人形1



1スレ目 >>210


「オチャイレタヨーゥ」
「あ、ありがとう上海さん」
 頼りなげに飛んでくる上海さんから、紅茶が入ったカップを受け取る。
 アリスさんの家だけあって、凄くいい香りがして、心が落ち着く。
「ドウイタシマシテー!」
 上海さんはテーブルの上の本に腰掛けて、嬉しそうに笑った。
 なんでもアリスの飲むお茶は、上海さんが淹れるらしい。
 普段はアリスが自分でやるものの、人形作りをしている時は上海さんが淹れるとの事だ。
「ん…美味しい。これなら喫茶店とかも出来そうですね」
「ホメスギダヨゥ…」
 顔を隠しながら照れる上海さん。いちいちの動作が可愛らしい。

 しばしの間、部屋には俺が紅茶を飲む音と、風がそよぐ音だけが響いた。
 上海さんは眼を閉じて、静かに風に吹かれている。
 その姿は、人形である事を差し引いても…綺麗な姿だった。
 …胸の奥でたゆたっている言葉が、少しずつ浮かび上がってくるのが分かった。
 言おうか言うまいか、少しの間迷い…そして、決意した。
「上海さん…」
「ン?ナニー?」
「俺…上海さんの事が、好きです」
「シャンハイモ、スキダヨー?」
 いや、違うんです上海さん。好きの種類が違うんですが!
「…LIKEじゃなくて、LOVEの方で、です」
「………ヘ?」
 呆然とする上海さん。言われた言葉の意味が飲み込めないご様子。
 けれども、時間が経つにつれて少しずつ分かってきたのか。

「シャンハーイ!」

 …いきなり胸元に飛び込んできましたよ、この子。
「しゃ、上海さん!?」
「シャンハイ、ワカラナカッタ!イッショイルト、ワクワクドキドキシテタ!シャンハイモイッショ!」
 えっと…それって、つまり?
「シャンハイモダイスキ!ウレシイヨーゥ!」
 そういって、スリスリとほお擦りしてくる上海さん。
 …はっきり言って、めちゃめちゃ嬉しいし、愛しい。
「こんな俺だけど…宜しくね、上海」
「ウン!コッチコソダヨゥ、ダンナサマ!」
 いきなりそこまで飛ぶんですか!?
 突っ込みたかったけど…幸せそうな彼女を見ていたら、そんな事言えやしない。
 俺は少し笑いながら、上海さんを抱きしめた…

 …どっかでアリスが見てそうな予感。展開が唐突?…ゴメンナサイ。


1スレ目 >>705


ネタが浮かばない・・・助けて。ってなわけで少しリクエスト取るか。
下手だがそれでも良いのなら、誰のが書いて欲しいのか教えてくレミリア。
ただし!どういう展開になるかは予想できぬ。

とりあえず、首吊る前に告白

「蓬莱好きだーーーーーーっ!!!」ギシッ


1スレ目 >>744


上海人形が「ナデナデシテー」ってうるさいから
頭の上にマッサージ器あてて死ぬほどナデナデしたら

「シャー…ンハーイ…シャー…ンハーイ…シャー」ってなった。

最初は面白かったんだけど、なんかキモくなったので首元を横から思い切りチョップしたら
「ケッコンシテー」みたいなこと言いながらすごい勢いで抱きついてきた。


1スレ目 >>860


 季節は移り変わり、日に日に空気は澄んで行き、実に過ごし易い秋の日。
 今日も今日とて俺は蓬莱人形と軒先で一緒に首を吊る。

「今日も良い天気だねぇ、蓬莱。実に良い首吊り日和だね」
「ホラーイ」

 彼女も同じ気持ちらしい。
 ん~良い感じ。

 一応言っておくが、俺は本当に首を吊っているわけではないぞ!?
 正確にはフックを引っ掛けぶら下っているだけだ。
 ただそう見えるように首に縄を付け、吊っているように見えるだけだ。
 魔理沙が本当に首を吊っていると勘違いして永琳を呼びに飛んで行ったのは結構新しい記憶だ。

「お願いだから、人ン家の軒先で首吊るのいい加減止めてよ!!」

 アリスが何か言っているが、気にしない。

「はぁ、平和だね~蓬莱」
「ホラーイ」

 ん~今日も実に良い感じ。
 今日も明日もそしてこれからも俺は蓬莱人形と軒先で一緒に首を吊る。


1スレ目 >>864


何気に思いついた後日談?


 いつもアリス宅の軒先で吊っていたので、遂にアリスに追い出された…
 仕方ないので蓬莱人形を誘って、紅魔館のテラスの庇(ひさし)で吊ってみた。
 ここは風が抜けて実に快適空間だ。
 明日は博麗神社の軒先で吊ってみよう。


 それから数ヶ月が経った頃、
 いつも勝手に家の軒先で吊っているのでいつしか俺は『首吊り来訪人間』と呼ばれるようになった。
 『首吊り蓬莱人形』と『首吊り来訪人間』のコンビの前に敵はいないぜ!
 次はアリスのスペル入りでも目指してみるかな…?

「師匠、あの人間怖いですぅ」
「魔除けとでも思っていなさい。ウドンゲ」

 そんな俺は永遠亭の軒先で今日も蓬莱人形と首を吊る。



すまん。調子に乗り過ぎたかもしれんorz
咒詛「首吊り来訪人間」
ぎゃー、怖いよー


>>520


「シャンハーイ?」
「暇だな」
「シャンハーイ……」

 いきなりだが暇だ。暇で暇でしょうがない。
 このままだと暇人から暇神にレベルアップ出来そうなくらい暇だ。

 この津波のように押し寄せてくる圧倒的空虚感の前には、如何なる強大な力も砂上の楼閣に等しい。
 ならなにかすればいいじゃないか、家事とか。と言われそうだが、あまりに暇すぎて何もする気が起きない。駄目人間にも程がある俺万歳。
 ていうか、この家は基本的に料理以外の家事は人形がするんだよ。掃除とか俺がやるよりよっぽど早いし。
 ……俺は誰に向かって言い訳してるんだ。流石は暇、この俺の思考を操るとは恐るべし。

「シャンハーイ?」

 いきなり黙ってしまった俺を心配したのか、いつのまにか上海が頭の上に乗っていた。
 なんでもない、心配してくれてありがとう。の意味を込め頭を撫でてやる。
 それで安心したのか今度は肩に乗ってくる。その嬉しそうな動作が一々愛らしいことこの上ない。思わず頬が緩んでしまう。

 ……そうだ。こんな時は上海について考えてみよう。

 ――上海人形。
 アリスの創った、まるで命を持ったかのような人形。
 基本的に「シャンハーイ」としか喋れないが、喜怒哀楽は確立しており、下手な人間よりよっぽど人間らしい。
 感情面で限りなくヒトに近づいたヒトガタ。それはヒトと何の違いがあるというのだろうか。
 魂があるのが生物、ないのがモノ、とよく言うが、魂という不確かな現象を一体誰が定義するのか。出来るのか。
 突き詰めれば魂なんて存在するのか――

 ……OK、落ち着け。元々俺はこんな哲学な事を考える人間じゃないだろ?
 それに考えるのもいいが前提が間違ってる。 
 幻想郷と向こう側は違うんだよ。人間が空飛ぶし。魔法とか普通にあるし。

 そうだ。ちょっと想像してみよう。俺とは逆に、もし幻想郷の住人が向こう側に流れ込んだらどうなるのか。

 例えば見た目幼女の妖怪ルーミア
 夜中、おなかすいたーと泣き喚く、金髪赤目の少女。
 それを見つけた心優しいお兄さんが言うわけだ。僕の家に行けばいくらでもご馳走をあげるよ、と。

 ――あなたは食べてもいい人間?

 可愛らしく首を傾げ、上目遣いの涙目で問いかけるルーミア。
 感極まってその場でご飯をあげようとするお兄さん。
 そして数秒後、辺りに轟く絶叫、断末魔。オレサマオマエマルカジリ。

 ……と。思考が大幅に逸れた。上海の事についてだったな。
 「シャンハーイ」だけでコミュニケーションを成立させるのは誰かに似てる気が……。
 ああ、そうだ。奴だ、奴に似てるんだ。

 「なあ上海、イク○ちゃんって知ってるか?」

 勿論知るはずもない。
 サザエ○んが幻想の存在になるのは、些か早すぎるだろう。

 ――ドドドドドドドドドド

 「ん?」

 何処かで聞いたことのある擬音が辺りを包む。

 「シャーン(チャーン) ! ハーイ(ハーイ)!」
 「!?」

 ス、スタンド!? しかもイク○ちゃんの!?



 投げっぱなしで終わり

 オチなんて飾りです。偉い人には(ry
 上海にイク○ちゃんをやって欲しかった。今は反省してる
 ジョジョ風イク○ちゃんは、某Flash参照のこと


4スレ目 >>578-580>>583-584>>586>>591


578 名前: 名前が無い程度の能力 投稿日: 2006/07/15(土) 17:27:39 [ jDFS06n6 ]

なあみんな聞いてくれよ。

昨日おかしな気配がして跳び起きたらなんか人形?とかそんな感じのものが、
アナログなビデオカメラで俺のことを録ってたんだよね。
あれ何?
最近幻想郷にビデオカメラが入ってきたのはしってたけどさ。


579 名前: 名前が無い程度の能力 投稿日: 2006/07/15(土) 18:45:03 [ p3vHtAdY ]

おまえ幸せだな。それは京人形あたりの熱い暑い想いの末の行動だ。
上海、蓬莱はやらんよ。あれは、ボクのだ。


580 名前: 名前が無い程度の能力 投稿日: 2006/07/15(土) 18:59:18 [ NAxm5ZN6 ]

ころしてでも(ry


583 名前: 名前が無い程度の能力 投稿日: 2006/07/15(土) 21:31:22 [ Axd5uQhc ]

579
蓬莱は俺のだ


584 名前: 名前が無い程度の能力 投稿日: 2006/07/15(土) 21:46:04 [ UNlOO6w2 ]

馬鹿言え。蓬莱は我輩のだ!


586 名前: 名前が無い程度の能力 投稿日: 2006/07/15(土) 22:59:59 [ jDFS06n6 ]

なあみんな聞いてくれよ。
ついに盗撮の正体をつきとめたぜ!
みんなのいってたとおりアリスんちのお人形さんだった。
名前はロシア人形っていうらしいんだ。
迷惑だけど少し嬉しかったから小さな身体を抱きしめてやったさ。
そこにアリス本人の登場ですよ。
あんたなにやってんのとか言いながら無理やりチャイコフスキー(仮名)を引きはがしたら後ろからグランギニョルの方々が飛び出して来て、
〇〇はあたいらのもんだとか言い始めたからもう大変。
チベット人形、京人形、ロンドン人形、うどんげ、果てはメディまで加わっての大乱闘ですよ。
ちょwwレーザーとんできたww助けt


591 名前: 名前が無い程度の能力 投稿日: 2006/07/16(日) 01:38:19 [ YKaXJ3Es ]

そんな中、オルレアンと夜空の下でボーっとしていた俺は勝ち組……?
いや、ほら、オルレアンて喋らないから感情とか分からんのよ。
胸に抱いてあげても反応薄いしさ。あれか、俺の修行が足りないのか?


新ろだ2-238


〇〇「アリスー、この魔道書はどこに置いとけばいいんだー?」
アリス「それは危険だから置いておきなさい、私がやるわ」

今日は、一ヶ月に一度の大掃除
あの本泥棒の家ほどじゃないが、ここもかなりの散らかりようだ
まぁ、いつもスッキリ片付けてる魔法使いの家ってのも、なんかイメージ狂っちゃうけどさ

〇〇「危険っつったって、本は本だろー? 俺がやっとくぞー」

よっ、と本を一気に持ち上げる
しかし一気に持ち上げたせいで、一番上の本が床に落ち、広がった

[フングルイ ムグルウナフ クトウルフ ルルイエ ウガフナグル フタグン]

ページがめくれ、地の底から響くような声がする

[イア イア ハスター ハスター クフアヤク ウルグトム ウグトラグルン ウルグトム イア イア ハスター]

〇〇「イア……イア……」
上海「シャンハーイ!」

バタン! と本を閉じる音が響き、正気に戻る
あぶねぇ……もう少しでSAN値がすっからかんになるところだった……

上海「シャンハーイ! シャンハーイ!」

上海が閉じた本の上に乗り、両手を大きく振り回す
言葉は分からないが、どうやらずいぶんとご立腹のようだ

〇〇「ありがとな、上海
   お前が本を閉じてくれなかったら、俺は今ごろ邪神の眷属になってるとこだったぜ(なでなで)」
上海「……シャンハーイ」

なんか両手を振り回すのをやめて、気持ちよさそうにしてる
そのしぐさがなんとも可愛い

〇〇「……」
なでなでなでなで
上海「……」
なでなでなでなで

アリス「……何してるの?」
〇〇・上海「!?」



アリス「だから言ったでしょ! ここには開いただけでも危険な魔道書が山ほどあるんだから!」

いや、そこまでは聞いてねぇ

アリス「だいたいあなたはねぇ! ガミガミガミガミガミ……」
〇〇(ごめんな、俺のせいで一緒に怒られる事になっちまって)
上海(シャンハーイ)

俺は固い床の上、上海は俺の頭の上で正座
徐々に足がしびれてくるのが分かる
願わくば、あと十五分程度で終わってくれるといいんだが



〇〇「あばばばばばばば……」
アリス「なに? もう足がしびれたの? まだ二時間しか経ってないでしょ」

そこは、よく二時間ももったと賞賛するところだと断言する

アリス「しかたないわね。それじゃお説教は終わりにしてあげるから、大掃除の続きやるわよ」
〇〇「待てやコラ」

足がしびれてるっつったろうが
今は歩くどころか、立つ事すら恐ろしくてできないってな状況だぞ

アリス「なによ、足がしびれたって言うから立って伸ばしてあげようって言うのに、何が不満なのよ」
〇〇「……」

だめだ、この魔法使いには話が通じない

上海「シャンハーイ シャンハーイ」
アリス「え、立つ事すらままならない ですって?
    弱いわねぇ……もういいわ。あとは私がやるから、あなたはその辺で座ってなさい」

そう言って、俺が口を差し挟む暇も無く、部屋の奥に引っ込んで行っちまった
まだおもいっきりしびれてるが、座ったまま伸ばした足が妙に気持ちいい

〇〇「俺は 救われたのか?」
上海(コクコク)
〇〇「上海が説明してくれたのか?」
上海(コクコクコク)
〇〇「よくやったああああ! よ~しよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよし」
上海(ガクガクガクガクガクガク)
アリス「うるさいっ!!」

俺が気を失う前に見たものは、顔面にダイビングヘッドを決めんと飛び込んできた蓬莱人形だった



〇〇「んじゃ、俺帰るわ。すまんね、あんまり役に立てなくてさ」
アリス「ええ、ほんとうにね」
〇〇「そこは社交辞令でもいいから否定しようぜ」
アリス「嫌よ。……しかし、ほんとに上海はあなたに懐いてるわね」
〇〇「なぁ。ここに来るようになってそろそろ一年だが、ここにいる時間、ほとんど頭に上海が乗ってるような気がするな」
アリス「よっぽどあなたの軽い頭の上が気に入ったのかしら」
〇〇「うるせー」

そんな漫画どっかで見たような気がするな。あの作者は今も元気に休載してるだろうか

アリス「けど、あなたって上海以外にモテてるのは見たことないわね」
〇〇「やかまし。しかしそんな俺にとって、上海は広大な東京砂漠に湧いたオアシスだよ、ほんと」
上海「シャンハーイ!」
アリス「上海もあなたの軽い頭の上で喜んでるわよ。そんなに言うなら、あなたたち付き合っちゃえばいいじゃない」
〇〇「ははは。もしも上海が150cmになったら、その時交際を申し込むよ」
上海「…………」




上海「シャンハーイ」
アリス「言うと思ってたわよ。それじゃ新しい体を作ってあげるから待ってなさい
    身長は149cmでいいわね?」
上海「……」
アリス「……ちゃんと150cmにしてあげるから、ランスを構えるのはやめなさい」
上海「シャンハーイ!」
アリス「え、ぬいぐるみみたいな体じゃなくて4頭身にしてほしい?
    あと喋れるようにもしてほしいですって?
    ずいぶんと無茶言うわね」
上海「……シャンハーイ?」
アリス「無理と言うわけじゃないけれど……案外難しい事だから、何も参考書がないのがネックね」
上海「シャンハーイ」
アリス「この本は?」
上海「シャンハーイ」
アリス「〇〇が置いていった人形師のための漫画本セット? こんなのが参考になるのかしら?」
上海「シャンハーイ!」
アリス「はいはい。それじゃ一応読んでみるわよ」

一時間後
アリス「糸繰り人形ねぇ……面白けれどコレじゃ参考にならないわ。やっぱりダメね」

二時間後
アリス「これよ。使い方はともかく私はこういう自立型人形を作りたいのよ
    けど、人形を壊すための人間だなんて、滑稽ねぇ」

四時間後
アリス「なるほど、人形の体液には賢者の石を溶かした物を使えばいいのね
    ……パチュリーに言ったら貸してくれないかしら」

五時間後
アリス「人形の頭に回転木馬……妙な発想だけど強いわね。上海にも乗せてみようかしら」
上海「シャンハーイ! ……シャンハーイ」
アリス「冗談よ。……え、趣旨がズレてる? そんな事ないわよ」

六時間後
アリス「うっ……うっ……あなたは家族のところに帰れるはずだったのに……」
上海「シャンハーイ」
アリス「……いけない、読みふけってたら朝になっちゃった」
上海「シャンハーイ!」
アリス「わかってるわよ。でも今日はもう寝かせてちょうだい」
上海「シャンハーイ! シャンハーイ!」
アリス「ええ、起きたらちゃんとやるから、今は寝かせて……おねがい…………くぅ」
上海「(ため息)」



一週間後

アリス「よく来たわね」
〇〇「うちの前に大量の人形を配置して、そのまま拉致ってきた首謀者の第一声がそれか」
アリス「あら、迷惑だった?」
〇〇「言わなきゃわからんか? あと今何時だ? まだ早朝だぞ。すげぇ眠い」

まあ人形達も申しわけなさそうにしてたし、それに免じてこれ以上の追求はよそう
それが大人の対応ってものだ

〇〇「で、何の用だ?」
アリス「実はね、とても変わり者の女の子がいて、その娘あなたの事が好きだって言うのよ
    だから紹介してあげようと思ったんだけど、迷惑なら帰ってもいいわよ」
〇〇「……その娘、かわいい?」
アリス「ちょっと子供っぽいけど、とっても可愛いわよ」
〇〇「我が世の春が来たぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
アリス「あら、眠かったんじゃなかったの?」
〇〇「絶 好 調である!!」
アリス「あとその娘、今庭にいるからあなたのバカ声が丸聞こえだけど」
〇〇「(大声で)HAHAHA、マーカトロイドさん、そんなに大声で話さなくても僕は聞こえてるから大丈夫ですよ
   しかし、そんな御大将みたいな言葉を、女の子が叫ぶのは感心しませんね」
アリス「……この男の何がいいのか、正直理解に苦しむわ」
〇〇「(小声で)それで、もう行っていいのか? 俺はお色直しとかしたほうがいいか?」
アリス「何でよ。さっさと行きなさい。もう一時間も待ってるんだから」
〇〇「(小声)それを先に言えええええええっ!」

女を待たすな
親父、あんたの金言が今日始めて身に沁みたよ

アリス「ちょっと待って」
〇〇「ふぐむぁっ! ……襟をつかむな! 首が絞まるだろ!」
アリス「大声」
〇〇「マーカトロイドさん、襟首を捕まえるのは感心しませんね。頚動脈が圧迫祭りされるではありませんか」
アリス「あなたのサル芝居はもういいけど、二つ言っておく事があるのよ」
〇〇「言ってみ」
アリス「あの子、言葉が不自由なのよ。だからうまく話せないけど、その事に触れるんじゃないわよ」
〇〇「ああ、すげぇ口が悪いとかならともかく、んなこたこれっぽっちも気にせんぞ。で、もう一個は?」
アリス「……この漫画、38巻からが無いじゃないの。さっさと持ってきなさい。
    あのヤクザがどうなるのか気になって夜も眠れないわ」
〇〇「……お代はいかほど、いただけるんで?」
アリス「仲介料」
〇〇「そりゃ困る、おつりで俺が破産しちまうぜ」




庭のベンチでかわいい女の子とさえない男が座っている
言うまでもなく後者は俺だ
まあ、アリスは嘘は言ってない
確かに隣にいるのはかわいい女の子だし、一発目から何の飾りも無い告白をぶつけてくれた
身長は150cmほど、当たり前だが4頭身
しかし

〇〇(見た目っから完璧に上海だろ! 上海もアリスもわからんと思ったのか!?)

見た目も服もいつもと同じ
ついでに言ってしまえば、俺はアリスに次ぐ上海研究科である自負があるのだ
そのため上海のものならば、何気ないちょっとしたしぐさでも見逃さないのである。恐れ入ったか HAHAHA
……なんせ出会って早々、いつものように頭に登られかけて首が折れるかと思ったんだから

上海「〇〇サン、ドウシタンデスカ?」
〇〇「いや、なんでもないよ」

言葉は話せるが、どうしても舌ったらずの言葉遣いになってしまう
上海が話せるようになったのは感動したが……フッ アリスもまだまだだな

上海「……ゴメンナサイ コンナコトデ、トツゼン、ヨンデシマッテ」 
〇〇「いや、突然だったけど、すごい嬉しいよ」

嘘じゃない
それが愛や恋なのかと言われればわからないが、俺は上海が好きだ
その上海が、人間大になって俺に告白してきたんだぜ? 男冥利に尽きるってのはこういうことを言うんだろうな

上海「オヘンジハ イツデモケッコウデス ズットマッテマス」
〇〇「……」

なんか、違う
嬉しい事は嬉しい
けど、俺が求めてるのは、こういう形じゃないんだよね
家に戻ろうとする上海の手を、ちょっと強引に引っ張った

上海「エッ?」
〇〇「返事ならここでするぜ、上海」
上海「!?」
〇〇「バレてないと思ったか? お前が上海なのは初見でまるっとお見通しだ」
上海「…ゴメンナサイ」
〇〇「で、なんで自分を偽ったんだ?」
上海「……ワタシハ ニンギョウダカラ」
〇〇「てゐ」

頭突き という名目で、上海の額と俺の額を合わせる

上海「ナ ナニ?」
〇〇「馬鹿なこと言うなよ。人形だから付き合えないなんて、どこの誰が決めた?
   今からそいつを これからそいつを 殴りに行こうか?」
上海「……〇〇ハ ニンギョウガ イイノ?」
〇〇「それも違うな。俺は、上海がいいんだ」
上海「ドウシテ? ドウシテ ワタシナンカガ イイノ?」
〇〇「……さぁ 理由はわからん。
   けどな、俺が付き合いたい相手ってのを考えたら、自然に上海が出てきたんだ」
上海「……ウレシイ!」
〇〇「それに、言っただろ?
   150cmになったら、交際を申し込むってさ」

そのまま、軽く抱きしめる
……暖かい
錯覚だったのかもしれない
けれど、その時俺は確かに、上海のぬくもりを体で感じていた

上海「……ワガヨノ ハルガキター」
〇〇「妙な事覚えなくていいから」



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最終更新:2010年10月23日 23:50