分類不能13

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 ギャグ風味、紅魔館ネタ

「何とか生き残った……」
「〇〇すごーい、ノーショットクリアなんてルナシューターでも難しいよ」
「単に弾が出せないだけだ。 ボムも無いから『そして誰もいなくなるか?』で詰むかと思った」
「そして彼女は結婚して~そして誰もいなくなった~♪」
「首をつったんじゃなかったっけ?」
「こっちが本当なんだって」
「はいはい、ボン、キュ、バーンになったらプロポーズしてやるよ」
「ホント? 絶対だよ?」
「あ~腹減った。咲夜さ~ん、そろそろ昼飯出来ましたか?」


 そんなやり取りをしたのが1週間前
 そして今日、フランドールはご機嫌な顔をして食堂に入ってきた。
 図書館から飲み物を取りに来ていた小悪魔がそれに気がつく。

「あら妹様、おやつの時間はもう少し後ですよ。 メイド長を呼びましょうか?」
「んーん、薬飲むのにお水がほしいの」
「薬? お体の具合でも?」
「永遠亭で作ってもらったおっきくなれる薬、これ飲んでボン、キュ、バーンになるの」
「吸血鬼にも効くのですか?」
「普通のじゃ効かないから特別製、30年分のお小遣いはたいたんだから!」

 ニコニコしながらコップに水を注ぐフランドール、小悪魔はそれを見ていたが飲む直前でフランドールを止める。

「妹様、飲む前に注意した方が」
「注意? 何を?」
「大きくなるのは分かりましたが、薬を飲んでもお召し物は変わらないかと」
「あ、そっかぁ、下着もこれじゃ子供すぎるかな?」
「下着って…そこまでやるつもりなんですね妹様、私も負けてられません!」
「負けるって誰に?」
「そりゃぁ〇〇さんは……ってそれよりも服です! それなりのスタイルに見合う服を考えないと」
「美鈴だったらスタイルいいし、服持ってるかも」
「なんだかんだで一番〇〇さんとすごしてますから、最近おしゃれをし始めたみたいですし」
「それじゃ借りてこよ~っと」

 フランドールが部屋から出て行くと入れ替わりで咲夜が入ってきた。
 走って出て行ったフランドールを不思議そうに見送る。

「妹様は何をあんなに喜んでいるの?」
「何でも永遠亭で貰った薬でボン、キュ、バーンになるって言ってましたよ」
「薬? テーブルにおいてあるこれ?」
「ええ、30年分のお小遣いをはたいたらしいですよ」
「この薬で妹様がボン、キュ、バーンに?」
「メイド長?」
「ボン、キュ、バーンに……妹様が? 妹様でも? 妹様がなれるのなら」
「メイド長!? どうしたんですか! しっかりしてください!」
「私だってボン、キュ、バーンに! そうすればこんなもの付けなくても、〇〇に思いっきり抱きついて、押し付けて、存分に揉ませて!」
「ダメですメイド長!」
「私は詰め物をやめるぞぉぉぉ! 小悪魔ぁぁぁぁ!」


 所変わって永遠亭

「あら? 目標20歳型超濃縮成長剤が残ってる」
「師匠、これが今日の薬の売り上げです」
「今日は儲かったわね。 紅魔館の妹吸血鬼、なんでこんなにお金払ってるの?」
「え? あの薬ってそれくらいしませんでしたっけ?」
「……いったい何を渡したの?」
「大きくなりたいって言ってましたから、ちゃんと巨大化薬を」
「……バカ」


 〇〇は美鈴と共に早めのおやつを取っていた。
 一つだけ残った肉まんに同時に手を伸ばして、手と手が触れた瞬間に美鈴はあわてて手を引っ込める。
 〇〇は不思議そうな顔をしつつ一つの肉まんを二つに割り、半分を美鈴に差し出して――

「めいり~ん、服と下着貸して~」
「妹様?」
「フランか、おやつに美鈴の作った肉まんがあるぞ」
「ホント? くれるの?」
「はい、あーんして」
「あ~ん、もぐもぐ、おいし~」
「それで、どうして私の服が必要なんですか?」
「えっとね、お薬飲んでボン、キュ、バーンになるの、それで服が小さくなるから美鈴に借りるの」
「妹様がいいスタイルに……強敵になりそうです」
「そりゃ楽しみだ。 きっといい女になるぞ」
「へへ~ん、きっと〇〇もメロメロになってプロポーズせずにはいられなくなるよ! 美鈴がつけるようなセクシーな下着で悩殺してやるんだから」
「お、自信満々だな?」
「ちょっ! そんな下着持って……ますけど、アレは勝負用の――」

 轟音と振動が響いたのはそう言った直後


『お~いおいおい、お~いおいおい』
「咲夜さ~ん、人の物を取るからバチが当たったんですよ~」
『そうだけど、夢を見たかったのよ~、お~いおいおい』

 全長40Mに届こうかという全裸の十六夜咲夜が体育すわりをしている。
 紅魔館の住民が布をかき集めたがすべてを覆い隠すには全然足りない。

「パチュリー、何か方法は無いのか? 咲夜がこんな状態だと紅魔館の運営も大変だぞ」
「任せて、あんなに堂々と〇〇に裸を見せ付けるなんて許せないし」
「見せ付けてるんじゃなくて不可抗力だと思うが……」
「ええ~と、吸血鬼用巨大化薬で大きくなったのは人間を消極的に元に戻すには……」
「載っているのか?」
「王子様のキス? 本当に載ってるなんて思わなかった……」

 その場の全員が〇〇を見る。
 次に巨大化した咲夜を見て、改めて〇〇を見る。

「却下ね」
「却下だわ」
「却下にしようお姉さま」
「却下ですよねぇ」
「却下らしいですよ、メイド長」
『そんなお嬢様! 私は大丈夫です、むしろどんとこいです、さぁ〇〇! カマン!』
「しょうがないか、それしか手が無いなら」
「主人として命令するわ、咲夜、そのままですごしなさい」
『おじょ~さま~』

 サイズが大きいので声も大きい、全員が耳をふさいで大声に耐える。
 しばらくわめいていた咲夜だったが、急に泣き止むといつの間にか〇〇は咲夜の手の中にいた。
 時間を止めてその隙に〇〇を掴んだらしい。

「いつの間に!?」
「実力行使をするつもりなの?」

 一斉に弾幕を放つが効果が無い、巨大化と同時に耐久力も上がったようだ。
 掴まれている〇〇は落ち着いた様子で咲夜に語りかける。

「時間は咲夜が止めると分かっていた。 そうしなければ巨大化し続けるかも知れないからな」
『〇〇、気づいていたの? どうして?』
「普通のサイズの咲夜さんが一番だからだよ。結果、胸が小さくてもね。だが、このまま大きくても構わない。大きさなんて関係ないんだ、僕にとってはね。咲夜さんがいる、それが唯一の絶対的確実なんだよ」
『何を……〇〇……貴方が何を言おうとしているのか分かんないわ! 〇〇!』
「告白だよ。 さぁ、僕を口に付けてくれ。 そうしなければ君が大きいままになる」

 咲夜は手の中の〇〇を自らの口に近づける。
 その時、一筋の風が吹いた。

『はくしゅん、服が無いから寒いわ、改めて〇〇、口付けを……アレ』

 手の中に〇〇がいない、辺りを見回して誰かが湖でもがいているのを発見した。
 よく見ると〇〇だと分かる。
 
「「「「とばされたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」」」」

 罰として咲夜は3日間巨大化したままですごすことになる。
 〇〇と咲夜は正式に付き合いだすことになったが、メイドとしての忙しさと他の連中の諦めの悪さで落ち着いた日々は過ごせそうにない。
 そんな咲夜が笑顔で薬を持ってきたのはその数日後のことだった。


「あら? 目標Fカップ型超濃縮豊胸剤が残ってる」
「師匠、これが今日の薬の売り上げです」
「今日は儲かったわね。 紅魔館のメイド、なんでこんなにお金払ってるの?」
「え? あの薬ってそれくらいしませんでしたっけ?」
「……いったい何を渡したの?」
「胸が大きくなりたいって言ってましたから、ちゃんと胸筋用プロテインを」
「……バカ」


「この薬があれば、咲夜でも巨乳になれるのなら……私だってボン、キュ、バーンに!」
「ダメです! お嬢様!」
「私はロリっ子をやめるぞぉぉぉ! 小悪魔ぁぁぁぁ!」

>>うpろだ1047

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 ちょうどさっき、ご飯にふりかけたとこなんだ……
 自分の中の元ネタはACID CLUB EASTくらいです。それ以外は知りません。nagareさんラヴィ!

!注意! 不適切な表現が入ってますので、食事中の方は終わってからご覧ください。




 ●八雲一家の食卓にて●

○○ 「お~い、なんかこの『ゆかり』、古 く ないか?」
 
 紫 《ビクッ!》
 
 藍 「あ、ほんとだ。この『ゆかり』湿気てる。か な り 古 く なってる」
 
 紫 《ビクッ!》
 
 橙 「え!? もう古くなっちゃったんですか~? この『ゆかり』~」
 
 紫 《ビクッ!》


○○ 「まぁいいや。古 く なった『ゆかり』なんて 用 済 み だ。 藍、どっかに 捨 て て きてよ」

 紫 《ビクッビクッ!!》

 藍 「ああ、分かった。古 い 『ゆかり』なんて ゴ ミ 同 然 だからな」

 紫 《ビクッビクッビクッビクッ!!》  

 橙 「え~? 捨てちゃうんですか? いくらこの『ゆかり』が古くったって、少しくらい我慢しましょうよー」





 紫 「ふおわぁぁぁぁぁああぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーーー!!!!」
       
       ドンガラガッシャーーーーン!

三人 「「「うわっ!?」」」

                        



 紫 「もう! 何よ!? 何なのよ!? どうしてみんなして私をいじめるのよ!!?」

○○ 「別に誰もいじめとりませんがな」

 藍 「そうですよ紫様。ただ、この『ゆかり』が湿気て不味くなったって話をしてるだけで……」

 橙 「? ? ?」《突然の状況変化についていけず》

 
 紫 「何よ二人とも白々しい! そんなおバカな言い訳、橙でもしないわよ!」

○○ 「まぁ、そりゃそうだろーね」

 藍 「ちぇーん! お前がバカだなんて私は思ってないからなー?」

 橙 「…………」《何となく自分が馬鹿にされたことだけは分かったらしい》

 
 紫 「反省の色が見られないわね? いいわよ。私だって同じ事やり返してやるんだからっ!」

○○ 「ハハハ。できるもんならドーゾ」

 藍 「(やばいっ。日頃の鬱憤晴らしとはいえ、少し調子に乗りすぎたか?)」

 橙 《パクパク》「(この後、チルノちゃん達と遊びに行くんだから、ごはんっごはんっと)」

 
 紫 「ハッハーッ! まずは藍からね! あなたの主を馬鹿にした報いを存分に後悔するがいいわ!! 藍の後は○○っ、あなたよ!!」

○○ 「へいへい」

 藍 「…………」

 橙 《ムシャムシャ》



 紫 「藍っ! あなたがこの間買ってきた狐色の油揚げ、すんごく 不 味 か っ た わ~。

    あんな ひ ど い 油揚げは 空 前 絶 後 ね! 

    良い狐色してるからさぞや美味しいかと思ったけど、あんなの 猫 ま た ぎ もいいところだわ!!

    いいこと? 藍っ! 二度とあんな 畜 生 の エ サ にも劣る油揚げを買ってくるんじゃないわよ!!!」



○○ 「? ? ?」

 藍 「? はぁ……、それは申し訳ありませんでし…た?」

 橙 《ゴクゴク》「(……猫またぎ?)」


 紫 「あれれ? なんか反応が薄いわね~。藍、あんまり我慢しないでもうちょっと悔しがっていいのよ~?」

○○ 「!! はぁ~~~~~~(こいつアホだ……)」

 藍 「!! ……紫様、それでは私が悔しく思うことはありませんよ? けなす焦点が違います」

 橙 《ガリガリ》


 紫 「? 何言ってるのよ藍~。負け惜しみはみっともないわよ?」

○○ 「まぁ、聞いとけ。幻想郷一の賢者サマ」

 藍 「先ほども申しましたが、紫様は馬鹿にする対象を間違えておられます。

    紫様は『狐色の油揚げ』をけなされましたが、いくら『狐色』が私の色を模した色であったとしても『狐色』自体をけなさずに、

    その修飾先の『油揚げ』へ揶揄の矛先を向けてどうしますか? 

    例えば『狐色はう○こ色~。う○こ色は藍の色~』というように、直接、私に関わる単語を辱しめることで私を馬鹿にしてください。

    とはいえ、けなす対象が『狐色』程度では……。

    それでしたら、私の本日の渾身作であるお稲荷さん…この稲荷寿司をけなされた方が、まだ私が堪えるというものです。
    
    あ、橙ごめんね~。食事中にまずいこと言っちゃったね~」

 橙 「いえ、もういいです…ごちそう様でした……」


 紫 「な、何よ! じゃあ~…あなたのお稲荷さんは、どうしようもく最低の出来ねっ!!」

○○ 「…………」

 藍 「紫様? それじゃ普通の悪口――――――ガチャン!!――――――な、何だ?」








○○ 「……ごめん…ホントごめんな……

          ………最近、俺がED気味なばっかりに…………」

紫+藍「 お前かよっ!!! 」








○○ 「だってさぁ、俺は不甲斐ない男だって、外では後ろ指さされてんだろ~?
  
    この間なんて永遠亭に薬を貰いに行ったら兎どもがさぁ~。


       『○○とかけまして~((かけまして~))

        リグルとときます~((ときます~))

      ((そのココロは?))

        どちらもぉ~……性別が分かる特徴を持たない~~~ウッサッサッ

      ((え~~? マジィ? EDモード? キモ~イ(笑) EDモードが許されるのはぁ(ry 』


    ってな感じでさ~。ホント、暴れる気力もなくなってマジでヘコんだよ……」

紫+藍「○○……」








 橙 「~~~っ! いいのっ○○! そんなの気にしなくていいのっ!」

紫+藍「 橙っ!!? 」








 橙 「ご立派な○○も好きだけど、私が大好きなのは優しい○○なんだからっ!

    早く私に大好きな○○の笑顔を見せて?

    後で、い~ぃっぱい慰めてあげるから……ね?」

○○ 「~~~~っ! ううっ、ありがとう橙っ。大好きだ!」

 橙 「○○っ」


 
 藍 「こぉ…んの……ふぅざけるなぁぁーーーー!!! ○○ぅーーーー!!!!!! 
 
    最初、『俺が好きなのはお前だけだー』とかなんとか言っておきながら、ちゃっかり紫様とも二股かけておいて……。

    さらに、いつの間にか大事な橙まで毒牙に……! 
 
    も、もう我慢できん! やっちゃいましょう、紫様!!」

 紫 「ふふふ……成長したわね○○。橙もオトすなんて……。やっぱり私が見込んだとおりの男だったわ~」
 
 藍 「 紫様っ!!? 」



○○ 「ちぇーんっ」

 橙 「○○ーっ」

 紫 「うふふ……」
 


 藍 「お……おお…………おおお雄雄雄雄雄雄雄おおぉぉぉーーーーーーーーオー人事ってレベルじゃねーーぞぉぉおおおーーーー!!!!!」



   その日、マヨヒ家とおぼしき場所から、光り輝く巨大な九本の柱が天を貫いた。

   後日、八雲一家の姿を見た者は誰一人いないという……

>>うpろだ1055

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 冬が終わり、また春がやって来る。
 それは幻想郷においても、至極当り前のことだ。

 長い冬を耐え抜いた草花たちは、その生を鮮やかに色づかせる。
 冬の控えめな花々も好きだが、懸命に咲き誇る花々もまた風情がある。
 
 私は日傘の下から、草原一面に咲いた草花を眺めていた。
 その中には、花に囲まれるようにして、一人の幼い少年が座り込んでいた。
 年に似合わず難しい顔をして、手を必死に動かしている。

 やがて、少年は急に立ち上がり、私の方へと駆けてきた。

「お母さん、見て見て!」

 心底嬉しそうな顔で、少年は手に持っていたそれを私に見えるように突き出す。
 ふわり、と花の心地よい香りが漂う。
 私は彼の手からそれを受け取り、目をやる。
 
「これは、花冠? よく出来てるわね」
「うん、お母さんにあげる!」

 シロツメクサで編まれた花冠。
 拙い出来ながらも、それに込められた思いは十分に理解できた。

「じゃあ、○○に飾りつけてもらおうかしら」
「うん!」

 彼に花冠を返しながら、その背に合わせ体を屈める。
 そして彼は、大事そうにそれを私の頭の上に乗せた。

「どうかな?」
「ありがとう」

 彼の柔らかな髪を優しく撫でる。
 エヘヘ、と笑う彼を見ていると、頬が自然と緩むのが感じられた。

「それじゃあ、そろそろ帰りましょうか」
「もう、帰るの?」
「帰ったら、お昼寝でもしましょう」
「うん!」

 立ち上がり、彼の小さな手を取る。
 その手は本当に弱く、ちょっと力を入れれば壊れてしまいそうだった。
 だけど、そこには確かな鼓動があった。

 そして花畑を後にする。

「今日の晩御飯、何が食べたい?」
「うんとね、ハンバーグ!」
「そう、なら頑張らないとね」

 いつもと同じような会話。
 彼の顔もまた、いつものように生気に満ちていた。
 そんな彼を見ながら、私は考え事をする。

 ほんの気まぐれで育て始めた人間の子供。
 だけど、いつしか彼の存在は私の中で大きくなっていった。
 少なくとも、彼が私の息子だ、と胸を張って言えるぐらいには。

 どうあがいても、彼は私より早く老いていくだろう。
 そのとき彼が人間のままで死ぬのか、それとも妖怪や魔法使いとなって生きるのか、どれを選ぶかは私にも分からない。

 けれど、今はとりあえず、後で後悔しないように、この幸せを享受させてもらうことにしよう。
 一生懸命、笑って、泣いて、怒って。そんな生き方をしよう。
 悩むのは、それからでもいい。

 だって、彼の笑顔がもっと見たいから。
 そんな彼と一緒に、私も笑顔でいたいから。

 私たちはいつものように、二人で並んで家への道を歩いた。
 他愛ない話に花を咲かせて。

>>うpろだ1056

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「文、ちょっと太ももの隙間に首を出し入れさせてくれないか」

 問答無用で蹴り飛ばしてやった。ダウンした所に靴底をグリグリしてやるとちょっとだけゾクゾクした。



 趣味嗜好とは個人に許された最大最後の不可侵領域だ。

 誰かが言った。

「私は幼女が好きだ」

 なるほど。穢れを知らぬ幼くも純粋なその心に胸打たれ涙する事もあるだろう。
 どうか彼女らを優しく、大きく見守ってあげて欲しい。

 また誰かが言った。

「私は同性が好きだ」

 結構だ。愛とは強く、貴く、儚い。心の一つの形だ。
 乱暴なまでの情熱の前に、性別の違いを問うなど愚者のする事だ。

 別の誰かも言った。

「私は鮭の皮が大好きだ」

 死ぬまでしゃぶっていればいい。


 誰もが己の内に秘めたる感情と面つき合わせて生きている。
 悩み、苦しみ、もがき、何とか世界と釣り合いを取って日々を過ごしている。
 捨て去る事などできはしない。しなくていい。何かを愛するということは何よりの励みとなるだ。

 ただし、他者がそれを理解してくれるかどうかは別の問題だ。

 思うにあの男は其処の所が分かっていないのだと思う。




 その日の取材は大した成果も上がりそうになかったので、潔く早々に引き上げる事にした。
 滝にでも行けば椛が退屈紛れに一人将棋でもしているかもしれない。偶には相手をしてあげるのもいいだろう。
 勝負の途中で罰ゲームでも提案すれば、変に真面目な所のある椛は困り果てた末に結局耳をペタンとさせて了承するに違いない。可愛いやつめ。
 そんな事を考えながら飛んでいるとすぐに滝が見えてきた。予想通り将棋盤の傍らに椛の姿が認められる。仕事柄、能力を使って監視していたので接近してくるこちらに気付いていたのだろう。嬉しそうに手を振る姿は実に甲斐甲斐しい。

「お帰りなさい文さん」

 椛、その笑顔と尻尾パタパタは反則です。連れて帰って良いですか。

「お帰り文」

 無視。

「椛もお疲れ様ですね。勤務が終わったら夜雀の屋台にでも行きませんか? 当然奢りますよ」

「ほ、ホントですか」

 コレです。この表情。喜びと遠慮が見え隠れするこの仕草がたまりません。

「あ、俺も俺も。おごってーあやちゃーん」

 聞こえない聞こえない。

「本当ですとも。偶には可愛い部下を労ってあげないと」

「いい加減突っ込んでくれないと寂しくて泣いちゃうぞ。いいのか? このまま椛の膝で泣いちゃうぞ」

「……貴方、何でここにいるんですか」

 本当に何してるんですか。ちゃっかり椛に膝枕までしてもらって。

 とりあえず本当に泣かれても面倒なので仕方なく聞いてあげることにした。自分の懐の深さに思わずこっちの方が泣けてきそうだ。
 そんな私の内心を知ってか知らずか、ようやく相手をしてもらえた○○は嬉しそうに

「魔理沙が山の神社に用事があるらしくてな、便乗して連れて来てもらった」

 と答え、私はその阿呆面に軽く頭痛を覚えた。
 その交渉の際にどんないざこざがあったかは知らないが、この変態が相手ではロクな事などなかっただろう。その点では彼女に同情せざるをえない。
 しかしどうしても容認できないことがもう一つ。

「何あたり前な顔して椛に膝枕なんかさせてるんですかこの低脳」

「て、低脳ってお前……うん。まぁ遊びの報酬だ」

 私の言葉のトゲは大して効き目が無かったらしく、横の将棋盤を指してから椛に向かって「なー」と同意を求める○○。ていうかいい加減其処を離れろ。

「まさか勝ったんですか?」

 私には及ばずとも、人間程度に打ち負ける腕では無い筈。実際、私の言葉に彼はあっさりと首を横に振った。うつ伏せで。
 大の男が見た目少女といって差し支えない容姿の椛の膝に顔をうずめて「スリスリー」とかやってる様は、なんかもうアタマ悪いとしか言いようがなかった。

「見事に俺の完敗だった」

「では何故」

 そこで椛が恥ずかしそうに口を開いた。

「……頼みを聞いてくれたら一局相手をしてやると言われたもので」

 その言葉に私は不意に目頭が熱くなるのを感じ、胸にこみ上げるモノを堪えきれずに椛を抱きしめた。

「ごめんなさい……! そこまで追い詰められていたなんて! 私がもっとかまってあげていればこんな馬鹿な事には」

「おいちょっとまて天狗」

「何ですか人間風情が。いいとこなんですからちょっと黙っててください」

 苦しいですと言いつつも嬉しそうに耳をピコピコさせる椛。あぁもう貴方ってコは!
 愛おしさに打ち震えている所に尚も空気を読まずに割って入ってくる○○。

「いや、いいんだけどな俺は。だけどお前はもう少しポジションについて考えるべきだ」

 彼は頭を小刻みに動かしながら答える。椛の膝の上。そして「私の足元」で。

「やっぱドロワーズか。しかしこの眺めはなかなかなんとも」

 呑気に呟く馬鹿一名。

「椛、ちょっとそこの頭固定しといてもらえますか」

 それだけ言って私はその場で高く跳躍すると空中で片脚を折り曲げて狙いを定め、重力にその身を任せて急降下し、突き出した脛を馬鹿の首めがけて叩きつけた。

 全ては一瞬の出来事。○○は逃げることもできずまともに技を受けて「ゲェー!」とかよく分からない断末魔を上げて昏倒した。




 後に彼はその時の事を「我々にとってはご褒美です」と述懐したらしい。
 そろそろ博麗の巫女に討伐依頼を出そうかと考えている今日この頃である。

>>うpろだ1066

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 ちょっと変化球でも投げてみようかしら。
 引越しの際の彼女達との一問一答。
 被ったり性格が違うと思ったら、申し訳ない。

問い…
『改めまして…こちらでも末永く宜しくお願いします』

答え…

霊夢「そう…ま、末永くのんびりいきましょ」
魔理沙「いつでも私は末永くよろしくなんだぜ?」

ルーミア「よろしくなのかー」
大妖精「は、はい、よろしくお願いします」
チルノ「こっちでもアンタはアタイのシャテーよ!」
美鈴「いえいえ、こちらこそよろしくお願いしますね」
小悪魔「そう、末永く、ですよねぇ。うふふふ…」
パチェ「随分唐突ね…えーと、こういうときの返答は…
    今後ともよろしく、でいいのかしら」
咲夜「光栄ですわ。これからもこの咲夜をご贔屓に」
レミィ「これからも末永く私の傍にいなさい」
フラン「うん!こっちでもいっぱい遊ぼうね!」

レティ「いつでも会えるわけではないのが残念だけどね…」
橙「よろしくお願いしますっ」
アリス「こっちでも何時も通りなんだけど。まぁよろしくね」
ルナサ「…よろしく」
メルラン「よろしくねー♪」
リリカ「そんなの当然じゃない」
妖夢「半人前の私でよければ…え?違う?す、すみません…」
幽々子「あらあら、末永くだなんて気の遠くなるようなことを
    言うのねぇ。でも嬉しいわ」
藍「ああ、こちらこそよろしくな」
紫「私の心の隙間、こちらでも存分に満たせるかしら?」

リグル「うん、こっちでもよろしくね」
ミスティア「悪いわね♪ありがとね♪これからも♪よろしくね~♪」
慧音「…その言葉、なかったことになんかさせないからな?」
てゐ「よろしくしたかったら、この賽銭箱にぜひとも奉納を…
   あはは、冗談冗談。よろしく」
鈴仙「うっ、うん!ご、ごめん、いきなりだから驚いちゃって…」
永琳「何を今更、と言いたいところだけどこちらからもよろしく
   お願いするわ」
輝夜「末永くじゃないでしょ、永遠によろしく、と言い直しなさい」
妹紅「な、何さいきなり大真面目な顔して…あ、ああ、うん、
   よろしく」

萃香「うんうん、それじゃあここで祝杯といこうかぁ~♪」

幽香「あら、殊勝な心がけね。気に入ったわ」
メディ「嬉しいな、こっちでも一緒にいてくれるんだ」
小町「一緒に四季様に怒られるのも末永く、なのかねぇ…」
映姫「引っ越したから、と何かが変わるわけではありません。
   無論、貴方が私の元に末永くいることも、ですよ」

文「これからもよろしくお願いしますね」
  (流石にこれは号外にはできませんねぇ…)

静葉「穣子と一緒によろしくね」
穣子「姉さんと一緒によろしくね」
雛「厄も末永く憑くのよ、それでもいいの…?ありがとう」
にとり「ああ、よろしく頼むよ人間」
椛「射命丸様共々よろしくお願いします」
早苗「不束者ですが、どうぞよろしくお願い致します…」
神奈子「それじゃ早速一杯…」
諏訪子「こっちでも一緒に『神遊び』しようね?」


>>うpろだ1069

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早苗「あの、○○さん。ちょっとここの謎解きが判らないんです。一緒に考えてくれませんか?」

○○「ん?はいはい。えーと?何処だココ?」

早苗「えーとですね、氷の島で嘘吐きを探してる所ですねー」

○○「あー、ここねー。いいよ、一緒に考えようか」

早苗「はいっ!」



○○「うむぅ……、こいつはあいつが嘘吐きだって言ってるから容疑者で…」

早苗「この人は自分とあの人が正直者だって言ってるから…容疑者から外すんですね。」

○○「だね。で……この三人を容疑者から除外。で、この三人が容疑者だな。」

早苗「むむぅ…、紙とかに書いた方が判りやすそうですね。持って来ます!」

○○「あいよ。」



諏訪子「○○ーーー!!ここが判らないよー。教えてー」

神奈子「いいえ、私の方が判らないわ!○○、私に教えて頂戴!」

○○「ああ、うおっ!やめろいきなり抱きつくな!」

諏訪子「神奈子何言ってるの?私の方が判らないに決まってるじゃない。」

神奈子「いいえ、私の判らないの方がデカイわ。」

○○「二人とも何を論争してるのか判らない上にどっちも電源はいってないよ。そこから教えるの?」

早苗「○○さーん、持って来ましたよー。」

○○「お、丁度良かった。あの二人は火花散らしててオレの話聞いてないし。んじゃ仕切りなおすか。」

早苗「……?はい。」

○○「おまっ、早苗近いよ。ちょっと離れて。」

早苗「え、だって普通これ位じゃないですか?」

○○「抱きつくのが普通なんですかー?さてはお前さっきの見てたな」

早苗「…なんのことですか?」

○○「はぁ、まぁいいか。」

諏訪子「○○!早苗より判らない度合いが超越してるの私に教えて!」

神奈子「いいえ!諏訪子より判らない度合いが全てを越えているの私に教えて頂戴!」

○○「いやだから抱きつくなって!重い!いくら軽いって言っても三人じゃ重い!全て超越してるってどれだけ判らないの!?」

早苗「○○さん!」

諏訪子「○○!」

神奈子「○○!!」

○○「だぁぁ、判った判った!あんたら三人とも面倒見てあげるから離れろォォォォォ」

諏訪子「やった!!じゃあ教えて○○」

神奈子「早くして頂戴。」

○○「まずあんたらは電源を入れて。はなしはそれからだ」



神奈子「ふぅ、ゲームをするって言うのも結構疲れるわね。」

○○「神奈子さんは俺の説明聞かないでただ抱きついてただけだよね。何で疲れるのかな?」

結局俺は全員に教えを請われ、全員に教え続けた。

ナイス努力俺。学校の先生も夢じゃないかもしれない

諏訪子「あーうー。足が痺れちゃった。」

早苗「洩矢様はずっと膝の上に座ってらっしゃいましたからね」

○○「あー、三人に抱きつかれて汗びっしょりだ。しかたないなぁ、風呂に入るか」



その時、三人の目が光り輝いたことを俺は知らない。


続くかせたい

>>うpろだ1093

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「おーい! いっしょにセッションしよ!」
「断る」
 音楽の霊なんて本当にいたのかと感心したのも今は昔。
 現世じゃ名の知れた打楽器奏者の俺は、死んだ後もとある楽団で自由気ままに演奏していた。
 ……こいつらがいなければ、本当に自由だったのかもしれないが。

「何故!? 何ゆえ私のトランペットに合わせることを拒否るんだい!?」
「いやだって俺まだ練習したいし」
「よーしじゃあ46小節目からいっくよー」
「待てと。 誰が会わせると言ったんだよ」
「私。 あなたの動きは全て私と共にあるべきなの。 私が。 大事なことなのでもう1回、私が。」

「ああお宅の妹さんがまたタミフってますよ」
「いつものことだろ……気にするな」
「ちょ……おまうっせ離れろって! ルナサと今話してるんだよ」
「うー! このままフォルテ3つで耳元大音量のトランペットが来るぞー!」
「あー助けて」
「仕方ないな…………ルナサ、46小節目からだ」
「えー」
「待て。 ちょっと待てとお嬢さん方」
「何してるんだ早くスティックをだな」
「その前にルナサ藪からスティックにどうした。 いきなり合奏を始めるとは」
「――彼が一番握りたかった、いや握らせたかったもの。 それは他でもない彼の股間の」


      『少女被弾中...』


「楽しそうだったからついカッとなって言った」
「リリカはどうしてそういう方面にばっか行くのかと。 姉として情けない」
「同感ー! 私たち混ぜてくれないなんて」
「ウェイトちょっと待てそしてその発言に反逆する」
「ですよねー」
「この流れをつくった張本人が同意するな」
「またまたぁ、そんなこと言ってルナ姉ぇも本当はそういうことが……」
「バ、バカ! 何を言い出すかと思えば」
「はいストップだお三方。 俺を置いてけぼりにするな」
「んふー♪ やっぱり私がそばにいないと寂しいんだよねー」
「だからくっつくなと」
「こ、こらメルラン! 嫌がってるだろ!」
「や、そういう姉さんも顔を肩に乗っけるなと抱きつくなと」
「やれやれ、危ない姉を持つと大変なんだよねー」
「ちゃっかり前方からハグしてくる奴に言われたくない!」
 練習は毎日こんな感じでろくに進まない。
 でも本番あたりになると不思議とそれぞれがぴったりと嵌る。 不思議だ。
「やれやれ……今日の練習はここまでにするか?」
「「「さんせー!」」」



「でさでさ」
「何だリリカ」
「結局3人の誰とネチョネチョした




       『少女被弾中...』




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ヤンデレなんて知らない。 甘甘アホ姉妹万歳。

>>うpろだ1097

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 「えーと、次は耳掃除の魅力についてなんですが……」
 「んぁあああ!しゅごい……!もっと私の穴ほじくってえええええ」
 「……了解。………」

文さんも苦労するなぁ……




ここは、幻想郷
古き良き時代の墓場である(ちょっとかっこつけたくなった)

この世界に紛れ込んだときは、もうパニクった。
だがそのとき八雲さ……ゆ、紫が助けてくれたわけだ。
今は紫の家に居候している。

 「うーん……ちょっと今日は無理かなぁ……よし、また明日お伺いします」
 「にんっ!しんっ!しらううううううう」

俺は一生懸命文さんに「いつもすみません」的な視線を送る
目が合ったのできっと伝わってるだろう
いや伝わっていてくれ

 「藍!らーん!お客様のお帰りよー!」
 「いえ、お構いなく」
 「あら……でも「一応、勝手に取材してる身分ですので」

水掛け論になりかけたので、藍さんが華麗にフォローを入れた

 「ここは主人の顔を立てると思って送られてもらえないでしょうか」
 「……ですよね。すいませんでした。よろしくお願いします」

うーん大人だ



  妖怪の山 とある家



 「ただいま帰りました」
 「おう、お帰り、文」

俺は●●。里生まれ里育ち普通の人間だが
いつの間にか天狗と同棲し愛を誓い合うという意味不明な人生を送ってきた
いや、意味不明と言っただけで別に嫌なんて一言も言ってないけどね。

 「今日はどうだった?」
 「それがですね……聞いて下さいよ……ぺっちゃらくっちゃら」

黙って(たまに相槌を入れるが)聞いてやることにする
誰だって愚痴を漏らしたい時ぐらいあるだろう。女ならなおさらだ

 「あのスキマはもう本当に……部下の鼻高天狗が………あ、ご飯作っといてくれました?」
 「ああ、当番はきちんとこなさないとな」
 「えっへへ。じゃあ続きはご飯食べながらという事で」
 「了解」

かるーく準備をする俺
ニコニコしながら準備を待つ文
うん。今日もいつも通りだ

 「そういえば耳掻きが売り切れらしいな」
 「そうなんですよ!あのスキマは取材中だってのにぺっちゃらくちゃら」

うーん、いつ言い出そうか……

 「ぺっちゃらくちゃら……ところで、今日何の日か覚えてます?」

よし

 「勿論。付き合って……何年目だ?」
 「うーん。やっぱり覚えていましたか。嬉しいです」
 「あったりまえだろ!はいコレ」
 「おおお、綺麗な首飾りですねえ」
 「あとコレ」
 「え?ちょっとソレは」
 「うーん、やっぱ嫌だった?悪かった」
 「いやそういうわけではなく……」
 「良かった。結構入手に苦労したんだ。使わせてくりゃれ」

俺の手には、超高級耳掻き(河童作成)。
俺の少ない給料三か月分だ(首飾りは材料を自分で集めたので一か月分)

 「どうする?早速今日やる?」
 「……お断りさせてください」
 「え?」
 「おフロ入ってきます、覗かないで下さいね」
 「え?おいちょまっ」

……今のは怒らせるようなことだったろうか?


少年思考中………



いくら考えても乙女の心は分からないので
その内●●は考えるのをやめた



 次の日 マヨヒガ



 「今日こそ取材させていただきます」
 「ふぁああああん!んぁあああん!」

うぅぅ……俺は悪くないぞ。
ただスキマに放り込まれるのと耳掃除をするのとどっちがいい?って聞かれただけで

 「………いい加減にしてください」
 「……?」
 「昨日と違ってちゃんとアポ取ってますよね?」
 「んぁん!」

喘ぎ声で返事をするなよ……

 「神聖な取材を無下に扱うなんて……天狗の私から見ればすこーし苛立っちゃうんですよね」

なんというプロ意識

 「少しばかり痛い目にあいますか?」
 「そんなに耳掃除が嫌いなの?」
 「はぁ?そんな問題じゃないでしょう!」
 「そんなに耳掃除が嫌いなの?」
 「………えぇ。大ッッッッ嫌いですよ!!!」
 「じゃあこうしましょう。
  貴方は今後一切耳掃除をしない。そしてそのことを他言しない。その代わりちゃんと取材を受ける」
 「……なんて身勝手な」
 「それが私、八雲紫。スキマ妖怪と呼ばれているわ」

文さんは一瞬思慮した後、言った

 「分かりました。約束しましょう」

そういった瞬間、紫の顔が歪んだ
笑ってる……ご愁傷様、文さん。

 「約束すると……イイマシタネ?」
 「え?」
 「貴方は………絶対に………耳掃除をしないと………ヤクソクシマシタネ?」

危機を察知したか……文さんの表情が強張る
だがもう遅い。ご冥福をお祈りします

 「どーーーーーーーーーん!!!!」
 「あややややややややや」



  妖怪の山 とある家



 「んっ……ここは………?」
 「おお、起きたか」

良かった。
やっと気がついたようだ

 「私は……?」
 「スキマから落ちてきた」
 「……はぁ」

紫さんとやらはムチャクチャするなぁ……一度会ってみたいぜ

 「そだそだ、昨日、悪かったな。被害にあったばっかだというのに」
 「いや、そんなことないです。今からやって欲しいとくらい思ってますよ。ただ……」

?……どうしたんだろ

 「ただ?」
 「いや、ちょっと、その、耳掃除は苦手でして……」
 「敏感すぎるとか?」
 「いやそういわけでは……あのその」

何かあるのかねぇ?……あまり深入りしないほうがいいか……?

 「分かった。やめとくよ。やりたくなったら言ってくれ」
 「……ありがとう、●●さん」
 「礼を言われるほどのことじゃあない。……メシ、そろそろ出来るぞ」



 夜



ふぅ……後は寝るだけ、かぁ……

 「んぅ……ぅ。●●さん、そろそろ寝ません?」
 「あぁ。お休み」
 「お休みなさい」

可愛い欠伸だぜ全く




あれ?なんか独り言が聞こえるぜ

 「束しなければ良かった……」

ん?寝れないのかな?

 「うぅ、●●さんに耳掃除してあげたいしされてみたいよぅ……」
 「聞こえてるぜ」
 「え!?…………しまった」
 「そういうことなら言ってくれればいいのに」
 「いやそうではなく……いや本気で勘弁して下さ」

ふぅ………今日は嫌なのに幹事長的なノリか……面白い

 「ほれほれ」
 「いや、マジで、無双乱舞しますよ?」
 「無双風神か?」

えい
コショッ



 「はろろ~ん」
 「うわぁっ!!!」
 「ひぃぃ!」

夜の情事を邪魔しやがって……何様だコイツは
八雲 紫とか言ったっけ?
空気の読めない奴だ

 「うぅ、すいません、すいません」

あれ?こんなに怯えた文を見たのは初めてだぞ

 「誓いを破る……そうすると、物凄い強大な魔力になるのよね……
  気丈な天狗を戦慄させるほどに。くすくす」

……誓い?
………あれ?何か俺まずいことしちゃった?

 「あなたも耳掃除のとりこになるがいいわ!どーーーーーーーーん!!!」
 「あやややややややややややややや」

うっ……やべえ
何か……洗脳されてる気がする……

かゆ うま



 「はぁ、はぁ、もっと……もっとぉ……」
 「この穴をほじくられるのがそんなに気持ちいいか?」
 「はいぃぃ……この淫らな鴉天狗に罰を与えて下さい……」
 「コショコショ」
 「んぁああああ!いいのぉおおお!
  もっとぉおお!もっと私の耳を弄ってえええええ!!!」
 「ほいじゃ、ラストスパートだ!!!」
 「ひ、ひぐっ!ひっちゃうううううううううううう」



 「ふぅ……ちょっとした約束すら守れないのね……?
  まぁ、耳掻きの魅力を、正に全力で味わえたようですし
  ハッピーエンドということにしておきますわ」


オーッホッホッホ

ココロのスキマ、お埋めします
 八雲 紫

>>うpろだ1099

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通学途中に交通事故に巻き込まれ、その弾みかしらんが俺は異世界に迷い込んでしまったようだ。
少なくともこの世にあんな三角の布を額に巻いた、まさに幽霊と言わんばかりの白い生命体が翼を持たずに飛んでるはずがない。
趣味でゲームとかやってた俺だが、まさか他に世界が存在するとは思っても見なかった。
まあ、某運命なゲームから平行世界とか異世界とか本当にあるんだなとか思ってしまったが……
そんなわけで見知らぬ世界に迷い込んだ俺なのだが……



○○「し…死ぬ……」

どうやらコッチに飛ばされたことによって事故で怪我はしなかったとか都合よくいかなかったわけで……
現在進行形で血がドクドクと体から流れ出ているわけで……
微妙に心配性な俺はこの血の匂いで猛獣やら化け物やらが誘われてくるのではないかとか考えるわけで……
それ以前に意識を保つこと自体が厳しいわけで……
もう、限界な…わけで……

??「……れ…? …ゃ………!?」
??「…ぁ……ぅ…! ……か…………い…!!」

意識が飛ぶ前に感じたそれは、とてつもなくもっふもふだった………





目の焦点がブレる、前に3日徹夜した時のように感覚が鈍い、動こうとしても体がダルい……
寝起きで頭が働かなかったが、自分がどうなったのか思い出してきた。
体の節々が痛いことから夢ではないようだ、そして死んでもいないらしい
まあ、死んでも痛みは感じるかどうかなんて知らないから生きてると思いたい。
とりあえずは誰かに助けられたらしい、体に包帯が巻かれて布団に寝かされている。

○○「…あぁぁぁ………いってぇ………って、ここどこだ………?」

とりあえず痛みを我慢し、体を起こして周りを見てみる。
ここは今じゃ俺のところじゃ少なくなった和風な部屋のようだ、出入り口もふすまになっている。
部屋の隅のほうには血まみれな俺のリュックがある、どうやら夢オチフラグは潰されたようだ。
そして布団の横にはまさに看病アイテムといわんばかりに水の入った桶とタオル、そしてその横にはウサギが寝ていた。

○○「………何故ゆえにウサギ?」

ペット? 部屋から逃走中? なぜ俺の横で寝てる? かわいいなコラ、触りたい……
いろいろと考えてるうちにウサギが気配を察したのか、起きてしまった。
なにやらこっちを見たと思ったら、器用に前足でふすまを開け、部屋から出て行ってしまった。

○○「器用なヤツめ、テレビに出たら大人気だな………」

そんなどうでもいいことをつぶやいてると足音が聞こえてくる、だれか来たようだ。

??「起きたのね、体は大丈夫かしら?」

スタイルのいい美人さんだった。

○○「とりあえず全身が痛いです、あと助けていただいたようでありがとうございます。」
??「お礼ならあなたを見つけた子にいうのね、今さっきあなたが起きたって知らせてくれたのよ?」

ん? 俺が見たのはあのウサキチだけなのだが、その前にだれかいたのだろうか?

永琳「私は八意永琳、苗字は呼びなれないから永琳でいいわ。 あなたは?」
○○「あ、俺は○○と言います。 ………ん?」

八意永琳? どっかで聞いた名前だ………どこだ……?
………永琳………永琳…………たすけてえーりん?

永琳「なにか気になることでもあったかしら?」
○○「あー…もしかしてここは永遠亭であなたの主は蓬莱山輝夜さんだったりします?」
永琳「そうだけど、それがどうかしたの?」
○○「そんでその輝夜さんはかぐや姫でたまに藤原の妹紅さんと殺しあったりしてます?」
永琳「してるけど、そr「師匠、薬と包帯持って来ましたー」

永琳さんの言葉を遮り、部屋にうさみみなブレザー少女が入ってきた。
どうみても座薬で狂気なうどんさんです、ありがとうございました。

鈴仙「あれ、どうかしたんですか?」
○○「いやいや、なんでもないようどんさん、だがちょーっと話を聞いてもらえるとお兄さんありがたいんだが?」
鈴仙「は、はぁ………(汗」
永琳「というより、どうしてうどんげの名前を知ってるのかしら?」
○○「いやぁ、向こうじゃうどんさんも永琳さんも一部じゃ有名なもので………」


~~青年説明中~~


○○「というわけで、向こうじゃうどんさんイコール座薬という方程式が………」
鈴仙「消してください! そんな方程式なんて抹消してくださいよ!?」
○○「だけど座薬なイメージソングも出来てるわけだしなぁ………」
鈴仙「誰ですか!? そんなものを作ったの!!」
永琳「あら、ちょっと聞いてみたいわねぇ……」
○○「あー、荷物さえ無事なら聞けますよ?」
鈴仙「………すみません、ちょっと席外させて貰います」

そういい、俺のリュックを持ち去ろうとする座薬少女

○○「おーい、人の荷物をどうする気だうさぎさん?」
鈴仙「いえ、ちょっと燃やしてくるだけですからお気になさらずに(はぁと)」
○○「とりあえずそれは犯罪だと教えておこう」
永琳「あらあら、実力行使なんてうどんげも成長したわねぇ………」
○○「成長の方向性は間違ってますけどねぇ………」
鈴仙「ほっといてください!」

とりあえず、永琳さんに俺の荷物は奪還してもらった。
うどんさんよ、悲しいのは分からんけども、泣きそうになるな………

その後、包帯を換えるついでに薬と痛み止めを頂き、少なくとも2~3日は安静にしてれば完治するそうだ。
聞けば内臓の半分がヤバいことになってたらしい、それを数日で完治させれるなんてさすがスーパードクター永琳だ。
ちなみに、余談ではあるが包帯を換えるときに鈴仙(そう呼べと言われた)は赤面していた、初々しいやつだ。
更に余談ではあるが、荷物の中のパソコンやらP○PやらiPodは奇跡的に無事だったため、鈴仙は絶望していた。



うpろだ>>1103

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最終更新:2010年06月05日 11:53