東方学園2
7スレ目>>608-609
屋上、前歯。もとい、高校の屋上。本来なら立ち入り禁止なのにそこでタバコをふかす俺。
……だってさ。カギがぶっ壊れてるんだもん、入りたくなるんだもん、わかるよな。
「あー、帰りてぇ……」
そんな事をいいんちょの前でいったら頭突き確実だな。……いや、こんな所でタバコ吸ってるって時点でもう頭突きモノだが。
でもな、頭突きした後のちょっと涙目で「もうするんじゃないぞ」って言う姿が可愛いからなぁ……
「あ、いたいた。ちょっと__?さっきから慧音さんが呼んでるけど……」
「んあ、今日は水色のしましまか」
そんな事を言った瞬間、俺の名前を呼んで近づいてきた生徒……鈴仙に顔面を踏まれる。
「見るなバカー!」
「そうは言っても今もこうちらちらと見えるわけでウボァ」
「__の変態!痴漢!盗撮魔!」
上靴でグリグリ。もー、酷いなこのうさ目は。
「で、いいんちょが俺に何の用だって?」
「ん、何か『今__が帰りたいとか抜かしたっぽいから連れて来い』って」
「……なんという地獄耳」
グリグリされた鼻をさすりながらつぶやくと、鈴仙が俺に手を差し出した。
「なんだよ?今日の小遣いでもくれってのか?」
「バカね、タバコよタバコ。……もう、あなたが吸ってるせいで私のかぶってる猫が剥がれるじゃない」
……確かに。クラスでは猫かぶって優等生の一人っぽく思われてるだろうが何故か俺と二人きりになるとこんな風に(俺がそう思っているだけだろうが)素に戻る。
ボックスの底を弾き、タバコを2,3本出してやる。そのうちの一本を取り、自分のポケットを探る鈴仙。
「……実は持ってるんじゃねーのか?」
「自分のより他人のを見てるほうがおいしそうに感じるの」
ごついジッポをポケットから出し、火を点けようと何回もヤスリを回転させる。……だが火は点かない。
「油切れか」
「……そういえば入れるの忘れてた」
軽く噴き出し、肩で笑ってやる。その間に俺の前に移動していた鈴仙がこう言った。
「あなたの火、貸してよ」
「……生憎、俺はマッチ派なんでな。何本も消費したくない」
「あら、それよ。あなたがくわえてる」
……あ、そういう事。だから俺の前に移動してきた、と。鈴仙は俺に顔を近づけ、くわえているタバコを俺のタバコに当て、火をつけた。
近くで見るこいつの目……色素が薄く、血の色が浮かんで赤くなっているから俺はうさ目と呼んでいる……、それはルビーのように綺麗に見えた。
その宝石を持った女も、すぐに離れてしまう。
「……ちょっと、何で私の目をじろじろ見てるのよ」
「いや。悪い。あまりにも近くにあるもんだからさ。つい見とれちまった」
俺の突然の発言に、吸い込んだ煙でむせる鈴仙。
「けふっ、み、見とれてたって……」
「悪いか?」
「……別に、その……」
目だけでなく顔まで赤くなる。……あー、面白いったらもう。
「……あ、そうだ。そういえば__?この前に誰かと一緒に帰ってたわよね。あの子って……」
「ああ、あのバカチルの事か?」
鈴仙が言っているのはクラスメイト中最バカの
チルノの事だろう。……いつも
ルーミア、リグル、ミスティアと四人で行動してる。
「なんで一緒にいたの?」
「あー、いやな。『あたいもそろそろバカとか言われたくなくなりたい!』って言うもんだからさ。しかも俺に。仕方ないから勉強を教えてやった」
そもそも成績が下の上な俺に頼むところからしてバカだが。
「……本当に、そうなの?」
「……やけに疑り深いな。本当の事だよ。バカチルが勉強教えろって言うから、な」
……いやあの、鈴仙くん?そんなに目つき悪くなるほど睨まなくても……
「楽しそうに喋ってたじゃない」
「……へ?」
「彼女とあなた、よ。笑いながら下校してた」
……おや?何だこの雲行き。なーんか誤解されてるような。……いや、されてるな。
こういう場合は何度も弁明すると余計に疑いがかかる。ならば……率直に聞こう。
「……おい、鈴仙」
「何?」
「お前、もしかして……バカチルに嫉妬してるのか?」
「……ぅ」
聞こえたぞ。小さく声が詰まったのを。
「俺が言ってるのは本当の話だ。あくまでもバカチルには勉強を教えただけ。……そもそも俺はバカは好きじゃない」
「……だってっ!もし、もし__が……っ!」
さっきと同じように顔が赤くなった。
「__が、チルノちゃんに……保健体育の勉強だとか言って」
「それ以上言わんでももう読めたわバカうさぎ!」
……真面目に考えた俺がバカだった。鈴仙のでこに思いっきり中指を打ち込んでやる。……でこピンで俺に勝てる者は某婦警しかいないだろう。
ドッゴォーン!と擬音が付きそうなほどに勢い良く放たれたでこピンが鈴仙に直撃。……制服が汚れるのもかまわずのた打ち回っている。
「お前ふざけてんのか!?しまいにゃ屋上前歯するぞ!?……って、もう屋上にいるから前歯だけでいいのか」
「だって、だってぇ!__なら絶対やるかもって思ったのよ!」
「オイコラ!俺を何だと思ってやがる!……そもそも俺はお前一途だ。他人に手を出すわけないだろ」
あ、しまった。ドサクサでとんでもない事を。
「ぇっ……」
あー、やっぱりというか何というか、この鈴仙は聞き逃さなかったようで。
「……もう一回、言って」
「チッ、お前も地獄耳かよ。……いいか、これで最後だ。俺はお前だけしか愛さない。以上」
言い終わった後にそっぽを向く。……畜生、顔が熱いじゃないか。
「ありがと」
そっぽを向いたままの俺に鈴仙がくっついてきた。……少しタバコ臭い。
でも、いいか。……これが俺だけが知ってるこいつの匂いだから……
リクエスト:現代学園もの東方、嫉妬分微量
おまけ
結局鈴仙ともども怒られました。頭突きを貰った後に涙目のいいんちょを見て「やっぱいいなぁ」と思ってたら……
「私だけしか愛さないんじゃなかったの?」
と、ケツをつねられました。……痛いです痛いです鈴仙さん!
7スレ目>>614
「おーい、いいんちょどこいくんだ?」
俺は昼休みにどこかに行こうとする慧音に声をかけた
「ん、ああ○○か。いやなにどうも屋上でタバコをすっている馬鹿がいるようでな、ちょっと頭突、もとい注意しに行こうと思ってな」
「屋上という__か?」
するとどうも当たりだったらしく
「全くあいつももう少し○○のようにまじめになってくれれば良いのだが」
そうため息をつきながら愚痴をこぼした
「でもいいよな、__はそれだけいいんちょに心配してもらえて
いいんちょ俺にはあんまかまってくれないし」
すると慧音はあわてたように
「いや、べ 別に__が気になるから注意してるとかじゃなくてそれに
○○は真面目だからそれほど注意しなくても大丈夫だし」
「そっか、でもいいんちょがかまってくれるなら俺もタバコ吸ってみようかな?」
すると慧音はすごく怒りながら
「ばかもの!、そんな理由で規則を破るんじゃない」
何か頭に角が見えるけど
「じゃあさ、俺にタバコを吸わせないためにも昼飯付き合ってくれよ」
「しょ、しょうがないなお前にタバコをすわせるわけにも行かないからな
付き合うとしよう」
慧音はさっきとは違う理由で顔を赤くしながら
「い、行くぞ○○」
俺の腕をつかみながら言った
「ああ行こう、慧音」
何かさらに慧音の顔が赤くなった
うpろだ403
どうやらナイフ同好会には試験があるらしい
曰く刃物を扱うので人選をしっかりせねばならないらしい
自分目的の連中が気に食わないらしい
「幾つか質問をするけど良いかしら?」
「はい、構いません」
部室(勝手に使ってる空き部屋)で会長の十六夜咲夜(同学年)に試されている
「貴方ナイフは持ってる?持ってるなら気に入ってるナイフを教えて」
「気に入ってるのはマグナムフォールディングハンターです、あとは・・・ベレッタの・・・」
「ふむ・・・スローイングナイフは出来る?」
「えっと・・・手裏剣なら」
「・・・合格よ、ようこそ!ナイフ同好会へ」
俺は同好会会員2号になることに成功した
「よろしくお願いします、十六夜さん」
後で聞いたのだが活動内容は大まかに、刃物を見てうっとりする、刃物の手入れをする、実際に使ってみる
の3つらしい・・・実際に使うって・・・大丈夫か?
活動1日目
「ねぇ、シースナイフとフォールディングナイフ、どっちが好き?」
「う~ん・・・どっちと言われても・・・どちらにも長所短所があるからですね」
部室(勝手にry)でナイフの雑誌を読んでいると、唐突に会長に話を振られた
「じゃあその長所短所を述べなさい!」
先生、というよりお姉さんのように、ちょっと偉そうに
「そうですねぇ・・・フォールディングは持ち運び、暗器、ちょっとしたラインカットなどに向いてますが耐久性で言えばシースナイフには劣るんではないでしょうか?」
「そうね、確実ではないけど一理あるわね」
「一方シースですがフォールディングと違い手入れが少々楽な印象があります、あと手に馴染むと言えば此方ですね、短所はパーツでの交換が出来ない、かさばって持ち運びが不便」
「うんうん、でもシースナイフはシースから抜くだけでいいわね、フォールディングはシースから抜いてオープンしないといけないから若干遅くなるわね」
「そうですね、十六夜さんのようにナイフを投げるのならばシースナイフですもんね、ダガーとか」
「やっぱり投げるならマークⅡが一番ね」
「えっ!?マークⅡってオールドガーバーの!?」
「ええ、あれは良いわ・・・(うっとり」
「・・・投げ用じゃ無いし、結構いい値段するのに・・・納得いかない」
「やっぱり銀よね、あれは最高・・・」
「銀ですか?やっぱり今は440ステンレスが値段的に・・・」
「そんな事いうなら420の方が・・・」
「銀なんてすぐに酸化するし、手入れも面倒だし・・・銀を選ぶぐらいならダマスカスで・・・」
「いやその理屈はオカシイ・・・ぷっ」
「ははっ!俺たち何やってるんでしょうね、放課後に二人っきりで」
何かしら可笑しくて笑った、正確に言えば楽しくて笑ったのかもしれない
いつの間にか夕日が沈もうとしている、時間も忘れて刃物について語り合う男女
怪しい事この上ないだろう
「ふたり・・・きり」
耳を澄ませば何も聞こえない
部活の連中が練習する音すら、ありえないだろうが此の世に二人だけのような気分だ
意識してしまう、さっきまで何気なく話していた相手を、深く意識してしまった
それは彼女も同じようで、頬を朱に染め、うつむいてしまっている
「そそ、そろそろ・・・帰ろうか?」
「そ、そうね・・・一緒に帰る?」
「へっ?え、あ、はい・・・一緒に帰ろう」
部室の鍵を閉め、戸締りチェック、完了
夕日がもう少しで沈んでしまう、僅かに残った紅い光がそう告げていた
「ねぇ、十六夜さん」
「○○くん・・・咲夜って呼んで、私も○○って呼ぶから・・・いいでしょ?」
「あ、ああ・・・ええと・・・咲夜」
「なあに?○○」
何か凄い事になってる気がする、メロドラマみたいに、少女マンガみたいに
「あ、もう着いちゃった・・・」
どうやら此処が彼女の家らしい、もう少し二人で歩いていたかった、何て思った時
「もうちょっと、家が遠かったら○○と一緒にいられたのにな」
心臓が大きく跳ねた、恥じらいの表情、頬が赤く見えるのは夕日のせいか、それとも
「それじゃ○○・・・また明日、学校で」
「うん、また明日・・・じゃあね」
ちょっと手を振って、すぐに背を向けた、離れがたかったのもあるが
彼女が言った一言が、また明日、その一言が、この上なく嬉しかった
また明日、明日も彼女に会えるのか、それは寝坊するわけには行かないな
「・・・学校が待ち遠しいなんてな・・・世の中解らんもんだ」
足取り軽く、家に帰った
まずすることは明日の用意、ナイフマガジンも忘れずに
こんなことで舞い上がってる自分が莫迦みたいに思えたが、莫迦でもいいと、こんな幸せな気持になれるなら、莫迦でもいいと思ったのだった
~続く?~
最終更新:2010年06月06日 21:34