分類不能10

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「輝夜!! 今日こそ決着をつけてやる!!」
「ふふっ……返り討ちにしてあげる」

「やめてくれっ、二人とも!!」

「○○!? 危ないから下がってて!!」
「○○、すぐ終わらせるから向こうで待ってなさい」

「俺のことはどうでもいいんだ!! 頼むから、これ以上戦うのはやめてくれ!!」

「○○……ごめん、いくら○○の頼みでもこれだけは――」
「……あなたには関係の無いことよ、○○。これは私と妹紅の問題――」

「これ以上、惚れた女が傷つく姿は見たくないんだ!!」

「「えっ!?」」

「だから、頼む……もう、やめてくれ……!」

「「○○……」」

「お願いだ……二人とも……」

「……そう、だね…………うん、分かったよ○○」
「とりあえず、今日のところは……ね」

「あ、ありがとう、二人とも!」

「感謝してよね、輝夜。
 ありえないことだけど、○○が私が傷つくのが嫌だって言ったおかげで
 あんたは無事に今日を過ごせるんだから」
「ふざけたことは言わないでくれるかしら?
 ○○は私が傷つくのを嫌がったのよ。理解できたら○○と私に感謝しなさい」
「…………私だ」
「…………私よ」

「あ、あの……二人とも?」

「「○○!!」」

「は、はいっ!?」

「私が好きなんだよね!?」
「私が好きなのよね!?」

「え、えっと……」

「はっきり言ってあげて、○○。
 じゃないと勘違いしたどっかの馬鹿姫がつけあがるから」
「遠慮しないでいいのよ、○○。
 どこかの暑苦しい馬鹿娘は鈍いから口に出さないと誤解し続けるだろうから」

「う……あ……その…………俺が好きなのは――――」




(省略されました。各自の妄想で補完してください)

9スレ目 >>634

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「よし、魅魔様結婚してくれ……あれ?魅魔って誰だ?」

まぁいいか。
おっ!あそこにいるのは…

「ゆうかりん結婚してくれ!」

あっ! エリーさん止めて鎌痛い鎌痛いっ アッー!


ふう、痛い目にあった。
おっ!あそこにいるのは大妖精!

「麗しき妖精さん。僕と結婚してくれたまえ」

「……本名で呼んでくれたら、いいよ」

ごめん無理

「〇〇のバカッ!大っ嫌い!」

ふぅ愛の道とは厳しいものだな

「そこでだ。この際男の子でいいから結婚してくれリグル!」

「〇〇……〇〇だけは、私のこと女の子として見てくれてるって……信じてたのにな。 さよならっ!」

ふっ……涙も綺麗だよリグル……ってもういねぇ

ならばもう一度ゆうかりんに声を

「血ぃ吸うたろか?」

くるみさんごめんなさい許してください。


「――という経緯で女性運がないんです。 だから厄神様結婚してください」

「あっ そう」

お、脈あり?!

「おことわりよ」

そうっスか。ごめんなさい

「最初に断っておくと、私●●と付き合ってるからね」

ぐはっ! 早苗さん先制かよっ!



……はぁ、緑の髪の女の子を求めて幻想郷まで来たのに無駄足か。

おっ!まだ一人いるっ

「緑の毛玉さん。結婚してくれっ」

「だが断る!この毛玉が最も好きなことの一つは『ドットイートのようなマゾプレイにNo!』と言ってやることだ」



緑ザコ妖精
「〇〇っていつ来るのかな?今からドキドキしちゃう!」

9スレ目 >>979

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「めーりんおねーちゃん、お花の水やりおわったよ」

「ありがとう、○○君。ご褒美にこの飴をあげる」

「うわぁ、ありがとう」

 ああ……、やっぱり○○君は素直でかわいいなぁ。
 
 こういうタイプの子って私の周りにはいないから、ついつい可愛がってしまうんですよねぇ。

「じゃあ、お姉さんはまだ仕事があるから先に館の中へ入ってて」

「うん! また後でね、めーりんおねーちゃん!」

 彼は元気よく走り去っていった。

 さて仕事に戻……、っと白黒がやって来ましたね。

 紅魔館門番としての意地、今日こそ見せます!。
























「あ、ちょうどいいところに。」

「どうしたの? フランおねーちゃん?」

「今からおやつを食べようと思ってたんだけどね。○○も一緒に食べようよ」

「うん、ぼくも食べる!」

「じゃ、行こっ!」

 彼の小さな手をとり、一緒に歩く。

 その顔は本当に幸せそうで、見ているこっちも楽しくなってくる。

 と、私の視線に気がついたのか彼は口を開いた。

「ぼくのかおに何か付いてる?」 
 
「ううん、何にもないよ」

「そうなの? かおにイタズラとかされてない?」

「大丈夫大丈夫。もし○○にイタズラするやつがいたら、フランおねーちゃんがやっつけてあげるんだから」

「うん!」

 私の答えに安心したのか、元の楽しそうな顔に戻った。









 そうこうしているうちに食堂に着いた。

 お姉さまはいつも紅茶やおやつは自分の部屋に運ばせるけれど、私はこっちで食べる。

 だってここならいくらでもおかわりができるから。

「ぼく、このケーキにするー」

「じゃあ、私はこっちね」

 彼はショートケーキ、私はチョコレートケーキを皿にのせ、席に着いた。

 この食堂は半分セルフサービスみたいになっているのだ。

「いただきまーす!」

 席に着くなり、○○はケーキを食べ始めた。

 これほどおいしそうにケーキを食べる人を私は見たことがない。

 それぐらい嬉しそうな顔だった。

 この顔をもっと見ていたい。

 そう思った私は、私のケーキをフォークに一口分のせ、彼の方へ持って行った。

「ほら、○○。あーん」

「あーん。……うん! おいしい!」

「そう、良かった」

「じゃあ、フランおねーちゃんも。あーん」

 彼も私と同じことをしてきた。

 せっかくだからもらっておこう。

「あーん、んっ。ありがとう○○」

「うん、フランおねーちゃんもありがとう」

 満面の笑みでそう言ってくれた。

 彼を見ていると、本当に穏やかな気持ちになれる。

 それは今までの私が持ち得なかった感情だ。

 だから私は彼のことを大切に思う。

 そう、お姉さまと同じくらいに。

「ごちそうさま。じゃあ、ぼく本がよみたいから図書館にいってきます」

「はい、いってらっしゃい」

 幸せな気持ちで彼の後ろ姿を見送った。

   

 
  






















「これどうしましょうか? パチュリー様?」

「元の場所へ戻すしかないでしょ」

「これ、全部ですか~!?」

「ええ、頼んだわよ小悪魔」

「うう、わかりましたぁ……」

 目の前の小悪魔がしょげている理由、それは魔理沙に奪われた全ての本が一度に全て帰ってきたからだ。

 やはり○○に頼んで正解だった。

 さしもの魔理沙もあの子に涙目で『借りた本は返してよぉ……』なんて言われたのは相当こたえたと見える。

 まぁそれを見越して事前に○○に、魔理沙はとっても怖い魔女だから食べられちゃうかも、なんて吹き込んだんだけど。

 そんなことを考えていると重いドアの開く音とともに、元気な声が聞こえてきた。

「こんにちはー! パチュリーおねーちゃん、こあおねーちゃん!」

「こんにちは、○○。今日も本を読みにきたの?」

「うん! あれ? これどうしたの?」

「こんにちは○○君……。えっと、魔理沙さんがさっき返しにきたんです……」
 
 力無い様子で答える小悪魔。

「そうなんだ、ちゃんとかえしてくれたんだぁ。でも、なんだかこあおねーちゃん元気ないね」

「片付けるのは小悪魔だから」

「うう……、これ一人で全部片付けるなんて無理ですよ!」

「別に今日中にやれってわけじゃないから。それだったらできるでしょ?」

 面倒な仕事は押し付けるに限る。
 
 たとえ喘息の調子が良かったとしてもこんなことをする気にはなれない。

「じゃあ、ぼくもてつだう!」 

 ここで思いもよらない発言が飛び出した。

「あなたがやらなくてもいいのよ。これは小悪魔の仕事だから」

「でも、めーりんおねーちゃんが女の子にはやさしくしなさいって言ってた。だから、ぼくもお手伝いする!」

 この子は普段は素直だが、こうなると頑固だ。

 まぁ今回は特に問題もないし、やらせてみるか。 

「ふぅ、わかったわ。そのかわり小悪魔の言うことをよく聞くのよ」

「パ、パチュリー様!?」

「私は部屋に戻ってるから、何かあったら連絡しなさい」

 まあ、何か問題が起これば全部小悪魔のせいにしておこう。

 図書館を出ながらそんなことを考えていた。 














 うう……。ひどいですよ、パチュリー様……。

 これだけの量の本を片付けろなんて。
 
 ○○君も手伝ってくれるとは言いましたが、彼が運んでくれる量はたかが知れています。

 それに万が一、彼に怪我でもさせたら私の命はないと思います。

 それぐらい彼は皆に可愛がられているのです。

 紅魔館内で人気投票でもしたら、きっと彼がぶっちぎりで一位でしょう。

「こあおねーちゃん、早くやろうよ」

「うん、じゃあこの二つをお願い」

「ええー、もっとはこべるよ」

「でも、それ以上持つと危ないから……」

「だいじょうだよ。ぼくにまかせて」

 そう言い、彼は持てるだけの本を抱えました。

 ただ、持ち上げたはいいもののその足取りはふらふらしています。

 ああ、今にも倒れそう……。

 と、やはりというか何というかバランスを崩してしまいました。

「あ、危ない!」

 私は彼を守るため飛び込みました。









 
 床に散らばったたくさんの本。図書館に舞い散るほこり。

 なんとか、○○君が怪我しないように私が下敷きになれました。

「大丈夫? ○○君」
 
「う、うう……」

 あれ? 涙目になってます!?

 どこかを打ち付けたんでしょうか?

「ホントに怪我ない? 大丈夫?」

「ぼく、てつだうっていったのに……。じゃましちゃった……」

 どうやら怪我をしたのではなくて、失敗した自分を責めているようです。

 本当に律儀な子ですね。

「いいの。怪我がなくてよかったんだから」

「でも……」

 彼の手をとり、ほこりを落としてあげながら立ち上がります。
 
「それに手伝ってくれるって言ってくれただけですっごくうれしかったよ」

「ぐす……。うん、わかった!」

 彼の頭をなでながら言ってあげました。

 彼は涙をぬぐい、すぐに元気な様子になりました。  

「じゃ、とりあえず今日の目標は百冊! さっさと終わらせちゃおう!」

「うん!」

  

























 人気のない廊下を歩いていると向こうから○○がやって来た。

「あ、○○。いいところに」

「どうしたの? 咲夜おねーちゃん」 

「ちょっとあなたにお願いしたいことがあったの。今暇かしら?」

「うん。おねがいって何?」

「あなたに私が作った服を着て欲しいの。いいかしら?」

「うん、いいよ」

 よし、第一段階は成功。

 せっかくあれが完成したのだ。

 いますぐにでもあの計画を実行しておきたい。

「じゃ、ついて来て」














 

「か、かわいい……」

「この服、ホントにもらっていいの?」

「ええ、似合う人に着てもらうのが一番だから」

「ありがとう、咲夜おねーちゃん」

 目の前にはフリルのついたメイド服を着た○○。

 満面の笑みでこちらを見つめる様子はとても愛らしく、今すぐにでもお持ちかえ……。

「咲夜おねーちゃん、どうしたの?」

「はっ……! な、何でもないわ。大丈夫よ」

「ふぅん」

 あ、危ない危ない。

 いくら何でもそれはやっちゃだめだ。

  しかしそれにしても……。

「咲夜おねーちゃん、鼻血がでてるよ」

「うっ!」

 時を止め、ティッシュで慌ててふき取る。

 何て破壊力だ。ただ着せただけでこれほどとは。

 頑張って作った甲斐があったというものだ。

 落ち着いたところで時を戻し、何事もなかったかのように振る舞う。

「あれ? みまちがいかなぁ?」

「ええ、きっと見間違いよ」

 少しの間考えていた○○だったが、納得したのか無邪気な顔に戻った。

「ねぇねぇ、咲夜おねーちゃん。この服、みんなに見せてきていい?」

「ええ、いいわよ」

「うわぁい! 行ってきます」

 ふふ、計画通り。

 これで皆にあの服を着た○○のかわいさをわからせれば、あの服を彼にいつも着せていられる……。

 スカートの端がドアの向こうへ消えるのを見つめながら、ついついほくそ笑んでしまった。   




 























 夕暮れ時のティータイム、それは私にとっての至福の一時。

 起きてすぐにおいしい紅茶を飲む。これほど幸せなことはない。

 そんな感慨にふけっていると、どたばたした音と共にドアが開けられた。

「レミリアおねーちゃん! こんばんは!」

「○○、あれほどノックをするようにと……」

 彼の姿を見たとき、飲んでいた紅茶を吹き出しそうになった。

 その服は明らかに男物ではなかった。

 いや、普通の少女でもまず着ないだろう。

 それはメイド達の着ている服にごてごてとしたフリルをたくさんつけたものだった。

「○○……」

「えへへー、似合うでしょ」

 心底嬉しそうな顔をしている。

 そんな様子の彼を見て、私は眉間を指で押さえながら問いかけた。

「その服はどうしたのかしら?」

「えっとねー、咲夜おねーちゃんがくれたの」

 咲夜……。

 ときどき彼に熱っぽい視線を送っているのは知っていたが、まさかここまでとは……。

 しかし、ここまで似合う彼の方にも問題があるのかもしれない。

 何せ下手な女の子よりも女の子らしいからだ。

「じゃあ、ほかのひとにもみせてくるー。またね、レミリアおねーちゃん」

「ええ……」

 入ってきたときと同じように、また慌ただしく部屋から出て行った。

 






 落ち着いたところで再びカップに口をつけた。

 それにしても彼が来てからこの館はずいぶんと明るくなった。

 最近メイド達が彼のことを話しているのをよく耳にする。

 咲夜もあの入れ込み具合だし、美鈴は美鈴でよく彼と楽しそうに話しているのを見かける。

 図書館にも入り浸っていると聞くからパチュリーや小悪魔とも親しいのだろう。

 フランともよく遊んだり、おやつを食べたりしているようだ。

 きっとフランから見れば幼い弟ができたような感覚なのだ。



 そこまで考えて私はどうなのだろうと思った。

 いや考えるまでもないか……。あの子が来て一番感謝しているのは私だ。

 彼は私とフランの距離を縮めてくれた。今まで離れるばかりだったあの子との距離を……。

 それだけじゃない。彼は紅魔館に住む皆の距離を近づけてくれた。

 そして私は彼のおかげで、そのことを好ましいことだと思えるようになった。

 だから私は感謝している。あの子の存在に。あの子のあり方に。

 私はカップに残った紅茶を飲み干した。

 紅茶はすでに冷めていたが、満ち足りた気分で飲むそれは格別の味だった。






 ただ一つ残念なことがあるとすれば、廊下から聞こえてきたメイド達の黄色い声がその余韻をぶち壊してくれたことだ。

11スレ目>>222


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「はぁ……、ホントに師匠は人使いが荒いんだから」

 なんて一人ごちるのは、私こと鈴仙・優曇華院・イナバ である。
 
 私の師匠、八意永琳はそれはもう人を馬車馬のようにこき使うのである。

 やれ薬草を取ってこいだの、やれお使いに行けだの。

 今日だって私一人で大量の薬を里に売りに行ってきた。

 これだけ働いているんだからついつい愚痴の一つも言いたくなってくる。

 ああ、何か癒しになるものでもあればなぁ。

「あ。れいせんおねーちゃん、みーつけた」

 居たよ。しかも私の目の前に。

 つぶらな黒い瞳に短く切りそろえられた髪。

 その様は本当に愛らしく純粋で、腹黒ぞろいの永遠亭で暮らしていてよく毒されないなぁ、なんて思ってしまう。

 ああ、彼みたいな子を見てると心が洗われるなぁ。
 
 なんて一人でほのぼのしてると、彼は思いもよらないことをしてきた。

「えいっ!」

「きゃっ!」

 なんと私のスカートの端をつかみ、それをおもいきりめくり上げたのだ。

「やった!」

 そんな声を残し彼は走り去って行った。

 そんな……。あの、素直でかわいい○○君がこんなことするなんて……。

 うう、絶対悪い夢に違いない。

 そう思ってほほをつねってみたが、ただ痛いだけだった。

 しばらくの間、私は呆然と立ちつくしていた。



 

 

 どれぐらいそうしていたがわからないが、唐突にこのままじゃいけないと思った。

 このダメ人間ばっかりの永遠亭で彼を叱ることができるのはきっと私だけだ。

 だから、彼のためにも叱ってあげなくちゃ。

 そして私は彼を探し始めた。







 少し歩いたところ、そう遠くない部屋から彼の声が聞こえてきた。

 どうやら誰かと話しているようだ。

 ええい、でもそんなの構うもんか。
 
 彼の未来のためにも、ちゃんと叱ってあげなきゃ。

 だが、戸を開けようとしたところで驚くべき言葉が聞こえてきた。

「輝夜おねーちゃん、やくそくのゲームちょうだい」

「はいはい。それにしても白かぁ。イナバももっと派手なのをつければいいのに」

 あんたの差し金か! いい年してこんなこと子供にやらせるなよ……。

 呆れた私は戸に手をかけたまま硬直してしまった。

「じゃあ、○○。今度は永琳のをお願いね」

「えーりんおねーちゃんの?」

「そう。成功したらまたゲームをあげるから」

「うん、わかった!」

 え!? 師匠に私と同じことをやる!?

 そんなこと師匠にやったら……。







 問答無用でお仕置き 





 
 
 こんな結果になるのが容易に思いつく……。

 ぶるっ。寒気を感じた私は両の腕で自分の体を抱いた。

 師匠のお仕置きって、それなんて拷問ですか。

 私の五感が命の危機を伝えてくる。

 もし巻き込まれでもすれば命はない!

 彼には悪いけど……、私は自分の命の方が大事なの!

 先ほどまでの勢いも消え、私はすっかり怖気づいてしまった。

 そして自分の部屋に引きこもるため、そそくさと元来た道を戻って行った。
    
































「遅いわね。ウドンゲ」

 薬品の整理をしながら、私は思いついたことを口にした。

 里の方まで行かせはしたが、ここまで時間がかかるものだろうか。

 まぁ何だかんだであの子はやればできる子だから、大丈夫でしょ。

 そう結論づけ、薬品棚の戸を閉めた。

 と、そこで部屋へ誰かが入ってくる気配がした。

 この気配は……、○○か。

 どこかを怪我でもしたのだろうか。

 そう思い、後ろを振り返ろうとしたところで彼は私にしがみついてきた。

 あらあら。何か怖い思いでもしたのかしら。

 いつもは明るい彼がこんなふうに怖がるなんて。

 そこまで考えてつい苦笑してしまった。

 全く、何だかんだで微笑ましい子ね。

 しかし私の考えは的外れなものだった。

 なぜなら彼はいきなり私のスカートを思い切りまくり上げたからだ。

「ちょっ、○○っ!」

 彼は逃走しようともう後ろを向いていた。 

 そうはいかない!
 
 私は一瞬で平静を取り戻し、彼の首根っこをつかんだ。

「うわっ!」

 抵抗するかと思われたが、悪いことをしたと思ったのか彼は素直にこちらに従った。

「○○、これはどういうことなのかしら?」

「え、えっとね……。これはね、その……」

 訂正。ただ怖がっているだけだった。

「早く理由を言いなさい」

「う、だから……」

「何なら、注射をしてあげてもいいのよ」

「ひっ、あの……輝夜おねーちゃんが……」

 そこまで聞いて私は頭が痛くなるのを感じた。

 姫様……。確かに姫様ならやりかねない。

 どうせ物か何かで釣ったのだろう。

 そうでなければ彼がこんなことするとは思えない。

 ただ、それでも叱っておく必要はあるが。

「○○、悪いことしたって自覚はある?」

「あの……、その……ごめんなさい」

「ふぅ、今回だけは大目に見てあげるわ。次に同じようなことをしたら……わかってるわね」

 机の上に置いてあった注射を手に取りながら、そう言い放った。

 彼はよほど怖いのか、青ざめた顔をしてぶんぶんと首を縦に振った。

「じゃあ、わかったら行きなさい」

 彼を解放すると、あっという間に部屋から出て行った。

 まぁ、これくらいのお灸はすえる必要があるだろう。

 さて、もう一つの仕事に取り掛かりましょうか。

 私は頭を抑え溜息を吐きながら、部屋を出た。

































「あら、どうしたの永……ぎゃーーーーーー!」



(輝夜を)問答無用でお仕置き ――了 

11スレ目>>234

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最終更新:2010年06月05日 11:51