阿求7
新ろだ753
ある日の夜に、どこぞの屋敷の回廊で一人の男が酒を飲んでいた。
男の視線の先には墨で染めたような夜空と、その上にぽっかりと浮かぶまるい月がいる。
また傍らには山のように詰まれた団子とススキがあり、どうやら男は月見をしているらしかった。
近くではコロコロとコオロギが鳴き、遠くではどこかで呑んでいるのだろう、酔人の笑い声が響く。
それをじき秋も終わって冬が来ようと言うに、まあ元気なものだと思いながら、男も徳利を持ち上げた。
どれだけの間呑んでいたのだろうか、酒も団子も尽きかけ、月も南中しようという時刻である。
男がそろそろお開きにしようかと考え始めた頃に、廊下の先から一人の少女が七輪に団子を乗せてやってきた。
少女は男の傍に寄ると、七輪を縁側の外に置き、団子を三方に乗せると、袖から薄青色の小さな酒瓶を取り出した。
瓶には整った紙のラベルが貼られ、毛筆らしい字が書かれていることから、どうやら外から流れてきたものらしい。
男はコトリと小さな音を立てながら瓶を置く少女を、何も言わずに見据えていた。
「それで、阿求」
胡坐をかきながら、男は自分の肩にあごを乗せる少女に話しかける。
阿求と呼ばれた少女は肩越しに男の顔を見つめながら、何ですかと答えた。
男は膝に肘をつき、その上に顎を乗せると、ひどくどうでもよさそうに問う。
「七輪だけ持って、お前さんは何をしに来たんだ?」
尋ねられると、阿求はだってもう寒い時期でしょうと言い、また袖から今度は燐寸と古新聞を取り出した。
木炭はどうした、と、目の前に差し出された二つを受け取りながら男が訊くと、もう入っていますと阿求が言う。
男はそうか、とだけ言うと、新聞に火をつけ、数度に分けて七輪の中に放り込んだ。
真っ赤な明るい炎が七輪の中に蔓延し、やがて落ち着いた暗い赤と変わる。
その間に阿求は男の背中から胡坐の上に居場所を変え、山からあぶれた団子をひとつ咥えていた。
「呑まないんですか?」
火を入れてから、いくらか無言の時間が流れ、始めに声を出したのは阿求からだった。
なにがだろうか、と気の抜けた顔をしている男に、脇に置かれた瓶を指差しながら、お酒ですよと阿求は言う。
そこまで言われてやっと気づいたとでも言う体で、男が瓶へと目を向けた。
ゆっくりと阿求を抱きしめる腕を解き、やはりゆっくりと酒へと手を伸ばす。
阿求は男のその所作を見て、だいぶ酔っているのかしらんと思ったが、しかし呑むのを止めさせようとは思わなかった。
意識はあるのだし、部屋も近いのだから、もし潰れても問題ないと考えたのだ。
阿求が男の顔を見上げながらそのようなことを考えているうちに、男は瓶を捉え持ち上げていた。
二人の腹の前まで寄せられると、月の光に照らされて白く青く輝いていた瓶の色に赤も加わる。
男は数瞬じっと瓶を見つめると、蓋に手をかけ開けにかかった。
きりきりと小さな音をさせながら、男はどこか楽しそうに、また寂しそうな顔でゆっくりと蓋を回していた。
目の前の瓶を眺めながら、七輪から出る弱い暗い灯りに照らされて阿求が尋ねた。
「懐かしいですか?」
自分の顔を見ながらそのようなことを問うてくる阿求に、手を止めながら男はなにがだと返す。
阿求はそれに何も言わずに、瓶を指で軽くはじく。男はどうやら分かったようで、眉をひそめながら答えた。
「まあ、感触はね。聞いたことのない酒だから、そっちはなんとも言えんが」
言いながら男は杯に少し酒を注ぐと、一気に飲み干した。
随分甘い酒だと男が言うと、阿求はなら私も呑めそうですね、と言い床に置かれた杯を持ちあげた。
男は無言で蓋を開け、また杯に少し注いでやると、団子を二つ三つ見繕って七厘の上に置く。
阿求は舐めるように酒を呑み、男は冷めた団子を口に入れる。
二人とも何も喋らず、酔客の笑い声も何時しかしなくなり、辺りには虫の鳴き声が響くだけだった
阿求は酒を呑みながら、はぐらかされたかな、と感じていたが、特に追求することはしなかった。
男もそれは望んでいなかっただろうし、なんとなく自分も深く尋ねたいと思わなかったのだ。
もしかしたら怖かったのかもしれない。率直に懐かしいと言われていたら、帰ってしまうかも思っていたのかもしれない。
今更そんなことはないでしょうけれど、と思うがありえないとも言い切れないから、怖かったのだ。
何度も体を重ねているが、しかし腹の奥底で何を考えているのかよく読めない。
今日も、こんな月見をするような性格じゃなかったはずだ。しかもわざわざ酒を買ってきてまで。
もしかしたらいきあたりばったり何も考えていないのかもしれない。むしろその方が確率としては高いか。
何だってこんな人を好きになったのか、阿求は内心頭を抱えたが、まあ好きになったのだから仕方がない。
グイと杯を傾けると、阿求は酒を飲み干した。
阿求は杯を男に返し、そのまま酒を注ぎ返してやる。
男はまたそれを一息飲み干すと、七輪の上で暖めていた団子を口に放り込む。
阿求も同じように団子を温めようとしたが、皿の上に団子はもうなく、仕方無しに三方の頂上の団子を七輪に乗せた。
それを見た男は、七輪の上に先に乗せていた団子を取り、阿求の口元に運ぶ。
火の匂いのする団子を差し出され、阿求は一瞬躊躇したがしかしそれに指ごと噛付いた。
片腕を封じられ、仕方なく足も使って瓶の蓋を開け、杯に酒を注ぐ。
それもすぐに飲み干す男を、阿求は怪訝な顔をして見つめていた。
もう一度酒を飲み干した辺りで、男の体が揺れるようになってきた。
阿求は大丈夫かと声をかけるが、反応は鈍く、もう一度声をかけることにする。
その問いかけに男は目をこすりながら、だいぶ酔ったらしくひどく眠いと答える。
それなら、と阿求は自分の膝をたたき、枕を貸してあげましょうと言った。
縁側に一人の男が寝転んでいる。男は一人の少女の膝に頭を乗せ、縁側の外を見ている。
少女は男の頭を撫でながら、その横顔を眺めていた。
「どうして、今日に限ってこんなに呑んだんです?」
不意に少女が尋ねる。訊かれて男が少女のほうに顔を向ける。
男の見た少女のその顔はどうにも不安げで、無性にはぐらかしてやりたくなった。
「たいしたことじゃない。ただ呑みたかっただけだ」
答えてまた外へと顔を向ける。少女はまた訊き返す。
「だから、どうして?」
男は少し考えてから、少女を見つめ答えた。
「月が出ているからだよ」
少女は納得しなかったようで、怒ったように男の頬を抓り上げた。
男は痛がる様子もなく、ただ外を見ていたが、やがて何か決心したように少女に向き直り、言った。
「月は中でも外でも見えるだろう。そう思うとどうにも呑みたくなったのさ」
言われて少女は抓っていた手を離し、静かに尋ねた。
「……帰りたいですか?」
男は長く息を吐くといいやと答えた。
「少なくとも、お前がいなくなるまでは帰ろうとは思わんよ」
それを聞き、少女眉根を寄せながらまた尋ねる。
「じゃあ私が死んだらどうするんです?」
男は少し困ったような顔をして言う。
「さあどうしよう、次でも待っていてやろうか」
言いながら男は七輪の上の団子に手を伸ばし、半分齧ると、もう半分を少女の口にやる。
少女はそれを素直に受け入れると、嬉しそうに男の頬を撫でた。
男の目はまた外を向いている。何が見えるのだろうかと少女が身をかがめると、団子の天辺に居座る満月が見えた。
少女は男が自分を見ていないことはもう気にせずに、じっと男と同じ景色を見ていた。
「ところで阿求、もういい加減に眠いんだが、寝ないか?」
少女ははいと答え、七輪の火を消すと、二人して後ろの障子の中へと消えていった。
新ろだ943
夜と言うものは毎日必ずやって来る。しかして聖なる夜と言うものはそうはやって来ない。
とは言え、知っている者に対しては等しく万人に訪れる事は夜と変わりは無い。
それは何処でも、外界でも、幻想郷でも、或いは地底においても同様である。
幻想郷の中でも人の多く住む里、その中の一区画にある屋敷に外から来た男はいた。
当然彼の持ち家と言うわけではなく、その面倒を見ている者の屋敷であった。
日中はそれなりに来客などの来るその屋敷も、今は明かり一つ、物音一つたちはしない。
なにせもう随分夜も更けているのだ、里の中でも明かりのついているのは呑み屋と自警団の詰め所くらいなものである。
しかしその暗がりと静寂の中、ゆっくりと回廊を動く影があった。
その影はある部屋の前で立ち止まると障子戸に耳を付けては中の様子を探り、その内にいる者が寝ていることを入念に確かめている。
やがて、小さく戸を開き中の様子を確認すると、するりとその影は部屋の中へと入りこんでいった。
朝、と言うものも万人に訪れる。望まれようと望まれまいとだ。
雲があれば雪でも積もっていたのではないかと思えるような寒さの中、件の男は目を覚ました。
障子からは冬の弱い日の光が入り込み、また冷たい空気もあって男は布団へと顔を埋める。
こう寒いのならば又布団の中で眠っていたいものだと考えながら、しかし寒さですっかり目は覚めてしまっていた。
しょうがなく陽の光を恨めしく思いながら、男は枕元をまさぐり眼鏡を取ろうとし、そこに慣れた感触の無い事に気づく。
不審に思った男が周りを見ると、どうにも自分の宛がわれた部屋とは色が違い、何より布団の中に何か別の熱源がいる。
なんだこれはと手を伸ばし、掴み、捏ね、引き摺り上げると、黒い何かが釣れた。
よく目を凝らしてみてみると、どうやらそれは黒髪の少女のようで、つまりは屋敷の主のようであった。
彼女は未だに寝ぼけ眼のようであったが、冷たい外気に晒されて、徐々に覚醒しているようである。
やがて男は、少女がきょとんとした眼を向けた頃に、一つ尋ね事をした。
「阿求さんや、何で俺はこんなところにいるんだろうね?」
彼の問いかけに阿求と呼ばれた少女は答えず、自分の枕元に目をやった。
少女の目に映ったのは水差しと器、それと今日の着替え位のものである。
次に少女は男の足先に手をやり、何かを確認すると酷く嬉しそうな顔をした。
その所作に男も又自分のつま先に手をやると、どうにも片方の足にだけ靴下が履かされている。
これはどういうことなのかと靴下を脱ぎながら少女に聞くと、つまり自分はプレゼントなのだと言う。
日頃どこかに出ていることが多い自分と話がしたいから頼んだそうだが、しかしこのやり方は違かろう。
全体誰がやったのかと言えば、女中さんが一晩でやってくれました、とのたまう。
阿求は随分と自慢げな顔をしているが、この場合手柄は女中の方だろう。全く随分と勤労精神旺盛な女中だ、涙が出る。
軽い頭痛を覚えながら目を閉じていると、阿求が心配そうな声で尋ねてきた。
「私の布団はお嫌いですか?」
議論するべきはそこではなく、同衾している事だろうにずれた事を聞いてくる。
しかし布団はと言えば上等な羽毛布団で、自室にあるものとは軽さも暖かさも大分違う。
やはり主人ともなるといい物を使っていると感心していると、赤い顔をして心配げ、なのだろう近づかねば見えないが、に阿求が見上げている。
そんな彼女の頭に手を置き、そんなことは無いと答えると彼女はすぐに破顔し、抱きついてきた。
こちらの胸に顔を埋める彼女の、その背中に手を回し抱きしめてやると、阿求も自分の背に腕を回し抱きつく。
冬の寒さの中の心地よい暖かさと柔らかさを楽しみながら、まあこんなプレゼントもありだろうかと、男は先程放った靴下を彼女に履かせた。
新ろだ1002
もう日付も変わりそうな午前零時頃。
「ふぅ…終わった」
頼まれ物の原稿も終わり一息着いていると。
「…お疲れ様でした」
ふすまを開け、阿求がお茶を持ってきてくれる。
「…ありがt「ドン!」」
お茶が少し乱暴に机に置かれる
「…なんか怒ってる?」
「別に怒ってなんていません」
しかし明らかに声は不機嫌だ。
なにがしただろうか…と思案していると阿求がさらに口を開く。
「少し…ほんの少し寂しかっただけです…」
「あー…」
そうえいばここのところ原稿が修羅場でロクに阿求とゆっくりする時間も取れなかったしな…
ましてや十分話すことさえしていなかったかもしれない。
そのせいで阿求には随分と寂しいおもいをさせてしまっていたのかもしれない。
「ごめんな阿求。最近忙しくt…っ!?」
言い訳をしようと話しだすと、突然阿求が抱きついてくる。
そして腹に顔を押し付けながら言う。
「本当に、寂しかったんだから…」
…あー…もうこの娘は本当に可愛いなぁ。
そう感じた俺は、本能的に抱きしめたくなり、思いっきり抱きしめる。
阿求は少し「…んんっ!」と苦しげに、しかし嬉しそうな声をあげる。
数十秒はそうしていただろうか。
阿求は不意に潤んだ目で俺を見上げ、トドメの一言。
「今なら何をされても記録しませんから…」
…全く、ゆっくり休むのはもう少しだけ先になりそうだ。
Megalith 2011/08/12
朝食を済ませ、縁側で一服していると、妻に声をかけられた。
「――お前様?」
「何だ、阿求」
いつもは人懐っこく私の膝元へかけてくるのだが、今日は違うようだ。
視線を向けてみると、腹を探るような様子がありありと見て取れた。
「昨夜はどちらへ行かれていたのでしょうか」
どきりと跳ねる心臓を平静で囲い、動揺を何とか叩き潰す。
……見た目ではバレていないはずだ。
「昨日か。昨日は△△と――」
「嘘は。おやめになって、下さいね?」
いつも口裏を合わせて貰っている旧友の名を出したのだが、
ぴしゃりと先手を打たれてしまった。
毎度毎度話をつけて貰っていた嘘が露呈してしまったらしい。
ちぎれてしまった嘘を繕うのは大抵の努力では成し得ないと理解している私は、
大人しく事情を明かす事にした。
「――永遠亭の藥師の所だ。今まで度々家を抜けていたのもそれだ。
……隠し事にしてすまなかった」
「何故……何故、あのような所へ?――まさか病気――」
「それはないから安心しろ。超が付くほどの健康体だと判子を押されたばかりだ。
用向きはあるにはあるが、今は明かせない。色事ではないから不審がらないでくれると、助かる」
「少しくらい教えてくれたってよいではないですか」
口をすっぱく尖らせる妻を愛しく思うが、こればかりは用意が出来たその時でなければ明かす事が出来ない。
何より、私の決心が、鈍る。
「すまない。時が来たらきちんと話すつもりだ。
それまで、待っていてほしい」
「……わかり、ました。約束ですよ?」
「ああ――約束だ」
その日一日、妻はどこか不満そうなままだった。
妻に問いかけられてから数日後。
書斎で書き物をしていると、不意に麩が勢い良く開いた。
あまりにも勢いが良すぎたのか、片側に至っては嵌込から外れてしまっている。
「お前様ッ!」
「どうした、阿求」
まるで鬼でも宿したかのような形相をした妻は、外れた麩に目もくれず、
すたすたと私の下まで来ると、その激情を口から放った。
「一体どういうおつもりなのですかッ!」
「待て、落ち着け。一体何の事を言っている」
「お前様が不死人になろうとしていると、薬師の所の月兎より聞きましたッ!」
「――あの小娘め」
永琳に頼み込んでいる時に確かに側にいたのを覚えている。
もう少し口が硬いものだと思っていたが……。
舌打ちしながら小さく罵ると、目の前の妻から怒気がはたと消えうせ、私の前にへたりこんでしまった。
「……そのご様子ですと、あの子の言っていた事は、事実、なのですね?」
「……ああ」
「どうして、どうして、不死人なんかに……?」
心細そうに瞳を潤ませ、こちらを見上げる妻を優しく抱き締める。
ここまで動揺した妻を見るのは初めてだった。
「○○さん、何か……何か言って下さいよぉ……」
「……すまない」
私の返答をどう受け取ったのか分からないが、
妻は私の腕の中でしとしとと泣きじゃくり始めた。
何か言っているのも聞こえたが、嗚咽に掻き消されて今ひとつわからなかった。
「落ち着いたか」
「……はい。取り乱してしまって、すみませんでした」
そうは言うものの、まだ腕の中からは時折鼻をすする音が聞こえる。
片手で妻の背中を撫でてやりながら、これから話すべき事を考えていた。
「久しぶりに素のお前が見れて楽しかったよ」
「んなッ」
「ふふふ……さて、何から話したものかな」
話すべき内容は……この家の歴史と、私の覚悟くらいか。
よし。
「……稗田家が代々歴史を編纂しているのは当人であるお前が一番理解していると思う」
「はい。幻想郷の歴史を、人の生を超えて綴るのが私達一族の使命ですから」
「そしてお前たち一族は転生をしなければ記憶の保持も出来ない。
輪廻から外れるような術を使う手前、反動で短命になりがちだ」
「そう、ですね。どれだけ長生きをしても、五十まで行ったものは非常に稀だとか」
妻は私の話に訝しげにしながらも概ね同意する。
稗田家はかくも残酷な手で歴史を刻んでいるのだ。
――ただこの世界を記す為だけに。
「そして私はお前を心から、いや、魂から愛している。
故に、私は人の道を外れる事を選んだ。未来永劫、君の側に在ることだけを望んで」
「……言っても、止めないのでしょう?」
「君と"添い遂げられる"なら止めたかも知れないが、それは出来ないのだろう?」
す、と視線だけどを私に寄越した妻は、確認するかのように質問を私に投げつけてきた。
「これから先、死ねなくなるんですよ?」
「承知の上だ」
「里の人から不気味に思われるかもしれません」
「その時は公表するさ。稗田家の守人となるべく、不死人となったと」
「○○さんの事を忘れてしまうかもしれません」
「その時はその時だ。想像するだけで心が張り裂けそうになるがね」
「――馬鹿。○○さんは、本当に馬鹿です」
ぽかり、ぽかりと私の胸を妻が力なく叩く。
泣き止んだはずのその目には、大粒の雫が讃えられていた。
「罵声を浴びる位で君の側に在れるなら、安いものだ」
「……」
「……なぁ、阿求」
「……はい」
「お前が男として生まれたならば良き友として。
女として生まれたならば、生涯の伴侶として。
……側に居させては貰えないだろうか」
「そんなの」
「?」
「そんなの、答えは決まりきってるじゃないですか」
「……ありがとう、阿求」
以降、稗田家の綴る幻想郷縁起には、「著者 稗田阿○」ではなく、
「共著 稗田阿○/稗田○○」と記されるようになったとか。
生まれ変わる度に孤独を思うのは、結構キツいと思ったので。
35スレ目 >>412
阿求「○○さんが引っ越す!?」
○○「言ってなかったけ?」
阿求「聞いてませんよそんなの…」
阿求「手紙書きます」
阿求「電話もします!」
阿求「忘れないで、私のことを…!!」
いつまでも、私の記憶に刻むから
あなたの記憶にも、私のことを焼き付けて
○○「ウーっす」
阿求「って近所のマンションに引っ越しただけかーい!?」ズルッ
妹紅「阿求の奴ワンワン泣いて」
○○「ほほう」
阿求「ちょっ妹紅さんそれは言わない約束ぅー!////」
最終更新:2021年05月03日 17:43