こころ(レス)1
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最近、博麗神社で能楽を始めた面霊気と親密な関係になった。名前はこころだと言う。
彼女が数多く所持している面の一つを偶然俺が拾い、持ち主のこころに渡してあげた事が親密な関係になった理由だ。
落とした物を拾って届けてあげた。ただそれだけなのに、こころは俺の事をいたく気に入り仲良くしてくれる。俺にはよく分からなかったが、
こころ曰く以前にも面を失くし、拾い主を見つけたものの返してくれなかったらしい。だから素直に面を返してくれた俺の事を気に入ったのだと言う。
今日行う演目を全て終えると、こころは真っ直ぐ俺の所へとやってきた。こころの顔は常に無表情だ。代わりに両手や66個の面を使って感情を表現する。
相変わらずこころの顔は無表情だったが、付けてる面は「喜び」を表すものだった。彼女は喜んでいる。
それもそのはず。この後、俺とこころは人里でデートする予定だったからだ。手を繋ぎながら人里を歩く俺達。こころはとても嬉しそうにしていた。
途中、こころの父親を名乗る宗教家が涙目になりながら俺に襲い掛かってきたが、すんでのところでこころが追い払ってくれた。何なんだ、あの宗教家は。
食事処で団子を食べ、明日も同じようにデートをする約束を交わして俺とこころは別れた。
変わり映えのしない毎日を送っていた俺に、こころという希望が芽生え始めていた。これからもずっと、こころと一緒に居たい。
34スレ目 >>425
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「幻想郷を案内してやろう」
○○は、こころに言った。彼女は幻想郷で生まれたばかりの新米妖怪だ。幻想郷に関しては右も左も分からない。
だから一日の長がある○○が幻想郷を案内してあげようとしたのである。無論、人間が行ける範囲内でしか案内できないが、それでもこころは喜んでくれた。
しかし彼女は常に無表情だ。代わりにお面と両手を使って感情を表現するらしい。しかしそれは不完全で、今なおも感情の勉強中だそうだ。
道案内をする○○の後ろから、ちょこちょこと付いて歩くこころ。見たことが無いもの、感じたことが無いものを体験してこころは心底嬉しそうだった。そんな中…。
「○○を見ていると、胸の鼓動が速くなって…息苦しくなるの。これって何の感情なのかな?」
表情こそ無かったが、上目遣いで見てくるこころの顔はほんのり赤かった。これは恋情だ。しかし感情に関しては勉強中のこころにはそれが分からない。
俺も前々から素直で可愛いこころの事が好きだったが、まさか両想いだったとは…意外だった。そこで俺はこう返した。
「偶然だな。丁度俺もこころと同じ感情を抱いていたんだ。好きな人を前にすると顔が赤くなり、息苦しくなる。その感情は恋情と言うんだ。恋という奴だな」
「これが、恋の感情…。これが、恋情…。○○も同じ感情を抱いているという事は、○○は私の事も…?」
○○は静かに頷いた。
「これは嬉しい感情…?私、嬉しいんだ…。○○と同じ感情になれて嬉しく感じてるんだ!」
「また一つ、感情を学んだね」
こころは○○に抱きついた。相変わらず無表情であるがその瞳には涙が浮かんでいた。
○○は優しくこころを抱きとめると頭を撫でた。こころの正体は自我を持ったお面だそうだ。
お面に好かれるなんて複雑だな、と一瞬思ったが自分を好いてくれるこころを見ていたら
それは瑣末な問題だとすぐ気付かされた。今まで女という女に好かれなかった俺を愛してくれるこころ。
それだけで俺は嬉しかった。これからはずっとこころと一緒だ。いっぱいいっぱい愛してあげねばな。
こころのためにも…。
34スレ目 >>444
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最終更新:2015年06月07日 22:42