神綺1
1スレ目 >>3
魔界ごと貴女を愛してます
1スレ目 >>49
俺「>>45にもああ書いてあることですし、遠慮せずにどんどん結婚しましょうよ神綺様」
神綺様「私……魔界の神なんだから少しは遠慮しなさいよ………」
1スレ目 >>315-316
無知で惰弱な地上の人間が、魔界の神に自分の想いを伝えた
成就することの無いその願い
不退転の決意は、神に無謀と嘲られた
これで十分だと人間は言った。伝えるだけでも満足だと
──人の子よ。貴方の心、受け取りました
今ここでは応える事はできません
遥かな時空の環の中で、まためぐりあうこともあるでしょう
貴方が百年も経てばその命が消えるように
私とて永遠ではありません
魂が滅びれば、別の生き物として生を受けます
誕生しては滅び、死しては生を受け──未来永劫繰り返し内に、同じ環に生きるものとして
生を受けることもあるでしょう
今は、人としての生を大切になさい
貴方の中に見える、紅と白の大輪の花
貴方を想ってくれるものを、尊ぶのが人間としての喜びではないでしょうか
今私にできることは、貴方の心を無碍にしないことだけ
私からのせめてもの餞別です。受け取ってください、人の子よ──
目の前が闇に覆われ、何も見えなくなる
暖かく柔らかいものが、唇に触れた
瞬間、意識が飛ぶような感覚。静寂。深淵
目を覚ました時には、見慣れた紅白がそこにいた
──無事でよかったわ…何日も眠りっぱなしで…し、心配したんだからっ
涙で滲んだ頬を触る。暖かい手をそっと握る
──ただいま
泣きじゃくりながらも、笑顔を見せる紅白
──おかえりなさい
死地から生還したものを迎える、人間の喜びがそこにはあった
──幾千年の時が流れただろうか
世界の姿は変るとも、人の心は変わらない
想いを告げる男がいた
想いを受けいれる女がいた
重ねたその柔らかい唇は、どこか懐かしさがあった
──私、貴方に会ったことがあるような気がします
──ああ、だからこそ俺も君を好きになったんだ
1スレ目 >>858
つまり要約すると作品が少ないキャラ、具体的には
大妖精、蓬莱、毛玉(?)、ルナサ、リリカ、魅魔、上海、神綺様、リグル、神主(それはどうなのか
この人(大部分のぞく)たちにも愛の手を!ってことで!
さあ神綺様! 貴方のカリスマアップのために宣伝しましたよ!
どうか俺と一生一緒に、いやむしろ俺のものになれ神綺!
ってあれ夢子さんそのナイフはなn
香霖道場へ行きますか?
→ はい
Yes
2スレ目 >>304
「好きです」と俺が言ったので、神綺様は当然のように「あらそう私もよ」と言ってくれた。
そこには一瞬の躊躇いもなくて、ああなるほど魔界を創るには素早い反応と決断力が必要なんだなあと思った。その決断力を俺のために使ってくれたのは嬉しかったけれど、あまりにあっさり過ぎて残念だった。
「本当に好きなんです。魔界でも人間界でも一番に」
だからよりドラマチックに言いつのってみた。けれど神綺様は不思議そうな表情で「分かってるわ。だって私は魔界の神でここは魔界だもの」と答えた。それから「私もあなたが一番好きよ」と付け加えてくれた。
魔界神としての力を俺の想いを確かめるために使ってくれたらしい。それはやっぱり嬉しかったし、神綺様の俺が好きという言葉を疑うわけじゃないけれど、なんだか感慨に欠けた。好きな神が傍にいて、想いを伝えて、相手からも同じ想いを返してもらう。最高に盛り上がっていいはずなのに、どうにも盛り上がれない。嬉しいのに何だか悲しくて俺は目が熱くなった。
そんな俺の様子をじっと見ていた神綺様は、「私があなたを愛しているというのが感じられないのね。それじゃあ信じさせてあげましょう」と、神の力で俺たちの愛を物質化してその場に積み上げてくれた。『愛』は東京ドーム何杯分とか考えるのも嫌になるほどの量だった。俺の『愛』は赤紫色で神綺様の『愛』は深緑色。赤紫:深緑=1:9くらいで、鈍い俺はやっと神綺様の俺への愛を実感した。湧き上がる嬉しさにしばらく眺めていたら山積みの『愛』が崩れてきて、神綺様は当然逃げたけれど俺は神綺様を庇おうとして置いていかれ、主に神綺様の『愛』に押し潰されて死んだ。
「ふん、まったくぼんやりしているから」
『愛』を消して、肉色堂の肉箔になりそうなぐらい薄っぺらになった俺を生き返らせてくれてから、神綺様はそう言って俺を軽く睨んだ。まったくその通りだったし、生き返らせてくれた恩があるので俺は「すいません」と謝った。まだ睨まれていたので、慌てて「生き返らせてくれてありがとうございます」と付け加えたら、神綺様の目から険が取れて俺はさらに嬉しくなった。魔界が歌いだした様にすら感じた。それは、生き返った時に血が少なかったからかもしれないけど、どうでもいい。あんまり嬉しくなってしまったから、神綺様に大胆な提案をすることにした。
「神綺様、恋人っぽいことをしましょう」
すると神綺様は興味ありげな表情で「恋人っぽいことってなんなのかしら?」と聞いてくる。
俺はチャンスと見て取り、自信満々に「散髪です」と答えた。
「サンパツ?」不思議な表情の神綺様は可愛い。
「散らすに髪で散髪です。お互いの髪を切りあうのです」
「何で?」怪訝そうな表情の神綺様は色っぽい。
「恋人同士だからです」
その理由で神綺様は納得したらしく、散髪に何が必要か聞いてくる。椅子と櫛と鋏とをお願いすると、すぐに2セット、向かい合わせに現れた。
「それじゃあ散髪を始めましょう」と言いながら椅子に座り、両手に櫛と鋏を構える神綺様。黙って見ていると、鋏をジャキジャキ言わせながら向かいの椅子に座れと促してくる。神綺様の言葉だし鋏も怖かったので、言われたとおり向かいの席に座る。お互いの座り姿を見つめ合う俺たち。これはこれで恋人っぽいな、と思っていたら、二つの椅子が突然動き出しギリギリまで接近した。俺の目の前に神綺様。神綺様の目の前に俺。見蕩れる俺。鋏を鳴らす神綺様。
「スタート」
神綺様はいきなり宣言すると、物凄い勢いで俺の髪に櫛と鋏を入れてきた。ズジャジャジャジャ。鋏の音は機関銃に聞こえるし、ドサドサと俺の髪が落ちていくのは鋏のためか風圧のためか分からない。途中から予想していたが、神綺様は散髪を同時に互いの髪の毛を切りあう勝負だと思ったのだろう。お互いに弾を撃ち合ったりする日常を生きる神綺様のこと、こんな間違いも仕方がなく微笑ましい。俺は神綺様を止めることなく身を任せた。神綺様は楽しそうだったのだ。どこに止める理由があるだろうか?
俺の髪がすっかりなくなって、神綺様は手を止めた。ふう、と一息ついてから聞いてくる。
「私と散髪をしたいんじゃなかったの? 私たちは恋人じゃないっていうことかしら?」
なんてことだ! そんなわけはない。止める理由はばっちりあったじゃないか。こんな風に思われるのなら、もっと早く止めておけばよかった。
「違います。断じて違うんです」俺は急いで説明をする。神綺様に嫌われるなんてあってはならない。そんなことになったら、俺は母親の股の間に潜り込むだろう。
「……なので、同時じゃなく交代交代に切るんです、散髪は」
説明を終えると、神綺様は「そうなの。じゃあ、次はあなたの番ね」と鷹揚に頷いた。魔界神の威厳とおっとりした可愛さを感じる仕草だ。
スキンヘッドの俺は座っている神綺様の後ろに回った。神綺様の体は小さくて、背後を取ると何だか背徳感が沸いてくる。水色の髪の毛に櫛を通すと、水の中のように僅かな抵抗だけで通り抜けた。我慢できず手で触れると、柔らかく温かに包み込んでくる。ぬるり、と髪が動いたように思われ、おれはゾクリという感覚を覚えた。紛れもない快感。手で触れるだけで快感を与える髪なんて信じられない。そっと手に持つと、指の間からスルスルと零れてゆく。とても勿体無く思えて、堰きとめようと軽く握った。
「ん」神綺様が小さく呟いた。
「すいません、痛かったですか?」
「いいえ? どっちかというと……気持ちいい、かしら」
気持ちいい! 俺が神綺様を気持ちよくしている! 俺は必死に平静を装い「そうですか、良かったです」と言った。しかし、後になって思えばそれがいけなかったのだろう。ともあれ俺は散髪を続けた。
「じゃあ、鋏を入れますよ」
「どうぞ」
気を落ち着けようと深呼吸をしたが、神綺様の香りがして逆効果だった。諦めて、長い青髪の端に刃をいれ、一呼吸ためてジョギンと切った。バサリ。髪が人束落ちる。俺が神綺様の髪を切ったのだ。俺は今、魔界神の体の一部を切断しているのだ。俺の愛しさと興奮は最高潮に達した。それがいけなかったのだ。
「あっ」
興奮のあまり、第二刃は大きくそれた。声を整えるのに全精力をつかっていた俺は、暴走する手を止めることが出来なかった。
ジョキン。
ボトリ。
「あ、あ、ああ、ああああああああああ……」
神のアホ毛に鋏が。
>>189
「ふんふんふ~~ん♪」
逸る気持ちを隠す事も無く、鼻歌を歌いながら幻視用の水晶球をごそごそと取り出した。
「随分と上機嫌ですね、神綺様」
「あら夢子ちゃん、今日もご苦労様。
ね、今から久しぶりにアリスちゃんの様子を視ようと思うんだけど、一緒しない?」
「ああ、いいですね。今あの子がどうしているのか、私も気になります」
「でしょ? 最後に視てから一年経つけど、元気にやっているかしら」
昔はもっと頻繁に様子を覗いていたのだが、一度本人にバレて手酷く怒られてしまったので、
それ以来は自粛するようにしている。
「ふっふっふ~ん♪ 可愛い娘は元気にしているかしら~~♪」
――――ぱあぁぁっっ。
力を注いだ水晶球に一つ波紋が走り、傷一つ無い球状の箱庭に、愛しい娘の姿が灯った。
「あ、映った映った。……ふふ、元気そうじゃないですか」
「ええ、良かったわ。ふむ、どうやらお食事中みたいね」
「そのようですね。…………ん? 神綺様、ちょっとちょっと」
「どうしたの?」
「ほら、見て下さい。他にも誰か居るみたいですよ」
言われてみると、確かにテーブルには二人分の食事が乗っていた。
会話も弾んでいるらしく、アリスちゃんの顔が楽しそうに綻ぶのが見えた。
「あらあらお友達かしらね。一体どんな子なのかしら」
この角度では、相手の姿が分からない。少し視点を横に調整してみると……
「!!!!?」
――ぴしっっっ。
動揺のあまり力加減を誤ってしまい、水晶球に一つ亀裂が入った。
「おっ……男っっ!!?」
「お、落ち着いて下さい神綺様っ。……はあぁ……それにしても、あの子も隅に置けないものですねえ……」
隣で夢子ちゃんが一つ息を吐いたが、そんな呑気な事を言っている場合ではない。
「何言ってるのよ夢子ちゃん!! だだだ誰っっ、誰なのよあの男は!!」
夢子ちゃんの襟首を掴んでガクガク揺すりながら喚き散らした。
「おおお落ち着いて下さい! 私に言われても分かりませんよ!!」
「そ、そうよね……ごめんなさい夢子ちゃん。……うん、ただの男友達なのかも知れないものね」
「そうですよ。まだそういう相手だと決まった訳……で、は…………」
水晶球を覗いていた夢子ちゃんが、突然絶句してしまった。
何事かと彼女の視線を追いかけ、
――――水晶球の向こうの風景に、私も言葉を失った。
頬をほのかに染めたアリスちゃんが、サラダの中から長めに切ってあるニンジンを一本唇に咥え、彼の方に差し出した。
「ま、まさか……」
「わっ、わわっ……」
……カリッ、カリッ、カリッ…………ちゅっ。
「愚(ぐ)っ……愚悪悪悪悪悪悪悪悪悪(ぐおおおおおおおおお)ッッッ!!!!!」
「きゃあっっ!!?」
――ッ、ザアアアアァァァァ…………
破砕音さえ立てずに砕け散った水晶球が、砂塵に還り机上に拡がった。
「……あ、あの、神綺様?」
「………………………………夢子ちゃん」
「はっ、はいっ!?」
「……………………明日、幻想郷に行って来ます」
「え?」
「二度は言いません……」
「っ、はっ、はいっ!! お、お気をつけて!!」
慌てて頭を下げる夢子ちゃんを一瞥もせず、ゆらりと椅子から腰を上げた。
…………よくもよくもっ、私の大事なっ、……大事な可愛い娘を誑かして!!
どうしてくれよう、あの優男…………!!!
――――みしり。
「し、神綺様のアホ毛が立った……」
それはおよそ一切の流派に聞いたことも見たこともない奇怪なたくましいなwであった
「ああ、あれこそは神綺様必勝の構え、カリスマ逆流れのお姿……」
神綺流にカリスマ逆流れなる秘剣あり
魔界メイド夢子をして「神妙古今に比類なくてばんじゃいしちゃう!」と言わしめたり
…………そして翌朝。
――ちゅんっ、ちゅんちゅんっ。
「……ん、んん…………朝、ね。……ほら、起きて」
ゆさゆさっ。
「ん……んあ?」
肩を優しく揺さぶられる感触に目を覚ますと、同じく目を覚ましたばかりであろうアリスが、隣で眠たげに目をこすっていた。
「……あ~、おはようアリス。今日も可愛いな」
寝起きでエンジンのかからない脳に活を与えるべく、指を伸ばしてアリスの頬にかかった髪を軽く梳いた。
「ふふ、おはよう。おだてたって、何も出ないわよ?」
「そうか……じゃあ、俺が出す」
ぶー――――っっっ。
「…………」
「…………うむ、これは臭い。はっはっは、今日も健こぐええええええええ」
おもむろに上に乗られギロチンチョークで首を絞められ、鶏のような悲鳴を上げた。
「目、は、覚、め、た、か、し、らっ!?」
「ぐえええええええええっ、やっ、やめっ」
また深い眠りについてしまいそうだったので、慌てて高速タップでギブアップを訴える。
元より本気でなかったのか、あっさり拘束が緩んだ。
「……もう、朝から怒らせないでよね。……っ?」
お返しとばかりに手を伸ばし、間近にあったアリスの頭に手を廻し抱き寄せ、唇を奪う。
不意打ちだったからか一瞬彼女の体が強張ったが、すぐに瞳を閉じて体重を預けてきた。
アリスの頬を滑り落ちてきた少し癖のある柔らかな金髪が、優しく頬をくすぐる。
「……………………」
「………………ん……」
朝のまどろみに融けるような、緩く蕩ける甘ったるいキス。
唇が離れるなり、アリスは赤い顔で俺の頭を軽く小突いてきた。
「もうっ。昨日あんなにしたじゃないの……」
「ははっ、何回しても飽きないんだよ、こういうのは。
……なあアリス。一緒に住むようにして良かった。
朝起きてまず最初に、可愛いアリスの顔が見られる」
「うん……私も安心して眠れるようになったわ。
以前は、誰かと一緒にベッドに入るだなんて、怖くて考えられなかったのにね」
そうなのだ。
以前まで俺は、森の外れのあばら家で日々を過ごしていたのだが、つい十日ほど前からアリスの家に一緒に住まうようになった。
細かい理由は話せば長くなるが、三行に纏めるとこういう感じになる。
『いい加減にしなさいこのアクロバティック馬鹿っっ!!! 恋符「蓬莱マスタースパーク」!!!!!』
『ア、アリスと魔理沙の友情素晴らしすぎてばんじゃいしちゃうううううううう!!!!!』
ちゅどー―――――んっっっ。
……まさか痴話喧嘩で家の八割が跡形無く吹き飛ぶとは、夢想だにしなかった。
苦い思い出が胸中をよぎり、思わず無念の涙が頬を伝う。
「……もう、泣くほど嬉しいの? しょうがないんだから」
――きゅっ。
先程までの会話から俺の涙の意味を勘違いしたのか、アリスが愛しげに俺の頭を胸元に抱え込んでくれた。
……とくん。……とくん。
下着の感触越しに、彼女の心臓が波打つ感触が伝わってくる。……あたたかい。
勘違いを糺すのは何時だって出来る。今はもう少しこうして二人で寝転がり、じゃれ合っていたかった。
俺の方からも、彼女の腰に腕を絡めて、
――がっしゃああああああああんんんっっっ!!!!!
――めきめきめきぃっっ!!
「きゃあっ!!」
「うおっっ!!?」
突然何かが窓ガラスをブチ破って突っ込んで来て、そのままの勢いで床に突き刺さった。
「な、何事だ……?」
恐る恐る闖入者の姿を覗いてみると、女性らしき生命体が地面に60度くらいの角度をつけて、頭から床に突き立っていた。
長いスカートが腰元まで捲れ上がって上半身を隠し、いわゆるドロワーズ丸見え状態だ。
「……ア、アリスちゃ~~ん、お願い、抜いて~~」
「おっ、お母さん!?」
スカート生地の向こう、と言うか床の中から聞こえた情けない声に、アリスが慌てて駆け寄った。
ええっと……『お母さん』、だって?
「んん~~~~~~~~~しょっ!!」
――ずぼっっっ。
アリスが渾身の力で引っ張り上げ、ようやく頭が床から抜けた。
『お母さん』と呼ばれるにはあまりに愛くるしい顔がぶるぶる振るわれ、木屑がぱらぱらと散らされる。
「ふ~~、助かったわ。ありがとう、アリスちゃん」
「そ、それはいいんだけど……お母さん、何でここに?」
怪訝な顔をするアリスに、『お母さん』は指を突き立て、プリプリ怒り出した。
「『何で』じゃないわよ、アリスちゃん!!
しばらく振りに様子を見に来てみれば、何よその男は!!」
「えっ、そ、その……彼はその、私の……」
アリスが恥じらいながら、こちらを横目でチラチラと覗う。
彼女に母親がいたとは初耳だが、ちょうどいい機会だ。
恋人として相応しい挨拶を一発決めて、御母堂を安心させてやろう。
「初めまして、お義母さん。娘さんには、上から下まで隅々とお世話になっていますぜイヒヒヒ」
「挨拶一つまともに出来ないの、貴方はっっ!!!」
――ガゴッッ!!
「ぐはっっ」
アリスから螺旋運動の効いたショートフックを浴びせられ、もんどりうって倒れこんだ。
「お、お母さん、違うの。彼、こんなだけど、本当は優しい人で……」
「いいえっ、お母さんは認めません!!
だ、大体何ですか、朝からそんな格好で、ハッ、ハハ、ハンマーパンチな!!」
「……ハレンチ?」
字数すら合っていなかった。
起き上がり、自分とアリスの姿を見比べる。
そういう事をした日もしなかった日も、お互い下着だけで寝るのが俺たちの流儀だった。
「……確かに。これは失礼しました」
頭を下げて無礼を詫び、洋服箪笥の引き出しから取って置きの勝負パンツを取り出し、おもむろにその場で穿き替える。
唖然と見守る御母堂に、胸をふんぞり返らせ声を張り上げた。
「これでどうですかお義母さぐぼはあっっ!!!」
アリスの前蹴りが、俺の顔面にめり込んだ。
「何処の世界に、初めて会う恋人の母親の前で全裸になる馬鹿がいるのよっっ!!!」
ここにいる。
「……もういいから、二人とも服を着てちょうだい……」
御母堂が、呆れてため息をついた。
その後お互い自己紹介を済ませ、朝食を共にする事となった。
「へえ、魔界の神様、ですか。大変ですね、お義母さん」
さっぱりピンと来ない話ではあったが、いちいちこの程度の事でうろたえていては、この幻想郷では心臓が幾つあっても足りない。
「……大きなお世話です。貴方に『お義母さん』呼ばわりされる謂われはありません」
つー――ん。
「ちょっと、お母さん……」
そっぽを向いてしまった神綺様の様子に、アリスが顔を顰めた。
「なあアリス。どうやらお義母さん、俺に『お義母さん』って呼ばれるのが嫌らしいぞ。
まったく困ったお義母さんだよなあ、まったく」
ムカついたので、三回も言ってやった。
「なっ……な、何なんですか貴方! 大体、ただの人間の癖に……」
「お義母さん」
神綺様の放った言葉に赦し難き響きを覚え、少し強い調子で遮った。
「俺には先程お伝えした名があります。『ただの人間』などという者は、ここには居ない」
「…………」
「…………」
「…………お母さん?」
神妙な沈黙に耐えかねたアリスが、母親の顔色を覗う。
「……失礼致しました。確かに私も我を無くし、礼を失していたようです」
俺に対して頭を下げ、柔らかな微笑みを見せてくれた。
それは先程までとは違う、風格と懐の深さを感じさせる、神の……否、母親の顔だった。
「一つ、私から提案があります」
「はい」
「今日一日、貴方たち二人と生活を共にさせて下さい。
そこで貴方を一人前の殿方と判ずる事が出来たなら、貴方と娘の交際を認める事とします」
「お母さん……」
「承りました。俺としても、この情念がまやかしでない事を見届けて頂きたい」
「ええ、期待しています。それでは一日の間ですが、どうぞよろしく」
微笑みと共に差し出された手を、こちらも笑みを返してしっかりと握る。
――さくっっ。
「っっ!?」
……やられた。
神綺様の手の平に仕込まれていた画鋲が、根元まで俺の手の平に食い込んでいた。
「……ふっ、ふふふっ、こちらこそよろしく、お義母さん。ふ、ふふふふふ……」
ぎゅうううううううううっっ。
あらん限りの握力を振り絞り、彼女の手の甲のツボに指を捻じ込む。
「い゛っっ! ……ふ、ふふふふふ……」
『ふふふふふふふふふふふふふふふ…………』
「…………はぁ……」
笑顔で睨み合う俺たちに、アリスが朝っぱらから疲れ果てたため息をつく。
用意された朝食は、とっくに冷めていた。
さて、いくら客人が来ているからと言って、わざわざ生活サイクルを変えるような必要も無い。
平常通りに、朝はまず洗濯の仕上げから始まる。
昨晩の内に洗剤に漬け込んでおいた被服類を軽く揉んで洗い、水ですすぐ。
基本的に家事はアリスとの分担制で、掃除洗濯などの肉体労働を俺が、炊事などの細やかな作業をアリスが主に担当していた。
「……へえ、結構手馴れたものね」
俺の手際に、神綺様が感心したような声を上げた。
「まあ、一人が長かったもので。別にこの程度の事、覚えてしまえば誰にだって出来ますよ。
……さて、と。後は表に干すだけだ」
「それなら、私も手伝います。ただ見ているだけというのも悪いわ」
「そうですか? じゃあ、お願いします」
洗濯籠を二人で抱えて、表に出た。
家の脇に設置してある二本の竿に、よく伸ばした服を引っ掛けていく。
――びゅうううううっ。
少し強い風が吹き、神綺様の手元から一枚のタオルを空へと巻き上げた。
「あっ、あっ、待って~~」
泡を食った彼女が、逃げたタオルを見上げたまま慌てて走り出し、
――がつんっっっ。
顔面から木の幹に突っ込んだ。
「あ、あ痛たた……」
「何をやってるんですか……」
程無く木に引っかかってしまったタオルを俺が捕まえ、作業を再開する。
おたおたと落ち着かない手つきで洗濯物を干していく神綺様を眺めている内に、ひとつ疑問が浮かんだ。
「……ひょっとして、こういうの苦手ですか?」
「なっ……そ、そんな事無いわよ? い、いやねぇ……」
……図星か。神様と言うくらいだから、普段このような雑事を自分で執り行う必要も無いのだろう。
――びゅうううううっっ!
「きゃっ! あ、ああっ、また……」
先程よりも少し強い風が吹き、神綺様の手元から俺のパンツが一枚こぼれて宙を舞い、
「おはようございまーすっ。新聞でー――す……うぷっ!?」
ちょうど新聞を配達しに来てくれた文の顔面に覆いかぶさった。
「とっと。何なんですか一体……うっ、きゃああああああっっ!!?」
――ばりばりばりいぃぃっっ!!!
「ああっ、俺の準・勝負パンツが!!」
文の悲鳴と共に、チキンラーメン柄のパンツが無残にも引き裂かれた。
「あらあら、酷い事をする天狗ね」
「九割九分アンタのせいだ!! この鬼母!! 鬼母!!」
朝の森の静寂を、俺の魂の慟哭が裂いた。
…………
「まったく、何でたかだか洗濯一つでこんな酷い目に……」
「ふふ、まあそう不貞腐れないの。向こうには優秀なメイドさんが居るから、
お母さんが家事をする機会なんて、殆ど無いのよ。どうか許してあげて」
テーブルに三人分の昼食を並べながら、アリスはごちる俺に苦笑を返してきた。
「そうよそうよ。たかが布切れ一つで、狭量なんだから」
「ぐ……」
が、我慢だ俺。ここで怒っては全てが台無しだ。
「まったくアリスちゃんも、こんな小っちゃな男の何処がいいのかしら」
「……ちょっとお母さん、それは酷いわよ」
「…………」
――その言葉、宣戦布告と判断する
当方に迎撃の用意あり――
俺の胸の内のタガが外れ、秘めたる怒りが静かに弾けた。
よくよく考えてみれば、俺とアリス二人の関係を、母親とはいえたかだか第三者にとやかく言われるような理不尽は無い。
……認めてもらう必要など、元より無いのだ。
俺は、この鬼母を屈服させ、とっとと歩いて帰って頂く覚悟を決めた。
遠い昔、鬼すら退けた人間なりの戦い方、とくとその身で味わうといい!
「ああっ、外で香霖が褌一丁で幻想郷鳥人間コンテストの練習を!!」
『えっ!!?』
俺の叫び声に反応した二人の顔が窓から外に向けられた隙に、
――ばばばばばっっ!!
神綺様のシチューに、永遠亭特製激辛スパイス『恒心解脱』を山盛り溶かし込んでおいた。
小さじ一杯で向こう側の景色が見られる、素敵な香辛料だ。
「……何よ、何も無いじゃない」
「あれ……見間違えたのかな。悪い悪い。それより、早く食べようぜ」
「そうね。それじゃ、いただきま……」
「ああっ!! さっきの天狗が木の陰であられも無い格好になって何やらゴソゴソと!!」
「えっ?」
「それは大変だっっ!!!」
男の本能を激しく揺さぶる神綺様の叫びに、椅子を蹴飛ばして窓にへばり付くが……
「何だ、何も無いじゃないですか」
「あらそう? 見間違えだったのかしら……ごめんなさい」
「もう、二人ともはしたないわよ。ほら、手を合わせて」
アリスに無作法を窘められ、大人しく両手を眼前で合わせる。
……席を外した隙に、最初の状態から少し皿の位置が動いていた。…………まさに、作戦通り。
『いただきまーす』
三人の声が揃うのを皮切りに俺はスプーンを手に取り、
神綺様の手によって俺の元に巡って来た、スパイスたっぷりのシチューを思いっ切りかき込み、
「……っ、ぶっはあああああっっっ!!!!!(ttp://storage.kanshin.com/free/img_7/79834 /1334907665.jpg)」
国民的巨大回転亀よろしく、ホンマモンの爆炎を噴き出した。
「きゃあああああっ!!?」
「あはははははっ!!」
アリスの悲鳴と神綺様の嘲笑が重なった。
流石は永琳印の殺人スパイス……! 唇から食道を、直接火で炙られるような痛みが襲う。
俺は、薄れゆく意識と魂を、必死で繋ぎ止めた。
「うっ、ぐっ、げほっ、げほっ……!」
「あははは、いい様ね、あはははははっ」
「ちょっとお母さん、笑ってる場合じゃないでしょう!?
ね、ねえ、大丈夫? ほら」
アリスが慌てて駆け寄り、水の入ったグラスを差し出してくれた。
――――ここが勝機!!
俺は差し出された水を一気に呷り、
「うっ、うわあああああんっ!! 酷え、酷えよおおおおおおぉぉぉ!!」
アリスの腰にしがみ付いて、子供のように泣き叫んだ。
「あははははっ!! 無様、無様ね。あはははは!!」
「……っっ、お母さんっっっ!!!!!」
「っ……ア、アリスちゃ……ん?」
いきなり自分に向けて発せられたアリスの怒声に神綺様が身を竦ませ、瞳をパチクリさせた。
「いくら何でも酷すぎるわよっ!! この人がお母さんに何をしたって言うのよ!!」
嘲笑から一転、狼狽する母親に対して、恋する娘の怒りが容赦無く炸裂した。
「え? いやその、アリスちゃん? これは彼が……」
「ああもう可哀相に。痛かったでしょう?」
アリスが俺の頭を優しく撫でてくれる。
「おろろ~ん、おろろ~ん」
おかげ様で、俺の嘘泣きにも拍車がかかった。
「大体何なのよ今日は! 約束も無しに急に来たと思ったら人の恋人に難癖ばかりつけて、
挙句、私の作った料理にまでこんなつまらない細工して!!」
……ごめんなさい、後半部分は俺です。
「ち、違っ、アリスちゃん、その、私は貴方に悪い虫がつかないように……」
「ああもう余計なお世話!! お母さんが何と言おうと、私は大好きなこの人と添い遂げます!!」
「…………」
いかん。ちょっと感動してしまった。
「そ、そんな、アリスちゃん? ……う、うぅ……謀ったわね……」
半泣きで俺の事を睨む哀れな未来の義母に対し、アリスに見えないように、タラコのように腫れ上がった唇をニヒルな笑みの形に歪めてみせた。
――完全勝利!!
感情を内に溜め込むタイプなだけに、一度ヒスを起こしてしまったアリスを宥めるのは容易な事ではない。
俺は、敵を痛い目に会わせる為なら自分も痛い目に会って構わないという、非常に迷惑な神風精神の持ち主なのだ。
「ね、お願いアリスちゃん。落ち着いて、お母さんの話を……」
「もうイヤっ、帰って!!!
お母さんなんて、大っっ嫌いっっっ!!!!!」
「…………あ、あ、あぁ……………………」
……文句のつけようの無い、完璧な止めの一撃だった。
神綺様が言葉を失い、顔を真っ青にしてよろよろと後ずさる。
「ヘイ神様!! 帰るんだったら、コイツで送って行くぜ!?」
――ぎゅるるるるるるんっっ!!!
ここぞとばかりに部屋の隅から、例によって香霖堂で購入したセグウェイ(改造済)を引っ張り出し、その場で華麗にスピンを決めてみせた。
「うっ、うわあああああんっ!! アリスちゃんの分からず屋あぁっ!!
その蝙蝠男に、ケツの毛まで毟り取られちゃええええええええぇぇぇぇ~~~~…………(フェードアウト)」
神は俺のありがたい申し出を無視して捨て台詞を吐きながら、走って部屋を出て行った。
――こうしてマーガトロイド家は苦闘の末、いつもの平和な時間を取り戻したのであった…………
…………そしてその夜。
「ご馳走様。今日も美味しかった」
「うん、お粗末様……」
あの後、神綺様が壊した窓ガラスと床の修繕に今日の残りの時間全てを費やし、他の事には何も手をつけられなかった。
おまけに、あれ以降アリスも少し元気が無いときている。
「なあアリス。お義母さんの事、気にしてる?」
「……うん、少し」
「…………」
久々に会った大切な母親を、あのような形で突き放してしまったのだ。
心を痛めていない筈があるまい。
……九割以上俺と神綺様のせいだとも思ったが、男とは過去の鎖を断ち切る事によって強くなるものなのだ。
「……アリス。今度は俺を向こうに連れて行ってくれないかな」
「え? 何でまた……」
「お義母さんに、真っ向から言わなきゃいけない事がある」
「……どんな事?」
「決まってるだろ」
右手を伸ばし、指先でアリスの頬の稜線をそっと撫でた。
「『娘さんを俺に下さい』ってさ」
「ぁ…………」
柔らかな頬に、ほのかな朱が灯る。
「……えっと、その、それって…………プロポー……ズ?」
「ああ、他にどんな意味があるんだよ。アリスも言ってくれたじゃないか。俺と添い遂げるって」
「……うん…………ありがとう。嬉しい……」
「………………ん……」
「……………………」
テーブルを挟んで、誓いの口付けを果たす。
――神様、視てるか?
俺は確かにちっぽけな人間だけど、貴方の娘をこんなに愛しているんだ。
今度会った時には、しっかり認めてもらうからな?
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神綺が魔界に戻ったのは夜五ツを回った頃である
ひとしきりわめいた後 創造神は獣のごとくうつぶせに眠った
4スレ目 >>11
「……と、アリスの現況はこんな所です。」
「ありがとね夢子ちゃん。今日はもう休んでいいわよ。」
「それでは失礼致します。」
夢子ちゃんが私の部屋から出て行くのを確認すると、私は本棚の前に立つ。
別に本を読む訳ではない。
私が呪文を唱えると、本棚が消え、一つの通路が現れる。
その先を私は黙って歩いていく。今では私しかしらない、私だけの秘密の部屋。
暫し蝋燭の灯りだけを頼りに進んでいくと、開けた場所へと出る。
そこには古ぼけた食卓、古ぼけた壁、古ぼけた天井。
そして壁に掛かっているのは古ぼけた額縁。
私は掛けてあった額縁を見る。そこに書かれているのは、私と、私の愛した夫と、私の愛した本物のアリス。
私はジッと、その絵を眺めている。
『人が人を創るんだ。それを神が一人でやっちまうんだぜ?おこがましいと思わないか?』
昔、あなたにそんなこと言われたっけね。
指先で軽く絵の中の夫を撫でる。笑顔で描かれた愛しい人に、温もりは無かった。
「神が人を創るのは、とっても寂しいからなのよ…?」
そう呟きながら、私は絵を見続けた。
4スレ目 >>503
里帰り
「いい風呂でございました、と」
「……なんでアンタがウチの風呂に入ってるのよ」
「俺の親今いないだろ?だったらウチで――ってアホ毛の神様が誘ってくれたんだよ」
「アホ毛いうな!!だからって普通入る?」
「いや、俺も一応断わったんだぞ?それをアホ毛の神様が『いいからいいから』って」
「まったく、ママは何を考えてるんだか……」
「百歩譲って風呂はいいとして、泊まっていけって言うんだよ。――あ、さすがに断わったぞ?」
「あ、当たり前でしょ!図々しいにも程があるわよ!」
アホ毛「アリスちゃーん、布団敷けたわよー!」
「…………」
「いやいやいや!ホント、ホント帰るから!」
アホ毛「早くおばさんと一緒に寝ましょー!!」
「マジで!マジで帰る亜kあr1!!1!」
30分後
「……あの、おばさん」
「あら?お義母さんでもいいのよ?」
「そんなことより寝ながら腕を組んでくるのはやめてください」
「ちょ、ちょっとママ!なにやってるのよ!」
「あら、いいじゃないのー。知らない仲じゃないんだし~」
「どどどどいうう意味ですか!だから胸あたあた当たってr」
「声裏返しちゃって可愛いわね。このこのっ☆(むにゅむにゅ)」
「ちょ、何ニヤけた顔してるのよ!!ママもいい加減にしてよ!!」
「なによー。アリスちゃんもやりたいならやればいいじゃないの☆」
「……………(ふにっ)」
「お、おい……アリs……」
「か、勘違いしないでよ!!マ、ママに変なことしないように掴んでるだけだからね!」
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oo ノ
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5スレ目 >>31
流れを読まずに神に願う!
「貴女と共に歩みたい、貴女と共に笑いたい
そして、貴女の背負うものを少しでもいい 背負って生きたい
貴女のことを どうしようもなく愛しているから
貴女と居る事を 何よりも祈っているから…」 to 神綺
5スレ目 >>68.69
「おかあさま~」
タッタッタッ・・・・・・ムギュ!
「あらあら、どうしたのアリス」
「へへぇ~、おかあさま あったかい」
「まあ、今日のアリスは甘えん坊さんね」
「む~アリスあまえん坊じゃないもん!」
「フフッ、それで何か用があったんじゃないの?」
「あっそうだ!おかあさまに聞きたいことがあるの」
「聞きたいこと?」
「うん!あのね、おかあさまはなんでいつも かみがたを変えないの?」
「髪型を?」
「うん、それにいつも同じかみどめをつかっているよ。せっかくきれいで長いかみなのに・・・
おかあさまなら きっとどんなかみがたでもにあうんだろうな~♪」
「あら、ありがとうアリス。でもね、今は髪型を変える気はないの」
「ええ~、なんで!」
「それはね。この髪型も、そしてこの髪留めも大切な思い出が詰まっているからよ」
「たいせつな思いで?」
「そう、とても大切な思い出・・・」
「この髪留めはね、大切な人が初めてプレゼントしてくれたものなのよ」
「たいせつな人?」
「ええとても、そう とても大切な人よ。その人がね これをプレゼントしてくれたんだけど、その時にとても真っ赤な顔をしていてね
なんかとても悪戯して見たくなってしまって『私の髪に付けて見て』って言ってしまったの」
「その人はどうしたの?」
「これでもかって言うくらい赤くなっちゃってね。でも、その後に困った顔をしてワタワタし出したのよ」
「え~、どうして?」
「あまり、ファッションとかに気を回すような人じゃなかったから・・・。センスが悪いって言うわけではなかったんだけど
特にあの頃は女の人の髪型とかには疎かったわね」
「ふ~ん」
「話を戻すわね。しばらく困った顔をしていたんだけど、少ししてから私の頭を突然なでだしてね
今思えば必死で髪形を考えていたんだろうけど、その頃の私は突然なでられてとても驚いていたわ」
「おかあさま 今はあまりおどろいたりしないもんね~」
「クスッそうね、今は色々と経験しているからね。それで、しばらくなでられていたんだけど、不意に彼が離れて言ったの
『これでどうかな?』って」
「それじゃー」
「そう、それが今の髪型。だからこの髪型には大切な思い出が詰まっているの」
「そのときからずっとそのかみがたなのー?」
「正確には 彼がいなくなってから・・・かな」
「えー!ひどーい いなくなっちゃうなんて!」
「フフッありがとうアリス。でもね、いいのそれは仕方が無いことだから」
「どうして!その人いなくなっちゃったんでしょう!」
「彼と私では寿命が違いすぎたの。彼は人間だったから」
「にんげん?」
「そう、人間。私に初めて愛しいと言う感情を与えてくれて、私に初めて寂しいと言う感情を与えた人間
私に孤独とはどういうことか教えてくれた人・・・それが、彼」
「おかあさま~ かなしいの?」
「なんで?」
「だって、まるでないているみたいだもん・・・」
「大丈夫、悲しくなんて無いわ。だって」
ギュッ
「わっ」
「アリスがここにいるんだもの。それに、ここには多くの子供達がいる。もう孤独じゃない
幸せなことがあっても、悲しいことなんかありはしないわ」
「へへ~あのね、あのね、アリスも今すごくしあわせだよ!」
「じゃあ、同じね♪」
「おんなじ~♪」
あの頃から随分と時が経ってしまったけど、私はもう大丈夫よ。貴方が死んでしまって 私は一人になった
貴方と出会う前はそれが当たり前だったのに寂しさを知ってしまった私にはその孤独にとても耐えることが出来なかった
貴方を恨んだこともあった。貴方を憎んだこともあった。でも、貴方を愛したことを否定することだけは出来なかった
気が付けば私には多くの子供達がいて、いつの間にか神と呼ばれる存在になっていて・・・
今の私を見たら貴方はなんていうのかしら・・・ 笑うのかしら?それともほめてくれるのかしら
きっと泣き虫が神だなんて似合わないって言うわね。フフッ
貴方がいなければ子供達を愛することが出来なかった。貴方がいなければ一人でいることに寂しさを感じることが出来なかった
そして、貴方と出会わなければきっと私は今も孤独を知らずたった一人で生きていたでしょう。
私は今多くの子供達に囲まれて幸せです。だから、私を変えてくれた貴方にこの一言をどうしても届けたい。
『ありがとう。そして、これからも 愛しています』
「アリス。今日のお夕食は私が作るわね」
「わ~い♪」
「でも、その前に夢子ちゃんを説得しなきゃいけないわね」
「ゆめおねえちゃん がんこだから」
「フフッそうね。説得・・・手伝ってくれる?」
「はーい!じゃあ急いでかえろう!」
「あらあら、走ったら危ないわよ」
「おかあさまー!はやく、はやくー」
コンプセクトは「家族」そして「ギャグじゃない神綺」でつくりました!
母性あふれる神綺を書いてみたかったんです。
後悔は無い!我々は前に突き進むのみ!?
5スレ目>>527
幻想郷の中心で愛を叫び隊!
突口隊員 行きます!!
「例え分不相応と言われようとも、俺はお前を愛し続ける!」→神綺
最終更新:2010年06月04日 02:43