ハーレム?15



新ろだ240


 ドンドンドンドン!!

 扉を叩く音が聞こえる。
 それに続いて俺の名を呼ぶ声が。
 まどろむ意識に鞭を打って扉を開けたらそこには椛がいた。

「おはよう」
「……おはよう」

 こちらとしてはたたき起こされたようなものなのでいささか不機嫌である。
 知ってか知らずかそんな声にも椛は気にしてはいない様子。
 後ろに見える風景はいわゆる銀世界。
 幸いにして晴れているが、ここは山なのでいつ傾くかもわからない。
 開けっ放しで話すと寒いので家の中へと入れることにした。

「で、用事は。っていうか仕事はどうしたんだ」
「仕事は休みをとった」
「ほう、珍しい」

 仕事熱心な彼女にしては変わったことである。
 そこまでの用事なのだろうか。
 用件を促すと目の前の天狗は少々言いずらそうにキョロキョロと辺りを見ている。
 しかし時間の無駄だと判断したのか(実際そのとおりである)意を決して口を開いた。


「クリスマスプレゼント、頂戴!」


 吹雪は吹いていないし寒くも無い。
 むしろ暖かいほうである。
 だが、今確実にこの部屋は凍りついている。
 ……こいつは何を言っているのだろうか。

「…………もみじぃ」
「な、何?」
「恥ずかしくないのか……?」

 色々と思うところがあるがまずそこが聞いてみたかった。
 いっぱしの天狗が、年下である人間に対してクリスマスプレゼントなどというものをもらいたいと思うだろうか。
 わかっているのか椛も若干赤面している。

「も、もらえるものはもらっておく主義なの!」
「それはもらえるときに言うものであって自分から言うものではないんだが」
「う、うるさいわね。で、くれるの? くれない?」

 この剣幕からしてあげないといったら酷い目にあいそうである。
 だが悲しいかな、俺は現実を椛に伝えなければならない。


「今日は――クリスマスじゃないぞ」


「へ?」

 さっきの剣幕はどこへやら、ぽかーんと固まってしまった椛。

「クリスマスイブ、いわゆる前夜祭。だからクリスマスプレゼントなんてあるはずがない」
「クリスマス……は明日……?」
「そのとおりだ。残念なことにな」
「そ、そんな……」

 沈黙が部屋に満ちる。
 椛はうつむいて喋ろうともしない。
 内心嘘をつけばよかったのだろうか、とも思うがそれも遅い。
 仕方が無いのでお茶を飲み続けることにする。
 どうしてこんな朝から重い空気に晒されなければいけないのか。

「……――る」
「ん?」
「し、しし、仕事いってくる!!」

 慌てたように叫ぶと、ものすごい勢いで扉を開けて飛び去ってしまった。
 今度はこちらがぽかんとする番である。
 今日は休みを取ったんじゃあなかったのか。

「…………なんだったんだいったい」

 なんだか嫌なことがおきそうな朝であった。
 体が震えたのは椛が出て行くときに開け放した扉から入り込んできた外気が原因だと思いたい。





 あの後、特に椛の行動は気にせず(無駄なので)今日の予定であった買出しへ。
 山の中で生活は色々と物入りなのである。
 食料は困るものではないのだが、やはりもう少し色がほしいと欲が出てしまう。
 というわけで時々河童の作り物や自分で作った工芸品などを持ってきては売ってお金にしているわけなのである。
 無論帰りに河童たちにその分町の物(装飾品とかが好まれているが耐水性に難癖をつけてくる)をあげるのを忘れない。
 ギブ&テイクってやつだろうか?
 そんなわけで売るものを売った俺は買うものを探し町をうろついているわけなのであった。

「くりすますぷれぜんと……ねぇ」

 歩いている間浮かんでくるのは朝の椛の言葉。
 色々と世話にはなっているし、あげてもいいのだが。

「問題は、何をあげるべきかだな」

 クリスマスっぽいものもないし、前々からほしいなんて言ってたものもないし、何あげたらいいかわからないのである。
 本来はサンタさんに願って、その願ったものをくれるんじゃあないのか。
 ほしいのなら前から言ってくれればいいのに、と思っていると。

「……ん?」

 路地の影に見覚えのある後姿。
 黒髪と一本下駄、それとそばにいる烏。

「お前そんなところで何やってんだ?」

 近づきながら声をかけると一瞬ビクッとして後ろを振り向く彼女。
 なんて勿体つけなくても射命丸文そのものである。
 文は俺の姿を確認するとホッとしたように息をつく。

「なんだ、○○か……ビックリさせないでよ」
「なんだとはまたご挨拶で。油でも売ってたのか?」
「失敬ね。新聞記者が休むはずが無いじゃない」

 単にネタ探しよ。と彼女は続けた。
 だがその顔を見る限り収穫はよくないようだ。

「……そういうあなたこそ何やってるのよ」
「俺は何時ものやつだよ」
「ああそう……」

 つまらないのか大して興味がなさそうに呟いている。
 あんまり見ない表情だ。

「まったく、周りは年末に向けて動いているっていうのにあんたときたら……」
「年末に向けて動いてるならネタにしたらどうなんだ? あと年末に向けてはしっかりと動いてるわアホ」
「できればいいんだけどね。皆去年と同じようなことばーっかりしてるのよ。バカにアホなんて言われたくないわ」

 前と同じじゃあつまらない記事になるのよねぇとため息をつく。
 愚痴る文はあんまり見たことがないので俺は少し驚いた(もっとも仕事中あまり会わないが)。
 アンニュイな表情を見るとなんとか協力してやりたいと思うが同情するぐらいしか方法が無いのが悲しい事である。
 まぁ彼女のことだ、同情されたらされたで怒るのだろうが。

「クリスマスイブってのに大変だな」
「…………なに?」

 彼女の顔に若干の覇気が戻る。その顔は俺を向いていた。

「どうした?」
「いま、なんて?」
「『どうした?』?」
「そんなありきたりなギャグはどうでもいいわ。その一つ前よ」
「クリスマスイブ、か?」
「そうそれ! ……なにやらネタの匂いがしますねぇ」

 まずい、なんかスイッチが入ってしまった。
 気づいたら文の口調は丁寧になっていた。
 つまりそれは仕事モードということで――!

「そ、そんなことはないぞ? あーきょうははやめにようじをすませていえでゆっくりしようかなー」

 完全に棒読みなのが自分でもわかるが四の五の言ってる暇は無い。
 とにかく一刻も早くここから離脱しなければ。
 そう思い文に背を向け目指すは路地からの脱出!

「まぁまぁまってください。とりあえずお話だけでも」

 ○○は にげだした!
 しかし まわりこまれた!
 幻想郷最速は伊達じゃないってことなのか。

「言ってくれなければ体に聞くしかありませんねぇ……」
「なっ――」

 そんなことを言いながら迫る文。後ずさりして逃げる俺。後ろは壁。尚をも迫り来る文。
 逃げ場は―――なかった。

「大丈夫です。痛くしませんから……」
「エゴだよそれは――!!」


 ~少女尋問中~


「ふぅむ。そんな行事があったんですか……」
「うぅ……汚されてしまった……」
「しかも明日とは……これは急いで書きあげなければ!」

 そういうと文はものすごい勢い(当社比200%)で飛び去っていった。
 ……デジャヴを感じるのは気のせいだと思いたい。






 その後気を取り直し、のんびりと買い物を続けているとこれまた山の住人に出会った。
 妖怪の山での二人しかいない片割れである東風谷早苗その人である。
 早苗はこちらに気づくと(あの二人には無い!)はにかんだ笑顔を見せてくれた。

「あ、○○さん。どうしたんですかこんなところで」
「それはこっちの台詞だ。お前こそどうしたんだこんなところで」
「勧誘ですよ?」
「ああそう…………」

 いい子なんだがここのところは神社の子。
 熱心に勧誘しすぎて怪しい宗教かと思われないか不安である。

「○○さんも信仰してくれればいいんですけど……」
「失敬な、一応信仰はしてるぞ」
「信仰パワーが足りないんですよぅ」
「なんだそれ」
「わかりませんか?」

 わからねぇよ。
 時たまこういう話に持って行きたがるのは勘弁してほしい。
 しかもいたってまじめに話してくるからあしらうほうも大変なのである。
 山での少ない人間同士、話はよく合うのだが。


「そういえば○○さん。明日、家に来ませんか?」

 天狗や河童について話したり山の天気について話していると早苗が突然そう切り出した。
 あまりにも突然なので一瞬すんなりと受け入れてしまいそうだった。
 一抹の不安を抱え、平静を保ちつつ応える。

「なんだ突然?」
「ほら、明日はクリスマスじゃないですか。ちょっと豪勢なものでも食べようかと思ってまして。
でも家には私を含めて3人しか居ませんし、どうせなら○○さんもって思ったんです」
「天狗とか河童とか呼ばないのか?」
「あの人たちが来るとどうしても酒盛りになっちゃいますし」

 困ったように言う早苗は下戸である。
 そりゃ鬼のように飲む天狗やそれに応えて飲む神様のなかではそういう顔にもなるだろう。
 だからといって3人ではいつもどおり過ぎて色が無い。
 と、いうわけで同じ人間である俺を誘ったわけらしい。

「まぁ、別に予定は入ってないし……かまわんが」
「ほんとですか!? ありがとうございます!」
「いや、お礼を言うのはこっちなんだがな」
「それでですね――」

 あ、まずい。そんな気がした。一抹の不安が一気に膨れ上がる。
 だって恥ずかしそうにする早苗の顔はどこかで見たことがあるようで――

「――クリスマスプレゼント、期待してもいいですか?」

 案の定そのとおりであった。
 内心ため息をつくが表には出さない。
 流石に頼みごとにため息で返されたらカワイソウだし、見た目同様の年齢だしな。

「そんな豪勢なのは上げられないんだけどな……」

 そんな風に応える卑しい俺に対しても早苗は笑顔であった。
 出費+1、である。





 早苗と分かれた後、町で適当に買い物をして、永遠亭で二日酔いの薬をもらった。
 その頃にはすっかり日が落ちかけたので家に戻ろうとその帰路の最中。

「号外――! 号外だよ――――!!」

 どこかで聞いたことがある声。
 その声は空から降ってきた。

「あぁ○○。丁度よかった」

 本日二度目の出会いである文は俺の姿を見つけると降下してきた。
 手には大量の新聞紙。
 彼女はその新聞紙を一部引っこ抜いて渡してきた。

「……新聞?」
「一応情報提供者ですし。見てもらおうと思って」

 自分が教えたものが新聞になるなんてちょっと気恥ずかしいので拒否したのだが、
 読めと急かされるので文句を言いながらも読むことにする。
 細かいのは割愛するが最後の一文を見て思わず固まってしまった。

『クリスマスの贈り物は告白としても代用されるらしい。思いを伝えられず困っている方は一つ試してみてはいかがか――』

「……おい、なんだこれは」

 こんなこと一言も喋ってない。抗議をするが文はあははと笑いながら、

「いやー、実用性が無いとつまらないですからねー」
「伝説に実用性を求めるんじゃねぇ」
「秋の空と乙女の心、ですよ?」
「何小首かしげて言ってんだ別に関係ねぇだろそれに今は冬だ」
「何よ、いいじゃない」

 記者モードからフリーモードへと移行した文はむくれて言う。

「ゴシップ記事には面白さが必要なのよ」
「だからといってこれはないだろ」
「恋焦がれる乙女や少年がこれをきっかけに結ばれたらいいことじゃない」
「とらぬ狸の皮算用ってやつだな」
「そういうネガティブな考えは人としてよくないわね」
「天狗に言われたかねぇ」
「天狗だから言うのよ。おっと、私そろそろ行かないと」

 確かに仕事の最中だ。
 喋って引き止めるわけにはいかない(止まらないだろうけど)。
 適当に返事をして二人別々の道へと進む。

「あ、そうそう○○」

 後ろからかけられる声に振り返らずに立ち止まる。
 本当は逃げ出したかった。
 だがその後が怖いのである。
 所詮人間とはこのような生き物なのだ。

「私にもクリスマスプレゼントちょうだいね」

 嗚呼、悲しいかな予想は大当たりであった。
 しかも拒否しづらい帰りの別れ際、絶妙のタイミングで文はそう言ったのである。
 おそらくこちらが振り返らないのも計算のうちであろう。
 咄嗟に振り返るが文の姿はもう見えなくなっており、ただ冬の景色が広がるだけだった。
 結局のところ、三人からそういうお願いをされてしまったわけだ。
 しかも最後にいたっては帰り際。この様子ではまた町へと戻る必要があるだろう。
 どよんどとした気分から出たため息がむなしく空へと消えた。



新ろだ368


幻想郷の一人歩きを趣味としてからかれこれ何年経っただろうか。死のうと思って始めたことだが、生憎俺はまだ生きている。

思えば歩きだけで色んな場所を巡ったものだ。白玉楼の階段の途中で一夜を越えた事もあるし、永遠亭の竹林で一泊したら焼死しそうになった事もある。
もう少しでいい感じに死ねたのだが、ブレザー着た兔が必死に守ってくれた(死ななかったのに必死とはこれ如何に)おかげでなんとか生き延びた。

妖精を手なずけて凍らせた湖の水の上を歩いたこともある。そうして辿り着いた赤い館では主人と面会し、妙に気に入られて一泊の宿を借りたのはいい思い出だ。
あれ以来、あの主人は快く宿を貸してくれるようになった。宿を頼んでないときでも、時々使いのメイドが俺を館に誘いに来ることもある。メイドも、主人も、俺が訪ねるときはいつもご機嫌だ。

香りに惹かれて辿り着いた向日葵畑。一夜を明かそうと思ったが、寝るには匂いが案外キツくて撤収した。
夜中眠い目をこすってどこか塒を探していた時に出会ったのがその花畑の主人だった。俺の事を痛みが長引く方法で殺そうとしてくれたが、その最中に思い立ったかのように行為を止めて、また宿を貸してくれた。
近くを通りかかった時は一応顔を出すようにしている。「そうしないと死なない程度にいじめるわよ」と言われているからだ。

仲良くなった鰻屋の店主と話してるうちに辿り着いたのが山奥の神社である。
ここでも快く寝床を貸していただき、数日ほど滞在した。そろそろ出ようかと思い始めた日、二柱の神様に酒の席で「娘を幸せにしてやってくれ」なんて冗談を聞いたのが印象に残っている。
そういえば、ここの巫女とは今でもよく偶然に出会う。本人曰く、愛の奇跡だそうだ。

幻想郷の場所という場所は粗方見終えたかなあと思った俺の目の前に現れたのが地底の都。ここでは心を読めるという少女と会った。
彼女曰く、俺の心の中というのは普通の人と大分違うらしい。それで興味を持たれたか、ここでも数日宿を借りた。
滞在中、鬼などを交えて小さな宴会を行った。鬼と酒を飲めば急性アルコール中毒で死ねるかと思った。しかし俺は酒に強かったらしく、結果飲みっぷりで鬼を喜ばす事になった。
数日の後に別れた。また遊びに来ると言った時の少女の表情は、今でもよく覚えている。

今はただ、何処とも分からない森の中をとぼとぼと歩いている。
───もう少しで日が暮れる。今夜は野宿になりそうだ。









「ふふふ…○○さんってば、我慢しないで神社に来てくれればいいのに…うーん、また奇跡の力で○○さんに会いに行きましょうか…」
「お嬢様の機嫌が良くないのは、きっと○○が来ないからね。どうせその内紅魔館の住人になるんだから、今回は妹様にも会わせてみようかしら」
「○○さん…わ、私と幸せになるまで、絶対に死なせたりしませんから!」
「……最近…アイツ来ないわね……こっちから迎えに行こうかしら……」
「遠く離れていても、○○さんの心の中はすぐに読めてしまいますね。…「さとりに会いたい」ですか。仕方ありませんね、もう…」

五人の女性が、一人の男めがけてやってくる。
この後の彼はある意味、死ぬよりも怖い目を見るのかもしれない。


新ろだ409


  新ろだ403の続きです。

 朝、味噌汁の匂いで目が醒めた。
 この間の一件以来、小傘は料理を覚え始めた。
 嫁になろうというのに料理の一つも出来ないのでは情けない、と言って。
 最初は危なっかしかった包丁使いも、随分と様になっている。
 味のほうもなかなかだ。
 何でも、道具達が加減を教えてくれるとか何とか。
 そのあたりは、さすが化け道具といったところか。

 布団を片付け、着替えて顔を洗い、居間に向かう。
 いい匂いがするせいで、腹がぐうぐうとやかましい。
 早く駄々をこねる腹を黙らせたいところだ。



 居間では、小傘と早苗ちゃんが朝食の準備を終える所だった。
 そう、早苗ちゃんも朝から家に来るようになった。
 そのためだけに、分社ワープを人の身で習得してしまった。
 朝はいつも、おかずを一品持って来て一緒に食べている。


 ……つまりは、朝からここは戦場と化すのだ。


「はい、○○さん、あーん」
「あーん」

 もぐもぐもぐ
 ……美味い。

「○○、こっちもあーん」
「あーん」

 もぐもぐもぐ
 ……こっちも美味い。

「それで、今日はどっちが美味しいですか?」
「もちろん私よね?」
「んー……今日は小傘かな?」
「やったー!」
「ううっ、今日は負けましたか…」
「○○、ほら、ほら!」
「ん、あ、ああ」

 ちゅ

「ふふ、○○のキスいただき♪」
「あ、明日は私が貰います!」
「はは…」

 朝の決闘、それは料理勝負。
 美味しかったほうを俺が選び、勝者にキスをする。
 最初に引き分けを宣言したときは、二人に揃って怒られた。
 最後にもっと重たい判断が待っているのだから、このぐらいは毎回白黒つけなさい、と。
 それ以後、毎回きっちり判定を付けている。
 そのおかげで、俺は毎日美味しい物を食べられるのだ。
 未だにキスするのは気恥ずかしかったりするが。

「さて、あとは普通に食べるか」
「そうしましょう、それじゃ、いただきまーす」
「いただきまーす」

「……むう、小傘、本当に腕を上げてる……」
「ふふふ、道具の声が私を導いてくれるのよ」
「それって、前の持ち主の作り方を教えてくれるってこと?」
「そういうこと。
 でも、それで覚えた料理を○○好みに仕上げるのが愛情の見せ所なのよねぇ」
「なんて便利な能力…羨ましい」
「でも、鍋が口うるさくてねぇ。
 やれ醤油が小匙一杯足りないだ二分煮過ぎだとか火力を一割落とせとか…」
「そ、それはめんどくさそうね…」
「まあ一長一短ってところよ。
 それに、早苗も外の料理を色々と知ってるし、なんだかんだで五分よね」
「ええ、外の料理の知識なら絶対に負けませんよ。
 ○○さん好みの物もまだまだストックがありますからね」
「ふふふ、そしてそれを私がラーニング…」
「やっぱり私が不利だー!?」

 勝負が終わると、この二人、結構仲がいい。
 今みたいに俺が置いてきぼりの会話になることも多い。
 ……だが、それもいつかは終わらせることになる。
 その時までは、この空気を堪能することにしよう。




「ところで○○さん」
「何だい、早苗ちゃん」
「山にアミューズメントパークが出来たんですけど、次の休みの日、一緒に行きませんか?」
「……え、何が出来たって?」
「カッパーランドです」
「……河童すげぇ」
「私も行きたいけど、次の休みは早苗の日かぁ……」
「わかった、次の休みはそこに行こう」
「はい、楽しみにしてます!」



 休日は交互に二人と付き合うことになっている。
 次は早苗ちゃんの番だが、普段は一緒に買い物したり紅魔館の図書館で珍しい本を探してみたりといった感じだ。
 まあ、娯楽が少ない幻想郷だからね。
 そんな幻想郷にも、ついにアミューズメントパークなんてものが出来たらしい。
 初めてのデートらしいデート。
 次の休みが楽しみだ。




─────チルノの裏─────
もう二人同時進行しちゃうことにした。
─────チルノの裏─────


新ろだ456


つい先日、魔理沙が地下に行っていたらしい。
「地下には動物がいっぱい居たんだぜ!」

なんて嬉しそうに話しているが、ここは聞き流させてもらおう
だって無理矢理連れて来られたんだもん!

ちなみに現在午前2時半である

そうやって紅茶を飲みながら適当に相槌を打っていると、気になる話が耳に飛び込んできた

「なんか地下には、研究とか言って色々な人に抱きついたやつがいるらしい」

ふーん、地下には抱き枕の研究などと銘打って抱きつく変態がいるのか。
変態も一線を越えれば英雄だよなー
今度魔理沙に送ってもらって会ってみようかな?


そんなことを考えていると、魔理沙が不思議そうにこちらの顔を覗き込んできた

「どうしたんだ○○?そんな神妙な顔をして」

「ん?少し考えごt」

と言いながら意識を目の前に向けると……

魔理沙の顔がどアップになっていた

少し驚いた。が、そこでふと先ほどの話が思い返された

そういえばさっき言っていた研究員は、抱き枕について調べていたんだよな
すこし真似して"研究"でもしてみるかな……

何を血迷ったのかそんな考えに至り向き直ると、瞬きをする暇も与えずキスをした
最初はただ唇を重ね合わせるだけのキスだったが、何も言わないのをいいことに舌まで入れた

ズキュウウゥン

そんな音が聞こえた気がした
さすが○○!おれたちにできない事をh「そこまでよっ!」

キスが終わって1分はたっただろうか?
まだ魔理沙はこちらの世界に帰って来ていない

「おーい魔理沙さーん」

そういって手を目の前で振ってみるが反応が無い。ただのしかばn

と思ったら急に魔理沙の顔は赤くなっていき、口をパクパクさせている
わかりやすい反応だなー

「な、ななななな何をいきなりするんだっ!」
「何ってキスの研究だよ。さっき言ってた人みたいにね」
「って!研究…か……」

顔を赤らめていたと思ったら、今度は悲壮感に包まれて黙り込んだ

「おもしろいやつー」

暫らくして立ち上がったと思うと、魔理沙が仲間になりたs
ではなく
「別に○○ならいつでもいいんだぜ?」

と顔を赤らめながら言ってきた

あーなんだこの展開は?新手のドッキリか?
後ろにスキマ妖怪とか出歯亀なんていないよな?

そう思って周りを見回してみるも誰もいない
というか魔理沙の家だろここ!

などと心の中で一人ツッコミをしていると、背後から急に声が聞こえてきた

「お熱いことで」

後ろを見ると、紫が口元を隠しながらニヤニヤしていた

「なんでこんな時に来やがるんだよ……」
「あらあら、ご挨拶ね」

そう言うが、顔はニヤニヤしたままだった
クールな○○○め!

などと心の中で悪態をつく
間違っても決して口にしてはいけない

ふと魔理沙に視線を戻すと、わずかに震えていた
どうしたんだと思い話しかけようとすると、震える声で喋り始めた

「どこから見ていたんだ?」
「「どうしたんだ○○」からね」

殆ど全部じゃねーか!と俺が即答した

「人の恋路を邪魔する奴は消えろおおおおおおおお!」

急にそう叫んだかと思うと、八卦炉を取り出した

「やばい!かつて無いほどシュウシュウ言ってるぞあれ!」
「貴方にデリカシーが無いからよ」
「んなわけあるかぁぁ!」

不毛な言い争いをしているとチャージが完了したらしく、魔理沙がスペル宣言をして……

「マスタァァァスパァァァクッ!!!!」

「魔理沙!俺にも当たるって!」

本人は気が付いていなかったらしい。どうみても驚いた表情になり

「え?」
と言った

「え?じゃ無くて、うわ!命はお大事にぃぃ!」

そういって○○と紫は光の中に消えていった…







と思ったのだが間一髪で紫に助けてもらったようだ
まだ目の前がチカチカしている

「大丈夫かしら?"アレ"には当たってないはずだけれども」
「ああ大丈夫だ。そろそろ元に戻ってきた」

そう言って笑っている紫
アレを見て大丈夫なんて流石は○○○!
決して口にしてh(ry

ようやく視力が戻ってきたなと思い、しっかり目を開けるとそこには……

紫のどアップの顔があった
なんていうデジャブ!等と考えていると紫が口を開ける

「キスの研究をするんでしょう、○○?」

面食らったがすぐに思い出し

「それもそうだな」

と言って笑い、キスをしようと顔を近づけた
が、誰かがこっちに来ているらしくそっちを向いた

「ああもう紫様!あれ程お体を冷やしてはいけませんt」

そこまで言ったところで藍と目が合って、場の空気が凍りついた

と思ったら思い出したように捲くし立てて走っていってしまった

「悪いことしたなぁ」
「後でおしおきね」

可哀想にと少しだけ心の中で同情した
が、すぐに顔を向き直させられた

「今日は寝かせてあげないわ」

そう言ってまたキスをしようと…

(もうスキマ送りにされています。続きを読むにはババァと3回言ってください)



チラシの裏
初投稿だったりするが…文才ってなに?おいしいの?

HとEROでは単なる変態だが

H   ( ゚д゚)  ERO
 \/| y |\/  

二つ合わさればHEROとなる

    ( ゚д゚) HERO
    (\/\/

俺の嫁ってパチュリーだよな?
なんでこんなSSを書いt(ry

どうみても抱き枕の人の影響を受けてm(ry

次回!実践編
────────────────


新ろだ458


八雲さんの家の家主が鬼ごっこを主催したんだな。
チームとかカップルとかでの鬼ごっこ。
最初は面白そうだなあっていう気軽な理由で参加したんだ。


それが仇になった。


 ―幻想郷チーム鬼ごっこ―
 ・男女別のチームで鬼ごっこ
 ・男が逃げる



「それじゃあスタート(はぁと」


ルール無用の残虐鬼ごっこが始まった。








「逃がさないわよ!」
「私から逃れられると思ってんのか?」
「逃げる時間は与えないわ」
「あなたは私に捕まる運命よ!」
「最速の名は伊達じゃないですよ!」
「私から逃げられる者などあまり居ない!」
「あなたの鬼ごっこの腕前なんて私の二割八分六厘にも満たないわ」
「逃げられないのかー」
「棒が倒れたってことは……こっちね」
「目の前の男を消極的に捕まえる方法は、と」
「鬼ごっこだって最強よ!」
「どこに逃げるかなんて……心が自白してるわ」
「狂わして逃げられなくしてあげるわ!」
「私に捕まること、それがあなたの積める善行です」
「あなたを捕まえる奇跡だって起こして見せます!」
「あなたの境界なんて私の手の平の上よ」



~以下時間の都合上省略~



「うわああああああああああああ!!!」




一対幻想郷の少女全員。






「捕まえたわ!」
「もう逃がさないぜ?」
「あなたの時間はもう私のもの」
「逃げる運命なんてありえないわ!」
「逃げてもすぐに追いつくんですからね!」
「みょんなとこには逃がさないですよ!」
「百体の人形から逃げられると思って?」
「捕まえたのかー」
「いたただきまーす」
「今日は喘息の調子も良いからこれ以上逃がさないわ」
「捕まえたからもっと最強ね!」
「逃げる算段は無意味よ? 全部わかるもの」
「捕まえた! さぁ狂わしてあがるわ!」
「私から逃げないこと、それがあなたの積める善行です」
「鬼ごっこの常識に囚われすぎましたね!」
「ね? 言ったでしょ。あなたの境界は私の手の平の上」



~以下時間の都合上省略~


「ぎゃあああああああああああああああああああ!!!」






この後○○を誰が○○を捕まえたかを巡る幻想郷の少女全員による戦争が勃発。
結局勝敗はつかず、皆に美味しく召し上がられましたとさ。
おしまい。
ちゃんちゃん。


新ろだ466


引っ越しておいてなんですが、引越しそばネタはなかったよーな
気がしまして…折角だから流し蕎麦という形で導入しよう

「みなさん準備はいいですかー?流しますよー」

「さぁっ!彼のためにも張り切って食べるわよ!ズズズ…」
「お前にあいつの蕎麦は譲らん!負けないぜ、ズズズ…!」
「独り占めするんじゃないわよ魔理沙!上海、黙らせなさい!」
「あはは…慌てなくたってお蕎麦は逃げませんよ。忘れられない素敵な味です」

「喰ってやるー、喰ってやるー」
「こんな蕎麦、アタシが全部喰ってやるわ!」
ルーミアちゃん、チルノちゃんお行儀が悪いよ…」

「フランドール様、お蕎麦ですよ。彼が作ってくれたものです」
「おいし~い!ほら、美鈴も食べようよ。彼が作ってくれたお蕎麦!」
「…やっぱり本で知るのと直接口にするとではわけが違うわね。美味しいわ」
「蕎麦つゆは鰹節が一番ですよ♪」
「どうぞ、お嬢様。彼の素敵なお蕎麦ですわ」
「ところで、ちゃんと蕎麦つゆに血は入れたんでしょうね?」

「あら、春告精が私の元に来るなんて珍しいわね」
「…」
「あら、差し入れ…?彼から…?ありがたく頂きましょう」
「…♪」

「藍さまー、お蕎麦美味しいです!」
「そうだね、彼に感謝しよう」

「…おいし」
「おいしー♪」
「ふーん、結構いけるじゃない」

「幽々子様、紫様、お蕎麦をどうぞ」
「あら、あなたも食べなさいな。早くしないとなくなっちゃうわよ?」
「ほらほら、彼の手作りお蕎麦がなくなっちゃうわよ~」

「うん、美味しいけどもうちょっと甘口のお汁だといいな」
「今度、屋台にも新メニューでお蕎麦を導入しようかなぁ」

「生きてみるものねー。こんなお蕎麦が食べられるなんて」
「だから、お前には絶対食べさせるもんか!」
「…はぁ。お前らここまで来て食べ物で喧嘩するんじゃない」
「ため息つくと小皺が増えちゃうわよ?あんな二人なんかほっておいて食べなさい」
「よーし、ここで取れるだけ取って後で売却売きゃk…」
「だからやめなさいってば。んー?何でもない、何でもないわー」

「お人形でも食べられるお蕎麦?スーさん、やったね!」

「ふーん、まぁいいわ。私の機嫌を損ねない程度には食べられる蕎麦ね」

「流石にこれに酒は無粋かねぇ…」
「ゆっくり、じっくりと味わいなさい小町。彼の善行の象徴であるお蕎麦を」

「この素敵なお蕎麦への添え物は紅葉がいいかしら穣子」
「あら、添え物なら私にかかれば秋の味覚で何でもごされよ姉さん」

「お蕎麦の美味しさで私の中の厄が洗われていく…すごいわ」
「来てよかったでしょー?人間、もっとちょーだい♪」

「食べ終わったら、彼に詳しくレシピを聞きに行くわよ椛」
「それ以外にも何か目的があるんじゃ…ああっ、お蕎麦取らないでください!」

「蕎麦寄越せ諏訪子!あんたさっきから食べ過ぎじゃない、この牛ガエル!」
「あんだとー、ただじゃやらないよ神奈子!胸にばっかり栄養が行くくせにー!」
「お二人ともお行儀が悪すぎです!折角のあの人の手作りお蕎麦なのに…はぁ」

「今度蕎麦つゆに有頂天の桃の果実を混ぜてみようかしら」
「総領娘様、それは無粋すぎます」

キスメ、ちゃんと食べてる?遠慮しなくていいんだよ」
「うん…ツルツル」
「妬ましいわ、美味しすぎて」

「ほーれ、酒と一緒に頂こうかね」
「よーし飲め飲め、ほれほれ歌え歌えー!」

「いやぁ~、こいつは美味しいねぇお空」
「ズズズズ…んぐ!?んぐ、んぐぅ、んぐぐぅ~!!」

「こいし、慌てずによく噛んで食べるのよ」
「でもこれ、ほんとに美味しいのよお姉ちゃん!」

番外

「ねぇここなの?例の人間が人妖にお蕎麦を振舞ってる現場って」
「ここよ、間違いないわ!ほらいるいる、個性と言うか灰汁の強いメンツが…」
「作戦開始ね。お蕎麦いただきます作戦、行くわよ!」

「下界でもそれなりの料理人がいるとは思いませんでした…」
「依姫、頬が緩みすぎよ。まぁ、私も気に入ったんだけど」


新ろだ478


「○○、やったね!」
「おめでとうおにーさん!」
「ああ、これも二人のおかげだ!ありがとう!本当にありがとう!」
橙とお燐、そして俺。三人で喜びを分かち合う。

ついにこの能力を獲得することができた。これで色々できる!
で、それが何かと言えば。


『猫に変化する能力』である。


思えば長かった。数ヶ月に及ぶ修行の甲斐あってとうとう自在に猫に変化するところまできた。

ただ、欠点もある。

猫に変化していられるのは最長10分である。
これは仕方がない。そもそも俺はただの人間である。こんなことができるだけでも奇跡に近い。
というか、最初に三人で修行し始めた時はほぼ何の成果も上げられなかった。
ある時紫さんが現れて

「おまじない☆」

とかなんとか言って指をくるくる回してなんかポーズとってた。バックに星が散ってた気がする。演出?

多分何かの境界をいじったんだろう。
それからというもの、次第に猫に変化するコツというか、何かをつかむことができた。
はじめは1分ももたなかったが、うまくコントロールできるようになり、10分間の変化が可能になった。

そして今に至る。

「ところでおにーさん、猫になれるようになったのはいいとして。それを一体どういう風に使う気だい?」

「そうそう、それ聞きたい!」

「そういえば言ってなかったな。俺は猫に憧れてたんだよ。自由で、気楽で。もちろん猫には猫の苦労があるだろうけどね。ま、これは表向き」

「で、ほんとはどうしたいのさ?」

「ん、悪戯」

「…は?」

「だから、い・た・ず・ら☆」

「…○○、紫さまに変な境界もいじられちゃったんだね」

「…なんのためにこんな苦労したのかわかりゃしないよ」

「「はぁ~…」」

「何その顔。猫ってそういうもんじゃないの?第一悪戯云々は最初から俺の意志だ」

「余計タチが悪い!」

「ふふっははは。まぁまぁ、今度気の済むまで遊んであげるからさ」

「それだけじゃ足らないよ。一週間くらいはずーっと遊んでもらうんだから!」

「う…。まあ仕方ないか…」

これだけ手伝ってもらったんだから当然か。
約束をして別れた。

いやーしかし、これで色々できるなぁ。別にそこまでよ!みたいなことするわけじゃないくてな、ほんとにただの悪戯心だ。
まあ多少はやるかもしれんが。ていうかやります、グレイズギリギリまで。
さーて、明日から実行に移しますか。


翌日。昼前に家を出て博麗神社へ向かった。
「おーい霊夢ー」

「あら○○、いらっしゃい」

「今日はちょっと見せたいものがあってきたんだ」

「何かしら?」

「霊夢さん…見ててください、俺の…変身!」

「な、何?」

決めポーズをとり、あたりが煙に包まれる。

「にゃあ(ふはは、どうだ)」

「…猫? ていうか、○○なのね?」

「にゃ!(もちろん!)」

当然人間の言葉は今は話せないから鳴き声で応えるしかない。ちなみにアメショに変化した。普通の雑種でもよかったが幻想郷にいない種類のほうがいいかな、と思ってのことだ。術は意思の力である。シャムも捨てがたかったけど。

すると突然抱き上げられた。

「にゃ!?(うおっ!?)」

顔を指でつつかれたり腹を撫でられたりする。気持ちいいけどこそばゆいな、これ。
っとと、このまま懐柔されるわけにはいかん、リベンジだッ!
舌で霊夢の頬を舐めてみる。

「きゃっ!?」

突然のことに可愛い悲鳴を上げる。

「にー(俺の舌技はいかがかね)」

「あ、あんたねえ…。あー、その姿だとちょっと怒れない…」

続けて鼻同士をくっつけてすりすりしてみたりとか肉球で頭をぽふぽふしてみたりした。
しばらく悪戯したりされたりの時間が続く。

で、すっかり忘れてた。持続時間。

瞬間、人間の姿に戻った俺と霊夢の鼻同士がくっついたまま、至近距離もいいところである。

「あ、あ、あ」

「あー」

「あーーーっ!!」

全力で殴られた。愛が痛いぜ。

「なぜ殴るか」

「殴るわっ!」

おぉ、ひどいひどい。
まあいいや、これで猫になっていれば俺だと知っていてもあまり乱暴なことはできない、と。
しかし持続時間には気をつけなければ。

しかし猫化中の時の霊夢の顔、可愛かったなあ。
あんな表情見たことなかったぜ…。迂闊にも見とれてしまったのは内緒にしとこう。

さあ次だ次。
次はえーと、地霊殿方面でも行ってみるか、こっから近いし。


「あっ、ちょっと待ちなさいよ、どこ行くの!」

「じゃーなー霊夢、愛してるぞー」

「え、あ……」

ボーッとし始めた霊夢を後にして地霊殿へと続く穴へ向かう。



相変わらず寒いな、ここ。
しばらくまっすぐ歩き続ける。

やがて橋が見えてきた。と同時にお目当ての人物を見つけた。

「おーい、パルパルー」

「変な呼び方しないでちょうだい、気さくに呼ぶなんて妬ましい」

「まあそうカリカリするな、今日は是非見てもらいたいものがあってな」

「何よ?」

「ふふふ、見て驚け」

「変…身!」

煙と共に猫が姿を現す。

「…○、○なの?」

「(こくり)」

そして一目散にパルスィの胸に飛び込む。目標ぱるおっぱい!

「ちょっ!」

パルパルさんあったけぇ。霊夢に負けず劣らずいい匂いするし。妬ましい!

「…○○?」

「んむー?(なんだ?)」

「あなた猫になってまで私にこうしたかったのかしら?妬ましいわ、あなたの情熱が」

「にゃ!?(い、いや、確かに悪戯はするつもりだったがあくまで猫になるって手段が(ry ていうかどうしたんだ急に?)」

え、ちょ、なんで頬紅いんですか?腕に力入っちゃってるよ!
逆にパルスィが俺を離そうとしてくれない。このままじゃまずい、変化が解けたらまた痛い目に合う。俺の頬に紅葉が浮かんでしまう。
そして抵抗もむなしく変化が解けてしまった。

「ふふ、○○……」

「あの、パルスィ」

「なぁに?」

「嬉しいんだけどそろそろ離してもらえないかな……」

「嫌よ、このまま離したら手を離してしまった自分が妬ましくなるもの」

「あ、あー…」

「私はね、○○。あなたがここに来る日がいつもいつも、待ち遠しかったの」

「パルスィ……」

「ふふ、でもたまには猫もいいわね」

ミイラ取りがミイラになった、とは違うが。ううむ。
しかしパルスィがここまで積極的だとは思わなかったし、今こうして彼女に抱きしめられているとどうでもよくなる。
あったかい。寂しかったのかな、俺は。

もっと強く、パルスィをこの身で感じていたい。







その頃の霊夢
「ちょっと何よあいつら!人が追っかけてきてみたらあんなとこで堂々とイチャついて!妬ましい!」


あとがき
途中で力尽きた。誰メインなのかわかんないし。
糖分は少ない、と思う。


最終更新:2010年06月17日 22:24