○○ 紅魔館/図書館
村で恐らく俺のような姿になっているであろう父さん、母さん。事件です、俺の上半身と下半身が分裂しそうなんです。
「おーっと!フランドールA選手のキャメル・クラッチだぁー!リトル選手がタッチしようとしていますが○○これを拒むー!」
「ちなみに試合場所は紅魔館図書館、実況、解説はフランドールCとDがお送りいたしまーす!」
しかもタッグマッチなのです。妹様曰く「やっぱりプロレスはタッグマッチが熱いよね!」とのこと。
いきなり4人に分身して、うち二人は選手役、残った二人は実況と解説役。一人でシングルマッチすればいいのにと言おうとしたが、さすがに怖くて言えなかった。
そのおかげでリトルまで無理やりプロレスごっこに参加するハメになった。さすがに俺は死なないからどんな技をキメられても復活できるが、彼女はそうはいかない。
幸いリング(図書館のテーブル)の上にはそれぞれ一人しか参加できないルールだ、理由は四人乗ってプロレスしたら壊れるから。意外ともろいよね、西洋家具。
ともかくタッチしないかぎり交代することはない。今は耐えるしかない!!
「○○さん!私のことはいいから早くタッチを!!」
「だ…だめだぁ…こんなのやられたら死ぬぞぉぉ…俺はもげても元に戻るからリトルはそこで技とか相手の能力の解説しててくれぇぇ…」
「そ、そんな!それじゃ○リーマンみたいで嫌じゃないですか!…も、もとい!○○さんが苦しんでいる姿をただ見ているだけなんてできません!」
「り、リトル…テ…「そーれぃ!!」ぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃ!!」
テ○ーマンは確かに地味だが漢だぞリトル。と言おうとした矢先、妹様の締め付けがパワーアップする。
『こんな小さな子にじゃれあってもらって羨ましいぞこの野郎!!』という諸兄らもいるであろうが、正直お勧めできない。妹様の1000万パワーで惨たらしく死ねるから。
それでも本望だという勇者がいそうで怖いが…ん…手にやわらかい感触?…って!リトル!?いつのまにタッチを…
「ごめんなさい○○さん…こうするしかなかったんです…こうすることでしか○○さんの苦しみを解放できなかったんです…」
「ば、ばかだなぁ…俺はもうこの姿になった時点で苦しみにはなれっこなんだぜ…いまさらこれくらい…」
「それでもっ…それでもぉっ!」
リトル…俺のために泣いてくれているのか…すまない…俺がふがいないばっかりに…
ゆっくりとテーブルに上がってくるリトル、それを確認して俺から離れて場外に転がす妹様。そして仁王立ちになり一言。
「二人とも妙にはずかしいセリフ禁止」
「「す、すいません…」」
レミリア・スカーレット 紅魔館/テラス
「ほぅ…文字通り地獄絵図ね、これじゃ」
「地獄のほうがまだマシに思えるわよ、こんな世界…」
「見てて気分が悪くなってきましたわ…」
これが異界と化した○○の故郷か、パチェの言うとおり地獄のほうがマシだろうね。
絶えず血のように赤い雨が降り注ぎ、村の外は赤い海で囲まれ逃げ場なんてものはない。外を出歩くのはヒトをやめてしまった異形のモノたち。
みんな死体のように肌は青白く、目や口から血を流し、それでも何が面白いのか、何が嬉しいのかみんな気持ち悪い笑顔を浮かべている。
大抵の化け物はヒトの姿を保っているが、中にはさながら蜘蛛や犬のように地面に這いつくばり、奇声をあげながら駆けていくヤツや、
不自然なところから羽根が生えていて、空を飛び回るやつまでいる。極めつけは頭や顔がグチャグチャになっていてわけのわからない雄たけびをあげる化け物だ。
そいつらは一人一人個性があり、顔にびっしりと臓物のようなものがへばりついているやつや、イチゴの種のように顔中がボコボコになっているやつ。
どうやったらただの人間たちをこんなおぞましいバケモノに仕立て上げることができるのだろうか?
見ているだけで気分が悪くなってきたのでテレビの画面に向かって殴りつける。パリンともろい音をたてて、異世界を映し出していた箱がその役割を終えた。
「で、どうかしら?感想は?面白かったかしら?」
「別にバケモノになった人間達に同情するつもりはないが…趣味が悪いよお前」
「あら?せっかくがんばって撮影してきたのに。あの地域は現世との境目がグチャグチャだからスキマを使っても入りにくかったのに」
「ああ、そうかいそうかい。おかげで一生赤い飲み物や魚介類が食べられそうにもないよ。」
「血液が飲めない吸血鬼は不便そうですわね…」
いや、あくまでも半分冗談で言ったのよ咲夜。さすがに血は飲めるわよ。
ただ、魚介類はまぁ…うん、しばらくは食べられないとおもう。
「それよりもあのバケモノたちがあなたが言う『屍人』なの?」
「紫色の大図書館さんはアレを見てもあまり堪えていないなんて、本当に勉強熱心ね」
淡々とさっきのバケモノ『屍人』について説明するスキマ。
無駄に長くて面倒くさかったので、パチェがどういうバケモノなのか三行でまとめてくれた。
1 屍人は赤い水(これの正体はさらに上位のバケモノの血液らしい)を取り込んでしまった人間のなれのはて
2 生前の記憶・行動を覚えている者もいるが基本的に理性というものは存在しない。←ポイント
3 人型じゃないやつや魚介類頭のヤツは、特定の条件を満たすことによって進化した屍人らしい
「…というわけよ」
「パーフェクトよ、パチェ。このスキマより短くてわかりやすい説明だったわ」
「感謝の極み」
「ともかく、屍人の危険性がわかってもらえたと思うわ。だから、彼を元の世界に返すかもしくは処…」
「だけどおかしいわね。うちの○○は確かに屍人だけどなぜか理性があるわ」
「…え?」
ははっ!最高だ!こいつのこんな顔が見れるなんてね!まるで新年とともに新品のドロワーズを穿いたときのようにスカッとした気分よ!
咲夜!今夜は宴よ!スキマ赤っ恥パーティーよ!最高だわ!
「そんなはずないわ、屍人になった時点でもう人間としての理性は…」
「パチェ、今○○はなにをしているの?」
「リトルといっしょに本の片付けしているわ」
「ほ、本の片付け? 屍人にやらせてるのよね?」
「そうさ、お前が言う理性のない屍人がやってるのさ!証拠?今からパチェの盗撮水晶玉で見せてあげるわ!」
「盗撮言わないでよ、あくまでも監視用よサボっていないかどうか」
「楽しみですわね、今日はなにをしでかしていることやら」
本当に楽しみだ、さぁ、パチェ早く水晶玉に今の状況を映し出しなさい!さぁ!早く!ハリー!ハリーハリーハリーハリーハリー!!
お楽しみはこれからよ!赤っ恥をかくのはこれからよ!ハリー!ハリー!!
「…本の山が映ってるわ」
「「「はい?」」」
水晶玉を覗き込んでみる、たしかに本の山しか映っていない。○○の姿はおろか、司書の小悪魔すら映っていない。
「…もしかして生き埋めにでもなったのかしら?」
○○ 紅魔館/図書館
「○○~!リトル~!大丈夫~!?」
どこからか妹様の声が聞こえる…あれ?なんか体が重いぞ…しかも身動きできない…でもなんか抱きついてるような…うおっ!?なんか二つのやわらかいものが胸に当たってるぞ!
なんだなんだ?!なにを抱いているんだ俺は!?それにしてもいい匂いだ…このまま抱きしめていたらよく眠れそう…って!?
「あ、き、気がつかれましたか、ま、○○さん!」
ななななななんで至近距離にリトルがいるの?しかも顔が近い!近いよ!!しかもなんで俺たち抱き合ってるの!?そしてリトルの表情が妙に色っぽいよ!
リトルの吐息が俺の顔にかかってるよ!ま、まさか二つのやわらかいものの正体は…あ、いかん、興奮して血涙出てきた。とりあえずそのへんの本でぬぐう…本?
よくみたら俺たち周りには大量の本が覆いかぶさっていた。なにこれ?土砂崩れならぬ図書くずれ?
…なぜこんなラブコメでしか見たことのない状態に?いや、ちょっと待て。だんだん思い出してきたぞ…
数分前
たしかリトルが妹様にパロ・スペシャルを決めていたときだったっけ…いま思えばリトルは戦争男がお気に入りなのだろうか?
でもいいよね、戦争男。スクリュードライバーない方が強いって設定なくなってたけど。
「リトル!油断するな!そのまま締め上げるんだ!!」
「はい!!妹様!お覚悟を!!」
「いたたたたたたたたた!!?ぬ、抜けられない!逃げられない!?く、くやしいっスペカもないリトルにこんなこと…!いたたたた!!」
スペカがなんちゃらってところで、リトルの表情がまるで氷の精神を得たかのように冷たい表情になったのはきっと気のせいだろう。
って!ついに妹様がひざをついた!!これで勝てる!これで第一回図書館タッグマッチ大会は俺達の勝利… タッグマッチ!?
「気づいたようね!これはあくまでも…っタッグマッチなのよ!!」
「あうっ!?」
「リトル!!!」
「ぜー… ぜー…そ、そういうこと…」
場外にいた妹様Bがリトルにタックルをしかけ、その衝撃でリトルは場外へとはじき飛ばされた。
おい、これはまずいんじゃないか?リトルは本棚へと向かって飛んでいき、全身をたたきつけてしまった。
だけどおかしい、はじき飛ばされてもリトルは飛べるんだ。本棚にぶつからずに体勢立て直すことが可能なはず…飛ぼうともしないということは…
「やばい!リトルのやつ気絶してる!!」
「「「「えっ!?」」」」
驚きのあまりハモってしまう妹様×4、そんな妹様には目もくれず、俺は今まさに地面に向かって急降下しようとしているリトルに向かって走り出す!
疲れを知らないバケモノの体で本当によかった、全速力で走っても疲れない!間に合え!間に合え!ここからリトルとの距離はけっこう遠いが…そんなの関係ない!
リトルに大怪我なんてさせるか!とってもかわいくて、献身的で、優しくて…こんな俺を…誰が見てもバケモノな俺に…人間として接してくれた彼女を!
「リトルをつぶれたトマトにしちまったら!!漢じゃねえんだよ!!!」
走った勢いでジャンプして、ぐったりとしたリトルをギリギリのところで抱きとめ、勢いを殺せなかったため俺自身も本棚に猛烈にぶつかってしまった。
ちょっと肩がいかれたかもしれんがリトルを助けることができたんだ、これくらいどうってことない! …痛いけどね。
それよりもリトルだ。大丈夫だろうか?ちょっとだけリトルの頬をぺちぺちする。うん、やわらかい。…そうじゃないそうじゃない…まじめにやれ、俺。
「リトル~!しっかりしろ~!」
「…ぅう…○○さ…んっ!?な、なんで○○さんが私を抱きしめて!?」
「いや、それには深い事情が…いてっ!なんか頭にあたった!?…本?」
上を見上げるとぽろぽろと本が落ちてきている。二度のショックのせいで本が落ちてきたんだろう。
あれ?でもこの本棚けっこうなでかさだよね?ということは…
どさっ
どさどさっ
どさどさどさっ
どさどさどさどさどさどさっどさどさどさっ
「本のシャワーだぁぁぁぁ!?」
「ま、○○さん!う、上!!まずいですよ!?」
「あ、ああ本がおちてき… 超スピードで広辞苑ランクの本が落ちてきたー!!?」
ごんっ×2
で、現在
「ちょうどよく広辞苑ランクが二人のあたまに落ちてきて、気絶している間にこうなったわけだ」
「ど、どうしましょう…身動きできませんし…それに…」
うん、この状況はやばい。いまの俺たちはねっころがって抱き合っているかたちになる。
しかもリトルの顔がかなり近い。マジでキスする五秒前とはこんな近さ… き、キス…
ちょっとだけリトルの唇に視線を落とす。リトルの唇はとても柔らかそうで、舐めたら甘い味がしそうなかわいいピンク色なわけで、い、いかん平常心平常心…
「○○さん…」
「いやっ、そっそのっ、やましいことなんて考えてないよ!?」
「本当に…?」
「ほ、ほんとうさ!あはっあはははっ!!」
し、しかしこんな状況が長く続いたらおかしなことをしてしまいそうだ。い、いや!やらないよ!?
この異常な状態でヘンなことやったら確実に嫌われちゃうよ!ヘンなことってなにかって?そこまでよ!
「…○○さん?」
「な、なに?」
「私は小悪魔ですよね」
「う、うん」
「小悪魔と聞いて何をイメージしますか?」
「う~ん…悪戯っ子?」
「そう、ですか…」
あれ?なにこの雰囲気?なんで息が荒いのリトル?
酸素が薄いから?
「じゃあ、その、い、悪戯しますね」
「えっ… むぐっ!?」
リトルの唇がそっと近づいてきたと思ったら、俺の唇をついばむようにくっつけてきた。しかしそれだけじゃ終わらず、こんどは舌を使って俺の口の中をはいずりまわってきた。
「ちゅっ…んっ…ちゅく…ふぁ…ん…」
「んぐっ…っ…ぅ…」
だんだん舌の動きが激しくなってくる、それにあわせるかのように俺の心臓はバクバクいいはじめる。
それでもおかまいなしにリトルは俺の口の中を荒らしまわる。頭がぼーっとしてくる…でも心臓は激しく動いてる。
やがてゆっくりとリトルは俺から顔を離し、一言。
「私…あなたのことが好きです…」
ツヅク
おまけ
○○「そういえば俺の世界には『ムベンベ☆コーラ』って有名な飲み物があるんですよ」
咲夜「む、ムベンベ!?」
○○「さ、咲夜さん!?なんで鼻血だすの!?」
レミリア「ムベンベってあのバケモノのムベンベ?」
○○「そうですよ?」
レミリア「有名ってことはカリスマがあるってことよね」
○○「え、ええ父さんが子供のころからあったっていうし…それなりに人気があったんでしょうね」
翌日
○○「これは…いったい…」
レミリア「ぎゃおー!た~べちゃ~うぞ~! うーん…もう少し迫力をつけるべきかしら…」
そこにはムベンベごっこ(練習)をしているお嬢様の姿が!
咲夜「あぁ…お嬢様…(うっとり)」
○○「お、おら見てはいけないものを見てしまっただ」
──────
○○ 紅魔館/図書館
今…なんと言った?
なんだか…好き…だとかなんとかそういう単語が混じってたようなきがするZE?
「り、リトル。俺は耳が遠くなったみたいだ。今…なんて言った?」
「えっと…あの…もう一度言いますけど…あなたのことが好きです…」
か細い声でそう言うと、リトルは顔をさらに真っ赤にして恥ずかしそうに俺から顔を逸らした。
不可抗力で抱きしめているリトルの体を通して、彼女の心臓の鼓動が伝わってくる。今にも爆発してしまうんじゃないかってくらいドキドキしているのがよくわかる。
だけど俺はそんなことを気にしている場合ではなかった。なんでかって?…ファーストキス+告白という連続コンボを喰らったんだぞ!?しかもこんな俺にはもったいないような娘にだ!!
お、落ち着け俺。うろたえるな!うろたえない!健康優良羽生蛇男児はうろたえない!ここは冷静にリトルを問いただすしかないッ!
「コホン…リトル?」
「はい…?なんですか○○さん…?」
「(上目遣いッ!?)そそそそそそその、さっさっきぶつかったときにですね、頭を強く打ってしまったんじゃないかね?」
父さん。女の子の上目遣いって本当に強いね。しかも赤面上目遣い。俺は健全(ry)だけどこれにはさすがに冷静になれないよ!!
「ど、どういうことですか?」
「だ、だって。お、おかしいだろ」
「…おかしい?」
「そう、そうだよおかしいよ」
あぁ、絶対におかしい。たしかに俺の心は人間のまんま。前リトルのおかげでそれはわかってる。
みんなが喜ぶおいしい料理(とくに羽生蛇蕎麦)の作り方とか、かわいい彼女がほしいなとか考えているような至って普通の男だ。
でもそれ以外は、美鈴さんやパチュリー様のように、一見人間と見分けがつかないような人たちと違って気持ち悪い化け物だ。
顔は死体のように真っ青、気を抜くと穴という穴からとめどなく血が出てくる。ましてやどんな切り刻まれても、つぶされても、元に戻る。
ははっ、自分で自分が最高に気持ち悪い化け物だって再確認しちまったよ…。
そんな俺がリトルのような子にはバチあたりとしか思えない。
「そんな、そんな俺に君は好きだと言ったんだ。…キスもしたんだぞ?」
「はい、わかっています…」
「そんな俺のどこがいいんだ?…同情の…つもりか?」
そう言うとさっきまで伏目がちだったリトルがこちらを睨みつける。その綺麗な金色の両目に涙を蓄えながら。
「同情なわけないじゃないですか!!」
「同情としか思えないんだよ!ありえねえよ!誰がこんな化け物普通に好きになるんだよ!!」
自分でもバカなことを言っているのはわかっていた。リトルはそんな生半可な同情とかするような子じゃないことくらいわかってる。
…わかってるからどうしても疑ってしまう。本当にバカだ、俺…
「じゃ、じゃあ聞くけどさぁ うっく…リトルは俺のどこに…どこに惚れたんだよっ」
嗚咽交じりに言葉を紡ぐ。だけど本来出てくるはずの涙は出ない。出てくるのは真っ赤な血だけ。
目の前にいるリトルは悪魔なのにとても…とても綺麗な涙を流しているのに。
「私は…初めにあなたの綺麗な『目』に惹かれました…」
「目…?」
ふとリトルの顔を見ると微笑みつつも目からは涙を流していた。
そして俺の体を優しく抱きしめ、俺の胸にその顔をうずめた。
「覚えていますか?あの紅い満月の下。湖で私たちが出会ったこと」
「覚え…てる…」
そう、初めて彼女と会ったのはあの目が痛くなりそうなくらい真っ赤な満月の下だ。
化け物になって呆けていた俺が、幻想郷で初めて見た住人。それがリトルだった。
「そして、あなたの目は他のアンデッドと違ってとても綺麗で、まっすぐな目をしていたんです」
「……」
顔をあげ、俺の頬に手を添えるリトル。その手は小さかったけど…あったかくて、やわらかかった。
「そして、私は倒れたあなたを紅魔館で介抱しました」
「ああ…」
「誤解とはいえ、あなたは見ず知らずの私を庇おうとしてくれました」
「咲夜さんが来たときだよな」
「そうです」
頬をつたっていた俺の血を、その手でやさしく拭うリトル。
「あなたはとても優しくて、面白くて…ちょっとエッチな人だということが一緒に働いていてわかってきました」
「なんか余計なのが…」
「そして、とても繊細な心を持っていることも」
「……」
俺は自然とリトルを抱き寄せようとしていた。リトルは俺に身を預け、ゆっくりと、深く抱きついてくる。
「お買い物に行ったときに買ってくれたクマのぬいぐるみ。大切にベットのお供として使わせてもらっていますよ?」
「リトル…」
「そして、さっきあなたは自分の身を省みず私を助けてくれました。」
「リトル…っ…うっ…くぅっ…」
なんだよ、リトル。するとなにか…?
「以上です。と、いってもまだまだ語ろうと思えば語れるんですけどね?私があなたを好きになった原因」
「うっ…くっ…ぐ… ず、ずいぶんと、わっ、わかりやすい理由じゃないかよ…」
あぁ、すっごくわかりやすい理由だ。子供でもわかるよこんなの…
つまり、つまりこういうことだろ?
「要するに、要するにぃ… 『俺の全てが好きだ』 ってことだろぉ…?」
リトルはゆっくりと俺の顔に自分の顔を近づけ、悪魔なのに、まるで慈愛に満ちた天使の様な笑顔で答えた。
「はい… 私は… 私は○○さんの全てが、全てが好きです、大好きですっ!」
どちらが先に動いたかはわからない。いつのまにかキスをしていたんだ。
とても甘くて、優しくて、あったかいキス。互いに相手を求め、慰めるようなキス。
「んっ…ちゅ…っ…ふぁっ…」
「はぁ…んっ…ぅ…」
リトルが苦しそうな顔をしたので唇を離そうとしたが、リトルの両手が俺の後頭部を押さえつけ、阻止される。
そのかわり、リトルの舌が俺の口内に入り込み、俺の舌に絡み合ってきた。もうそうなると俺も抑えがきかない。
進入してきた舌を逆に迎撃するかのように責め立てる。
「んちゅっ…ちゅぐっ…ちゅ…んっ…○○…さぁ…ん…」
「はぁっ…はぁっ…んっ…リトっ…ル…」
そして俺は名残惜しみつつもリトルから顔を離す。二人の舌先に銀色の細いアーチが表れては消えた。
「はぁっ…はぁっ…リトル…」
「○○さん…」
「本当にいいんだな?俺が君の恋人になっても」
「えぇ… 私の悪魔としての長い生涯で、あなた以外の伴侶は必要ないです」
「まいったなぁ、俺はどうやら魂と引き換えに彼女を手に入れてしまうみたいだ」
「よかったですね?○○さんの魂は永久そうですし。タダ同然ですよ?」
「まったくだ!はっはっはっ!!」
リトル 紅魔館/図書館
互いの思いをぶつけ合った私たちは無邪気に笑い合いました。
○○さんにはやっぱり笑顔が似合います。その笑顔を絶やしたくない、絶やさせたくない。
たとえどんなことがあろうとも、この人といっしょに歩んで生きたい…
あれ?何か忘れていたよう…なっ!?
「ま、○○さん!よく思ったら私たち生き埋めだったんですよ!?」
「え… アッー!! そうだった!!なーんか狭いなと思ったら!!」
「……ーぃ」
あたりをキョロキョロしつつてごろな本を掴んでは投げ、掴んでは投げをする○○さん。
それでも本は片付く気配はありませんでした。
「ん?なんだこれ…手帳? (ペラ…) !!! 見、見なかったことにしよう」
「(な、なにを見つけたんですか○○さん!?しかもポケットにしまっちゃった!)」
でもいまは手帳どころじゃありません!なんとかして脱出しなきゃ…
「で、でも…ど、どうしましょう…」
「こ、こまったぞ、このままじゃここで永遠に封印されてる状態になってしまう」
「なんかオーバーになってません!?」
「…もぉしもぉーし…?」
「リトル、いざというときは俺を食え」
「さらにオーバーに!?それに○○さんを食べたら変な化学変化起こりそうですよ!?」
「ですよねー」
○○さん、そう言いつつ自分の指をちぎろうとしていたということはいざというとき本気で食べさせる気だったんですね?
あぁ、どうしましょう。高く積みあがったこの本。私たち遭難中~本の雪崩に遭難中~♪
も~う~は~やくき… い、いけないパニックになって永遠亭のお医者さんを呼ぶところでした。
ん?助け…そうだ、助けを呼ばないと!
「○○さん!大きな声で助けを呼びましょう!」
「う、うん、それしかないな」
「おーい」
「だれかー!助けてくださーい!!」
「だれかー!!!リトルが産気づいたんですー!!」
「なにを言ってるんですかあなたは!? わ、わたしはままままままだ、そのっえっと、」
と、その時…
「おーい!!」
「「うわっ!?頭上から声が!?」」
「今まで呼んでたのに~!反応くらいしてよー!!」
こ、この声は妹様。そ、そうでしたそういえばこの図書館には妹様もいたんでした。
…もしかして今までの会話妹様にまるぎこ…
「きゃああああああ!?」
「ま、○○さん!?どうしたんですか!?」
急に裏声で叫びだす○○さん。その両目は硬く閉じられていました…
たしかこれはま、○○さんの能力が発動中のサインだったはず、ということは…
「リトル~!?顔真っ赤にしたメイドさんたちが本を一生懸命片付けてるよ~!?」
「ひぃぃぃぃぃ!?」
「私が呼んだのよ!適当にひとっとびしてかっさらってきたの!10人ほどを2分で」
「「なんて迅速な対応!?」」
ということはすべて聞かれてしまったんでしょうか?最初から最後まで…
「だいじょーぶ!『「(上目遣いッ!?)そそそそそそその、さっさ(ry』って○○が言い始めたころからだし」
「「ほぼ全部だー!?」」
レミリア・スカーレット 紅魔館/テラス
「はっはっはっはっ!!咲夜ぁ!!!実に!!実に愉快だわ!!」
「お、お嬢様 そしてパチュリー様、目が怖いです」
「ふっ、ふふふふふふっ明日からまた面白くなりそうだわ」
あの小悪魔もなかなかやるもんだ。人は中身で選べとはよく言うがあそこまでできるもんじゃない。
普通の女だったらあの見た目で拒絶するだろうに。それがなんだ?全てが好きだと?たいした肝っ玉だわ!
気に入った!私の直筆のサインをくれてやってもいいわ!!
「あらあらうふふ、すごい告白劇でしたわね では私はこれで」
「あっ 逃げましたわ」
「そりゃぁねぇ~ 危険危険と言ってたのが無害だものね~赤っ恥~ハーッハッハッハッ!!」
最高に気分がいい。いいだろう、見届けてやろうじゃないか。この紅い悪魔が、レミリア・スカーレットが!
お前たち二人の運命を!そこまでやったのだからこの私の前でバッドエンドなんて作り出さないようにしてやるわ!
「レミィが萌え…燃えてるわ」
「そ、そうですわね」
「さて、私も図書館に戻らないと ニヤニヤ」
「(あぁ、あの目はきっと嫌がらせをする目だわ…っ)」
○○ 紅魔館/自室
こうして、俺こと○○は数時間後にリトルと共に救出され、それと同時にメイドさんたちから賛辞の弾幕。
妹様とパチュリー様から冷やかし弾幕。どれもルナティックだったので被弾余裕でした。
それからほこりまみれだったので風呂に入ってからやっと自室に戻ってこれた。
それにしても今日は俺にとって特別な日になった。リトルとお互いに通じ合った記念すべき日だ。
ふと窓の外を見ると満月だった。紅くなかったのが残念だったがまぁいっか。
明日に備えて寝よう。
「お休み…リトル」
リトル 紅魔館/自室
お風呂からあがってやっと自分の部屋に戻って来れました…本の海から救出された瞬間メイドさんたちから(ry
その後パチュリー様からあの八雲紫が紅魔館に来たこと、○○さんの種族について説明して恥をかいて去っていったことを教えてもらいました。
これで○○さんが強制送還もしくは処分されるようなことはまずないでしょう。ほっと一安心してベットにもぐりこみ、枕元にある『目に包帯』を巻いたクマのぬいぐるみの口に軽くキスをして…
「お休みなさい…○○さん…」
明日から始まるちょっと新しい生活に備えて寝ることにしました…
ツヅク
おまけ1
射命丸 文 妖怪の山/上空
今日はいつもと違って椛の千里眼を使ってネタを集めます!
自分の翼で調べるのも大事ですが、よく思ったら千里眼をうまく活用すればいいんじゃないかと思いましてハイ。
「文さま~… これといって面白そうなネタが見つからないんですが~…」
「ええい!根性入れなさいよ!さっき見つけたのも、前の新聞のネタに使った『主人による動物虐待』だし!根性が足りないのよ!」
「それにしても今度はどんなヘマしたんでしょうね~…あの妖狐」
「さあ?おおかた主人に恥でもかかせたんじゃない?」
「はぁ…さいですか… んっ!?吸血鬼の館の外に変なのが…」
と、そのとき。椛の顔がみるみると青ざめていきました
「ど、どうしたの、顔色がわる」
「わ、笑ってる…笑ってこっちに手を振ってる!!すごいにこやかにすごいにこやかに!!」
「も、椛!?」
「むむむむむりです、これいじょうみたらくるってしまいいそうです!わ、わたしはこれで!!」
びゅんっ
「椛ーっ!? い、いったい何を見たの… これは興味深いわ…」
同時刻
○○ 紅魔館/門前
「あれ?どっか行っちゃった」
「どうしたんですか○○さん?」
「いやね、なんとなく能力使ったらこっちをみている人がいたんでフレンドリーに手を振ってたんですよ 風呂入りながら」
「へ~… それにしても○○さん、みんなに気を使ってドラム缶風呂にはいってるんですね」
「だってみんなに変な気を持たせたら悪いし…アンデット出汁が出てるとか」
「変なところで常識人ですね…」
「しゃらっぷ」
────────
○○ 紅魔館/図書館
「リトル~ こっちは片付いたぜ~」
「あ、お疲れ様です○○さん」
今日も"恋人"のリトルと二人で図書館の本の片付け… 言っちゃった恋人って言っちゃった!
なったばっかりなのに俺ってばおませさん!
そう、この間の図書館で遭難事件(仮)のおかげで晴れて俺たちは恋人同士になったわけだ。
あぁ、思い出すだけでも恥ずかしいぜ!顔から火が出そうだ!
「○○さん、出てますよ 目血」
「あ、火じゃなくて血が出てた」
「じっとしててください、今拭いてあげますね…」
「お、おう…」
懐からハンカチを取り出し、俺の頬を丁寧に拭いていくリトル。
あぁ、もうなんか幸せです。ハイ。こんなかわいい子が俺の顔を拭いてるんだぜ?
「ま、○○さん!?血の量が増えてますよ!?」
「え?ご、ごめんちょっとこうふ… いや、なんでもない」
「?」
とりあえず仕事も一通り終わったので休憩タイムに突入… あ、珍しいお嬢様とパチュリー様が雑談してる。
なぜか俺たち二人をみながらニヤニヤしてる。まるでひやかしのネタが来たぞと言わんばかりのニヤニヤ…
パチュリー様、それニヤニヤ通り越して顔芸です。夢に出てきそうです、こっちみんな!
「あらご苦労様、リトル、○○」
「ちょっとパチェ、二人が来ただけで紅茶がものすごく甘くなったわよ。なぜかしらねぇ」
「お嬢様、今ここで俺がリトルとイチャイチャしまくって糖尿病にしてやりましょうか?」
「あの、○○さん、そう言いつつその…私の腰に手を…ってまた目から血が出てますよ!」
いかん、慣れないことはするもんじゃないぜ。ドキドキしてくる。
あ、パチュリー様あきれてる。よかった。いつまでもあの顔芸でいられたらトラウマになるところだったからな。
「おい、私の分の紅茶も淹れてくれ。砂糖はなしでな」
ニヤニヤする黒白参上。いつのまに来たんだ。
射命丸 文 紅魔館/館内
紅魔館に突如現れた異形の存在の正体を確かめるべく、私こと清く正しい射命丸は、
目撃者の椛を(強制的に)同行させ、立ちはだかる門番をかぜおこし(笑)で吹き飛ばし、
現在に至るわけです。ここまで順調に行けたのが逆に怪しいかもしれないけど…
しかし我々は退きません。もしかしたらあの吸血鬼が幻想郷に新たな異変を起こそうと作り出した化け物かもしれません。
つまり異変を未然に防ぐためにか弱い私たちは頑張るのです。 え?か弱くない?
ちょっと飛んでみません?有頂天まで。
「さて、我々特派員は正門にいた門番を見事突破し、この紅魔館に無事潜入することができました!しかし油断せずに…」
「文様…もう帰りましょうよ…私アレをもう一回見たら多分発狂しますよ…」
「だらしないわね椛。そんなことじゃ白狼天狗の面子がたたないわよ」
「だってあんなのがとてもいい顔で手を振って不気味な笑顔で… うっぷ…」
「しっかりしなさい。とりあえず比較的話がわかる魔女に会いに行きましょう ここの厄介な従者に見つかる前に…」
と、そのとき特派員が見たものは!!
すげぇいい笑顔で銀のナイフをちらつかせている噂の瀟洒な従者ではないか!
どうでもいいですけど瀟洒な従者って10回言って噛まない自信あります?私は言えますが。
「ざんねん あなたたちのちょうさは ここでおわってしまった! ってところね」
「これはこれは十六夜咲夜さん。ちょうどあなたにお聞きしたいことが…」
「さっき『厄介な』従者って言わなかった?」
チッ、さすが悪魔の犬。地獄耳ですか?タチわるいですねぇ。
さて、どうしましょう?突破しましょうか?答えはNO。いくら私が早くても時を止められたらお終いです。
ここは悔しいですが誠心誠意を込めて説得すればきっとわかってくれるはずです。
悔しいですが。
「いやこちらの話を聞いてくださいよ、うちの椛が私に黙ってそちらの館に対して盗撮行為をしていたときにバチがあたったのか
なんだか『ものすごいもの』をここの正門で見たと言ったんですよ。私は来たくなかったんですが椛がどうしても、どうしてもと。
その『ものすごいもの』の正体を知りたいとぬかしやがったので後輩思いな私は門番をかぜおこし(笑)でふきとばしてですね、
この館に侵入して調査をですね。あ、重ねて言いますが椛がどうしてもと…」
「文さまぁぁぁ!!?なに責任転嫁してるんですか!?そして私の後ろになぜ隠れるぅぅぅ!?」
「へぇ…ものすごいもの… あぁ、なるほど」
うわっこええっ!ニタァって笑った!夢に出そう!
あ、椛がガタガタいってる。そりゃそうですよね。こんな顔されたら誰でもヒきますよ。
「気が変わったわ。あなたたち。その『ものすごいもの』が見たいんでしょ?」
「ええ、ぜひとも!…と椛が」
「違いますって!」
「まぁ、どっちでもいいけど…その『ものすごいもの』だったら普段は図書館にいるわ」
「ほぅほぅ図書館に…ということは図書館の魔女が作り出した化け物という線も…」
「ちなみにその『ものすごいもの』のつくる料理はなかなかおいしいのよ?特に『彼の故郷の料理は』」
なんと、椛曰くどう見ても死体なのに料理を作る程度の理性と賢さを持っていると。
しかも得意料理が故郷の料理…これはその見た目にもよりますがネタにできますねぇ
それにしてもなぜ料理の部分でまたニタァと…
「かれにあったらごちそうしてもらいなさい。きっとかれよろこんでつくってくれるわ ではわたしはこれで」
「あ、はい。ありがとうございましたー」
「(なぜ棒読みなんだろう…?)」
「さぁ、行くわよ椛!その素敵で知的な死体さんとやらを取材に!あ、これ記事のタイトルに使える」
「わかりましたぁ…」
さぁ、いざ行かん図書館へ。これは大スクープですよ~!
十六夜 咲夜 紅魔館/館内
何も知らずにブン屋とその部下が図書館に向かう。
さて、後で私も図書館に行かないと。もちろん、『料理の材料を持って』
あのブン屋にお灸を据えないと駄目だと思っていた矢先にこうなるんだもの。
愉快だわ、ええとても愉快だわ。
「犠牲者2名ご案内~… あっはっはっは!」
続く
おまけ
紅 美鈴 有頂天/天子の部屋
天子「ねぇ、衣玖。これはなんてコメントすればいいのかしら?」
衣玖「そうですね…まさか私と二人さびしく神経衰弱をしていたら、突然畳の下から妖怪さんが飛び出してくるなんて…」
天子「さびしくって言わないでよ!私が友達いないみたいじゃない!」
衣玖「いらっしゃるんですか?」
天子「えっと… と、ともかく何者よあんた!どこから来たのよ!?」
美鈴「そ、それは私が聞きたいですよ!ここどこなんですか!?」
天子「質問を質問で返すなぁーッ!」
衣玖「(きっと一度言ってみたかったんですね そのセリフ)」
──────────────────────
射命丸 文 紅魔館/図書館
みなさんこんにちは!清く正しい射命丸です!
今私は紅魔館に来ています!謎の化け物に関して調査に来た我々調査隊に突然のアクシデントが襲いました!
なんと椛を置いてき… もといはぐれてしまいました。迂闊でした…しかも椛は紅魔館に来るのは初めてなので道に迷うこと100%です…
ともかく椛の犠牲のおかげで私はこの図書館の主。パチュリー・ノーレッジ氏、そしてこの館の主であるレミリア・スカーレット氏に遭遇できました。
さて、あの謎の化け物は一体何者なのか!?今世紀最大のスクープインタビューの始まりです!
「というわけで謎の化け物に関して教えてください!まずはパチュリーさんから!」
「どういうわけよ…そしてなぜ私からなのよ…そしていつの間に○○を見つけてるのよ…」
「パチェ、天狗には千里眼という盗撮能力を持った天狗がいるらしいわ。多分そいつのせいよ」
「おいブン屋。上の口上からすると私がスルーされてるんだが。私になにかインタビューはないのか?」
質問に質問で返され、さらに野次まで飛ばされてしまいました…普通ならここは人として怒っていいところですよね?
私は天狗?細かいことは気にしないでください。あ、小悪魔さん。紅茶はストレートでお願いします。
あれ?なんでティーカップにごはんを入れて渡すんですか?それじゃお茶漬けじゃないですか。
「とりあえず一言。○○はいま席をはずしているわ。自ら進んで侵入者を捕まえに行ったから」
「あやや~その侵入者って多分椛ですね…ニアミスしてしまいましたか…」
不覚でした。あのまま椛とのんびりゆっくり行動していたら遭遇できていたわけですよ。
勿体無い…。あ、小悪魔さん。なぜ私を見ながらドアの近くに箒をたてかけるんです?しかも逆さまに。
「それにしても仕事熱心な化け物さんですね」
「ええ、侵入者を捕まえると彼とリトルに休暇を1日与えるようにしているのよ」
「?なぜ小悪魔さんまで?」
「察しなさい天狗(ニヤニヤ)」
「そうだぜ天狗(ニヤニヤ)」
幼い紅い月と黒白ネズミがニヤニヤして小悪魔さんの方を指差している。
あ、小悪魔さん取り乱してる。ほぅ…なるほど…。
「お、お嬢様!ま、魔理沙さん!ノーコメントで!ノーコメントでお願いします!」
「興味深いですね~…先にどうやって二人が恋に落ちたか聞きましょうかね~」
「うぅぅ~…」
トレイで顔を半分隠しうつむく小悪魔さん。あぁ、こういうのが好きなんでしょうね男の人って。
と、次の瞬間!
数分前
犬走 椛 紅魔館/図書館
「ハァ…道に迷った…」
文様に無理やり連れられ、紅魔館に最近出没する謎の化け物の調査に来た私は、
「先に行ってますよ~!」と薄情な文様に置いてけぼりにされ、この図書館の中迷いこんでいるわけで…。
文様、イジメですか?私この図書館に来たの初めてですよ。飛んで移動しろって?
この図書館の広さと本棚の高さじゃ飛んでも意味ないじゃないですか…それになんだか結界張られてそうだし。黒白対策に。
「とりあえず人の声がする方向に歩いていけば大丈夫だよね…」
そう思った矢先、向こうから誰かが走ってきた。図書館の中は薄暗いせいで誰だか判別できないので一応戦闘態勢をとっておく。
神様、お願いです。走ってくる何かが千里眼で見た化け物じゃありませんように…。
近づいてくる。近づいてくる。段々顔が見えてきた…蒼白な顔、双方の眼から流れ出る真紅の血、どうみてもあの化け物。
しかもなんか叫んできた。 …ちくしょう…
「うるぉぉぉぉぉ!!!!侵入者発見!確保ぉぉぉぉ!!うがああああぁぁ!!!」
「うわあああぁぁぁぁぁ!!神様のバカヤロオオオオオオッ!!!」
射命丸 文 紅魔館/図書館
「うわあああぁぁぁぁぁ!!神様のバカヤロオオオオオオッ!!!」
「うわっ抵抗してきたってぎゃああああっ!?い、痛いいた…ぶべぇっ!」
「ああああああああぁぁ!あの世に戻れええええぇえぇ!!」
「ちょっやめっおちつk…うわっ盾つおい… ぐふっ…!」
やたらハイな椛の叫び声と知らない男の人の声が!!
って最後ぐふって言いましたよ、いまどきいるんですねそう言う人。
「た、大変です!○○さんが!!」
「仕方ないわね…現場に向かうわよリトル」
「はいっ!!」
「私はここで優雅なティータイムを満喫し続けるぜ。死体回収は私の管轄外だからな」
血相を変え、慌てて黒いゴミ袋となぜか縫合セットを持つ小悪魔さんと対照的に落ち着いているパチュリーさん。
やれやれといった表情で私が来てから4杯目の紅茶を飲み干そうとしている白黒。
そしてこんなときでもカリスマを保とうとしているのか、余裕の笑みで紅茶を飲もうとしているレミリアさん。
すいません、それあなたのカップじゃなくて私のお茶漬けです。あ、お米でむせてる。
「すいませーん、同行してもよろしいですよね?多分うちの椛もすさまじいことになってるんで」
「別にいいけど…まさか死体を撮影するなんて悪趣味なことしないわよね?それともカラスは雑食だから…」
「食べませんって!」
○○ 紅魔館/図書館
とまあいろいろあって今俺は今リトルに切断されている箇所を縫合されているわけで。
ホントは縫合とかしなくても自然と回復するんだけど、こうすればすぐに回復するからだそうで。
ちなみに現在は右腕縫ってもらってます。俺が意識を取り戻したときには左腕両足がくっついてた。
短時間で他の三肢を縫い付けるリトルすごい。マジすごい。
一方俺を返り討ちにし、二度と蘇えらないようにするつもりだったのか、俺をバラバラにしたあげく、いろいろ撒き散らしてた子は、
赤(恐らく返り血)と白のマーブル服を来たまんま平謝りしていた。グロ耐性なさそうなのにあんな行動に出るのはまぁ、しかたないね。
「ごめんなさい…」
「いやいや、気にしてないよ 慣れっこだし」
「慣れっこ!?いや、でも…」
「自分で言うのもなんだが、他人から見たらどうみても容疑者俺だしさ?気にしない気にしない」
「寛大ですね~ と、いうことでインタビューよろしいでしょうか?」
どういうわけなんですかアンタはと問いたい。
そうか、この人がアレか、パチュリー様や咲夜さんが言ってたパパラッチのしゃめいまる…ぶん?ぶんでいいんだよな?ブン屋ブン屋言われてるし。
どんな些細なことでも記事にしてしまうという恐ろしい人だそうな。しかも根掘り葉掘りインタビューしに神出鬼没でやってくるそうな。
これは困った…インタビューだなんて俺うまれて初めてだ…くそっ練習しておけばよかった…
まずは名前からだろうな…△△○○~…△△○○~…おし、大丈夫だ。
「まず月並みな質問ですがお名前は?」
「えっとえっとん~…っげ、幻魔皇ラ○エル」
「ほうほう… いやいやいやいや誰ですかそれ!?」
いかん、ついおもいうかんだものの名前言っちゃった…
なんでこの名前が出てくるんだ俺…
やけにお嬢様とパチュリー様が静かだなと思ったら笑い堪えてた。
お嬢様、口元にお米ついてますよ、気づいてください。
「私は○○が持ってたカードじゃマリシャスが好きだぜ」
「俺の主力の一つだものマリシャス。でも魔理沙、たしかにお前にはお似合いなんだぜ!マリシャスなだけに」
「どういう意味だ?」
「翻訳してみろ」
「では気を取り直してあなたのお名前は?」
「△△○○です、趣味は料理とさっき言ってたどっかのカード。歳は享年17歳、生まれは日本のX県三隅郡羽生蛇村、誕生日は昭和6」
「あやややや待ってください、そんなにまとめて言わないでください!」
「あ、すいません…」
落ち着け俺、緊張のあまり目から血が出てるぜ。あっ、ブンさんとマーブルわんこ(仮)がヒいてる。
ここは精一杯の笑顔でやりすごすしかない!…(ニヤッ) あっさらにヒいた。
~青年インタビュー初体験中~
「ほうほう、それで閉じ込められてからどうなったんです?」
「えっとですね、それは…」
「なにいつの間に誘導尋問にひっかかって洗いざらい言ってるんですか!」
「は…しまった!!」
「ちっ 気付かれましたか」
リトルの一喝で正気に戻る。俺の名前から始まり、ブンさんは巧みな話術で俺の情報を引き出していった。
なんという恐ろしい話術…これが天狗の話術とでもいうの…?
これじゃプライベートが新聞に載っちゃうわけだぜ!くそっなんてこった!
「(割と簡単に聞き出せました…アホなんでしょうかこの人…)」
机をバンバン叩いている音が聞こえるから能力使ってみたらパチュリーさまが超エキサイティングしつつ笑ってた。
お嬢様に至ってはむせている。あ、スカート部分に米付いてる。なんとなく魔理沙がいないことに気づき魔理沙の視界辿ってみた。
「大量大量、このすきにもらっていくぜー」
…本盗んでる…。いつか決着をつけねばならないようだな黒白魔法使いめ。
「目をつぶって唸ってますがどうしたんです?」
「あ、こうやると他人が見ている視界を共有できるっぽいんで。いつの間にか身に付いた能力なんですが」
「「な、なんだってー!!」」
オーバーリアクションをとるブンさんとマーブル(r まぁ、普通驚く。俺だって驚く。
お?なんか二人で話し合ってる。視界も共有できるけど音声もきけるので…てりゃっ
「ボソボソある意味私より使い勝手のいい能力ですよ…」
「ボソボソでもアホそうだからきっと覗きとか監視とかに使えることに気付いてないのよ、きっと。それよりなんて使える能力なの…ヘッドハンティングしようかしら?」
」
覗き…!そういうのがあるのか!そういえばできるよなこの能力で覗き。
不可抗力でお嬢様のカリスマダウンな場面やリトルの着替えを何度か見てしまったことはあるが
自分からそのために使ったことはないなぁしかしリトルのはすごかった…しかしいつも肝心なところで俺の良心がこれ以上いけないとr
「○○さん?もしまたやったら絶交ですよ(天使のような微笑み)」
「なぜわかったリトル 俺の考えていることが!」
「全部口に出ていました」
「ごめーん あ、お嬢様 そのやりはなんです やめて投げないでカリスマダウンな場面は言いませんて」
その時、バターンと図書館の入り口の扉が開き、妙にニヤニヤした咲夜さんがつかつかとやってきた。
なんだあの表情は、まるでこれからいじめられっこをどういじめようかと考えているいじめっ子のような笑みだ。
心なしか目が赤く見えるのはきっと気のせい。
「あやややや、どうしたんですか咲夜さん?珍しくお茶の用意だけしてこの場にいなかったから職務怠慢かと思いましたよ」
「ごめんなさいねブン屋さん。ちょっとあなたに食べてもらいたいものがあって。 ○○、この二人に作ってあげなさい。あなたの故郷の郷土料理」
…目の前にいるこの人は誰だ?この笑顔は客をもてなそうとしている表情には見えない。いじめっ子とさっき言ったがあれは間違いだ。
この顔は言うなれば究極のドS。嫌いな奴をどういたぶってやろうか楽しもうとしている顔のように見える。
咲夜さんのこの顔を見ても愛していると言える男はきっと俺並のすごいラブパワーの持ち主かドMだろう。
「そうねそれがいいわ○○のごはんはおいしいものね」
背筋がゾクッとして振り返るとパチュリーさまが同じような表情をしている。それも生気が無いような声で笑いながら言っている。
お嬢様がヒいているが当然だろう。俺もちびりそうになるよその笑顔。
「な、なんだか怖いんですが食べられるものは食べますよ?ねぇ椛?」
「は、はい!た、食べます!」
「それじゃ連れて行きまーす」
「いってらっしゃーい」
うわっさくやさんのちからつよい。たすけて、たすけてリトル。ってか右腕ちゃんとくっついてなかったやべぇ
「ま、○○さん…ご武運を!」
「よし、やる気出てきた行ってくる!なあに料理作るだけさ」
「(あややややなんですかこのラブパワー。おえっこの紅茶あまっ)」
射命丸 文 紅魔館/図書館
さて、いつになくトチ狂った様子の咲夜さんが自称変なアンデッドの彼を連れてどこかに行きました。
そういえば黒白が蕎麦がどうたらと言っていましたがもしかして彼の郷土料理がその蕎麦なのでしょうか?
だけど所詮人間の、ましてや外の料理です。ただのまずい料理なだけでしょう。
漫画のように狂いそうなほどまずい料理なんて存在するわけがありません。
「この前文さまがつくったご飯よりおいしいといいなぁ…あれお米が半分以上こげて いひゃいいひゃい」
「毎日米と漬けものと魚かイノシシな質素な料理ばかり食べてるあんたに良心で御馳走をつくってあげようとしたのになによその態度!」
「ほふぁにもひふぉかったんでふよにゃみゃやへのひゃかなとかうしゅひみひょふぃるほは(他にもひどかったんですよ生焼けの魚とか薄い味噌汁とか」
「だまらっしゃい!」
「あの…図書館内ではお静かに…」
はっいけないいけない。ここは図書館でした。
なんだかパチュリーさんがニヤニヤぶつぶつと変な本を読み、
退屈のせいか、カリスマブレイクな寝顔を見せているレミリアさんが目につくこといがい至って普通の図書館でした。
パシャっ パシャっ
よし。
「さて、待ってる間暇だからあなたの惚気話でも聞きますか」
「えっ!?」
「いやぁ~いきさつとかはさっきのとおり○○さんから聞いたんですが彼女視点ではどんな話がきけるのかなーと」
「べ、別にやましいこととかはないんですよ?本当です。私が○○さんに一目ぼれしただけですし」
うおっまぶしっ なんですかこの純な反応は。これ以上聞くとなんだか別の意味でやばそうです。
でも挑みます。
「まず、彼のどこに惹かれたんd」
「そ、そうですねぇ。目がとってもきれいだったのが最初に目につきまして、それでいてぼーっとしているように見えるんですが誰よりも紅魔館
のために尽くそうと一生懸命でして、たとえばパチュリーさまが放置しっぱなしだったマンドラゴラの畑も○○さんが耳から血を出しながらもがんばって
最後まで抜き取って…すごくボロボロだったのに○○さんったら『こうでもしないと俺みたいな奴はただのごくつぶしじゃない』と自らを卑下するようなことを
言って…いくら死なないからってあんなに無理しなくてもいいのに…私がどう思ってるか知らずに…あっ、わ、わたしなにを言ってるんでしょうか…」
「すいません聞いた私が愚かでした。あなたたちの愛はもうわかりましたからこれ以上糖分過多にしないでください」
椛が顔を真っ赤にしてもじもじしてます。しっぽもゆれてます。なんですか椛。自分もそういう恋がしてみたいって感じですね?
…私だってしてみたいわよ!でも相手はいないまま約1000年…これも職業病でしょうか…いやでも同期で結婚した奴いたわね…
妬ましい…妬ましすぎる…ちくしょう…ちくしょおおおおおお!!
「あ、文さま!風が吹きまくってます!落ち着いてください!」
「今の私なら妖怪の山も吹き飛ばせそうよ…」
「なんという嫉妬パワーなの…自分で聞いておいて嫉妬だなんてなんて滑稽なの… プ」
手始めに目の前の余裕こいているもやしを吹き飛ばしましょうかええ?
お、相手もやる気満々です両手をあげてあの伝説のポーズで構えています。
と、次の瞬間!
「そこまでです!!」
小悪魔 紅魔館/図書館
パチュリー様とブン屋さんがテンションあがりすぎて今まさにスペルカードをぶっぱなしそうなときに、○○さんがパチュリー様のあのセリフを叫び、
おかもち(ラーメンを入れるあの銀の箱です)を持って二人の間に立ちふさがりました。これには二人もポカーンです。
それにしてもなんということでしょう。○○さんの服装はいつもの血みどろYシャツジーンズではなく、コック帽コックスーツ、目血止め包帯にゴム手袋。
包帯とゴム手袋なのは○○さんの配慮だということはわかるんですが、コック姿…なんというときめく姿なんでしょう。様になっているといいますかなんというかかっこいいいです、はひ。
ふと見ると○○さんの後ろにいた咲夜さんが親指たててウィンクしていました。咲夜さん… GJ!!
「すいません、ブン屋さん、写真代は後でお渡ししますのでカメラ貸してください」
「え?あ、は、はい」
「ありがとうございます」
パシャパシャ
「ありがとうございました」
「ど、どうも…(なんで艶やかな笑みを浮かべてるんですか…エロいですよ…」
「リトル~そんな珍しい?俺のコック姿」←包帯してるからリトルの顔あまり見えてない
「ええ、とっても」
さて、それはさておき○○さんはおかもちをテーブルの上に置いた後、その中から慣れた手つきで器を置いた後、
まるでフランス料理のシェフのように大げさにお辞儀をして、料理の紹介を始めました。
それにしてもどことなく文さんと椛さんの顔がすごいことになってます。うわぁぁぁぁぁっていいそうな顔です。
「羽生蛇村名物 羽生蛇蕎麦です。作り方は(略)最後にイチゴジャムをどっさりと どうぞどうぞ」
「あやややややややややややややすいません私おなかいっぱいみたいででででで」
「お、落ち着いてください文さま!意外と美味しいかもしれません!たぶん…」
二人とも冷静さを欠いています。美味しいのに。なんだか変なオーラとか見えたそうです(咲夜さん曰く)。
美味しいのに。あれ?パチュリー様と咲夜さんが狂ったように笑ってます。なんででしょう?
「さぁさぁどうぞお客様、残すことのないようお願いいたしますよお客様 ふふふふふふ」
「美味しすぎておなか痛くなるかもしれないわねふふ えーっと腹痛を治す方法は…」
「今起きたんだけどなにがあったの…説明しなさい小悪魔…」
レミリア様、よだれでてますよだれ。
さて、ブン屋さんと椛さんは…
「ごふっ…しめきりが…しめきりが…」
「あっ、普通においしいですこれずるずる おかわりー!」
「あいよー!食え食えー 食って食ってリトルみたいにナイスバディになれー」
「えー//」
ブン屋さんは目が虚ろで、さめざめと泣きながら蕎麦に運び、一方の椛さんはなんともないといった状態で、
2杯3杯とおかわりしていました。それがうれしいのか○○さんはわんこそばのごとくお代わりを器に入れていきます。
なんだか餌付けしているみたいです。犬なだけに。そして○○さんはなんだか聞き捨てならないことを言っていたのでちょっと失礼しますね。
「○○さ~ん ちょ~っと来てもらえますか~」
「いやリトルまってくれゲンコツはやめてね、いやリトルみたいなナイスバディってのはだね、こう俺がまーぶr」
「あ、申し遅れました、ずるずる犬走 椛ですずるずる」
「そう、俺が椛に気があるとかそういうのじゃ」
○○さんってば…そりゃ私だってそれくらいわかっていますよ?
だけど…
「その…私以外の女の子と仲良くしているのを見たら私の中でその…もやもやした気持ちが…」
「リトル…嫉妬か嫉妬なのか うおおおおおお! かわいいなおいかわいいな!」
「し、知りません!もう、○○さんなんか…」
ぎゅっ
「あっ…」
「ごめんごめん お詫びにハグで勘弁してくれ」
まったくもう…○○さんは卑怯です…
だけどこれだけで満足できるわけないじゃないですか、これくらいしてもらわないと。
私は○○さんの包帯を目の包帯をはずしていつものきれいな目が見れるようにしました。
そして…
「包帯なんてはずしてどうしたリト… んむっ…?」
「ちゅっ…ん… ぷは… お詫びはキスでお願いしますね?」
「こんのいたずら大好きの悪魔っ娘め」
「お互い様です、お料理大好きいたずらっ子さん?んちゅ…」
「ん…」
椛さんが食べる手を止めてこっちを両手で目を隠しながらちらちら見ていたり、
お嬢様が紅茶をがぶ飲みしつつ「甘すぎる!甘すぎる!」と言ってたり、
咲夜さんがブン屋さんの器に無理やりおかわりをそそいでいたりしていますが気にしません。
だって私たち二人のいたずらっ子はお互いにいたずらすることに夢中なんですから。
でも、そろそろパチュリー様が「そこまでよ!」と叫びそうですけどね。
さて、どうしましょう?
ツヅク
おまけ1
犬走 椛 上空
紅魔館の帰り道、私はすっかり泣き疲れて倒れてしまった文さまを抱えてふと思った。
あのお蕎麦は本当においしかったなぁ…と。メイドや魔法使いは驚いていたが普通に美味しかったのだ。
人によって美味しかったりまずかったりするみたいだがまるで羊肉を焼いた料理みたいだ。
アレも好き嫌いが人によって激しい。それにしてもあの○○さんと小悪魔さんはすごく甘々な関係だった。
見ている私が恥ずかしいくらいで…私が出ていくときもまだ続けていた。
魔法使いがSkmdy!Skmdy!と叫んでいたが○○さんがガードしていた。お蕎麦で。
いったいあれはいつになったら止まるのだろうか…
ん?
雲の上から紅魔館に向けて赤と緑の変なものが急降下している…
なんなんだろう… まぁいっか帰ろう。
紅 美鈴 紅魔館/図書館(落下成功)
終于完成了!やった!やりました!
ここは恐らく紅魔館の図書館!無事着地できました!勢い付きすぎて図書館まで落ちてしまいました!
それにしてもひどいわねーあの天人。3人で麻雀して私が役満でアガりまくってたら、
変なスイッチを押して私の床下だけ消しやがりました!でも残念!私は無事紅魔館に着地しましたよーっと
さて、あとは咲夜さんやパチュリー様にバレないように…
ぐちゃ
あれ?何か踏んでる?しかもぐちゃぐちゃしてる?
「おごごごごごめぇぇいりいいいんさぁぁん」
うめき声も聞こえる… あ、リトルちゃんどうしたの本棚に頭から突っ込んで。
まるでスケk…
「いろんな意味でそこまでよ!!中国!!」
「パ、パチュリー様!やばいみつかった って中国じゃないです!!」
「いいから下を見なさい!」
え? 円 …ひぃっ!?
私の足元で肉の塊がぐちゃぐちゃと音を立てて崩れていました。
これはもしや…○○さん!?もしかして私が着地した衝撃でリトルちゃんがふっとんで、
○○さんを踏みつけてしまったの!?…ま、まずい…
「Skmdyなこの子たち二人を止めたのは評価するわ…美鈴…」
「ひいっ!?」
パチュリー様の周りを賢者の石が取り囲み始めました、間違いない、殺られる!
でも私の足は何かにつかまって動けない!って!ま、○○さん!つ、つかんじゃらめぇぇぇ!
「でも図書館をここまで崩壊させた罪は重い… いっぺん、死んでみる?」
「めぇぇいりぃいぃんさぁぁぁん 地獄にいこうぜぇぇえぇぇ」
「うっぎゃああああああ!?」
PS.
しばらく罰としてコッペパン生活が続くみたいですが○○さんがお蕎麦をこっそり提供してくれらしいので食べ物には困りそうにないです。
わーいチャイニーズ(笑)。 …あれ?お蕎麦が無い…え?この咲夜さんの肖像画こんなところにあったっけ?そしてこの絵の咲夜さんの口元に、
お蕎麦のニラがついているようにみえるのはいったい…?
おまけ2
変なビラ
白狼天狗が撒いていた変なビラ。
【内容】
担当記者の射命丸の都合でしばらく文々丸新聞はお休みします。
楽しみにしていらっしゃる方申し訳ありません。
特報記事の【驚愕!紅魔の不死の(絶望)料理人!!】は復帰しだい書きあげるそうです。
ビラまき担当 犬走 椛
※絶望という文字に大きな×印が書かれている。わんこじゃ!わんこ天狗のしわざじゃ!
総領スイッチ
天人のお偉いさんがキレたときよくつかうスイッチ。
道端に謎の生き倒れがいたらたぶん空から落ちてきた天人だろう。
なお、竜宮の使いはこれを押されたらはじめは空気を読んで落ちるが、落下地点は池や湖らしい。
嫁にほしいなら池や湖をチェックだ!by 総領娘から情報を聞き出した射命丸(療養中)
コック○○写真
リトルの宝物。後ろに写っているパチュリーと咲夜の顔は夢に出そうなのでマジックで塗りつぶされている。
マリシャス
マリシャス= 悪意ある~ 悪い~
オワリ
(プロポスレ@wikiまとめ分)+新ろだ094,263,712
───────────────────────────────────────────────────────────
(現在未完)
最終更新:2010年07月02日 22:56