分類不能12
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「・・・・・・・師匠の様子はどうだ?」
「・・・・・・大丈夫です。寝ているようです」
永遠亭の夜。
それはあるお姫様が最も輝く時間(ネトゲ的な意味で)でもあり、また、ある天才が人騒がせな薬を研究している時間でもある。
しかし、この夜は違った。
ただいまの時刻は深夜2時。
ニー(ryじゃないかぎり、よっぽどの人は、寝ている時間である。
だが、その「よっぽどの人」に今日は当てはまらない奴らが、居間に集結していた。
「・・・・・・・・・全員いるな?」
居間の電気をつける。
「・・・・・・といっても、3人だけですけどね」
そう答えるのは俺と同じ師匠(もちろん、永琳さんのことだ)の助手兼弟子をしている鈴仙。
あー、なぜ俺が永琳さんの助手になっているかは、まあ、察してくれ。説明すんの、めんどい。
「よし、それでは、会議を始める」
居間にいるのは俺、鈴仙、てゐの3人だ。
「朝言ったとおり、今日は師匠のことについてだ」
なるべく小声で話すようにする。
だって、師匠、地獄耳なんだもん。寝ているからといって、油断は出来ない。
「諸君らも知ってのとおり、師匠は・・・・・
美 人 !
頭 脳 明 晰 !
N i c e B o d y !
不 老 不 死 !
・・・・・と、完璧な方である。」
特に、あの胸は反則だよね。
・・・・ちなみに、年齢については一切の不問とする。
「・・・・・・だが、師匠には困った点がある」
辺りを念のため見回す。
「・・・・・・・性格だ」
二人がうんうんとうなずく。
「俺たちは 身 に 染 み て わかっているが、師匠はSだ。ドSだ。ドを通り越して超がつくぐらいドSだ。
しかも、その内容は薬いじめときたもんだ。
毎回実験体にされる俺たちはたまったもんじゃない」
鈴仙が特にうなずく。
「そこでだ、この師匠の困った性格を変え、俺たちに明るい未来を作ろうではないか!」
ちなみに、全部小声であるから、イマイチ迫力が出ない。
「といっても、具体的にどうするんですか?」
鈴仙が恐る恐る聞いてくる。
「簡単な話だ。
師匠がSだから困っているのだから・・・・・
M に変えてしまえばいいのさ!」
これには流石の二人もビックリ。
「で、でも、そんなことできるの?」
今度はてゐが聞いてきた。
まぁ、予想通りの質問だ。
「正直、難しいだろう。
だが、やらなければ、俺たちは一生、あの人のモルモットだぞ・・・・」
3人、そろって身震い。
自分でも言ってて怖くなってきた。
「それで、具体的な方法は・・・?」
「・・・・・Sとは、性的快感を相手に与えることによって、自分が性的快感を得る性癖のことで
Mとは、自分が性的快感を受けることによって、性的快感を得る性癖である。
これらを考慮すると、まず俺たちが薬を飲まされてもあまり反応せずにすること。
それと、師匠に、自分自身がそういったものを受ける喜びを味わってもらうことが大切だ」
おいおい、この板で書けるネタなのかよ・・・・
「・・・・正直いって、下手したら死人が出るかもしれない方法だ。もちろん、師匠に殺される的な意味で。
・・・・それでも、ついてこられるか?」
二人は顔を見合わせ、静かにうなずいた。
「よし、それでは、方法を説明するぞ・・・・・」
「○○、ウドンゲ、ちょっと私の部屋にきなさい」
「はい、いますぐ」
「OK。師匠」
「・・・・・師匠には敬語を使いなさい」
「すみませんでした、師匠」
今日もいつもの仕事が始まる。
大体は、薬作りを手伝うか、薬売りを手伝うか、・・・・・・・モ・ル・モ・ッ・トか、だ。
「来たわね?それじゃ、まず○○。ちょっとこの薬を飲んでもらうわ」
はい、来ました。例のサドいじめが。しかも、真っ先に俺が標的ときたもんだ。
師匠の顔、ニヤけてるし。
「これ、ですか」
「そう、それよ」
手渡されたのは試験管に入った紫色のカプセル。
見るからに怪しさ抜群だ。
(ええい、ままよ!)
躊躇せず一気に飲んだ。
「どう?なにか変わったこと、あるかしら」
ニヤニヤしたまま聞いてくる師匠。
この変態性癖め・・・・・
だが、今宵の俺は、一味違うぜッ!
「・・・・・な、なにもッ、変わったことは、ないです」
「・・・・・そう?変ねえ・・・・」
なんだこれは、体の奥で何かが動いているみたいだ・・・・・
何の薬を飲ませたのかは知らんが、絶対に反応を表に出してはならない・・・・・!
「・・・・・・・・・」
「・・・・・・おかしいわねえ、じゃ、ウドンゲ飲んでみて」
・・・・・勝った。
そして鈴仙にさっきと同じ薬が手渡される。
きた、いまこそ作戦その1始動のとき!
鈴仙と顔を見合わせて、うなずく。
「・・・・・・師匠、多分、私と○○じゃ、結果は一緒だと思います。」
恐る恐る言うのがコツだ。
「だから、師匠が、飲んでみて下さい!」
~少女(?)制裁中~
「・・・・・だ、大丈夫か、鈴仙・・・・」
「・・・・・・あんまり。それよりも、○○さんこそ、大丈夫ですか・・・」
恐ろしい・・・・
あれだけのことで俺たちを完膚なきまでにボコるとは・・・・・
「作戦その1、失敗か・・・・・
だがッ!まだあきらめはしないさ!」
「作戦その2、始めるとするか」
俺は今台所にいる。
今から、師匠にお茶を持っていかなければならない。
「くっくっく、これは積年の恨みだぜ・・・師匠・・・」
某普通の魔法使いのような笑いを浮かべ、師匠の湯飲みに粉末を混ぜておく。
ちなみに、この粉末は痺れ薬だ。
もちろん、師匠の体を痺れさせるのが目的だ。
・・・・・・おい、モニターの前の貴様ッ!今変な想像したなッ!
「別にそのあと何か性的なことをするのではない。
これは、痺れさせることそのものが目的なのだ!」
そう、まず師匠には自分の体が動かないということから慣れていってもらう。
いわば、調教だ。
「ちなみに、バレたらもちろん、半殺しなので、ちゃんと言い訳は考えてあります」
といっても、師匠が聞く耳持ってくれればだけどヌェー。
・・・・・独り言って空しいよな。
師匠の部屋にお茶を持っていく。
あくまで、いつもどおりを装う。
師匠がお茶に口をつけた。
緊張の一瞬だ・・・・
「ん?」
お、反応を示した。
さぁ、そのまま・・・・・
「・・・・・・・今日のお茶はおいしいわ、何か入れたの?○○」
「へ??いや、あの、特に何も」
「そう。じゃ、○○のお茶の腕が上がったってことね♪」
「は、はぁ」
ちょっとまて。
なぜ痺れ薬が効かない。
よし、ひとつ、ゆさぶりをかけてみるか・・・
「あ、そういえば、何かの薬がお茶を入れた拍子に一緒に入っちゃったような・・・・」
・・・・墓穴を掘ったわけではない。
師匠の反応を見るのだ。
「あ、じゃあそのせいね」
「・・・・?どういうことです?」
「蓬莱人はね、どんな薬も、甘く感じちゃうのよ」
すげえ、いま俺の中でMMRが力いっぱい発動したよ。もちろん、ナワヤとかのほうの。
というか、なにその超後付け設定。
神主もビックリだよ、その設定。
・・・・・というか、薬大丈夫なのに、さっき俺らをボコボコにしたのはなんで?
単に、反抗したのが気に入らなかった?なんじゃそりゃー
作戦その2、人知れず失敗。
そのあとも、色々な作戦を試したが、全て失敗に終わった。
「・・・・大丈夫?特に、○○と鈴仙」
「・・・・・・」
てゐが労わってくれるなんて珍しい。
・・・・・ちなみに、俺と鈴仙、そろって包帯だらけとなっております。
もちろん、全て師匠の仕業です。
「こうなったら、もう最後の手段しかない!」
勢いで机をドンっと叩く。
・・・・・・傷に響いた。超痛い。
「・・・・最後の手段?」
「・・・そうだ。あまり使いたくは無かったが・・・・・・というか、この板的に使えなかったが・・・・・発動せざるをえない!」
「その方法とは?」
「・・・・・師匠の体を感じやすくする」
「・・・・・・」
「いいかッ!本当にこれはギリギリだ!もちろん、板的にも、俺たちの命的にもだ!
・・・・・・コホン、さて、ここに薬があります。これは何の薬でしょう。」
二人、頭にクエスチョンマーク。
「これは、GO☆YA☆KUだ。某クリムゾンに必ずといっていいほど出てくるアイテムだ。
ちなみに、八雲 紫さんからもらった」
二人、赤面。
お前ら、知ってたのかよ。
「いまから、これを師匠のお茶に混ぜる。
さすがに、これは効くだろう。
・・・・・効いた後は、てゐ、君の出番だ!」
「・・・・私?」
「そう、君にはこのあと、・・・・・・・師匠の胸を揉んでもらう。
・・・・これを俺や鈴仙がやったら、即半殺しだろう。だがッ!
・・・・・てゐ、君なら生存できるかもしれない。きみなら、いたずらで済ませられるかもだからな。
師匠が何か反応を見せたらそのまま墜とせ!いいな!」
あとのことなど考えていない。
本当にギリギリである。
「・・・・・大丈夫でしょうか」
「シッ!・・・・・だから、俺たちがこうして見守ってるんじゃないか・・・」
てゐは師匠と一緒に居間にいる。
俺と鈴仙は、師匠になるべくバレない位置で二人の様子を見届けている。
・・・・そろそろGOYAKUが効いてくる頃だな。
・・・・てゐに作戦決行の合図を出す。
てゐが、うなずいた。
「・・・・・ねぇ、えーりん」
「ん?どうしたの、てゐ・・・・・キャッ」
てゐが師匠に飛びついた。
そのまま、てゐは師匠に馬乗りの形に。
「えーりん、胸大きいよね・・・・・」
「やめな・・・さ・・・い」
そのまま胸をmおっと、これ以上は書けないな。
「・・・・・よし、いい感じだぞ」
「・・・・・・(凝視)」
「私なんて、胸小さいし・・・・」
「・・・・・・そう、胸を大きくしたいのね」
「・・・・え?わッ」
攻められてた師匠が急に起き上がり、てゐを押し倒す形に。
あ、あれ?
「お、おい、なんか状況が変だぞ」
「・・・・・・・(ムラムラ)」
「・・・・・えー・・・・りん・・・・?」
「ふふふ、可愛がってあげるわ。てゐ」
すると、今度が師匠が、てゐの服を剥ぎ取rおっと、これ以上は(ry
「あれ、ちょっと、うわ、そんなことまで・・・」
「・・・・・・・(ガバッ!)」
「・・・・・・・へ?」
突然鈴仙に押し倒された。
目が血走っている。
※備考
兎はとっても性欲が盛んな動物です。プレイボーイの象徴として使われるぐらい。
「おいおい、君がいくらエロ担当兎だからって、こんなことをしていいとでも・・・・」
「・・・・・・・(ゴソゴソ)」
「・・・・え?ちょ、うそでしょ」
ああ、不覚にもマイブラザーが反応しちまってるううううううううううううううう
ざんねん!!わたしのていそうはここでおわってしまった!!
・・・・後日
事後、鈴仙にすっごく謝られた。
だが、「でも、あんたじゃなきゃ、こんなことしなかったし・・・・」という爆弾発言の末、なんだかんだで、僕たち、恋人になりました。
「てゐ、ちょっといらっしゃーい」
「はーい、えーりん」
今日も師匠がてゐを呼び、てゐが喜んで部屋へ行く。
ここのところ毎日だ。こころなしか、てゐが少し女らしい体つきになっている。
・・・・てゐ、僕たちの身代わりになってくれたんだね・・・・・・・性的な意味で。
「・・・・ね、ねえ、○○。てゐも師匠も向こうの部屋だし・・・・ね?」
「・・・・・・そうだな、こっちへおいで」
・・・・・これもここのところ毎日である。
鈴仙に唇を塞がれ、俺はあることを考えていた・・・・・・
・・・・・・輝夜さん、どうしようか
その頃の蓬莱ニート
「・・・・・・私だけ仲間はずれなのね・・・・」
続かない
11スレ目>>834
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レミリア:レ フラン:フ 咲夜さん:咲 ぱちゅ:パ 中国:紅 こぁ:小 ○○:○ です。
フ「ん~・・・なんか暇じゃない?」
紅「そうですね~。そろそろ全員でトランプ占いをするのにも飽きてきました。
さっきから私身近な人のNGワードをつい言ってしまい投げナイフで刺され死ぬとしか占いの結果出ませんし」
小「そんなの外れるに決まってますよ。
だって門番さん前に『私咲夜さんにパから始まるアレ言って逃げてきちゃった~』とかなんとか言ってたじゃないですかそれならもう言ってるんだから万事解決です」
パ「ふぅん、それはとても勇気があるわね中国。だからこの前ナイフまみれになって帰ってきたのね」
紅「なっ 私そんな恐ろしいことを咲夜さんに!?そういえばあの日は訳もわからずナイフまみれにされて・・・思えば記憶が無かったんですけど一体どういう」
パ「酔ってたんじゃないの?お酒臭かったし」
小「まあそのお酒飲ませたの私なんですけどね~あっそんなに殺気立たないでくださいよ 今のは冗談です」
フ「あ、そーだ。じゃあさー王様ゲームでもしない?わたし妹様だけど王様~」
パ「あら、いいじゃない。私容赦しないわよ」
小「私だって容赦しませんよ?悪魔らしく、私が王様になったあかつきには皆さんの腎臓を一つずつ提供してもらいます」
紅「ええっ、腎臓なくなっちゃうかもしれないんですかぁ!?過酷ですよこぁさん!」
フ「よーしじゃあ私が王様になったあかつきには○○とお風呂に入ってもらおうっと!」
紅「ちょっ○○さん今ここいないじゃないですか何勝手に決めて っていうかあなたが言ったら子供ゆえの無邪気さなのか本気で狙ってるのかわかりません!」
咲「よーしじゃあ私が王様になったあかつきにはお嬢様、私とお風呂に入った挙句いろんな所を洗いっこしましょう!」
パ「あら咲夜あなたいつ部屋に入ってきたの?あとレミィの分まで下着用意してくるのやめなさいよ生々しい」
フ「よーしそれじゃあいっくよー!王様だーれ
(ガチャッ)レ「貴方たち先に言っておくけど命令は①決して卑猥でないもの②決して過酷でないもの③決して私と○○に不愉快な思いをさせないことが三大原則だからね」
フ「・・・ウワッお姉様・・・ウワッ・・・」
レ「何よフランそのウワッは何よウワッは槍投げるわよ」
小「レミリア様・・・私だってこんなこと言いたくありませんがそれじゃあ王様ゲームがゲームとして成り立ちません。
王様ゲームというのは原則として卑猥で過酷で不愉快なものなんですよ」
フ「そーそーお姉様空気よめてなーい。みんなで花火やろう!って盛り上がってるときに『でも大人がいないとき火遊びすんのはなぁ!』とか言う奴並みによめてなーい」
パ「でもレミィが言うのも仕方ないんじゃない?何せ前例があることだし。
以前やった時は咲夜は失明しかけ○○は胸毛を永久脱毛され妹様は額に肉と刺青をされかけ小悪魔は翼を封じられパラシュートなしのスカイダイビングに挑戦、
私はアキレス腱を空手チョップでカットされレミィに至っては危うく性転換手術をされそうに・・・
・・・などなど卑猥で過酷で不愉快 どころの騒ぎじゃないくらい酷い状態で紅魔館壊滅の危機にまで陥ったほどハッスルしたものだけどもうそれは勘弁したいでしょう?
今回はぎりぎりレミィの胸毛を永久脱毛くらいが許容範囲じゃないかしら」
レ「あはは何言ってるのパチェ私胸毛生えてないわよ~ って何言わせてるのよこの紫もやし」
咲「何ですって?それは困りましたね。お嬢様の子猫のごときフワフワヘアーを脱毛するわけにはいきませんし・・・
アッあそことかどうでしょう、あそこっていうかアソコとかどうでしょう!?アソコの永久脱毛とかどうでしょう!?」
フ「咲夜、お姉様が死ねってさ」
小「メイド長、レミリア様が死ねと言っています」
パ「咲夜、レミィが死ねと言っているみたいよ」
レ「ええ。咲夜、死ね」
紅「えっなにこれ何事ですか!?私が王様ゲームの準備してる間に何が!?」
レ「貴方たち暇なんでしょう。王様ゲームなんて卑猥で過酷で不愉快な遊びやってないで○○で遊べばいいじゃないの馬鹿ね」
紅「レミリア様どうでもいいですけど卑猥で過k、ああもうこの言葉噛みます!」
フ「でもさーお姉様○○で遊ぶってなにするのー?あいつもう一生胸毛は生えないってえーりんに言われたじゃない」
パ「・・・別にいいのだけれど妹様は胸毛、というか毛の話題を引っ張りすぎよ。また咲夜あたりが変なこと言い出しそうだからその話は終わりにして」
小「その心配ならご無用ですパチュリー様。今メイド長、屋上にある血のプールに沈められて身動きとれなくなっていますから」
レ「あ、そうよ良い遊びを思いついたわ喜びなさい暇人ども。
○○の毛を多くむしってきた人が勝ちだよゲームしましょう」
パ「別にいいのだけれど、今日はどうしても毛なのね。毛に固執していきたい感じなのね」
★○○の毛を多くむしってきた人が勝ちだよゲーム得点表★
・髪の毛 1点(若いため多いので希少価値が薄い)
・眉毛 1点(ただし眉毛の形を綺麗な△型にした場合だけボーナス!20点)
・まつげ 2点(張り切ってむしろう)
・ひげ 2点(顎の皮膚も削り取る勢いでむしろう)
・腕毛 2点(レディーもびっくりなトゥルトゥルに仕上がった場合ボーナス30点)
・すね毛 3点(強力粘着ガムテープで大胆に バリーン!とやろう)
ロイヤルプレジデントボーナス毛
・胸毛 ○○の貯金より蓬莱の薬プレゼント!(もう二度と生えてこないといわれている毛。奇跡をみんなに見せてくれ!)
・IN毛 ○○を365年奴隷にしていいよ☆券プレゼント!(陰の毛。黒の守護神と呼ばれているぞ。ちぢれているかどうかが争点だ!)
レ「まあそんな感じのルールよ!もうなんか何でもいいからむしってきなさい!」
フ「あはははなにこれちょーくだらなーい!よーしわたし○○欲しいから下の毛狙うー!!」
小「じゃあ私は蓬莱の薬狙いで行きましょうか。乳首の毛は胸毛と判断していいんですよね?」
咲「フッフッフ・・・あいつの髪の毛を全部むしりハゲにしてしまえば・・・お嬢様のハートはきっと私のもの!というかお風呂で洗いっこが私のものよー!!」
紅「わぁこんなに張り切ってるみんな見たの初めてだなぁ・・・私も頑張らないと!」
パ「○○もいつか人権が回復して人間のように扱ってもらえる日が来るといいわね」
(○○のお部屋にみんなで堂々と侵入しました)
フ「ウワッありえない○○の部屋!なんかヤキソバくさいんだけど!うけるんだけど!○○ってば昨日絶対ヤキソバ食べて寝たよ!UFO or ぺヤングだよ!!」
パ「妹様、静かにしないと○○が起きるわよ。
あら、やだ○○こんな雑誌広げて置きっぱなしじゃないの迂闊なんだから・・・私のとこから借りていったのかしら」
小「へえ、○○さんなかなかたくさん貯金してるじゃないですか。えーと、カード、カード。あと印鑑と宝石類なんかあると嬉しいんですが」
レ「そうね、とりあえず壁を殴ってなんかボコボコにして、あたかもポルターガイストが起きました的な感じにするわよ。なんか面白いからそっちの方が」
咲「お嬢様!ぜひ私にもお手伝いをさせてください!私先ほどこちらの部屋のカーテンに全部ラー油染み込ませました!」
レ「でかしたわ咲夜!オリーブオイルじゃないところがポルターガイスト的でいいわね。最高よ!」
咲「お褒めに預かり光栄ですお嬢様!ついでにソファーにも染み込ませておきましたお嬢様!」
レ「素晴らしいわ咲夜!これからは貴方のことを咲夜じゃなくてラー油と呼んであげましょう」
咲「お嬢様!」
レ「ラー油!」
パ「なんか今日レミィテンション高いわね・・・○○の部屋だからはしゃいでるのかしら」
(中国さんだけひとり○○さんの寝室に真面目に訪れたみたいですよ)
紅「○○さーん、毛、くださーい」
○「(ぐうう)(寝てる)」
紅「○○さーん、勝手に抜いちゃいますよー。いいんですかー」
○「(むにゃむにゃ)(寝てる)」
紅「○○さん私毛抜きも装備してるんですからねこれ優勝狙ってますからねー」
○「(んぐんぐ)(寝てる)」
紅「○○さんもう毛抜く気満々ですよ私ほらもうベッドの上に侵入しましたよー」
○「(すーすー)(寝てる)」
紅「うーんどの毛を頂こうかなー。あんまり抜いても痛くなさそうな毛がいいですよね!」
○「・・・んー・・・」
紅「んー。あっそうだ胸毛を狙っていこうかなポイント高いし」
○「・・・・・・・・」
紅「○○さんちょっと胸のほう失礼しますねー。大丈夫ですちょっとちくっとするだけですから」
○「・・・、んん」
紅「ん?」
○「めーりん・・・」
紅「え○○さ」
※あっはんうっふん
レ「えっちょっまっ待って待って中国がいないわよ!?門番がいない!全く貴方のせいよラー油貴方と遊んでたせいで中国に抜け駆けを許しちゃったじゃないの!」
咲「えっそんなお嬢様!さっきまで『私・・・もうラー油なしでは生きていけないわ』とまで言ってくださったのにお嬢様!」
フ「え、中国いないの?トイレとか行ってるんじゃないのー。
それより○○よ○○、まさか中国のやつトイレに行くふりして抜け駆けなんてしてるんじゃ よしわたしもちょこっと混ざってきて3p パ「そこまでよ!!」
小「もうほぼ言っちゃってますけどね~あっフラン様、私それビデオに撮っていいですか?盗撮裏物無修正ビデオとしてマニアに販売しようかと思いまして」
レ「ばっばかっばかなの貴方たち!さ、三人でとか、盗撮裏物無修正とか、もうどうでもいいから、なんでもいいから・・・
はっ、中国かくれんぼしてるのね!?そうなのよね!?○○と一緒に隠れてるのね!?便器に隠れてるの!?ねぇ中国!!」
パ「レミィ落ち着いて、普通かくれんぼで殆どの人間は便器の中に隠れたりしないわ。
それより早く二人のところに行かないと」
(あああああああああ)
紅「まっまっままままま○○さん!ね、寝惚けているんですか!おおお、や、やめてくださいいいっ」
○「んむー・・・」
紅「んむーじゃないですよ!あ、ひぃ、い、いけません、○○さん、む、胸は、胸はよしてくださいあああ恥ずかしいんで」
○「めーりん・・・(ぎゅむう)(もみゅもみゅ)」
紅「ばかやろう!ばかやろう○○さん!ばかやろう!
これ以上やるとほのぼの紅魔館日記どころか『戦慄の紅魔館~門番を犯す~』になっちゃうんでホンット勘弁してくださっというかあのガチで誰かとそういう行為しちゃったらあのその
このお話終わっちゃいますからぁああいやあああああ!!」(←拳で思いっきり殴ればいいことに気付かない)
レ「フェイクーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!(バキイイイイイ)」
フ「ああっよし分かったこの話は原則として台詞のみの構成だからわたしが台詞で状況説明してあげるわたしやっさしーナイス妹!
お姉様が激怒してグンニグル っていうか寝惚けて中国の乳をもみしだいてた○○の横っ面を殴り飛ばしたよ これぞ天国から地獄デッドアライブ!」
咲「ま、○○貴方お嬢様を差し置いてなんてことをしているの・・・!まぁそれはいいとしてお嬢様ホントお風呂入りませんか私と!隅々まで洗ってさしあげますから!」
レ「死ねラー油ゥウウウウウウ!!!(バキイイイイイ)」
小「ああっよし分かりましたこの話は原則として台詞のみの構成なんですよねだから私が台詞で説明してあげます私やっさしーナイス小悪魔!
レミリア様が激怒してグンニグル というかお風呂お風呂うるさいメイド長を便器に叩き込みましたよもうホント下品ですねぇげんなりします!」
紅「れ、レミリア様落ち着いてください!私何もしてませんし何もされてませんから!!だから槍しまって!!!
あっそ、そうだあれですよね毛を取ってくるゲームなんですよね!私ほら毛、ゲットしましたよほらほら!」
レ「(はぁはぁ)・・・そ、そう・・・本当に、○○とは何もなかったのね・・・?
一体どこの毛をむしったの?勝利に貪欲で偉いじゃない」
紅「いやっ!そんなことないですよ!布団の中で暴れてたら偶然見つけただけなんですこれなんですけど」
ξ ←別名:黒の守護神(五分の一の大きさです)
レ「フェッフェッフェッフェルディナンーーーーーーーーーーーーー!!!!!(バキイイイイ)」
パ「ああっよし分かったわこの話は原則として台詞のみの・・・ああもう面倒くさい私やっさしーナイス魔女!
レミィがもう激怒っていうか泣いてるわ!○○はなんか幸せそうな顔で意識手放してるわ!
ちなみにフェルディナンはジャン・リュック・ゴダール監督作品『気狂いピエロ』の主人公の名前よレミィにも中国にも○○にだってなんら関係はないわ!」
紅「ぎゃああ○○さあああんしっかりしてくださいあといい加減おっぱい舐めるのやめてくださいーーー!!」
フェッフェッフェッフェルディナンーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!(ガッチャーン)(※お嬢様が錯乱のあまり窓から飛び降りた音)
あああっ嘘どうしようレミリア様が泣きながら窓からとびおりちまったよここ五階なのに!どうしよう!
っていうか○○さんほんと目覚ましません執拗に目を覚ましません!なんでこんなに胸揉んでくるんでしょうなんかもう、腕引きちぎるぞ!!
フラン様はなんか勝手にヤキソバ作って食べてるしこぁさんは○○さんの部屋の高そうな置物箱につめて持ち運びまくりだし
パチュリー様に至っては「私そろそろ戻るわ、お休みなさい中国」とか言いながら部屋出てっちゃいましたよっていうかレミリア様は!?頼みの綱のレミリア様は!?
あの人いないと私あれだよ全然ギャグにならない世界に連れてかれちゃうよまずいよ!このさい咲夜さんでもいいので目を覚ましてください助けてください!
あ、あ、ちょ、ちょ、○○さんほんとこういうのは寝惚けてないときに、ああああたまおかしくないお話のときに、ヒィイイどうしましょう私清純派なのが売りだったのにぃいいい!!!
どうしましょう!?今日の紅魔館は平和じゃありません!!レミリア様の安否はいかに!?そして私の貞操は!?続きはwebで!!
○「ふぁ~あ・・・、あ?(なんで俺の部屋こんなにラー油臭いんだ・・・?)・・・」
紅「(もぞもぞ)うう・・・、ひどいです○○さん・・・私はじめてだったのに・・・」
○「え」
12スレ目>>111
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なぜこんなことになっているのだろうか。
なぜこんなに大量の食物が目の前に並んでいるのだろうか。
「この食べ物の山は?」
「はあ、八坂様がたくさん食べさせるようにって」
どうやら早苗さんもなぜこんなことになっているのか判らないらしく、
戸惑いながらも夕飯作りにてんやわんやの状態だった。
「神様よりも多いって言うのはちと問題あるよなあ」
向かいと隣の二柱の神様の席にも夕飯が並んでいるが、
自分の眼前にあるものよりぐっと少ない。
「これは明日銃殺か屠殺リスト入りフラグか?」
新年早々縁起の悪い話ではあるが、そんなものしか思いつかない。
しかしそこまでされるような悪戯はしていないはずだ。
せいぜいケロちゃん帽子に眼二つ追加とか、背中の御柱をポッキー風にするとかその程度。
よもやこの位で処刑しにかかるような度量の小さい神様でもないだろう。
「いちにーさんよん、ひーふーみ。魚4つ肉3つか。これに汁菜は多すぎるな」
「もうすぐごはんですよー。おりてきてくださーい」
考え事をしているうちにいつの間にかほとんど出来上がっていたようだ。
こうなれば直で神奈子様に聞いてしまうほうがいいだろう。
「八坂様、何でこんなに○○さんのだけご飯多いんですか?」
あ、先に聞かれた。
「何でって、痩せてるからもっと食べて太らないと」
「うちの親みたいなこと言わないで下さい」
「でももっと肉つけたほうがいいですよ」
「そう、もっと肥えないと」
何よこの集中砲火。何故こいつらはこんなにも俺を太らせようとするのか。
「何でそんなに太らせようとするんです? 食べても旨くは無いですよ」
「だって私の隣に立つ人がそんな体じゃ恥ずかしいだろう」
「来年一緒に冬眠するなら今から脂肪をつけておかないと」
言い終った途端、場に外の寒気などお話にもならない程の冷たい空気が走る。
両者共何も言わず、ただ額をぶつけて睨み合っている。
部屋では味噌汁を運ぼうとする早苗だけが動いていた。
「ああ、味噌汁のお椀半分持ちましょうか」
「あ、すいません。ありがとうございます」
ことりことりと椀を置き、食事の支度は整う。後は主たる神様が座るだけだが、
未だに角突きを続けていて卓につく気配が無い。
「どうしましょ。先に食べちゃいますか?」
「それよりテーブル余所にやりましょう。ここは危ないです」
「それじゃ味噌汁向こうにやってから運びますか」
「もう30分くらいあのまま睨み合ってますねえ」
「ええ。お腹空かないんでしょうか」
テーブルを移動させた後、二柱に声をかけたり裾を引っ張ったりして、
夕餉の用意が出来たことを知らせたが一向に返答が無い。
しょうがないので、自分と早苗さんは食べ始めていた。
「この漬物上手く漬かってますな」
「本当に。御柱の欠片を重石に使ったのがよかったんでしょうか」
「この鯖の味噌煮もよく味がしみてる……鯖?」
「どうかしましたか?」
おかしい、人から聞いた話だとここには海が無いそうだから鯖などいないはずだ。
まさか鯖が川に住むなんて面妖な話が……ありうるな。ここなら。
○○は未だに位置取りを確かめるように地味に回りながら睨み合う、二柱の神を見ながらそう思った。
「しかし本当に多いなこれは」
魚4種に肉3種、サラダと芋の煮物におひたし、ポテトサラダ、きのこのソテー、味噌汁、ご飯にお新香4種。
材料のダブりも意に介さず、これらが○○の目の前に始め並んでいた。
一汁一菜だの6つの基礎食品群をバランス良くだのと言う事は全く無視されたような食事。
これだけで普段なら2日程度は食べていけそうな量があった。
「こりゃ食べ切れんぞなもし」
「まあもうちょっと食べてください」
「いやいやもう無理もう無理」
「ほらきのこのソテーももうちょっとじゃないですか」
「いやエリンギとか歯に挟まってそんなに食べる気しないのよね」
「まあそんなこと言わずにもう少し食べてみてください」
「それにね、もうお腹一杯だから」
エリンギを箸でつかんでにじり寄ってくる早苗。
それから逃げるように○○は腰を浮かせるが、すぐにバランスを崩し後ろに倒れこんでしまう。
「何でこんなときに足が痺れて――」
「逃げられませんね。観念して食べてください」
にじり寄り、ついに○○の腿の上まで到達した早苗が言う。
「はい、あーんしてください」
「だが断る」
「きのこはこれが最後なんですから。お残しは許しませんよ」
「いや無理なものは無理。胃に空きがありません」
「ほらおいしいですよ。食べられますよー。私も一本食べましたから、○○さんも一本食べましょうねー」
「そんな野良猫に餌やるんじゃないんだから……」
「今だ!」
箸につままれた一本のエリンギは絡まる汁を落とすことも無く、開いた口へと吸い込まれていった。
「口に入ったから食べるけど……ああ今挟まったよ」
「一本食べましたし、もう一本いかがです?」
「いや、もういい。それより爪楊枝無いかな」
「どうせなら食べきっちゃいましょうよ。はいあーん」
しかしきのこが口に入る前に横から割って入ってきた二柱の神により阻止される。
「早苗……随分と睦まじくやっていたねえ」
神奈子が早苗を睨め付ける。
「何のことでしょう……私はお二方がまだ遊んでいらっしゃるので、
仕様が無いから先に○○さんと食べていただけですが」
早苗が答える。
辺りの雰囲気が酷く怖い。まるでギリギリという音が聞こえるようである。
一刻も早くこの場から立ち去ろうと、匍匐前進で隣の部屋に行軍を開始するが、
それも卓から半身を乗り出した辺りで諏訪子に止められる。
「どこに行くの? まだ夕食は終わってないよ」
胡瓜の糠漬を丸ごとかじりながら言ってくる。
「いやいや、もう満腹なので腹ごなしに少し散歩にでもと思っていたところでさぁ」
「何言ってるのよ。早苗とも一緒に夕飯食べたんでしょ」
後ろでごそごそと誰かの動く気配がする。同時にカコというお櫃のふたを開けたらしい音もする。
「私たちとも食べないで夕飯が終わるとでも思ってるの?」
ことりという音がする。おそらくは茶碗を置いた音だろう。
これはまずいと、希薄な第六感が告げている。
「あら、もしかして何処かに行くつもり?」
神奈子が言う。
「駄目よ。今から食べ始める家主がいるんだから」
そう言うと神奈子は卓につき、他の2人も同じく座る。
「それでは改めて、」
神奈子が言う。
「いただきます」
「「いただきます」」
神奈子の音頭にあわせて2人も復唱し、食べ始める。
おかしい。先刻まで早苗さんは食べていたのだ。胃に入る場所があるはずが――
そう思って早苗さんを見ていると不意に気づいた。
茶碗の中身が減っていないことに。そして主菜の肉や魚にさして手がつけられていないことに。
「どうしたんです。早く食べないとご飯冷めますよ」
(――謀られた!!)
すべて演技だったのか。俺に一杯食わせるために芝居を打ったのか。
あるいは皆ガチで、ちょうどいいからこうなったのか。
それは判らない。ただ言えることは食べないと面倒なことになるだろうということだ。
○○の長い食事が始まる。
12スレ目>>121
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いえねぇ、
もうクリスマスイヴじゃあないですか。
この時期になると想い人に会いに、
新年を祝いにと外から幻想郷に入ろうとする人が多くて困るってもんです。
お陰であたしの様な只の人間も年末だってのに朝から晩まで結界の番をさせられる訳ですよ、
ここのところずっと宴会に行ってる社長を尻目に、です。
上司の狐さんも猫さんも黙って働きましてさあ。
何でも愚痴の一言でも言えばスキマに落とされるそうで。
とは言え、あたしはただの人間でして、我慢が出来ませんでねえ。
社長を好いてらっしゃる里の変な頭巾被った若い衆にやらせりゃいい物を、
とうっかり言っちまいましてね。
すぐに足元にスキマが開いて天地が真っ逆さま。
暗くて目玉がいっばいのスキマの中には社長が居ましてなあ。
お咎めは軽かったんですが、別に仕事を言い渡されましてなあ。
森近さんの店に行って赤い葡萄酒と、白い洋菓子を買って、深夜にまた此処に来いだと。
・・・やれやれ、菓子のついでにあたしも食われちまうんだろうかね?
---文々。新聞、
昨年のくりすますに関するインタビューより。
昨年12月25日の晩、八雲紫氏の式二人が過労にて倒れた事との関連性は調査中。
以下は配付された新聞全てで字が消され黒塗りされており解読は困難、
ある手法を用いる事で「なんで私には一緒に過ごす相手が」
までは確認する事が出来た。
11スレ目>>446
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…ああ、『世界』が終わる。
腕が重い。
足が重い。
瞼が、重い。
体中から力が失われていくのがわかる。
視界は闇に包まれ、音は徐々に消え去り…。
自分が倒れ伏しているこの草原を、撫でるように吹いているはずの風を感じることはできず、
自らの分身たる武器を握っているはずの手の感覚も、既にない。
…あいつらは?『世界』は無事か?
あいつらの『世界』が無事ならば、俺の『世界』などいらない。
自分の生など二の次だ。
あいつらが俺の全て。あいつらの『世界』が俺の全て。
…それほどまでに愛しているのだ。
――幻想郷を。
そして、それほどまでに好いていたのだ。
――あいつらを。
…後悔はない。
この身を捧げるだけの価値はあった。
ある日、幻想郷の危機が訪れた。
幻想郷そのものが、全てが消えるかもしれぬ危機。
…幻想郷がなくなることは、俺にとっては死を意味するといっても過言ではない。
ここは、外界から来た俺に対しても寛大で、暖かく迎えてくれた。
多大な恩があった。
故に、外界出身である俺にしかできない、俺以外ができないことを、どうして拒むのか。
あいつらは反対した。
だが、俺は聞かなかった。
制止を振り切り、元凶たる所へ赴き…。
…そして、目的を達した。
この目はもう光を映さないであろう。
この耳はもうあいつらの声を聞くことはないであろう
この手はもうあいつらの頭を撫でることも叶わないであろう。
…この身は、この魂は、じきに消滅するだろう。
閻魔と会うこともなく、冥界へ行くこともなく、消えるであろう。
だが、それでいい。
顔をあわせると、俺自身別れ辛い。
…声が聞こえた、そんな気がする。
どこか懐かしい声。
聞こえるはずのない声。
好きだった、あいつらの声。
必死で呼びかけている…そんな気がする、あいつらの声。
ああ、一つだけ後悔してることがあったな。
言わなければならないことが、一つだけ。
今更口を利くことも出来ない。
しかしそれでも、強く、強く想った。
音としては伝えることはできなくとも、せめて、想いとして…。
――届け…!
「今まで楽しかった。ありがとう。
…優しいお前達のことだ。きっと俺なんかでも涙を流すかもしれない。
だがな、いずれ立ち直って、笑ってくれ。
笑って、笑って、生きていけ。
俺は笑ってるお前達が好きなんだ。
安心しろ…俺はずっと、お前達のことを見守ってるから」
…それが、俺の最期の記憶。
そして、一つの『世界』が終わった。
11スレ目>>809
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「ねえ、蓮子。
私まさかこんな近くで境界を見る事になるとは思わなかったわ」
「奇遇ねメリー、
その境界だけど私にも何となく解る気がするわ」
「それは恋人と部外者の境界な訳だから私の○○から離れなさい蓮子」
「あら、残念だけど境界に隔てられてるのはあんたでしょメリー」
「気のせいね、そもそもあなたは境界見えないし」
「だとしても幼稚園の頃から○○は私に所有権があるんだからあなたには譲れないわね」
「とにかく、ここは当事者に聞くのが一番じゃないかしら?」
「そうねメリー、その点だけは同意するわ」
「で、○○どっちが好きなの?」
「どっちでもない、って選択は無しね」
「え・・・じゃあ両方は良いの?」
「・・・クスクス、流石ね、○○は」
「まあ誘導尋問みたいな訳だけど、
ところで○○、グレイズって言葉知ってる?」
「私達のどっちも、選べないようにしてあげるからね・・・」
12スレ目>>120
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゙ゴゴゴゴ
膨大な妖力と霊力が交じり合っているこの博麗神社は現在幻想郷屈指の魔窟と化していた
そしてその魔窟を作り出しているのが……
「いい天気ね○○、こんな日は散歩したいと思わない?」
「それはいい考えね、でも○○は私と二人っきりで散歩するから
とっとと家に帰ったら?紫」
「言うじゃない霊夢、博麗の巫女じゃなかったら殺してるわよ」
「私が博麗の巫女じゃなくてもあんたじゃ殺れないわよ」
霊夢と紫の二人だ
表面上はにこやかに会話してるが
洒落にならないくらいの殺気と共に霊力・妖力をあたり一面に撒き散らしている
正直な所いますぐやめて欲しい
霊的な防御能力を持たない俺にとって濃密な霊力や妖力はそれだけで毒と同じ意味を持ち体に害を及ぼす
「大丈夫か?○○」
「無理、絶対無理、このままじゃどちらかの力に押しつぶされて死にそうだ……」
「そうか、これを持ってろ」
「これは?」
「私の力を込めたお守りだ、しばらくはお前を守ってくれるだろう」
「すまない、藍」
藍からお守りを貰って人心地ついた俺を尻目に二人の論争はヒートアップしく
「大体!!!○○は私の恋人なのよ!!それが何で紫がちょっかいだいしてるのよ!!」
「そんなの私が○○を好きに決まってるからじゃない」
「何が決まってるのよ!人の男を取るなんてあんた馬鹿じゃないの」
「略奪愛って言うじゃない」
ギャーギャーギャーギャー
何でこんなことになってるんだろう
今日は天気が良かったから布団を全部干して掃除して過ごしたかったのに……
ああそうだ、片栗粉と美鈴のおかげで味覇が手に入ったから中華風なご飯を作ろうと思ってたのにな
俺なんか悪いことしたかな?
「○○!!紫に言ってやりなさい!!『俺は霊夢の旦那だ』って!」
「○○、霊夢に遠慮する必要ないのよ、『俺は紫のことを愛してる』って言ってやりなさい
貴方だったら私の全てを上げる、この体も好きにしていいのよ
霊夢の貧相な体なんか目じゃないわ」
「勝ち目がなさそうだから体を使うなんて売女と同じ発想ね
紫じゃ○○に相応しくないわ」
「使う体もないお子様が何を言ってるんだか」
ゴゴゴッゴゴ
「「○○!どっち!!??」」
霊夢と紫が俺に詰め寄ってき
それによってそれまでただ空中に滞留するだけの霊力に妖力が一挙に俺に降りかかってきた
お守りを持ってるといえどあまりの力の圧力にお守りは焼け切れ
守るものがなくなった俺はその力をもろに受け、昏倒した
12スレ目>>269
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チ「やいっ! 魔理沙っ! いっつもあたいのことまるきゅーまるきゅー言っていったいどこがまるきゅーなのさっ!」
魔「どこって言っても行動全てとしか言えないし⑨を⑨って言ってなにが悪いんだ?」
チ「むきーっ! いいわよっ! 今日はアンタが恋色の魔法使いだってことが嘘ってしょーめいしてぎゃふんと言わせてやるんだからっ!」
魔「なんだと!? 私のどこが嘘だっていうんだ!?」
△「なぁ、なんで俺ここにいるんだ?」
チ「これがしょーこよ! とくと見なさいっ!」
ばっ
魔・△「あ、●●ぱんつ」
チ「どーだ! あたいはいつも●●への熱い思いを持ち歩いてるのよ! 自称恋色の魔法使いとは格がちがうのよ格が!
ふふっ、あたいったら恋でもさいきょーねっ!」
魔「おのれ~言わせておけば調子にのりやがって~、いいぜ、だったら恋色の魔法使いの本気をみせてやるぜ!」
△「お前ら俺がここにいること完全に忘れてるだろ?」
魔「これが本物の恋色の魔法だっ!その目に焼き付けるんだなっ!!」
ばっ
チ・△「あ、○○ぱんつ」
魔「それだけじゃないぜ! 私はちゃんと○○にも魔理沙ぱんつをはかせているぜ!
共に相手を感じあうことにより恋色の魔法の力は無限大になる!片手落ちなお前はやっぱり⑨だな!」
チ「むむむむぅ~~、あ、ところで△△はどんなぱんつはいてるの?」
△「え?」
魔「そうだな、確かに気になるな。私たちのも見たんだしちょっとだけ……」
△「ちょっ、お前らまじやめっ、アッ―!」
ばさっ
チ・魔「あ、毛玉……ぱんつ?」
魔「ぷっ、あははははっ、お前なにそれ?なにか訳ありなワケ? ははははっ」
チ「さ、さいこーっ、あたいでもさすがにそれはないと思うしっ」
△「う、うるせぇっ! どんなぱんつはこうといいじゃねえか!」
やいのやいの――
霖「みんなでぱんつみせあってる……ぼくも……」
キャストオフッ!
魔・チ・△「あ、△△ふんどし」
霖「んふっ、男のき・も・ち♪」
△「もうやだ……」
12スレ目>>831 うpろだ892
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今回はキャラクターが複数出てくるのでちょっと私的脳内設定の整理も兼ねて。
○○
・マイペースの泰斗
・打たれ強さに定評有
・霊夢に首っ丈
●●
・クーデレ
・クール:デレ=8:2
・魔理沙に首っ丈
◎◎
・この時はまだ若かった
・尽くすタイプ
・フランに首っ丈
大体そんな感じ。ギャグ漫画b(ry
名前は変わってもいっしょシリーズ(勝手に命名)に出てくるのとは同一人物です。
「やあ、魔理沙じゃないか」
「あら、魔理沙じゃない」
「何で冬なのにこの神社はこんなに暑いんだろうな」
白黒の魔法使いこと霧雨魔理沙が博麗神社を訪れた時、其処の巫女たる博麗霊夢は縁側に寝転がって耳掃除をしてもらっていた。○○の膝枕で。
魔理沙はいかにもご馳走様でしたという顔で、手を団扇にして顔に風を送る。
しかしそんな魔理沙の明らかな皮肉にも二人は動じることなど無く。
「羨ましいのかしら」
「んな訳無いだろ。見てるだけで十分だぜ」
「だったら●●に頼んだらどうだい」
「あいつがそんな事した日にゃあ、空から隕石でも降ってくるんじゃないか。
というかお前ら人の話聞け」
「で、今日は何の用だい。また宴会?」
「ことごとくスルーかよ。
……まぁいい、今日は別の用事があって来たんだ」
「へぇ」
魔理沙にしては珍しい、と霊夢が少し話の方に意識を傾ける。
その間も○○は返事は返しながらも、霊夢の耳を傷つけないよう集中していた。
「○○のいた方じゃ、もうすぐ”ばれんたいんでー”ってヤツなんだろ?」
「知ってたんだ、まあ確かにもうすぐだけど。
――――ああ、もしかしてチョコの作り方でも聞きに来たのかい?」
「なんだ、わざわざ説明するまでも無かったな」
「ねえ○○、その”婆連帯んでー”て何なの?」
「うん、色々間違ってるし動くと危ないからそのままでね、霊夢」
顔を動かそうとする霊夢をやんわりと抑えながら、○○は説明を始める。
○○の話を聞こうと、魔理沙は縁側に座り込んだ。
その時ついでに傍らにあったお茶を手に取ろうとしたが、霊夢に睨まれたので手を引っ込めた。
どうやら霊夢のものであるらしい。
食べ物の恨みは怖いものだ。特に霊夢相手にお茶を奪おうとするのなら尚更である。
魔理沙は過去に身を持ってその事を経験していた。
「本当はSt. Valentine's Dayって言うんだけどね、言わば愛の誓いの日ってやつかな。
基本的には女性が好きな男性にチョコを送って好意を示す日なんだ。
外国じゃ日本みたいにチョコには拘ってないらしいけどね」
「へえ、あっちじゃ随分とロマンチシズム溢れる日があるんだな」
魔理沙はいつの間にか霊夢の湯呑みを掠め取っていて、ずずずと美味しそうに啜っている。
どうやら痛い目は見ていても、ついつい手は伸びてしまうものらしい。
霊夢が湯呑みを取り返そうとして○○に止められていた。
「うーん、本当は聖ヴァレンティヌスっていう人が殉教しただけの日だったんだ。
でも日本のお菓子を売ってる人たちが何とか売り上げを伸ばそうとして、今のバレンタインデーを始めたって噂だよ」
「何だか興醒めする話ね」
「でも自分の想いを相手に伝えるにはいい機会だと思うよ。
個人的な利益目的で始めてたって、それで誰か幸せになれるんなら悪くないんじゃないかな」
「ふーん、成る程な」
「で、肝心のチョコの作り方なんだけど」
「おお、それだそれ」
「うーん、基本的には湯煎でチョコを溶かしてから型に入れて冷やして固めるっていうのがオーソドックスかな。
他にもトリュフとかマンディアンとかあるけど……まあ最初は普通に型に入れるので十分だと思うよ」
「ふんふん」
魔理沙は○○の言葉を聞きながらメモをとっている。
○○は説明の為に一旦手を止めていたが、構ってくれないことが不満なのか霊夢に服を引っ張られるので、はいはいと作業に戻る。
右耳が終わったから今度は左耳、と霊夢は転がって顔の向きを変えた。
「作ったら●●にあげるんだよね」
「随分と決め付けてかかるじゃないか。
…………まぁ、実際、そう、なんだけどな」
魔理沙は顔の紅色を隠すようにそっぽを向きながら頬をぽりぽりと掻く。
今となっては落ち着いたものだが、まだ二人の関係が始まった当初の魔理沙はかなり初心だった。
ちょっとでも●●の名を出してみると途端に顔を真っ赤にしてあわあわとうろたえるその姿は、正に恋する乙女そのもの。
それを考えると今じゃすっかり変わったなあと○○は感慨に耽る。
今ではからかってもそんなに反応を示さないから面白くない、とは霊夢の独言。
「いいチョコレートが作れるといいね」
「ああ、でもあいつが喜んでくれるかどうかがなぁ」
「んー、確かに●●は無愛想だけど、やっぱり好きな子に何か貰ったら誰だって嬉しいさ。
ちょっと目で見ては分かり難いってだけだよ」
「そういうもんか」
「そういうものさ」
ふーん、と魔理沙はとりあえず納得したような表情を浮かべ、一気に湯呑みの中身を呷った。
霊夢のあああと言う悲鳴には気付かない振りをして対処。立てかけてあった箒を手にして立ち上がる。
「じゃ、早速帰って作ってみる」
「うん、頑張ってねー」
「おうよっ」
軽い助走の後、そのままの勢いで箒に跨り速さを増しながら空へと旅立つ。
かくして魔理沙は去り、神社にはいつも通りの平穏と静寂が戻った。
いつも通りを通り越してしーんとか言う擬音まで聞こえてきそうなのは、今まで騒がしいのがいたのが理由であることに他ならない。
程なくして○○は霊夢の耳掃除を終えた。
「はい、こっちも終わりっと。
……霊夢?」
声をかけても特に反応を示さない霊夢を不思議に思い、○○は顔を覗き込む。
見ると、霊夢は未だに魔理沙が飛び去っていった方向を見つめながら何か考え込んでいる様子だった。
「――――ああ、ご免なさい。
ちょっと考え事してて」
「いいけど。 でも何を?」
「んーと、ね」
「霊夢もチョコ作ってみたくなった?」
霊夢は○○の言葉に、怪訝な顔をして振り向く。
対する○○は特別な表情を浮かべることも無く、「?」でも浮かべそうなきょとんとした顔をしていた。
「最近あなたが読心術でも身に付けてるんじゃないかと本気で思い始めたんだけど」
「そんな特別な力なんて持ってないよ。ちょっと気が回るだけ、じゃないかな」
「まあ、確かにそうね。ここの連中に比べたら外から来たあんたなんて――――」
「あ、でも読唇術なら少し」
「あんのかよ」
○○の知らない一面がまた明らかになった、そんな瞬間だった。
とりあえず気を取り直して霊夢は姿勢を正し、場の雰囲気を取り繕うために咳払いを一つ。
○○もそんな空気を察してか正座になって次の霊夢の言葉を待った。
「いや、そんなに畏まってもらう必要も無いんだけども」
「いいから続けて続けて」
「はあ……まぁ、私もそのチョコとやらを作ってみたくなったわけで」
「うん」
「だから、作り方教えてくれない?」
「いいよ」
討論終了。
改まって切り出した話の割にはものの一分も経たない内に幕を閉じてしまった。呆気ないものである。
○○は足を崩して立ち上がり、それじゃあと次に成すべき事の算段を立てる。
「先ずは材料を揃えなくちゃね。心当たり、ある?」
「うーん、外から来るもの持ってそうな所って言ったら香霖堂くらいしかねえ」
「僕もそれぐらいしか思いつかないな」
「でも魔理沙も同じこと考えてそうね」
「ま、とりあえず行ってみようよ」
「それもそうね」
結論を出した後は、二人とも身支度を整えてから家を出て、肩を並べて香霖堂へ歩き出した。
ここ数日は雪も降らず、いつもと比べて歩きやすい道のりだった。
僅かに雪の残っている山道を、二人は寄り添って下っていった。
「そいえばこうやって歩くのなんて初めてじゃない?」
「そうかもね。僕ら結構一人で外出してたし」
「私たちってどう見えるのかしらね」
「仲のいい夫婦とか?」
「…………なんでいきなりそんな関係にまで発展してんのかしら」
「え? いやぁ恋仲にしては随分親密な感じに見えるかなあと」
「○○はそういう事を躊躇いもせずに言っちゃうところがずるいと思うんだけど」
「お気に召さない?」
「聞くな、バカ」
霊夢は顔を伏せたまま、右の拳を○○の肩に叩きつける。
雪を踏みしめる音に混じってぽす、という軽い音が二人の間に短く響いた。
「……霖之助さん、よく意味が判らないんだけど」
所変わって香霖堂。
材料のチョコレートを貰おうと霖之助の元を訪ねてはみたのだが。
「だから先程から言ってる通りさ」
ここで問題が一つ。
「どこかの黒鼠が今し方やって来て、そのチョコレートとやらを根こそぎ持っていってしまったよ」
既にそこには、二人の求めているものは一つとして置いてなかった。
勿論代金はツケだがね、と霖之助が溜息を吐くも、驚き呆れている二人の耳には殆ど聞こえていなかった。
「抜かったなぁ……まさか全部持っていくとは思ってなかった」
「全くあの一本気馬鹿は……」
「健気なのは微笑ましいけど、こっちにまで被害が及ぶとなるとちょっとねぇ」
何か他に使えそうな物はないかと店内を物色してみるも、目ぼしい物は一つとして見当たらなかった。
万事休す。先立つものが無くては無いもすることは出来ないのは当たり前である。
二人のこれからの計画は早くも最初の段階で頓挫の方向へ傾きかけていた。
「どうしよう?」
「他にチョコなんて持ってそうな所って言ったら……」
二人して腕を組み頭を捻る。
その間霖之助が、君たちも買わないのかい的な視線を半目で寄越してきたがそんな事は気にしない。
やがて思いついたかのように○○が顔を上げた。
「そうだ、紅魔館ならどうかな。
あそこなら置いてても不思議は無いと思うんだけど」
「んー、確証は無いけど行くしかなさそうね」
「よし、それでいこう。
それじゃあ、森近さん」
そうして二人は霖之助の返事も待たずに、さっさと店を出て行ってしまう。
今日も何も売れなかったが、別にいつもの事だしと霖之助は自己完結した。
とりあえず魔理沙に荒らされた店内の整理をしなくてはいけない、と手近に転がっている商品から棚に戻し始める。
賑やかなのはあまり好きではない。騒がしいのはもっとお断りだ。
しかし彼女らがそこから逃がしてくれるかどうかといえば、決してそんな事はなく。
結局慌しい毎日はこれからもしばらくは続くのだろうと今更ながら考えてみる。
「やれやれだ」
霖之助が独り吐き出した言葉と溜息は、誰にも聞かれることなく店内に空しく響いた。
「久しぶりね、◎◎」
「これは霊夢様に○○様。今日は如何様で?」
「相変わらず堅苦しいわね」
「大切なお客様でありますので」
「こんにちは、◎◎さん」
巡り巡って紅魔館。
二人が門に辿り着いた時、近くの花壇で◎◎が花の手入れをしていた。
花壇には冬であるにも関わらず色とりどりの花が咲き誇り、美しい景観を形作っていた。どこぞのフラワーマスターもこれを見たらご満悦だろう。
○○がなんでこんなに多くの花が咲いているのか訪ねたところ、どうやらそれはパチュリーの魔法の恩恵を受けている為らしい。
冬は寂しくなりますからね、人為的だとしても美しいものはやはり美しいのですと◎◎は微笑みながら答えた。
「ま、今日はちょっと分けて欲しいものがあってね」
「と、申されますと?」
「チョコレートですよ。ほら、もうすぐバレンタインデーだから。
◎◎さん、ここにあります?」
「ああ、もうそんな季節でしたな。
では伺ってまいりますので少々お待ちを」
「その必要は無いわよ」
え、とその声に◎◎が振り向くと、そこにはメイド長・十六夜咲夜の姿が。
そしてその手には小さめの籠が抱えられていた。中身は勿論、
「あ、チョコレートだ」
「咲夜ったら随分準備がいいのね」
「でも、どうして分かったんです?」
「簡単よ、ついさっきどっかの白黒が押しかけてきてね。
貴方たちも同じ用件なんでしょう?」
ああ、と二人して納得すると共に、紅魔館の住人に対して同情を念を抱いた。
どうやら魔理沙も考えていた事は全く同じだったらしい。
「『チョコを出せ!』とか何とか叫びながら散々館の中を引っ掻き回すもんだから、こっちも堪らなくてね。
チョコだけくれてやってさっさとお引取り願ったってワケ」
「おお、先程の轟音と振動はそれでしたか」
「◎◎さん、今気付いたんですか」
◎◎が合点がいった、とでも言うように手の平をぽんともう片方の手で打つ。
○○が真正のマイペースであるなら、◎◎の方は真正の天然であると言えた。
どちらも厄介である事に変わりは無い。
「まあ貴方達はそんな傍若無人な振る舞いはしないんでしょうけど、これ以上はこりごりだから先に手は打っておくことにしたのよ。
チョコレート渡すだけで平穏が手に入るんなら安いもんだわ」
はい、と差し出された籠を受け取る。
そんなにたくさんの量があるわけではなかったが、今回の分としてはなんとか足りそうな程だった。
「何だか悪いわね」
「あら、だったら返してくれるのかしら」
「私が返すとでも?」
「これっぽっちも思わないわね」
「とにかく、有り難うございます。お陰で助かりました」
「じゃあ私たちは行くわ。用も済んだことだし」
「それではお二人とも、お元気で」
「はい、◎◎さんも」
◎◎は二人が去っていく姿を見送り終えてから隣を見てみると、いつの間にか咲夜は消えていた。
きっとまた時とか止めたんだろうなー、ぐらいの感想を持っただけで、◎◎は再び作業に戻る。
いくら魔法の効果があるといっても、放っておいては花も育たない。
余分に生えた花を間引いたり雑草を駆除したりと、黙々と作業を続ける◎◎。
そんな時、彼の耳に聞きなれた声が届く。
「◎◎ー」
「おや」
声がした方を振り向くと、そこには使えるべき御方の姿が。
まだ昼間である為、日傘を差して◎◎のすぐ隣に佇んでいた。
普段なら何も無い日は夜の間しか活動していない為、これは珍しい事である。
「もう起きられていたのですか」
「なんかドカンとかバコンとかうるさかったから目が覚めちゃった」
原因は魔理沙だった。
どうやら彼女は迷惑極まりないという事においては幻想郷一らしい。
本人はそれを自覚している辺り、タチが悪かった。
「申し訳ありません、存じ上げませんでした」
「いいよー、そんなの。
ねえ、それより。霊夢が来てたの?」
「はい、もう帰られてしまいましたが」
「なーんだ、一緒に遊びたかったのになー」
「それはもし霊夢様がまだここに居られたとしても難しい事であったかと」
「そういえば、何で来てたの?」
「何でもバレンタイン用のチョコレートをご所望との事で」
「ばれんたいん?」
「ああ、フランドール様は存じ上げませんでしたか」
◎◎が掻い摘んでフランドールに説明する。
そしてそれを聞いた後のフランドールの反応は実に分かりやすいものだった。
目を爛々と輝かせていて、バレンタインのイベントに興味津々である事が一目見るだけで理解できた。
「じゃあ私も◎◎にチョコレート作る!」
「そんな、私には不相応な物ですよ」
「あー、またそういうこと言うんだから。
いい? 私は◎◎が大好きだからしてあげたいことがたくさんあるの。
そういう時に従者とか主人とかは関係ないんだからね」
ぷくーと頬を膨らませて不機嫌を露にするフランドール。
こうなると手がつけられなくなるのは◎◎も重々承知の上なので、困りましたな、と苦笑いを浮かべながら結局は主人の言葉を受け入れるしかなかった。
いつもの事である。
「分かりました。
身に余る光栄ですが、受け取らせていただきます」
「うん、楽しみにしててね!」
「はい、心待ちにさせて頂きましょう。
それでは今日の予定はどうなさいますか?」
「えーっとねー――――」
一緒に並んで歩きながら心底楽しそうに言葉を交わす。
傍から見れば恋人とは言い難い、何と形容していいのか分からないような二人だった。
そしてこの時◎◎はまだ知らなかった。
フランドールが料理に関して全く経験など無かったという事を。
「ぃよーし、準備は万端」
そしてここは霧雨亭。
幻想郷の所々からチョコレートを押収してきた張本人である魔理沙は、山のようなチョコレートを前に腕まくりをして台所にいた。
今●●は家に居ない。
「これが満タンになるまで帰ってくんな!」と背負うにしては少し大きいっていうかでかすぎるんじゃないかというほどの籠を押し付け、茸を取りに行かせてある。
夜になるまでは帰ってこないだろう。これで時間は確保出来た。
材料も集めてきた分があれば失敗しても問題無いほどだ。
香霖堂に行ったついでに器具も捕獲してきてある。
完璧だ。完璧なシチュエーションだ。
「●●の奴め、今度こそギャフンと言わせてやるんだからな」
愛情とは違う物も幾らか原動力になってはいるが、とにかく早速作業に取り掛かる。
まずは○○に聞いた手順通り、チョコを細かく刻んでボウルに入れる。
そして湯煎でゆっくりとチョコを溶かし始める。
○○の話では、後は溶けたら型に流し込んで冷やして固めるだけだという。
「何だ、随分簡単じゃないか」
予想していた以上に呆気なく終わってしまいそうで、魔理沙は拍子抜けした。
これではこんなにたくさんチョコレートを掻っ攫ってきた意味が無い。
ここで必要以上に多くチョコレートを強奪してきてしまった事への罪悪感が芽生えない辺りが魔理沙らしいとも言えた。
しかし、何にせよこれで●●へのチョコレートは完成する。
どんな反応をしてくれるのだろうか。喜んでくれるだろうか、何か歯の浮くような台詞の一つでも言ってくれるだろうか。
これを渡した時の●●の反応を考えると、自然と魔理沙の頬は緩んだ。
「うふ、うふ、うふふふふ……………………………ふふふ……………………」
若干、素が出ていた。
「あ」
「どうしたの」
「いや、ちょっと思い出したことがあって」
再び博麗神社にて。
紅魔館でチョコレートを手に入れた二人も、魔理沙と同じくチョコレート作りに取り掛かっていたのだが。
「何を?」
「いや、魔理沙の事なんだけど。言い忘れてた事があってさ」
「不味い事?」
「うーん、どうだろう。
チョコレートを湯煎で溶かす時にテンパリングっていう工程があるんだけどね。
まあ色々と温度調整とかしないと、うまくいかない事があるんだよ」
「あら、そうなの。でもあれだけ皆に迷惑掛けたんだし、それぐらいは苦労してもらってもいいんじゃないかしら」
「可哀想だけど、流石に今からわざわざ教えにっていうのもちょっとねぇ。
ま、今回ばかりは一人で頑張って貰おうか」
「そうそう、じゃあこっちも始めましょ」
魔理沙の事は置いておき、二人は作業を進めることに専念する。
さすがに○○は作り方からもう一手間のコツまで心得ていたので、作業はスムーズなものだった。
「よーし、お湯は準備できてるから………霊夢、そっちにお椀状の大きな容器とかある?」
「んー、見当たらないわね」
「あれ、おかしいな。確かそこにしまっておいた筈……
――――ああ、あったあった。これだよ」
「何これ。私見た事無いわよ」
「ボウルっていうんだよ。金属製だから熱を通しやすいんだ。
あっちに行った時に持って来たんだけど」
「私の家なのに私の知らない物が段々増えてきているのは気のせいかしら」
「便利だよ?」
「そういう問題じゃなく」
「うん、チョコはもっと細かく刻んじゃっていいよ」
「そうなの?」
「あんまり大きくても溶け難いだけだしね」
「それにても、これだけ匂ってくるとついつい摘んでみたくなっちゃうわね」
「うーん、あんまり量が多いわけじゃないから、それはまたの機会で」
「いいのかよ」
「よし、溶けたみたいだから今度は冷水に替えようか」
「はいはい。――――ほっと」
「んでかき混ぜるんだけど、この時に水とか空気とか入らないように注意ね」
「結構気を使うのね」
「良い物を作ろうとする時はいつだってそうだよ」
「ん、じゃあ最後は型に流し込むよ」
「やっと?」
「疲れたかい?」
「予想以上にね」
「慣れれば楽しいもんだと思うけどな」
「慣れる前に投げ出しちゃいそうだわ」
「勿体無い」
「貴方は女性として生まれてくるべきだったとつくづく思うんだけど」
「それは御免だ」
かくして、二人のチョコレート作りは恙無く幕を閉じた。
そしてその後はというと。
「うあー」
「お疲れ様」
「そうねー」
「お茶飲むかい?」
「頂くわー」
霊夢はいつも以上にだれていた。
炬燵の天板に力無くしな垂れかかっているその姿を見ていると、ひょんな事から溶け出してしまうのではないかとすら懸念させるほどぐでっとしていた。
「なんか、精神的に疲れたわ」
「初めてだったしね」
「もー今日は何もしたくない」
「はは、後は待つだけだよ」
○○は笑って見せるが、霊夢の反応はあくまでも鈍い。
ずず、と一口だけお茶をすすると、再び頭をコロンと転がしそれっきり黙ってしまう。
○○も普段から霊夢が話しかけてこない限りはあまり口を開く事も無いので、同じように沈黙して自分の分のお茶を飲む事に専念する。
暫くして、ふいに霊夢が口を開いた。
「いいわよねー、○○は」
「……霊夢?」
若干霊夢の声の調子が先程とは変わったものになる。
言の葉自体は変わらないのだが、いつもの何となくのんびりとしたような雰囲気がそこには無かった。
それはこれまでずっと傍にいた○○だからこそ気付けた変化であった。
「男の子なのに、さ。料理も出来るし、気だってよく回る」
「羨ましいのかい? と言うか子ってのはどうなのさ」
「そりゃあ私だって女の子ですからねー。○○ほど女らしくもないけど」
半ば自棄気味になっている。
どうやら今回の一件で自分の女性としての在り方に幾らか自信を無くしてしまったようだ。
博麗の名を冠する者とは言っても、実態はやはり年頃の女の子。
家事仕事で意中の相手にいい所を見せてやりたいと思うのも普通の事だ。
それを自分と○○の間で比べる事で、その差を感じてしまったらしい。
○○はそう考え、ならばと言葉を返す事にする。
「霊夢はちゃんと女の子だよ」
「あらそう?」
「しかも可愛い」
「まあ世辞のうまい事で」
「本当なんだけどな」
「ならどうしてそんなに?」
霊夢の顔は横たわったままで○○とは目線も合わせようとしない。
しかし一見興味が無さそうで、実は良く聞き耳を立てているのが○○には分かった。
きっと期待しているのだろう。
次に出てくる彼の言葉に。その中にある彼女への想いに。
「僕が、そう思うからね」
対する○○はんー、と少し視線をめぐらせた後、あくまでも自分の感じるままに言った。
しかしそうする事をきっと霊夢は望んでいるのだろうと○○は踏んでいた。だからそう答えた。
そしてたっぷり十数えるほどの静寂の後、結局霊夢が口にしたのは一言だけ。
「――――そう」
声色は先程と特に変わりは無い。
だが霊夢の顔にはどこか満足そうな、そして幸せそうな色が浮かんでいた。
とりあえず、これで一件落着かな。
霊夢が機嫌を直した事にひとまず安堵しながら、○○は密かに息をついた。
「…………何故だ」
すっかり日も傾いた頃の霧雨亭。その台所。
数時間前の、意気込んでいた頃の魔理沙の姿はそこには無かった。
「何で、何でうまくいかない……? ○○に言われた通りやってるのに………」
そこに広がるのは、真っ二つに割れてしまったものや、固まりはしたものの型から外せなくなってしまったものなど、数多くの失敗作達。
容易に終わると高を括っていたチョコレート作りは一向に成功の兆しを見せないでいた。
「……不味い、これは非常に不味いぜ」
十分すぎると思われていたチョコレートの山も今はその数を減らし、もう当初の半分も残っていなかった。
そして何より、あとどれだけあるのか分からない残り時間が彼女を一層焦燥へと駆り立てる。
「くそ、どうする? 他に何か方法は――――――――」
想定の範囲外の出来事にうろたえる魔理沙。
しかし彼女が予想していなかった出来事はそれだけに留まらなかった。
「帰ったぞ」
「…………………へ?」
姿を見なくても、聞くだけで誰だか判別できる。
そんな声が家の扉を開く音と共に、魔理沙の耳に入ってきた。
魔理沙が思っていたよりずっと早く、●●は帰宅してしまったのだ。
「な、ななな何でえええぇぇ!?」
「お前アレだけの仕事を押し付けておいて、それはないだろう」
「いや、だから! そ、その、何でこんなに早いんだよ!」
「早いといけないのか」
「え、っとその、何ていうか、あのぉ………………」
完全に不意を突かれてしどろもどろになる魔理沙。
ちなみに●●がいつもより早く帰ってきたのは、魔理沙がいつも茸狩りを押し付けているお陰で彼の茸狩りの技能が上達した為であったりする。
なんとも因果応報な事であるが、当の魔理沙はそんな事を知る筈も無く。
更に追い討ちを掛けるように、不測の事態は魔理沙の意とは反対に次々と起こっていった。
「ん、甘い匂いがするが」
「わあああああああああああああ!!
待て、そこで待て! しばらく止まれええええ!!」
「さっきから何だ?」
勿論魔理沙の意図など微塵も知らない●●が足を止める事などは無かった。
制止の声も空しく、●●は玄関からどんどん台所に近づいてくる。
「菓子か何かでも作ってるのか?」
「いいから! 私の言う事を聞けってぇ!!
そこからう、ご……………く………………な…」
最早遅かった。
魔理沙の目にも●●の姿が映り、「見られてしまった」という絶望感が否応無く彼女の頭を駆け巡る。
急に静かになった魔理沙を訝しく思いながらも、●●は彼女の後ろにある物を目に留めた。留めてしまった。
「ああ、チョコか」
「―――――――――――――ッ!!」
その言葉が引き金になったのか、先程まで驚くほどにシンとしていた魔理沙の心の澱みは瞬時にして激流へと変わった。
自分でもよく分からないような感情が渦となって胸の中を駆け巡る。
そして喉の奥から溢れ出てくるそれを抑えきれず、魔理沙はただ本能のままに叫んだ。
「●●の、馬鹿ぁあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!!!」
形振り構わず、まずは手に持っていたゴムベラを力いっぱいぶん投げる。
その際、投げつけたゴムベラが呆然としていた●●の頭に当たって「うがっ」とか言う声が聞こえた気もしたが、無我夢中になっている魔理沙には聞こえなかった。
そして脇目も振らずに一直線に家の外へ向かって走り抜ける。
その際、振り回していた手が怯んだ●●の鳩尾に驚くほど綺麗に入って「げおっ」とか言う声が聞こえた気もしたが、一心不乱になっている魔理沙にはやっぱり聞こえなかった。
倒れるというか吹っ飛んだ●●のこと等露知らず、魔理沙は宵闇の森の中へ入っていく。
●●が失っていた意識を取り戻したのは、それから五分ほど後のことである。
「………何なんだ一体。あー痛」
攻撃を受けた箇所を手で摩りながら起き上がる。
●●としては何が何だか分からないうちに全てが終わってしまったので、全く流れについていく事が出来なかった。
とりあえず改めて周りの状況を確認してみる。
「やっぱり作っていたのはチョコレートで間違いない、と」
片付けもされずほったらかしにされた台所を覗き込む。
そこにはチョコレートやらボウルやら何故かフラスコまでもが散乱していて、ついさっきまで魔理沙がチョコ作りに奮闘していた事がよく伺えた。
どうやらまだ未完成のままであるらしい。
「しかし何でまたここまで」
●●は魔理沙が走り去っていった方向を見た。
別に魔理沙が料理をしていてもおかしい事は何も無い。
腹が減ったから何か食べようと思って作ったなんて事は今までにも何度か目撃していた。
ならば別の要素が原因となっている事になる。
●●はこの状況下の特別性を考え、頭の中で整理する。
わざわざ作業を放棄してまで魔理沙がここを出て行かなければいけなかった理由は何か。
「あ」
そして思い当たる。
今の季節、珍しく初心な魔理沙、そして極めつけに手作りチョコレート。
これらの要素から導き出される答えなど、一つしかなかった。
「全く、世話の焼ける」
がしがしと頭を掻いて、魔理沙が向かったであろう場所を考える。
恐らくあそこだろうなと見当を付け、なるべく早く追いつけるように●●は家を出て走り出した。
「…………………すん」
魔理沙は木の元に座り込んで鼻を啜っていた。
勢いのままに飛び出してはみたものの、当然これから先の事など考えてきていた訳ではない。
家に戻るという行為は、今の魔理沙の状態から考えて到底選択できるような物ではなかった。
ただ後悔と心細さだけが頭の中をぐるぐる回っていた。
「…………どうしよう」
一人呟く。
●●にいきなり変な事を言ってしまった。
何も理解していなかったであろう彼に、あろうことか攻撃まで加えてしまった。多分。
おかしいと思われてはいないだろうか。
それは絶対そうだろう。自分でも誰かがあんな行動に出たらそう思う。
ならば。
嫌われては、いないだろうか。
今のネガティブな彼女では、何を考えても悪い結果になるとしか予想できなかった。
どうする事も出来ず、これからどうなるかも分からず。
先行きの見えない未来への不安に駆られて、押し潰されないように強く自分の膝を抱く。
そんな時だった。
「そこにいるのは、魔理沙か」
彼の声が、聞こえた。
「……………………ぁっ」
嬉しいのに、返事が出来ない。
今すぐにでも飛びついていきたいのに、顔を向けることが出来ない。体が動いてくれない。
魔理沙の中で何かがそうさせる事を押し留めていた。
結局何も言えず、ただ顔だけを下に向けただけだった。
「……返事は無しか。まあいい」
どっかと言う音と共に、●●は木の魔理沙とは反対側に座り込む。
掛けたい言葉が、魔理沙の頭の中に浮かんでは消えた。
やがて痺れを切らしたのか、●●の方から口を開く。
「なんでお前がここに来たのかは知らんが、気付いてるか」
「……………ぇ?」
漸く搾り出した声は自分でも情けなく思うほどか細いもので。
それでも●●には聞こえたようで、そのまま言葉を続ける。
「お前が花見に連れてきてくれた場所だ、ここ」
「ぁ………………」
言われて魔理沙は辺りを見てみる。
冬の今こそ花は付けていないが、そこは確かに見覚えの有るあの一本桜の木の下だった。
自分でも意識しないうちにこんな所まで来てしまっていたらしい。
「もしかしたらと思って来たんだが、割と俺の勘もまだ捨てた物じゃないな」
「……………………」
「とまぁ、そんな事を言いにここに来たんじゃない。
――――魔理沙、実はこんな物を家で見つけてな。」
いつの間にか、●●は魔理沙の正面に立っていた。
そしてその手にあるのは、先程まで魔理沙が完成させようと思っていた、正にそのチョコレート。その失敗作のうちの一つ。
取り出そうとした際にひび割れてしまったようで、お世辞にもよく出来ているとは言えない。
自分の失敗をまざまざと見せ付けられているようで、魔理沙は惨めさから顔を上げることが出来なかった。
だが●●はそんな事を少しも気になどすることなく。
「んむ」
「……………!」
迷いも無しに、それを自分の口へと運んだ。
咀嚼しているのか、暫く口をもごもごとさせる。
魔理沙は●●が食べてくれた事に驚いていたが、次第に不安になってきた。
失敗してるしやっぱり美味しくないんじゃないか、無理して食べてるんじゃないか。
果てには泣き出してしまいそうになるのを服をぎゅっと掴んで耐えながら、彼の次の言葉を魔理沙はじっと待った。
そして●●はふと口を動かすのを止めると。
「美味いぞ」
ただ一言、滅多に見せる事のない笑顔を浮かべ、そう漏らした。
「あ…………………………」
魔理沙は自分でも知らない間に顔を上げていた。
心の中を、何か温かいものがゆっくりと満たしていく。そんな感覚が魔理沙の胸の内に広がる。
そしてつうっと一筋涙がこぼれたかと思うと、それを契機に次から次へと涙が溢れてきた。
「あぅ、……ひっぐ、…っくぅ………、ふぇ…」
嗚咽を漏らしながら、ぽろぽろと涙を零す。
急に安堵した所為か、感情の抑制が効かなくなっている。
●●はそんな魔理沙をやさしく胸の中に収めた。
「安心したか」
「うん、……………ッ、う゛んっ…、……!」
「背伸びしたっていい、見栄張ったっていい。
全部受け止めてやれるだけの度量はあるつもりだ。
――――――だから、独りになろうとしてくれるな」
「…う、っん………、ぅん゛………、……っぅ!」
「やれやれ、全く困ったお姫様だよ。お前は」
確かめるように、もっと感じられるように、魔理沙は●●の体に力一杯しがみ付く。
そして●●は魔理沙をあやす様にその柔らかな髪をゆっくりと撫でる。
いつの間にか昇っていた月が、そんな二人を仄かに照らしていた。
おまけみたいな
「落ち着いたか」
「…………うん」
「なら帰るぞ」
「おんぶ」
「……俺は箒じゃない」
「走ってきたから足が疲れたんだ」
「だったら俺も同じだ」
「ぶー、優しくないと女性にモテないぜ」
「関係無いな。ほら、立て」
「分かったよ」
「さて家についた訳だが」
「じゃあ私は寝るぜ。おやすみー」
「待てい」
「何だよぅ」
「お前は目の前のこの惨状を見て何も思わんのか」
「いい匂いがするな」
「どうやらお前は言葉でいっただけじゃ聞かないらしいな」
「いや、嘘、ごめん、ちゃんと片付けるから。
だからその振り上げた拳をしまってくれ」
「判ればいい」
「あー、疲れた」
「これぐらい片付けばいいだろう」
「さすがにもう寝させてもらうぞぉー」
「ああ、少し待て」
「何だよぉー」
「そう恨めしそうな目を向けるんじゃない。
なに、チョコの礼がまだだと思ってな」
「えぇー、いいってそんなんむ――――」
「――――まあ、こんなところか」
「……………………」
「もういいぞ、悪かったな」
「…………………て」
「ん?」
「…………初めて、してくれた気がする」
「かもな」
「……………………」
「じゃあ俺も寝る。おやすみ」
ギィ………バタン
「―――――――――――ってこんな悶々としながら眠れっかよ●●の馬鹿ーーーーーー!!!」
◇あとがきであると信じている
かなり急ぎ足で書き上げました。何しろ時間がないもんで。
実は妖夢との○○も過去に書いていたりするんですが、あの作品は自分でもなんか納得いかなかったまま送り出してしまったので今回は登場してません。
だから出演させようと思ったけどうまく話が繋げられなかったという訳ではありません。ありませんとも。
そしてミス御免なさい。
余裕がないのバレバレですね!ね!
それでは、お後が宜しいようで。
12スレ目>>955 うpろだ912
───────────────────────────────────────────────────────────
「結局お前にとられちまったな。」
魔理沙はため息をつきながら何度目になるかわからない台詞を口にする
だから私も何度目になるかわからない台詞で答える
「たまに貸してあげましょうか。」
「いいや、遠慮しておくぜ。独占欲が強くてね、お前が良くても私が耐えられなくなる。」
「でも彼はまだあなたのこと好きになる可能性はあるわよ?
諦めるのはあなたらしくないわね」
ここまではいつもと同じ会話。
彼と結婚してから何度も繰り返していた。
違うのは今は私と彼の子が産まれたというところだろう。
彼女は呆れた顔で
「いいや、子供までつくってそんなに幸せそうなお前から
あいつを盗ろうなんていくら私でも思わない。
それに嫉妬に狂ったお前に後ろから刺されるのも嫌だしな」
と少しだけまじめに、しかしいつもの調子で少しだけ違う答えを返した。
「彼が望むなら別にいいのだけど・・・」
いつものようにそう答えようと思ったけど口が動かなかった。
本当にそう思っていたのに
「ーーーそうね、この幸せがいつまでも続いて欲しいと思うわ。」
自分と彼の子供に乳をやりながら驚くくらい穏やかな口調でそう答えてから
ようやく彼のことが本当に特別で、彼女の言うとおり今が幸せなのだと理解できた。
このことに気づけたのはこの子がいたおかげだろう。
・・・魔理沙のおかげでもあるか
「ありがとう」
「・・・よくわからないが、どういたしまして。」
そしていつものように会話しながら彼の帰りを待つ
あとで私にも抱かせてくれよ
彼を?
バカ、そうじゃない。その子だその子
冗談よ
ーーー私は幸せだとはやく彼に伝えたい
12スレ目>>649
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チルノ「レティと一緒に作ったんだよ!」
レティ「自信作よ」
○○「おーすげえ、この雪ダルマ顔のパーツがチョコなんだな、でも落ち葉とか巻き込んでるし食えないだろこれは!」
橙「作り方がわからなかったら人に聞く!」
○○「リグルに聞いただろ、ってかG捕まえてチョコ塗るとかどんだけ!うひゃあ生きてる!!」
アリス「ほら、チョコ人形。間接ごとに別パーツだからこの通り、ポーズが変えられるのよ」
○○「うわぁ・・・勿体無くて食えません」
リリー「チョコですよー!」
○○「投げるな!チョコを投げるな!!何でも弾幕にすんなー!!」
メルラン「○○ー!私の愛情たっぷりトランペット形チョコレート受け取ってー!」
○○「それチューバじゃないか!でかいよ!胸焼けするわ!!」
リリカ「私のはほら、鍵盤型でここがホワイトここがビター」
○○「お、これいいなー。鍵盤が一個一個ばらばらだから食べやすそうだし」
リリカ「でしょ!ショーケースのを一目見て気に入っちゃった!」
○○「市販かよ!!」
ルナサ「はい、ギターの中の空洞にチョコが詰まってるのよ」
○○「ジーザス!割らないと出せないだろうが!アホか!!」
妖夢「このチョコ、固くなるまで私のここ(半霊)に挿れてたんですよ」
○○「そ、そこまでよ!!」
幽々子「私のはもっとすごいわよ、チョコの中に超一流パティシエの霊魂が入ってるからいつでも冷たくておいし」
○○「やめてそういうのマジでやめて怖い」
藍「○○、これ・・・チョコってよくわからなくて、せめて色だけでもと・・・」
○○「ありがとうございますー、バレンタインかりんとうとはまた・・・」
チルノ「わー!バレンタインウ○コだー!」
藍「なんだと」
○○「チルノ自重マジ自重」
紫「私のはほーら、幻想郷じゃまず手に入らないとてもとても珍しいチョコ」
○○「わーいチロルチョコバナナ味だー」
藍「ぶっころ」
チルノ「うわー!レティ逃げるよ!!」
レティ「なんで私まで」
○○「ちょ、藍様落ち着いて痛い、全方位クナイ後ろにも飛んでるから!ちょ!アッー!!」
ピチューン
12スレ目>>756
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ルーミア「バレンタインなのかー」
○○「なんだこの黒いマリモ、ってルーミアなのかー」
ルーミア「チョコなのだー!」
○○「マリモから手がニュッと出てチョコ渡すとかシュールだな、あと俺はそっちじゃないこっち」
大妖精「はい、私からもどうぞ」
○○「ありがとう、君が一番まともだな」
大妖精「義理ですけど」
○○「君が一番まともだ」
チルノ「はい!チョコアイス!」
○○「ホームランバー!ホームランバーじゃないか!」
美鈴「私からは手作りですよー」
○○「なんという虹色・・・」
美鈴「変わった味がするので食べてみてください」
○○「あっ!辛い!中華風!この馬鹿!!」
小悪魔(辛いチョコレートのネタ被った・・・)
○○「なんか言った?」
小悪魔「いいえ別に。私のは帰ってから開けてくださいね♪」
○○「ああ、ありがとう」
パチュリー「チョコレートを消極的にプレゼントするには・・・」
○○「普通にくれよ」
咲夜「これは、私から」
○○「開けていいですか?」
咲夜「もちろん」
○○「うわあ、ホワイトチョコで瀟洒って書いてある・・・しかも瀟洒な字体で」
レミリア「貫け神槍!スピア・ザ・グングニル!」
○○「わあああ茶色い槍が飛んで来るうわあああ」
ドーーーン
○○「こんなでかいの食ったら鼻血止まらないだろ・・・常識的に考えて・・・」
フラン「お姉様、そんな大きいチョコ人間に食べられるわけないじゃない。はい○○、クランベリーチョコだよ!」
○○「おぉ、フランにしちゃまともだな・・・どれどれ」
ピチューン
○○「痛い!舌痛い!なんか弾けてパチパチする!」
フラン「これがほんとのクランベリートラップ!」
レミリア「あああ柄が溶けてきた○○早く食べなさい!」
○○「ひはが!ひはがいはいからむい!(舌が!舌が痛いから無理!)」
レミリア「あああ壁から抜こうとしたら折れたうわあああ」
咲夜「お嬢様ったら全身チョコまみれになって・・・ハッ!これは『私がバレンタインチョコ』フラグ!お嬢様あああ」
レミリア「来んなー!!」
○○「チョコ食う前から鼻血吹いてやがる・・・しかも瀟洒に」
フラン「○○舌治ったの?はい二つ目!」
フラン「三つ目!」
フラン「四つ目もあるよ!」
○○「なんで4人で1箱ずつ持ってんだよおおおおお」
小悪魔(イタズラ仕込みチョコネタが妹様に食われた・・・)
12スレ目>>960
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一番槍は魔理沙。
縁側で詰め碁を打ってた平和な二月十四日の昼下がりをぶっ壊すかのように箒で突っ込んできた。
「ああ、その、まあ、なんだ。そういう日だって知らなかったんだ。少し遅れたけど…ほら」
そう言って、あきらかに神社からパクってきたであろう饅頭セットを置いて高速で帰ってった。
…詰め碁、台無し。
二番手は霊夢。
饅頭小脇に抱えて巫女にあるまじきスピードで飛んできたのが見えた。
来る途中、高速で帰る魔理沙とすれ違いそのまま弾幕ごっこに。
この日の弾幕は、なんか二人とも本気だった。
二人の弾幕におっかなびっくり、こっそりやってきたのがミスティア。
「いっ、いつもお世話になってますから、そのお礼ですっ」
そう言って鰻が二、三本乗った皿を置いて、なんなんだと聞くヒマもなく帰ってった。
入れ違いに、魔理沙を蹴散らした霊夢が饅頭出して、
「他意はないわよ?…ただ、こうしなきゃアンタがあんまり可哀想だから」
と言って去ってった。どいつもこいつも頬を染めて帰っていくのは何故だ。
詰め碁を元に戻して、さあ続きだと打とうとした瞬間に文が物凄いスピードですっ飛んできた。
その真下を妖夢が同じスピードで走ってくる。
一瞬早く来た文が「いつもご愛読ありがとうございますー。あ、これ粗品ですね。」
っつって、天狗名物紅葉饅頭と印字された饅頭を手渡す。
妖夢に至っては終始まっかっかのまま、桜餅置いて無言で走り去っていった。
無論、二人のスピードで詰め碁はぐっちゃぐちゃである。
どうせまた蹴散らされるんだろうなあと虚しさを抱きつつ碁盤と碁石を拾い集める。
「…あ、その白はこっちでしたよ」
いつのまにやら咲夜が手伝ってくれてたんでとりあえず感謝。一瞬遅れて本気で驚く。
「…まあ、私がいつからいたかなんてどうでもいい事でしょう?それよりも、今日はいつか、という事を考えた方がいいのではないかしら」
一体なんなんだと問い返した時には咲夜の姿はなく、クッキーだけがそこにあった。
…時を止めたのか?
その後しばらく誰が来るんだと身構えていたが、数分間誰も来なかったんで一息ついて碁を再開する。
数分後、見覚えのある黒猫がやってきたかと思うと俺のひざの上に乗った。
いつもならその情景に和み、頭のひとつでも撫でてやる所だがいまはそうではない。
なぜなら猫、お前の尻尾が俺の碁盤の上で大暴れしてるからだ。
…まあ、とやかく言っても猫に罪はない。
これが人だったら蹴りのひとつも入れている所だが…
そんな事を考えていた刹那、猫の体が光りだして──
橙になった。
…卑怯者。俺が幼子(しかも女)を蹴れない事を知っての狼藉か。
橙は俺が考えていることなどつゆ知らず、懐からよくわからんお菓子を出して俺の手に握らせた。で、猫になって逃げてった。
…よし、今度から縁側にペットボトルを置いておこう。
もう詰め碁は無理だと踏んで、風呂の用意をする。
その後、早めの飯を食ってさあ寝ようと────したがここまで一人も乱入者がこなかった事を考え、
せめて一局ぐらいまともに打とうと碁盤を取り出した。
石をセットして始めようとした刹那、碁盤の真上にスキマが現れた。
予想通りに出現したスキマ妖怪は詰まれたお菓子の山を見て怪訝そうな顔をしたが、向き直って
「Happy Valentine's」
と、流暢な発音で言って俺の額に軽くキスし、綺麗なハート型のチョコレートを手渡す。
…流石はスキマ宅急便。バレンタインデーにちゃんとしたチョコを送ってくるとは。
いろんな甘い物を食らいつつ、ようやく静かになった縁側で上の空の詰め碁。
そんなみょんな光景をよそに、二月十四日の夜は更けていくのであった。
12スレ目>>964 うpろだ919
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この作品はキャラがいろいろと壊れております
駄文ですが楽しんでいただけたら幸いです
おかしい、おかしすぎる
今、○○こと俺は大変な危機に瀕していた
何故こんなことになっているのだろうか……
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話は一時間前に遡る
「もう春だなぁ……」
そういい俺は青い空を見上げる
桜はまだ咲いていないがもうじき咲くだろう
そんなことを思いながらいつものように博麗神社に向かっているときだった
「○○君○○君○○く~ん!」
後ろから声をかけられ振り向くとそこには橙が
「珍しいな、霊夢になんか用事でもあるのか?」
橙が神社に来ることは珍しい
藍にでもお使いを頼まれたのだろうか
「違うよー○○君に逢いにきたんだよー」
えへへーと笑いながら橙は言う
「へー、それは嬉しいことだ」
俺はそう言ってから気付く
明らかに橙の息がおかしい
なんというか、興奮しているときにする息だった
「……なんか嬉しいことで「○○君!ちょっと歌聞いてかない!?」」
上から声がしたと思えばみすちーだった
「おぉ、みすちー。でもなんでまた?」
と、そんなことを聞く
「え?だって……視界がなくなったほうが興奮するでしょ?」
と、息を荒げながらみすちーは言う
……興奮するってどういうことだ
そして橙とみすちーはさっきから睨みあっている
まるで、俺をたべるのは私だというかのように
……危ない、今日の二人はなんか危ない
俺はそろーりとその場から去ろうとする
すると後ろからありえない叫び声が
「テンコォォォォォ!テンコテンコォォォォォ!!」
ちょっ!何で藍がテンコーしながらこっちに!!!?
藍は叫びながらこっちに向かってくる
異常だ、何かが異常だ
とりあえず逃げなくては!
そう思い俺は神社に向かって走る
すると横の茂みから
「○○さんっ!大丈夫ですか?早くこっちに!」
まるで待っていたかのようなタイミングでうどんげが出てくる
「おおっうどんげ!助けてくれ…るのか?」
うどんげも同じように息を荒げている
ってかみんななんか発情してるっ!?
「さぁ、○○さん!今すぐ私の眼を見てくださいっ!大丈夫です、痛くはしませんからっ!」
そういう問題じゃないっ!
前から迫ってくるうどんげの眼を見ないようにしながら後ろの三人から逃げる
いったい何が起こっているというんだ!
「何で春になったと思ったらみんなおかしくなってるんだよっ!?」
「おや○○さんじゃないですか。そんなに追っかけられてどうしたんです?」
「あ、文じゃないか!頼む助けてくれ!」
そういって俺は頭上を飛んでいる文に助けを頼む
「わかりました!とりあえずこの布団の中に!」
と、文は何か恍惚とした表情で布団を取り出す
ってそんなもんどっから取り出した!?
お前はドラ○もんかっ!?
そんなツッコミを心の中でしたあと言った
「というか何故布団の中にっ!?」
「え?そりゃあアレですから」
さも当然のように言う天狗
そんなことしてたまるかっ!てか全年齢向け掲示板で出来るかっ!
このまま文に助けてもらうと大変なことになると判断し当初の目的どおり神社に向かう
きっと霊夢なら助けてくれる!そう信じて
「ウォォォォォォ!!!」
そう雄叫びをあげながら俺は神社に突っ込む
「○○っ!?何してんのあんたは!?」
霊夢が驚いて言う
「助けてくれっ!なぜか追われてるんだ!」
そういい俺は霊夢の背後に回る
「はぁ?わけのわからないことを……」
そうこうしてる間に近づいてくる橙たち
霊夢が懐からお札を取り出し
「夢想封印!」
一撃
綺麗に橙たちは吹っ飛ばされる
「じゃあ家の中に入りましょ」
そう言って霊夢は家の中に入っていく
俺もそのあとに続く
「……しかし何であんな風に」
「そりゃあ春ですもの……さて邪魔はなくなったわね」
そういい霊夢は扉にペタペタとお札を貼り付けていく
「さっきはどうもありがとう。おかげで助かったよ」
俺は頭を下げる
助けてもらったらお礼をするのが当たり前だろ?
「あー、いいわ別に。元からああするつもりだったし」
どういうことだ?
これは俺に気があると判断してもよいのか!?
「じゃあ始めましょうか?」
ん?何を?
そう思い俺は首を傾げる
「安心しなさい。すぐに気持ちよくなるから」
あのー霊夢さん?眼が明らかにやばいんですが
てかその興奮っぷりはなんですか
「博麗の巫女の婿として相応しいかどうか確かめてあげる……ハァハァ」
危険を感じた
「遠慮しますっ!」
そういって俺は神社から出ようとする
しかし扉が開かない
まさかさっきの封印は入れないようにするのではなく出れないようにするためかっ!?
「……さぁもう逃げれないわよ」
手をワキワキとしながら迫る霊夢
「マスタースパーク!!」
結界が壊れ扉が開く
「○○!今助けるぞ!」
そういって煙幕の中から手を差し出したのは魔理沙だった
「魔理沙!助かった!」
俺はその手を掴み空高くあがる
「ちょっと!この泥棒ー!!!」
遥か下にいる霊夢が叫ぶ
泥棒って俺はお前の持ち物じゃないぞ!?
「大丈夫か○○。朝から災難だったな」
ああ、魔理沙は正気か……本当によかっ…
と魔理沙から放たれるピンク色のオーラ
えー、正気じゃないようです
「今すぐ私の家に監k…じゃなくて匿ってやるからな」
それを聞いた俺は意を決して魔理沙の手を離した
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下が湖だったからおかげで死なずにすんだ
が、そこにいるチルノには狙われるわ
紅魔館なら大丈夫だろうと思っていけば門番が襲ってくるわ
門番を掻い潜って中に入れば咲夜さんにもレミリアにも襲われるわ
フランなら大丈夫だと思ったらやっぱり駄目で
永遠亭はうどんげがアレな状態で同じようになってそうだし
里にいったら普通の人間ですら狙ってくるわ
こーりんは「や ら な い か ?」だし
既に正気のやつらはこの幻想郷にはいないようだった
いったいなんでこんなことに……
そして今俺はスネー○状態で逃げ回っている
「……こっちから○○の臭いが」
げっ!こっちにやってきた!
捕まってたまるか!まだ俺は自由を楽しみたいんだ!
捕まったら俺の自由は終わる
そんな必死の思いで逃げようとした
「「あ、みーつけた」」
けれどその思いは虚しく、砕け散る
声がしたほうを見るとそこには幻想郷の住人たち
○○はどうする?
たたかう どうぐ
あきらめる ニア逃げる
しかしまわりこまれてしまった!
四面楚歌
八方塞
絶体絶命
さよなら俺
見事に終わった
そして手をワキワキしながら近づいてくるみんな
もう何も出来ません
でもお願いだからこーりんだけは勘弁してください
お願いだかアッーーー!!!
------------------------------------
「……春になったからみんなの頭を春にしてみたらこんなことになるとはねー」
スキマでソレを見ながら八雲紫は言う
人、妖怪、幽霊、妖精たちに埋め尽くされて○○は見えない
「……さて楽しそうだから私も混ざりにいきましょ♪」
今日も幻想郷には楽しげな声が響く
ただ一人の悲鳴を除いて
fin
13スレ目>>445 うpろだ994
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早いもので俺が幻想郷にやってきて一年が経過した。
まぁやってきたといっても気付いたらいたというだけで幻想郷の住人のみんなからするとたまに現れる外からの迷い人なだけでしかないわけだが。
外の世界に帰ることも出来たんだけど外での生活に特に未練も無かった俺はあっさりと幻想郷に永住することを決めた。
基本的に外からの迷い人はみんな帰ってしまうのか、俺があっさりと「こっちで暮らすよ」って言った時にはみんな驚いていたのが印象的だった。
それからはいろんなことがあったが、特筆するような出来事といえば博麗神社の巫女さん、霊夢と恋人同士になったことだろう。
まぁその経緯はいつか話すこともあるかもしれない。
と軽く過去の話をしたところで現在
縁側で霊夢と一緒にお茶を飲んでいる。年寄り臭いとか言うな
「平和だなぁ……」
「平和ねぇ……」
俺の何気ない呟きにそのまんまの返答をする霊夢
「そろそろなにか異変が起こりそうな時期じゃないか?」
「縁起でもない事言うのやめてよ、めんどくさい」
「博麗の巫女がそんなことを堂々と言ってるのも問題だと思うが……」
「異変なんてない方がいいのよ。誰にとってもね」
「まぁそれもそうか……」
とまぁこんなゆるいやり取りもいつものこと。
本当に平和だなぁなんて思ってたらいつの間にか霊夢が俺の膝を枕に寝転がりだした。
男女が逆じゃないのか?普通だと俺が霊夢にしてもらう立場だと思うが……
「だらしないぞ、おい」
「いいのよ」
一体何がいいのか疑問だったが俺としても悪い気はしないし放っておこう。
そんな感じにまったりと過ごすこと30分くらいした頃
「○○さーん!」
聞き覚えのある声に見上げるとつい先日幻想郷に神社ごと引っ越してきたという守矢神社の巫女さん、東風谷早苗がやってきた。
「また来た……」
途端に不機嫌になる霊夢、別に遊びに来るくらいで怒るなよ
「ん?早苗じゃないか。どうした?」
ちなみに俺と早苗は普通に仲がいい。
つい先の異変の際に霊夢が守矢神社に殴りこんだとのことで保護者の俺としてはご迷惑をおかけしてすみませんでした的な意味で菓子折りを持ってお詫びに行った時に意気投合したのである。
お互いに外からの移住者であることが大きかったのかもしれない。
まぁ決定的だったのは
「あのですねー、今ゼ○ダやってるんですけど、ここの謎解きがよくわからないんですよ。○○さんならわかるかと思って」
……これだ。流石現代っ子、D○を取り出してずずいっと寄ってくる。
「んー、ちょっと見せてくれ。……霊夢、悪いが頭どけてくれ」
流石にこの体勢でD○やるのは辛い
「いや」
「いやってお前……いいからどけ」
「いーや」
(駄々っ子かお前は……)
そんなことを考えていると
「えい☆」(ガスッ)
いつの間に後ろに回り込んだのか、俺の膝を枕にしていた霊夢の脇腹を早苗が蹴り飛ばした。
「ぐえっ」
潰れたカエルみたいな呻き声を上げて霊夢は縁側から庭に転げ落ちていった
「れ、霊夢ー!」
「さあさあ邪魔者もいなくなりましたし」
「いや、邪魔者って……」
とりあえず早苗は俺の話を聞く気は無いらしい、というか霊夢のことはもはや眼中に無いらしい。
「まぁいいか……うーん、ここは……多分爆弾を上手く使って時間差で通るんじゃないかな?」
「そうなんですか?ちょとやってみてくださいよ」
そう言いながら何故か密着してくる早苗、近いって!というか胸当たってる!
「ちょ、近すぎだろ早苗……」
「だってこれくらい近づかないと携帯ゲームなんて画面見えませんよー」
「それもそうか」
納得したところで再開
「くぉら」(ゴスッ)
再開しようとしたら後頭部にものすごい衝撃が来た。隣を見たら早苗も頭を押さえている。
「自分の恋人が地面を転げ回ってるのに『まぁいいか』で済ませてあまつさえ他の女とイチャイチャしてるってのはどういうことよ!」
ごもっともな話です。今は反省している。
「そんなの決まってるじゃないですか」
え、早苗サン?
「何がよ」
「霊夢さんは○○さんにとって『まぁいいか』で済ませられるような存在なんじゃないですかー?」
「さ、早苗……?」
なにやら雲行きが怪しくなってきた気がしなくもない。
「どういうことかしら……?」
聞き捨てならなかったのか頬を引き攣らせながら霊夢が聞き返す。
鼻で笑いながら早苗は
「大体その程度のことで暴力を振るうような恋人なんて御免ですよねー○○さん?」
「お、俺にここで振るのか!」
どう答えろというのか、ほらー、霊夢もすごい顔で睨んでるし……
「ま、まぁ殴られるよりは殴られない方がいいのは確かだが……」
「ですよね!じゃあうちの神社に住めばいいですよ!それだったら私もわざわざ○○さんに会うためだけにここまで来る必要もなくなりますし!」
それが目的かい
「ちょっと!なに勝手なこと言ってんのよ!○○は私の恋人なのよ、それがどうしてあんたの神社に住む話になるのよ」
そらそーだ
「簡単な話ですよ。霊夢さんと○○さんが別れて私と付き合えばいいだけの話じゃないですか」
Ω<な、なんだってー!
「ふん、なにを馬鹿なことを、○○、この女に言ってあげなさいよ、俺が愛してるのは霊夢だけだって……あれ?」
「○○さん、いい機会ですから全部言いたいこと言っちゃいましょうよ、俺は今日から早苗との愛に生きるって……あら?」
「冗談じゃない、あれ以上あの場にいたら何が起こるかわかったもんじゃない……」
というわけで某ジョースター家に伝わる戦いの発想法を発動した。
まぁただ逃げただけなんだけどね!
(にゅ)「……で、どうするわけ?」
まるで図ったようなタイミングで出てくるなこの人は……
「どうするもこうするもないでしょう紫さん。今頃神社じゃ弾幕ごっこが行われてるはずでしょうしほとぼりが冷めた頃に帰りますよ」
俺のその答えに紫さんはそうじゃないというように首を振る
「そうじゃなくて、霊夢と山の神社の巫女、どっちを選ぶの?」
「核心を突きましたね」
「女ってのはいくつになっても他人の色恋沙汰ってのは大好物なのよ」
外の世界でも幻想郷でもそれは変わらないんだなぁ
「霊夢のことは大切ですよ、恋人ですしね。でも……」
「でも?」
「早苗のことも嫌いじゃない。むしろ好きだと言っていいかも知れませんね」
「あらあら」
なにが楽しいのかニヤニヤとムカつく笑いをし出す紫さん
「何が面白いんですか何が……」
「ほら、あれ」
そう言って紫さんは俺の後ろを指差した。倣って振り返るとそこには霊夢と早苗がいた。
「○○、今の話は本当なの……?」
恐ろしいまでの負のオーラを纏った霊夢と
「○○さん、嬉しいです……」
真っ赤な顔をした早苗がいた。
「え、ちょ、ちょっと待て!今の全部聞かれてたの!?紫さん?っていねぇ!」
絶対ハメられた!
「……それで、どうするの?」
「さあさあうちの神社に行きましょう!神奈子様と諏訪子様も喜びますよ!」
対照的な反応の二人だが、俺はどうしたらいいんだろう
うpろだ1019
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「……で、どーするわけ?」
正座状態の俺の頭を足蹴にしながら霊夢が言う。
「それで式はいつにします?」
早苗は早苗で頭の中が春になってるようだ。
それにしてもどうしてこうなってしまったのか。
まぁ俺が全部悪いんですけど。
あ、ありのままに説明するとこうなる
霊夢と付き合っていながら早苗のことも好きになったのがバレた。
「だ、だけどまだ早苗とはなにもしてませんよ?」
「いきなりなにを言い出してんのよあんたは」
いかん、動揺しすぎて思わず声に出してしまったようだ。
「あ、いや、あれですよ。もしかすると覗いてるかもしれない天狗や鬼にもわかりやすく……」
我ながらどういう誤魔化し方なんだか。
「それはどうでもいいんだけど、さっきも言ったようにどうするつもりなの?」
やっぱり誤魔化されてはくれませんか。
女って怖いなぁ。
「○○さん!子供は何人がいいですか!?」
早苗はもう少し落ち着いてくれ。
ともあれそろそろ真剣に話をする頃合だろう。
「とりあえず二人とも、落ち着いてくれ」
「「…………」」
え、霊夢はともかくさっきまで春爛漫状態だった早苗まで?
「まず最初に、俺が紫さんに言ったことは事実だ」
「まぁ紫に嘘は吐かないわよねあんたは、どういうわけか」
だってあの人嘘吐いてもすぐ見破るし……
「でも霊夢、お前のことが好きじゃなくなったとかそういうわけじゃないのも事実だ」
ここまでは問題ない。
ここから先を言うのがとても気が重いだけだ。
「ただ早苗のことも好きになった。それだけの話だ」
ここで弱気になると大変なことになる、出来る限り堂々と宣言した。
「そ、それだけって、あんたねぇ!」
やっぱり霊夢さんは怒りますよね。
だがまだ俺のバトルフェイズは終了してないぜ!
「逆に考えるんだ、好きな人が二人いてもいいやって考えるんだ(AA略」
ふ……、決まった……
さすがの霊夢もジョー○ター卿の言葉には敵うまい。
……ってあれ?
「そう……言い残す言葉はそれでいいのね……?」
ってなんでスペルカードを取り出してるんですか?
ちょ、リアルに生命の危機?
逃げようにもずっと正座だったせいで足が痺れて立ち上がれねぇ!
短い人生だったなぁ。
妖怪に殺されるんじゃなくて博麗の巫女に殺されるとは思ってませんでした。
そんなことを考えていると
「ということはあれですか?霊夢さんと○○さんの関係は解消、ってことでいいんですか?」
ここまで黙って成り行きを見守っていた早苗が爆弾発言をしやがりました。
「「……え?」」
重なる俺と霊夢の声
「だってそうですよね?そこまで怒るんですから」
「いや、あんたは腹立たないの?ハッキリと二股宣言よこれは!?」
ご尤もな話ですね
いやはや本当に申し訳ない。
「私は別に構いませんよ?だって私のことも好きだって言ってくれましたし」
なんて懐の広い……
まさに大和撫子ってやつじゃないですかね?
普段俺とマ○オカートで対戦中に嬉々として赤甲羅をぶつけてくる子とは思えん。
……あと雷で小さくなった所を狙って踏み潰しに来たりもしたな。
「で、でも、最初に付き合ってたのは私なのに……」
やっぱ納得いかないよなぁ……
だって俺が霊夢の立場でも気に食わないと思うもん
「別に霊夢さんも○○さんのことが嫌いになったわけじゃないんですよね?」
「と……当然じゃない!そもそもそうだったらこんなに怒らないわよ!」
お、なにやら雲行きが変わって来たっぽいぞ?
具体的に言うと俺にとって都合がよくなりそうな空気だ。
「ここで提案がある」
流石に全てを早苗に任せるのも当事者として情けない。
「なによ」
「二人には悪いが、少しだけ時間をくれないか?」
「時間って、どうする気よ?」
「俺が結論を出す時間だ」
「つまり私と霊夢さんのどちらを選ぶかってことですよね?」
「まぁ……そんなこと言える立場じゃないけど、そうなるな」
「「…………」」
俺の真剣な表情に二人とも考えこんでるようだ。
先に口を開いたのは早苗の方だった。
「私は構いませんよ。負ける気がしませんし」
なんでこんなに強気なんだろう。
「なっ……、わかったわよ……『私も』負けるつもりはないしね」
霊夢も対抗意識バリバリだなぁ……
「二人とも、すまん、そしてありがとう」
「いえいえ、○○さんは私の将来の旦那様ですからー♪」
「ふん、今回は許してあげるけどこれ以上「好きになった」とかいう女増やしたら今度こそ殺すわよ?」
「その辺はもう重々承知しております……」
あえて早苗の脳内妄想トークはスルー
「とりあえず今日の所は私は帰りますね。お二人とも、お邪魔しましたー」
と以外にも早苗はさっさと帰ってしまった。
「随分あっさりと帰ったなぁ……」
「気を使ってくれたんでしょ、正々堂々と勝負ってところね」
俺の何気ない呟きに霊夢が返す。
「さーてと、晩御飯の準備しようっと」
霊夢は霊夢でさっきまでの修羅場空間が嘘のようにいつもの生活に戻ったようだ。
俺は料理をする霊夢の後姿を眺めながら
どうにかして片方じゃなくて両方と付き合う方法はないかなぁなんて考えていた。
うpろだ1021
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最終更新:2010年06月05日 11:52