ハーレム?16



新ろだ491


いつものようにバカルテット+保護者の大ちゃんと遊んでいると、空から何やら落ちてきた。
新聞だ。毎度おなじみの文文。新聞だ。
とりあえず広げて読んでみる。みんなも覗き込んでいる。

『幻想郷で合体ブーム』

なんだこりゃ。合体ってあれか、(そこまでよ!)
パチュリーさんが脳裏をよぎった。
…そういう合体じゃないのか。

新聞を読み進めると要は恋人同士がイチャついてるだけっぽい。
なんだいつもの事じゃないか。平和平和。

「○○ー、あたいたちも合体しようよー」

チルノが目を輝かせてそんなことを言う。
他の4人も同様に「合体しようよー」の一点張りだ。

「待て待てお前たち、合体ったって色々だ。まずは資料探しでもしようじゃないか」

おー!と拳を突き上げて出発の合図。
バカルテット+大ちゃんと俺は早速行動を開始した。

しかし合体ってーとアレだ、ロボ。勇者ロボとか戦隊モノのヒーローみたいな。

そうなると紅魔館の図書館ではそんな資料はあるまい。それ以前にこんな大人数で押しかけるのもパチュリーさんに悪いし。

なら香霖堂だ。



「てなわけでやってきました香霖堂」

「いらっしゃい、今日はずいぶんとにぎやかな面子だね」

「こーりん喜べ、今日は客としてやってきたぞ」

「ほう。ということは何か探し物があるのかい?」

「ああ、外界の本なんだけど……」


こーりんに一通り説明すると顎に手をやり考える仕草をして奥に引っ込む。
数分後、数冊の本を抱えて戻ってきた。

「○○の説明で該当するような本はこれだけだね」

数冊の模型雑誌のようだ。ホ○ージャ○ンですね、わかります。
毎度思うんだがどこからこういうのは流れてくるんだろう。

「おー、そうそうこんなのだ」

「ご希望通りかな?」

「うんうん、十分だよ」

そして代金を支払い香霖堂をあとにする。
我が家へ一度戻り、部屋であぐらをかきながらバカルテットと共に雑誌を読むことにする。
適当なページをパラパラとめくりながら読み進む。

「ふーむ、やはり合体ロボは巨大なウィングだな」

「ウィング?じゃあ私が○○の背中にくっつくの?」

みすちーが上目遣いで楽しそうに聞いてくる。
…ちょっとからかってみるか。

「みすちーも大胆だな」

「? どうして?」

「発育いいから(バカルテット内調べ)」

「っ! ○○のばか…」

頬を紅く染めてぽかぽか叩いてくる。愛い愛い、愛い奴め。

「あたいはてっぺんがいいなー」

とチルノ。

「てっぺんてことは頭か」

「じゃあ肩車ね!てっぺんてことは一番強いってことなの!やっぱりあたいってば最強ね!」

「えー、背中にくっついたまんまだとチルノちゃんのお尻に私つぶされちゃうよー」

「…うーむ、ウィングがその様というのも問題ありだな。ちょっとそれは保留ってことで」

「「むー」」

二人そろってぷくーと頬を膨らませて不満そうな声を上げる。

「私とリグルちゃんは両手なのかー?」

「そうなの?」

「闇の力と蟲の力を宿した両腕か。なかなかいいな…! まあ黒光りする蟲っていうとあれしか思いつかないけどな」

「えへへー、○○ー」

ルーミアが俺の左腕に抱きついてくる。
ほんと人懐こいなこいつ。思わず右手で頭を撫でる。
気持ちよさそうに目を細め、抱きつく力が強くなる。

「え…っと。私もやらないとダメ…?」

リグルが恥ずかしそうに聞いてくる。

「ダメ」

可愛い子ほどいじめたくなるってやつだ。
少し俯いて右腕にぎゅっと抱きついてくる。あれ?結構乗り気じゃね?

「あのさ、リグル…」

「言い出したのは○○だから離してあげないよ……」

と言って離す気配がない。参ったな、両手がふさがってしまった
自分が原因とはいえ、このままでは雑誌が読めない。仕方ないのでチルノに頼む。

「チルノ、悪いが雑誌のページめくってくれないか?」

「うん」

色々あるなー。まあさすがに車が真っ二つになって合体してるようなのは無理だけど。
おー、やっぱりいつ見てもガ○ガ○ガーは格好いい。
あれか、「ブ○ウクンマ○ナム!」とか叫んでリグルとルーミア飛んでくのか。少し吹いた。

「大ちゃんは合体云々より司令官の役とかがいいかもな」

「私…ですか? そうですねー、みんなを見守ってる方が性に合ってる気がします」

「大指令官というわけか」

「大ちゃん昇格おめでとう!」

「おめでとう!」

「おめでとうなのかー」

「え?! えぇー?」

突然祝福されて困惑する大ちゃん。そりゃそうだよな。
さて、ここいらでポジションおさらいしてみるか

胴体:○○
頭:⑨……じゃないチルノ
腕:リグル、ルーミア
ウィング:みすちー
大指令官:大ちゃん

まあ若干不恰好ではあるがこれで採用しよう。
すっくと立ち上がり、両手を広げる。

「さあお前達!今こそ合体する時だ!」

「「「「わー!」」」」

ガッシと腕に組み付くリグルとルーミア。
頭に正面衝突するチルノ。バランスを崩して俺は後ろに倒れこんでしまう。
ウィング担当のはずなのに正面から突っ込んでくるみすちー。
おろおろする大ちゃん。司令官なら指揮をとってほしかった。

「ぐへぁー」

計4人にしがみつかれたり抱きつかれたりされてしまった。
嬉しいが苦しいぞ。

「えーと…、えーと、 …えいっ!」

あ、1人追加。


合体は失敗に終わったがみんな楽しそうにしてるので何の問題もない。
つーかこいつら最初からじゃれつきたいだけか。
嵌められたッ、バカルテットにッ…!

そんなこんなで、一日は終わりを告げた。







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後日談的な
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チルノを肩車し、両腕にはリグルとルーミアがしっかり抱きつき、腰に抱きついて前をうかがうみすちー。
傍らで困ったように笑っている大ちゃん。

「…で、何しにきたのアンタたちは」

せっかく合体したのだ、やはり敵は強いに限る。
というわけで相手に抜擢されたのは銭ゲバ巫女の博麗霊夢というわけだ。銭ゲバ巫女とかまさしく悪党ではないか。

「ふふ、なに。人妖合体バカルテットフォースの実力をだな……。ところで霊夢」

「何よ」

「スペルカードルールは避けられる形なら何人がかりで弾幕張ろうが関係ないよな?」

「ええ。人数についての記載は制限はないわ」

「はっはっは、たかがバカルテットと甘く見たことを後悔するがいい!」

「ま、さすがに4人がかりでやられると厳しいし、先手必勝っと」

「え?」

言い終わる前に霊夢の弾幕が火を吹く。

「そうか、バカルテットフォースには重大な欠点があった。 合体すると俺が動けん」






後にはボロ雑巾が5つ。

大ちゃんは慌てて俺たちにかけよる。
霊夢も溜息をつきながらも手当てのため、こちらにやってくる。

「ま、アンタも頑張りなさいよ」
「……もちろんだ」

倒れたまま霊夢に向かってサムズアップ。
ビシッと決めたところで俺の意識はぶっつりと途絶えた。





あとがき

合体ネタブームにのってやってみた。
糖分は相変わらず薄め。


最終更新:2011年02月21日 23:40