永遠亭のウサギ1
8スレ目 >>19
永遠亭に住むようになってもうどれくらいだろうか。
因幡の兎とも、他の住民ともうまくやっていけているし
ここでの生活はとても楽しい。
「○○、いるー?」
そう言って入ってきたのは1匹の因幡の兎。
たくさんの因幡の兎の中でこの子だけに妙に懐かれている。
「ああ、いらっしゃい。今日も一緒に遊ぶか?」
「うん!」
因幡の子達はとても元気だ。中には俺より歳上の子もいるっていうのに
皆子供のようにはしゃぎまわっている。
この子も同じで、常に笑顔で遊んでいる。
その笑顔はとても可愛らしく、こちらもつられて笑顔になってしまう。
「なあ、他の皆と遊んでいたほうが面白いんじゃないか?」
いつも気になっている質問を投げかけてみた。
懐かれているのはとても嬉しいし、こちらも遊んでいて楽しい。
「うー…、遊んでて楽しくなかった?」
「いやいや、そうじゃないんだ。いつも一緒に遊んでて凄く楽しいよ。」
そう言いながら、頭をやさしく撫でてやる。
少し笑いながら目を細めている。
「でもさ、毎日遊んでいると飽きるんじゃないか?
いいんだぞ、俺のことは気にしなくても。」
「ううん、飽きないよ、○○といると楽しいもん。
○○とは遊んでなくても一緒にいるだけで楽しいよ。」
「そっかそっか、ありがとな。嬉しいよ。」
「私と○○はずっと一緒だよー。だから毎日遊ぶー。」
そういって、こちらの胸に飛びついてくる。
軽く抱きしめながら、続けて頭を撫でる。
「○○は私のこと好き?私は好き!」
顔を上げて笑いながらそんなことを聞いてきた。
まあ、多分この好きは友達として、ってことだろう。
「ああ、好きだよ、大好き。」
「じゃあ、ちょっと目を閉じて?」
「うん?こうか?」
言われた通り目を閉じると
自分の唇にやわらかい別の唇の感触がした。
慌てて目を開けると少し頬を紅く染めながら
「れーせんが、お互いに好き同士はこういうことやるんだよって。
話を聞いてからずっとやってみたかったけど、○○が私のこと
好きかどうかわからなかったから、困ってたの。」
相変わらず頬は紅く染めたまま、笑顔で彼女はこう言った。
「○○、ずっと一緒だよ。
私は○○のこと好きだし、えーっと…愛してる!」
「え、えっと…あー…こほん。」
この子はもしかして、恋人として好き、と言っているのだろうか?
だとしたら嬉しいが間違いかもしれない。
でも今はその間違いに甘えてしまおう。
「俺も愛してるよ。」
できるだけ優しく微笑みかけて、彼女にもう一度キスをした。
最終更新:2010年06月04日 02:55