霊夢3
>>384
「・・・・・・ぅん?」
「おはよう、○○」
「ああ…おはよう、霊夢」
「○○ってホントに朝は弱いのね。正月だからって寝過ぎはよくないわよ」
「いやぁすまん。早起きってのはどうも苦手で…」
「そういえば霖之助さんの所で読んだ本に、朝早起きが出来ない人っていうのは血行が悪い、
って書いてあったわよ」
「へぇ、そーなのか。・・・・・・だからって霊夢…」
「電気アンマはやめてくれよ・・・・・・」
朝の血行(一部)良好
博麗神社の元旦はとても静かだ。普通の神社で見かける人ごみや四方八方から投げられるお賽銭やそれを狙う賽銭泥棒
なんてのは霊夢にしてみたら幻でしかない。もしかしたら霊夢の幻想が現実世界で具現化しているのではないかと思って
しまうほどである。そんな中、俺と霊夢は…
「やっぱり正月の朝はお雑煮よねぇ」
「こたつに入りながら喰う雑煮は黄金の組み合わせだよな。これで鶏肉がはいってりゃ文句無しなんだが…」
「文句があるなら食べなくていいのよ(怒」
普通に朝食をとっていた。
「幻想郷で過ごす初めての正月がこんなにもダラけたもんだとはなぁ。(ゲップ)」
「あら、これが普通よ。それとも私と過ごす正月はそんなに退屈?」
「滅相も無い」
俺がこの幻想郷に迷い込んで初めて会ったのがこのぐうたら巫女、霊夢だった。
深い森の中で危うく妖怪の餌になる寸前に助けられたのだ。
その後帰る当ての無い俺に霊夢は人間の里なら自分を保護してくれるだろうと教えてくれたが
助けてくれた恩ぐらいは返したいと言う俺に霊夢は
「じゃあウチの家の手伝いでもしてもらおうかしら」と行った。
そんなんお安い御用だっつ~の、とそのときの俺はやる気マンマン男、略してマン男だった。
が、しかし。
初の宴会手伝い、妖怪だらけの面子に終始ビビリまくる。興味本位で剥かれそうになるので全力で逃亡。
洗濯物を取り込んでいるところをパパラッチ天狗に隠し撮りされ、新聞に『下着ドロ、白昼堂々の犯行!!』と書かれる。
霊夢やその他の幻想郷住民から半殺しに会う。全治一ヶ月
二回目の宴会手伝い、流石に周りの面子にも慣れてきたので親睦を深めようと試みる。ちっこい鬼の女の子に力試しと
して腕相撲を申し込まれる。全力を出すも見事に完敗、そして脱臼。全治五日
ここで生き抜くには力が必要だと思い白黒魔砲使い魔理沙から弾幕ごっこを学ぼうとする。勉強するより体で感じた方が
飲み込みも早いだろうと言われ初っ端からまさかの実戦投入。アステロイドベルト(Luna)を時間一杯避け続けろと言われ
るが開始十秒で被弾。魔理沙の持っていたポ○の油で事なきを得る。
三回目の宴会手伝い、おもちゃ扱いされることも無くなりほぼ全員と交流をもてるようになる。突然幻想郷のえらい方で
ある紫さんにお酒を勧められる。断るわけにはいかないので一杯頂く。しかし、飲んだ酒は『ニコラシカ』だったので
失神しそうになる。なんとか踏ん張ってみたものの健闘虚しく倒れてしまい、しかも運悪く霊夢の上に倒れこんでしま
った。その後どうなったか覚えていないが、気づいた時には永遠亭の診療室の中だった。全治三ヶ月
「いやぁ、よく今まで生き延びれたよな、ホントに」
今までの事を振り返ってみたら不意に涙がこぼれた。
「全くだわ。どんだけあたしに迷惑かけてきたと思ってるのよ」
「そう言われてもなぁ…。でも家の事や宴会の手伝いなんかは一生懸命やったつもりだよ」
「それはあるはね。おかげで私の心にも少しはゆとりってものができたもんだわ」
「それ以上ゆとりを持ってどーすんだ…」
霊夢の言葉を聞いてふと考えた。
俺はまだ霊夢に全ての恩を返せてないのかもしれない。と、言うより助けてもらった後の方が迷惑かけた量が半端じゃな
いだろう。そう思ったら何かせずにはいられない。
「なぁ、霊夢」
「んっ…何?」
「俺に何かしてもらいたいことって、ないか?」
「…えっ?」
霊夢は少し驚いた顔をした。
「俺は霊夢に助けられてその恩を返すためにここでお世話になってる訳だろ?でも実際は恩返しするどころか迷惑かけてる
ことのが多い。だから少しでも多く霊夢のためになることがしたいんだ」
「・・・・・・」
俺が自分の気持ちを伝えると霊夢はうつむいてしまった。
「あれ、霊夢?どうした?」
呼びかけに答えない。
(あっれ~、何かまずいこと言っちまったか?それともまるで役に立たないダメ男、略してマダ男がなにでかい口きいてん
だよ!なんて怒ってんのか?やべぇよ新年早々永遠亭でご厄介なんて洒落になんねぇぞオイィィィ…)
頭の中で様々なBADエンディングを思い浮かべていると霊夢が不意に口を開けた。
「・・・・・・何でも・・・・してくれるの?」
いつもの霊夢の口調ではない。
「えっ…?あ ああ、何でもしてやるよ」
心なしか少し顔が紅くなっている。
「えっとね・・・・・実はさっきから・・・・・お願いしたいことが・・・・・あってね・・・」
今の霊夢からは普段では想像できないほどの恥ずかしがってるオーラが出ている。そんな霊夢を目の前にした○○は
(ちょっ…なんだこの空気?霊夢もありえないぐらいモジモジしてるし…。も、もしかして霊夢…俺と××したいとか言う
じゃ…。いや、××だけでなくもっとディープな△△や目も当てられない様な☆☆なんかも…挙句の果てには二人揃って
X・Y・↓・↑なんて決めてみたり!?ウッヒョホーイ!こんな異郷で正月の昼間からハッスルできるなんて!夢なら覚めんといてー!!)
一瞬にして頭の中が春一色になってしまった。妄想が音速の速さでひろがっていく○○に霊夢は言葉を続けた。
「・・・・じゃあ・・・・おねがいしても・・・・いい?」
「お、おおおおオッケイぃい!何でもよござんすよ!」
満面の笑みで霊夢の願いが告げられた。
「境内のお掃除、よろしくね」
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「あ~~~~~、さぶい~~~~~」
霊夢からの死の宣告をしっかりと受け止め、○○は雪の積もった境内を黙々と掃除していた。
「はぁ…期待を大きくしちまった分現実を受け止めるのが重くなっちゃったなぁ。ってか霊夢もなんであんな思わせぶりな
表情するんだよ…」
多少の愚痴を吐きつつも自分で言い出したことなので○○は手を止めるはけにはいかなかった。かじかんだ手さすりながら掃除していると遠くの方から何か飛んできた。
「おぉ~、年明けからしっかりと雑用してるなんて偉いもんだな」
「そりゃどうも。初詣だったらそこの賽銭箱に…」
「私がそんな金持ってる様に見えるか?」
「…見えないな」
今年一番の参拝客(?)、霧雨魔理沙は新年の挨拶に来たのだが、当の霊夢はこたつの中で熟睡していたので
掃除中の俺の話し相手になってくれた。(もちろん掃除は手伝わない)
「それにしても…」
「ん?何だ?」
「良くもまぁこんな家事手伝いを続けてるよなぁ。嫌になったりしないのか?」
魔理沙が呆れ口調で尋ねてきた。
「んな訳ないだろ。俺は好きで今の事を続けてるんだからな」
「なるほどな、真性のマゾヒストってヤツか」
「断じて違う!」
「ジョークだぜ、ジョークw」
こんな会話を続けながら掃除も半分は終わってきた。だいぶ疲れもでてきたので少し休むことにした。その休憩中に
○○は魔理沙にある事を尋ねた。
「なぁ魔理沙、一つ訊いてもいいか?」
「私のプライベートなことについては一つも教えられないぜ」
「そんなこと訊かねえよ…。・・・・霊夢って、俺のことをどう思ってんのかな?」
「ハァ?」
「あ、いや、そーゆう意味じゃなくって…。俺って霊夢の役に立ってるのかなって思って…」
「お~お~、そっちか。・・・・ヌフフ・・・・なるほどねぇ」
「な、なんだよ?なるほどって…」
「いやぁなに、こっちの話だ。まぁ率直に言うとお前が霊夢の役に立ってるかどうかなんて知らんよ」
「…そっか」
魔理沙の口からは気の利いた言葉など微塵も出ず、○○は落ち込むしかなかった。
「オイオイ、何を柄にも無く落ち込んでるんだ?」
「いやぁ、俺だってナイーブな一面もあるんだよ…」
「何言ってんだか。・・・・ん、そーいえば…」
「何だ!?霊夢が何か言ってたのか?」
つい声を荒げてしまい魔理沙も少し驚いてしまった。
「おおぅっと、まぁ落ち着けって。別に何か言っていたわけではないさ。ただ…」
「ただ?」
「少しだけ、変わった気がするな」
変わった?あの霊夢が?
「俺からしてみれば幻想郷の住人はみんな変わってると思うんだが」
「私は普通だぜ、ってそういう意味じゃない。○○が来てから霊夢の性格は変わったと思うんだ」
「へぇ。どんな風に?」
「今まで霊夢は周りの奴に対してもの凄く無関心だったんだ。それが最近じゃお前に対しては何かと口を挟むようになった」
「それは俺がへまなことばっかしてるからだろ」
「単にそれだけじゃない気もするがな」
「どういうことだよ、それ?」
「要するにだな、お前の存在が霊夢にとってマイナスなわけじゃない、ってことだな」
「・・・・・そっか・・・」
どこをどう要したのかわからないが、それを聞いて○○は少し安心した。
「さてと、私はそろそろ帰るぜ」
「ん、霊夢に会わなくていいのか?」
「私が挨拶に来たことを言っといてくれればいいさ」
「おう、わかった。伝えておくよ」
そのまま魔理沙は俺に背を向け、片手をヒラヒラ振って少し日の落ち始めた空を音も無く飛んでいった。
「さてと、残りを片付けっかな」
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日が全て落ちる前にやっと境内全体の掃除が終わった。
「くっはぁ~、やっと終わったぁ…」
この境内では雪かきから始まり濡れた落ち葉をかき集めるという作業がとても重労働に思えた。
「こんな地味に疲れることを霊夢はずっと続けてきたのか…。ほんと、霊夢には頭が上がんないよなぁ」
あまりにも周りが静かなのでついつい独り言を始めてしまった。
「しかもこの境内をずっと一人でだもんな。こんなのしょっちゅうやってたら発狂するよな、俺だったら」
自分で言ったことに笑っている内に一つだけ気づいたことがあった。
「・・・・・ずっと・・・・・一人で?」
少し前に魔理沙から聞いたことがあった。自分と霊夢は昔からの付き合いではなく知り合ったのもここ何年か前なのだと。
魔理沙に限った話じゃない。今の宴会に集まる人たちだってほとんどがそうだ。
「俺がここに来るずっと前から、霊夢は一人でここで生活してて、妖怪退治にいって、冬になったらこんな風に雪かき
して…、何年も続けてきたんだろうな…」
そう考えたら少し胸が苦しくなった。
「・・・・もっと頑張らないとな」
「何を頑張るの?」
「ぬおぁっ!」
ちょっとした決意表明の直後、背後から聞こえた声におもわずみょんな悲鳴を上げてしまった。
「れ、霊夢?いつからそこに?」
「『こんな風に雪かきして…』からだけど」
「そ、そっか…。すぐに声かけてくれればいいのに」
「だって、ブツブツ独り言いってるもんだから、さすがに躊躇しちゃったわよ」
「あぁ、それもそっか…ごめん」
「別に謝らなくても…。まぁいいわ、お掃除お疲れ様。お風呂沸いてるわよ」
「うん、わかった…」
そう返事すると霊夢は「体冷えきっちゃうわよ」と言って家の中に入ろうとした。
「・・・・・なぁ、霊夢」
霊夢は歩みを止め振り返った。
「ん、なあに?」
「今まで俺は霊夢に色々と迷惑かけたり、その度に助けられてきた。たぶん、というか確実にこれからも色々と霊夢の手を
焼かせるようなこともあると思う。…でも」
霊夢は何も言わずに立っている。
「いつか・・・・いつか霊夢を心から支えられる男になりたいって、決めたんだ。
だから・・・・・今年も・・・・・世話になってもいいか?」
自分の今の気持ちを伝い終えた。お世辞にも良い言葉だとは言えないだろうし、他人からしてみればとても安っぽい言葉かも
しれない。だけど、これが今の自分の本当の気持ち。
「・・・・・・・霊夢?」
「・・・・・・・・・・・・フフ」
少し間を空けてから不意に霊夢は笑い出した。ギャグを言ったつもりじゃないのだが…
「なっ…何で笑うんだよ!」
あんな事を言った後に笑いが起こると流石に恥ずかしくなってきた。
「あ、ごめんなさいね。新年の挨拶にしては凄く真剣な感じがしたもんだから、ついね」
「…そーですか」
一気に体から力が抜けていくのがわかった。
「あぁ~、ま~そーいうわけだから。んじゃあ俺は風呂に入らせてもらうよ」
そう言って霊夢の横を通り過ぎ母屋に向かおうとした。
「一つだけ・・・・訂正さしてくれない?」
後ろから霊夢の声がした。振り返ってみるとそこにいる霊夢の顔が
今まで見たことの無い、とても優しく、人懐っこい笑顔をしていた。
「『今年も』じゃなくて・・・・・『これからもずっと』よ」
後書き=====================================================================================================
ども、328でっす。石は投げないで下さい…
今までは皆さんの勇姿を遠くから見ていただけでした。
しかし!多くのすばらしい作品をみるたびに自分の妄想が膨らんできてしまい、
やっとこさ吐き出す決心がつき、今回は投稿させてもらいました。
初めてSSを書いたもんですからおかしい部分も多々あると思いますが…
いやぁ37氏や363氏の様に甘さ全開には書けませんでした!
甘さ控えめな上に微妙なネタを盛り込んでしまい、なんともしょっぱいものになってしまいました。
このSSを見てほくそ笑んでくれたら幸いです…
おまけシナリオ=============================================================================================
「う~寒い。早く暖まらんとな」
震える体を抑えて風呂場へと向かう。
「ほら、風邪ひかないうちに早く入っちゃいなさいよ」
「はいはい。…何か霊夢ってお母さんみたいだよな」
そう言うと霊夢の顔が少し紅くなった。
「な、何変なこと言ってんのよ…」
「いやぁさ、子供の頃にも母親から同じようなこと言われた気がするんだよ。
今日みたいに家の周りが雪でいっぱいで、子供にしたら最高に遊べる環境だったんだよ。」
霊夢の表情もすぐに元に戻って、俺の話を静かに聴いてくれている。
「夕方遅くまで友達と遊んで家に帰るとさ、母親が今みたいに風呂沸かしてくれてるんだよ。
そういえば子供の頃は母親と一緒に風呂入ってたな。いや、ホント子供の頃だけだぞ。
で、俺も背中とか流してもらったけど、あれはよかったな。人に背中を流してもらうのってなんかスゴク気持ちもんだと
思うんだよ。霊夢もそう思わないか?」
そう言って振り返ると霊夢はいつもより少し真剣な顔をしていた。
「アレ?…霊夢?」
「・・・・・・・・・・・わかったわ」
一言そう言うと霊夢は家の奥に歩いていった。
「え、何だ?…わかったって…何を?」
カッポ――――ン
そんな音が今にも聞こえてきそうだ。○○は湯船に肩まで浸かって考えていた。
「むぅ~~~、霊夢のやつ、何がわかったていうんだよ?いきなり俺が母親の話を始めたから俺をマザコンだと思ったのか?
いやいや、そうだとしたらまずいぞ…何がまずいか自分でもわかんねぇけど」
などと自問自答していると戸口の方から声が聞こえた。
「○○ー、湯加減どう?」
「おーう、バッチグ~だぞ」
「そう?それは良かったわ。・・・・・じゃあ、入るわよ」
「どーぞー・・・・・・・ってオイ、入るって…」
と、ツッコミをいれようと戸口の方に顔を向けた。
カララッ
乾いた音と共に戸口が開き、湯煙の向こうに霊夢の姿がぼんやりと見えた。その霊夢の姿は…
「れ、っれれれれっれりえれっれ・・・・れいみゅ?」
「何?どうかした?」
バ ス タ オ ル 一丁!
「ちょっ…おまっ……何してんの!?」
「何って…背中流してあげようと思ったんだけど」
「えっ?・・・・あっ!わかったって、そっち!?いや、でも、あれは、こーゆーいみでいったわけじゃねぇんだげど…」
「何ワケのわかんないこと言ってんのよ?…ほら、はやくしなさいよ」
「え、ちょ、ちょっと待っ…」
今、俺はとんでもない状況に陥っている ある意味生命の危機 しかし 人生で初の女の子との入浴イベント
天国か地獄かを決める唯一の鍵は 俺の理性
「どお?背中痛くない?力強すぎたりしないかな?」
「いえっ丁度いいっす…」
「でもやっぱ男の人の背中って大きいわよね。洗い甲斐があるってもんだわ」
「そ…そうかな?」
頭の中に浮かんでくる卑猥な考えを押さえつけるのに必死で、霊夢の言葉に相槌を打つのはやっとのことだった。
(やばいぞやばいぞやばいぞ…。今まで生きてきてこんなにおいしいイベントは初めてだ…。だがもしここで自分の
欲望にかられたら、それこそ幻想郷住人からは女の敵とみなされLWの雨あられ、死んだところで三途の川はあの
巨乳死神に渡してもらえないだろうし、裁判長にはラストジャッジメントで消し炭に…チクショーこんな所で輪廻
の環からはずれてたまるかっつ~の!でもどうせなら死ぬ前に間近に霊夢のバスタオル姿を脳裏に焼き付けてやろ
うじゃないか!いよっしゃ~見るぞ、見てやるぞ!ビビッタリなんかするもんか!)
チラッ ←ビビリ
「・・・・・・・・・・」
初めて見る霊夢の素肌は、外で見た雪よりも一層白くて、スラッと伸びる手や足はいつも見せる力強い弾幕ごっこ
をやってのけている姿からはとても想像できないほど華奢なものだった。
(そして、このバスタオルの下には、まだ俺の知らないもう一つの幻想郷が…)
「・・・・・・・・あっ!ちょっと○○!」
「えっ?あぁっ!!ごめんなさい!別にそういう意味で言ってみたわけじゃn」
「何ワケわかんないこと言ってるのよ!?それよりも鼻血出てるじゃない!」
「え?あ、ホントだ…」
漫画のキャラかよ…俺…
「一体どうしたのよ!?もしかしてのぼせたんじゃ!?」
(いや、ほとんどアンタの所為だよ…)
「と、とにかく止血しないと…。ティッシュ取って来るわ!」
そういって霊夢は戸口から出ようとした。
「い、いや大丈夫だよ、すぐに止まるから」
「そんな事言ったって…」
俺が呼び止めて霊夢が振り返った瞬間、霊夢の体に巻いてあった一枚に結界が…
「あっ」
「!!!!!!!!!!!(絶句)」
落ちた
「? アレ?」
気づくと霊夢は少し恥ずかしそうな顔をして突っ立っていた。格好はチューブトップに短パンという今までに見たことの
無い服装で。
「何だよ、ちゃんと服着てたんじゃないか。なんでそんな紛らわしいことを…?」
そういうと霊夢は顔を真っ赤にして
「なっ!何でって…!
男の人の前でチューブトップに短パンなんて恥ずかしいでしょ!?」
(そーゆー問題じゃねぇだろ…。やっぱ変わってるわ、この巫女。ってか何であんな服もってるんだよ…)
おまけ後書き=================================================================================================
正直に言います。今回はこれが書きたかったんです…本編はコレに繋げるための前フリでした(爆
ちなみに元ネタは某家庭教師マンガからもってきました。
>>394
「……まあ、なんだ」
某月某日、博麗神社。
「俺が悪かった。だからそんな虚ろ、というかウロな目で俺を見ないでくれ」
久しぶりに呼び出しがかかり外の世界……というか俺の故郷に帰っていたのだが。
帰ってきて出迎えてくれたのはいい感じに出汁が取れそうなくらいに干からびた人間だった。(東方寄集録・紅、もしくは白参照)
場所と服から霊夢だという事は間違いないが……
「とりあえず飯だな。幸いにも向こうに行ったときに食料はたっぷりと……」
ふと気づく。……先に出汁をとったほうがいいんじゃないか?
もとい。先に水につけて戻しておいたほうがいいんじゃないか?
* 少女吸水中…… *
「……ぷはあ、生き返ったー」
「そろそろ人間超えてきたんじゃないかお前」
とりあえず風呂桶に霊夢出汁のコンソメスープを作り、そしてそれは彼女自身に吸収されていった。
で、今は外見年齢に相応しい水も滴るいい少女になっていたり。
「とりあえず体拭け体」
「もったいないからイヤ」
もったいないって、それ曲がりなりにも風呂の水だぞ?
「風呂水でも飲めるものなら飲むの。……ちゃんと煮沸消毒はするけど」
自分でも言ったことが少々アレだと気づき、後付でフォローする。
「あー、とりあえず飯食うか。今日は俺が買ってきたから」
まあ、俺も腹は減ってるし。とりあえず体を乾かさないと……
「霊夢?」
「何よ」
「悪いが、味を見させてくれ。」
レロレロレロレロ
ひあーん……
「……何考えてるのよこの変態は」
「いや、悪かった。いっぺんやってみたくてな」
完全に怒った霊夢と頭にアミュレットだの針だのが刺さっている俺。
……ちなみに、『人間には害はない』らしい。痛いが。
「にしてもこれおいしいわね。手が汚れるけど」
「ああ。とはいえ食いすぎると胃がもたれるがな」
今俺たちが食っているのは某爺がトレードマークのファーストフード。
あいつが見たら卒倒するかな?こんな光景……
「かわいそうね、ミスティアも」
「いやそれ言うなって」
なんとなく食えなくなるんだよそう言われると。
「なら私が貰うわね。どうせ久しぶりのごはんなんだし」
とか言って全ての肉をかっぱらわれた。
「……まったく。まあ俺にはこれがあるから」
そう言って取り出すは某チキンカツサンド。これはうまい。
包みを開け、一口。
「ぬふぅ」
なんともまあいやな顔になったろう。それほどにうまいのだ。
「(某ピエロの店)は安さで勝負してるけどやっぱりこれもうまいんだよなぁ」
でも金がないときは(某ピエロの店)に行くが。
「ねえ、(某ピエロの店)って何?」
「外の世界の食堂みたいなもん。地方では(某ッピ)とか(某ピエ)とか略されてるけど」
たしか(某ピエ)が関西だったな。
「じゃあさ、今度外に出たら(某ピエロの店)の物買って来てよ。食べてみたいから」
「ん」
とりあえず次に出るときには乾燥させないようにしよう。そうでなきゃこっちの心臓が持たない。
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>>469
境内に響く声、思ったより早くばれてしまったようだ。落ち葉を掃いていたが
久々にいい天気で暖かかったので縁側で仰向けに寝転がって日向ぼっこしていた。
声がした方を見やると目の前には盆を持った霊夢が。そして自分の目の前に
盆が置かれる。覗き込むとそこには茶の入って湯気の立っている湯のみが二つ。
「お、サンキュ・・・」
お茶に手を伸ばしたそのとき、微かに視界が薄暗くなると同時に
腹の上に強い衝撃。反射的に息がむせて握った湯飲みから茶がはねる。
目を茶から離すと腹の上に霊夢が腰掛けていた。
「もう、早いところ落ち葉集めてくれないと焼き芋できないじゃないの」
「ぐっ…いまの不意打ちはちょっと効いたぞ」
いくら小柄な女の子とて完全に予想外の不意打ちで無防備だっただけにかなり効いた。
「あんたがサボってるのが悪いのよ」
「やってくれるな、こうなったら…仕返しだっ!」
「ちょ、何するの…キャハハハハやめてくすぐったい!」
仕返しに両手を伸ばして霊夢の腹や腋をくすぐってみる。
霊夢がそんな無防備な巫女服なのがいけないんだ。反応が
なかなか面白いのでこちょこちょをエスカレートさせてしまう。
「キャハちょっと、いいかげんにしないと!」
不意に両腕の力が抜ける。だらしなく床に落ちる自分の両腕。
驚いて見ると自分の胸の上に符を貼りつけている霊夢の姿。
「あー、ずるいぞスペルカードとか」
「はぁはぁ…こ、これであんたは動けないわ。お仕置きし放題ね」
もがくにもまるで四肢の運動神経が切り離されたかのように両腕・両脚が
反応してくれない。首から上は動くようだがこれだけではどうしようもない。
「観念しなさい。さぁどうしてあげようかしら」
「・・・やさしくしてね・・・」
「…やっぱやめとくわ。気持ち悪い」
幻想郷にはスペルカードとか弾幕とかあって、さらには体術もそこそこ出来る
みたいなので外界由来の自分がまともに勝負できるとしたら話術くらいである。
もっとも、話術も正直互角なのかかなり不安ではあるが。
「そういえばあんたがここに迷い込んできたのもこんな天気のいい日だったわね」
「そうだったか?」
「元の世界にはもう帰らないの?」
「霊夢が俺の上に座ってる限りは帰『れ』ないな」
そう言うと無言で腰をどかす霊夢。
「おっと、そんなに帰って欲しいのかい?」
「だってあんた苦しそうだったし」
「お、俺はこの位平気だぜ」
「ふーん、じゃあ・・・」
霊夢は立ち上がると何を思ったか俺の腹の上を跨ぐように足を置き
「これでも平気かしら?せーの・・・」
「ちょ!待った待ったストップ!尻餅はやめてくれ死んじゃう!」
「平気って言ったのはどこの誰かしら?」
「いや、尻餅はかまわんがせめて最期に中を拝みたいから腹じゃなくて顔の上に」
「むしろその減らず口を封じるために顔の上ね」
霊夢はそう言うと俺の上からどいて縁側の縁に腰掛ける。
「…寝ながらお茶なんて行儀悪いわよ?」
「あぁ、そうだな」
自分も霊夢の言葉を受けて湯のみを取り霊夢の隣に腰掛ける。
気づけば胸の上に置かれていた符は既に時間切れで蒸発していた。
「お前思ったより重かったな」
「失礼ね」
「でも、ちょっと安心したぜ」
「?」
「本当は霊夢なんて幻か何かなんじゃないかとか一時期思ってたんだ」
「なんでよ」
「ほら、霊夢っていつもふよふよ飛んでたりなんか何考えてるかよく分からない時あるし、
でも、霊夢の重みでなんていうか改めて存在感を確認できたような気がするよ」
「またひどい言われようね、私ならほらちゃんとここにいるじゃないの」
「俺が幻に惑わされてるわけでなく、霊夢が確かにこの目の前に居るって判った
今だからこそ言えるけどさ、俺は霊夢が好きだからいつまでもずっとここにいてもいいか?」
「・・・うん、私もちょっと好きかも。最初は魔理沙や紫とかと同じようにしか思ってなかったけど
こうやってずっと一緒してるとやっぱどうしても意識するようになっちゃって」
「それはきっと俺と霊夢の間に出会った最初の日から見えない運命の紅い糸で結ばれていたからだよ」
「「・・・・・・」」
「・・・なんてな、ちょっとクサかったか」
「相当クサかったわ」
「お前俺の上座ったとき屁こいたろ」
「その余計な一言が自分の寿命縮めるのよ」
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>>541
最近○○と一緒にいる時間が少ない気がする。
朝早くから出かけてしまい、昼ご飯のときに一度だけ戻ったら後は夜まで鉄砲玉。
何をしてるのか聞いても「悪い、今急いでるから」とか言って取り合ってくれない。
掃除中の神社の境内が広く感じた
文が、アリスと一緒に人里で買い物をしている○○を見たって言ってた。
気になる。けど聞くのが何か怖い。
とりあえず文を“説得”して、記事にするのはやめさせた。
疑いたくないのに不安が募る。
○○とけんかした。アリスとのことを問い詰めたから。
○○は一瞬言葉に詰まった後、ごまかそうとした。
だから怒って追求したら、「言えないものは言えないんだ」って逆に怒られた。
神社の境内がとても広く感じた。
その日の夜、「これやる」といって○○が包みを二つくれた。
中にはそれぞれクッキーと、不恰好なリボンが入っていた。
赤い布地に白いレース、素人丸出しの不揃いっぷりだった。
○○の指には絆創膏がいっぱい。今まで気付かなかった。
不意にアリスといた理由がわかった。
何か言おうとしたとき、○○が「ごめん」と一言だけ。
なんだか涙が止まらなくて、あわてる○○の顔がおかしくて、
だから涙が止まった後も、ちょっとだけ嘘泣きを続けた。
○○はその間、私をぎゅっと抱いてくれていた。
「まったく、わざわざ何日も家庭教師をしてあげて、お礼がクッキー一袋? 割に合わないわよ、もう」
そう言いながら、アリスは道具と本を片付ける。表紙には、「レースの編み方入門」とかかれていた。
周りには、アリスが作ったにしてはあまりに不恰好な、レースの飾りが散らばっている。
「デモガンバッテタァヨ? アリス」
「ガンバッテター」
「そりゃあね、でも片付けぐらいちゃんとしていきなさいよ、いくら日付が変わりそうだからって…ねぇ?」
「ソゥダネェ」
「カエルマデガエンソクー」
「遠足とは違うけど…まあそういうことね。全く、生徒が先生に片付けさせるなんて」
そういいつつも、片付け続けるアリスの表情は、あんまり怒っているようには見えない。
「ま、頑張ってたし、このくらいは見逃してやるか、次は無いけど」
「ツギハァナイー」
「ナイー」
楽しげに復唱する人形達の姿にクスリと笑うアリス。
そうして片づけが終わる頃、非常識な来客が現れた。
「ようアリス、邪魔するぜー」
「ァ、マリサダー」
「マリサー」
「邪魔するぜー、じゃない! 藪から棒になによ魔理沙!」
「いや、実験にちょっと失敗してな? ほとぼりが冷めるまでうちに戻れないんだ。つー訳で泊めてくれ」
「と、泊めてくれって、あんたねぇ!」
「マリサ、ォトマリィ?」
「オトマリダネー」
突然の展開に混乱するアリス。だが、その顔こそ赤くなってはいるが、あまり嫌そうでもないように見える。
「お、クッキーか? 丁度小腹がすいてたところだ、どれ一つ」
「あ、こら!」
「ふむ、なかなか。作り方変えたか? 味がちょっと違う気がするが。市販?」
「べ、別にいいでしょそんなこと!」
「そうだな、ま、アリスも一枚食べてみろ、いけるぜ。その間に私が紅茶を入れてきてやろう、今日は特別だぜ?」
「あ、あのね」
「何、気にするな、泊めてもらうんだしこれくらいはするさ」
「勝手に話を進めない! って言うかそれ秘蔵のお茶っ葉! こらー!」
「かたい事言うなって」
「も~~~!」
「「ティーパーティー♪」」
その後、しばし真夜中のお茶会。
その中でアリスは、ブツブツいいながらも……その顔はどこか、楽しそうだった。
次の日、魔理沙が来て、「何だ? そのひしゃげたリボンは」とか言ってきた。
カチンときたのでぶっとばした。
いいのよ、これはこれで。
だって、それでも一生懸命に作ってくれたって事だから。
あとがき――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
ホワイトデーネタのつもりでやってみました。
いつものに似た新しいリボンを作ってプレゼント。
……霊夢のリボンって赤地に白いひらひらの縁取りでよかったですよね?。
~チラシの裏~
原稿用紙の書き方を久々にもう一度見返してみて、自分の書き方が大体間違ってなさそうなことに安心したのも束の間、
前回流し読みしたときには気付かなかった項目が一つ。
「…(三点リーダ)」は2個1セットが基本だったとは……。
今までふつーに1個1セットで済ませてました。orz
~ここまで~
それ以前にまず霊夢が霊夢じゃねぇ……orz
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3スレ目 >>398
二人きりになったとたんに霊夢にごろごろ甘えられたい。
ごろごろ ごろー
普段のそっけない態度と打って変わって
ごろごろ ごろー
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3スレ目 >>400
「部屋片付けに来てあげた……わよ」
休息日の昼下がり、呼び鈴が鳴ったので玄関の戸を開けると、霊夢が立っていた。
先日酒の席で「散らかり放題の僕の部屋を片付けてやる」と意気込んでいたが、
本当に来るとは思わなかった。
「はいはいどいてどいて」
突然部屋から引きずり出され、布団と一緒に縁側に放り出された。
――な、なんか凄いやる気を感じるんだけど。
「とっとと済ませれば後が楽なのよ」
ガンガンとまとめられるゴミ。みるみるうちに部屋が片付いていく。
僕はその間に布団を干し、叩く。
「はい、お終いっ」
振り向くと霊夢は玄関から出て行こうとしていた。
声をかける間もなく霊夢は玄関から出て行った。
――……………ええ?もう帰んの!?
綺麗になった部屋で寝転び、嵐のように来て嵐のように帰っていった
霊夢の事を考えていると、玄関がガラガラと開いた。
「なぁーにシケた顔してるのよ」
霊夢がいろいろと食材を持って上がってきた。
――あれ、帰ったんじゃ……?
「夕食くらい面倒みるわよ。不満なら帰るけど」
エプロンを身につけ、台所に向かう霊夢。
文句なんかあるわけがない。
――僕も手伝うよ!
「楽しみに待ってて、と言いたいところだけど、二人でやれば二倍美味しいものができるかもね」
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「霊夢、好きだぞ」
「あぁそう? それはどうも、私もあんたのことは嫌いじゃないわ」
と、真顔で言っても全く照れない霊夢が俺のジャスティス
3スレ目 >>579
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3スレ目 >>841
いかん、霊夢分が不足してきた。
空飛ぶ不思議な巫女
「私ね、空が飛べるの」
「ハァ?」
「信用してないようね。ちょっとやってみるから見てなさい、ほらっ」
宙に浮く霊夢
「…!?@\★◆∀ΖΘνF91」
「あら、驚いて声も出なくなっちゃった?ちなみに素敵なお賽銭箱はそこよ」
「…ぱ、ぱんつはいてない」
「☆◎#※∇∵ÅД%!?」
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4スレ目 >>51
なぁ霊夢。
「何よ。」
いや、何よて。幾ら傘が一つしか無いからってくっ付きすぎだろ。
「いいじゃない、減るもんでもなし。」
いやほら、俺男だしあまりくっ付かれるとムラッとくるっつーか過ちを犯しちゃいそうになるっつーか…。
「○○になら…」
ん?
「○○になら…その…私は後悔…しな…ぃ…。」
霊夢…、本当に俺なんかでいいのか?
「……。(こくり)」
(省略されました・・初夜を読むにはエイジスプロテクターからデストローイ、デストローイ)
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最終更新:2010年05月13日 00:30