ハーレム?4
11スレ目>>492
うpろだ674の続き
紅魔館から急いで脱出した後、僕はアリスさん宅へと向かった。
あの二人は追ってきていないようだ。どうやら上手く撒けたらしい。
・・・・着いた。しかし大きい家だ。
一人じゃ、もったいないぐらい。
「すみませーん、アリスさんいますかー」
「・・・・・あら、○○じゃない」
「ご無沙汰してます」
アリスさんと初めて会ったのは魔理沙ときのこ狩りに行っていたときだった。
晩御飯の材料にでもしようと一緒に狩っていたら、突然上から何かが僕に襲い掛かってきた。
紙一重でかわした。
先に進んでいた魔理沙が何事かとやってきた。
その何か(アリスさんだが)は魔理沙に何かを尋ねていた。どうやら僕のことを説明しているらしいが・・・・よく聞き取れなかった。
説明が終わったらしい。
すると、僕に襲い掛かってきた何かは、態度が一変し、僕に自己紹介してくれた。
それが、アリスさんとの出会いである。
ちなみに僕に襲い掛かった理由を尋ねたら、勘違いしたらしい。何をだろうか。
「で、何の用かしら?」
だるそうに聞いてくる。
「人形作りたいんで、教えを請いにきました」
「・・・・・・人形?」
「はい」
「何の人形作るの?」
「・・・・・みんなの人形、です」
「・・・・みんな?どういうみんなかしら?」
「具体的に言うと、僕がお世話になった人達です」
「・・・・・なるほど、プレゼントってわけね」
「そうです。で、いいですか?教えてもらっても」
そういうと、アリスさんは腕を組んで考え始めた。
30秒ぐらいたった後、アリスさんは口を開いた。
「・・・・・・・構わないけど、一つ条件があるわ」
「・・・・・なんでしょう」
「・・・・・・・欲しい物、教えてくれない?」
「え?僕ですか?僕は別に」
「違うわよ!・・・・・・魔理沙が欲しいものよ」
「魔理沙の・・・・?自分で聞けばいいじゃないですか」
「こっちにはこっちの事情があるのよ!」
「そ、そうですか」
なんだろう。聞けない事情でもあるのかな?
「というか、魔理沙のことなら付き合いが長いあなたのほうがわかるんじゃないですか?」
「男から見て始めてわかる事もあるのよ」
そーなのかー。
「んー・・・・・・・・何かの薬を欲しがってたような・・・・」
そういえばこの前、永遠亭に魔理沙が遊びに来たとき、魔理沙は何かの薬を永琳さんにゆずってくれるよう言ってたような。
結局拒否されてたが・・・・なんだったっけ、あの薬・・・・
「薬?」
「そう、何かの薬を欲してましたね。多分、魔法関係の薬だと思うんですけど」
「・・・・・ふーん、そういうこと」
「・・・・え?今のでわかったんですか」
「ま、大体ね。でも、私が手に入れるのはちょっと無理かな」
「・・・・・?」
(多分、それは惚れ薬ね・・・・)
「それよりあんた、人形作るんでしょ?早くしないと、間に合わないわよ」
「は、はい!よろしくお願いします!」
こうして、僕はアリスさん宅で人形つくりに勤しむことになった。
永遠亭には、あとでちゃんと顔を出しておこう・・・・
・・・・・・・・・・
「遅い」
食卓に座っていた姫が、今日何度目になるかわからない言葉を呟いた。
今の時刻は20:00。とっくに、晩御飯の時間である。
しかし、どういうわけか晩御飯担当の○○がまだ帰っていなかった。
というわけで、急いで永遠亭の兎に晩御飯の支度を頼んだが、材料が無かったので、兎達は買出しに行っているところである。
ちなみに、もちろん私達は料理など出来ない。
「ちょっと、どうなってるの、ウドンゲ!」
「私に言われても」
これも何度目のやりとりだろうか。
「紅魔館の後から消息不明ね・・・・どこに行ってるのかしら」
師匠がどす黒いオーラを出しながら呟く。
この姿を見たら、誰でも帰る気なんて失せるだろう。
「・・・・・・」
てゐはまた何かの本を読んでるし。
私はふとカレンダーを見た。
今日は12月23日。
クリスマスイヴは明日だ。
ふと思った。
イヴの前夜にいない○○。
「もしかして、○○ってクリスマスの相手いるんじゃないでしょうか?」
「そんなわけないでしょう!いつも私がそういったことは監視してるから、気づかないはずないでしょう」
「・・・・・・・・・・」
最悪だ、この師匠。
「ん~、でも気になるわねぇ、一体今どこにいるのかしら?」
姫が盛大に腹を鳴らしながら呟く。カリスマなんて、あったもんじゃない。
「探してみる?」
「当てもないのに、そんなの無茶ですよ。それに、もう外は暗いです」
「こんばんわ、永遠亭のみなさん♪」
突然後ろから声が聞こえた。
ドアが開く音なんてしていない。
ということは、当てはまる奴なんて一人しかいない。
「あら、ご飯食べてないの?ダイエット?」
「・・・・・・何の用かしら?スキマ妖怪さん」
「ちょっと遊びに来ただけよ。でも、標的がいないわねぇ」
そういってキョロキョロ見回す
八雲 紫。
標的・・・・・?
「・・・・・・誰のことかしら?」
「おおよそ、見当は付いてるんじゃなくて?」
「・・・・・○○なら、ここにはいないわよ」
「あら、とうとう愛想尽かされちゃったのかしら♪」
「・・・・・・・殺すわよ」
「・・・・・・・怖いわねぇ、あなたなら本当にやりそうで洒落になってないわ」
幻想郷で最強クラスの二人が火花をぶつけあっている。
やめて、永遠亭が壊れます。
「で、遊びに来たってどういうことです?」
このままでは本当に破壊されかねないので、話題を転換することにした。
「別に。ちょっといじめてあげようかなと思ってね♪あの子、反応が面白いし」
「・・・・・・・」
この人、師匠と似てるよね・・・・
「ちょっと、いつの間にそんなことしてたの!?」
「割とやってるわよ。ガードが甘いわね」
「・・・・・・・」
また火花をぶつけ合っている。
姫もてゐも、傍観者を決め込んでないで二人を止めてよ・・・・
「ま、○○がいないんじゃ、しょうがないわね。また明日、宴会の席で会いましょう♪」
「宴会?」
「聞いてないの?いつもの博麗のやつよ。○○も参加するらしいってね」
「○○が?」
「霊夢が嬉しそうに言ってたわ。○○ったら、モテモテね」
「・・・・・・・」
・・・・・全ては、明日のイヴの宴会か・・・・
「じゃ、またね~☆」
そう言って、スキマ妖怪は消えていった。
何しにきたんだろうか。
「・・・・・・おなかすいた・・・・」
話が終わったのを告げるかのように、姫の腹がまた鳴った。
「ここをこーして・・・・・ふにゃ」
「こら、寝ちゃダメよ!まだ完成してないじゃない!」
僕はまだアリスさん宅で人形を作っていた。
ちなみに今の時間は23:00。本来なら、もうすぐ寝る時間である。
「く・・・・・」
なんとか気力を振り絞り、人形つくりに専念する。
それにしても、アリスさんがこんなにスパルタだとは、思わなかったよ・・・・
現在の状況は、なんとか全員分の人形の土台が出来たところである。
これから、細かい修正、塗装、飾り付け、特徴付けをしなくてはならない。
徹夜である。
「・・・・・・あふ」
「寝るなー!!!」
そんな声出しちゃ近所迷惑ですよ、アリスさん・・・・
それにしてもアリスさん、なんで眠くならないんだろう・・・・・
あ・・・・永遠亭に顔出しにいくの忘れた・・・・どうしよう・・・・
・・・・・・
「・・・・・・」
「・・・・・」
「・・・・・」
「・・・・・・」
クリスマスイヴの朝。珍しく姫様が早く起きていた。
しかし、今までに無い強烈な気まずさが、朝の食卓を襲っていた。
○○が、昨日から帰ってきていないからである。
「・・・・・・」
「・・・・・」
「・・・・・」
「・・・・・・」
箸が進む音だけがやけに大きく響く。
ちなみに、今日の宴会は昼から始まる。
準備などで、色々かかってしまうからである。
「・・・・・・」
無言で師匠が朝ごはんを食べ終える。
音も無く立ち上がり、部屋に行ってしまった。
なんというか、近づきにくい雰囲気を出している。
「・・・・・ねぇ、れーせん、どう思う?」
「え?」
てゐが急に話しかけてきた。
「どう思うって・・・・・何が?」
「・・・・・・わかるでしょ。○○のことだよ」
「あー・・・・」
考えなかったわけがない。
私も、帰ってきてないという事実に驚いた。そして、考えた。
しかし、理由が思い浮かばない。
「うーん・・・・なんでだろうね」
私は敢えて今考え出したフリをした。
なんでこんなことをしたか、自分でもよくわからなかった。
「私ね・・・・○○は、大変なことにあってるんじゃないかって心配なの」
「大変なこと?」
「・・・・誘拐されちゃったとか」
「てゐ、物騒な話はやめなさい」
姫が珍しく高貴なしゃべり方をした。
これには私も驚いた。
「○○はいい子よ。それに、・・・・あの子は強いわ。きっと、理由があるのでしょう」
「姫・・・・」
「・・・・・・うん、そうだよね!」
○○、あなたはこんなにも皆に想われてるのに、一体どこにいるの?
せめて、連絡ぐらいはよこしてよね・・・・
~その頃の○○~
「・・・・・・・zzzzz」
少年熟睡中。
「・・・・・いい熟睡っぷりね。それにしても、よく一晩でここまで・・・・」
彼、○○は徹夜で全ての人形を完成させていた。
もちろん私が全て○○が寝ている間に人形をチェックしたが、手抜きや駄目な点など無かった。
私の教えを、完璧にこなしていた。
「まったく、永琳に気に入られてる理由が分かる気がするわ」
ちなみに、○○は私の分の人形も作っていた。
別にいいのにと言っても、今日最もお世話になりましたから、と眠いくせにさわやかな笑顔で渡してくれた。
そのあとすぐ泥のように寝ちゃったけど。
不覚にも笑顔に見とれそうになっちゃったのは秘密だ。
「・・・・・・今は、ゆっくり寝てなさい。宴会の時間には、起こしてあげるわ」
そうして、○○に布団を掛け直した。
さて、私も宴会の準備をしなくては・・・・
・・・・・・
宴会の時間になった。
とうとう、○○は帰ってこなかった。
「さ、行くわよ。用意はいい?」
「はい、師匠」
「・・・・・○○は、宴会にいるのかな」
「行かないとわからないわ、てゐ」
ウサギ達に夜まで留守番を頼み、いつものように博麗神社に出発した。
・・・・・こころなしか、みんなスピードが速くなってるような気がするが。
「・・・・・あら、来たのね」
霊夢がだるそうに言ってくる。まぁ、いつものことだ。
「ええ、来たわ。大分集まっているみたいね」
博麗神社に着くと、既に大体の面子が博麗神社に揃っていた。
いないのは・・・・
「アリスと・・・・・○○ね」
「・・・・・・」
珍しく、香霖堂の主人も来ていると言うのに、○○は一体どこで何をしているのか。
「アリスは・・・・どうしたのかしら?」
「あーアリスなー」
突然魔理沙が話に割り込んできた。
いつのまにか、こっちに来ていたらしい。
「それが妙なんだよ、今日のあいつ」
「妙?」
「ああ。呼んでも、呼び鈴を鳴らしても、先に行ってーとしか言ってくれなかった。いつもは呼んだらすぐ出てくるのにな」
「・・・・・・何かしているのかしら」
「さあ。あいつの考えてることは、よくわからんからな」
「・・・・・・・」
魔理沙は頭を捻っているが、私、もとい、私たちは今の魔理沙の証言で固まっていた。
もしかして・・・・・○○の相手は・・・・
「・・・・・・」
「・・・・・」
「・・・・・・」
「お・・・おい、どうしたんだ?私、何か変なこと言ったか?」
「・・・・魔理沙、ほっときましょ。今のこいつらに関わるのは危険そうよ」
「え、何でだぜ?霊夢」
「勘よ、勘。それより、早くこっちを手伝ってよ」
「ん、ああ」
・・・・・・・・・・・
「起きなさい、○○!いつまで寝てるの!」
「・・・・・・zzzzzz」
参った。起きる気配が無い。
おかげで、魔理沙が珍しく呼んできてくれたというのに、先に行かしてしまったではないか。
「○○!宴会に遅れるわよ!ってか、もう遅れてるわよ!」
「・・・・・・」
へんじがない・・・・ただのしかばねのようだ・・・・・・・死んでないけど。
こうなったら・・・・
「力ずくで・・・・・起こさせるしかないってわけ?」
いや、でもそれは流石に徹夜明けの人には可哀相な気もする。
でも、このままじゃ間違いなく起きない。
寝てるまま無理やり連れて行くか?
「全く、世話が焼ける子ね・・・・・・・・・。ちょっと、あんたたち、手伝いなさい」
私は人形の手を借りることにした。
・・・・・・・
「それにしても遅いぜ、アリスのやつ・・・・・」
「・・・・・・用事でもあるんじゃないの?」
「前聞いたときは特に無いって言ってたぜ・・・・・」
「急な用事が入ったんじゃないの?」
「・・・・・・・気になるから見てくるぜ」
「関わらないほうがいい気がするんだけどね・・・・」
「じゃ、霊夢はここにいてくれよ」
「待って。・・・・・・・やっぱり私も行くわ」
「師匠、あの二人、どっかに行くみたいですよ」
「怪しいわね・・・・・こっそり、あとをつけるわよ」
「なになに?どうしたの?」
「姫様とてゐはここにいて。私とウドンゲは、ちょっとここから離脱するわ」
「?」
「・・・・・行かなくてよかったんですか?紫様。何かあったようですよ」
「ふふふ、いいのよ、別に。私が行っても、そう結果は変わらないから」
「はあ・・・・」
状況
宴会に向かっている途中のアリス。人形の力を借りながら、アリスの肩には未だ寝ている○○。
アリス宅へ向かう4人、霊夢・魔理沙・永琳・優曇華院。
「おい、霊夢!」
「どうしたの?魔理沙」
「ええい!」
「きゃっ!・・・・何するのよ」
前を飛んでいた魔理沙が急に私を道連れにして横にあった林に突っ込んだ。
「あれを見てくれ」
「?」
魔理沙が指差す方向、そこには・・・・
「アリスと・・・・・・・○○?」
人形を周囲に浮かべながら、肩を抱き合うようにして歩く二人の姿があった。
「師匠、あれは・・・・・・」
「・・・・・・・・」
まさか本当に・・・・・アリスと○○が・・・
・・・・・
「全く、なかなか起きる気配が無いわね」
「・・・・・・zzzzzz」
「それにしてもホント、可愛い寝顔ね。こっちの苦労も知らずに」
少し仕返しをしてやろうか。
ほっぺたをつついてみた。つねってみた。デコピンしてみた。
「・・・・う・・・・・ん・・・」
それでも起きそうに無い○○。
自然と笑顔がこぼれてしまう。
もちろん、このやり取りも見られていた。しかし、アリスが気づくわけが無かった。
・・・・・
「・・・・・・お、おい!なんだかいい雰囲気だぞ!あの二人」
「・・・・・・・・まさか本当に」
信じられない。あのアリスが、魔理沙以外と・・・・・
「し・・・師匠・・・」
「・・・・・・」
さっきよりオーラが黒くなってる。
師匠、それ完全に危ない女ですよ・・・・・
ちなみに、この四人、○○が寝ていることに気づいていない。
・・・・・
「さ、もうすぐ着くわよ、○○。」
「・・・・・・ぐう・・・・」
「はぁ、やっぱり起きないか」
よっぽど疲れてたんだろうか。
自然と目が覚めるまで待ったほうがいいか・・・・
私は、近くにある切り株の上に座って休憩することにした。
さすがに、草の上で寝かせるのはかわいそうだから、一緒に、だけどね。
・・・・・
「・・・・座ったな」
「一々言わなくても、わかってるわよ」
魔理沙はさっきから二人の様子を実況しているかのように一言一言しゃべる。
「・・・・・何しているんでしょうね」
「・・・・・・・」
師匠、そろそろ我慢の限界が近づいてきているみたいだ・・・・
・・・・・
「ふう、たまにはこういうのもいいかもね」
「・・・・・zzzzzz」
ちなみに、アリスは気づいていないが今のこの二人は他から見たらかなり誤解されそうな座り方をしている。
肩を、寄せ合っているのだ。
アリスは、相手は寝ているからそんなこと気にもしちゃいないが、他から見れば、そうはいかない。
「・・・・・・・ゴトン」
「・・・・・あら」
隣に座っていた○○がアリスの方に倒れた。
・・・・・膝枕の姿勢である。
「まったく、今日だけよ」
「・・・・・・zzzzzz」
・・・・・
「膝枕!膝枕してるぞ!あのアリスが!」
「・・・・・・・(絶句)」
「もう・・・・・頃合ね」
「し、師匠!早まっちゃ駄目です!あ・・・・・・」
永琳、スタート。
「・・・・・どうなっても知りませんよ」
5秒ぐらいたった後、優曇華院スタート。
「あの二人、いつの間にここに・・・・・」
スタートする二人の姿を見た魔理沙も、スタート。
「ちょっと、何する気なのよ、魔理沙~!」
ちょっと遅れて、霊夢もスタート。
「・・・・・・そろそろ起こさないと駄目ね。○○・・・・・って」
「・・・・・zzz」
風の音がする。何かがすごい勢いでこっちに向かってくるような音だ。
本能が、早く逃げろと告げた。
「くっ・・・・」
人形を起動させ、○○を宴会へ運んでいくよう命じた。
私は、すぐそこの草に隠れた。
3秒後、4人の人影が、さっきまで座っていた場所に集まった。
「アレは・・・・・霊夢に魔理沙に・・・・永琳と・・・・その弟子までいるじゃない。どういうこと?」
・・・・
「あれ?いなくなってるわね」
さっきまで二人がいた場所に到着したが、既に誰もいなかった。
「師匠、気づかれたんじゃないですか?」
「気配は隠したわよ。でも逃げるってことは・・・・ますます怪しいわね」
「ちょっとあんたたち、いつの間にここにいたのよ」
霊夢と魔理沙が遅れて登場した。
「悪いけど、尾行させてもらったわ」
「そんなことはどうでもいい。で、だ、あの二人はどこに行ったんだ?」
「・・・・・探すわよ」
「はぁ、私は宴会に戻ってますね。もしかしたら先に行っちゃったのかもしれないし」
・・・・・・
「・・・・・・そういうこと。あいつら、誤解してるのね・・・・」
まあ、確かに少しやりすぎたかもしれない。
それに、不覚にも○○に見とれそうになったのは事実だし。
それよりも・・・・
「ここから、無事に脱出できるかしら・・・」
○○はもう心配ない。さっき宴会に着いたと人形から連絡が来た。
○○は起きなかったようだけど。
問題は私だ。どう見つからずに宴会に向かうか・・・・
正直、今のあの4人には話が通じそうに無い。特に永琳。
○○が、いかに愛されているかがわかる。こんな形でわかりたくないんだけどね・・・・
・・・・・
「妖夢、もっと酒を持ってきなさい」
「飲みすぎですよ、幽々子様・・・・」
「今日は宴会よ?飲みすぎがちょうどいいのよ」
「そうそう、あんたもパアーッと飲んじゃえばいいよ」
さっきから主と鬼はずっとこの調子だ。
見てるだけで酔いそうなぐらい飲んでいる。
「はあ・・・」
台所に追加の酒を取りに行く。もう大分、酒の瓶は減ってしまっている。
博麗の巫女には、同情せざるを得ない。
そういえば、霊夢はどこに行ったんだろうか?
「ん・・・・・?」
玄関から何かが入ってくる音が聞こえた。
誰かが酒を取りにきたのかな?
「誰だか知らないけど、こっちには酒はもう無いですよ~」
向こうに話しかけたが反応なし。
影がこっちへ近づいてくる。どうやら、大勢のようだ。
「・・・・・・・・・」
「・・・・・なっ・・・・」
台所の前を、大勢の人形たちが通り抜けていった。
中央には、寝ていると思われる人が運ばれていた。
「な・・・なんですか?今のは」
人形たちは寝室のほうへ向かったようだ。
気になるので、私も向かうことにした。
「・・・・これは」
「・・・・・・zzzzzz」
寝室に来てみると、人形たちはもういなかった。
その代わり、布団で寝ている人が一人いた。
確かこの人は・・・・
「永遠亭にいた・・・・○○・・・・ですよね」
うろ覚えだが、そんな感じだった気がする。
それにしても、何で人形に運ばれてきたんだ・・・・?
「・・・・・一応、永遠亭の人に知らせておきますか」
・・・・・
「○○・・・・一体何をしてたんだろう」
てゐが、○○の顔をじっと覗き込んでいる。
妖夢に言われたとおり、寝室に来てみると、○○がいた。
幸せそうに寝ている。
妖夢から聞いた話によると、人形がここに運んできたそうだ。
「人形って、アリスのかな?」
「・・・・・可能性は高いわね。ま、○○が起きてから、その辺の話は聞きましょう」
酔いは完全に冷めてしまった。
せっかく、この私が珍しく宴会に出ているというのに。
酒は、もう飲む気になれなかった。
・・・・・
「うぅ~本当だってば~」
「・・・・・本当なの?」
「さっきからそう言ってるじゃないのよ・・・・」
結果として、私は捕まった。
が、弾幕を浴びる前に何とか話を聞いてくれた。
もちろん、○○がプレゼントを作っていた、という理由は、伏せたけどね。
・・・・・
「・・・・・・zzzzz」
寝室には奇妙な図が出来上がっていた。
中央に、未だ起きることのない○○。
周りに、女大勢。具体的に言うと、永遠亭メンバー+霊夢+魔理沙+アリスである。
「まったく、まだ起きないのねえ、○○は」
永琳が呆れ果てたように言った。
ちなみに、今の時刻はもう夜10時すぎである。他の奴は、とっくに帰ってしまった。
「私ももう帰ることにするわ。今日の恨み、いつか晴らさせてもらうからね」
アリスが帰っていった。それに釣られるように、魔理沙も帰っていった。
「あんたたちはどうするの?○○は、起きるまではここに泊めててあげるけど」
「・・・・・・・」
反応なし。起きるまでここにいるつもりか。
「私はもう寝るわ。あとは勝手にやってなさい」
そうして、他の明かりを消して、眠りにつくことにした。
明日も、忙しくなりそうだ。
・・・・・・・・・
「・・・・・・ふぁーあ。んーよく寝た気がする」
目が覚めると、まず暗闇が目を襲った。
「・・・・?」
目を瞑り、目を暗闇に慣らした。
辺りを見回すと・・・・
「ここは・・・・・博麗神社か?」
なんでここに・・・・確か僕はアリスさんの所で人形を作っていて・・・・って、そうだ。
「今何時だ?」
僕は布団から立ち上がろうとした。しかし、体が動かない。
体を見てみると、そこには・・・・
「・・・・みんな」
永遠亭の皆が、僕に向かって、寝ていた。
「そうか・・・・結局連絡できなかったんだよな・・・・ごめん、みんな、心配かけて」
一番近い位置にいた鈴仙さんの頭を撫でた。
そこで僕は、いい案を思いついた。
「そうだ、人形を・・・」
人形は隣の部屋の袋の中に置いてあった。
アリスさんが置いていてくれたんだろうか。
「僕からの・・・・・・今までのお世話になったお礼、心配掛けちゃったお詫び・・・・・そして・・・・」
みんなの寝ている頭のところに、そっと、それぞれ人形を置いておいた。
「・・・・クリスマスプレゼント・・・です、皆さん。どうか、受け取って下さいね」
心なしか、みんなが笑った気がした。
霊夢のところにも人形を置き終え、時間を確認。
どうやら、もうすぐ朝になるようだ。丸一日寝てしまったというわけか。
さて、魔理沙のところにも人形を置いていかないと。すぐ拗ねるんだもんな、魔理沙は。
さて、後は永遠亭に戻って・・・・あれを実行するだけだ。
・・・・・
「・・・・ん」
目が覚める。結局、あのまま博麗神社で寝てしまったようだ。
ふと、頭に違和感。そこには・・・・
「・・・・これは・・・・」
私そっくりの、人形が置いてあった。
側にあった紙には、Merry X'mas!と書いてあった。
急いで、布団を見る。
○○は、いなかった。
「ん・・・・?」
「なになに・・・?どうしたの・・・?」
他の皆も起きたようだ。
そして、さっき私がやった行動と同じことを皆、していた。
「まさか、あの子、これを作るために・・・・」
「・・・・・永遠亭へ戻るわよ、皆」
「・・・・うん」
まったく、私たちの気持ちを無視して、勝手にプレゼントを用意して、勝手に去るなんて・・・・。
こっちからもお礼させてよ。ずるいじゃない。そんなの。
人形を手に抱き、急いで博麗神社から出て永遠亭へと向かう。
この間、みんな、無言だった。
「はぁ・・・・はぁ・・・」
急ぎすぎて疲れてしまったが、永遠亭に着いた。
私は玄関の扉を開けた。すると、次の瞬間・・・・・
パーン!
「え・・・?」
たくさんのクラッカーが、私たちに向かって降り注いだ。
「Merry X'mas !皆さん!そして、お帰りなさい、皆さん」
「・・・・・○○・・・これは・・・?」
「えへへ、実は前もって準備してたんですよ。ちょっと予定が狂いましたけど」
本当は宴会場でやるはずだったんですけどね・・・・と○○は言っているが、そんなこと聞こえなかった。
気がつくと、私は、目の前の○○を抱きしめていた。
「え?」
「な・・・」
「あら」
上から、てゐ、永琳、輝夜である。
「ちょ、ちょっと鈴仙さん?どうしたんですか?」
「・・・・・なんでもないわ」
「ちょっと、みんな見てますよ!」
「・・・・・・ずるい、れーせんだけ・・・私もー!!」
「うわっ!」
頭にてゐが抱きついた。
「ちょ、てゐ、前が見えない!」
「皆ずるいわ~、私も入れてよ~」
「なっ!」
後ろから輝夜が抱きついた。
「・・・・あ、あんたたち・・・・」
「え・・・永琳さん・・・助け・・・・」
「私も入れなさーい!」
「ええええ!!???」
よりにもよって永琳は○○の胸へ飛び込んだ。
当然、受け切れなかった○○はダウン。輝夜は、ヒョイっとかわした。
「・・・・・何やってんの、あんたたち」
人形のお礼を言いに来た霊夢と魔理沙が、この光景に呆れていた。
後日談
クリスマス、人里の商店街に、奇妙な5人組が現れたそうである。
その5人組は、男(というより少年っぽかった)一人に、女四人という大層うらやましい構成だったそうな。
どうやら、なにかクリスマスパーティーで使うものを買いに来たらしい。
が、少年が別の場所に行ってる間、その女4人は一斉に何かを買い始めた。
どうやら、少年へのプレゼントらしい。中には、手作りのものをもうプレゼントしたと言ってる女もいたそうである。
そして、ケーキと、お酒と色々な食料の材料を買って、その5人組は帰っていったそうである。
・・・・うらやましい男も、いたものである。
後でわかったことだが、この5人組はどうも永遠亭の人達らしい。
それを確かめようと何人もの人間が、永遠亭へ向かおうとしているのだが、一向にたどり着けないらしい。
曰く、どうも竹林が前よりも迷いやすくなっている気がする、だ、そうだ。
ちなみに、このことを事情を知ってそうな博麗の巫女に聞いてみても、
「いいんじゃないの?本人たちが幸せならさ」
と、少し赤い顔で答えてくれた。
おいおい、どんだけこの男は世の男に敵を作るつもりなんだよ。あ、幻想郷だから世なんて関係ないですか、そうですか・・・・
・・・・ハーレムEND
Q.終わり?
うん
Q.最後はなんだ?
書いてて自分で空しくなってきたので、つい
Q.個別ルートは?
書く時間があれば書こうかなとは思ってるが・・・・期待しないでくれ
最後に一言
無理やりクリスマスに絡めたので少々話の筋がおかしいかもしれないが、そこは笑って見逃してくれると嬉しいです、はい
最終更新:2010年06月04日 22:23