早鬼1
38スレ目>>161
「……いいな、あれ」
二人でソファに座って映画を観ていたら、早鬼さんがぽつりとつぶやいた。
画面では二枚目なマフィアの幹部が、
口に咥えたタバコの火を恋人の歌手が咥えたタバコに移してやっている。
シガーキスというやつだ。
「なあ○○、私たちもやってみようか」
「え? でも……」
俺はテーブルの上にあったケースを手に取った。
「早鬼さんのは『これ』でしょ」
蓋を開けると、中に入っていたのは紙巻でも葉巻でもなく、にんじんスティック。
「『生きてた頃太子様の乗り物だった身としては、
走れる身体を損なう習慣は持ちたくない』って」
「そうなんだよなあ……あ、そうだ」
早鬼さんはにんじんスティックを一本取り、先端にマヨネーズを付けると、反対側を口に咥える。
「ん」
にんじんをぴこぴこと揺らす早鬼さんに釣られるように、俺もケースに手を伸ばした。
二人のときだと意外と子供っぽくてかわいい組長
38スレ目>>567
早鬼「ホルスターの位置はこの辺かな。
持ってるってことをアピールするのも大事だしね。
じゃあとりあえず抜いてみな、クイックドローとかは考えずに落ちついて」
○○「……意外と上手くいかないね」
早鬼「最初はそんなもんさ。
地道に練習すればスムーズに扱えるようになる。
私が手取り足取り、じっくり教えてあげるよ」
早鬼「しっかり両手で構えて、腕を伸ばして。
畜生界(ここいら)で通用する銃となると一番小さいやつでも反動がでかいからな。
後ろで支えててやるから、まずは一発、ゆっくり引き金を引くんだ」
○○(緊張する、でも集中しないと……早鬼さん、いい匂いがする……いや集中しないと)
早鬼「事故らないための心がけとして、
弾丸が入っていようといまいと、自分や身内に銃口を向けないようにすること。
でもやばいと思ったら相手に向けて狙って構えて、
警告なんて悠長なことはしてられない、迷わずぶっぱなせ。
心臓はだめだよ、どこにいくつ持ってるかわからないようなやつばっかりだ。
おすすめはやっぱり顔かな、ど真ん中に撃ち込んでやるつもりでいきなよ」
○○「……いざとなると、ちゃんと狙いがつけられるか心配だなあ」
早鬼「自信持ちなよ――なんたって、私のハートを射貫いた男なんだからね!」
………………
オオカミ霊A「組長、今のはないと思うっス」
オオカミ霊B「組長、流石にどうかと思います」
早鬼「いきなり出てきたと思ったらなんだよお前ら!」
○○「僕は嬉しいよ早鬼さん、センスとしてはどうかと思うけど」
早鬼「○○まで!?」
早鬼さんは突撃して外すというか 上手いこと言おうとして失敗しそうなイメージがある
好きな相手の前だと特に
避難所>>81
早鬼(そうか……私は、1頭の牝として、牡としての○○が好きなんだ)
(でも立場や種族を気にする気持ちが邪魔して、伝えられる気がしない……)
(――人の恋路を邪魔するやつは、か…………)
「なあ吉弔」
八千慧「はい? というかそもそもですね、敵対組織の事務所で勝手にくつろぎながら、
仕事中の私にフランクに話しかけてくるのをやめ――」
早鬼「……自分で自分を蹴り殺すのって、やっぱり難しいだろうな」
八千慧「――また何か頭の悪いこと考えてるでしょう」
最終更新:2024年07月25日 23:40