東方学園6
13スレ目>>390 うpろだ985
○○「文先輩!」
文「どうしたの○○君?」
○○「俺、ずっと前から文先輩のことが好きでした!」
文「そうなの…でも私は卒業して大手の新聞会社にジャーナリストとして世界をまわることになるわ。それでもいいの?」
○○「それでも俺は文先輩のことを愛しています!」
文「嬉しいわ○○君。私も○○君のこと愛しているわ」
そういいがら文先輩は俺にキスしてきた。
このキスが最初で最後でありませんように……
数年後……
文「今度の取材は外国に行くことになったの」
こうして俺は空港にいる
文「本当はもう少しゆっくりしていきたいんだけど、この取材が成功したら長めの休暇が取れるから……」
○○「気をつけてね文。外国もいろいろと危険だから……」
文「大丈夫よ。いざとなったらこの俊足の足で逃げるから。あなたのためにまだ死ねないのよ」
○○「そうか…帰ってきたら結婚式あげような」
文「ええ。もちろんよ。それまで待っててくれる?」
○○「文のためならいくらでも待ってやるさ!」
文と俺は触れるだけの軽いキスをした。
文「じゃあ行ってきます!!」
○○「いってらっしゃい。僕の可愛い奥さん!」
文はこうして飛び立っていった
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この作品の設定
一応現実世界とリンクしています。
射命丸 文
東方学園 新聞部部長
卒業後は大手新聞会社の記者として働く
…部下に椛という子がいる
○○
東方学園 新聞部部員
卒業後は普通に働く
文の婚約者
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俺を待ち受けていたのは重体の文の姿だった
取材中にテロに巻き込まれたらしい
俺はそれを聞きつけ、文が運び込まれた病院へ向かった
○○「文!!文!!死ぬな!!文!!」
文「○…○さんですか…どうして…」
○○「死んじゃダメだ文!!まだこれからなのに…まだやり残したことがあるんだ!!お前と一緒じゃなきゃイヤなんだ!!」
文「…○…○さん。私…も…ま…だあ…な……たと、うっ」
そのまま文は緊急治療室へ連れ込まれていった。
○○「永琳さん!文は助かるんですか!」
永琳「半々というところね…あとはあの子の生きたいという気持ちに賭けるしかないわ」
○○「そんな文…文…」
永琳「ずいぶんと愛されているのね…後は任せなさい。できる限りのことをしてみるわ」
俺は頭を下げた
○○「永琳さん、いえ、永琳先生よろしくおねがいします」
文が緊急治療室に運び込まれて数時間、治療室の前で待つ俺の前には永琳さんが立っていた
永琳「やることはやったわ。言ったとおり後はあの子しだいよ」
○○「…………」
永琳「あなたも少しは休みなさい。そうでないとあなたが倒れてしまうわ」
○○「……」
永琳さんは俺の胸倉をつかみあげた
永琳「あなたが倒れたら誰が一番悲しむと思っているのよ!!」
○○「それは…」
文だとわかっている。頭ではわかっているのに…
永琳さんは俺を降ろした
永琳「あなたも休むこと。いいわね?そうでないとみんなの力を借りてでもあの子の部屋に入れてあげないから」
○○「わかりました…」
永琳(どれほど愛されているのかしら?まったく…早く元気になりなさいよ)
俺は家に帰って一眠りすることにした
夢の中は白い世界だった
どこまでも真っ白で傍らには文がいた
文「もうすぐですから…待っていてくださいね?」
○○「文!」
どこまでも遠ざかっていく文を俺は必死に追いかけた
…目が覚めるとホテルの天井が見えた
○○「文…」
その日も病院にいった
三ヶ月がたった
文はまだ目が覚めない
文は永琳さんたちの協力のおかげで家の近くの病院で移送されて眠っている
俺は仕事に向かいながらも文に会いに行った
毎日、文に会わない日がなくなった
俺が望んだ「一緒にいる」とはこんなことではない
三ヶ月の間に文の夢を見るようになった
文は夢の中でも新聞の記事のことを相談してくれたり、その白い世界を走り回ったりした
…どうしてだろう。涙が止まらない
桜の木が満開を迎えた頃
俺はいつものように病院に向かった
病室を開けた瞬間
???「ねぇ知ってる?今日はあなたが「私のことが好きです」って言ってくれた日なんですよ」
○○「あっ…」
???「あの時はとても嬉しかったわ。私もあなたのおかげでここまで来れたしね」
○○「俺も君を支えることができて嬉しいよ」
???「ただいま。○○君」
○○「おかえり。文」
文「ただいま。○○君、いや私のだんなさん……かな?」
○○「おう!!俺は文の旦那で、文は俺のお嫁さんだ!!」
文「ふふっ。うれしいわね。ありがとう」
二人の影が重なろうとしたとき
永琳「いいところ邪魔して悪いけれど目が覚めたのね」
○○&文「「!!」」
永琳「あらあら、まだ続けてていいのよ」
○○&文「「できるかーーーー!!」」
永琳「お熱いことで、よろしゅうございました」
○○「もしかして」
文「見てたんですか…」
永琳「ええ、ばっちりと」
○○&文「「こんの薬師がーーーーーーー!!」」
永琳「あらいいじゃない別に。他のは外に出してきたんだし」
外を見るとブレザーを着たウサギや蓬莱ニートが地面に埋まっている
永琳「その調子だと大丈夫そうね。あと一週間は安静ってとこかしら」
文「あと一週間でいいんですか?」
永琳「ええ、でも式には私たちにも呼んでね」
○○「ええもちろんですよ」
文「そこは冷静に返さないでください!!」
○○「いや、俺のお嫁さんの命を救ってくれた人を呼ばないわけにはいかないだろう?」
文「それはそうですけど……」
永琳「それじゃあ、私は戻るわね」
永琳は病室のドアを閉めていった
文「えと○○さん?」
○○「なんだ文?」
文「さっきの続きしてもらっていいですか?」
○○「ん、わかった」
そういって○○さんは触れるだけのキスをした
あの日と変わらないそんな毎日が私は楽しいです
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あとがき(妖夢と作者で幻想郷からお送りいたします)
作者「まずみんなに言っておきたいことがある」
妖夢「何ですか?」
作者「一つ目は、俺の辞書に死亡フラグなんて文字はない!!」
「二つ目は、ここまで読んでくれてありがとうございます!次からの作品もよろしくお願いします!」
「三つ目は変な構成で長くなってしまってすまん」
妖夢「まったく、そういえば何で私が呼ばれたんですか?」
作者「ん、それは次は妖夢で書こうと思っているからだ」
妖夢 刀を構えながら「さいですか。文さんみたいに怪我するのだけは勘弁してください」
作者「善処します」
妖夢「それではオマケをドウゾ~」
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結婚式当日
○○「いろんな人を呼んだな~」
式場には博麗の巫女をはじめ、⑨や白黒の魔法使い、もちろん永琳さんたちも呼んだ。
みんな東方学園のクラスメイト他etcである
文「結構早めに広めましたからね」
霊夢「あら新聞屋じゃない。おめでとう」
魔理沙「よかったじゃないか。嫁の貰い手がいて」
レミリア「おめでとう。いい男じゃないどんな血の味がするのかしら。ふふふ」
咲夜「お嬢様、新聞屋を相手にすると厄介ですよ」
ミスティア「文さんおめでとうございます!!」
⑨「やっぱあたいったらさいきょうね!!」
大妖精「
チルノちゃん自重しようよ…」
もこ「よかったじゃないか。おっ焼き鳥食「「いりません」」そうか」
けーね「どんまいだ妹紅。次があるさ」
ニート「永遠に保存しようかしら」
えーりん「姫、蓬莱の薬を使うのでしたら怒りますよ」
うどんげいん「よかったですね。文さんおめでとうございます!!」
幽々子「あなたまだ死んじゃダメよ。大事にしなさい」
みょん「ほ、本当によ、よかったです~~」
プリズムリバー三姉妹「「「結婚式を精一杯盛り上げてあげるよ!!!」」」
他多くの人から祝辞をいただきました。
スキマから「うふふ、学園生活もいいものわね」
藍「何見てるんですか?」
スキマ(ry「今日放映する昔を再現した映画みたいなものよ」
橙「いいな~」
結婚式は盛大に終わり文と帰る途中、
文「とても騒がしかったですね…」
○○「ああ、でもこれからだろ、未来ってやつは」
文「あなたと歩めるこの未来を大切にしましょうね」
○○「そうだな!!」
文「さぁ帰りますよ○○!!」
○○「待ってくれぇ~お前ちょっと早すぎるぞ~」
END
うpろだ1091
妹紅「ただいまだお~」
○○「おっお帰り~」
妹紅「って何で○○が先に帰ってきてるのさ?」(なっ!なんで○○が先に家にいるんだお!?)
○○「そういう妹紅こそ学校は?まだ昼前の11時だぞ」
妹紅「っそれは……」(○○に会いたかったから……)
○○「……まぁいいさ、どうせサボってきたんだろ?」
妹紅「……ああもう!サボったさ!学校行っても慧音がうるさいだけだし」(いいんだお!そのうち学校中退して○○と結婚するんだお!)
○○「いいか?慧音だっていつまでもいるわけじゃない、いつかはお前がちゃんとしないといけないときだったあるんだぞ」
妹紅「へいへい、○○ー今日のお昼ご飯何~」(○○の作る昼飯wktk)
○○「おまえってやつは……今日は焼きそばのつもりだったんだが、妹紅がいるなら妹紅が作ってくれよ」
妹紅「はぁ!?なんで私が作らなきゃいけないのよ!いいから早く作ってよ」(いやだおー○○の料理が食べたいお)
○○「わかったよ、焼きそばでいいんだな?その代わり夕飯は妹紅が作れよ」
妹紅「……わかったよ」(○○のために腕を振るうお!)
慧音「……で?うちに来たわけか」
妹紅「というわけでおいしい料理を教えてください慧音先生」
慧音「学校さぼっておいて言うセリフじゃないだろう……」
妹紅「お願い慧音!私に……私に力を!」
慧音「……コロッケでいいな?」
妹紅「ありがとう慧音先生!」
○○「お帰り~どこ行ってたんだ?」
妹紅「ん、その辺をぶら~っと」(慧音に料理を教わりに言ったなんて言えないお……)
○○「その袋は?」
妹紅「ああこれはだな、食材だ」
○○「まじか! 俺、妹紅の作る料理一回食ってみたかったんだよな~」
妹紅「じゃあ早速つくるから」(絶対においしいって言わせるんだお!)
○○「で俺はキッチンに入れないのか?」
妹紅「何作るかは秘密だお!」
○○「お?」
妹紅「な、なんでもない!だから入ってくるなよ!!」(危ない危ない……)
妹紅「○○夕飯が出来たぞー!」(上手くできたお、これなら○○も……)
○○「待ってました!おっコロッケか。俺コロッケ大好きなんだよな~」
妹紅「さぁ座って座って」(早く食べるお!)
○○「おお、わりいな妹紅」
妹紅&○○「「いただきます!」」
○○「どれどれ妹紅の作ったコロッケの味はっと……」
妹紅(ドキドキワクワク……)
○○「お、これおいしいな!よくできてんじゃん!」
妹紅「あ、ありがとう○○……」(やったお!うれしいお!)
○○「も、妹紅何も泣かなくても……」
妹紅「嬉しいんだ、○○にそう言って貰える事が……ぐすっ」
○○「妹紅……おし、妹紅少し話があるんだがいいか?」
妹紅「ふぇ?あ、何○○?」(何だお?)
○○「俺はお前のことが好きだ!だから俺と結婚してくれ!」
つ結婚指輪
妹紅「こ、これ結婚指輪!?」(けけけけけけけけけk結婚!?わ、私と!?)
○○「ああ、今日までがんばって稼いできたお金で買った指輪だぞ、きっと妹紅に似合うと思って」
妹紅「○○……私も○○のことが好き。だからとても嬉しい……」
○○「ありがとう妹紅」
妹紅「ふふっ、何か照れるね。…………ねぇキスしてもいい?」(チャンスだお!このすきにキスするお!)
○○「ああ……ほら」
妹紅「じゃあするよ……」
慧音「お邪魔するぞ~妹紅どうだ上手く作れ……た……か……?」
○○「あっ」
妹紅「ふぇ!?」
慧音「あ……これは……そのだな……すまなかった!」
タッタッタッタッタッ
○○「……」
妹紅「……慧音自重……」
○○「……ふふ、あははははは!」
妹紅「あははははは!け、慧音ったら、ふふふふふあはははは!」
○○「あ~よく笑った。これからもよろしくな妹紅」
妹紅「うん!」
うpろだ1098
この3年間、朝は早く起きて学校へ急いだ。
言っておくが、俺は典型的な夜型だ。
紫先生ほどではないが、休日何もなければ昼近くまで寝ていることもある。
入学してすぐの頃、時計を一時間読み違えて学校へ走った俺は、屋上から聴こえる歌声に脚を止めた。
心の奥底に響いてくるような、甘く、優しく、魅力的な歌声。
惚けたように見上げていると、歌い手と目が合った。
こちらを見て微笑んだのは、同じクラスの
ミスティア・ローレライ。
ほとんど言葉を交わしたこともなかった彼女に、あの時俺は確かに魅了されたのだと思う。
それから毎日のように、ミスティアの歌を聴きに行った。
3年間同じクラスだったが、傍から見ても俺とミスティアは特に親密な関係にはなかっただろう。
もちろん、仲の良いクラスの友人として話すことはあった。
けれど、屋上での歌について話をしたりはしなかった。
言葉にしなくても、ミスティアが歌い、俺がそれを聴くことで彼女との結びつきを感じられた。
もうすぐ卒業だ。
ミスティアには歌手としてデビューする話が来ているらしい。
風の噂に聞いただけで、彼女が受けたのか断ったのか、そもそもガセネタなのか、わからない。
いずれにしても、卒業したら今までのようにミスティアの歌を聴くことができなくなる。
そんなことを考えていたら、今朝は足が屋上に向いていた。
―思えば、こうして屋上のミスティアに会いに行くのは初めてだ。
いつもはミスティアが歌い終わり、俺が教室に向かうと、後から来る生徒に混じって彼女も入ってくる。
「あれ?○○、今日はここまで来てくれたんだ」
ミスティアは、笑顔で俺を出迎えてくれた。
翼をぱたぱたと揺らしながらにこやかに笑う彼女は、とても可愛らしい。
「いつもみたいに下見たら、○○いないんだもの。どうしたかと思ったよ」
そう言って、ミスティアはベンチに腰掛けた。
「……隣、いいか?」
「うん、どーぞ」
横に座る。
こんな風に二人で話すことはなかった気がする。
「……歌手にならないかって、言われてるって?」
もっと気の利いたことを話せばよかった気もするが、
単刀直入に尋ねてしまった。
「……うん、卒業したらね」
「受けるのか?」
「たくさんの人に私の歌を聴いてもらうの、夢だったから」
……俺は、ミスティアが遠くへ行ってしまうような気がした。
だが、止めるわけにもいかない。それが彼女の夢だというならなおさらだ。
「きっと、皆がミスティアの歌を好きになるよ。
……ああ、それじゃあ俺この3年間、すごく得してたのかもな」
無理に笑って見せた俺をしっかりと見つめながら、ミスティアは口を開く。
「でもね、夢はもう一つあるの」
「もう一つ?」
楽しそうに歌うミスティアを3年間見ていた俺には、『もう一つ』の見当がつかない。
「屋台を、やりたいんだ」
「……屋台?」
屋台を引くミスティア。思いも寄らなかったが、想像すると何故かしっくりくる。
「そう。屋台を引いて、八目鰻とお酒を出して、お客さんに歌を聴いてもらって。
いつになるかわからないけれど、歌を聴いてもらうのと同じくらい大事な夢なんだ。それでね?」
一際真剣な顔になる。
「いつか……いつか屋台を始める時には、一緒にやってくれないかな?」
……ん、今なんて?
「俺が?」
「……うん」
「ミスティアと一緒に?」
「…………うん」
「本当に俺なんかでいいのか?」
「………………だめ、かな?」
「そんな、だめなわけないだろ!?」
つい声を張り上げてしまった。
だが、上目遣いで不安気にこちらを見るミスティアを見たら、声が大きくなるのも無理はないと思う。
ミスティアはちょっと驚いていたようだが、すぐに満面の笑顔になった。
「……よかった」
「……まあ、ミスティアはきっとすごい歌手になるから、いつになるかわかんないけどな。
料理の腕と体力つけながら、気長に待ってるよ」
冷静に考えれば、ミスティアが屋台を始めるとしたらそれはずっと先になるだろう。
その時には、こんな他愛もない約束は忘れられてしまうかもしれない。
それでも、嬉しかった。
それだけでも、嬉しかったのだが
「ええっ、だめだよ待ってるなんて。息がぴったり合わないと一緒に屋台引くのは無理なんだよ?
これからずっと……その……側に、いてくれなくちゃ……」
…………えーっと
「それは、つまり」
「……私の、恋人になってくれないかな」
息が止まるかと思った。
頷くのがやっとだった。
倒れそうになる俺を、ミスティアの両腕が抱きしめる。
細い身体を抱きしめ返すと、温かな鼓動が伝わってきた。
「今日は、まだ歌ってなかったね」
思い出したようにミスティアが言う。
「ねえ、聴いてくれる?貴方だけのための歌」
言葉には出さない。軽く触れるだけのキスをした。
それだけで、伝わる。
ミスティアは微笑むと、抱きしめ合ったまま、
俺の耳元で囁くように歌い始める。
魂の底まで、ミスティアが満ちていく。
離すまいと、お互いを強く抱きしめた。
うpろだ1132
ある日の放課後
俺は一人教室に残って他の書類の整理をしていた
○○「はぁ~~永琳先生も人使いが荒いよな~」
それは少し前にさかのぼる……
掃除中~
永琳「あっ○○君、用事頼みたいんだけどいいかしら?」
○○「俺これから部活あるんすけど……」
永琳「ああ、顧問の慧音先生に話はつけておいたから別に大丈夫よ?」
○○「それってやるしかないじゃないですか……」
永琳「それじゃあこれ片付けといて」
ドン!!
何これ?机が3つくらい重なってるくらい多いぞ?
○○「あ、あははは……」
永琳「うふふふ」
ガシッ
永琳「逃がさないわよ?逃げたら開発中の薬の実験台になってもらうからね必ず、うふふふふふ」
○○「はぁ……」
永琳「じゃあよろしくねー」
なんてことだ終わる気がしない
どうするべきか
1.全てを終わらせる
2.終わる気がしない、帰る
3.誰かに手伝ってもらう
4.えーりんえーりん、助けてえーりん
……まず2を選んだら明日は死ぬな……
となると1か3かな
だれか残ってるやつがいれば……
コンコン
○○「あう?」
ガラガラガラ
映姫「あっ」
○○「映姫委員長どうしたんですか?」
映姫「忘れ物をしたんです、それを取りに」
○○「珍しいっすね、忘れ物なんて普段は絶対主義だと思ってたのに」
映姫「こ、こほん、じゃあ私はこれで……」
お、おっとこれは手伝ってもらうチャンスじゃないか?
○○「映姫委員長!」
映姫「なんでしょう?」
○○「この書類を片付けるのを手伝ってもらえませんか?お願いします!」
映姫「まぁ……帰ってもニュースを見るくらいですし、いいでしょう」
○○「ありがとうございます映姫委員長」
映姫「それじゃあ始めましょうか」
放課後の静かな時間
外からは運動部だろう威勢のいい声が聞こえる
禁忌「レーヴァテイン」!
「ぎゃあぁぁーーーーー」
……うんまぁきっと大丈夫だろう
それに比べ校内はとても静かな空間である
他に誰もいない、そんなことを考えてしまう
そして隣には映姫委員長がいる
背は……俺より小さいけど、断然頭がいい
顔も可愛いし、生徒会長だし
その代わり胸が……
「まだまだ行くよ~禁忌「禁じられた時計」!」
「のわああぁぁぁぁぁぁぁぁ……」
いかんいかん!作業をしなければ!
○○「……そういや映姫委員長に聞きたいことがあるんですかいいですか?」
映姫「それ以前にその敬語じみたものをやめてくださいね」
○○「やっぱそう思いますか?いや~喋ってて違和感ありまくりだったんですよ」
映姫「それで?質問とは何ですか?」
○○「映姫さんは将来どんなことをしたいのかなって思って」
映姫「進路のことですか……上手くは言えませんが、裁判長になりたいと思っています」
○○「裁判長……ですか」
映姫「そうです、まだまだこの世界には裁かなければいけない人たちがいるのです。それを私も手伝いたいと思います」
○○「すごいな映姫さんは、それに比べて俺は……」
俺には何もない
特別頭がいいわけでもなく
だからといって運動も出来るわけじゃない
目立つこともしないし
努力なんて俺からかけ離れた言葉だと思っている
映姫「そんなことはないですよ?」
○○「へっ!?」
映姫「あなたにはあなたなりのいいところがあるのです。まだ気づいてないだけ、もしくは気づいているけど上手く表すことができ ないだけです」
○○「……」
映姫「自分のことをもっと見てみてください、そうすればいずれは答えにたどり着けるでしょう」
○○「そうだな……ありがとう映姫さん、何か吹っ切れた気がするよ」
映姫「お役に立てて光栄です」
○○「……また何か悩みが出来たら相談していいかな?」
映姫「私でよければいつでもどうぞです」
○○「さぁ早く終わらせようぜ!」
映姫「はい!」
結局書類は3時間後に全て片付け終わった
辺りも暗くなったので映姫さんを家まで送っていくことにした
○○「ふぃ~疲れたな~本当にゴメンな?つき合わせちゃって」
映姫「それはもういいんですよ、私も○○さんのお手伝いが出来てよかったです」
○○「ありがとう映姫さん」
映姫「あ、あの、もう少し話していきませんか?」
○○「ああ、ちょうど公園あるし、座って話そうか」
○○「俺何か飲み物買ってくるよ、映姫さんは何がいい?」
映姫「じゃあお言葉に甘えて、お茶をお願いします。えとお金は……」
○○「いいよ、俺がおごるから」
映姫「そういうわけにはいかないです、たかがお茶、されどお茶ですよ?」
○○「いいっていいって、ほらそこに座ってて」
映姫「あ、ありがとうございます」
○○「さてっと、映姫さんのお茶を買って……俺はオレンジジュースでいいや」
映姫さんはベンチに座っていて、空を見上げている
今日は晴れていて満天の星空が見える
なぜかその顔は寂しそうに見える
なぜだろう?
○○「おまたせ、はいお茶」
映姫「……」
○○「映姫さん?」
映姫「はっ!あ、ありがとうございます」
○○「何か考え事?」
映姫「実は……私にも悩みがあるんです」
○○「ふむふむ」
映姫「その……す、好きな人が出来たんです///!」
○○「え、えええええーーー!」
映姫「そ、それでどう告白すればいいか悩んでいるんです」
彼女なんて出来たことのない俺にそれを聞くのかー!
うう、だめだわからん……どうしよう
○○「うっ、そ、そうだね……告白ね……」
映姫「その人は私のことをどう思っているのかよくわからないんです。だから告白して迷惑じゃないか心配なんです」
○○「……」
映姫「○○さん?」
○○「へっ、ああそれで?」
映姫「その人は周りと仲が良くて私なんか……」
○○「悲観的になっちゃだめだよ。自分の思いを言わなきゃ相手に伝わらないんだから」
映姫「えっ……」
○○「きっと大丈夫だよ。……俺が言うのもなんだけど大丈夫だから」
映姫「そ、そうですよね!わ、私がんばります!」
○○「じゃあ、もう帰ろうか」
映姫「は、はい」
ここからの帰り道は無言だった
やはり悩みを打ち明けたのがとても恥ずかしかったようだ
映姫「あ、じゃあこれで」
○○「う、うんおやすみなさい」
映姫「おやすみなさい」
家に帰ってからも何か不思議な感じだった
心に何か穴が開いたような感じなのだ
うーん何だろう?
次の日、映姫さんは風邪でお休みだった
○○「映姫さんだいじょうぶかな……」
文「うふふふふ、一体どうしたんですか○○さん?」
○○「文さん、その不気味な笑いをやめてもらえませんか?」
文「うふふふふふ、早く映姫さんが学校に来ると良いですね♪」
な、なんだこいつは……
昨日のことがあるのでお見舞いに行くことにした
さすがに遅くまで喋っていたのがいけないのだろうと思ったからだ
ピンポーン
○○「すいませーん映姫さんいますかー」
かちゃかちゃ
がちゃり
映姫「ごほっごほっど、どうしましたか○○さん」
○○「いや、ちょっとお見舞いにね。はい、これ」
映姫「あ、ありがとうございます」
○○「それじゃ、俺はこれで」
映姫「あ、あの!」
○○「っ?どうした?」
映姫「あ、あのお茶出しますのであがっていきませんか?」
○○「あ、うん、ありがとう」
映姫「ではそこで座っていてください。今お茶を入れてきますから」
○○「大丈夫?まだふらついてるようだけど?」
映姫「こ、このくらい大丈夫です」
○○「映姫さん遅いな……様子を見に行ってみるか」
って!倒れてる!?
○○「大丈夫ですか!?」
映姫「はぁはぁ……うっ……」
○○「熱は……高いな、どこかに寝かせてあげないと……」
映姫「あ、あれ?ここは……」
○○「大丈夫か?」
映姫「あ、○○さん……私は……」
○○「お茶を入れようとして倒れたんだよ」
映姫「そうですか……」
○○「映姫さん食欲ある?」
映姫「えと多少なら……」
○○「ごめんね?勝手に台所から食材を失敬しておかゆつくったから食べる?」
映姫「あ、いただきます……」
○○「はい、あーん」
映姫「や、やはりそれで食べないとダメなんですか!?」
○○「だって今の映姫さんにさじ持たせたら落としそうじゃん」
映姫「それもわかりますが……」
○○「はい、あーん」
映姫「……ぁーん」
もぐもぐ
赤くなっておかゆを食べる映姫さんもなんか可愛いぞ
○○「はい、次、あーん」
映姫「あーむ」
映姫「今日はありがとうございました」
○○「いやいや、それよりも早く風邪治していっしょに学校に行こうぜ」
映姫「はい、約束です」
○○「んじゃ」
映姫「また」
映姫さんちゃんと寝てるかな……
最近映姫さんのことしか考えてないな
でも映姫さん好きな人いるって言ってたし……
……もういい、寝るかな……
次の日、朝学校に向かう途中で映姫さんと一緒になった
どうやら風邪は治ったらしい
よかったよかった
と思っていたとき
事件は起こった
???「号外だよー号外だよー!」
映姫「あら?」
○○「なんだろう……?」
手に取った紙切れを見て時間が止まったかと思った
――号外――
「ついに生徒会長に恋人が!?」
本校の新聞部Aya氏よると
おとといの放課後
我が学園の○○君と二人で教室で何かを話していたらしい
その後、近くの公園へデートへ
辺りは真っ暗でいつ何が起こってもしょうがない状態だったという
そして昨日、生徒会長が風邪でお休みということでお見舞いに行き
突然倒れた生徒会長を看病するなどの
コメンテーターのMarisa氏によると
「あーこれは確実だな、恋人同士としか考えられないぜ」
さらに校長の Yukarin氏によると
「あらあら、青春まっさかりね。羨ましいわね~、そう思わない?」
真面目な生徒会長は今まで恋愛沙汰には興味ないと答えていたが、ここでの心境の変化には何があったのだろうか
我が新聞部では生徒会長の恋を全面的にバックアップしていきたいと思う
――――――
ぐしゃり
隣では同じ記事を読んでいた映姫の顔が黒くなっていく
さすが白黒をはっきり分ける程度の能力
……じゃなくて、こ、怖すぎる……
映姫「……とりあえず行きましょうか」
○○「はっハイ!」
文「ラブラブですね~羨ましいです」
○○「お、お前か!この記事を書いたのは!」
文「はい~どうでしょう?この記事で部数もふえるとおもうんですg」
映姫「……あなたですか……すこしこちらでオハナシシマセンカ?」
怖いって、そのにぎりしめたグーをどうにかしてください
文「あややややや、で、では私はこれd」
映姫「いいから逝きましょう、あっ○○さん、また後で」
○○「あ、ああまた後で」
文「のわあああああああぁぁぁーーーーー!」
その後教室に戻ってきた文に話しかけてみたら
文「ごめんなさいごめんなさいごめんなさい…………」
この調子で何も話してくれない……
小町「よっ○○元気かい?」
○○「おっ小町じゃないか、どうした頭押さえて?ぶつけたか?」
小町「それならぶつけた方がましだったね。いやね映姫様がね……」
小町の言う分には
映姫「はぁ……」
小町「新しい書類ですよ映姫様」
映姫「ふぅ……」
小町「映姫様?」
映姫「むぅ……」
小町「映姫さm、って痛い!ため息つきながら叩かないでくだs」
バシンバシン
映姫「へぅ……」
小町「きゃ、きゃん!」
みたいな感じだったそうだ
とりあえず小町には保健室に行くように言っておき、映姫さんのところに行くことにした
映姫「はぁ……」
○○「よっ」
映姫「はっ!い、何時からいたんですか!」
○○「今だけど……どう?少し話しない?」
映姫「は、はい」
○○「今の時間なら屋上がすいてるはずだから行こっか」
映姫「そ、それで話って何ですか?」
○○「ああ、なんか今日の映姫さんの様子がおかしいかなと思ってさ」
映姫「そうでしたか……」
○○「まだ告白してないの?」
映姫「え、あ、その……はい……」
○○「一体どんなやつなんだろう、映姫さんのことそこまで引き付けるなんて」
映姫「そ、それは、あ、あああなt」
○○「正直羨ましいぜ」
映姫「え……」
○○「だって映姫さんみたいな可愛くて、しっかりしてる子に慕われるんだぜ?俺だったら絶対に断らないけどな」
映姫「……○○さん……その言葉信じて良いんですね?」
○○「ん?」
映姫「お話があります」
○○「うん」
映姫「わ、私が好きなのは、○○さんです!!」
○○「はっ!?」
映姫「ですから私が好きなのは○○さんです!!」
映姫さんが俺のこと好き!?まじですか!?
○○「いよっしゃああああぁぁぁ!!」
映姫「ま、○○さん!?」
○○「ありがとう映姫さん!俺とてもうれしいよ!俺も映姫さんのことずっと考えてたからさ。今わかったんだ、俺も映姫さんのことが好きだ!」
映姫「あ、ありがとうございます……ぐすっ……」
○○「泣かないでよ~俺も何か泣けてきたからさ、笑いあおうぜ!」
映姫「そ、そうですね、私がこんなことで泣いてちゃいけませんよね。あははは……は」
○○「どうした?」
映姫「いや、これが夢だったらどうしようって思って……」
ギュッ
○○「俺は映姫さんの事好きだから大丈夫だから……」
映姫「○○さん……」
キスしちゃえ!
おし、そこだ押し倒せ!
にゅい←スキマが開く音
あっ危ないから後ろから押さないで!
バタン!
映姫&○○「あっ」
文「いつつ……だれですか後ろから押したのは……」
○○「文さん……見損なったよ」
文「あやややややや、でもこれで決定できます!お二人が恋人関係だというこt」
映姫「……またあなたですか、もう一度逝きますか?」
文「そ、それだけは勘弁を~」
あいつ逃げ足だけは速いんだよな……
○○「あは、あはははは!」
映姫「な、何がおかしいんですか!」
○○「いやこういう生活も悪くないなと思ってさ、映姫さんは俺と付き合っているって言われるのいや?」
映姫「それはないです!とても嬉しいことだと思います!」
○○「ならほっとこうぜ?何かやらかしたらそのときは……どうにかすればいい」
映姫「あなたの言うとおりですね、そうしましょう」
○○「じゃあさっきの続きを……しますか?」
映姫「その前に、いい加減さん付けとか変な敬語で呼ぶのはやめませんか?」
○○「そうだな映姫、愛してるよ」
映姫「私もです○○……」
そして卒業式
映姫「まったくあなたという人は……こんな日まで遅刻しないでください!」
○○「わるいわるい、昨日眠れなかったんだ」
映姫「もう……でもこれでお互い別々の道ですね……」
○○「そんなことはないぞ映姫。はいこれ」
映姫「指輪……ってええええええ!!」
○○「映姫、俺と結婚して欲しい、これならずっと一緒にいられるだろ?」
映姫「あなたって人は……ムードとか気にして欲しいものですね」
○○「うう、すまん」
映姫「まぁ、あ、あなたみたいな人はもう見つからないだろうし……よろこんでお受けいたします」
○○「ありがとう映姫……」
映姫「ほ、ほら、泣かないでください!まだ私たちはこれからでしょう?」
○○「おう!」
映姫「ほら行きますよ!早くしないと置いていきますよ!」
○○「あ、ちょ、ちょ待って!」
~終わり~
うpろだ1246
快晴というに相応しい、雲ひとつない空だというのに図書館はグレーのカーテンで外界からの光を遮断されていた。
点々と点けられた蛍光灯だけが、その部屋の明かりだ。
端的に言えば、不気味である。いつしか、この図書館に来る者は数えるほどとなり――授業使用以外の目的で訪れるものは、ついにはたったの七人となってしまった。
もっとも積極的に活用するのは二人だけで、残りの五人は二週間に一度利用するかしないかという頻度だ。
だからここは、二人だけの部屋。
この薄暗い部屋を共有するのは、わずかに二人だけ。
その二人は、今日も座って本を読んでいる。
男性の方は薄い文庫本、女性の方は百科事典のように分厚い本だ。
お互いに口を開くこともなく、時を刻む正確な音と、時々聴こえてくる生徒達の笑い声、それにページをめくる音だけが、この部屋にはあった。
別に、無言であることを取り決めされたわけではない。図書館では静かにしようというルールに乗っ取っているわけでも、ない。
この二人を縛るのは、二人で決めた、たった一つのルール。
それは、『どちらかが本を読んでいるときは喋らないこと』、である。
男子生徒も女子生徒も、読書が好きで、ここに来ている。だから、せめてそれぞれの邪魔にはならないように決めたルールだ。
それが今まで破られたことはなく、おそらく、今後も一切破られはしないだろう。
放課後、一時間、二時間と無言の時が過ぎる。二時間が過ぎたともなれば、生徒の笑い声もいよいよ消えて、真実の意味で無音に近くなる。
いつものこと。二人にとって、いつものことだ。
聴こえる呼吸の音。耳を澄ませば聴こえそうな心音。
とても近く、とても遠くに、男性は女性を、女性は男性を感じていた。
この距離感は心地よく――それでいて歯痒いと、二人は常々思う。
日が今にも沈むという夕暮れ時に、絶えることなくその思いがあった。
出来ることなら話したい、と。
出来ることなら遊びたい、と。
しかしそうすると今の関係が破綻しそうで、怖いという気持ち。
近づきたいという好意。
嫌われたくない恐怖感。
葛藤に体を支配されて、踏み出せずにいた。
更に時は半時間を過ぎる。男性は読んでいた文庫本を閉じて、机の上に置いた。
その机は古書のにおいに満ちた部屋とは違い、清潔感に満ちていた。時々図書館専属の用務員が机を拭くのを、二人は目にしたことがあるが、大抵は二人のどちらか早く来た方が掃除することが暗黙のルールになっているからだ。
男性はそのまま目を閉じて、静かに時が経つのを待った。
『どちらかが本を読んでいるときは喋らないこと』――即ち、読了した後なら、喋ることは自由である。
だから、早く読み終わった方が待つのも、いつの頃からか根底に住み着いて離れなかった。
ただ相手のことを知りたいという欲求が、単純な理由である。
どれくらいの時間が過ぎたか、女性も――
パチュリー・ノーレッジも読破した本を机の上に置いた。
「……」
「……」
話したいことは山ほどあるのに、お互い、空回りして咄嗟に言葉は出てこなかった。
数秒間があって、
「あのさ……」
「あ、あのね……」
男性とパチュリーは同時に声を出した。
それに慌てて、やはり同時に、
「ぱ、パチュリー、先どうぞ」
「○○、先に言っていいわよ……」
譲り合った。
再び訪れる無言の時間。どちらも考えをまとめているのか、喋れない。
男性は苦し紛れにパチュリーの読んでいた本を見た。
その本には大きな文字で『格言集』と表記されている。とても、わかりやすいタイトルであった。
男性はパチュリーの読んでいた本に感謝する。これならネタ振りが出来そうだ。
「その本でさ、何か気に入った言葉あった?」
パチュリーは男性の顔を見る。多分、聞きたいことは違うんだろうなと思いつつ、返事をした。
「そりゃあったわよ……」
「どんな言葉かよかったら教えてよ」
「いいわよ。心して聞きなさい」
迷いなく放たれた言葉に、しかしパチュリーは間違えた、と直感する。
言えない、と。こんな言葉を言えば恥ずかしすぎて死んでしまう、と。
それに起因するのかパチュリーの頬は真赤に染まっていた。
「ちょ、パチュリー、大丈夫!?」
男性はパチュリーが病弱であるということを知っている。だから熱が出てきたんじゃないかと心配して、反対の席に座ったパチュリーに手を伸ばそうとし、
「ある一人の人間のそばにいると、他の人間の存在など全く問題でなくなることがある。それが恋というものである」
それを拒むようにパチュリーは決死の覚悟で言った。頬を林檎のようにし、目はその覚悟故に潤ませ、肩は緊張で震えている。
男性はそのパチュリーを見て、不覚にも可愛いなと思う。だから、男性は咄嗟に動きを止めて、パチュリーに魅入っていた。
「う、……うう」
泣き出すように声を漏らすパチュリー。しかし、その姿は絶対に見られたくはないと思ったのか、席を立ち、図書館を走り去っていった。
図書館に残ったのは、男性の一人だけ。
その男性はしばらく不動だったが、ようやくして独り言をつぶやいた。
「反則だろ……パチュリー、それは反則だよ。俺がパチュリーのことを好きなの知ってて、言ってるのかよ……」
男性は自分が読んだ本を片付け、次にパチュリーの読んでいた本を閉まった。
パチュリーの読んでいた本からは、少しの体温が感じられて、男性はそれに涙した。
最終更新:2011年03月27日 23:33