修羅場?1



1スレ目 >>325-326


「○○ですが…」
「入りなさい」
「……失礼します」
 一礼してから、襖を開ける。
 部屋の中に居たのは幽々子さんと、俯いて座っている妖夢さん。
 …妖夢さんの顔が見えないけど、何かあったのだろうか?
 気になったものの、幽々子さんに促されたのでしぶしぶ座布団の上に座る。
「貴方を呼んだのは他でもありません。どうしても…言いたい事があるの」
 俺のほうを真っ直ぐに見つめてくる幽々子さん。その眼は、恐ろしいほどに真剣だった。
 だから俺も、居住まいを正して言葉を待つ。

「私、西行寺幽々子は…貴方の事を……お慕いしています」

 ……………え?
 理解する暇も与えず、幽々子さんは三つ指を突いて深々と頭を下げる。
「ゆ、ゆ、ゆゆゆこさん?」
 脳内がありえない状況にパニックを起こしている。そろそろフリーズしそうだった。
「いきなりな話で申し訳ありません…けれど、こんな事があるとは私も信じていませんでした。
 まさか…この私が、一目惚れをしてしまうなんて…」
 顔を上げない幽々子さん。それは赤らんだ顔を見せたくないからか。
「最初に顔を見たときから、胸の高鳴りが止まりませんでした。
 貴方が忙しく動くその姿を、眼で追い続けるようになりました。
 貴方の事を思うと…眠れぬ事も多々ありました…」
 ただ静かに、言葉が紡がれる。俺は唯、黙って聞いていることしか出来なかった。
「幽々子さん……」
 何か、答えなければ。そう思って、口を開こうとした時だった。
「…今この時、この思いを告げようと決めたのには…理由があります」
 その言葉に紡ごうとした言葉を止める。一体、何が原因なんだろうか…?
 ………一瞬の思考の内に、一つ仮定が出た。だが、まさか…
「……妖夢」
 幽々子さんは、傍らに座っていた妖夢さんを促す。
 妖夢さんはややあって、ゆっくりと顔を上げた。その顔は…

 涙で、ぐしゃぐしゃになっていた。

「わたっ、私…わたしも、貴方の事が、好きです…好きなんです!」

 今度こそ完全に、俺の脳内がフリーズした。最早理解の範疇を超えてしまっている。
「これが…今日の二人の不調の理由…そして、今日のこの時の理由です」
 …だから、なんだろうか?
 二人がお互いに余所余所しくしていたのも、どこか辛そうにしていたのも。
 全ては…俺が原因だったのか?
 脳内に嵐が吹き荒れる。上手く感情が制御できない。
「……ごめんなさい。少しだけ…少しだけ時間を下さい」
 それだけ言って、部屋を後にするだけで精一杯だった。

「…待っています」

 そういったのは、果たしてどっちだったか。
 俺は…どちらを選ぶのがいいんだろうか……?


1スレ目 >>330(一部修正)


決断せよ!(ゴゴゴゴゴゴゴ)

Aゆゆことつきあう
Bようむとつきあう
Cさんにんでアバンチュール

「さ、三人で・・・アバンチュール」
バキィ!(ゆゆこ ごきげんななめ)
ズバァ!(ようむ ごきげんななめ)
「ぐらぶろっ!」


ごめんなさい。ごめんなさい。


1スレ目 >>335-336


[b]ようむエンド を えらぶぜ !

 さくさくと庭の土を踏みしめ、歩く。
 何となくだけど…この場所に彼女がいるような気がした。
 だから、この胸に定めた思いを伝えるために、彼女を探す。
「…あっ」
 程なくして、彼女…妖夢さんを見つけた。庭石に腰掛け、ぼんやりとしていたようだ。
「こんばんわ」
 俺は片手を挙げて挨拶する。けれど、妖夢さんの表情は硬い。
 …まぁ、先ほどのやり取りを考えれば理解できなくもない。
「………来る所、間違っていませんか?」
「いいや。ここで合ってるよ」
「間違ってます。…貴方が行くべき場所は、逢うべき人は…」
「妖夢」
 初めて、さんをつけないで彼女を呼んだ。
 妖夢はびくりと震えて、言葉を切る。
「俺は、君のことが好きだ。君を…愛している」
「…やめて、ください…」
「君と一緒に庭仕事をするのが好きだった。君と料理をするのも楽しかった」
「やめて…やめてっ!!」
 いやいやをするように頭を振りながら、妖夢は叫んだ。
「なんで…なんで幽々子様じゃなくて、私なんですか!?幽々子様を選ばないんですか!?
 幽々子は本気で貴方を好きだといったのに…それを否定するんですか?」
 答えない。そんな事、わからないほど俺は鈍くない。けれど、同じようにもう一つ、分かっている。
「…君だって、本当の心で俺のことを、好きだって言ってくれた」
「!」
「俺は君の心に答えたかった。だから…ここへ来たんだ」
 悩まなかった訳が無い。人生でこれ以上ないほどに、苦しんだ。
 それでも…俺は決めた。愛するのは、この子しか…妖夢しかいないと。

「わたし、私は…」
 よろよろと力なく妖夢は立ち上がり、俺のほうへと歩み寄り、手を伸ばす。
 …まるで、届かぬものを求めるように。
「従者失格…です。主人の求めるものを…唯一度恋焦がれた方を……奪って…」
 そして俺の胸にくず折れるように倒れこむ。きゅっと握られる、俺の服。
 じんわりの湿った感触。どうやら…泣いているらしい。
「ごめんなさい…ごめんなさい……!でも…でもっ……わたし…わたしもっ……好き…大好き…っ!!」
 泣きじゃくりながら、それでも…胸の内に秘めていた想いを、妖夢は吐き出し続ける。
 俺は…愛しい彼女の頭を撫でながら、その全てを受け止め続けた。
「はぁ。別に気にしなくていいのに…妖夢ってば、頭硬いわねぇ」
 私は誰にでもなく呟いて、寄りかかっていた石灯籠から身を離す。
 …後ろでは、泣きじゃくる声が聞こえる。昔よく聞いた、妖夢の泣き声。
「…幸せになりなさい、妖夢」
 私がそれを許してあげる。他ではない、貴女なら。
 とてとてと何事も無かったようにその場を離れ、再び自室へと戻る。
 …告白したあの時の空気は、一切この場には残っていない。
「あーあ、それにしても…振られちゃったわね」
 つとめて何時もののほほんとした口調で呟いてみた。けれど、それはどこか空々しかった。
「…振られて…しまったのね」
 胸のうちから、溢れ出る感情。抑えなければと必死になればなるほど、零れてゆく。
 …まるで、湧き水のように吹き出てくる哀しみ。
「……ぐすっ、うあぁ…あぁぁぁぁぁぁぁぁっ…」
 初めてだった。胸が焦がれるのだと、本当に思っていた。
 …答えてくれたのなら、この身を炭にしてしまってもいいとまで…思った。
「うあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁんっ!!!!!!」
 涙が溢れた。もう抑えられない。ただただ声を上げ、泣き続ける。

 もういい。泣いてしまおう。泣いて、泣いて…そして明日には笑おう。二人に笑ってあげよう。
 それが二人に送る、最高のお祝いになると信じて。
 だから、今はこの余分な涙を、全て出してしまおう。
 きっと明日には、いつもの私になれる。

 翌日の幽々子の眼は、あの月の兎に匹敵するほど赤かった。
 心配する二人に向かって、けれど…幽々子は笑顔で言ったのだ。
「幸せになってね…二人とも」
 と。



th_4859.txt


俺は今、とても逃げたいと言う衝動に駆られている。
現在居るここは、紅魔館の一番偉いお嬢様が居られる部屋。
俺は言うなれば清掃員みたいな事をして働いている。
そして、目の前には――

「○○は私のものでしょう?」
「違う!○○は私のものよ!」
「…お嬢様、妹様…そろそろ…放してもらえませんか?」
俺の腕を人外の力で握り締める吸血鬼の姉妹が居た。
と言うか俺、普通の人間であって中身もどこかの鬼さんみたく鍛えてないので
力を込められると…折れそうでというか切れそうで、この世から消えそうなんですが…
「ダメよ」
「ダメ!」
そうして放してくれる様子なんて微塵もありませんでした。
誰か、助けて…。
「…母上様、俺はもう死にそうです」
大岡裁きならば、もうちょっと気を使ってくれそうなんだけど…
今の状態じゃ、二人とも俺を自分の所有物だと思っているようだから
無理だ。むしろ放してくれたら奇跡だ。

今、切実に欲しい助けは咲夜さんか…図書館のパチュリーさんのどっちかが欲しいものだ。
門番の人は助けようとしても、きっと片手であっさりと終わってしまう気がする。
「なんで、こんな事になっちゃったんだろう…」
俺は事の起こりについて再びリプレイを開始した。



「ふぅ…これで心もピカピカだな」
紅魔館の一室で俺は顔が映るくらい磨いた壺を見ながら密かに笑っていた。
やはり掃除をするというものはいいものだし、掃除は俺の密かな趣味だ。
ここの清掃員になったことでその趣味はバレたが。
そもそも趣味を職業にしたからなぁ…。
とりあえず高そうな壺やタンス、その他の家具なんかもピカピカに
掃除をする。
「あら、○○。もう掃除は終わったの?」
ここの主であるレミリアお嬢様が俺に向かって声をかける。
俺みたいな掃除しか能がない奴を雇ってくれた、ありがたいお嬢様だ。
お嬢様がいなければ、俺はこの知らない土地で名も分からない妖怪に
殺されていたのかもしれない。
「あ、はい。一通りは終わりました」
「ふぅん」
と傍にあった机に指を走らせる。
そしてその指をゆっくりと見て一言。
「いつもどおりね」
淡々とした言葉。それは俺にとっての最高の誉め言葉だ。
「ありがとうございます」
「この調子で、館中を頼むわね」
この広い館を掃除するのも、今ではすっかりと俺の楽しみだ。
俺は、礼をして部屋から出て行こうとした。

だが――

「○○~」
可愛らしい声と共にぎゅー、っと妹様ことフランドール様が俺に抱きついてきた。
いや、可愛らしいのはいいんだが…その力ってのは尋常じゃなくて…
「一緒に遊ぼっ♪」
「待ちなさい、○○はこれから館の清掃をするのよ」
「あら、お姉様」
明らかに今気付いたように、わざとらしい視線を向ける妹様。
その態度に、にこりとしながらもさり気なく殺気を漂わせるお嬢様。
…こうして修羅場は誕生した。



「痛だだだだ!?」
「放しなさい」
「い・や」
俺がリプレイをしている最中に更に力が強くなったのか、俺の腕はすでに限界寸前だった。
やっぱり、リプレイをしていると無防備になるのはやめた方がいいのか…。
いや、そんな事を考えている間にも俺の腕はデンジャーゾーンに到達している。
「…お嬢…様、妹…様、放して…プリーズ」
「いい度胸ね。こうなったら『弾幕ごっこ』しかないかしら?」
「ふーん、お姉様が勝てるの?」
感覚は既にないし、二人とも聞いてない。
視線が火花を散らせながら、飛んでいき俺の腕は解放された。
解放されたと同時に、二人は瞬時に扉の外を突き破って出て行った。
「厄介な事してくれるわね」
「あ、咲夜さん」
二人が出て行った扉から、この紅魔館を仕切っている影のボス
十六夜咲夜さんが呆れ気味に入ってきた。
「全く…どうしてこうなるって予想がつかないのかしら?」
「急に妹様に来られたから仕方ないっすよ」
「だから、さっさと掃除を終わらせなさいって言ったんでしょう?」
「………面目ないです」
やっぱり、これの原因って俺にあるのか?
いや俺以外の理由がないです。なかったです。俺の完全不注意です…。
「さぁ早く止めに行かないと、あなたを清掃班から門番に左遷するわよ」
…それだけは勘弁だ。掃除が出来ないのと門番になるの、どっちも嫌だ。
噂では門番になったらコッペパンしかもらえないとか…。
「…行って来ます」
「ちなみに止められなかったら、給金カットね」
元々給金なんてありはしないですよ咲夜さん。
それに止められなかったって事は、すなわちそれは死なんですけど…
俺はそんなツッコミを心でしながら、破壊音が聞こえる大広間に向かっていった。



大広間に着くと既にそこは二人が死合っていた。
フランドール様は炎を纏った大きな剣を振り回し、レミリア様は真紅に染まったの巨大な槍を
投げたりしていた。
「…神様、ここは地獄ですか?」
生半可な地獄よりも、ここが地獄の最前線のような気がした。
既にメイド達は避難していたため、広い空間で思いっきり二人が戦う。
壁や天井が穴だらけなのは、きっとその所為だろう。
「掃除が、また大変になるじゃないか…」
そう考えて、俺の中で『何か』が切れた。
「…コラァ!二人とも!そこになおりやがれっ!」
気がつくと俺は大声で館の主に叫び、弾幕の中間地点に突撃していた。

無論、その弾幕を彼女達が止めることは出来ず。
俺はいくつもの弾を全身で受け止めた。
当たり前だが痛いし死にそうだし、出来たら医者に連れて行ってもらいたい。
しかしそんな事よりも、言わなければならない事があった。
だからまだ、倒れるわけにはいかない。
「ちょっと○○、そこを退きなさい!」
「退いてよ!○○!」
「二人とも…これだけ破壊尽くしておいて…どう修復するおつもりですか?」
俺が怒っていることは二人がケンカをしている事じゃない。
そのケンカで、俺の仕事を増やす事を怒っているのだ。
確かに俺は無類の『掃除好き』だ。
だが俺は別に一人で掃除しているわけじゃない。俺の他にもいる清掃班の
連中の仕事を増やしてしまう事を…俺は怒っている。
「…とにかく、もう…ケンカは…止めて…」
意識が朦朧としてきた。流石に妹様の弾幕なんてまともに浴びたら
死んでしまうだろう。俺自身、立って生きていること自体が不思議でしょうがない。
「…下さい…ね」
それだけ言うと、俺は完全に意識を失った。

「○○っ!ねぇってば!」
「しっかりしなさい、○○!ここで本当に死ぬ気なの!?」
お嬢様たちの声が聞こえる。消えているはずの意識の中、
俺は奇妙な感覚を受け続けていた。
大きな川の流れに流されそうな感覚といえばいいのか、
確かにそんな感じだ。お嬢様たちの声は上の方から聞こえてくる。
「○○!死んじゃやだ!起きて!」
妹様の声だ。妹様にはしょっちゅう振り回されてたなぁ…。
この流れに身を任せたら、この声も聞けなくなるのかな。
「…○○、しっかりしなさい。起きて…起きなさい…!」
お嬢様の声。はじめは俺の掃除を誉めてくれたお嬢様の声。
本当に嬉しくて、掃除にも一生懸命になれた。
…まだ、俺は死んじゃダメだ。

「○○、一緒に遊ぼ?」
「…起きなさい。命令よ」
紅魔館の大広間はその名の通り、現在床が紅に塗られていた。
その中心に一人の青年が横たわっている。
「…お嬢様。まだ彼は死んでいませんよ」
一部始終を見ていたのか、咲夜が後から入ってきた。
「…?」
「どういうことかしら?」
「彼は言っていました。この紅魔館を綺麗にするのだ、と」
だから彼はまだ死ぬことはない。
幸いにも傷の数は多いが、急所だけは辛うじて外れている。
それだけでも奇跡的だ。
「運びましょう。まずはそれからです」
と咲夜は指を鳴らして、数人のメイドを引き連れる。
「…目を覚ますのは先でしょうが、お見舞いくらいは来てください」
そう言い残して、彼と共に咲夜は去って行った。
後に残ったものは彼の残した血液と、二人の吸血鬼姉妹だった。




「うぅ…?」
長い夢を見ていた気がする。
とてつもなく長い夢を…。
「○○っ」
「起きたのね…」
俺が起きた早々、目の前に居たのは二人の吸血鬼。
そう、俺の主人だ。
「…おはようございます、お嬢様、妹様」
無理に身体を起き上がらせて、二人を見る。
「あなたが寝ていたら、掃除も捗らないでしょう?…今は身体を直す事を
優先として、しばらく寝ていなさい」
「…ゴメンね。○○」
「いくわよ」
「…うん」
それだけ言ってお嬢様と妹様は去って行く。
出て行ってから、お嬢様と妹様が残したらしい手紙が目に付いた。
それは封筒に入っており、丸っこい文字が妙に長く書かれていた。

『私はあなたが倒れてから、ずっと心配していた。
あなたを失いそう、と言う恐怖をはじめて感じた。
恐かった。私はあなたを失うのがどうしようもなく恐かった。
…私はあなたが、大事だから…』

お嬢様の丸いながらもハッキリとした文字。
大事の前の部分に塗りつぶした跡がある。きっと
こっちを先に書いて、気に入らなかったか何かだろう。

『私は○○とまた遊びたい。
遊びたい。だから死んじゃやだ。いつか死んじゃうんだろうけど
それでも遊びたい。たくさんたくさん…居たい。
…お姉様と同じように私もあなたが大事だから』

同じように丸い文字が書かれた紙。
そして同じように大事の前の部分に、黒く塗りつぶした跡。
やはり、妹様もお嬢様と同じような事を書いたのだろう。

「…さぁて、早く治るといいな」
彼女達の心のもやは晴れたか知らないけど、俺は妙に晴れ晴れとした空を見て
再びこの紅い屋敷を、掃除をしたくなった。






End



蛇足――

彼が意識を取り戻す前。
「あー、もうこうでもない!」
お嬢様は先ほどから、ペンを走らせながら唸っていた。
彼は未だ眠り続けている。やはり死ぬことはなかったのだが、
長い時間の急速は必要らしい。
「咲夜。彼にお詫びの手紙を書きたいんだけど、どう書けばいいのかしら?」
ペンを止めて私の方を見るお嬢様。お嬢様はこれでも真剣に悩んでいるようだ。
とは言っても、こういう手紙は普通、お詫びする本人が書かなければ
意味がないものなのだが。
「お嬢様が彼に伝えたい気持ちを書けば、通じると思いますよ」
「そう、そうね。えっと、『私はあなたを失うのがどうしようもなく恐かった。
…私はあなたが、好き』…っ、違う違う…『大事だから』っと…」
自分で言いつつ、その言葉に赤面するお嬢様を、私は微笑ましく見守る。
素直なくせに、意地を張る。きっと根っからの天邪鬼なのだろう。

きっと今頃は、妹様も同じように手紙を書いていることだろう。
そして…今のお嬢様と同じようにきっと真っ赤になっているはずだ。

何故なら、彼女達は吸血鬼の姉妹。

姉妹は合わせずとも、本質が似てしまうのだから――



End




何が書きたかったのでしょう、私?
ともかく、こんなお話がお終いです。

蛇足の姉妹は本質が云々~は、私の友人が言っていた事なのですが
本当かどうかはわかりません。

th_4859.txtより。


1スレ目 >>777


『Which do you like?』


修羅場って言うものは意外に簡単にできるという事は、
短い人生史上、僕は初めて知った。
場所は博麗神社の境内。
ガランとした空気が、現在の状況を更に盛りたてて悪くしている気がした。
目の前に座っているのは、この幻想郷の象徴である博麗神社の"巫女"博麗霊夢。
そして、その友人(らしい)である魔法使いの霧雨魔理沙だった。
二人は僕を睨みつけながら、不遜に座っている。

「それで、あなたに聞くんだけど…私と魔理沙、どっちが好きなの?」
僕は無理矢理正座をさせられて、現在の修羅場のど真ん中に立っていた。
彼女達が言うにはこうだ。
二人とも僕が好きらしいが、無論の事、三人で付き合う事は、この幻想郷の
普通から考えても、一般的に僕の世界の常識でも不可能。
雌雄を決する為の弾幕ごっこを行ったが…途中で、僕の気持ちがそもそも
どちらの方に向いているか聞いていないという事から。
今の状態になっているらしい。

「それで、どっちが好きなのかハッキリして欲しいって訳?」
「そう、私?それとも魔理沙?」
「それを聞かない事には、何も出来ないからな」

…考えてみれば、僕は、二人をそう言う対象としてみた事も無かった気がする。
しかし、彼女達がこういうなら、どちらか決めないとならないんだろう。

「時間、くれないか?」
「あぁ、私はいいぜ。霊夢はどうだ?」
「いいに決まってるでしょ。でも、あんまり時間はとらせないでね」
そうしないと、と彼女が口ごもった。

早く、お互いに決着をつけたいんだ。
「…一週間だ。それだけ考えさせてもらうよ」
僕にしては思い切りが良かったかもしれない。
普段なら、どうしてもこういう重要な物事を決めるのには、とてつもない時間を
かけるタイプのはずなのに。
今回だけは違うようだ。




それから、僕はずっと考え続けた。

彼女達二人を、僕がどれだけ好きか、と言うことを。
比べるなんて言うのは、最も失礼な事だし、そもそも僕がハッキリしないのが
一番の原因だったのかもしれない。
だから一週間の間、僕は考え続けた。
どちらが好きなのか。
山を歩く時も、川を歩く時も、寝る前も、風呂に入る時も。
そうして、約束の日はやってきた。
その日も二人は相変わらず、不遜な態度で座っていた。
「で、決めたんだな?」
開口一番、魔理沙は挑戦的な目で、僕を見た。
霊夢は何も言わなかったが、僕の方を見ながら何か考えているという事は
分かった。
その表情から読み取れるのは、緊張、悲しみ、不安。
どれとも取れた。
「僕が好きなのは…」
彼女達の顔を見渡す。
そして、僕は紅白の少女の方に目を止めた。

「霊夢だよ」

「え…?」
「なっ…そう、なのか?」
霊夢と魔理沙。お互いの驚きの内容は恐らく違うものだろう。
「…なぁ、聞きたいんだが、何で霊夢なんだ?」
魔理沙の質問には答えられない。
「私じゃ、ダメなのか?霊夢だって、普段は能天気でのんびりしすぎで、
そう、恋する対象としては、ちょっとおかしいぜ!?」
違う。
魔理沙は、きっと僕に恋しているわけじゃない。
「魔理沙は、何でも持っていく霊夢が、嫌だったんだろう?」
「なっ…何を?」
「霊夢は僕を好きになった。だから奪おうと考えた。それは『恋』じゃない。
ただの嫉妬だと思う」
「…もういいぜ。私は――」
「最後に言っておくよ、魔理沙。僕は霊夢の事が好きだ。魔理沙は
本当は誰が好きなんだ?」
僕の問いには答えず、彼女は外に出て行った。
顔は帽子で隠していたから、きっと顔を見られたくないんだろう。




「魔理沙…」
「霊夢、一つ聞くけどキミは僕が好きなの?」
「…うん」
「友達を泣かせてまで?」
「それでも…あなたが…好きなの…!どうしようも…なく…っ」

頭がちょっと温かいとか、能天気とかいつも言われている
彼女にしては珍しく感情的だった。
涙に濡れている彼女の頭を、僕は抱えた。



後書き

===チラシの裏===

修羅場を書くの苦手です。

===チラシの裏ここまで===

昼メロって見た事無いんですよね(笑)
我が友人曰く、「修羅場ってドロドロなら」それは昼メロらしいです。

そうか、つまり修羅場ればいいんだな、という単純思考の名の元に
書き上げたのが、これです。

なんか歪んでますけど。
あ、別に英語に意味はありません故。

最後に一言言います。

 >>683氏
この俺、530(仮名)はヘタレ物書きのレッテルを貼られている。
ウドンゲネタで書いては、必要以上に期待ハズレな物を書き、残念がる奴もいる。
単発ネタでリクエストを依頼されたんで、SSを一本書いたらそいつは二度とスレに来ねえ。
リクエストされても、自分の思いのまま書くなんてしょっちゅうよ!
だが、こんなおれにも吐き気のする『悪』はわかる!

『悪』とはヘタレ物書きのおれ自身のことだ!


ゴメンなさい>orz



2スレ目 >>186


「「で、どっち?」」
ここは幻想郷、の冥界。そこにある大きな邸、白王楼で俺は崖っぷちに立たされていた。
目の前にいるには、二人。一人は、いつもはのほほんとしている、この白王楼の主人、幽々子様。
もう一人は、いつも真面目、そのかわり半人前の妖夢。
二人とも真剣な表情でこちらの返答を待っている。
「え、えっと・・・」
あー、もう。なんでこんなふうになったんだったか。

…あぁ、いきなり夜にここに呼び出されて、二人同時に『好きなんです』って言われたんだっけか。
それで、こんなふうになったわけで。今は眠いせいで頭が回らない。こんなときに言わなくても。
「じゃあ、両方j」
「「両方は駄目」です」
二人同時に止めてきた。仲良いなぁ、もう。
「そう言われても・・・ねぇ」
幽々子様を選べば妖夢が悲しむ。妖夢を選べば幽々子様が悲しむ。
二兎を追うものは一頭も得ずって言うけどさ、今はどっちもほしくないです。
「やっぱり○○に決めてもらうのは駄目かしらねぇ。やさしいもの」
幽々子様が仕方なさそうに首を傾げて言う。普通の形でなら良かったのだが、威厳がそれを許さなかった。
内部には有無を言わさぬ威圧感があることを。
「そうですけど、○○さんに決めてもらわないと駄目ですよ」
すかさず妖夢が反論する。妖夢の意見に同意するように半霊も動く。
「俺が決めるのは、・・・両方d」
「「両方は駄目」」
だからね、両方に反応しないでくれ。そしてハモるな。
「ああ、これじゃあ埒が明かないわね。やりたくはなかったけど、やっぱあれにするしかないみたいね」
「やっぱり、あれしかないんですね」
アレリーマンは頭が悪い証拠だぞ?なんて思ってると、幽々子様と妖夢が互いに顔を見合わせて。
「やっぱり、女の」
「戦いですね」
二人が睨み合う。それはもう、火花が飛び散るぐらいに。いや、実際に飛び散ってます。
…うわぁ、眼力とかすげぇ。人間業じゃないわ、幽霊だけど。
こうして、幽々子様と妖夢の戦いは始まった。・・・俺にできるのは、ゴングを鳴らすだけだった。
―――カーン!





―――翌日(朝)

あーあ、昨日のせいで全然寝れなかったなぁ。
まだ眠い頭を無理やりに起こして居間へ歩いて行く。
「あ、おはようございます」
歩いていたら、妖夢に挨拶をされた。寝た時間は短いだろうに、良く起きられるな。
「ん、おはよぅ・・・」
頭がまだおきておらず、ついでに眠いので適当に答える。
「今から幽々子様を起こしてきますので、入って待っててください」
そう言ってトテトテと走っていく。ああ、昨日あんなことがあったのに、いい子だなぁ。

――――○○は気付かない。それすらも、妖夢が考えた策略だと。

そんな事はつゆ知らず。俺は居間の障子を開く。そしていつもの所に座り、ぼ~っとしてる。
最近、蛍のことをゴキブリって呼んでから虫によく襲われるなぁ。蛍の呪い?・・・墓にしてくれ、せめて。
「おはよう○○、昨日は良く寝れた?」
「うわっ!」
突然隣から声をかけられたので、驚いて声を上げてしまった。そのせいで、目が覚める。いわゆるショック療法。
それはともかく、隣を見てみると、妖夢が起こしに行ったはずの幽々子様が。
「ゆ、幽々子様・・・今さっき妖夢が起こしに行ったんですけど」
「あらそう?妖夢ったら、私が起きてるのに気付かなかったのかしら?」
当たり前でしょ。いつもは起こさないと昼まで起きてるのに。
「今酷い事考えてたでしょ。まったく失礼ねぇ」
そう言って頬を膨らませる。心を読むな、ここの人々は読心法を学んでるに違いない。
「・・・んでも、なんでそんなに早いんですか?」
俺は恐る恐る聞く。できるだけ平然を保って。
「たまたま早く起きたのよ。いつもならもう一度寝るんだけど・・・○○の顔が見たくてね」

――――これはたまたまではない、幽々子が朝早く起きる妖夢の為に立てた考えだったのだ。恐るべし女の戦い。

そんな考えも知らず。微笑んだ幽々子様につい俺は、赤くなる。そのまま数刻の沈黙。
ドタドタドタ 
廊下を走る音。聞いてると全速力だとわかる。
ズシャァッ
「幽々子様っ!!早起きしていたんですね!!!」
俺が空けたままにしていた、障子の隙間に妖夢が滑り込む。なんと、丁度で止まった。昔やったな、こういうの。
「そうよ、気付かなかったの?」
微笑と共に幽々子様が答える。良く見ると頬がピクピク痙攣している。
(せっかく二人っきりになれたのに・・・。意外と早かったわね)
そして、妖夢と幽々子様が睨み合う。ちなみに、場所的に俺は二人の間。つまりはというとこうなる。
「熱ッ!二人とも、火花は、や、めて。熱ッ!」


そんなこんなで三人で食事をはじめる。俺は隣を見ないようにして食べる。
なぜなら、隣には幽々子様がいるから。これ以上は言わん!
昨夜、朝の出来事のせいか、二人は喋らずにもくもくと食べる。
隣では魚が一匹二匹と食べられていく。なんでそんなに早いんだ。
「○○さん」
突然妖夢がこちらを見て話し掛けてきた。
「ん?」
とりあえずは妖夢の方を見る。普段と変わらない顔。しかし、良く見ると目の奥の奥あたりが不気味に光っている。
「ほら、これおいしいですよ~」
拙い、このパターンはっ!!な、なんとか逃げなければ、色々と大変なことにっ!
「い、いや。すでに食べてるし。うん」
「でも、こっちの方がおいしいと思いますよ?」
「妖夢が食べてるじゃないか」
「だからですよ」
相手のほうが一枚上手、どんどん逃げ道がなくなって行く。くそぅ、半人前のくせに。
「はい、あーん」
来たっ、地獄への第三歩目!っていうかもう踏み込みすぎ!閻魔様もビックリダヨコレハ!鬼ハ嘘ツカナイ!
どうしようかと思い、隣を見てみると、幽々子様がこちらを見ている。
その表情といえば、『マリア様が見ているぞ!』ではなくて、『般若が睨んでるぞ!』のほう。
つまりはこちらを睨んでるというわけだ。鬼の形相で。
「どうしたんですか?あーん」
なんて言いながらも妖夢は、地獄への招待状といわんばかりにを魚の切り身こちらに持ってきている。
やはり、売られた招待状は買う羽目になるのか・・・。
「ん、おいしい・・・」
食べてみたら、なぜか自分のよりおいしいと感じた。なぜだかは解らないが。
「おいしいですよね~」
そう言って妖夢は笑った。はたから見れば普通の笑み。幽々子から見れば勝ち誇った笑み。
恐る恐る幽々子様の方を見てみると、いつも通り普通に食べていた。周りからでる負の感情を除けば。
…暴走しますよ、巨大化しますよ。
そんなこんなで俺は、地獄のような食事を終わらせた。




―――昼

とりあえずこの地獄から逃げなければ。そう思ったが、幽霊の俺には結界を越える手立てはなかった。
せめて屋敷の外にでも・・・と思ったが。
「○○~。ちょっと来なさい~」
普通に受け取れるはずの発言が、俺には『さっさと来い』に聞こえた。
もちろん逃げることは許されない。たとえ閻魔が認めても、だ。

幽々子様のところに来た俺が見たものは、普段と変わらない二人の姿。その様子に内心ホッとする。
「はい、これ」
そう言って渡された物は、普通の湯呑み。中には普通のお茶。
さすがに薬物投与はないか・・・
隣を見ると、和菓子を食べながらのんびりと外を見る幽々子様。
…ああ、久々に平穏だ。
そんなことを考えながらお茶を啜る。

カコーン

こんなところにししおどしはないが、聞こえた気がした。
と、もう一度飲もうとしたはずのお茶がない。隣を見ると、幽々子様がお茶を飲んでいる。
もう片方の手には湯呑み。
「飲んじゃった」
湯呑みを返しながら幽々子様が言った。
「・・・まぁ、いいですけど」
そう言って残ったお茶を飲み干す。
「あ、間接キッス」
「んなっ!いきなりなんですか!?」
「いや、そうじゃないかしら?」
「た、たしかにそうなんですが、言うことな、ないじゃないですか」
「どうして?」
なぜって、妖夢への挑発になるからですよぉ~。
そんな心の叫びは聞こえず、幽々子様は相変わらずこちらを見ている。
「・・・なんとなくです」
本音は言えず、とりあえずはなんとなくですました。
お茶は全部飲んでしまったので、饅頭を食べる。
すると、また奪われて食べられてしまった。
そのあとこちらを見て少し赤い頬で微笑んだ。やっぱり俺も赤くなる。
「○○さんっ!少し手伝ってくれませんか!!」
ついに切れたか、半人前。結構遅いぞ、だから半人前なんだよ。
「おお、解った。今行く」
断る理由がないので、とりあえずは妖夢のところへと向かい、途中で投げられた箒を受け取る。
幽々子様はというと、最初はムッとしていたが、やがて妖夢を睨んでいた。
返しといわんばかしに妖夢も睨む。当然その間にいる俺は。
「熱っ!だから花火はって、うわ、箒が燃えた!」
その後燃え尽きた箒を取り替えて掃除をした。幽々子様は、睨みながらもお茶と和菓子を食べていた。






―――夜

ああ、今日は悲惨だったなぁ。とりあえずは、こんな不運もお湯で綺麗さっぱり流してしまうか。

ここのお湯はなぜ温泉、しかも露天である。なぜこんなところにと前に幽々子様に聞いたところ。
『キニシナイ!!』
との返答が返ってきた。まぁ、気にしないんだけどさ。
「温まるなぁ~。そういえば猿の幽霊なんているんだろうか?おーい、猿やーい!」
返事はない。どうやら猿は居ないらしい。ここに来るほうがおかしいが。
「はぁ~。いつ入ってもいいわねぇ」
「どわぁぁ!ナヅェソコニイルンヅェス!?」
あまりにも突然の出来事だったので滑舌が悪くなり、謎の言葉が出てしまった。
「まぁ、いいじゃないの」
「良くない良くない!」
どうしても下に目が行ってしまうのは男の性。しかし耐える。
「いいじゃないのよ」
むー、と頬を膨らませて言う幽々子様につい赤くなる。

「○○さん、私も一緒、に・・・」
これまた入ってきた妖夢が固まる。っていうかお前もその考えだったのか。
「ゆ、幽々子様!ナヅェソコニイルンヅェス!?」
おお、ブラザーそれはさっき俺も言わせてもらったぜ。
「ナヅェって、キバッテルデショ?」
へいブラザー!いつからここはオンドゥル星になったんだい?冗談もほどほどにしてほしいね、はっはっは。
「いるからに決まってるじゃない」
「決まってません!な、なんで○○さんと一緒に入ってるんですか!?」
「偶然よ、偶然。たまたま一緒になっただけ」
「偶然なんてありえません!脱衣所は一つしかありませんよ!?」
「まぁまぁ、いいじゃないの」
妖夢の反論をさらっと返す。ちなみに俺は蚊帳の外。ではなく、二人の間に挟まれていた。
まぁ、解ってるさ。解ってるけど抜け出せないんだよ。おお、呪縛とは恐ろしいものだね。
「・・・・」
「・・・・」
またもや無言の睨み合い。もはや定番となった俺の状況。
「熱い!ギャー、髪が燃えたぁ!」
このあとチリ髪に何とかならずになったが、幽々子様と妖夢に挟まれて縮こまって入っていた。


なんで風呂に入って疲れなきゃいけんのだ。
そう愚痴を漏らしながらも眠りにつくために部屋に入る。
念のため周りを適当に調べておく。よし、隠れてはいないな。
「あー、今日一日でこんなに疲れるとは。厄日か?」
そう考えながら布団に入る。
なんで二人は俺のことが好きなんだろうか?
そして横を向いて問題について考えていたら、突然目の前の畳が上がった。
「あ、ゆゆたんインしt」―ダンッ!!

突如開いた畳を叩き戻す。今のは間違いだ、間違い間違い、・・・きっと疲れているんだ。
「あ、ゆゆたんインs」「そこかぁぁぁぁ!!」―ダンッ!!
畜生!夢じゃなかった。そう思いながらも目の前に出てきた畳を叩き戻す。今度は続け様に。
「あ、ゆゆたんいn」―ダンッ!!
「あ、ゆゆたんインしたo」―ダンッ!!
出てくる畳を叩く叩く。巨大もぐらたたきのように。はずしたら負けだよ、生きるか死ぬかだ。
やがて、観念したのか成仏したのか畳が上がることはなかった。
ようやく眠れる、そう思って布団に入ってまどろみの中に入ったとき。
「あ、ゆゆたんインしたお!」
「ちぃ!後ろか!」
反応が遅れたせいか、幽々子様の出現を許してしまった。
「一緒に寝ましょ。ほら、最近寒くなってきたから」
そんなことはない。昼に「ああ、そろそろ夏ね」とか言っていたじゃないか。
「入らせてもらうわね~」
許可なしですか。もういいや、早く寝よう。
後ろから幽々子様の温かみが感じる。あれ、幽霊って冷たいよな・・・?
まぁいいか、寝よう。そう思ってまたうとうとしていると。
「あの、一緒に寝ても・・・」
またか、また同じ展開か。障子を開けた妖夢がまた固まる。
「ゆ、幽々子様!またですか!」
妖夢が叫ぶ。うるさい、眠れないではないか。
その後も色々と二人で講義していたが、無視して寝た。







―――そんな地獄のような日々が続き・・・


「もう、きりがありませんね」
「そうね、○○は決めてくれないし・・・」
「いや、両方って決めましたよ?」
「そろそろ、堪忍袋の尾が切れそうなんですよ」
「あら、私もだったりするのよ」
俺の意見は果てしなく無視され、話がどんどん進んで行く。
「いくら主だとしても、これは譲れません」
「いくら可愛い庭師だとしても、これだけは譲れないわ」
…嫌な予感。
「ならば、正々堂々と!」
「弾幕ごっこね!」
そう言って同時に庭に出て、弾幕ごっこを開始する。
うわぁ、死闘だよ。二人とも本気じゃねぇのか?
まぁ、ここは止めておかないとな。
「二人とも、やめてくだブベラッ!!」
死蝶や斬撃やらが体に当たって即座に意識を奪って行く。
あー、二人とも本気だなぁ。痛いよ、痛すぎるよ。
薄れ行く意識の中で。二人が俺の名を呼んだ気がした。




ここはどこだ?目に写るのは天井。つまりは寝かされてるってことか。
その後、妖夢と幽々子様の顔が見えた。
「・・・すみません、なんかご迷惑がかかったみたいで」
「・・・私も、主人としてあるまじき行動をしちゃったみたいね」
二人が謝罪の言葉を述べる。丁度良い、ここらで本当の気持ちを喋っておくか。
「・・・お二人とも、大事な話があります。どちらか、決めました」
二人とも固唾を飲んで次の言葉を待つ。
「・・・両方d」
『両方はだm』
「駄目です」
二人の言葉を返しで止める。
「いいですか?私は、あなたがたがそうやってる姿は見たくはありません。だったらいっそ、どちらも嫌いになります」
俺の言葉に二人とも言葉を失う。
「・・・わかったわ。両方ってのが不服だけど。妖夢となら、まだ」
「・・・私も、同じです」
「良かった、二人ともわかってくれて」
そして三人で笑った。



―――翌日

俺はいつものように風呂に入る。もちろん、今回は一人だ。
「あ~。一人が懐かしい~」
良い気分で大合唱していた所、ふと脱衣所を見ると。脱衣所に人影が写る。
――ガラガラ
そこには、幽々子様と妖夢が。
「ゆ、幽々子様に妖夢・・・。ど、どうして?」
「あら。一緒に入ったって良いじゃない。三人でね」
「・・・・・・・」
思わず言葉を失う。結局俺は一人で居る暇はないのか?

…俺の安息はまだ遠い。



―――END








~~あとがき~~

初めての方は初めまして。二回目以降の方はお久しぶり?です。
これから読む方はよろしくお願いします。もう呼んだ方はありがとうございました。
さて、今回リクエストは『妖夢&幽々子で、両方』でしたが、
たぶん、想像していたものとはだいぶかけ離れたものになったんではないでしょうか?
たまには告白は最初に、ってのもいいのでは?と思い書いてみました。
まぁ、思いついたのがこの作品だったから、ですが。
プロポスレのネタとは多少離れたものになったのかもしれません。
っていうか、まじめに書いていないので、だいぶはっちゃけてます。呼んでみた人もわかるんじゃないでしょうか?
それでも、こんな作品に萌えてくれたら幸いです。
ずいぶん長ったらしく書いてしまいましたが。これで終わらせていただきます。


最終更新:2010年06月06日 20:25