分類不能11
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パ:パチュリー、小:小悪魔、咲:咲夜、フ:フラン、紅:中国、レ:レミリア、○:○○ です。
○「ぱ、パチュリーおねーちゃん!こあおねーちゃん!たいへんなんだよ、きいて!!」
パ「? どうしたの、○○。何かあったの?」
○「うん、その、あのね・・・・・ぱ、パンツがないんだ、どこにも」
咲「何ですってえええええ!!(ガシャーーーーーーーーン!)」
○「うわあああ!!パチュリーおねーちゃん、もっとたいへんだよ!
さくやおねーちゃんが突然せんたくきの中から飛び出してきちゃった!!」
小「あらあらもうこの際メイド長が犯人でいいんじゃないでしょうか?頭にパンツついてますよメイド長」
咲「ふ、ふざけないで小悪魔!!
私が○○のパ・・・パ・・・パ・・・おぱんつを盗んだりするわけないでしょう!」
○「うわっ!こ、怖いよぅ・・・
なんかさくやおねーちゃんの息が荒いよ・・・うぅ」
パ「咲夜あなた今時おぱんつなんて名称でパンツのこと呼ぶ人間いないわよ ちょっともうあなたが犯人でいいわよ」
紅「おっはよーございます!なんか朝から騒がしいですねえ」
○「あ、おはようめーりんおねーちゃん!うるさくてごめんね」
パ「ああ、ちょうどいいところに来たわね門番」
小「ちょっと大変なんですよ、○○くんのパンツが盗まれちゃったらしくて」
咲「誰が犯人なの!○○の柔らかく薄い穢れなきおぱんつを連れ去った犯人は・・・・・
・・・・中国!あなた!?あなたなのかしら!?」
紅「う、うわあ・・・・なんですかこの頭にパンツさげて大騒ぎしてる、咲夜さん・・・?は。
なんか気持ち悪いです」
○「めーりんおねーちゃん!
きもちわるいなんて言っちゃダメだよ、さくやおねーちゃんは今ちょっとあわててるだけなんだよ。
そうだよねさくやおねーちゃん?」
咲「っ!・・・・・・○○!!!(ガバァ!)」
紅「う、うわぁーーーーーー!
なんですかこの人は!本当に咲夜さんなんですか!?ちょ、○○くんから離れてください怖がってます!」
パ「というかその前に咲夜は頭についてるパンツから外したほうがいいんじゃないかしら。ただの本当に変態にしか見えないわ」
フ「ねえ、何この早朝から変質者に襲われる少年の図は?私も仲間に入っていい?」
紅「いいわけないでしょうフラン様ぁ!見てないで早く咲夜さん引き剥がすの手伝ってくださいっ!」
咲「触らないで頂戴中国!私に触っていいのはレミリアお嬢様とメイド服に身を包んだ実に萌える○○だけよ!」
小「あらあらこれはちょっとした心の病気ですねぇ」
パ「この変態をどうしたらいいのかしら」
フ「うーん、私はメイド服なんて媚びた文化じゃないそのままの○○の方が好きだけどね」
咲「そのまま・・・生まれたままの姿・・・・・い、いい!!」
○「うわーんたすけてよさくやおねーちゃんの息が荒すぎてかみの毛がなびいてるよー!」
紅「何ですかその無駄な肺活量は!」
パ「しかもミントみたいないい匂いするのが尚更むかつくわね」
小「あ、そうそうメイド長が面白くてすっかり忘れてましたけど○○くんのパンツが盗まれたんですよ~フラン様」
フ「え、それは大変ね。どうせ中国じゃない?」
咲「・・・・フラン様あなた私のこと嫌いなんですか?」
小「ちょっとちょっと、○○くん苦しがってますよ」
フ「えへへ、でも私○○のそういう顔好きだな~・・・撫でてあげる(なでなで)」
小「あ、じゃあ僭越ながら私も(なでなで)」
パ「本当に可愛いわね(なでなで)」
紅「じ、じゃあ私もn「ああでもそんなに撫でる手はいらないわね。門番が抜けたらいいんじゃない?」
紅「・・・・いいかげん泣きますよ私」
咲「勝手に泣けばいいでしょう!
そして『私が○○の純白のおぱんつを盗みました』と白状しなさい中国!」
小「あらあら頭にパンツつけてるメイド長には死んでも言われたくないセリフですね~流石にかわいそうです中国さん」
フ「いいのよ小悪魔。かわいそうなところが中国の魅力でしょ?」
パ「そうね、かわいそう以外に特に魅力はないわねあなた」
フ「ていうか中国=かわいそう?みたいな?あはっ」
紅「(えっほんと泣きたい!)」
パ「ねえ、今さらだけど○○本当にパンツ盗まれたの?」
○「あ、えっと・・・・ぬすまれた、のかな?全部なかったんだけど・・・」
パ「ふぅん・・・・・ということは今○○ノーパンなのね」
咲「ちょっとパチュリー様!あんまり○○に破廉恥な質問をしないでいただけますかしら!
・・・それで、○○ノーパンなの?」
フ「全く咲夜は○○のことになると見境がないなぁ。で、ノーパンなの?」
小「それは大変ですね○○くん。今日は私のパンツ借りておきますか?」
パ「じゃあ○○の次に私がそのパンツ借りるわね、小悪魔」
咲「いいえ私よ。私も今ちょうど下着を全て燃やしてしまったところで」
フ「咲夜はその頭についてるパンツをはけばいいじゃない。私が借りるのっ」
紅「ここには変態しかいないんですかーーーーーーー!!!(泣いた)」
レ「・・・・・・○○(こそ)」
○「あ、レミリアおねーちゃんだ!こんな朝早くにめずらしいね、どうしたの?」
レ「ええ・・・・・その・・・・・・(もじもじ)」
○「? どうしたのおねーちゃん。なにかあったの?」
レ「こ、これ・・・・あなたの洗濯物だけど・・・・・洗っておいた、わよ・・・・・・(ぼそぼそ)」
○「う、うわぁ!ありがとうレミリアおねーちゃん!
・・・・・・あ、ぼくのパンツここにあった」
「え、犯人お嬢様だったの!?」「あらあら」
あとで話きいたらレミリアおねーちゃん、なんとぼくのためにあたらしいドラム式せんたくきを買って自分の手でおせんたくしてくれたんだって!
やっぱりレミリアおねーちゃんはやさしいなー。
ぼくも今度おねーちゃんのおようふく、おせんたくできるようにがんばろうっと。
ありがとう、レミリアおねーちゃん!!
(こあおねーちゃんは「あら~レミリア様が洗濯してくれたんですか?素敵なお嫁さんになれますね」っていってた。
さくやおねーちゃんは「○○、やっぱりノーパンなの!?」ってさけんでた。
フランおねーちゃんは「○○、ノーパンなの?」っていってた。
パチュリーおねーちゃんは「まあどっちでもいいわ、脱がしちゃえば同じことだし」っていってた。
レミリアおねーちゃんはまっかな顔しておへやにかえっちゃった。
あと、もうやだ!!やめる!バルス!!って泣きながらめーりんおねーちゃんがいってた。)
今日もすごくたのしかったよ!
11スレ目>>346
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#鈴仙4-うpろだ629の続き
登場人物
○○:主人公。妖怪。鈍感。礼儀正しい。
優曇華院:電波。4人の中では純情っぽいイメージ。恋煩い。
永琳:S。サド。薬いじめ大好き。でも○○のことはちゃんと考えている。
てゐ:友達以上恋人未満。でも恋人になるのも時間の問題か。
輝夜:NEET。廃人。依存症(料理的な意味で)
「・・・・・・・・ん~・・・寒い・・・・」
目覚めると周りの竹が僕を覆うように囲んでいた。
そうだ、結局昨日は竹林で寝たんだった。
「・・・・」
辺りは静寂。自分が動く音だけがやけに大きく響く。
「・・・・・・・・・」
音が無い。
何故かそれだけで不安を感じるようになってしまった。
2000年この生活をしてきたはずなのに、たった一年、人の世界に紛れるだけでこうも違ったように思えるとは。
「慣れって恐ろしいなぁ」
ガラッ
「・・・・失礼しまーす・・・・」
とりあえず一日たったので、永遠亭に戻ってみることにした。
ちなみに今は大体朝の6時ごろ。普段なら、まだ誰も起きていない時間帯である。
しかし、廊下を歩いていると居間に誰かがいる気配がした。
「誰だろう・・・・」
廊下からなるべく音を立てないように居間を覗いた。すると・・・・
「あれは・・・・てゐ?」
てゐが、テーブルのイスに座ったまま寝ているようだった。
「そーっと、そーっと・・・・」
気づかれないようにてゐに近づく。
やっぱり寝ていた。
「こんなところで寝ると風邪引くのに・・・・って、人のことは言えないな、僕も」
とりあえず毛布を掛けてあげることにした。なかなか可愛い寝顔だ。
それにしてもなんでこんなところで寝てるんだろう?
「ん・・・・・ん~」
起こしてしまったようだ。さっさと立ち去るべきだったか。
「・・・・・?」
寝ぼけ眼でこっちを見つめてくるてゐ。なんだか微笑ましい。
せっかくだからこっちも見つめ返すことにした。
「・・・・・・・・(ジー)」
「・・・・・・・・・!!」
「うわっ」
ボンっと音がするかのようにてゐの顔が急に赤くなった。
いきなりだったので驚いてしまった。
「・・・○○・・・・見た・・・・・?」
「え・・・・何を?」
「見たの?見てないの?」
「だから何を・・・?」
「・・・・そ、それならいいの」
「・・・?」
なんだか様子がおかしい。
ちょっと気になったけど、そろそろみんなが起きてくる頃だし、朝ごはんの用意しなくちゃな。
「じゃ、また後でね」
「う、うん」
僕は台所に向かうことにした。
「行った・・・・よね?」
それにしても危なかった。作業中にうっかり寝てしまうとは。
これを見られたら、元も子もない。
「早く完成させないと・・・・」
そう、てゐはマフラーを編んでいた。
世間はもうすぐクリスマス。そのプレゼントとして、編んでいたのだ。
もちろん、○○以外にもプレゼントは用意してあるが、○○には、特別なプレゼントをあげたかった。
しかし、てゐはマフラーはおろか何も編んだ経験が無い。
図書館へ行ってその手の本をパチュリーから借りたのが一週間前である。決して盗んだわけではない。
「○○は・・・・クリスマスを知ってるのかな・・・・」
「あ、鈴仙さん。おはようございます」
「え・・・?○○、帰ってたの?」
「ええ、ついさっきですけど」
部屋から出たら、○○がいた。
いつの間にか帰っていたようだった。
「それにしても、いつもより起きるの早いですね」
「そ、そうかしら。いつもこんな感じだったわよ」
言える訳が無い。○○のことを考えてたせいで全く寝付くことが出来なかったなんて。
おかげで寝不足気味だ。
「そうだったかな・・・・・まぁいいや、それより、鈴仙さん、ちゃんと寝てますか?」
「・・・・・どうして、そう思ったの?」
いきなりの図星でビックリした。
まさか見られてたなんてことは・・・・
「いや、なんか目にクマができてますよ」
「そ、そう?最近寝不足気味なのかな」
「もう外は寒いんですから、ちゃんと睡眠はとって下さいね。風邪引いたら、大変ですから」
「そ、そうね。ありがとう」
寝不足の原因に心配されてしまった。複雑だ。
「じゃあ、また食卓で」
「・・・・・うん、先に食べてるわ」
そういって、○○は師匠の部屋のほうへ行ってしまった。
それにしても、あの出来事のあとなのによく師匠を起こしにいけるよね・・・・
「おはようございまーす・・・・・・ってあれ?」
永琳さんを起こそうと部屋に来たが、誰もいなかった。
布団は出ていたので、寝てはいたようだ。
「もう起きちゃったのかな?」
いないのなら仕方ない。とりあえず輝夜さんを起こしてこよう。
・・・・・ちゃんと起きてくれればだけど。
「輝夜さ~ん、朝ですよ~いい加減起きてくださいよ~」
「・・・・・zzz・・・うーん・・・・」
予想通り、輝夜さんは起きてくれなかった。まぁ、いつもどおりなんだけど。
しょうがない、起こすのは後にして先に朝ごはんを食べてくるか。
と思って立とうとしたときだった。
「・・・・・zzz・・・・・(ガバッ!)」
「へ?」
急に輝夜さんがこっちに抱きついてきた。
「うわわわわわわわ」
と思うと、そのままベッドに引きずり込まれた。
「ムニャムニャ・・・・やっと・・・・・捕まえた・・・・ぞ・・・・ちょこまか逃げおって・・・・」
「・・・・何の夢見てるんだこの人は・・・・」
大方、なにかのゲームの夢に入っちゃってるんだろう。
とりあえず手足をジタバタしてみるが、綺麗なぐらいロックされてしまっている。
というか、輝夜さん、割と力あるな。
「・・・・・・・・」
「グー・・・・グー・・・」
当の本人は幸せそうな顔して寝ている。
心なしか、さっきより力が強くなっているような・・・・
って、痛!
「痛い!痛い!」
「・・・・・泣け、叫べ、そして・・・・・死ねぇ・・・・」
「この人、本当は起きてるんじゃないのか~!?」
洒落になってない。どんどん力が強くなっていく。
これじゃあ、某撲殺天使の主人公のようじゃないか・・・・
どんどん体がえび反りになってい・・・・・・翼が!翼が折れる!
「さぁ、無に還ろう・・・・・」
「ぐああああああああああああ」
「声がすると思ったら・・・・・・・・。○○、そこで何をやっているのかしら」
悪魔の声が聞こえた。絶望した。
毎度なんてタイミングで入って来るんだか・・・・・。
思わずいもしない神を呪ってしまった。
「・・・・・zzz」
当の本人はやっぱり幸せそうに寝ていた。
「ごめんね~○○。なんか暖かいものがあったからつい寝ぼけちゃってね」
「もう・・・・いいです。済んだことです」
あの後永琳さんに文字通りボコられてしまった。弾幕でだけど。
誤解は解けたが、顔は不機嫌なままだった。
今日は朝からツイてないな・・・・
ちなみに今は朝ごはんの時間。
今日は珍しく全員そろって食べていた。いつもは、輝夜さんが欠けているのである。
「全く、姫様もそんなんだから、カリスマがないって言われるんですよ」
永琳さんが食べながら言った。
誰がそんなこと言ってるんだろう。
「カリスマなんて無くたって生きていけるわ」
答える輝夜さんも食べながら言った。
どうでもいいけど、食べるの早いな。
「お味噌汁、おかわり~」
「はいはい。輝夜さんはよく食べますね」
「当然じゃない。食は人間にとって大切なことなのよ」
「だったら、その分運動してくださいな、姫様。運動も大切ですから」
「やーよ、めんどくさい」
「ごちそうさま!」
てゐが食べ終えたようだ。
そして、一目散に食卓から出て行った。
「なんだろう、あんなに急いで」
「さぁ?ここ最近はいつもああなのよ、てゐは」
「おおかた、遊ぶ約束でもしてるんでしょ」
もちろん、てゐはマフラーを編みにいっている。
知ってる人はいないが。
ガッシャーン!
突然派手な音が聞こえた。
いつものことだ、新聞だろう。
「取りに行ってきます」
窓は破らないでくれといつも言ってるのになぁ・・・・・
あとで修理することにしよう・・・・
・・・・食卓に戻ってきた。
全員、食べ終えたようだ。てゐも、今は戻ってきてソファーで本を読んでいた。
「それで、新聞に何か面白いことは書いてあるかしら?○○」
「えーっと、どれどれ・・・・
【クリスマス到来!】
幻想郷では、もう本格的なクリスマスムードです。
特に、里の商店街などでは、カップルが次々とツリーなどの商品を買って行ってるようです。
幻想郷の皆さん、クリスマスの準備はしてますか?まだなら乗り遅れてます!
近所のあの人も、この人も、もしかしたらもうクリスマスにむけて準備をしているかもしれませんよ~?
だってさ。
なんだ、そういえばもうクリスマスの季節なんだなぁ・・・・・・・ってあれ?」
一通り読むと、永遠亭の空気が変わった。
なんというか、ピリピリしている。
「・・・・・」
「・・・・・」
「・・・・・」
「・・・・・」
え?なにこの雰囲気?
僕、何か言ってはいけない事言いましたか?
・・・・・・・・・・・
「あ~そうだ、僕霊夢のところに本を返しに行かないと!」
そこ、逃げたなんて言わない。
「・・・・・」
「・・・・・」
「・・・・・」
「・・・・・」
沈黙が痛い。師匠も姫様もてゐもみんな黙っている。
さっきまでの和気藹々とした雰囲気はどこにいったのやら。
原因はわかっている。クリスマスという単語が出たからだろう。
○○はあからさまに逃げた。原因を作っといて、勝手な人だ。
「・・・・・ねぇ、えーりん。あなた、クリスマスの予定はあるの?」
「どうしたんです、姫、突然そんなことを聞いて」
「・・・・・・わからないかしら?」
「・・・・・・どういう意味かしら?」
二人とも笑っているが、顔が引きつりぎみだ。
姫がなぜそんなことを聞いたかなんて言うまでも無いだろう。
今まで私たちはクリスマスを男の人と二人で過ごしたことなんて無い。
今までは、みんな同じ条件だったから、いつものように宴会だったり騒いでたりしていたが・・・・・
今回は違う。○○がいるのだ。
たった一人の男の人が。
姫は、師匠を探っているのだ。
「そのまんまの意味よ。クリスマスはどう過ごすのかしら?確か去年は霊夢のところに行ってたわね」
「そうだったわねぇ。でも今年は違うかもしれませんよ?」
「あら、相手でもいるのかしら」
「ええ、姫もよーく知ってるじゃありませんか」
「・・・・・・・・・どうせまだ予定なんでしょ」
「そういう姫だって、クリスマス、どう過ごすんです?確か去年は一日中部屋にこもってましたよね?」
「あら、今回はちゃんと相手がいるわ。ご心配なく」
「興味深いわね。一体誰かしら?」
「永琳もよーく知ってる人よ」
だめだ、どんどん場がヒートアップしてる。今すぐに弾幕勝負をしかねない雰囲気だ。
てゐはさっきから何かの本を熱心に読んでるし、私が止めるしかないのか・・・・
でも、どうやって?
私だって、○○と過ごしたい。できれば、二人で。
プレゼントだってもう用意してある。
どうやって渡すかは決めてないけど。
「あ・・・あの・・・・」
「「なに?ウドンゲ?今は取り込み中よ」」
見事にハモっている。
「・・・・その本人は、どうするのか聞いてみればいいんじゃないですか?」
「「・・・・・それもそうね」」
またハモった。どうにか、場を落ち着かせることが出来たようだ。
「で、肝心の本人は?」
「霊夢のところに行くとか言ってましたけど・・・・・」
「「追うわよ」」
そう言った瞬間二人の姿が消えた。
二人とも行動が早い。
私はどうしようか・・・・
「・・・・・・ついていこうっと」
「・・・・・あれ?みんなは?」
30分後、ようやく本を読み終えたてゐの声が、空しく響いた。
「やれやれ、何だったんだ、今のは・・・・」
片手に本を持って、僕は上空を飛んでいた。
目指すは博麗神社。ちゃんと霊夢にお礼を言っとかないと。
「それにしても、もうクリスマスなんだなぁ・・・」
上空から里を見下ろすと、確かに、木に飾りつけがしてあったり、赤い服の人が歩いてたりしている。
これで雪でも降れば完璧なんだけどな。
「クリスマス・・・・か」
今までのクリスマスは、竹林の中で里を見下ろしながら寂しくご飯を食べてたけれど。
今回は、みんながいる。いったいどんなクリスマスになるんだろうか。
ちょっと期待してみようかな。
あれこれ考えていると、博麗神社が見えてきた。
「おーい、霊夢、いるかーい」
「あら、○○じゃない、どうしたの?」
奥から霊夢が出てきた。ちゃんと起きてたようだ。
いつもはこの時間は寝てるのにな。昼過ぎまで寝てたこともあったし。
「なんか言った?」
「モノローグを読むのは反則です。それはさておき、これ、返しにきたんだ」
「ああ、これね。別に返さなくてもいいのに」
「借りたものは返す。当たり前のことじゃないか」
「どっかの泥棒さんとは大違いね」
いまごろ、どっかの泥棒さんはくしゃみをしているな。
魔法の実験中だったらごめんね。
「そうそう、○○は宴会に参加するの?」
「宴会?」
「そう。いつもクリスマス前になると勝手に人が集まってきて宴会になるのよ。どっかの鬼のせいで。」
またどこかからくしゃみが聞こえたような気がする。
「ふぅん、面白そうだね。永遠亭の人達次第だけど、多分参加するかも」
「ま、クリスマスになるともっと派手になるんだけどね。宴会というよりパーティーよ、ホント」
嫌そうに言ってるが、表情を見る限り満更でもなさそうだ。むしろ嬉しそう。
これで開かれなかったら、一人で愚痴ってるんだなーと予想してみる。
「そんなわけないじゃない、全く。いい迷惑よ」
「モノローグを読むのは反則だって」
「読みやすいんだからいいじゃない」
「そういう問題じゃないだろうに」
というか、読みやすいってなんだよ。
「それじゃ、用も済んだしもど・・・・・ってあ・・・・・・」
「どうしたの?」
向こうから超スピードでこっちに向かってくる2人組を発見。
どうみても、永琳さんと輝夜さんです。
「霊夢、じゃ、僕もう行くから!」
「え?・・・・って早!」
超スピードで僕もその場から逃走。
今のあの二人に捕まるのは危険だと本能がそう告げた。
「ここに○○来なかった?」
「来なかったかしら?」
○○が去ったあと、5秒後ぐらいに永琳と輝夜がやってきた。
「・・・・さっきまではいたけど・・・・・どっか行っちゃったわ」
「何か言ってた?」
「別に。ただ、すごく慌ててたようだったけど」
「入れ違いね・・・・・どうする?永琳」
「そうね・・・・・この付近を捜索するとしましょ」
ビュン!
「何だったの今の・・・・」
僕は湖の近くの森で身を潜めていた。
さっきから何回も上空を永琳さんや輝夜さんが飛んでいる。明らかに僕を探している。
「さて、どうしようか・・・・・・ん?」
少し森を進むと、視界が開けた。
開けた先には、巨大な建物がポツンと立っていた。
「あれは確か・・・・・紅魔館、だったかな」
この前永琳さんが言ってた気がする。
確か、ちっちゃい吸血鬼におっきいメイドさんが住んでるんだとか。
行ってみようか、行くまいか・・・・。
行ってみるか。
どうせここにいても二人に見つかるのは時間の問題だ。
場所を変えることにしよう。
永琳さんや輝夜さんが行ったことを見計らって・・・・・・トップスピードで湖を突っ切った。
すげえ、風圧で湖がちょっと割れてる。我ながらちょっとかっこいい。
「そこの妖怪、止まりなさーい!」
「ん?」
門が見えてきたと思ったら、門の前に誰かが立っていた。
「ここに何の用なの?」
「いや、ちょっと匿ってもらおうと」
「理由はどうあれ、ここを通すわけにはいかないわ!」
「へ?・・・・・・ってうわっ!」
いきなり弾幕を放ってきた。うねうねしてて避けにくいったらありゃしない。
「ちょっとちょっと、力(弾幕)で解決しようとするなんて暴力ですよー!」
「うるさいうるさい!今度ここを通したら飯抜きになっちゃうのよ!今でさえ一日一食なのに!」
「苦労してるんですね・・・・」
「同情しないで!お願いだから・・・・」
つーか、やばい。早くしないとあの二人に気づかれてしまう。
こーなったら・・・・・奥の手だ!
「ごめんなさい!光符「太陽拳」!」
「キャッ!」
まばゆいひかりが あたりをつつむ!
ミレイのめが くらんだ!
「すみません、今はこっちも急いでるんです」
「うー・・・・・・・・」
こうして、紅魔館に身を隠すことに成功した。
あとで、さっきの門番さんには差し入れでも持っていってあげよう・・・・
「ねぇ、永琳。さっき向こうが光らなかった?」
「え?見てなかったけど。それがどうしたの?」
「○○ってね、今まで隠してたようだけど、光を操る能力を持っているのよ」
「なんで知ってるの?」
「この前、○○がこっそり使ってるの見た」
「・・・・・初耳ね。じゃあ、向こうのほう行ってみる?」
「賛成~」
「うわー広いなぁ」
紅魔館の中は外観に負けず、広かった。
ちなみに、さっきからメイドさんっぽい人達が弾幕をこっちに放ってきているが、全てかわしている。
「すごいなー・・・・ん?」
飛んでいると薄暗い場所に来ていた。
周りを見渡すと本の山。どうやら、図書館のようなところにいるようだ。
「いつのまにこんなところに・・・・」
「魔理沙や霊夢あたりかと思ったけど、初めて見る方ね」
「え?」
これまたいつの間にか、前に女の人が飛んでいた。
とおもったら、すぐに降りていった。
若干、顔色が悪い女の人だ。
「・・・・・あのー、風邪ですか?」
「失礼ね。これは生まれつきよ」
「それは失礼しました。ところであなたは・・・・?」
「普通はそっちから名乗るもんじゃない?」
「これまた失礼しました。○○といいます」
「私はパチュリー・ノーレッジ。ところで、ここに何の用かしら」
「身を隠しにきました」
「え?」
かくかくしかじか。
「へぇ、永琳と輝夜がねぇ・・・・・珍しいこともあるものね」
「珍しいんですか。ここのところしょっちゅうなんですよね・・・」
「・・・・・・自覚が無いって怖いわね」
「え?」
「なんでもないわ」
なんだろう。いろんな人からこんなこと言われてるような気がする。
もしかして僕は、馬鹿なんだろうか。
「そうか、僕は馬鹿だったのか・・・・」
「・・・・・・どういう解釈をしたのかは知らないけど、ま、馬鹿といっちゃ馬鹿ね。いい意味でも悪い意味でも」
ああ、ついさっき知り合った子にまで馬鹿って言われたよ・・・・
「傷つくわ~」
「そういって、ファンタを飲まない。どっかのCMじゃないんだから」
「よく知ってるね・・・・・って」
「・・どうしたの?」
「・・・・・・じゃあね、パチュリーさん。今度ここに来るときは、本でも借りに来るから!」
「え?」
外のほうが騒がしい。おもに、弾幕の音だ。
それに気づいた瞬間、僕はその場を急速で離れた。
「まずい、もうここにいることがバレたのか・・・・・?」
さっきの門番さんに黙祷の念を捧げつつ、先に進んだ。あの二人が相手じゃ、勝ち目なんてないだろう。
「くそー、やっぱりあの光でバレちゃったかな・・・・・」
でも皆の前であの能力を使ったことは無かったはず。
だから、多少目立ってもわからないと思っていたが・・・・・
「誰かに見られてたかな・・・・・」
「あら、珍しい。妖怪のお客様ね」
「え?」
進んでいると、突然目の前にメイドの格好をした人が現れた。
この人が永琳さんが言ってた人だろう。
しかし、僕の見間違えじゃなければ、さっきまでそこには誰もいなかったはずなのだが・・・・・
「ここの主はいまお出かけ中よ。主に用があるのかしら?」
「・・・・・・いえ、そうじゃなくて、ぼk」
「そう。なら、お呼びではないお客様にはお帰り頂こうかしら」
「だから力で解決するのは反対ですよー!!」
例によって弾幕を放ってきた。
あちらこちらからナイフが飛んでくる。
明らかに何もない場所からも飛んでくる。一体どうなってるんだ。
「ふうん、なかなかやるわね」
「・・・・・」
「やれやれ、宴会の準備もしなくちゃならないっていうのに、レミリア様はどこに行ってるんだか」
「宴会・・・?あなたも宴会に参加するんですか?」
「あら、あなた、霊夢の知り合い?」
弾幕が止んだ。うん、さっきの門番さんよりは物分りがよさそうだ。
「ええ、誘われたんです。僕は」
「霊夢が誘うなんて珍しいわねぇ。いいこと聞いた気がするわ」
「はぁ・・・なにがいいことなんでしょうか」
「・・・・・あなた、よく鈍いって言われない?」
「ええ!どうしてわかるんですか!」
「・・・・・・・自分で気づきなさい」
「・・・・・・」
ショックだ。またもや初対面の人に言われてしまった。
「そういえば、名前を聞いてなかったわね」
「ん・・・・?ああ、僕は○○と言います。以後、お見知りおきを」
「私は十六夜 咲夜。ここの、メイド長をやっているわ」
「へぇ・・・・って・・・・・まずい!」
「え?」
だんだん後ろのほうから派手な音が近づいてきた。
二人がこっちにきている証拠だ。
「すみません!どこか隠れられるところないですか?」
「・・・・・どういう意味かしら?」
「もうじきわかります。どこでもいいから、部屋ありませんか!」
「・・・・・私の部屋なら、そこの角にあるけど・・・・」
「ありがとうございます。失礼しました!」
「え、ええ・・・・」
もう音はすぐそこまで聞こえていた。
僕は、全速力で二人に見つからないように咲夜さんの部屋に隠れた。
・・・・・・・
「やれやれ、まさか紅魔館まで来るとはね」
「ここに来るのは初めてね。敵は弱いけど」
「そこの二人、ここに何のようかしら?」
・・・・・・・・
「ふぅ・・・・・・」
僕は部屋のベッドに座ってため息をついた。
外からは、弾幕の音が聞こえてくる。
咲夜さんと、永琳さんか輝夜さんが戦っているのだろう。
咲夜さん、健闘を祈ります。
「やれやれ・・・・ん?」
辺りを見回すと、テーブルの上に可愛い包装紙の箱があった。
クリスマスプレゼントだろうか。
そういえば・・・・
「僕、何もクリスマスの準備してないなぁ」
僕は、期待していただけで自分からは何もしようとはしていない。
これはまずいのではないだろうか。プレゼントの用意ぐらいはするものじゃないだろうか。
それに、僕はまだ永遠亭の人達に僕を受け入れてくれたお礼をしていない。
これはひょっとして・・・・・
「そうか・・・・そうだったのか・・・・」
今まで他の人に馬鹿とか鈍いとか言われたけど、その通りだった。
僕はまだ、みんなに感謝の気持ちを形として表してないんだ。つまり、プレゼントをあげればオーケーだということか!
道理で、あの時(博麗神社に連れて行かれたとき)あんなに永琳さんが怒ったりするわけだ。
・・・・・・それにしてもこの少年、馬鹿である。
「ん?なんかまたどこかで馬鹿と言われた気が・・・・・まぁ、いいか」
とりあえず、プレゼントを用意すればいいんだろう。クリスマスとお礼を兼ねて。
でも何を用意すればいいんだろう。
「・・・・・そうだ」
いいプレゼントの案が思いついた。しかし、これを作るには、彼女の協力が必要だ。
急にやることが出来た僕は、部屋にお礼を書き残して、彼女、アリス・マーガトロイドの元へ向かった。
みんなの人形を、作るために。
さて、早めに行動しないと、クリスマスに間に合わないな。
・・・・・
「うう、二人がかりだなんて卑怯じゃない・・・・」
「何を言うの。そっちだってあの日の月の晩は二人で来たじゃない」
「でもあんたら、自機仕様になってないじゃないの・・・・・反則よ・・・・・」
「だって、自機になったこと無いし」
早く永琳と輝夜を操作したいなぁ。
「で、○○はどこなの?」
「・・・・・私の部屋にいるはずよ・・・・」
・・・・・
「・・・・・いないじゃない」
「待って、永琳。何か書き残しがあるわ」
「どれどれ・・・・」
咲夜さんへ
すみません、今日は迷惑をかけてしまって。
でも、多分、永琳さんや輝夜さんは悪気はないと思うんです。
それはそうとして、僕はやることができたので、いったん帰ります。
次は、クリスマスで、会いましょう。
「咲夜、これはどういうことかしら・・・?」
「え?」
もちろん、○○はクリスマスの宴会で会いましょうという意味で書いたのだが、永琳と輝夜は違う取り方をしたようだった。
「いったい、○○とどんな関係なのよー!!」
「ちょっと、どういう解釈したのよってきゃあああああああ」
今日の紅魔館は、お馴染みの門番のほかに珍しくメイド長が負傷者入りになっていた。
メイド長は、できるだけ○○と関わらないようにしようと決めた。あの二人が、怖すぎるからである。
ちなみに、ウドンゲは永琳と輝夜を途中で見失って泣く泣く永遠亭に帰っていた。
Q.おい、てゐと優曇華院が空気だぞ!
そんな日だってあるさ。
Q.紅魔館はなぜ出てきたの?
○○を絡ませてみたかっただけです。反省はしている。
Q.ってことは、一転して紅魔館物語になるのか!
そっちも書いてみたいけど、今のメインは永遠亭なのです。
Q.永琳と輝夜が壊れ気味な件
愛です。愛の仕業です。きっと。でも彼女たちは愛というのかどうか・・・・
単に、構ってほしいだけなのかもね。あの二人のイメージは強気そうで実は寂しがりや、なので。
11スレ目>>386
>>うpろだ674
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「・・・・・はぁ」
「?どーしたんですか紫さま、元気ないですね」
「ああ、橙。私は今恋煩いしてるのよ妖怪だから」
「紫さまわたしも妖怪です」
「妖怪はいつでも発情期なのよ橙」
「そーなんですか?じゃあわたしも『はつじょうき』なんですか?」
「私は橙じゃないからあなたのことは分からないけれど少なくとも私は発情期です」
「紫さまわたしの口調がちょびっとだけうつってます」
「そーですか?・・・・あ、ほんとね。そうね、これも恋煩いの症状のひとつなのよ私は妖怪だから」
「紫さまわたしも妖怪です」
「妖怪はいつでも発情期なのよ橙」
「紫さまさっきもこの流れありました」
「・・・・あれ、そーでしたか?」
「紫さままた口調もうつってます」
「だからこれも恋煩いの症状のひとつなのよ。私は妖怪だから」
「紫さまわたしも妖怪です」
「妖怪はいつでも発情期なのよ橙」
「紫さまそれ今日もう三回目です」
「だからこれも恋煩いの症状のひとつなのよ。私は妖怪だから」
「紫さまわたしも妖怪です」
「妖怪はいつでも発情期なのよ橙」
「紫さまいい加減はつじょうきねたは飽きちゃいました」
(ガチャリ)
「・・・・紫様、さっきからやけに発情期発情期聞こえるんですがどうかしましたか」
「あ、藍さまー!妖怪っていつでもはつじょうきなんだって知ってましたかー?」
「そうなのよ、藍。妖怪はいつでも発情期なんですよー」
「紫様口調が少し橙に影響されてます」
「紫さまねー、こいわずらいなんですって!そして妖怪はいつでもはつじょうきなんですって!」
「そう、発情期なの。今すぐにでも○○と融合して子孫繁栄させたいんですよー藍さまー」
「・・・・・・・・(え、なにこの流れ私が突っ込まないといけないのか?)(面倒だなあ)」
結論:紫さまが恋煩いのようです。
「・・・・・はぁ・・・・・」
「ピヨピヨ!(ゆゆこさま、どうしたの?さいきん元気がないピヨ!)」
「ああ・・・、小鳥さん。私は今恋煩いしてるのよ。幽霊だからね」
「ピヨピヨ?ピヨ!(ゆゆこさま、こいわずらいってなにピヨ?鳥は鳥類だからわからないピヨ!)」
「ふふ、そうね。あなたには恋煩いは少し難しいかもしれないわ・・・。あなた、好きなオス鳥はいるかしら?」
「ピ、ピヨ!(い、いきなりなにを聞くピヨ?恥ずかしいピヨ!)」
「・・・何を照れているの?あなた。面白いわね」
「ピヨピヨ!ピヨピヨ?(突然だったからびっくりしただけピヨ!ゆゆこさまにはいるピヨか?)」
「ええ、まぁね。だから恋煩いなのよ。どうしたら○○を私のものにできるのかしら・・・・・」
「ピヨ・・・・?(そのオスは○○って名前ピヨか?ゆゆこさまのものじゃないのかピヨ・・・?)」
「ええ、そう。○○っていうの。どうしても私のものにしたいのだけれど・・・・色々邪魔が入って」
「ピヨ、ピヨ?(え、だれかゆゆこさまのことを邪魔する子がいるピヨか?)」
「そうよ。友人とはいえ少し腹が立つわね・・・・いつも○○に付き纏っているの」
「ピヨ!ピヨピヨピヨ!(それはムカつくピヨね!殺して鳥の餌にしてしまうといいピヨ!)」
「鳥の餌ね・・・・。考えたことなかったわ。まあ、鳥の餌にするくらいなら私が食べちゃうけど・・・
次、頑張ってみようかしら」
「ピヨピヨ!(ゆゆこさまならきっと勝てるピヨ!がんばるピヨ!)」
「ありがとう、小鳥さん。○○を私のものにできたら、あなたにも紹介するわ」
「ピヨ~ピヨピヨ!(わぁい、楽しみにしてるピヨ!鳥も○○を見たいピヨ!)」
「ふふ、あんまり格好良いからって、惚れちゃダメよ?彼は私のだからね」
「・・・・・・・!!(幽々子様が・・・・ッ一人二役で鳥のモノマネをしながら独り言を言っている・・・・・!!!????)」
↑偶然その場に居合わせてしまった妖夢さん
(※幽々子さまは小鳥を眺めながら上記の会話すべてを一人で言っています
※小鳥のセリフは1オクターブ高い声で言っています)
結論:幽々子さまも恋煩いのようです。
「・・・・紫様、そんなに○○さんが恋しいなら実際に会いに行けばどうですか」
「そうしたいところだけど○○は午後五時から七時半まで里長の所にお手伝いをしに行っているのよ。
前はついていって隣でお手伝いのお手伝いしてあげたり里長のおじいさんに扮してドッキリさせてみたり書類と私の写真集をすりかえてまたドッキリさせてみたりしてたんだけど
2週目くらいから○○が何話しかけても『帰れ』としか返してくれなくなってちょっと困ったから今はお手伝いの後に家まで送るだけで我慢してるわ。
おかげで○○が不足して不足して大変で」
「おおー!紫さまそれストーカーっていうんですよー!わたしストーカーって生ではじめてみたから嬉しいです!」
「ふふふ、橙、私はストーカーじゃないわよ。あえて言うなら愛のソルジャーね。愛のソルジャーを見るのは初めてでしょう?」
「はじめてです!すごいです紫さま、愛のソルジャーってなんかカッコいいです!いけてます!」
「ふふふ、そうでしょう。私はイケてるのよ。
○○は外の世界のモデルだかやってるえびちゃんとかいうのが気に入ってるみたいだけどぶっちゃけ私の方がイケてるでしょう?」
「紫さま、わたしえびちゃんのほうがいいです!なんかおいしそうです!」
「橙、それは食べ物の方よ。私としては人間の方を食い殺してほしいんだけどね○○に可愛いと言われる女はこの世の中に私だけで十分よ」
「・・・・・紫様、一応○○さんに可愛いと言われたことはあるんですね」
「いえ、ないけど。脳内だけど」
「(脳内かよ!!!!!)」
「おおー!紫さまそれ電波っていうんですよー!わたし電波って生ではじめてみたから嬉しいです!」
「ふふふ、橙。私は電波じゃないわよ。強いて言うなら恋愛シュミレーター紫よ」
近況:藍さまが段々突っ込みきれなくなってきたようです。
「・・・・そうだわ、小鳥さんを○○に見立てて少し気を紛らわそうかしら」
「(ゆ、幽々子様!幽々子様一体ひとりっきりで何をやろうとしてるんですか幽々子様!)」
「おはよう○○。元気?
・・・・・・ああ!元気だよ、幽々子(←※裏声)」
「(ゆ、幽々子様!幽々子様○○の声が鳥の時と同じです○○は男なのにそれでいいんですか幽々子様!)」
「最近幽々子が来てくれなくて寂しいピ・・・・・
あ、じゃなかった 寂しいなー俺」
「(い、今一瞬ピヨ!って言おうとしてた!絶対ピヨって言おうとしてた!)」
「また一緒にフラフープでもしようぜ!俺幽々子の腰使い大好きなんだ!
・・・・・あ、なんか今のエロいわね」
「(い、今ボソッとエロいって言った?自分のセリフにエロいって言った!?)」
「・・・・・・・・。
・・・・俺幽々子の腰使い大好きなんだー・・・・」
「(え、なんでもう一回言った?気に入ったんですか!?気に入ってしまったんですか幽々子様!!)」
「・・・・・いいわねこれ・・・・・グッと来るわね・・・・」
「(いやすいません幽々子様冷静に考えてグッとこねぇええええええええええええええ!!)」
「・・・よし」
「(?)(ど、どこか行くんでしょうか幽々子様)」
「ちょっと○○捕まえてきて縛り上げてこのセリフ言ってもらいましょう」
「(ふ、普通に犯罪じゃねぇかぁああああああああああああああああああああ!!!)」
近況:妖夢さんは段々仕えるべき主人がこれでいいのか不安になってきたようです
「あ、もう七時前ね。早めに行って○○の熱心な仕事姿をこっそり拝むからそろそろ出かけてくるわ」
「おおー!さすが紫さま、愛のソルジャーですね!」
「夜までに帰らなかったら○○と子孫繁栄させていると思っててね。夕食は結構よ」
「おおー!紫さま、すごいですね!妖怪はいつでもはつじょうきですね!」
「・・・紫様、あの・・・分かってるとは思いますが無理矢理はダメですよ無理矢理は・・・」
「大丈夫よ藍、ちゃんと合意を得た上で及ぶわ。(ニコ!)」
「(その自信はどこから!!!!)」
「あ、妖夢。ちょっと出かけてくるわ。仕事お願いね」
「・・・ど、どちらに参られるんですか。幽々子様」
「・・・・・・どこへだっていいでしょう?妖夢には関係ないのだから」
「そ、そうですね。出過ぎたことを言って申し訳ありませんでした」
「・・・・・・」
「・・・ゆ、幽々子様?」
「しょうがないわね。じゃあヒントをあげるわ。あなたがどうしても知りたいみたいだからね」
「は、はぁ。ありがとうございます(や、だいたい予想はつくけど・・・・)」
「・・・・その1。ヒント、腰使い大好き」
「(もう訳わかんねぇえええええええええええええええええ!!!)」
※こうして今宵も変態、じゃなかった恋する少女たちは出勤していくのです。
「ねー、藍さまー」
「・・・・なんだ、橙」
「紫さまがね、強制わいせつなんとかでつかまったらわたしたちどーなるんですか?」
「・・・・さぁ。インタビュー受けたりするんじゃないのか・・・・天狗の新聞とかの」
「おお!わたし新聞のったことないから嬉しいです!えびちゃんいるかなえびちゃん!」
「・・・・・(ひとりぐらし、したい)」
「あら妖夢、顔色悪いみたいだけどどうかしたの?」
「ああ・・・・博麗の巫女、ですか・・・・。いい所に来ましたね」
「?なにかトラブルでも?」
「・・・・あなた、好きな男の人に『君の腰使い大好き』って言われたいと思いますか?」
「・・・・・・!?(妖夢が突然の下ネタ!?)」
11スレ目>>385
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夜散歩しようと思って家を出たらすぐそこの物陰から
この前突然スキマに引き込まれて一日中連れまわされた挙句お持ち帰りされそうになった他人の紫さん(以下紫)と
この前迷子になっていたときに助けてあげてなんか求愛されたけどやっぱ他人の幽々子さん(以下幽)が
突然ガサガサ沸くように出てきた。
ついでに言うけど俺のはらわたもにえくりかえったよ(ふっとう☆)
○「何してんだ お前ら」
幽「全くよ 私の○○の前で何してるのかしら紫?早々に殺されたいの」
紫「あら物騒ね 穢れ無き心を持った私の○○の前で殺すだの犯すだの言わないでもらえるかしら スキマ呼ぶわよ」
○「いや犯すは言われてないから っつーかお前もだなんで俺の家の前にいるんだよ」
幽「私の○○が外出先で変な女に襲われないようにと思ってね 夜道は危険だから」
○「残念だなあまだ外出してないのにもう襲われてるわ お前らに」
紫「○○、安心なさい。私があなたを守るわ」
○「いやお前らって言ったよな?俺言ったよな?お前も込みだよダブルだよ」
幽「そういうことだから紫、さっさと帰りなさい。○○は今から私と熱い夜を過ごすのよ」
紫「帰るのはあなたよ幽々子 彼が嫌がってるのが分からないの?○○、私は二人の愛の巣をすでに用意してあるわ」
○「いや熱い夜過ごさないからな愛の巣も行かないからな つーか俺散歩行くんで」
幽「なに?散歩なんか行きたいの?そんなことより白玉楼に来なさい お菓子もたんとあるから」
○「ん?俺お菓子なんかで釣れると思われてる?心外なんだが」
紫「○○、私の家はお菓子の家よ。扉があなたの大好きなせんべいで出来ているわ」
○「扉がせんべいってどんな家だよ なんかもう馬鹿にされてる気しかしない」
幽「私は好きな人ほどいじめたくなるタイプだからね ○○」
紫「これだから小学生は嫌ね ○○、私はあなたの靴なら舐めれるわ」
○「スイマセンもうほんとお引取り願えますか」
幽「じゃあとりあえず一度○○の部屋に行きましょう なんだったかしらあなた ああ変態?変態はそこで待機ね永遠に」
紫「永遠に待機はあなたよ幽々 じゃなくて変態だったかしらねふふふ ああ○○、怒ったあなたの顔も素敵よ」
○「あの俺散歩行きたかったんだけど」
紫「そういうことなら私と永遠のスキマツアーに出かけましょうか そこで私を頂いちゃってもいいのよ」
幽「ちょっとあなた表に出なさい 私の穢れ無き○○に何しようとしてるの?殺すわよ」
紫「あなたの穢れ無き○○じゃなくて私の穢れ無き○○よ 間違えないでくれる それにそのうち穢すわ」
幽「あら 寝言は寝て言ってくれる?○○は初めてはお前しかいないって情熱的に叫んでくれたのよ そんな気がする」
○「もうお前ら俺のために争っていいよ そして二人とも死ぬといい」
紫「私が死ぬときは○○の膝の上よ」
幽「じゃあ私は○○の下で死ぬわ」
このへんで俺が泣いたのでふたりの変態はおとなしく帰っていきました。(男の涙も武器になるんだな!)
紫「ねえ○○、これは愛なのよ愛 エロスよ ふふエロスってまるで私と○○みたいね」
幽「ただの変質者な加齢と地上に舞い降りた天使のような○○を一緒にしないでくれる? 私と○○でエロスよ それすなわち愛」
○「あっ もしもし?すいません巫女さんですか 実はあのストーカーされてるっていうかこの人たちの頭の中の異変がすごいっていうか」
11スレ目>>406
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夕方、里会議のための書類作成の手伝いが終わって充実した気分で帰ろうとしてたらスキマが現れて
アレ?こいつ今日の朝も見た気がする そういえば神出鬼没だったなストーカー女め おなじみスキマ妖怪で他人の紫さん(以下紫)と
アレ?お前最近普通に現世にいるな 亡霊ってなんでもありか 前に迷子になっていたのを助けて求愛されたやっぱ他人の幽々子さん(以下幽)が
突然ガサガサ沸くように出てきたうえ俺をスキマにひっぱりこんだよ。
正直犯罪だな☆(俺の機嫌が悪かったらうっかりその小奇麗な目をぶっ潰してるところだったよバイオレンス!)
○「なにさらしてんですか あんたら」
幽「今日は一度も○○と二人っきりになれなかったからどうしても二人きりになりたくてね」
紫「今日はもなにも幽々子に○○と二人っきりになってあんな事やこんな事する権利はないわよ 早くここから出て行きなさい私がするから」
○「いやあんな事やこんな事とか言われてないからな つーかなんだよ私がするからって」
紫「そのままの意味だけど何か問題でも?」
幽「あなた頭沸いてるんじゃないの?問題だらけよ 前も言ったけど○○は俺には幽々子しかいないんだって情熱的に叫んで そんな気がする」
○「幽々子さん お前前から気がする気がする言ってばかりだよ 現実を見ろよ」
紫「これだから年中発情女は困るわねぇ あっ○○ 今日のあなたの仕事中のメガネ姿は最高に知的だったわ 自制できずその場で」
○「その場でなんだ?おい その場でなんなんだ?答えによっては目を潰すぞ」
幽「○○、だからあれほど私以外の前でメガネをかけちゃいけないって言ったのに ちょっと紫頭出しなさい、記憶飛ばすから」
紫「ふふふ 出来るものならやってみなさい幽々子 私はたとえ記憶の全てを失っても○○のメガネ姿だけは忘れないわ」
幽「メガネでよくそこまではしゃげるわね?これだから変態は ○○は帽子かぶってるのが一番いいわよ 幼いところがまたそそるというか」
○「もういいやお前ら頭出せ 俺が記憶を飛ばしてやる」
紫「ちょっと待って○○ 私を殴るならまずコレに着替えて」
幽「ちょっと紫 私の○○にあなたの変態がうつるようなもの渡さないでくれる?○○はこっちがいいわよね ほら早く着替えて」
○「どっちも着ねえよつーかお前らなんだよ 白衣とタキシードって普通持ち歩かないだろ しかもサイズぴったりだし」
紫「○○のためにすぐそこの竹林の医者の所から拝借してきたの きっと似合うわよ診察されたい人が殺到するくらいにね私以外ダメだけど」
幽「○○が喜ぶと思って本場イギリスのプランタジネット王家の屋敷で実際に使用されていた執事服を持ってこさせたの アンティークよ」
紫「あなたのところの庭師がスキマを貸してくれるように頼み込んできたのはそういう理由だったのね」
○「悠長なこと言ってるけどな紫さん、お前は盗みを働くな後でえーき様呼ぶからな 幽々子さん、お前はなんかそのこだわりが気持ち悪いあと庭師に謝れ」
紫「○○のためなら裁判も構わないわ 勝ったら私と結婚してくれる?というかもう今しましょう二人だけで幸せに暮らしましょう」
幽「ねえ○○はこれを着てうちの執事になるといいわ屋敷も洋風にするから そして私に永久就職しなさい その暁にはたくさん子供作りましょうね」
紫「破廉恥ね あなた一体どれだけ盛るつもり?○○は私のことをきちんと配慮してくれるから紫だけに任せないで自分も産むって言ってくれてるわ」
○「いやお前らの子供とかどうでもいいからな 悪魔の遺伝子だからな 一応突っ込んどくけど紫さん、俺男だから子供産めないよ」
紫「大丈夫よ愛の力でなんとかなるわ」
幽「○○、私も頑張るから安心していいからね」
○「スイマセンもうほんと家帰らせてください 腹が痛いです」
幽「それは大変ね ○○私が抱きついててあげるから急いで白玉楼に帰りましょう」
○「いや抱きつく必要性がわからない てかあの家帰りたいんで」
紫「○○、私の家はお菓子で出来てるうえ腹痛を癒す効果があるの 窓はバファリンで出来てるのよ 半分は優しさで」
○「だからなんなんだ お前は俺に何を求めてるんだ」
幽「私は○○を求めてるわ」
紫「私なんか○○を求めたうえ○○のお箸も求めてるわよ 幽々子には負けないわ」
○「そこは負けろよ負けるべきだろ ということは俺の箸と寝巻き盗んだ犯人って」
幽「寝巻きは私だけど何か問題あった?○○」
この辺で俺がキレて奴らの目を催涙スプレーで潰したので無事に家に帰れた。(巫女さん催涙スプレーって本当に効くんですね!)
紫「もう○○ってば、目隠しプレイがしたいなら素直にそう言ってくれればいいのに」
○「いや、そんなんじゃないから」
幽「ちょっと○○、隠すならそんなスプレーじゃなく布にしてちょうだい その方が燃えるでしょう」
○「あっもしもし すいません射命丸さんですか?今ちょっと面白い特集のネタがあるんですけど」
11スレ目>>417
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よく考えて見れば――いや、仮によく考えなかったとしてもあのスカーレット姉妹は俺より年上だ。
見かけはアレで、特に姉の方は新月になると大変な事になるが、年上だ。
しかも、それは五歳とか十歳とかじゃない。もっとだ。
ここで、冷静に考えてみる。
えぇと、レミリアって何歳だっけ、確か五百歳くらいだった気がするけど。
で、フランが五百歳弱……? あの二人ってそんなに離れてなかったよな。
更に俺が……。
出た。俺の少ない脳みそをフル回転させて暗算で頑張った結果。
――450~500。
離れてるってレベルじゃねーぞ!
普通の人間の一生より五、六倍だよ!
すげーよ! いや、すげーってレベルじゃねーよ……
そんなに生きてるって事は人生の先輩、いや大先輩だ。
ダメだな。今まで普通に二人とも呼び捨てだったけど、失礼極まりないな。
今度から、ちゃんと敬語使って、二人とも"お姉さま"とお呼びしないと。
咲夜さんから呼ばれ、レミリアの部屋に行った。
ここからだ。ここから、いつものような「やぁ、レミリア、呼んだ?」ではいけない。
相手は、人生の大先輩だ。粗相のないようにしなければ。
見ると、その大先輩は窓を見ながら優雅に紅茶を飲んでいた。
何ら変わりない、いつもの光景。
「レミリアお姉さま、私の事をお呼びになりましたか?」
この一言がその光景を異質の物へと変化させた。
レミリアお姉さまは口に含んでいたであろう紅茶を上に向かって盛大に噴出した。
そして、上に向かった紅色の霧が降りていく。
正に紅色の冥界、素敵過ぎます。
「ごほっ、ごほっ、けほっ……一体何の真似?」
気道に入ってしまったのか、何度もむせつつ、こちらを睨みつけていた。
何ということだ! レミリアお姉さまの機嫌を損ねてしまった!
ここは、上手くフォローしなければならない。
「何の真似、と申されましても」
「その気持ち悪い口調。一体何があったの?」
「はっ、何があったというのも、つい先ほどの事でございますが」
「無理に敬語使わなくていいわよ」
最後に何か言われた気がしたが、きっと気のせい。
年の差、そして実はレミリアお姉さまが、俺よりも人生の大先輩である事に気付いた事。
つまり、先ほど考えていた事と気付いた事を全てぶちまけた。
「ふーん……」
大して面白くもなさそうに、再び紅茶を口に含むレミリアお姉さま。
まだ終わってませんよ! 次が大事なんですから!
「だから、私は今から貴方様の事を、"レミリアお姉さま"とお呼びします!」
「ぶ――っ」
そして、先ほどの惨劇が再び。
レミリアお姉さまは再び紅茶を噴出した。
どうしてそうなったのかは全く分からないが、全方向に紅色。の雫が飛び散る。
地面の絨毯はいつにも増して真紅にそまっている
あぁ、美しい。これこそが、お姉さまの願い求めていた紅色の幻想郷なのですね!
「ケホッ、ケホッ……き、気持ち悪いからやめて」
「気持ち悪いと言われましても、これが私のできるレミリアお姉さまへの敬いであると――」
「だから、その"お姉さま"をやめて! ちょっとこの腕見なさいよ、何か変な事になってるじゃない!」
そう言って、レミリアお姉さまは両腕を俺に見せる。
その腕には、無数のぶつぶつが出来ていた。
「それは鳥肌でございます」
「うるさいわね! 分かってるわよそんな事! お願いだから"お姉さま"はやめて!!」
言葉の後半はほとんど悲鳴に近かった。
あぁ、一体何がいけなかったんだろう。
そういえば、さっきからレミリアは"お姉さま"って呼ばれるのが嫌だって言ってるんだよな。
……そうか! だったら
「申し訳ありませんでした! レミリア姉さま!」
「……っ! あ、危ない、紅茶飲んでたらまた……じゃなかった。だから、それをやめなさいと言ってるでしょう!」
「いえ、やめてます! もう少し親しみが欲しかったのですよね? ですから、"お姉さま"の"お"を失礼ながら外させていただき――」
「ち、ちがうちがう! そうじゃなくて、そもそもその"姉さま”をやめてほしいのよ!」
いかん、何を言いたいのかが分からない。
えぇい、こうなったら手当たり次第行くしかねぇ!
「え、えーっと……レミリア"姉ぇ"?」
「却下」
「で、では……レミリア"お姉ちゃん"?」
「気持ち悪い却下」
「そ、それでは……レミリア"姉さん"?」
「一番マシだけど却下。……ってどうしても"姉"をつけたいわけ?」
「そうか! これでチェックメイト! レミリア"おかあさ――」
「不夜城レッド!」
どうして……? レミリアお母さん……
そして、俺の意識は闇へと深く堕ちていった。
「咲夜」
「はい、お嬢様」
「この女心の分からないバカをフランの部屋に放り込みなさい」
「かしこまりました」
11スレ目>>563
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「うぅ、いてて……」
「おはよう、○○、やっと起きたんだ」
全身の痛みを感じつつ起き上がると、目の前にはフランがいた。
どうしてこんな所にいるのかは、考えてはいけない。考えたら負けだ。
「あ、あぁ、おはよう、フラン……」
言ってから、ハッと気がついた。
……そういえば彼女はレミリアお母さんに次ぐは人生の大先輩だった。
「なら、立てるよね? 始めようよ。いつもの弾幕ごっこ。短くとも一時間は楽しませてよね」
そう言いながら、片手で持っていた杖を両手で握り、こちらに向けて構えた。
瞬間、その杖は炎を纏う刀身を持つ剣へと変化させた。
レーヴァテイン
――"破滅の枝"か。
これは、一つの呼び名であり、他の呼び名もたくさんついている。例えば災厄とか。
共通しているのは、どれも良い意味を持っていない事だ。
しかし、まさかいきなりスペルカードとは。
そんなに溜まっていたのだろうか。っていうか誰も相手してやってなかったのか。
まぁ、進んでやろうとする人はいないよね。命がいくつあっても足りやしないんだから。
コインいっこでコンティニュー? 違うだろ。生命輪廻すら無理だろ。
「って、ちょっとお待ちください。俺には話が」
「興味ない」
ちょ、一蹴!?
上から振り落とされた破滅を左に避ける。
それでも、遅かった。右肩が掠め、そこから尋常じゃない痛みが走る。
見ると、そこは服が破れ、赤い液体がドクドクと湧き出していた。
冗談じゃない。スペルカード無しなら気絶程度で済むから、相手してやってもいい。
でも、スペルカード有りは気絶じゃ済まない。
掠っただけで、痛みに意識が霞むのだから、もろに食らったらどうなるかは想像に難しくない。
全く、レミリアお母さんのように、加減というものを知ってほしいものだ。
っていうか、何で弾幕じゃなくて肉弾戦なんだよ。肉弾戦とかダイレクトに伝わるから、勘弁してほしいんだけど。
そもそも、本題は何だっけ? フランお姉さまをぎゃふんと言わせることだっけ?
いや、違う。
俺はフランお姉さまと話をしなければならない。
"お姉さま"と呼んでも良いか、聞かなければならない。
しかし、今のフランお姉さまの状態は話を聞いてくれそうもない。
逃げ回りながら話しかけても"弱い虫が煩い"と一蹴されてしまう。
試しに説得を試みても。
「だから、ちょっと、お、俺の話を……!」
「弱い虫が何鳴いてるの?」
ほらね、思ったとおりだよ。
「何か言いたいなら、もっと足掻いてみせてよ」
……つまり、あれか。
同等以上の力を持っていればいいんだな。
そうすれば、ちゃんと話聞いてくれるんだな?
そういうことなんだな?
「――――」
麗しきフランお姉さまが握っている破滅に意識を集中させる。
行くよ、と言わんばかりにそれを振りかぶる。
豪快です。正に漢(おとめ)。惚れそうですよ、フランお姉さま。
でもね、それじゃダメだよ。隙だらけじゃないか。
敵と戦うなら、そんなに大きな隙を見せちゃダメだ。やられてしまう。
それに。
「――災厄ってもんは、いきなりやってくるもんだろ?」
「へ?」
自分の腕にあるであろう剣を横に凪ぐ。
確かな手ごたえがあった。しかし、想像していたよりも軽い。
見ると、フランが腹を抱えて後ろの壁に激突した。
そして、余程ダメージが大きかったのか、その場に座り込んだ。
しかし、凪いだはずの腹は、不思議な程、無傷だった。
当たる瞬間に、何かしらの方法で避けたのだろう。
しかし、どうやらその分、衝撃を軽減する事が出来ず、もろに入ったらしい。
だから腹を抱えているのだろうが。
ふと、自分の右手にある感触を確認する。しっかりと実在している。
世界が、いや、宇宙が定めた禁忌が。
それが、フランの手の中にはもちろん、俺の手の中でも握られている。
どちらが偽物か? その問いに答えることは簡単だ。
しかし、そこが問題なのではない。
本来、一つしか存在しないものが、二つ存在していると言う事。
「これが、本当の災厄って言うんじゃねーかなぁ」
レーヴァテイン
俺の手にも確かに存在する、もう一つの"災厄の枝"
それは、思っていたよりも軽かった。
吸血鬼って、実はマッチョだったりするのかと思っていたから、俺から見て重いものでも軽々と持つものだと思っていたが、実は違ったりするのだろうか。
しかし、こんなに軽いなら大振りするほどの物でもないと思うが――それとも、俺が良い様に改造してしまったか。
どちらにしろ、これは俺のモノである。
フランを見る。
当たり前と言えば当たり前なのだが、信じられない、と言った様子でこちらを見ていた。
まぁ、これで話し合いが出来れば良い。そもそも、この為に来たのだから。
「な、何であんたが……」
「さて、これで俺の話を」
「何であんたがそれを持ってるのよぉ!!」
うわぁ、怒らせちゃった。凄い怒らせちゃったよ。
話し合いがしたくてせっかくここまで頑張ったのに、結局無駄骨かよ。
「うわああああああああ!!」
どうやら、完全にキレてしまったらしい。こっちに飛んできながら剣を振り回してきた 。
先ほどよりも攻撃が激しい。掠っただけで逝ってしまいそうだ。
ただ、乱れすぎて狙いが定まっていない。それ故に先ほどよりも隙だらけだ。
意外だった。彼女が、こんなにもバラバラな攻撃をするなんて。
まぁ、俺のせいだって事は分かっているが。
だからこそ、その処理はちゃんとしてやらなければならない。
「――許せ、フラン」
「ぎゃふん!」
その剣を思い切り振り落としたのを見て、災厄の柄を腹に深く叩き込む。
程なくして身体の力が抜け、その手から破滅が落ちた。
とりあえず、ベッドまで運んでおくか。
ちょっとイヤらしい事もしておこうか。
レミリアお母さんにバレたら間違いなくこの世に存在できなくなるので、やめておいた。
「あれぇ……○○?」
「おぉ、おはようございます」
フランお姉さまが目を覚ますまで暇だったので合戦の処理をしていた。
処理が終わって一息吐いたところで、ご起床なさったようだ。
先ほども言ったけど、俺の目的はフランお姉さまと話し合いたいわけであって、決してぎゃふんと言わせたかったわけではない。
つまり、ぎゃふんと言わせて気絶させてしまったのは、ある意味失敗なのである。
ベッドから身体を起こし、寝ぼけ眼を擦りながらこちらを確認している。気絶していたとは思えない程だ。
よほど気持ちの良い夢を見ていたらしい。
「んぅ……何か変な夢を見た」
「ほぅ……どんな?」
ベッドの毛布を見ながら、相変わらず眠そうな顔で呟いた。
それに相槌を打つように聞く。
夢の内容を話したくなければ、それでも良いが、話してくれると言うのなら、是非聞きたい。
「何か、○○にやられる夢」
って夢じゃねーよ、それ。ついさっきの出来事だよ。
まぁ、起きた場所がベッドの上な事と、何事も無かったような周囲。
更に珍しくタキシードを着ている俺を見れば、夢じゃないなんて言われても信じないだろうな。
剣を掠めた右肩がまだ痛いが、そこは我慢の子だ。
夢で無かった事に気付かれたら、色々と面倒な事になりそうだ。
「……それは天地がひっくり返っても有り得ない話ですね」
「う、うん……でも、何だか夢じゃないみたいだった」
だって夢じゃねーし。
と、言いそうになり、慌てて口を押さえる。
「でも、何でこんな夢を見たんだろう……○○が近くにいたからかな」
「そうかもしれませんね」
「あ、でも、夢の中の○○、かっこよかったよ。私が負けたのが気に入らないけど」
「私にかっこよくあって欲しいんですか? いやぁ、まぁ成れと言われても無理ですが」
「そうだよねぇ、いつも逃げ回ってるばっかりだし」
「あはは、耳が痛いです……」
逆に、そのギャップが夢と思わせてる一因なのかもしれない。
それなら安心だな、とホッとしつつも、紅茶をベッドの横にある丸テーブルの上に置いた。
「で、○○は何で敬語なの? それに、自分の事を"私"とか言っちゃってるし」
やっと突っ込みきたー!
音速が遅いってレベルじゃないよフランお姉さま。
「えぇ、実はですね……」
やっと本題だ。ここまで来るのにどれだけの苦労と時間をかけたんだろう、俺。
年の差とか実は俺よりも人生の大先輩とか、だから敬語じゃなきゃダメだって事に気付いたとか、色々話した。
で、返ってきた反応が。
「ふーん……」
うわ、一緒! レミリアお母さんと反応一緒! つまらなそうに紅茶を飲む所とか一緒!
つまらなそうっていうか、俺が何を言いたいのか伝わってる感じしないけど!
しかし、ここからだ。ここから言葉を探さないと、きっと495年の波紋が俺に飛んでくるに違いない。
「だから、私は今から貴方様の事を、"フランお姉さま"とお呼びします! いいですか!?」
「ぶっ」
フラン噴いたー!
「けほっ、けほっ、こほっ」
一体、何がいけなかったんだろう。ちゃんと確認の言葉を入れたのに。
もっとこうハイテンションでいかないといけないのかな。
そうじゃないよな、何考えてるんだ俺。
「……あのさ」
「はい」
「いつもどおりでいいと思うよ。無理して、お姉さまとか呼ばなくて良いと思う」
何この子いきなり爆弾発言しちゃってる。
それじゃ、ここまでやった俺の意味が全部無駄になっちゃうじゃないか!
それだけは、何としても避けたいっ!
「いいえ、ダメです。人生の大先輩にそんな失礼な事したら末代まで祟ります、俺が!」
「自分で自分を祟るの?」
「イエス、マム!」
どうして、二人ともそこまで"お姉さま"と呼ばれるのを嫌がるのだろう。
フランお姉さまはともかくレミリアお母さんは呼ばれ慣れてるはずだよなぁ。
というか、二人ともいろんな愛称があるんだから、そこにちょびっと"お姉さま"をトッピングしたっていいじゃないか。
……あ。
「そうか、そういうことだったんですね!」
「は? 何が?」
「ごめんなさい、私はどうしようもない勘違いをしておりました」
「いや、だから何が?」
「つまりこう呼べば良いのですね! フランドールお姉さま!」
「気持ち悪っ!」
"フラン"という愛称だったからもダメなのかと思っていたが、どうやら違うらしい。
しかも、汚物を見るような眼で見られてしまった。
この後すぐレーヴァテインが脳天突き抜けてきてもおかしくなかったな。よく生きてた、俺。
それにしても、反応を見るに、愛称よりもひどい状態らしかったな。
こうなったら、レミリアお母さんみたいに手当たり次第行くか。
「じゃあ、フランはそのままで……フラン"姉ぇ"?」
「いや、そうじゃなくて」
「違うか……ならばフラン"お姉ちゃん"?」
「だから」
「だったら……フラン"姉さん"?」
「最後まで人の話を」
「よし、これでどうだ。フラン"おねぇたま"」
「 殺 す よ ? 」
「すいませんごめんなさい申し訳ありません自粛します」
すっごく殺意の篭った眼と声でした。自分の死を直感したのって初めてかもしれない。
そして、大人しくなった俺を見て、はぁ、とため息のフラン姉貴。
「……人生の大先輩だからって、そんなに畏まらなくても良いと思うんだけど」
「いえ、だからそれじゃ」
「うるさい黙れ」
「はい……」
怖い。怖いよお母さん。ちなみにレミリアお母さんとは別人。
俺が静かになったのを見て、フラン姉貴は言葉を続ける。
「だいたい、年上だからって、本当に私が○○より人生を歩んでるって事は無いと思う」
「…………」
「実際、私はこの屋敷から外出たことないもん」
そういえばそうだった。
どんな理由なのかは誰も教えてはくれないが、だいぶ前までは、外はおろかこの部屋の外にだって出してくれなかったらしい。
「でも、○○はこの館の外知ってるんでしょ? ほら、そう考えると○○の方が人生の先輩だよ、たぶん」
「たぶん、すか……」
「たぶん」
「…………」
「どう? 納得してくれた?」
色々と言葉を捜してくれてきたようだが、何が言いたいのかは分かった。
つまり、年なんて関係ない、生きている間、どう歩いてきたかって事か。
でも、こうやって俺が諭されてる時点で、やっぱりフランの方が人生の先輩だ。
「うん、納得した。敬語はやめる」
「ほんと? 良かった。気持ち悪かったんだよね、あれ」
それは傷ついた。笑いながら言われると泣きたくなる。
俺って、どんだけ敬語似合わない人間なんだろう……
まぁ、敬語の件だけは引いておいてあげよう。レミリアお母さんにも後で言っておかなければ。
「でもなぁ、年上っていうのは変えられないからな。絶対に"お姉さま"だけは入れてやる」
「…………」
呆れたような顔でこちらを見ている。
しかし、そんな顔をされても俺の決意は揺るがない。
意地になっている? 確かにそうかもしれないけど、あんな傷まで負ったんだ。今更引き返せるか。
そんな俺を見て、フランが何か考え始めたと思うと。
「じゃあ……○○だったら"姉さん"が良いかな」
「え?」
「呼ばれるなら"フラン姉さん"って呼ばれたいかな」
これは意外な展開だ。
まさか向こうから希望されるとは。
しかも若干照れてるあたりが、また可愛い。
「一番違和感が無い気がする」
「そうか……そうか! じゃあ改めて呼ばせてもらおう! フラン姉さん!」
やっぱり、嬉しいな。自分の希望、っていうの? そういうのが通ると。
何か、頑張った甲斐があった気がする。良いなぁ。レミリアお母さんも認めてくれればいいのに。
二人で笑い合っていると、急に笑い声が増えた。
そして、周りを見るとフラン姉さんが四人に増えて、俺は囲まれるような形になっていた。
「……あ、あれ?」
「あのさ、お姉さんってさ」
一人のフラン姉さんがこっちに一歩、歩み寄ってくる。
それに、遅れて、他の三人も一歩。
「え!? ちょ、何」
「弟に、なにしてもいいんだよね?」
今度は別のフラン姉さんがこっちに一歩。
それに、遅れて、他の三人も。
「い、いや、それは違う、さすがにやっちゃいけないことと悪い事があって」
「大丈夫、殺しはしないから」
更に別のフラン姉さんがこっちに一歩。
それに、遅れて、他も一歩。
「い、いや、そういう問題じゃなくて」
「遊ぶだけだから」
最後のフラン姉さんがこっちに一歩。
それに、遅れて、みんなも一歩。
思わず座り込んでしまった俺は、四人のフラン姉さんに見下される形となる。
みんな、笑っている。ニヤニヤとしながら。
玩具を見つけたような子供のような――悪魔の笑顔で。
「ね、○○」
もう、誰が言ったのか分からない。
ただ、わかっていることは、おれは
『大好きだよ』
かごのなかのとりのようににげることなどでk「あ、ちょ待って右肩は痛ぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」
――後日談――
紅魔館の廊下。俺はある人を探して立ちぼうけ。
その人は部屋に行ったけどいなかったのだ。いつもなら優雅に紅茶でも飲んでいるというのに。
で、廊下をブラブラと歩いていたら、いきなり俺のシックスセンスが、ここにいれば来る! と言い始めたのだ。
確かにあてもなく行くよりも、自分の勘を信じてあげたほうが何となく良い気がする。
そして待つ事数十分。
ある扉から出てきた、青とも紫とも言える髪の色を持つ背中から悪魔の翼を生やした幼い少女の姿をした、吸血鬼。
その人と、目が合った。
話しかけなければならない。今日こそ、心を開いてもらうのだ!
しかし、待っていたとは思われたくない、ここは偶然を装って。
「あ、レミリアおかあs「不夜城レッド!」
今日も、レミリアお母さんは心を開いてくれない。
というか偶然を装うことすらさせてくれない。
一体いつからだろう。こんなに冷たくなったのは。
「咲夜」
「はい、お嬢様」
「この女心の分からない、頭の悪いバカを魔法の森に棄ててきなさい」
「かしこまりました」
「全く……本当にバカ」
11スレ目>>583
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最終更新:2010年06月05日 11:51