ハーレム?2



>>519


○○と文と萃香、それは幻想郷の誰もが公認するバカップル。
しかし……そんなバカップルな三人に……悲劇が訪れる……

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 -幻想郷 博麗神社 境内-

「そんなのってありえないよ……絶対にありえない!」
「嘘です……嘘って言ってください!」

涙ながらに叫ぶ二人。しかし霊夢は冷たく言い放った。

「嘘なんて言わない。○○さんは私が強制的に人間界に帰したわ」
「納得いきません!どうして○○さんが人間界に帰らないといけないんですか!?」
「そうだよ!○○は何も悪いことなんかしてないのに!」

憤慨して抗議する二人。その中で霊夢は静かに言った。

「ねぇ、二人とも聴いてくれる?確かに私だって貴方達みたいなお似合いのカップルを引き裂くなんてことしたくないの。でも……」
「でも……なんなんですか?」
「最近分かったの。○○さんはこの幻想郷においてイレギュラーだったのよ」
「イレギュラー?」
「そこに存在してはいけない人の事。実際彼の周りには色々なことが起きている。先日のパラレルワールドの件もその一つよ。
多分彼はこの幻想郷から拒絶されていると思う」
「拒絶って……!そんなバカなことが!」
「あるの。ちょっと前に彼を呼び出して実験してみたの」
「実験?」
「ええ、博麗大結界に攻撃してもらったんだけど……屈強の人間や妖怪でも絶対破れない筈の結界がいとも簡単に破れた」
「……」
「修復が大変だったわ…これは私の推測なんだけど、多分彼は幻想郷に存在する物なら全て壊す事ができる。例えそれが時空であろうと」
「そんな……」
「彼は"僕はそんなことはしない!"と言っていたけど…やはりあまりにも危険すぎるの。彼は人間、いつ手のひらを返すか分からないわ。だから……」
「だから強制的に人間界に送ったんですか……?」
「ええ、そうよ。これに関しては紫も同意見だったみたい。彼の言うことなんか聞きもせずにあっという間にスキマに落としたわ。スキマは人間界と繋がっているのよ」
「……ちょっと待ってよ……」

霊夢を睨み付けながら萃香が言った。

「じゃあ何?○○はこの幻想郷を壊す危険があるって言うだけでこの幻想郷から追い出されたの!?」
「ええ、厳密的に言えばそうなるわね」
「でも○○はそんな事しないって言ってたんでしょ!なのに何で!?」
「だから言ったじゃない。彼は人間なのよ。人間は力を持ったとき、その力を誇示したいもの。彼とて例外じゃないわ」
「それは一般的な人間の考え方でしょ!○○と毎日のように付き合ってた私が保障する!彼は私と同じで嘘なんかつけない!」
「そうですよ!彼は何だかんだ言って私たちと交わした約束は破ったことが無いんです!それが無理やりであっても彼は約束を反故にしませんよ!」
「……もう、遅いのよ。○○さんは人間界に旅立ってしまった。その事実に代わりは無い……」
「そんな……そんなの…非道いですっ!もう私は二度とあなたには会う事はありません!」
「……霊夢とはもう一生口をきかないよ。今回の事で私は失望した。もうアンタとは付き合うことは無い」

二人はそれぞれの啖呵をきると帰っていった。
後に残された霊夢は……

「…私だって、好きでこんな事は…」

涙ながらにそう呟き、寝室に向かった。

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 -人間界 某アパート-

「……朝か…」

その国に住んでいる人なら知らない人はいない。そんな地区の外れに位置するボロアパート。○○はそこにいた。

「う……昨晩飲みすぎたか……気持ち悪りぃ……頭が割れそうだ……」

その部屋には一介のサラリーマンなら何本でも買える様な安い酒の缶が大量に転がっていた。

「へっ……酒が不味いからかな……なんだか本当に吐きそう……」

数分後、○○はトイレに駆け込んだ。

「うぷっ……クソ……萃香の酒なら…飲みすぎても吐くような事は無かったのに……クソッ!!…なんで……なんでなんだよ!畜生!!」

ぐちゃ、という音を立て握り拳で缶を潰す○○。

「萃香…文…もう一度逢いたいよ……逢って君達と飲み交わしたいよ…うう……」

小さなアパートの一角、そこは○○の嗚咽がずっと響いていた……

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前編終了です。
酒豪コンビのSSは、イチャついてるだけというのが多かったので、今回は路線を180度がらりと変えてシリアスなストーリーにしてみました。
はてさて、○○は幻想郷に戻れるのか?物語は後編に続きます。


(初出不明)


たまには文&萃香以外をば

「ゴホッゴホッ…すごいなこりゃ…」
「大事に扱ってくれよ、私が記してきた大事な歴史なんだから」
「ゲホッ…慧音、だったら普段から綺麗にしておいてよ」
「む…すまん…」

今日は年末ということで大掃除をやることになり、妹紅と慧音の家の整理&掃除をしているのだ。

「次は…物置の整理だな(ガサガサ)」
「ああ、物置の上段のタライは落ちそうだから気をt(カァーンッ)「いってぇぇぇぇぇぇ!」…遅かったか…」
「ちょっと待て慧音、何でこんなところにタライを置いておくんだ?」
「…おお○○、たんこぶができてるぞ」
「…流すなよ…」
「多分あれだ、作者のご都合主義だ」
「…そういう裏の話は禁止・・・」

 ・・・・・・・・・・・・・

「ふぅ、次は表を箒で掃くか」

さっさっさっさっさっさっさっと

「こういうときのお約束の台詞って何だっけ?確か…"お~でか~けで~すか?レレレ~のレ~"」
「(硬直)…○○?」
「うおっ!?…な、何だ、妹紅?」
「…○○壊れた?」
「いや俺は普通だぞっ!ってか待てこら妹紅!その可哀想な物を見る目をやめろ!」

 ・・・・・・・・・・・・・・

「次は…布団でも叩くか…」

バンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバン
バンバンバン、バンバンバン、バンバンバンバンバンバンバン

「"引っ越ーしー!引っ越ーしー!さっさと引っ越ーしー!しばくぞ!"ってハッ!?いかん、また何らかの電波が…」
「(側で見てた)…○○、熱でもあるのか?(額に手やり)」
「いや、俺は正常だぞっ!いや慧音、待てって!どこに連れて行く!」
「魔理沙の家。あいつは多分ウィッチ・ドクターだ。」
「いやだから俺は正常だっつーの!ヤメレ!病気でもないのにあそこに行くと実験体にされかねん!」

 ・・・・・・・・・・・・・・・

「…ようやく終わったか…」
「すまなかったな、妹紅、○○、おかげで助かった」
「ううん、何時でも言ってよ。すぐに手伝いに行くから」
「そうそう、慧音には結構お世話になってるんだから」
「そ、そうか…ではまたお願いするかもしれん、そのときは頼んだぞ」
「「OK♪」」
「さて、俺の時間間隔が正しければ…そろそろ月が昇り始めるな」
「あれ?ちょっと待って。今日って確か…満月じゃあ…」
「え゛っ?じゃあ…(恐る恐る慧音のほうを見る)」
「……」
「け、慧音?」
「フゥゥゥゥゥ、ハァァァァァ…」
「「!!!!!!」」
「…ふっふっふっふっ…今日は運がいい…早くも二人もありつける…」
「「に、逃げろぉーッ(W脱兎)」」
「逃がさないよ…転世『一条戻り橋』!」
「うわっ、後ろから弾幕が!」
「くっ、引き返さないと!」
「…くっくっくっ…戻ってきたね…(がしっがしっ)」
「「あ゛っ…(捕まえられ)あ…あぁ…いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」」

caved!!!!


アトガき(ぇ
ども、来年を平成17年だと勘違いしていた30人目ですw
今回はけねもこで書いてみました。
…もしかしたら文&萃香と並行してシリーズ化するかもしれませんw

 ---門松の裏---
 最後のシーンで慧音が二人を戻すために一条戻り橋を使ってますが…
 http://wray.hp.infoseek.co.jp/touhounote/picture/th_0592.jpg
 ↑元ネタです…
 …もしかしたら「come on!」って言ってるのは俺かm(caved!!!
 ---ここまで門松の裏---


避難所 >>2


そしてついでにひとつ投下。

…これで自分が元々誰だったか分かってしまうかも…

「○○さ~ん、萃香さ~ん、いいお酒が手に入りました。宴会しましょう!」

「お!待ってました~♪」

 -ほぅ、どんなお酒?-

「東洋の南のほうで作られた焼酎だそうですよ。確か銘柄が…青森でしたっけ?」

 -……それは東洋の地方の名前だろう……しかもかなり北のほうの……-

「えーと……まぁ、いいですよね!お酒は美味しければそれで良いんです!」

「あ~、文、ごまかしたな~……まぁ、いいか」

談笑しながら○○宅へ移動

 -まずは一献……ってこれはなかなかキツいな……-

「そうですかね?私はものすごく美味しく感じましたけど」

「私も~、こんなの序の口だよ」

 -まぁ、二人とも酒には強いからね……-

一刻経過……

 -うぅぅ……限界が近いんだが……-

「えーっ!!まだ一刻しか経ってませんよ!!」

「○○しばらく飲まないうちに酒に弱くなっちゃった!?」

 -そうかなぁ……うっ、こりゃ駄目だわ……スマンが先に寝かせてもらうぞ……-

「分かりましたゆっくり休んでくださいね」

「お休み~」

○○、自室にて就寝

「「……フ、フフフフフフ……大成功♪」」

「○○さんが飲んでいたお酒の中にスピリタスをちょっとづつ混ぜていく作戦……成功ですね♪」

「さてと、早速○○の部屋に行くとしようか!」


【この後どうなる?】
1.○○は実は寝ているフリをしていて……

2.二人の陰謀に物の見事に嵌り、めくるめく…(以下省略

3.ここで、映姫様登場!

4.Free Space(ぇ

……久しぶりに書いて見ましたが…全盛期の感覚が取り戻せない……


避難所 >>33


さて、公約通り3で書きましょうか。

しかしそのとき!

「お待ちなさい!!」

「「だ、誰だ(です)!?」」

「あなた方の悪行は○○さんは騙せても私は騙せないですよ!!」

「げぇっ!!映姫!!」

「まずいですね…ここは一時撤退して…」

「あなた方まさか逃げれると思ってるんですか?」


         ,.へ  __ / 山 \___,.へ 
     _______∠< ̄  i |.  ☆  i|  ̄`y---ァ  _,.'⌒ヽ_
     \:::::::::::::::`ヽ、__i |.  田  |ト、___,.へ___〈  (     )
     __〉-'⌒ヽ--' ̄ヽ、__/ ̄ヽ!、____,.ヘ/___/!  ゝ---''´
    r'-く二ヽ、_/ ̄〉、_,.ヘ__,.へ___,.、   へ〉  ノ
     i   γ⌒く ノソ</ /! ハ ゝ--'、  L  
     | | | ハ  ,.イ  \ V  レ' ,!ハ  リヽ、」  
    | |  | !  Y .!o ´ ̄`    <_ i レ i  ハ
   :    :::ノ ノ ! ""   ,.---、   ,,!  / // 
Σ二:    :::  へイ   /   \ // /\
   ::    ::,.-─、 iヽ、 !  ら  \ i ̄   /i
   [ ̄ ̄ ̄]-、  ヽ 7二\  す  \   レ'
  /{ ̄ ̄ ̄}ヽ ! /i/:::::::::::\   と  \ヽ、
  | |   []  | | !  ヘ:::::::::::::::::\   じ  \ i 
 \ {___し'  ガ :::::::::::o:::::::::\  ゃ  \
ガ .)[___] /_ ン ::::::::::〈〉::::::::::| \  っ  \
ン「⌒Y ̄⌒Y ̄i/:::::::::::::へ::::::へ::::〉 ' \  じ   \
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\  め   \
   ゴ オ ォ ォ …… ! !".;"  \  ん  \;": ..;.;".;":
 ;"         .;".;": _.;.;_".;":   \  と  \ド カ ァ ン !
  .;".;": ..;.;".; ζ /_.;_/| .;".;", \      \.;".;.;".;":.
 .;".;": ..;.;".;": ;:'.;| ΓΓ | |;":从へ_/| \   \".;__..:
 从へ从へへ从  ; ζ  | Γ从 | |;:.. |从Γ | |  \   ,.;∠___/|  :
     ( ⌒( ⌒ ) ζ | 从Γ | |.:;. |从Γζ.;".\.;. |ΓΓΓ| |     |


「「いやぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!(ピチューン)」」

「……ふぅ……そう、あなた方は少し独占欲が強すぎる。あなた方が成すべき善行は○○さんにあわない日を作ることです」


 -○○の部屋-

「うー……やっぱり飲みすぎたのかな……」

 -ここで鈴仙が窓から登場-

「お邪魔します……って○○さんどうしたんですか!?」



【ここで再びQuestion この後どうなる?】

①鈴仙が○○を永遠亭に連れて行き……

②映姫様が○○を献身的に世話しつつ……

③二人が復活して○○に……





4スレ目 >>757


※美鈴1より。

気がつくと、見覚えのある天井だった
最初に見た時の、倒れていた僕を寝かせてくれた美鈴さんの部屋

「・・・・・あ! 」

慌てて起き上がると、僕にかけられていた毛布が落ちる
少し肌寒いと思ったら、服を着てなかった
探してみると枕元に綺麗に畳まれた僕の服と巫女服が置いてある
巫女服を見て、思い出した
凄く綺麗だった美鈴さんと、恥ずかしくてよく分からないうちに終わって寝てしまった事
思い出すと顔が熱くなる、美鈴さんに巫女プレイの意味を教えてもらったのだ


美鈴さんは門番の仕事に出かけたのか、部屋には居ない
それを寂しいと思いながら、巫女服じゃなくて元の服に着替える
そういえば、巫女さんに巫女服を洗って返さなきゃいけない

「起きたのね」
「っ!? 」

突然声をかけられて驚いた、後ろを振り向けばメイド長の人が立っている
確かさくやさん、だと思うけど仮面のような無表情で見下ろすように僕を見ていた
雰囲気も少しおかしい気がする、僕は何かしたんだろうか

「お嬢様がお呼びだから、一緒に来てもらうわよ」

そう言ってメイド長の人が僕の手を掴んだんだと思う
僕は気がついたら知らない部屋に居て、メイド長の人は居なかった
でも目の前に、知らない子がいる
綺麗な紅い眼と背中から生えてる蝙蝠の羽、美鈴さんが言ってた『怒ると危ないお嬢様』だと思うけど

「ふむ、悪くない」
「え? 」

怒ると危ないお嬢様は僕を見た後に、頷いて指をパッチンと鳴らした
すると僕は、何故かまた巫女服を着て椅子に座っていた
なんだろう、これは夢?
怒ると危ないお嬢様の後ろで、メイド長の人が僕を見ながら鼻血をポタポタと垂らしているけど大丈夫なんだろうか?
怒ると危ないお嬢様の眼が紅く光ってるけど、もしかして怒ってる?

「咲夜」
「抜かりは御座いません」

服が急に重くなったと思ったら、僕はメイドさん達が着てる服を着ていた
呆然としていた僕だけど、スカートが恥ずかしくて服を返して貰おうと前を向いたら天井が見えた
でも美鈴さんの部屋の天井じゃない
眼を瞑って、もう一度空けたら美鈴さんの部屋に戻ってるかな?
ギシリと言う何かが軋む音と、少し沈んだ体
さっきから驚きっぱなしの僕だけど、また驚いて眼を開けると、怒ると怖いお嬢様とメイド長の人がいて
僕が着てるメイド (隙間による検閲が入りました。見るには『こーりんこーりん』の詠唱が必要です


4スレ目>>961


ルナサさんがものすっごい頑張ってくれました。2R三分間粘り。
ttp://upload.touhou-storm.com/file/th9_ud3341.rpy

そんな訳で、ゼーゼー言いなが寝ころがっているルナサ。
「お疲れ様」と言いながら冷たいポカリスエットを頬っぺたにつけてあげる俺。
「ひゃ……!」と、可愛い声でビックリしてくれるルナサ。
「あっはっは、冷たくて気持ち良いっしょ?」とニヤニヤしてる俺。
「ん……まぁ……ありがと……」と言いながら蓋を開けて飲むルナサ。
くぴくぴと飲んでる様子をジッと見ている俺。
俺の視線に気付いてちょっと顔を伏せるルナサ。


それを押入れから凄い形相で見守っている映姫様。
「二人とも青春してるわねぇ」とか平静を装いながらうっかり野菜と一緒に自分の指を切りかけるえーりん。
アホ毛を俺に弄繰り回され、俺のベットで不貞寝しているツインテールになったちんき様。

ザ・ハーレム。もしくはザ・修羅場。


5スレ目>>583-584


神綺様にあるセリフを言わせてみたかっただけなんです。
ごめんなさい。

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「霖之助さん、あれ、止めなくていいんですか?」

俺は、青磁の香炉を整理しながら尋ねる。
視線の先には、口論をしている輝夜さん、幽々子さん、紫さん、神綺さん、レミリアさん。

「ああ。大丈夫だ。
 大体、付き添いの彼女たちだって、ほとんど止めようとしていないだろう?」

古道具屋「香霖堂」。
魔法の森の外れにある、古びた、でもちょっと小粋な木造建築。
幻想郷に迷い込んで以来、俺はずっとここでバイトしている。
店主の霖之助さんもよくしてくれるし、外の世界の道具の使用法が聞けるから助かるとも言ってくれた。
そんなわけで、ここ一月、俺はここで働いている。

霖之助さん曰く、俺が来てからお客が増えたそうだ。
一人目は鈴仙さん。永遠亭に住まう月の兎らしい。
二人目は妖夢さん。冥界に住む半分幽霊だそうな。
三人目は藍さん。どこに生息しているのかは知らないが、狐だそうだ。
四人目はアリスさん。魔法の森に住まう魔法使いさん。
この辺が新たな顧客として開拓されたらしい。
そして、前からたまに来ていた咲夜さんの頻度も上がっているとのこと。

今日の発端は、その5人がそれぞれ自分の主人なり親なりを連れてきたことから始まる。
最初は談笑していたのだが、その主人&親が自分の従者や子供を自慢し始めたのだ。
それに対して、
 ・ おろおろしている人(鈴仙、妖夢)
 ・ 落ち着いて横に控えている人(藍、咲夜)
 ・ 積極的に止めようとしている人(アリス)
の3つに分かれている。

「それにしても、全員がたまたま人を連れてくるなんて偶然、あるんですね」

口論を聞き流しなら、霖之助さんに話しかける。
霖之助さんは、会計用のテーブルで伝票整理をしている。
俺はちょうど、青磁の整理が終わったところだ。

「事実は小説より奇なり、と言うだろう?
 驚くことでもないさ。
 次は、そっちのマイセンを少し奥にずらしてくれないか。
 S○NYコーナーを作っておきたいんだ。
 ああ、そのエクスカリパーは下に置いちゃっていいから」
「わかりました。
 バイロンの言葉でしたっけ、それ。
 博学ですね」
「はっはっは、君よりは長く生きているからね」

俺は一番右端の棚で作業を始めた。
その間にも、口論は続いていく。

「うちの咲夜なんて、一瞬でお掃除のできる、瀟洒な従者なんだから!」
「うちの藍は、式神なのに式を扱えるのよ」
「イナバなんて、狂気を操れるのよ! すっごく強いんだから!」
「あら、妖夢だって剣術ができるのよ。そこの兎さんよりは強いわ」
「ア、アリスちゃんなんて、可愛いんだから!」

やれやれ。

俺が、S○NYコーナーを作り終わっても、まだ口論は続いている。

「霖之助さん、本当にいいんですか?」
「ん、ああ、あれか。大丈夫だよ。
 そのうち不毛なことに気がつくさ」
「でも、終わる気配がありませんけど……」
「よく聞いていてごらん。
 段々不利になってきている人がいるから。
 1人ずつリタイアしていって、最後には収まるさ」

そう言われて、耳を澄ませてみる。
なるほど、確かに押されている人がいるな。
これは、アリスさんの親だと言う、神綺さんか?
そこに、紫さんが畳み掛ける。

「ほらほら、もう終わり?
 子供のこと、理解してないんじゃない?
 それとも、うちの藍のほうが優秀なのかしら」
「ぐぐぐ――」
「ほら、ママ、だから言ったのに……」
「うちの――、
 うちのアリスちゃんなんて――、
 床上手なんだから!!!」

――。
静寂がほとばしった。
と……、
次の瞬間。

「何よ、うちのイナバなんて、ウサ耳よ、ウサ耳。
 多少の床上手なんて目じゃないんだから!」
「うちの藍は、今まで何人もの男を手玉に取った手練れよ。
 アリスより床上手だと思うわ」
「妖夢は、剣を放すと凄く可愛いのよ。それに、
 妖夢のあの控えめな胸の良さがわからないのは、男じゃないわ」
「咲夜はずっとあなたたちより若い、青い果実なのよ。
 あなたたちなんかに、負けるはずが無いわ!」
「●●●――!」
「△△△――!」
「×××――!」

それを横目で眺めている、霖之助さんと俺。

「なんだか、凄いことになってますね」
「これは予想外だったな。
 でも、まだ閉店までは時間があるから、大丈夫だろう。
 ふむ、そうだな。そこのケースの中のAK-47アサルトライフルでも磨いていてくれ。
 クリーニングキットは本体に付属してあるから」
「了解でーす」

それから数十分。
俺の作業も終わりそうな頃。
やっと、口論のほうも収束に向かおうとしていた。

「はぁ、はぁ、はぁ。
 考えてみたら、床の上手さなんて、話し合いでわかるはず無いのよね……」
「ぜぇ、ぜぇ、ぜぇ。
 今さら気づいたの? ダメね紫ったら」
「幽々子だって気づいてなかったでしょ」
「まあ、それはそうだけど」

そこに、レミリアさんが口を挟む。

「なら、男にちゃんと判断してもらえばいいんじゃない」

その言葉に、俺は霖之助さんの方へ視線を向ける。
視線を受けてか、霖之助さんが口を開いた。

「僕は面倒ごとは辞退するよ。
 そもそも、褌をつけてない女性は好みじゃないんだ。
 それに、彼女たちの視線は君を向いているようだが?」

その言葉を聞いて、振り向いてみると、
5対10個の従者と娘の眼が、俺を射抜いていた。
5人とも頬を朱に染めている。
その横では、先ほどまで口論をしていた5人が、
セコンドよろしく、声をかけているのが見えた。

「イナバ、負けたら許さないからね」
「ご安心ください、姫様。
 月の兎の誇りにかけて、この勝負、勝って見せます」

「妖夢、勝つまで帰ってきちゃダメよ」
「私も剣という勝負の世界に生きてますから。大丈夫です。負けません」

「藍、頼むわね」
「お任せください、ご主人様。
 三国に美貌を轟かせた私をもってすれば、あのような人間などイチコロです」

「アリス、わかっているわね」
「ええ。三ヶ月後には、結婚の報告を持っていくわ。
 楽しみにしててね」

「咲夜」
「はい。わかっています、お嬢様。
 お嬢様のメイドたるこの咲夜の辞書には、敗北の2文字はありません」

どうにも、止められそうに無い。
溜息をつく俺に、後ろから霖之助さんが肩を叩く。

「諦めた方が賢明だよ。
 幻想郷の女性は強いんだ」

がっくりと肩を落とす俺。
「よろしくお願いします」と、顔を赤くして挨拶してくる従者&娘5人。
彼女らの眼は、闘志でメラメラと燃えていた。
味方はいない。いや、嬉しいのは嬉しいんだけど。
誰を選んでも――。
木造建築の内装が、氷のように冷たく感じた瞬間だった。

俺の明日はどっちだ!


6スレ目>>36


「○○、お嬢様がお呼びです」

魔法図書館の入り口で、咲夜さんが呼んでいる。
幻想郷に紛れ込んで。
何の因果か、この紅魔館でお世話になることになった。
と言っても、自分は空を飛べないから、もっぱら本を整理するのが仕事だが。

「あ、はい、今行きます」

最近、3時少し前になると、レミリアは俺を呼ぶ。
昼でもなお薄暗い廊下を少し歩くと、向こうにランプの明かりが見えた。
そこは、ティールーム。
お茶が好きなレミリアが、わざわざ喫茶のために拵えた一部屋。
家具も、食器も、装飾も、豪奢なものが揃っている。

「遅かったわね、さあ、早く」
「ああ、了解」

レミリアを抱き上げると、
そこにあった華麗な彫刻の椅子に座り、膝にレミリアを乗せる。
というのも。
先日、うっかりフランがテーブルと椅子の一式を壊してしまったため、
レミリアの体に合うテーブルがないのだ。
注文しても誂えになるため、結構な時間がかかると言う。
だから。
俺が座って、その上にレミリアやフランが座ることで、
テーブルと椅子の寸法を合わせている。

「あー!
 お姉さまだけずるいわ!」
「フランもちゃんと抱いてあげるから、
 心配するなって」

ドアからフランが入ってきた。
おそらく、お茶の時間ということで部屋から出てきたのだろう。

レミリアを左ひざに乗せかえると、
空いていた右手を使ってフランを抱き上げ、
右ひざに乗せる。

「んー、なかなか居心地いいわ。
 ね、お姉さま」
「こっちは少しバランスが悪いわね。
 もう少しきつく抱いてくれるかしら」

最初はこの役目は咲夜さんが、という話だったのだが。
レミリア曰く、女性のふとももは柔らかすぎて安定しないらしい。
そこで、唯一の男である俺の出番と相成ったわけだ。

「こうか?」
「そうそう。うん、やっと安定したわ」

と言っても、座るだけで安定するもなく。
右ひざには、フランを乗せて右手で抱きしめ。
左ひざには、レミリアを乗せて左手で抱き寄せる。

少女たちの柔らかい肉体が、俺の手足を刺激する。

「ここ、あったかくて安心するわ」

そう言って、胸に頭をすりつけてくるフラン。

「ええ、本当ね」

抱かれたまま、肩に頭を預けてくるレミリア。

フランからは、濃厚な赤いバラの香り。
青々とした感じのする、しっかりとした強い香気。
レミリアからは、とろけるようなビターアーモンドの匂い。
気がついたときには、すでに毒が回って抜け出せない、魔性の空気。

そんな香気が、2人を抱きしめる俺にふわりと取り巻いてくる。

「おいおい、紅茶が冷めるぞ」

一応、注意する。
そう言っても、聞くような2人ではないが。

「んー、飲む」

そう言って、思い出したようにこくこくと飲みだすフラン。
一方のレミリアは、それを微笑ましく見つめている。
と。
そのとき。

「ねえ、○○はお茶飲まないの?」

フランからの疑問。

「フラン、○○は人間よ。
 私たちと同じお茶は飲めないわ」
「えー。一緒に飲みたい!」
「我慢しなさい。彼は人間なんだから」
「じゃあ、私たちと同じになればいいのね!」

そう言って。
俺の首筋に狙いをさだめるフラン。
その頭を、レミリアがぺしっ、と叩く。
フランは相当痛かったらしく、涙目だ。
頭を押さえ、上目遣いにこっちとレミリアを見つつ、

「お姉さま、痛いよう」

と、のたまった。

「勝手にやるんじゃないの。
 まずは本人の意志を尊重して。
 その上で私たちと永劫の時を過ごす覚悟があるかどうか。
 そこまでしてはじめて噛めるのよ。
 そんなに簡単に噛もうとしないの」

と、レミリア。
確かに、俺は前にも噛まれそうになって、断ったことがある。
レミリアはそのことを言っているのだろう。

「じゃあ、予約なら構わないわよね。
 その意志が固まったときのために」

すると。
フランはそう言って。
俺の左頬についばむように軽くキスをしてくれた。

「フ、フラン!?」
「ふふふ、予約したわ。来るべきときのために」
「なら、私も予約するわ!」

そう言って。
右頬に手を添えて、やさしく俺にキスをするレミリア。

「これであいこよ、フラン」
「そうね。
 お姉さまと2人で飲むからね、○○」

何というか……。
そんなに吸血鬼になるのを期待されているんだろうか。

このような感じで、
2人の少女の香気に包まれ、
両手に、少女たちの肉体を感じて、
両足に、少女たちの重みを乗せて、
毎日、このお茶の時間は過ぎていく。


避難所>>77


 前略お袋様。俺は今この遙か遠き地、幻想郷で生活しております。
 宵闇に追いかけられたり、氷精に喧嘩を売られたり、夜雀に屋台の手伝いをさせられたりしながらも割と平穏な毎日を送っております。
 ですが、
「春が来ましたよ~~~」
「春……来た…よ」
「二人とも……春が来たことはもうわかったから……」
 現在俺は大いなる問題に直面しております。原因は隣にいる二人の妖精です。
 白と黒です。チェスです。オセロです。何処ぞの普通の魔法使いは関係ありません。
「頼むから腕から放れてくれないかなーー!」
 そう、俺は現在進行形で腕を引っ張られているのです。

 と、今は遠き地にいる母に念を送ってもしかたがない。現実を見据えないと。
「ほら、ブラックちゃん! ○○さんが困ってるから手を放してください!」
「ホワイトのほうこそ…放してよ……」
「いや俺は二人とも放してほしいんだが……」
 現在俺の左右に存在している二人組。
 右を向けばリリーホワイト。怒っていながらも笑顔を崩していないので逆に怖い。
 左を向けばリリーブラック。いつも通りの冷めた顔だが、その瞳には常にない炎が灯っているように見える。
 普段は仲がいいのに、俺の周りに来るとなぜか喧嘩するんだよな……
 博麗神社の縁側でのんびりと寛いでいたのに、気づいたときにはこの状況だ。

「大体なんでブラックちゃんがここにいるんですか! 聞いてないです!」
「私だって…ホワイトが来るなんて知らなかった……」
 それは俺のほうが聞きたい。
 折角の暖かな春なので、神社の桜でも見に行こうと思い立ったのが昨日。そして二人に聞かれて神社に行くと答えたのも昨日。
 来る気が無いなら初めから聞かないかもしれないが、それにしたってこんなことになるなんて考えていなかった。

 そういえば何か失念している気が……
「ああ、お茶が美味いわ…」
 そうだ、この神社の巫女がいたんだ。何も言ってこないからどうしたのかと思った。
「なあ霊夢、助け…」
「めんどい」
「即答かよ」
「だって私には関係ないもの」
 ごもっともではあるが、神社の主として何か言うことはないのか。
「そうね…少しうるさいかしら。とりあえず痴話げんかなら庭でやって」
「またそんなことを……」
「迷惑では仕方がないです。ちょっとあっちに行きましょう!」
「そうだね…迷惑かけちゃダメだよね……」
「なんで俺の言うことは聞かないで、霊夢の言うことは聞くかなー!?」
 答え、巫女が怖いから。


 霊夢の言葉によって庭先に出され、二人の少女の間で身動きが取れなくなっている俺の前に、
「おーい霊夢ー。遊びに来たぜー!」
 救世主……ではなく、普通の魔法使いが降り立った。
「よう来てたのか○○。相変わらず両手に華……いや春か」
「魔理沙……そんなこと言ってないで助けてくれ」
「だが断る。どうせ春の間限定なんだ。それぐらいのことはさせてやれよ」
「俺は去年もこんなことされた気がするんだが」
「そりゃ最高じゃないか。毎年春がくるんだぜ。フィーバーだ」
「わけわからん」
 役に立たない事ばかり言う魔理沙は、それにだ、と話を続ける。
「好かれてることを自覚しないと罰が当たるぜ。それぐらいわかってるんだろう?」
「そりゃまあね……」
 二人が俺を慕ってくれているというのはわかるし、素直に嬉しいとも思う。
 だからといってくっつかれすぎても困るし、ましてや喧嘩などしてほしくない。
 そんな俺の気持ちを知ってか知らずか、妖精二人は言い合いを続けているし魔理沙に至っては、
「というわけで霊夢、お茶をくれ。出涸らし以外だが」
「まったくしょうがないわね……」
「おーい! ほんとにスルー!?」
 見事に人の話を流してくださった。
「当然だろう。私は見てて面白い喧嘩は止めない主義なんだ」
 自分本位かお前は。まあ幻想郷の住人はみんなそんな感じだけど。

「そもそもブラックちゃんは暗すぎるんです! ○○さんは私と一緒にいたほうがいいんです!」
「ホワイトは騒がしすぎると思う……。○○は私と一緒のほうが…静かでいいよ…」
 つーか君らは何時まで言い争ってるんだ。内容も変な方向にいってるし。
 口を出す度胸もないので、開き直って別のことを考えることにする。
「今日の晩飯どうするかな……」
「「○○(さん)!!」」
「うわっ!」
 逃避をし始めたところに話を振られるとは思わなかった。というかブラックの大声とは珍しい。
「○○さんは私と一緒のほうがいいですよね!?」
「違うよ…私とだよね……?」
 ……これは答えづらい。
 どっちか選べばもう片方が拗ねるし、正直に両方とか言ったらまた喧嘩し始めるだろうしな……
「○○さん……」
「○○……」
 二人の視線が今は痛い。
 前門の春、後門も春。退路無し。どないせーと。

 なかなか答えようとしない俺の態度に業を煮やしたか、
「もうこうなったら…!」
「だね……!」
 両者ともに何やら不穏な言葉を口にした。非常に嫌な予感がする。
 その予感の通り二人は一気に羽を広げると、某月○蝶の如く力を溜め始めた。
「は~る~で~す~よ~~!」
「春…来た…よ……!」
「いや二人とも、俺が間にいるのに弾幕はシャレに…!」
「「春~~!!」」
 ――ちゅどーーんっ!
「あぁぁぁぁぁぁ!」
 二人分の弾幕をくらって、俺は見事に春の空を舞った。

「おー、結構高く吹き飛んだな。流石は妖精、後先考えてないぜ」
「ほんとに平和ね……」
 巫女と魔法使いは知り合いの吹き飛ぶ姿を見ながら、こんなのどかなことを言っていたそうな。


「おお痛てて…」
「○○さん、大丈夫ですか~?」
「大丈夫…?」
「ああ大事ないよ」
 地面に落下する前に二人にキャッチされた俺は、神社の縁側で手当を受けていた。
 派手に吹っ飛んだ割には打ち身程度で済んでよかった。素晴らしきギャグ体質。
「ごめんなさいです…」
「ごめん…」
 ケガを被ったとはいえ、少女二人に謝られると困ってしまう。そもそも止められなかった俺が悪いんだし。
「ホワイトもブラックも顔上げて……。大した傷じゃなかったしいいんだよ」
 これは本心だ。結果が大したことなければそれでいいと思う。
「でも……」
「いいんだってば。それより明るい話をしよう。
 そうだな……明日ピクニックにでも行かないか?」
「えっ、ほんとですか!?」
「ほんと…?」
「ああ本当さ。天気も悪くならなそうだしな」
 二人が喜んでくれるのなら、自分から誘うことぐらいお安いご用だ。
 それにこの二人とならば、自分も楽しく過ごせるだろうという確信もある。同じぐらい苦労もするだろうが。

「明日はお弁当作っていきますからね! あっ、ブラックちゃんも作りますか?」
「うん……」
「それじゃ一緒に作りましょうか!」
 とりあえず俺から離れた二人は、弁当のおかずは何にするかなどの話に移った。
 ひとまず一難は過ぎ去ったかと呟いた俺に、今まで傍観していた魔理沙が声をかけてきた。
「なに言ってんだ。どうせまた明日一難来るんだぜ」
「言うな、わかってる……」
 魔理沙の言っていることは正しい。また喧嘩してしまうかもしれない。
 だが基本的には仲良しな二人だ。喧嘩してもすぐに仲直りするだろうし、俺から誘ったことだから喧嘩しない可能性だってある。
 それに今は春だ。細かいことを気にせず、暖かなこの季節を楽しむべきだろう。
 さあ明日が楽しみだ。二人の少女と過ごす一日はいったいどんな日になるだろうか。
「は~るで~すよ~」
「春…来たよ……」
「ああ、本当にいい春だ…」 
 今年の春もとても賑やかになりそうだ。


6スレ目>>795


縁側で茶を啜っていると橙がやってきた。
頭を差し出したので撫でてやった。
とても幸せそうな顔をしていた。

しばらく撫でていると藍さんがやってきた。
恥ずかし気に頭を差し出してきたので撫でてあげた。
赤面しながらもとても嬉しそうな顔をしていた。

しばらく撫でていると紫様がやってきた。
すげぇ楽しそうに顔を差し出してきた。
3秒くらい固まった。
どうしようか迷った。
悩んでも結論が出ないので、結局


最終更新:2010年06月04日 22:19