル○ナス○ークとか」
男の子ならいいんだろうが何故に○戯○
俺のターン!ドロー!とかしたいのかそうなのか
「ちなみにデッキはどんなのを?」
「サイドラです」
顔に似合わず1ターンキル…
恐ろしいわこの娘っ
「何故かこれが目についたんですよね、なんでだろう」
今になって気がついたとばかりに悩む
あれか、スペルカードとかに通ずるものでもあったのか
「でも、一つだけ悲しいことがありまして」
若干トーンを落としていう
「こっち充電とかできないじゃないですか。おまけにテレビもないし…」
よよよ…と早苗ちゃん
「あー成程、それはしょうがない」
携帯機器なのにバッテリーの持ちが異常に短いP○Pはともかく、W○iなんざテレビもないし、一番持つN○Sももうすぐってところかな
「…ん?」
そういえば
「…?どうかしました?」
「いや、それなんとかなるかもしれん」
何所ぞの姫様んとこにテレビとか発電機とかなぜかネット環境まであるとか聞いたことがある
「ほ、ほんとですか!?」
がしぃっと思いっきり手を掴まれる
「あ、ああ、うん多分だけど」
その勢いに気おされてどもってしまう
というか手!手!
ああ、柔らかいとか思ってる場合かー!
「あ、すいませんっ!」
早苗ちゃんが脱兎のごとく離れる
顔が真っ赤で可愛いぜっ
じゃなくて
「あ、いやうん、気にしてないからダイジョブ」
「…」
「…」
お互いにちょっと気まずい雰囲気が流れる
こういうのは耐えられない
耐えられないので、解決策を行使する
「さ、さぁ!思えばさっきから飲んでないじゃないか!一緒に飲もうぜ早苗ちゃん!」
「え!?わ、私そんなに酒は強く…」
「いいからいいから!ほらぐぐいーっと!そこの芋焼酎なんていいんじゃないかなっ」
「え、ちょ、んぐっ」
この時はまだ気づいていなかったんだ…
この後あんなことになるなんて…
「あはははははははっほら、○○さんももっと飲んで飲んで!」
とか言いつつバンバンと俺の背中を叩く
あんなことってこんなことなんですはい
「痛い!痛いから早苗ちゃん!」
弱いとか言ってた気がしないでもないがこれはちょっとタチが悪いだろっ
「ぶー、らって○○さん全然飲んでないりゃないれすかー」
口にそのままぶーとか出す人初めて見たよ…
というか呂律回ってない
「いや、ほらちゃんと飲んでるから」
言って杯を見せる
と言ってもそこまで飲めるほうでもないのでちびちびだが
対して早苗ちゃんは思いっきりがぶがぶ飲んでた気がしたんだけど
文字通り浴びるように
「はふー、なんらかあついれすー」
ぱたぱたと胸元を仰ぐ
見える見える!胸が見えちゃいましゅううううぅぅぅ!
その控え目な胸が!
巨乳なんてただの飾りです、そこに少しのふくらみがあれば僕は満足です、ぺったんこならさらに満足です
何言ってるんだろうね俺は
「うー眠くなってきましたー」
なんか頭がぐらぐら揺れてるんですが
「…ちょっと横になったら?」
「はひーそうしますー」
そういってこっちに倒れてくる
…こっち?
ぽすんと俺の胡坐を枕に横になる
「ちょ、ちょっと!?」
「はー気持ちいいれす」
うふふっと笑って上目づかいに見上げてくる
「嫌れしたか?」
「いや、寧ろ嬉しいというか幸せというか落ち着かないというか」
とろんと潤んだ目で見つめられてる上に早苗ちゃんは美人だし、嫌なわけがない
誘われてるんじゃないかとか勘違いしちゃうよ?
流石に自重するけどね
「…」
「…」
むずがゆいような、心地いいような
先ほどとは違った沈黙がお互いに流れる
「…最初は不安だったんです」
「…ん?」
「八坂様はいるけれども、話題は合うわけでも無いですし、こっちに来てから…いえ不安というより寂しかったんでしょうね、私は」「…」
続きを促すわけでもなく、ただ聞く
「向こうにいたときから、私は他の人とは違いましたし、こっちに来てみたら同じような人達が多かったらから…少しは期待したんですけれども話題が合いませんでした」
「…そうか」
そりゃ、こっちでそんな話があいそうなのは何所ぞの姫様ぐらいのものだろうさ
ですからね、と俺の顔を見つめてくる
「嬉しかったんですよ。話をわかってくれる人がいるのがわかって」
「…まぁ、わからないでもないけどね。でも、そういうのはこれからいくらでも作っていけるだろ?このままじゃ俺ぐらいしかいなくなるぞ?」
「…まぁ、それはそうなんですけどね」
あら、ちょっと不機嫌
何故だ
とにかく、といいつつ寝たまま俺の腰に手を回し、引き寄せる
「貴方は私の中でちょっとした特別になったんです!そう言いたかったんです!」
なんか怒った
「そ、そうか」
よくわからんが
「…はぁ、…んかんなんですから」
「ん、何か言った?」
よく聞き取れなかったので聴き直す
「なんでもないですよーだ」
ぷいっと顔を背ける
ただし腕は腰に手を回したままだ
ついでに体勢的にとっても見えそうなんです
何って主に足のほうとか足のほうとか足のほうとか
「ところで一つ聞いていいか?」
「はい?」
「酔ってないだろ」
一瞬だけキョトンとして、あはは、と笑う
「ばれちゃいました?実は途中から奇跡使って水にしてたんです」
そんなことに使っていいのか奇跡っ
奇跡は起こらないから奇跡って~とか起こすから奇跡っていう以下略なやり取りがやすっぽくなっちまうっ
「なんだってそんなことを…」
「酔った勢いにしたほうがいろいろしやすいかなーと」
いろいろってなんだいろいろって
でもですね
と位置を直して
「途中までは飲んでたんで酔ってるには酔ってるんです。というわけで、このまま寝ますね」
…は?
「では、おやすみなさいです」
そのまま目を閉じて
即座にとっても気持ちよさそうな寝息が聞こえてきた
「…マジで寝やがったっていうかはえーよ」
まぁ悪い気はしないしいいんだけどさ
ところで、今ので更に見えそうになってるんだ
主にももの更に上とかももの更に上とかももの更に上とか
というかもう見えてます黒いのが
ん・・・?
黒いのがももの辺りまでピッチリと
「ス…スパッツぅぅぅぅぅぅぅ!?」
思わず口に出してしまった
しかもよくよく見たらスニーカーはいてるしっ
なんという現代っ子…
「おや、うちの早苗に不埒なマネしようとしてるのはどちらさんだい?」
声に反応して振り向くと、そっちには早苗ちゃんが言っていた神様がいた
えーと確か
「八坂様?」
「
八坂 神奈子だよ。神奈子ちゃんとでも呼んでくちょうだい」
「神奈子さん、別にこれは不埒とかそういうわけでは」
そんな茶目っ気は無視しよう
名前で呼ぶがちゃんをつけるのはあくまで…いやこれ以上は言うまい
それが俺のジャスティス
「…人の話を聞かない子だね…まぁいいか。早苗がなんだか知らんがそんなに気を許したような顔してるしね」
久しぶりだわ、と神奈子さん
言いつつ早苗ちゃんの髪を撫ぜる
その顔はとても優しく、さながら母親のようだった
「こんな朴念仁っぽいのの何所がいいんだか…いや、まぁいいんだけど」
俺の顔を見た瞬間にうさんくさそうな顔になったが
何やらすごい失礼な事を言われている気がしますよ?
「今日は早苗を預けておくよ。変なことしたらただじゃおかないけどね」
そう言って去っていく神奈子さん
あの人もあの人なりに心配してるんだな…
「ふう…しかし」
眠い
程よく酔いとともに眠気も回ってきた
まぁいいや、このまま早苗ちゃんの寝顔をオカズに寝てしまおう
襲いたい気持ちはがm…やましくなんかありませんよ?
「…ん」
目が覚めたらもう朝だった
周りを見渡すと、お馴染みの宴会後の惨状が広がっていた
何人かは見つからないが、帰ったか変な所にいるんだろう
ふと、足に重みを感じてみてみると、早苗ちゃんが気持ちよさそうに寝ていた
しかし、このままにしておくのも流石に足がやばい
「おーい、起きろー朝だぞー。朝ごはん食べて学校いk…いやいや」
自分で言っといて突っ込むとは寝ぼけてるな流石俺
…起きる様子が無い
しょうがないので耳元でちょっと囁く
「…キスしちゃうぞ」
「ぶふぅ!?」
思いっきり吹いた
「なんだ、起きてるじゃないか」
「ぐ、ぐーぐーぐーぐー!」
「いやいや早苗ちゃん」
それは流石に無いって
「うぅ…狸寝入りには自信があったのに…」
どんな自信だどんな
観念したのか起きて向き合う
「それで、キスしないんですか?」
「…は?」
「キス…しないんですか?」
唐突過ぎるというか軽い悪戯の心算だったんだけども
「えーと、いいの?」
ムードの欠片も無い俺
「いいも何も…昨日から結構誘ってたのに…」
えーと?
「え、でも昨日あったばかりですよ俺ら」
確かに早苗ちゃんは美人だし、好かれるのは悪い気はしないし、こっちとしては願ったりかなったりなんですけども
「一目惚れから始まる恋愛っていうのもいいと思いますよ?」
そう言って
俺達は、キスをした
「それで…返事は…」
潤んだ瞳で見つめてくる
「そうだな…返事は…」
そう言って
俺たちは、もう一回キスをした
「うおーい霊夢ー」
何かを見つめ愕然としている霊夢を見つけて話かける魔理沙
いつも通りに後片付けを押しつけて帰る算段だ
「…んで」
「ん?」
見るとぷるぷると震えている
「何で…」
「おーい?どうした霊夢?」
怪訝そうに聞く
「私はあの娘の話し相手を頼んだだけなのに…」
「えーと?」
霊夢の見るほうを同じく見ると、なるほど例の○○と例の青い巫女がいちゃいちゃやってる
「どうして一晩明けたらくっついてるのよおー!?」
頭を抱えてうがぁー!と叫ぶ
「あー…えーと、あれだ」
ぽんっと霊夢の肩に手を置き
「…運が悪かったな、まぁ次があるさっ」
親指を立ててにかっとスマイル
ぐりんっと霊夢が首だけこちらに回し
おおぅ怖いぞ霊夢
目が血走ってる
「あんたに言われたくないわー!」
「うひゃー!霊夢が壊れた―!」
「うわあああぁん!○○の馬鹿ー!」
霊夢の叫びが朝の博麗神社に虚しく響き渡った
あ(と)がきというか言い訳というか解説というか
徹夜で書くとろくなことが無い典型
ちなみにこの早苗は某絵師の影響(特に某一枚の絵)を100%受けているためちょっとおかしいです
イメージぶち壊しちゃったらすみません
でも俺の中ではこれで固定されちゃってるんです
まぁ話的には早苗が○○のこときにいっちゃったんで落としにかかった感じです
途中変ですがまぁそんな感じです
一応解説
遊戯王、サイドラデッキについて
サイバー・ドラゴンとその融合モンスターを中心とした機械族デッキ
パワーボンドで攻撃力倍のサイバーエンドドラゴン(Atk4000*2防御貫通)を出したり、未来融合で融合素材を墓地に送り、オーバーロードフュージョンでそのモンスターすべてを使ってキメラテックオーバードラゴン(Atk融合素材数×800融合素材数分連続攻撃)を出したりするデッキ
安定する高火力かつ1ターンキルもできるんだぜっってこんなのどうでもいいですねはい
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10スレ目>>398
「ん…ふぁ……もう、朝ですね」
「おはよう早苗」
「!?ま、ままま○○さん!?」
「なんだよ○○さんって、夫婦なんだからそんなに他人行儀にならなくてもいいのに」
「ふ、夫婦ですか!?」
「昨日祝言挙げたじゃないか、まあその後の宴でしこたま飲まされてたから忘れちゃったのかな」
「ご、ごめんなさい」
「謝ることは無いよ、ほら、朝ご飯作ったから食べよう」
「ありがとうございます」
「早苗は巫女の仕事とかあるし、こういう家事はこれからは俺がするよ」
「あの、そういえば八坂様たちはどちらに?」
「気を利かせてくれたのか博麗神社に居るよ」
「そうですか」
「そういえばさ、早苗」
「なんですか?」
「昨日早苗は酔いつぶれて寝ちゃったから初夜、まだしてないんだよね」
「しょ、しょしょしょしょ初夜ですか!?」
「そ、もう夫婦になったんだしね」
トサッ
「あ…………」
「愛してるよ、早苗」
「はい、私もです」
「おーい早苗大丈夫かー?」
「○、○さん?ここは博麗神社?」
「酒結構飲まされて倒れたみたいだから霊夢に頼んで部屋を貸してもらったんだ」
(じゃあさっきのは夢?)
「大丈夫か?なんか欲しい物でもあるか?水とか、なんなら術で酔い覚ませるぞ」
(でも、夢のままにしたくないぁ)「じゃあ一つ頼んでもいいですか?」
「俺にできることなら何でもいいぞ」
「じゃあ…私と結婚してください」
「ああ、分かっt、なにぃ!?」
「よろしくお願いしますね、旦那様♪」
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11スレ目>>803
ここは守矢神社。諏訪の地を守る神々が祀られる神社である。
年納めの興も落ち着きを見せ『弾幕(たま)納め』をしている愉快な神様を横目に二人の人間は年越しを淑やかに待っていた。
「八坂様も洩矢様も元気ですね」
「ま、年一度のめでたい日だし、騒ぎたくても騒ぎたくなくても騒ぐもんだ」
冬の寒空は快晴、満天の星と下弦の月が厳冬を象徴するかの様に凛と輝いている。
……はずなのだが、乾坤の神様が美しき『弾幕納め』を繰り広げているので、星の瞬きも狂気の月光も全く存在感が感じられない。
「除夜の鐘、聞こえんのかな」
「はは……」
幾千も立ち上る光の柱と、夢幻に降り注ぐ雨粒が諏訪の地を喧騒の渦に包み込む。
いつもの事なのだろうが、もう少し淑やかに新年を迎えられないのだろうか。神様らしく荘厳な新年でもいいから。
「ま……この季節に花火見られて良かった、って考えとくか……あ、早苗お雑煮おかわり」
「お蕎麦も食べましょうよ」
守矢の巫女はお椀を受けとり、とてとてと雑煮を盛り付けに走った。ああ、転ばないかな。転びそうだよな。絶対転びそう。
俺の視線を感じたのか、彼女がふっと振り返り、
「どうか……しましたか?」
「いや、転ばないかな~ って」
「もう、そんなドジ踏みませんよ」
軽く頬を膨らませて不満そうな顔をする早苗。
どう見てもドジっ娘顔です本当にありがとうございました。
早苗が気を取り直して雑煮のおかわりを盛りに行こうと歩を進めた瞬間、見事にバランスを崩しかけそうになる。
彼女が俺の目を気にして、ちょっと恥ずかしげな顔をして俺を見た。
「運命通り」
そう言ってわざと悪戯な顔で見つめ返すと、逃げるように目を逸らし、そのまま襖の向こうへと姿を消していった。
頬を赤らめる彼女の表情。
これほど赤面が似合う女性が彼女以外、幻想郷にいるだろうか……?
「……そんなニヤニヤしないで下さい、○○さん」
「そりゃ言ってるそばからコケてくれりゃあ、笑いたくもなるだろ」
「……ひどいですよ~」
いじけてしまったしょんぼり早苗さん。いじいじと指をくねくねさせてみたり、左肩に垂れ下がる髪を弄くってみたり。
そんな仕草されると食事に集中できないんだぜ?
「そんなに急いで食べて、お餅詰まらせても知りませんよ?」
「だーいじょうぶ!俺は早苗と違ってヘマしないかr……ぅごふっ!?」
「わ!ちょ、ちょっと○○さんっ!」
盛大に吹いた。餅を。食べ物は粗末にしちゃいけません。
「ぅ゛あ゛~……死ぬかと思った」
「だから言ったじゃないですか!本当に死んじゃったらどうするんですかっ!」
そ、そんな強い剣幕で言わなくても。大体餅ひとつでくたばってたら今の俺は幻想郷に存在していないと思うが……
「○○さんが死んじゃったら……私は……私は……っ……」
なんで餅のひとつやふたつでそこまで泣きそうな顔をされなきゃいけないのかと思ったが、早苗は本気で心配そうにしてくれた。
俺が妖怪に襲われそうになった時や、弾幕ごっこのとばっちりを受けそうになった時と同じ、真剣な態度そのものだった。
――好きな人と離れたくないから
――大事な人を失いたくないから
涙は恐怖故にこぼれ落ち、恐怖はその純粋な想いから生まれる。
早苗の必死な表情からは全てが感じ取れた。自分を、俺をここまで大切に想っていてくれている。
こんな日常の馬鹿げた出来事だけで分かってしまう。
それほど素直なのだろう、彼女の想いというのは。
だから、彼女は涙をこぼしてしまった。
早苗の泣き顔なんて見たくない。
嫌だ。
二人でいる時くらい、ずっと笑っていてくれ――
「うん、悪い悪い、ごめんな? けど、俺は早苗の傍からいなくなろうなんて思っちゃいないから安心しな」
「本当に……気をつけてくださ……あっ」
泣き顔はもう嫌だ。笑って欲しい。
だから俺も自分の想いを素直にぶつけた。
早苗の言葉を紡いで彼女を抱きしめる。
涙で濡れてしまった頬の湿っぽさ、柔らかな香りがする透き通った緑色の髪、少し力を入れてしまえば壊れてしまいそうな、華奢な身体の感触。
その全てが素直に俺の五感へと染み渡っていく。
……少々強引だったかもしれないが、これが自分の想いを伝えられる一番の方法だと信じて、彼女を精一杯抱きしめた。
「俺だって……早苗とずっと一緒に居たいもん」
早苗が自分と一緒に居たい、なんて一言も言ってないのに、俺は早苗がそう言っていることだと思っていた。
あんな素直に伝えられたら、どんな鈍感でも感付く。
「わ、私も……○○さん、と……」
彼女がゆっくりと俺の背中に手を回してくれる。
暖かい手の温もりが背中からやんわりと、胸に秘めた想いが耳元からしっかりと伝わってくる。
言葉足らずでも痛いほど感じる、彼女の「好き」という想い。
「……そっか」
嬉しくて思わず抱きしめる腕の力が強くなる。
きゅっと強く抱きしめてみたら、早苗もきゅっと身体を任せてくれた。
「へへ、痛かった?」
「いえ、嬉しかった、です……」
こいつ、やっぱり可愛いな……
言葉がちぐはぐになりながらも、二人ははにかんで笑いあい、
お互いを見つめると、後は自然に唇を重ね合っていた。
除夜の鐘の音が聞こえる、弾幕納めのほんの一瞬の静寂。
二人の影も一つの大きな影となって重なり合っていた。
一分でも、一秒でも長くこの時を愉しもうと、感じ合おうと、分かち合おうとした。
甘く、幸せなこの時間を。
唇が、離れる。
月明かりに照らされ、きらきらと白い糸をひいて。
「……新年おめでとっ、早苗」
「……あけましておめでとうございます、○○さんっ!」
やっぱり顔は赤かったが、二人はまた抱き合った。
お互いの存在、想い、幸せを感じ合う様に強く、優しく、愛し合った。
願わくばこの瞬間が永遠に続くように……と。
「あ、弾幕納め終わったみたいだな」
「あっ、さすがにこの状況見られちゃまずいですよね」
「や、俺は別に」
「ダメですっ!八坂様にオンバシラれちゃいますよっ!」
「そこは早苗の奇跡の力でさー」
「私じゃ八坂様に敵いませんってば~」
「じゃあ一緒にオンバシラれt」
「もっとダメですっ!」
甘い時は長く続かないかもしれない。
でも、幸せな時が永く続いてくれるだけでも、悪くないな。
「あの、○○さん」
「ん?」
「その……もし酔い潰れちゃったら……お願いしますね」
「ああ、しっかり着替えさせて寝かしといてやるから」
「そうじゃないですよっ!もう~……ふふっ」
「さっ、酒の準備だ!」
「はいっ!」
年納めの興の次は、年始めの興。
星空から舞い降りる二柱を迎え入れ、新たな年の幕開けと、相思相愛の夜を祝福しよう――
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11スレ目>>702
幻想郷に来て早くも二ヶ月がたった。
その間かなりどたばたして大変だったが、現実世界と比べるとはるかに充実していた。
もっと早くここにいたかった位である。
そう思い出しながら、俺は紅い巫女さんがいる神社、通称博麗神社へあいつから教えてもらった通りに道足を運んだ。
宴会に参加する条件として、背中に背負っているリュックサックと両手の袋に入っている大量のお酒を持って。
現実世界で始めてあいつと関わるようになり、一時行方不明になったが、一応おいかける形として幻想郷にやってきて、再会した。
その話はまた今度にしよう。
途中、そーなのかーと言いながら襲い掛かる闇妖怪や行く手を阻む毛玉などに遭遇した。
しかし、あいつに教えてもらいながら自己流に作った逃走専用弾幕札(スペルカード)、阻符「和尚の参枚札 山」と妨符「和尚の参枚札 川」。
こいつのおかげで自分と酒は無事に、宴会に遅れずにたどり着いた。
その後は静かな夜に似合わない、どんちゃん騒ぎの宴会が始まった。
紅い巫女が彼女の彼氏を巻き込ませながら、幼い鬼と新聞配達者と無謀な飲み比べをしたり、白黒の魔法使いが人形遣いと愉快に話し合ったり、
紫さん(唯一会話した事がある)と幽霊の姫君がなんだか艶かしい雰囲気をまとって、それぞれの従者が顔をまっかにしながらおろおろしていたりしていた。
そんな光景を肴にしながら慣れないお酒をちびちび飲んでいると、あいつが隣にやってきた。
「おっ、早苗か」
「○○さん、お酒の買い出し物お疲れ様です(にっこり」
「早苗も宴会の準備お疲れさん。 あの二人の神様はどうしている?」
「どちらも今飲み比べに参加してしばらくは……」
・……乾の神様はともかく、坤の神様は外見からはとても酒が飲めそうも無い感じがするが、神様なので常識は通用しない。
「早苗も酒を飲んでるな。 顔が少し火照っているぞ」
「えぇ、外がこれだけ寒いと暖かくなりたいものですよ」
確かにそうだ。 外は宴会のスペースと神社の境内以外は白銀の雪がつもり、中央の焚き火からほんのり照り返っている。
「そうか。 ……早苗、もっと暖かくしてやろうか?」
外は相変わらず騒がしい。 きっと向こうでは真夏みたいに暑くなっているだろう。
「えぇ、よければお願いします」
しかし、二人がいるのは神社の縁側にいるのでとても冷える。
酒だけではまだまだ寒そうな早苗の身体を温めるため、後ろからぎゅっと抱きついた。
「ひゃわっ!? ま、○○さん、びっくりするじゃないですか!」
「悪い悪い、けど、こうした方が暖かいだろ? それともやめて欲しいか?」
「……もぅ、止めて欲しい訳がないじゃないですか。 ○○の馬鹿、意地悪……」
最後あたりになるにつれて声が小さくなり、最後のあたりは何を言っているのかわからない。
「まぁ、怒るなって。 俺、早苗が大好きで、こうやって抱きしめたかったからなぁ」
「……恥ずかしいこと言わないでください!」
あらら、言われてしまった。 本当のことなのに。
早苗の表情は後ろから抱きしめているのと、彼女が俯いている為、よくわからない。 きっと顔を真っ赤にしているだろう。
そう思っていると早苗は小さくこう言った。
「……私だって、○○さんのこと好きですよ」
「うれしいことを言うてくれるねぇ~……。 そうだ、早苗。 こっちを向いて」
「何でしょう――……んぐぅっ!?」
その時の俺は少し酔っていたかもしれない。
そばにあったお酒をくぃっとあおり、早苗がこっちを向いたときに。
キスをした。 それも軽い口付け程度のキスではなく、お酒を口移しするある意味で大人なキス。
少しづつ自分の分を飲みながら、遠慮なく早苗の口の中を物色するかの如く絡める。
あっという間だったかもしれないが、俺たちにとっては長かったかもしれない。
やがてお互い顔から、少し距離をおき、じっと見つめた。
俺の顔はかなり熱い。 きっと早苗と同じくらい顔が赤くなっているだろう。
彼女の表情はとっても赤い。 けれど、怒ったり、恥ずかしがると言った表情ではなく、嬉しそうな、まどろんだ表情だった。
「……今日で今年が終わるな。 来年も……いや、これから一生、愛してるぞっ!」
「……はいっ、これからもよろしくお願いします!」
満月が真っ暗な夜空に浮かび、その存在を遠慮するかのように雪雲が雪を降らす最後の夜。
百八の煩悩を取り除かしている最中の除夜の鐘が響く中で、二人は抱き寄せていた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーおまけーーーーーーーーーーーーーーーーーー
紫「あらあらまぁまぁあらあら、お二人はおあついようで……うふふふふふ」
@「いいものみちゃった♪ ねぇ、紫姉さま、私たちもあの二人と同じくらいに……」
みょん「駄目です! これ以上のことは私が許しません!!」
紫「そうよ、そういうのはまた今度、ね?」
@「それは残念だわ~、くすん」
文「……年始のネタに頂いておきます! あの二人に感謝感謝♪」
○●「あんたもつくづく悪いなぁ~、このパパラッチめ」
文「いいじゃないですか、そういう貴方も不法侵入とか勝手に持っていくとk」
○●「おっと? それとこれとは違うぜ?」
文「……確かに違いますけどー」
その後、文々。新聞の大見出しにのってたり、○○が守矢の神社の神主になったりしたとか。
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11スレ目>>851
コトコトコトコト
「ふ~ん、ふふ~ん♪」
「早苗ー、ご飯まだー?」
「もう少しですから待っていてくださいね」
「なあ早苗、俺は手伝わなくていいのか?」
「ありがとうございます
でもこれはその……妻としての仕事ですから旦那様である○○さんは待っててください///」
「そ、そうか分かったよ///」
「冬だって言うのにお熱いねー」
「○○と早苗はあっちっちー」
「もう、茶化さないで下さい!!」
ま、○○さんに旦那様って言っちゃった///
まだ籍は入れてないけど婚約してるんだしこれぐらい良いよね?
だって婚約者なんだし式だってあげてその後……その後
「わ、私、初めてでよく分かりませんから○○さんの好きなようにしてください」
「大丈夫、俺も初めて見たいなもんだから安心しろ」
「はい……」
「愛してる早苗」
「私もです、旦那様」
そして二人の身と心の距離は段々と近づいてやがて一つに……
キャーーーーーーーーー!!○○さんのエッチーーーーーーー!!
グルグルグルグル!!!
「早苗!?そんなにかき回すと味噌汁こぼれるから!ってかこぼれてるから!!」
「え!?ああ!!スイマセン!!」
「やっぱり俺も手伝おうか?」
「い、いえ大丈夫です!!」
「それならいいけど…」
うぅ…○○さんにみっともないとこ見せちゃったな
最近なにかあるとすぐに○○さんのことを考えちゃう
我ながら重傷だなー、自重しないと
料理を作ることに集中してるとほどなくして今日の夕飯が出来た
「それじゃあ頂くとするかね」
「ご飯!ご飯!」
「頂まーす!」
「はい、召し上がれ」
「あーおいしかった、ごちそうさま」
「今日もおいしかったよー早苗」
「ごちそうさま、後片づけは手伝うからな」
「じゃあお願いしますね」
サラサラサラサラ
○○さんと二人で後片付けをする
今までは井戸で水を汲んで洗っていたけど○○さんの知り合いの河童さんのおかげで水道を引けるようになって
外に居た時のようにこの台所を使うようになった
キュッキュ
「さて、終わったな」
「○○さんが手伝ってくれたおかげで随分早く片付けることが出来ました」
「料理は手伝わせてくれなかったからこれぐらいわな
なにかできることがあったら言ってくれよな、大抵のことはできるよ」
「それはこっちのセリフです、○○さんも私で出来ることがあれば何でも言ってくださいね
○○さんのおかげで本当に助かってるんですから」
そう、○○さんには本当に色々と助けられた
まず凡庸性のある護符のおかげで生活面で色々なことが便利になった
それに信仰を集めるということでも○○さんの協力のおかげで
私が一人が信仰を集めるより効率的により多くの信仰を集めてくれる
そして何より私と一緒になってくれるということに私は物凄く助けられている
「○○さん、いえ旦那様」
「な、なんだよ突然」
「愛してます、一生、いえ来世でも貴方を愛し続けます」
「っ!…そんなの、俺だってそうだ、愛してるよ早苗」
ギュッ
「んっ……」
○○さんに抱きしめられている
それだけで私の心臓は今まで動いていなかったんじゃないかと思うぐらい
激しく動き、脈をうっている
ああ、このまま一つになってしまいたい
そう思いながら私は目を閉じて○○さんに身を委ねた
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最終更新:2011年03月30日 22:02