ハーレム?23



新ろだ1004(新ろだ1003続き)


スキマがぼくをショタにするだけで満足するはずなかった
これで満足する器じゃなかったらしい 

紅ショタ異変前篇

○○「ッこれでよし…と…」
ぬえ「…これだけの量の紅茶、いつも運んでたの…素直に関心…」
大人の時の俺が運んでた量より今日は少ないくらいなんだ
だけど子供状態の俺からみると、蝶☆たくさんだ

人里にて運ぶ品(紅茶+何冊かの本)を荷車に積み終えた僕は試しに荷車を押してみようと試み無理でした
○○「・・・男として素直に情けないです」
ぬえ「その量の荷物を子供に運ばせる姿を私が眺めている…これじゃいじめみたいじゃない。」
荷車の(リヤカータイプ)弾き手をうんうん引っ張っていたが微動だにしない
これでは運ぶ以前の問題…と…
ぬえ「どれ…よっと…」
○○「…あ、ありがとう、たすかる…」
ぬえが一緒に押してくれた。さすが妖怪、すごい力だ、二人で押して紅魔館を目指すこととしよう…
そうして僕たちは歩き始めた

ほら、リヤカーってさ、引き手の内側に入って前方に全体重かけて押して行くじゃない
だから必然的に私と○○が密着した体制で押していくことになるわけ
役得ね、超役得 ああもう!必死に顔紅くしてリヤカー押してる○○がかわいい!
だってさ…ほら…小さい子って可愛いじゃない、母性本能くすぐられるのよ!
ぬえ(ハッハッハー、これは予想以上においしいぜー、今の○○にお姉さん的な魅力を押しつけて○○を私が手にする!他の者には負けぬ!)
○○(子供になると体力も落ちてるなー…うー…)
相当温度差がある二人だった

押して押して氷精を無視してやっとこさたどり着いた紅色の館
○○はいつもの数倍疲労がたまっているがぬえはぴんぴんしている
○○「うっわ…いつもよりもさらに大きく見える…」
そびえたつ紅色の館は普段見る館よりはるかに大きく感じた
ぬえ「うっわ―…立派だなー、相変わらず」
とまあ見とれていても仕方がないので門番の美鈴さんに会いに行こう
○○「もしもしー?」
美鈴「ZZZ…ZZZ…」
あっちゃー…寝てるよこの人…
ぬえ「立ちながら寝てるねー…器用で妬ましい、安眠の邪魔をしたい…そうだ!」
○○「まいったな…この人は寝たら起きないぞ…」
僕が途方に暮れていると突然…
ぬえ「昼寝してるーいけないんだー!」
○○「あ!それを大声で言ったら…!!」
隣のぬえがいきなり大声でそれを叫んだ
いや、これで起きるわけじゃない…ただ…僕の予想が正しいならば…
サクン♪
美鈴「いったあああああああああああああああ!!?」
ああやっぱり頭にナイフが刺さった
咲夜「まったく、また寝ていたの中国、罰として今日は晩御飯抜き」
美鈴「そ、そんなー!?」
頭にナイフ刺さったまま会話しないでください
咲夜「さて…あら?誰と誰かしら?」
咲夜さんが僕とぬえを見て頭に?マークを浮かべた
○○「あ、えーっと…今日頼まれたものを持ってきました、○○です」
ぬえ「臨時手伝いのぬえでーす。」
咲夜「!?○○さん!?どうしてそんなちっこくなってるんですか!?」
○○「スキマ」
咲夜「ご愁傷様です…」
美鈴「あうー…」
美鈴さんは頭を壁につけて絶望感を味わっていた
後咲夜さん、同情ありがたいけど鼻にティッシュ詰め込まないでください。
咲夜「…(やばいかわいい…)ええと…はい、注文した荷物です、ありがとうございました…代金です…
荷物はいつもの通り私が運びますので…」
○○「あ、どうも、じゃあ今後ともよろしく」
ぬえ「よし、かえろうかー」
そうして僕とぬえが踵を返して里に戻ろうとしたとき…
咲夜「…あ、お待ちください」
と、咲夜さんに呼びとめられた
○○「はい?なんですか?」
ぬえ「なんぞやー?」
咲夜「お嬢様がお呼びです、今より○○様とぬえさまをお客としてお出迎えさせていただきます」
いきなりでおらびっくりしただー
○○「拒否権は?」
咲夜「…申し訳ございません、微塵たりとも拒否権はございません…」
懐にナイフをちらつかせるなこんちきしょー
いやまあ断る理由はないけども?
ぬえ「…(…)…」
○○「そのかっこに意味はあるのか?…」
咲夜「はい?」
○○「いやぁ…別に…」
文につっこんでしまった…しかし話の流れが強引だ…ごういん、だめ、ぜったい

キンクリの効果により現在大広間です
咲夜「では、お嬢様が車でおくつろぎくだ「待たせたわね」…すいませんくつろげません」
寛ごうと思った矢先ドアをガチャリと開けてここのお嬢様が入ってきた
実は見るのは初めて、見た感想、今現在同年代の外見だ、以上
え、ぼく?ロリコンじゃないよ
レミリア「ふむ…お前がこの紅魔館に荷物の輸送をしている○○か
私はレミリア・スカーレット、紅魔館の主だ」
この人カリスマオーラが全開だ、鼻から
その鼻血は、紅く、拡散していて、それはまさに紅霧異変小規模タイプだった
○○「お願いですから鼻栓してください、服が真っ赤になっちゃった」
ぬえ「うわー!紅茶が真っ赤になってる!」
咲夜「紅茶はもともと赤色です、あとお嬢様、これをお使いください」
うわこの人懐からティッシュ箱取り出しやがった、どこに入れてるんだ?
レミリア「ふむありがとう…さて、私がお前をここに呼んだのはほかでもない、暇だ」
○○「すいません僕言語理解能力低いんでもうちょっと詳しく」
レミリア「ふぅん…まあ要約するとだ、幼児後退したお前は暇つぶしになるかなー?って思った」
鼻にティッシュを詰めながらその犬歯を光らせにやっと笑うその姿にカリスマなんてなかった
ぬえ「ふん、カリスマゼロのカッコつけのくせに人呼びつけて暇つぶしなんてなめた真似して~、
無理はしないほうがいいよ?おぜう」
レミリア「…今何て言った?」
急にズシッと辺りの空気が重くなった、借りでなく吸血鬼、このプレッシャーは僕には耐えがたい…
ぬえ「聞こえなかった?カリスマつけてから出直してきなさいよおぜうさま~」
レミリア「殺す!ぶっ殺しつくす!」
十字架型の紅いオーラを発した吸血鬼のお嬢様の後ろに最強の個人へ移送を背負った牧師が見えた気がした
○○「ってぬえ!喧嘩やめてよ!」
ぬえ「わいら神やないねん、ときには鬼にならなあかん…」
誰の真似だよ!?
ああこっちもバトルモードにぃ!どーしよう…僕死ぬ、巻き込まれたら終わる、トンガリ助けて

と思ってるうちに視界がガラッと変わった
○○「…フー?」
その部屋はちょっとほこりっぽくてものすごく背の高い本棚が所狭しと乱立していた
本が好きな人にとっての桃源郷だろう…でも力仕事の僕に効果なんてなかった
パチェ「あら?誰かしら…?」
声がして後ろを振り向いたら、本を読んでいる女性がいた
○○「ああ…気が付いたらここに…」
パチェ「咲夜の言ってたのは、この子ね、ここは紅魔館の図書室、私はパチュリー・ノーレッジ、魔女よ」
○○「はぁ…突然おじゃましてすいません…意味も話からなくて気が付いたら…」
パチェ「…小さい子なのに礼儀正しいわね、魔理沙よりよっぽど礼儀正しいわ…」
あ、この人僕がもう二十歳すぎてるってこと知らない…い言う必要ないか、混乱させる意味はない
パチェ「しばらくここにいたら?ここにいたらレミィとあなたの連れの戦闘にも巻き込まれないでしょ
俺より、立ってないで座ったら?あなたも読書どう?」
○○「あ…じゃあ、お言葉に甘えて…」
ああ良識ある人でよかった、きっとこの館のブレインに違いない
ところでこのショタ声での敬語をしゃべってる僕、気持ち悪くない?
と、よっけなこと考えていたら、躓いて、転んだ
○○「あぅ…いたた…」
なるほど、ぼくの子供のころの転び癖、まだ直ってない
パチェ「…大丈夫?」
心配してくれたらしい、近くまで来て手を差し出してくれた
○○「あ、ごめんなさい…」
膝の痛みで涙腺が緩んだ、ああ、幼いと涙腺って緩いんだ
とか思いながらその手をつかむ
パチェ「…いいえ、気にしないで、ほら、あなたも椅子に座って」
○○「え、ちょ、わわわ!」
軽々と抱えあげられてその大きいいすに座らされた

そう、言い忘れていたけど今の僕の身長は132くらいだ
低すぎだろとか言わないで、ぼくもともと身長低いんだ
後体重も30いってない気がするけど、力はなまじあるから厄介

小悪魔(馬鹿な!?パチュリーさまが本より重い物を持ち上げるなんて!?
しかも何架橋えらく友好的…)
本棚の陰からのぞいていた小悪魔は愕然としていた 無理もないね
パチェ「この魔道所ならあなたでも読めるとおもうわ、今近くにそれしか簡単なのないから
それ読んでてくれる?安全になったら咲夜が呼びに来るでしょうし、それまでは我慢して」
○○「すいません…では失礼します」
小さい子供に語りかけるがごとき優しい話し方に若干罪悪感を覚えながら、
渡された本に僕は目を通し始めた…ふむ、確かに僕でも読める
○○(ふむふむ…なになに?拘束術講座そのⅠ、手っ取り早い方法はこの本を読ませること
耐性のない相手はそれだけで拘束状態に…!?)
そう、本に書いてあった、あわてた僕は本を放した、が時すでにお寿司
首から下が動かな…い…
パチェ「ようし作戦成功」
○○「助けて…え!?」
助けを求めようとした直後に聞こえたその声に思わずドッキリ
パチェ「これで抵抗手段はないし…そこまでよ!の役割は私だし、スキマのせいってことにすれば今後の私に影響はない…」
なんかぶつぶつ呟きながら僕の服に手をかける…!?オイオイアウトだから!
○○「な、何してんですか!?」
パチェ「図書館では静かに…ほら、痛くしないから…」
おぅい、なんと妖絶なほほえみのことか、地味に幼くなった僕の精神はノックアウト寸前よ
パチェ「体にたぎる魔力を鎮めさせて…」
蒼言ってその唇を近づけてきた
ああなんか、ぼくもう生きていけないなーとか思った矢先に…

チュドーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン!!

と、大爆発とともに若干見えた図書館の門らしきものが吹っ飛ばされた
パチェ「!?…な、何…?」
さすがにびっくりしたらしい、その爆音の方向をにらむように見ている…
フラン「…ここかな…?なんかいつもと違う感じがしたんだけど…」
崩れたがれきの中からガラガラと音を立てて出てきた、ここのお嬢様にそっくりの金髪の女の子
パチェ「…なんでフランがここに…」
じゃっかんの焦りを顔に浮かべているパチェさん
フラン「あーいたいた気配の人…わー!かわいい男の子ー!」
フ゜ライト゛は 1056 のタ゛メーシ゛を うけた
○○は ショックて゛ たおれた!

その同じ頃…
レミリア「褒美もろうて逝きさらせ!!」
ぬえ「わかりにくいネタばっかり連発してんじゃないわよ!」
二人の弾幕バトルは壮絶の一言に尽きる
何がすごいって…部屋に傷一つないこと
レミリア「うるさいわね!大体あの○○とかいう奴を私のものにする計画が台無しじゃないの!」
ぬえ「初対面の男を襲うとは、、吸血鬼も落ちたものね!」
レミリア「かわいいものがほしいのよ!」
ぬえ「対象をまずは人形に落ちつけろや!」
もう弾幕がじゃなくて言い争いになってた

咲夜「だ、駄目だ…○○さんの姿がかわいすぎて鼻血が…」

水蜜「あれ?○○用の湯呑みが割れてる…」
白蓮「不吉ですねぇ…」





新ろだ1005(新ろだ1004続き)


赤ショタ異変完結編
すべてを終わらせるとき

ショタをあまり活かせてないのは秘密

フラン「むぅ…全然起きない…てい!」
フランは 自己流ザオリクを 唱えた!(デコピン)
○○「痛い!…ああ…シャレにならない…」
バスン!という音と激痛が僕のおでこ付近で炸裂、転げまわる気すら失せるほど痛い
フラン「ああ起きた起きた…起きないから心配しちゃったよ」
目を覚ましたら…確か図書館で見た金髪の子が…
フラン「いきなり気を失ったから、びっくりしちゃった」
○○「気を失ったのか…なんで気を失ったんだろう…」
うーん…わからない 僕のメンタルに原因があるのはなぜかわかったが
フラン「そういえば、あなた名前なんて言うの?私フランドール・スカーレット、フランでいいよ!」
○○「あ…僕は○○…」
元気だなぁ…と思った。あ、待てよ?スカーレット…?この人は先ほどのレミリアさんの姉妹か何かかな?
フラン「○○って言うのね!…うーん…弱そうだし…弾幕ごっこ、できる?」
○○「無理ですすいません」
フラン「だよねー…」
なんか急展開すぎてわからないから、話を聞きながら今自分の状況をまとめてみた

紅魔館に来た→お客さんにランクアップ→超☆弾☆幕→図書館にワープ→貞操がやばい→フランさんの部屋
                                         (いまここ)

すいませんどうしたらこうなるのか原理を説明してほしいです ぬえ助けて

その頃のぬえ
レミリア「レミリア☆インパクト!うーーーーーーーーーーーーーー!!」
ぬえ「自棄か!?自棄なのか!?」
困っていました

パチェ「…のがしたか…次は必ずものにしてやる」
小悪魔「小さい子を無理やり押そうって…犯罪ですよ?」
パチェ「ここに法律はないの」

フラン「へー、ここに荷物を運んだりしてるんだー…じゃあ今飲んでる紅茶も○○が運んできたの?」
部屋にあった紅茶セットを使わせてもらって二人分の紅茶をいれた
僕も紅茶くらいは入れられる、それなりに自信はあるほうだ
○○「うん、運送業してるんだ、需要が多くて供給少なかったからいいなーと思って」
フラン「今紅茶飲めるのも○○のおかげなんだ、ありがと!」
ええ子やなーと、幼心ゲフンゲフン…二十歳の心に思った
なんか精神年齢下がってる気がする…
フラン「でも、人間でそんなに小さいんなら、すっごく若いんでしょ?」
○○「いやあ実はね、呪いをかけられて姿が若くなってしまって実際は二十歳すぎてるんだ」
そういえばぼくは一人称俺だった気がする
フラン「へー…よくわかんないけど大変だね…」
やばい、今までで一番心に来る同情った
フラン「それよりも、何かして遊ばない?弾幕ごっこは無理でも、おままごととか…そうだ!パズル一緒にやらない?」
なるほど、姉のほうとは違って(あっちもある意味幼いけど)純粋な幼い子らしい
○○「(図書館のお礼もあるし…)うん、いいよ、じゃあ僕にできることならいっしょに遊んであげるよ」
フラン「本当!?ありがとう!じゃあこのパズル一緒に解いて!」
今はちょうど三時ごろだった気がする  あれ?なんでこんなこと気にしたんだ?

レミリア「はぁはぁ…やけくそになってまで戦ったかいがあったわ…」
ぬえ「弾幕ごっこでよけられない弾幕は禁止でしょうがー!」
こちらは戦闘が終了したようです
ぬえが必死に他人の館を傷つけまいと戦ってきたのにおぜうの暴走のせいで大広間はフルボッコ
ぬえもぼろ絵状態
咲夜「やっと終わりましたか…もう夕暮ですよ?○○さんとお茶を楽しむんじゃなかったんですか?」
そこへ咲夜登場 夕暮れっていうかもう薄暗いね やりすぎだね
ぬえ「いたたたた~…」
弾幕→言い争い→弾幕(レミリャ暴走) なんとも複雑な経過だ
咲夜「そういえば○○さんは?」
ぬえ「あ!忘れてた!!○○ともう寺に帰らないと!」
レミリア「ふぅ…○○ならフランおと一緒にいるみたい…フラン!?」
ぬえ「耳元で大声出さないでよ…」
咲夜「○○さん死んでないでしょうか…?というよりなぜ図書館に避難させて妹さまのとこにいるのでしょうか…?」

○○「…(やだ、何このパズル、合計七万ピースとかパネェ…)お、これここかな?」
フラン「あ、そうか!じゃあこれがここでこれここで…やったー完成ー!」
出来上がったパズルに絵がかれた絵は、もうハイビジョンクラスの精巧さだった
○○「ああ疲れた…ッて時間もうやばい、もう帰らないと…」
フラン「えーもう帰っちゃうのー?じゃあまた今度遊ぼう!約束だからね!」
○○「うん、わかったよ…あ、帰り道わからねぇ…」
フラン「じゃあ私が案内してあげる!」

こんな感じで二人で玄関に向かうことになったわけ
でさ、行く途中で僕を探してた三人とばったり出会ったんだ

ぬえ「勝手に単独行動しないでよ!○○に何かあったらと思って心配したじゃない!バカァ!」
怒られた…あれ?僕が悪いの?
レミリア「咲夜、いい?今度○○がここに来た時強制奪取作戦を開始するから今のうちに計画を練るわよ
フランと相性いいみたいだしね」
咲夜「わかりました、ではパチュリーさまと合同で計画しましょう」
フラン「あ、面白そーだから私も!」
聞こえてるんですけど…? もう二度とここには来ないことにしよう、生命が危ない
ぬえ「まったく、こんな吸血鬼の館で私から離れるなんて信じられない!」
○○「あぅ…ごめんなさい…」
確かに危なかっただろう(たぶん僕のせいじゃないけど)
しかしぬえのあまりの怒りっぷりにひるんで思わず僕は涙声+涙目になってしまった
うん、やっぱり精神後退してる
ぬえ「…ちょ、タンマ…」
鼻を押さえて後ろを向かないでよ
ぬえ「…わ、わかったならよろしい!じゃあ帰ろうか、聖もきっと心配してるよ」
鼻栓しないでよ

まあそんなわけで僕とぬえはリヤカー押して紅魔館を離れたわけだ

終始話の進みが速すぎて、すっごく疲れた
寺に帰ったら白蓮さんにしかられた 帰りが遅い あれ?普段より一時間早く帰ってきたぞ?
白蓮「子供は早く帰ってくるものです!今の○○さんは子供ですからね
私には保護者としての責任があるんです…!!」
わぁ、完璧に子供扱いだー ぬえは逃げたし…
○○「っていうか何?保護者って…」
水蜜「ああ、慧音さんに事情話して、○○が元に戻るまでは子供として扱うだってさ
保護者約聖を筆頭としてとして○○の肉体はこの寺の住人がしっかり護ります!精神はむしろいただく、モノにしてやる」
お願いですスキマさん、ぼくを元に戻して

夕食はすごくおいしかったが、辛かった 味覚も子供になっている
ていうか子供扱いってことは仕事できないのではないか? いやだ、仕事したい
僕は働きたいでござる 働いて家の再建急がないといけないです
ただでさえ原因不明の物質に何度も家が襲われてるんだし…
大工さんたちが何度作っても壊される、不思議だ…

その夜、ぼくは夕食を終えた後に風呂に入って、寝た。
それいがいのアクションは起こさなかったし、フラグも立てなかった
だが、朝に強制イベントが待ち受けていた
○○「…フーアーミー?私は誰?○○
ホワットアーユードゥーイン(個人的訳・これはどういう状況?)」
朝起きたらナズとぬえと星さんが僕をがっちりとホールドしていた
○○「…」
白蓮「…」
いやそれだけならまだましだったが、僕が呆然としている中、その光景を白蓮さんが見ていた
○○「どうしてこうなった…?」
白蓮「さあ?それより布団から出てください、今すぐ、即刻」
○○「はいわかりました」
なんという威圧感 

その日の朝ごはん、その三人と白蓮はいなかった
一輪「どうしたんでしょう、姐さん…」
水蜜「ほかの三人もね…」
○○「…あの4人はどこか遠いところにいったよ」

終始グダグダだったね



新ろだ1012



 今宵は満月がとても綺麗です。

 只今、ごく一般的な世間では標準的な立ち位置的にもど真ん中、典型的日本人である
ところの立派なややあっち向きの私こと○○。極々普通の平凡な生活を送っていたので
はありますが。

 立派な塀、その後ろには生まれ育った場所ではまず見ない竹林。

 私が腰掛けているのは、綺麗に掃き清められた縁側。

 ついでに言えば、大和撫子の理想系を体現した少女さんが寄り添っておいででござい
ます。その反対側には儚そうだけど姉御肌な少女さんが寄り添っておいでです。

 ここはぼったくり和風何とかクラブなんでしょうか? 人間性クイズなんでしょうか?
ドッキリカメラなのでしょうか?

 ところがどっこい! 現実なんですよ! 奥さん!

 ここに至る経緯は聞くも涙、語るも涙なのですが、要点だけを掻い摘んでいくと。



 ・冬眠前のスキマ妖怪(通称、個体名不明)に餌として拉致られる。
 ・ところが間抜けなことに寝ぼけていたらしく、途中で私幻想郷と言う名のファンタジー
 な世界へリリース。
 ・リリースされた先がこの大和撫子嬢とそのライバルである姉御嬢との決闘現場。
 ・突然現れた私にビックリして魔法の弾(弾幕と言うらしい)の制御を大和撫子嬢間違える。
 ・制御不能な弾幕、姉御嬢の脇腹を抉る。
 ・呆然として開いた口に肉片ジャストミート!思わず、ごっくん☆
 ・その肉片はレバー、姉御嬢は蓬莱人と言う人種(ついでに言えば大和撫子嬢ともう1人、
 女医嬢、ああ言い辛い)でその生き胆を食べるともれなく不老不死に!



 女医嬢曰く、

「こんな間抜けた理由で蓬莱人になってしまったケースは初めてだわ。まぁ、蓬莱人になる
ケース自体物凄く稀少だけど」

 ええ、自分でもそう思います。

 で、ここからが本題。

 蓬莱人の生き胆を食べれば不老不死になる=私の生き胆を食べれば不老不死になる。

 ごく一般的かつ典型的日本人で、ごく普通で平凡な生活を送ってきた私には「戦闘能力」
なんて物は皆無に等しいのであります。よって、私が蓬莱人であるとバレた瞬間、即座に生
きる不老不死製薬工場になってしまう危険性が高いらしいのです、ええ。

 なんかギリシア神話にありましたよね? 延々と鳥に自分の体内の生ホルモン喰われる話
が。ぞっとしませんよ、ハードMじゃあないんですから。



 なので、



「彼は私が育てるわよ? ええ、どこに出しても恥ずかしくない立派な殿方にしてみせるわ!」

 この魑魅魍魎が跋扈する(メッシュ教師嬢・談)幻想郷で、生き残る術(つまりは戦闘方面)
を身に付けさせる為のコーチを誰がするのか。その話し合いの最中だったのですが。

「アイツは私の肝食ったんだろ? だったら私が責任を取るのが筋じゃないのかい?」

 最初に「私の処に来ない?」と、お誘いしてくれたのが大和撫子嬢こと、蓬莱山輝夜さん。
しかし、姉御嬢こと、藤原妹紅さんが「そんな阿婆擦れよりも私の処は実戦的だぞ?」と食っ
て掛かった結果がこれなんです!

「最初に見初めたのは私なんだからね! 初恋よ! 乙女の初恋! 邪魔される筋合いは無い
わよ!」

 あー、女の子の香りってこんなに甘い物だったんですね。現実逃避じゃないですよ? 現状
を鑑みて、何も考えずに感じただけなんです。

「そ、そんなの私だってそうさ! それに食べられたんだから、責任取ってもらうのが筋じゃ
ないのか?」

 あと女の子って柔らかいんですね、とても。接触と言うかほぼ密着なんですよ、ああ人の温
かさが染入りますよ。



 もう一度、月を見ようと顎を上に上げると、四つの丘が。



「ねぇ? 私は家庭教師をしていたのよ? 人に教えるのは別にあなただけの特技じゃないもの」

「寺小屋現役教師の私に対する挑発か? 私であれば子供に教えるように優しく時には激しく、
親身になって出来るのだぞ?」

 女医嬢こと八意永琳さんと、教師嬢こと上白沢慧音さんが睨み合っていました。



 太陽の馬鹿野郎。ではなく、

 月の馬鹿野郎!

 と、心の中で叫びながら、今宵はここまでにしとうございます。


新ろだ2-009


…朝、私はいつものように命蓮寺の境内を掃除している。
もう少し日が昇れば、参拝客がやってくるだろう。
それまでに、少しでも綺麗にしておくのが私の仕事だ。

この命蓮寺が建ってから暫く経ったが…最近は一人、この寺の住人が増えた。
それが……

「…ふー、こんな所かな。一輪おねーちゃん、雑巾がけ済ませたよー」

外の世界から迷い込んだ子供、○○だ。
やってきた当時は戸惑いこそあったものの、今ではすっかりここに馴染んでいる。
今でこそ人間と妖怪はある程度仲良くやってはいるが、まだ溝があるのも事実だ。
人里の人間の一部は、ここを薄気味悪がって近付こうともしないのが、その最たる例だろう。
では、外の世界の人間である○○はどうなのだろうか?

…答えは『全く気にしていない』だ。
おそらく、大抵の人間なら恐れおののく妖怪であっても、彼は何事も無く普通に接してくれていた。
そんな性格を姐さんは気に入ったのだろう、ここに住まわせる事に決めたのだ。
でも、それはおそらく建前でしかない。
本当の理由は誰もが分かっていた。
それは……○○が、とても可愛いと言う事。
素直で言う事をよく聞いてくれるのはもちろん、細かい所で気が利くのもある。
そして何より…

「ご苦労様。…うん、綺麗になってるわね。いい子いい子…」
「えへへー…」

この笑顔だ。
褒められた時に見せるこの笑顔…正直、たまらない。
こんな素晴らしい子を見つけてきたナズーリンには、正直感謝しなくてはならないだろう。
あの雲山でさえ、『○○は人間にしてはとてもよく出来た子だ』と評価している。

「あ、そうだ。お掃除は済ませたけど、他にボクに出来る事はある?」
「ん、そうねー…じゃあ、ちょっと必要な物があるからお使いをお願いしてもいいかしら?」
「うん、任せてよ!」

こうして自ら率先して、あれこれやってくれるのはありがたい。
…もっとも、姐さんからは『あまりこき使わないように』と釘を刺されているのだが。

「それじゃ、これとこれとこれをお願いね」
「分かったよー。じゃ、行ってきまーす!」

買い物籠を手に、人里へと走っていく彼の姿を見送る。
……さて、そろそろ再開するとしよう。
私は箒を片手に、掃除に戻った。





……はぁ、相も変わらず人間は驚いてくれないなぁ。
色々な方法を試したりもしたのに、出会う人間はただ私を冷たい視線で一瞥するのみ。
夜中は外を出歩く人間が少ないから意味も無いし…うう、なんて言うか現在進行形でひもじい…。
私は人間を食べる訳じゃないけど…って、ん?
ふと、地上を見ると見知った顔…あれは確か○○くん?
唯一私に対して驚いてくれる貴重な存在だ。
初めて遭遇した時、物凄い驚いてくれたけど…あの時は凄い体がゾクゾクしたのを覚えている。
これって、さでずむって言うのかなぁ?
でも、しょうがない。
だって○○くんがとっても可愛いから、ついいぢめたくなっちゃうって言うか(でも、以前一度だけやりすぎたせいで、入道相手にひどい目に遭ったけど…)。

…うん、決めた。
ちょっと脅かそう。
○○くんにちゃんとした理由を話せば許してくれるもんね。
と言う訳で、見つからないように後ろからそーっと近付いて……傘の舌でべろーんと同時に…

「うらめしやー」
「ひゃ、ひゃわぁっ!?」

素っ頓狂な声を上げて、派手にその場に尻餅を付く。
あぁ、これこれ…心と体が満たされるわー。

「あ、あうぅぅぅ…小傘おねーちゃん…ひどいよぉ……」

あ、ちょっと涙目…うう、そう言う所がまた私のさでずむを…っと、いけないいけない。
弁解しないとまた入道にこっぴどくやられるし…。

「あはは…いきなりごめんね、でも私…お腹が空いてたから」
「うー…」
「ひもじくて、あと少しで死ぬかもしれなかったんだよ?」
「え、え…ホントに……?」

嘘だけど。
でも、こんな反応がまた可愛いのよね。

「むー…ならしょうがないけど……」
「でも、○○くんのおかげで私、助かったんだよ?」
「それなら…いいのかなぁ。……あ、お使いの途中だったんだ。急がなきゃ…」
「じゃあ、人里まで連れてってあげる。いきなり驚かせちゃったお詫びって事で、ね?」

あのお寺から人里までは割と離れている。
空を飛べる私なら、歩いていくよりも時間はかからない。
……まぁ、本音は○○くんともう少し一緒にいたいんだけどね。

「じゃ、じゃあ…お願い……」
「おっけー、それじゃ…行こっ♪」

○○くんの手を取り、空へと飛ぶ。
うふふ、今度はどんな方法で驚かせちゃおうかなー♪

……まったく、ご主人の物を無くす癖はどうにかならないのだろうか。
先日、古道具屋で買った宝具を移送中にうっかり無くしてしまったのを聞いて、私は『またか』と内心呆れていた。
いつぞやの時もそうだったが、何故ああもうっかりしているのだろう。
私には理解出来ない。
更に困った事に、落とした場所の範囲が広すぎて捜索にも時間がかかりすぎていた。
こうなってしまうと、しらみつぶしに探す他無い。
子ネズミもあちこちを探すが、思うようにいかないのが現状だ。
さて、どうしたものか……

「あれ?ナズーリンおねーちゃん?」

後ろから声をかけられる。
この声は○○?

「おや、○○じゃないか。こんな所でどうしたんだい?」
「一輪おねーちゃんのお使いで、人里に行ってたんだよ。…ナズリーンおねーちゃんは?」
「ああ、ご主人がまたいつもの癖で物を無くしてね……」
「じゃあ、ボクも探すの手伝うよ!」

…なに?今、何て……

「だって、困っている人は助けなさいって星おねーちゃんが言ってたもん。ナズーリンおねーちゃんは探し物が見つからなくて困ってるんでしょ?」
「あ、ああ…確かにそうだが……」
「なら、手伝う!手は多い方がいいって言うでしょ?」

う、うむむ…ここまで行くと、やんわり断ってもやると言うのが○○だ。
ここまで来るとテコを入れても動かないだろう。
とは言え、人間の手を借りたいのも現状だ。

「わかった…じゃあ、手分けして探そうか。私はこっちを調べるから、○○は向こうを探してきてくれ」
「向こうだね。…よーし、探すぞー!」

買い物籠を置いて、意気揚々と探しに行く○○。
宝探しでもするような勢いだ。
……まぁ、実際に宝探しなのだが。
さて、私も仕事をしよう…。

そう言えば、2-3週間くらい前だったろうか。
この近隣にて、私のペンデュラムに反応があった先に倒れていたのが○○だった。
最初はただの人間かと思ったのだが、すぐさま命蓮寺へと連れ帰った。
あのまま放置して妖怪のエサになるよりかは、連れ帰って保護した方がいい。
そう直感したのだ。
結果的にはそれが正解だった。

その…あまり大きな声では言えないが、○○はとても可愛い子だ。
私に『その耳と尻尾、可愛いね』と言ってくれた時には心を撃ち抜かれた気分だった。
……まったく、私らしくもない。

「…あれ?これ、なんだろう?……ナズーリンおねーちゃーん!何か見つけたよー!」

おっと、いつまで感傷に浸っている訳にもいかないか。
○○の所へ向かおう。

「なんか綺麗な物なんだけど、ほらこれ」
「…!ここにあったのか。…○○、よくやったぞ」

こんな事くらいしか出来ないが、私は褒める意味で○○の頭を撫でる。

「あ、あうぅぅ…」

嬉しさと恥ずかしさが入り混じったような表情になる○○。
か……可愛い…!って、いかんいかん。
ともかくこれを早くご主人に届けに行こう。

「よし、それじゃあ戻るとしよう。ご主人にこれを届けなければならないからね」
「…ねえねえ」
「どうした?」
「それ、ボクが星おねーちゃんに届けてきてもいい?」

な、何?今、何て…って、さっきも言ったなこれ。
いや、そうじゃない。
宝具を○○がご主人に届ける、だって?
そんな事をしたら……

宝具を届ける

ご主人歓喜

○○独り占め

…いかん、これはいかん!
適当な理由を付けてでも、最悪二人で届けなくてはならない。

「…だが、これはご主人の不始末で無くした物だ。部下の私が届けに行くのが筋と言うだろう?」
「うーん、じゃあ一緒に届けに行く…でいい?ボクも誰かの役に立つ事をしたって証拠を見せたいし……」
「そう…だな。なら、そうしよう」

よし、これで最悪の事態は回避出来た。
…むしろ冷静に考えれば、命蓮寺へ帰る途中は○○と一緒じゃないか。
ふふ…短時間ではあるが私が独り占め出来ると言う訳だな。
少々面倒な事になったが、結果的にこうなった事をご主人には少し感謝しておくとしよう。

「そう言えば、その綺麗なのって何?」
「これかい?これはだね……」

これは帰り道が楽しくなりそうだ。
さて、どうしようかな……。







私とした事が、宝具を無くしてしまうなんて…。
ナズーリンにまた文句を言われてしまいそうだ。
寺を飾る為に古道具屋から買った宝具を、ちょっとした事故で落としてしまうとは不覚もいい所。
……どんな事故かは、私の名誉もあるので秘密とさせて頂く。
ただ、最近命蓮寺の住人となった○○の事を考えてたら、つい…って、これじゃ答えを言っているような物だ。
いけないいけない……けれど、それは仕方の無い事だ。
○○は可愛い。
それが命蓮寺に住む全員の総意なのだから。
出来る事なら、独り占めして可愛がりたいくらい……いや、そうではなくて。
それよりも宝具は無事に見つかるのかどうか、それが不安でならない。
もし○○にこの事が知られたら何て思われるのか…考えただけでゾッとする。
『星おねーちゃん、うっかりしすぎだよ…』と軽蔑の視線で言われてしまうのだろうか?
いや、○○はそもそもそんな事を言う子ではないはず。
けれど、そう言う子ほど逆に……ん?
廊下をドタドタと走る音が聞こえる。
こんな事をするのは、私が知る限り二人しかいない。
ぬえと、もう一人は……

「星おねーちゃん、ただいまーっ!」

○○だった。

「ああ、○○。元気なのはいいけれど、もう少し静かに……」

そう言えば、確か雲居が○○を人里へお使いに出したと聞いたような。
用事は済ませたと言う事なのだろう。

「あう、ごめんなさい…。あ、そうそう…これ、探してたんでしょ?ほら」

そう言って、○○が私に差し出した物。
それは……

「ああ、これは……!」
「ナズーリンおねーちゃんから聞いたよ。それを落として困ってたんだって?」
「え、ええ…そうよ」

…なんて事だ。
恐れていた事が現実となってしまった。
この毘沙門天の弟子たる私の誇りが、一気に崩れ落ちてしまうではないか。
どうすれば……

「星おねーちゃん、ボクにこう言ったよね。『困っている人を見かけたら、例えそれが妖怪であっても助けなさい。見過ごしてはなりません』って」

確かに○○にはそう教えたけれど…

「星おねーちゃんが、その綺麗な物を落として困ってたって聞いたから…ボクもそれを探すお手伝いをしてたんだよ」
「まったく、ご主人には呆れた物だよ……物を無くすのはこれで何度目なのか…」

う、うぅ…ナズーリンにそう言われると、全く反論すら出来ない……

「でも、誰にだってそう言う間違いとかはあるんじゃないの?あんまり悪く言っちゃいけないよ?」
「う、○○がそう言うのなら仕方ない、か……」

さすがにナズーリンも○○には弱いのか、私への文句もそこまでで止めた。
…いや、それよりも○○は私を擁護してくれたのか?
その優しさに、少しだけジーンとなる。

「と、ともかく…よくぞ見つけてくれました。ありがとう、○○」
「えへへ、どういたしましてっ」

ああ、可愛い。
元々は私が○○の事を考えるあまりに引き起こしたミスだったけれど、結果的にはその○○に助けてもらったとも言うのだろうか。
やはり、○○はいい子だ。

…ナズーリンがジト目で私を見ているような気もするが、気にしないでおこう。








──夜。
一日が終わる。
…夕飯には今日の当番だったムラサが(主に○○絡みの事で)暴走したり、お風呂に○○が入ってる所へぬえが乱入して一悶着あったりもしたが、概ね今日も平和に終わった。
そして、私の横には○○が寝息を立てている(保護者特権として毎日一緒に寝ているとは、あまり大きな声で言えないのだが)。

最初、ナズーリンが○○を見つけてきた時は驚いた。
外の世界の人間がこの世界に紛れ込む事は、さほど珍しくはないにせよ…こんな小さな子供がどうして?と思った物だ。
だが、それよりも先に気付いた物…それは体中がボロボロで、ところどころに痣のような痕が残っていたのだ。
何かの事件に巻き込まれた?それとも事故?或いは…?
理由は分からないにせよ、私は彼を命蓮寺で保護する事に決めた。
この事には誰も反対する者はおらず、満場一致でそうなったとも言うのだけれど。

…それからと言うもの、○○はすっかりここに馴染んでいる。
本当に彼はいい子で、とても可愛い。
私の事を「お姉ちゃん」と呼ばせているのは…まぁ、その、年のやたら離れた可愛い弟のような感覚と言うか。
ともかく、そう呼ばせたかったのだから仕方ない。

「ん、ぅ……ぁ、あぁ…」

ふと、○○の声に気付く。
何かにうなされている様子…これは”また”悪い夢を見ているのか。

「やだ…やめ、やめてよ……おかあさん…。なにも、わるいこと、してない、のに…」

…最初はただ、悪い夢を見ていただけなのだろうと思った。
だが、それが何度か続く内に私はある事に気付き、確信した。
○○の体中にある痣……寝言を聞く限り、おそらく彼は外の世界で親から日常的な虐待を受けていたのだろう。
私は覚りではないので心の奥底を覗く事は出来ない。
だから詳しい事は分からないし、何があったのかを聞く事など出来る訳がない。
一つ、確かに言える事があるのなら…彼は深い心の傷があり、それを表に出さないよう私達に振舞っている。
それだけだった。

「……っ、ぅ……」

目は涙に濡れている。
よほど辛い仕打ちを受けていたのだろう…。
私に出来る事は……

「……ぅ?…お、ねーちゃん……?」

ただ、優しく抱き締めるだけ…。
少しでも心の傷が和らぐのならば、それでいい。

「また…悪い夢を見ていたの?」
「……うん…」

母が子をいたぶるなど、そんな事は到底許される物ではない。
可能なら、私が直接外に世界に出向いて彼の母親を説教したいくらいだ。
何故、こんないい子が虐待を受けなければならないのか?
人間は昔から何も変わっていないとでも言うのだろうか?

「でも、大丈夫…だよ。おねーちゃんが、こうしてくれるから……」

本当は泣きたいだろうに、○○は無理に笑ってみせる。
それが私には悲しく思えた。

「ここのみんなは…ボクにいっぱい良くしてくれるから……。向こうにいた時なんかよりも、ずっと…」
「それはそうよ。だって、みんな○○の事が大好きだもの。もう、家族のようなものだから……」
「……ねえ、おねーちゃん」

ふと、○○と目が合う。
汚れを知らない、純粋な眼に引き込まれそうになる――

「ホントにボクはここにいてもいいの…?」
「もちろんよ。…○○はどうなの?いつまでもここにいたい?」
「うん…。帰りたくなんてないよ……」

それを聞いて、私は安心した。
仮に外の世界に帰ってしまうとすれば、また虐待される日常に逆戻りとなるだろう。
そんな事をされるくらいなら、私が責任を持ってこの世界で保護した方がいい。
…そう思うのは身勝手な事なのだろうか?

「ボク、おねーちゃんの事…大好きだし……離れたくない…」

彼の一言に、私の心は大きく揺さぶられる。
こんな小さな子だと言うのにドキドキするなんて…自分でもどうかしていると思う。
せめて○○がもう少し大きければ……って、私は何を考えているのか。
そんな不埒な事を考えているようでは、保護者失格だ。
冷静にならなくては…。

「くすくす…私も○○は大好きよ?」

と、○○の頭を撫でる。
…いつか彼が大きくなった時にも、私に同じ事を言う日は来るのだろうか?
もし、その日が来るのなら私は……

「…おねーちゃん、もう少し…このままでいてもいい……?」
「ええ、いいわよ。だから、早くお休みなさい」

…それから程なくして、○○は再び眠りに付いた。
彼がこの世界で暮らす内に、心の傷が癒える日は来るのだろうか?

……いや、きっと来るだろう。
そう信じたいものだ。
これから騒がしくも平和な日々が長く続く事を願いつつ、私も目を閉じた。


最終更新:2010年11月04日 01:59