霊夢10
7スレ目 >>245
霊夢「浮気してもいいわよ?
ちゃんと私を見てくれるのなら」
○○「……霊夢」
魔理沙「……と、霊夢は言っている」
○○「うおっ!?」
萃香「……が、しかし」
幽香「万が一、ということもあるわ」
霊夢「ちょ、あんたら人の濡れ場に何勝手に――」
アリス「ええ、余所の女に現を抜かして、霊夢を蔑ろにするような事があれば」
レミリア「もしも、彼女の枕が涙で濡れる事があろうものなら」
紫「博麗大結界と閻魔様――そして霊夢の涙に誓って」
レミリア&幽香&萃香「――私達は貴方を八つ裂きにする」
紫「月の都に『○ぁっきん・るなてぃっく』と書かれたシャツ一丁で
特攻させてやる」
アリス「そして『シリー・ウォーク』とかいうとれんでぃな歩き方で、
正気を失うまで幻想郷中を歩き回らせるわ。人形みたいに」
魔理沙「勿論稗田家にも記録してもらう」
レミリア「しまいにはアームストロング砲に300kgの爆薬と一緒に詰め込んで発射」
幽香「汚い花火になるでしょうね」
霊夢「え、えーと、流石に其処までは――」
紫「御免なさいね霊夢。でもこれだけは貴女の保護監督者として
言っておきたいの」
レミリア「私も、下劣な男に霊夢を取られたなんて思いたくも無いからな」
萃香「で――どうなのよ駄目亭主」
○○「い、いや……滅相も」
幽香「あ゛ぁぁぁぁぁぁん゛ッ!?はっきり言わんかい!?
はっきりせんとその小汚いモン蹴り潰すわよ!?」
○○「アイ・メム!!しかと胸に刻みました!!メム!!」
「「「「「「よろしい」」」」」」
霊夢「浮 気 前 提 で 脅 す な ッ!!!」
「「「「「「すみませんでした!(断末魔)」」」」」」
――陰陽散華-Lunatic-
霊夢「ったく……ねえ○○」
○○「お!おおぅ!何だ霊夢!何かあるか!?」
霊夢「私ってさ、何だかんだで魔理沙よりズボラだし」
魔理沙in壁に耳「(そこで私を引き合いに出すか)」
霊夢「アリスよりツンばっかりで、しかもデレられないし」
アリスin同上「(ツンって何よ……?)」
霊夢「レミリアよりお転婆な事もするし」
レミリア「(人間でソレ出来るのが恐ろしい)」
霊夢「幽香より少女趣味だったりするし」
幽香「(なら袖をやめれ)」
霊夢「ウワバミだし」
萃香「(そーいえばこないだ文に勝ったね)」
霊夢「トドメに紫みたいにネボスケだったするし」
紫「(昼まで寝てるのを堂々と見せるのは乙女として……ねえ?)」
霊夢「やっぱり……そんなに魅力ないのかしらね」
(がばちょ)
霊夢「きゃあッ!?ちょ、貴方いきな――んー!?」
○○「――あのなあ、霊夢」
霊夢「んは、何よ!?いきなり」
○○「前からそうだが――特に今。俺には可愛すぎる」
霊夢「へ?」
○○「何が浮気だ。今お前以外見えない」
霊夢「――」
○○「なのに魅力が無いなんていうのなら――」
霊夢「え、あ、ちょっと待っ、多分あいつら外――んっ!」
○○「黙る気になった?」
霊夢「ぁ……だめ、多分泣いちゃう」
○○「泣いているのも可愛い」
霊夢「じゃあ、泣いちゃうから――
せめて、可愛い声で泣きたい」
○○「……やばい、直撃した」
霊夢「なぁ!うぁんっ――待ってこんな格好――」
――ぱちん(スキマが閉じられました)
魔理沙「……こ、これは(赤面)」
アリス「な……何というか(もじもじ)」
萃香「あー……何か熱いね(ぱたぱた)」
幽香「そうね、呑みに行く?(いそいそ)」
レミリア「……冷酒がいいわね(ごくり)」
紫「じゃあ、私の奢りと言う事で。
本当に――アツアツですわ」
7スレ目 >>240-241
244へ。やれるものなら某佐山級にグレイズしまくりたいが
これがこの板その他諸々の限界だ!後は幻視してくれ!
紫「さて○○、霊夢を(違う意味で)泣かしているわけだけど」
○○「ああ、弁明は無い。だが敢えて言うのなら、だ」
紫「はい?」
○○「あれ以来、霊夢はよりアクロバティックな挙動とマーヴェラスな戦術を
次々に覚えていってなあ。いやあ実に『良い』ね。
才能もある。俺の想像内でしかない挙動を明瞭に再現してくrごきゃ)ぱうあ」
霊夢「あ ん た ね え ッ !?(赤面)」
紫「あらあらタイじゃなくて首が曲がっているわね。
それにしても――」
霊夢「何よ」
紫「出来てるみたいじゃないの、『デレ』」
霊夢「……夫婦になるなら……どうせ経験する事なんだから……
その、えーと……『良い』方が良いでしょ?お互いに……色々と」
(ごにょごにょもじもじ)
紫「おやまお熱い。果たしてどんなマニューバなのかしr」
「こうか!博麗ドライバー!!」
「(ぽきぃっ)ぺぉあ」
霊夢「ったく……ほら○○、首が曲がっていてよ(べき)」
○○「げぁお!こ、殺す気か!」
霊夢「喧しい!ほら、罰として掃除!」
○○「へ、へーい畜生ー(すたこら)」
霊夢「……そろそろ、また新しいの覚えよう…かな……(もじもじ)」
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7スレ目 >>285
「雨だなぁ」
「雨ねぇ」
しとしとぴっちゃん。そんなフレーズが過ぎりそうな、表の雨模様。
幻想郷の開花、折角の春模様。そんな景観を台無しにしてくれる大雨だった。
表から響く雨音に耳を傾けながら、淹れたばかりのお茶に口を付ける。あぁ、美味し。
向かいには、退屈そうな半目でちゃぶ台に顎を乗せた霊夢が。朝からずっとこんな調子だろうか。
そら、明日は花見にでも行こうか、と話していた矢先にこれだからな。憂鬱に成るのも無理は無い。
「……その内止むだろ」
「その内、ねぇ。そのフレーズ、聴いたの五回目かしら。六回目かしら?」
「あー、止まない雨は無いって言うもんだけど」
「桜が散っちゃうじゃないぃー……」
バタバタと屋根から聴こえる雨音は、雨足を緩めずに無機質に。
障子の隙間から見える桜は、雨に濡れて心なしか艶やかに見える。舞い散る花弁が、まるで季節外れの雪のようだ。
まあここ幻想郷だから、小高い山辺りには多少雪が残ってると思うけど。
「ある意味、これも春じゃない?」
「まあ、そうだけどねぇ……」
はぁ、とため息が聴こえた。そりゃあ、この天気じゃ霊夢じゃなくても退屈するだろう。
朝から読んでいた、神社の社務所に置いてあった妙な本達も、そろそろ底を尽き始めた。と言うか、
字が難しくて読めるものがあんまり無い。おまけに埃だらけで、手を付ける気に成れない物もたくさんあった。
まったく、霊夢の代ではこんな本を書く事も無さそうな気がするぞ。
御阿礼の娘が書くから良いの、とか霊夢は言ってたけど、どういうこっちゃ。
「こんな春があっても良いんじゃないかな?」
春雨、と表現するには強すぎるが、軽快に響く雨音は耳に心地良い。
雨音に限らず、自然にはたくさんの美しい音色が隠れている。それが晴天の時でも、曇天の時でも。
だが、霊夢にそんな情緒を感じる余裕は無いようで。
「いーやーよー。最近運動もしてないし、散歩ぐらいはしたいわ」
「どうせ飛ぶだけ飛んで結局その辺で昼寝するくせに何を言」
あれ? 何だか目の前が急に真っ暗に成ったよ? あぁ、俺布団に突き刺さってるのね。
気付けば霊夢にすっ飛ばされ、襖の向こうの布団に頭が突き刺さっていた。いやぁ、人間って真っ直ぐ飛ぶんですね?
「……こ、殺す気かっ!」
どこぞの漫画よろしく即座にツッコミを入れる俺だが、霊夢はニヤニヤと意地悪く笑うだけだ。
「運動がてらよ、運動がてら」
「こんな運動があってたまるか!!」
「こんな春もあっても良い、って言ったのはどっちなのよ」
そう言う意味じゃ、と言いかけた俺の唇にスッと指を当て制止する霊夢。
艶かしい笑みを浮かべたその顔は、俺でなくとも、人妖の境さえも越えて誰しもを惹き付けるモノだと思う。
「それじゃあ、こんな春はどうかしら?」
「……あぁ、勿論大歓迎だ」
世の中には色んな春がある。それは幻想郷も同じこと。食欲だの読書だの芸術だの、考えれば幾らでもある。
どれにも共通するのが、楽しまなきゃ損って事。
「春だなぁ」
「春ね」
こんな風に、二人で楽しむ春だってあるもんさ。
きっと、大勢で騒ぐ宴会のように熱く、そして騒ぎ終わった後のように静かに。
ま、宴会に比べりゃ後片付けは楽かもな。
「よーっと、雨宿りに来てやっ……」
『……あ』
お粗末。
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7スレ目 >>306
なんとなしに月を見ながら霊夢と会話
「なー霊夢、霊夢はGWどうするんだ?」
「私?私は基本的に神社からは離れられないわよ」
「それってつまらなくないか?」
「いいのよ、だって○○が居るじゃない
ずっと一緒に居てくれるんでしょ?」
「え?あ、ああ///ずっと一緒に居てやるよ」
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7スレ目>>574
うららかな昼下がり。
いつもの里での仕事が終わった俺は、住まいの博麗神社へ。
並み居る敵をちぎっては投げ、ちぎっては投げして手に入れた、
愛する霊夢の元への帰路にあった。
もっとも、敵が全て女性だったことが、幸いしたのかもしれないが。
博麗神社へ帰ると、霊夢は掃除をしていた。
今日はいつもより時間が早いので、
おそらく彼女は、この時間に俺が帰っているとは思いもしまい。
そう考えると、悪戯心がむくむくと湧いてきた。
抜き足、差し足、忍び足。
クマザサの繁みを抜け、ホトトギスは踏まないように、
クマガイソウやウラシマソウの群生を掻き分けて、
ホタルブクロを跨ぎ、霊夢の後ろ側に出る。
ここまで来れば、もう一息。
だったのだが――。
「うっ」
後一歩、のところで、
振り返った霊夢に、おでこをこつん、と、
やられてしまった。
「なんで、わかった?」
「……ばかね。
他の人ならいざ知らず、私があなたの気配を感じ取れないはずがないでしょう?」
霊夢ははにかみながらそう言った。
実は、ちょっと自分の台詞に照れてるのかもしれない。
そして、俺に箒を渡してくる。
「これは?」
「箒よ。見ればわかるでしょう?
2人でやれば、その分2人の時間が持てるもの。
いいじゃない。夏なんだから、落ち葉なんてほとんどないから楽よ」
「わかったわかった」
箒を取ると、霊夢の横で掃除を始める。
すでに、ほとんど霊夢が掃いていたので、ほどなく掃除は終わった。
「お待たせ」
そして、今。
いささか西日が傾いた縁側で、
霊夢と一緒に、2人きりのお茶会。
綺麗になった庭を前に、二人並んで、
霊夢が俺の右に座る。
俺は、その霊夢の腰に手を回し、ゆっくりと引き寄せる。
霊夢は、抵抗せずに引き寄せられると、
そのまま、俺の胸へと頭を預けた。
……ん?
「なあ、霊夢」
「なに?」
お茶を一口。
最近は暑いから、温めのお湯で入れてくれる。
こんな心遣いが、また、嬉しい。
「シャンプー変えたか?」
「ん、そうね。
立夏も過ぎたし、春の蓬のシャンプーから、ちょっと変えてみようと思って」
「なんのシャンプーなんだ?
この、甘い匂いは」
辺りには、霊夢が俺に頭を預ける時に軽く振っただけなのに、
甘い香気が漂っている。
「ふふふ、当ててみて」
「そうだなあ。甘い匂いっていうと、沈丁花?」
「残念。違うわ。
それに沈丁花は春の野草だもの。わざわざ夏には使わないし」
「夏かぁ。朝顔はこんな感じじゃないし、向日葵も違うよなあ……」
「降参?」
「ああ、降参。さっぱり見当がつかない」
霊夢は、唇に手を当てて悪戯っぽく笑うと、
「答えはね、麝香草」
とのことだった。
曰く、香水なんかに使われる、薫り高い草らしい。
そんなことを笑いながらおしゃべりしていると、
また少し、西日がこっちを向いた。
「暑くなったな」
「さっき萃香が来たわ。
西瓜を幽香からたくさんもらったから、おすそ分けだって。
井戸に冷やしてあるから、晩ご飯の後食べましょう?」
「いいな、それ。
それにしても、萃香が西瓜とはこれ如何に」
「はいはい、バカなこと言ってないの」
そして霊夢は、
少し、身を起こして、
上目遣いにこちらを見上げる。
「今日の晩ご飯、何にする?」
「そう言えば昨日のお味噌汁、ちょっと甘かったかな」
「うふふ、愛がいっぱい入ってたから」
「どれくらい?」
「3割増。
なーんてね。本当は咲夜にもらった赤味噌使ってみたんだけど。
そっかぁ。甘かったか――」
ちょっと眉根を顰めた霊夢。
俺は、右手を霊夢の腰から離すと、
そのままその手で、彼女の長い髪を梳く。
「別に、不味かったわけじゃないさ」
「うん。それなら、安心した」
そう言って、再び俺の胸板に寄りかかる霊夢。
俺が髪をさっきから梳いているせいか、
気持ちよさそうに目を瞑っている。
話で喉が渇いた俺は、お茶を一口。
それから、お茶請けの栗まんをぱくつこうとする。
その、瞬間。
「安心したら、お腹が空いてきたわ。
お饅頭、もらうわね?」
霊夢は、不意に目を開けると、
俺の、口に銜えかけの栗まんを半分、奪い去った。
唇同士が触れ合う。
「……霊夢」
「なに?」
「……狙ってただろ」
見事に策が決まってご機嫌の霊夢。
恨みがましい声をかける。
ああ、今日は好物の兎屋の栗まんだったのに。
「だって」
「うん?」
「最近、キスもご無沙汰だったじゃない。
なんとなく、寂しくて」
俺を直視しないように横を向く霊夢。
俺からは表情は見えないが、
そんな霊夢を、ぎゅっ、と抱きしめる。
「言ってくれれば、いくらでもするのに」
「こう言うのは、雰囲気でするものよ。
デリカシーのない人ね」
耳元で囁くと、すぐに答えが返ってきた。
ご機嫌斜め。
でも、振りほどくつもりがない辺り、この体勢は気に入っているようだ。
霊夢を抱きしめたまま、穏やかな時間が流れていく。
気がつくと、すっかり日は落ち、
星々が、紫色の絵の具で空を染めていた。
「もう、晩ご飯の支度しないと」
名残惜しそうに、俺の手を解く霊夢。
そのしなやかな指で、俺の指を一本ずつ、ゆっくりと。
そんな彼女を、凄くいとおしく感じて、
「霊夢」
「なに?」
立ち上がりかけた彼女の唇を引き寄せ、
「ん……」
軽く、奪う。
「晩ご飯、期待してるから」
「ええ、楽しみに待っていて」
霊夢はそう言うと、ちょこっと腕まくりをする仕草をして、
座敷の向こう、台所へと消えていった。
麝香草の甘い残り香が、仄かに漂った。
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7スレ目>>593
一つ、煙草は手放せない。
とっくの昔に俺はニコチン中毒だ、やめられない。
日銭を稼いではそれを数日の食料と煙草に消す。
生活できればそれでよかった。
一つ、シチュエーションも大事だ。
一言に煙草を呑むといっても、それ次第では味も変わる。
時と、場所と、その他諸々。全てが狂おしく混ざり合って最高の味になるものだ、何でも。
「……それで? 神社の境内で煙草を吸うなと何度言えばわかるの」
俺にはお気に入りの場所は何箇所かあって、時間帯で変えることにしている。
朝は、魔法の森。入ると出られなくなるから、見るだけだが。
朝靄が立ち込める中で、紫煙をふかすのも乙なものだ。
昼は、川原と相場が決まっている。程よいまでに涼しければ、煙草の味にも清涼感が加わるというものだ。
そして、夕方にかけては、辺りを一望できる所が望ましい。
変わってゆく景色を眺めなければ何が黄昏か。
近くに山はいくつかある。が、何処も登るのは大変だし、人がいない。
それがない点、この神社は最高の条件を――。
「だからさっさとその煙草を消しなさい。鼻がもげるわ」
「ちっ、うるさいな。毎日毎日よく飽きねぇよな、お前」
訂正しよう。口うるさい巫女がいなければ、最高の条件を備えている。
第一、俺は神社に入ってなどいない。鳥居に寄りかかっているだけだ。
それなのに、巫女はうるさく俺を叱り付ける。
曰く、煙草臭い。
曰く、ヤニがつく。
曰く、健康に悪いからやめろ。
お前は俺の何なんだと小一時間問い詰めたい。
「ねぇ、それよりさ、今日家で晩御飯食べてかない?」
「ああ? あー、いいや、いらねぇ」
「あ…………、そ、そう。そう、なら魔理沙にでも食べさせるわね」
「へえへ、あいつも幸せだな。毎晩飯食えるんだからよ」
「本当、感謝して欲しいわ」
大きくため息をつく巫女を尻目に、俺は立ち上がる。二本目の煙草に火をつけて、石段を降りる。
後ろから、何か怒りの声が聞こえたが、俺の知ったことか。
無視して石段を折り続ける。ふと、眼下に白黒の人影があることに気づいた。
宵闇に溶け込むそれは、エプロンドレスの成せる業。
人影は口元を楽しげに歪めながら全貌を沈みかけの太陽に晒した。
「へへ、お前も罪な男だぜ」
「なにがだよ。人に分かるように日本語話せよな」
「霊夢が毎日誘ってるってのに、断り続けるなんて罪な男だって言ったんだぜ」
「ああ……あれか、ウザいだけだ」
「本当に罪作りな男だぜ。……一本くれよ」
手を出して煙草をせがむ魔理沙に、できるだけ苦々しい顔をしてそれを渡してやった。
魔理沙は嬉々として火をつけ、深く紫煙を吸い込んだ。
吐き出した煙は、しばし中空を漂った後、闇に溶けた。
吐き出したそのままの姿勢で、魔理沙はぽつりぽつりと言葉を発し始めた。
彼女にしては、神妙な声音だった。
「お前も、いい加減に応えてやったらどうなんだ? 嫌なら嫌と言えばいいんだぜ。霊夢はそれきしのことでへこたれる女じゃないんだぜ」
「へいへい、わっかりました」
「…一度でいいんだ。あいつに、応えてやってくれよ」
「あ? マジになんなよそんなことぐらいで」
「私が言いたかっただけだぜ、聞き流してくれ。……じゃあな!」
いつも通りの笑みで、階段を駆け上がる。あっという間に姿は闇に溶けて見えなくなった。
煙草を深く呑む。苦い味が、広がった。不味かった。
紫煙を一気に吐き出す。魔理沙の言葉も、一緒に吐き出した。
◇◆◇
時は経って、夕暮れ。俺はまた何時も通りに煙草を満喫していた。
そして、やはり何時も通りに俺を叱り付ける霊夢の姿もあった。
「だからっ、人の神社で煙草を吸うなというに!」
「うるせぇな、何処で吸っててもいいだろ」
「ぐ……ま、まあそうなんだけどね。でも、吸殻の掃除くらいはして欲しいな、なんて」
「はっ――――」
断ろうとして、言葉を詰まらせた。
どうしてか、続きが出ない、言葉に出来ない。
理由は分かっていた。先日の魔理沙の言葉が胸につかえているからだ。
――霊夢の気持ちに応えてやれよ
それが、どうして俺に枷をはめるのか。わからなかった。
だけども、断るにしても、受けるにしても、何を受けるのだろうか、無下にするのは嫌だった。
だから、口をついて出た言葉は
「――わかった。箒貸せよ」
「え……? 今、何て?」
「だから箒貸せっての」
呆然とした顔の霊夢から、箒を奪い取って手早く足元を掃いた。
そそくさと箒を押し付けると、足早に石段を降りた。
少し顔を火照っている様な気がする。俺としたことが、何をしているのか、自分でも不思議に思っていた。
だけど、ほんの少し、胸の奥に生まれた感情。それだけは俺の本心を如実に表していた。
間違いなく、骨の髄まで、俺は、霊夢といることを楽しんでいた。
「へっへ~、楽しそうな顔してるじゃないか」
「…ちっ、魔理沙か。人の顔勝手に見るんじゃねぇよ」
「ニヤニヤして往来を歩く奴の方が悪いんだぜ。……ん」
「だぁーってろ、集り野郎が」
またも、一本煙草を持っていかれた。
そういえば、俺もまだやってなかったと思い立ち、火をつける。
石段から空へ昇る紫煙が二筋。月まで届くだろうか。
次の日、どういうわけか、俺は神社の離れ――霊夢の寝所だ――にいた。
しかも、卓袱台の前。その上には湯気を立てる茶碗。
その隣には味噌汁が並び、向こうには質素だが味のありそうなおかずが顔をそろえていた。
さらに卓袱台の向こう側。恥ずかしげな、それでいて喜色満面な霊夢の姿がそこにある。
簡単に言うと、俺は何故か霊夢と食卓を共にしているというわけだ。
「えっと、召し上がれ? 冷めちゃうわよ」
「あ…ああ、そうだな」
どうしてこんなことになったか、箸を動かしながら反芻した。
昨日から始めた、境内の掃除(俺は掃除なんてしているつもりは無いが)。
その礼だ、ということだ。
余りにも簡潔、且つ、分かりにくい理由だった。
思惑がばればれな、ガキの理論。見え隠れする大人の感情。
俺はそれらに誘惑されたのか、それとも?
兎にも角にも、俺は胸の感情に身を任せたに過ぎない。
その先は、誰かが知っているだろう。
「ね、ねえ、美味しい?」
「む……ぐ…」
夢中で食べ続ける俺に、霊夢の問いかけは届かなかった。
意図的に無視したつもりだったのだが彼女はそうはとらなかった。
甲斐甲斐しく俺の世話を焼こうとする。
茶碗に米をよそったり、茶を注いだり。
布巾で口周りを拭く、というのは止めたらしい。顔が真っ赤になっていたから、やろうとは思ったらしいが。
ものの十数分で食事を終えた俺は、箸を置いた。
改めて、霊夢が俺に問う。
「ねえ、美味しかった? 口に合えばいいんだけど……」
「ああ美味かったぜ、霊夢にしてはな」
「なっ! 何てこと言うのよ、食べさせてもらった癖して!」
「おいおい、お前が誘ったんだろうが」
やはり、茶化すと霊夢は激昂した。顔を別の赤に染めて、俺を怒鳴りつけた。
それを、霊夢にばれないように、小さく笑いながら俺は懐から煙草を取り出した。
一本手にとって、火をつけようとした。
しかし、煙草の先に火がつくことはなく、虚しく火は中空を焼くばかりであった。
煙草が消えた先を見れば、霊夢がそれを手で握り折って、庭に捨てていた。
「おい、なんてことすんだよ!」
「人の神社で煙草を吸うなって何時も言ってるでしょ。
それに、煙草は体に悪いんだから。肺ガンとかになるのよ?
歯も黄色くなるし、体力は落ちるし、肌も汚くなっちゃうんだから。
だから――」
「うるっせぇ!!」
がづん。
俺はほとんど反射的に、拳を振るっていた。
それは霊夢の顔のすぐ横、縁側の柱を殴りつけていた。
驚いた顔の霊夢に、少しづつそれ以外の感情が表れる。
――驚いた――どうして――怖い――どうして――どうして――なんで――――
そんな顔の霊夢を見たくなくて、俺は縁側から庭に下りた。
夕暮れをとうに通り越した、闇の中を俺は歩く。足音も荒く、ほんの少しの灯りを頼りにして。
「ま、待って! 何処行くのよ!?」
「帰るんだよ、家に」
「なんで!? もうちょっとゆっくりしていけばいいじゃない!」
「――嫌気が……差したんだよ」
霊夢が息を呑む。驚愕に顔が彩られて、涙目になる。
俺は俺とて、自分の言葉に感心していた。
ああ、俺は彼女のことをそう思っていたのか。
霊夢はうっとうしいと、
俺の邪魔をする奴だと、
相手をするのは面倒だと。
一緒にいることを楽しんでいたのは、一時の気の迷いだと。
不思議な気分だった。初めて煙草を口にしたときのような、背徳感と、愉悦。
結論を出せたことに満足しながら、俺はさらに歩を進める。
が、小さな衝撃でそれは止まる。視線を下ろせば、霊夢が俺の前に立ちはだかっていた。
「…………どけよ」
「ダメ! 夜は危ないんだから、妖怪がいるんだから。
貴方なんか、スペルカードも使えない貴方なんか、すぐに食べられちゃうんだから。
だから、もう少し、家にいてよ。そうすれば――」
「霊夢が守ってくれるってか? はっ、願い下げだな。
自分勝手な理屈を振り回す奴なんて、信用できるかよ」
霊夢が俯く。唇をかんで、泣くのを堪えているかのようだ。
俺は体を横にずらして、霊夢の横をすり抜けようとした。
それを霊夢はまた止める。小さな体を精一杯に広げて。
その肩は震えていて、顔は上げることすら出来ずに、嗚咽すらもう漏れていた。
涙交じりの声を、霊夢は紡ぐ。懇願するように。
「お願い……もう少し、だけ、私と一緒にいて……」
「…ふん、嫌だね。つーか、脅しの次は泣き落としか?
はは、惨めだな。博麗の巫女様よ。その顔で町に行ったらどうだ?
きっと皆賽銭入れてくれるぜ? ああ、なんて可哀想なんでしょう、巫女様! ってな」
「どんなに、言って、も、いいから…………お願い…」
「はいはい、いい加減に黙れよ。耳障りだ」
ぼろりと、霊夢の瞳から大粒の涙が零れ落ちた。
嗚咽は堪えきれずに、泣声と成り、そして慟哭に昇華していった。
どこか壊れた声を聞きながら、俺は石段を降りる。
煙草に火をつけようとして、何かの雫がそれを掻き消した。
不思議に思って、頬に手をやる。
涙に頬は濡れていた。
「は――――」
笑ってしまいそうだ。笑いと涙を堪えるのがとても辛い。
しばらく上を向いて眼を閉じる。満天の星空も、煙草の火も、何も見えない。
ただ、真っ黒な闇が広がるばかりだった。
◇◆◇
何者かの気配に眼を覚ました。
場所は俺の寝室。昨日、家に入るなりベッドに潜り込み、そのまま眠りについた。
眼が痛い。寝ながらも泣いていたらしい。
それを気にしながら、家の中に声を響かせる。
「誰かいるのか」
「――私だぜ」
家具の陰から出てきたのは、魔理沙だった。
何時も通りの、エプロンドレス。箒片手に、ふんぞり返っている。
「何の用だよ、俺はお前に飯を食わせてやる余裕は無いぞ」
「……泣かせたな、霊夢」
「っ! …だからなんだよ」
「ああ、殺してやろうと思って」
言うや、魔理沙が箒を振るう。
不意を打たれた俺は、それをまともに喰らってバランスを崩した。
間髪いれず、足払い。無様に背中を打った俺に、魔理沙が跨る。
マウントポジションをとって、八卦炉を構える。
それにどんどん何か、得体の知れない力が溜まってゆく。
それが一杯になった時、俺の体は消し炭になるのだろう。
「殺す前に訊くぜ。お前は霊夢のことをどう思う」
「……ウザい奴、面倒な奴、邪魔な奴、お節介な奴、だ」
「ほう、それで、どう思う」
「だからっ、答えただろうが」
「違うな、お前は嘘をついてるぜ」
「ああ? 俺が嘘をついてるって?」
「ああ、ついてるぜ。真っ赤な嘘だぜ」
訳の分からないことを言う。
何で俺が嘘をつかなければいけないのか。
どうして俺が嘘をついていると分かったのか。
何もかもが分からなかった。俺の嘘も、その理由も、魔理沙がそれを看破した理由も。
「もう一回訊くぜ。お前は霊夢のことどう思う?」
「……わかんねぇよ、んなこと」
「少し正直になったぜ。じゃあヒントをやるぜ。『なんでお前は毎日神社で煙草を吸うんだ』?」
「あ…………!」
盲点、盲点だ。
どうして俺が、俺は、神社を選んだんだ。
黄昏時、景色を一望できる場所はいくらでもある。
なのに、それなのに、俺が神社にわざわざ行っている、言っていた理由。
それは――――。
「さあ、どうしてくれようか。マスタースパークで焼き殺していいか?」
「っせぇ! どけ、魔理沙! 俺は、いかねぇと!」
「ほう、何処に?」
「は――――霊夢の所に決まってるじゃないか」
じゃあ行けよ。
魔理沙はそう言って俺の上から体を下ろした。
俺は出来うる限りの速さで体を起こして、走り出した。
玄関を破るように、道を我が物にして、走る、走る。
神社へ向かう石段。その下で息を整える。そして、一気に登り始めた。
すぐに息が上がる、胸が痛い。でも、行かなくては。
止まろうとする足を叱咤して、登り続ける。
頂上、神社も間近になった頃。俺は立ち昇るか細い煙を見つけた。
「霊夢……」
「……………………」
霊夢は答えない。ただ、黙って景色を眺め続ける。
俺はその横に腰を下ろして、ポケットを探る。
煙草は一本たりとも見つからなかった。魔理沙が抜き取ったのか、昨晩落としたのか。
理由はともかく、俺は話題が出来たことに感謝した。早速使わせてもらうことにした。
「…おい、霊夢。一本くれよ」
「……………………ん」
差し出された一本を、受け取る。火をつけて、煙を吸うが、すぐに吐き出した。
足で煙草を踏み消す。
「…………なんでそんなことするの? ここは最高の場所じゃなかった?」
「ああ、今まではな」
「なんで? なんで変わったの」
「お前のせいだ……霊夢。お前が変えちまったんだよ」
「それは御大層なことね」
「今までの美味い煙草を取り返させて貰うぜ」
「――――ん、あ……」
霊夢の口から煙草を奪い取って、代わりにそこへ口付けた。
乱暴な、だから気持ちのこもった接吻。
苦い苦い、煙草の味のそれをただ俺は続けた。
どれだけ口付けあっていたか、分からなくなった頃に俺はようやっと唇を離した。
霊夢の瞳を覗き込む。頑なに何かを拒む素振りを見せるが、すぐに。
「う、う、う、ううう、ううぅぅうううう……!」
「大好きだ、霊夢」
「何でっ! 何で今更なのよぉ! 何で今なのよぉ! 何で何でぇっ!」
泣きじゃくる霊夢を胸に抱えて、俺は眼を閉じた。
ひたすらに泣き続ける霊夢の髪をなでつけ、くしずいて泣き止むのを待つ。
どれだけ時間が経ったか。それすらも分からない。足元で煙草がくすぶっている。
霊夢が俺から顔を離した。泣きはらした真っ赤な顔で俺を見上げる。
確認するように、もう一度、今度は霊夢からの口付け。
「……ん、は……」
「私も、貴方のことが好き。大好き」
「俺もだ、大好きだぜ、霊夢」
煙草を取り出して火をつける。深く、味わうように、噛み締めるように、それを呑む。
視線を遠くの山へ。煌煌と光が俺たちを射る。
言葉はなかった、必要がなかった。互いに気持ちを確認した俺たちに、そんなものは最早要らなかった。
ただ、こうしているだけで、一緒にいるだけで。
「ねえ、美味しい?」
「ああ、最高だ」
昇る紫煙は風に吹かれ、ちぎれ、消えた。
(了)
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7スレ目>>481
ニコ動で見た猫動画と霊夢動画が脳内でごっちゃに成ったので書いた。
霊夢って猫っぽいと思う。勿論、某犬耳霊夢も大好きですよ。
朝起きたら…霊夢に、猫耳が生えていた。
霊夢が欠伸をすると同時にピコピコと二、三度動く。
オイ、可愛いなオイ。だが、今ツッコミを入れるべきはそこではない。
「…何だこれは」
「うーん、耳ねぇ。それも猫の」
「それは分かってる。どうしてこんなモノが生えてるのかと」
「そりゃ狭い幻想郷、紫の仕業だとか魔理沙の持って来た茸だとか永琳の薬だとか…」
「すまん、聞かなかった事に」
あぁ、良くある事だ。ここは幻想郷なんだ。あるある。
とりあえず、霊夢に猫耳を生やしてくれた誰かに俺は素直にGJを送ろう。
「えい」
「ひゃ!? ちょっ、くすぐった、や、やめてよっ。あぁぅあぁー」
……色々と吹きそうだ。
質感は猫のそれと全く変わらんのだが、対する反応が猫とはかなり違う。面白い。
「……猫っぽくないな」
「猫じゃにゃい」
「猫だな」
「……恥ずかしいから止める」
言うと、霊夢はフラフラと日の当たる縁側へ出て行くと、また一つ欠伸をして寝転がった。
霊夢は素でいつも猫のような事をしているから、耳以外特に変わった事は無いのかもしれない。
ストンと霊夢の横に座り、一つため息をつく。平和だ。
「ん」
いつの間にか、膝の上に霊夢が頭を乗せていた。
「……何やってるん?」
「……猫」
「猫?」
「もう、見れば分かるでしょ。猫よ、猫」
あぁ、いつもの霊夢と少々違う所はここかもしれない。
いつもより、猫のように積極的。まあ、逆に言えば猫のように消極的なのかもしれないが。
「……猫なら一声くらい鳴いてみたらどうなんだ?」
「鳴かない猫だって居るもの」
鳴き声の代わりに、霊夢は欠伸で返事をする。
ふと、庭先に寄せ集まっていた猫の一匹が寄って来て、ニャアと一声小さく鳴いた。
「知ってるか? 猫が人に寄って来るのは、この人は自分のものだ、って主張する為なんだぞ」
「じゃあ、○○も私のものね」
「まあ、膝の上だけな」
「じゃあ、こうすれば全部私のものかしら?」
猫は抱きついたりしないよなぁ。でも、飛びついて来る猫も居るしなぁ。
ピコピコ動く耳が愛しくて、でも耳を触ると怒られそうなので、仕方なく頭を撫でてやる俺なのだった。
「ところで猫なら発情k」
「夢想封印」
ははは、気性が荒げふぅ。
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7スレ目 >>483-484
483 :名前が無い程度の能力:2007/05/10(木) 23:32:24 ID:9Qeo5DWE0
和み系萌え!和み系萌えというジャンルをここに!ここに確立する!
イチャイチャもいいが
朝起きたら飯食って神社の掃除して茶飲んで後ろからぎゅってしながらコタツ入って
色々話しながら何となく寝ちゃって起きたら夜でじゃあ飯食って風呂入って寝ようか
大好きだよ霊夢みたいなのが素敵だと思うよ、僕は、凄く。
484 :名前が無い程度の能力:2007/05/10(木) 23:46:03 ID:T/bR1E3Q0
○「お茶がおいしいね」
霊「私が入れたんだもん、そりゃおいしいわよ」
○「それもそうか」
霊「そうよ」
○霊「「・・・・・」」
○「好きだよ霊夢」
霊「私もよ○○」
>>483
こうですか?
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7スレ目>>485
ザッザッザッ
「なあ、霊夢」
「なに?」
「好きだよ」
「ふーん、そう」
ザッザッザッ
「なあ、霊夢」
「なに?」
「いつまでも同じところを掃いてても掃除終わらないぞ」
「……うるさいわね。今日は念入りに掃除したい気分なのよ」
ザッザッザッ
「どうしてさっきからずっとこっちに背中向けたまま掃除してるんだ?」
「ちょっと今あんたと顔合わせたくないからよ」
「がーん!俺なんか酷いことした!?」
「したわ。とっても」
ザッザッザッ
「あんたの背後で私の弱味をひやかそうとするスキマや酔っ払いやブン屋を呼ぶ程度に酷い事をしたわ」
「んもぅ素直じゃないんだから霊夢ってばー!」
「うふふ、もう少し素直に甘えてあげればいいのに、ねえ?」
「全くです。どうせ撮るならもっとこう、べったりと密着して……」
「あんた達には秘中の秘をお見舞いしてあげるわ」
夢符『幻 想 一 重』
こうですか?わかりません!
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7スレ目>>486
「魔理沙と随分と仲良しじゃない○○」
「は?いきなり何を言い出すんだ?」
「この間魔理沙の家で楽しそうに話してたじゃない」
「見てたのかよ、ってかアレは単に外の話を教えてただけだぞ」
「そういば何か視線を感じるなと思ってたら霊夢か」
「それに紫やレミリアと話す時だって嬉しそうにして…」
「それは単にからかわれてるだけだって」
「私と話すときは嬉しそうにしないくせに…」
「そんなことないよ、霊夢の思い違いだ」
「そんなことある!○○は私のこと見てくれてない!
見てくれてたら私が○○の事好きだって気づくはずよ!」
「・・・霊夢は俺の事見てて俺は霊夢の事見てないって言うけどさ
霊夢も俺の事結構見てないよな」
「な、なんでよ」
「だって俺霊夢の事好きだから」
「え?・・・・嘘」
「本当だってなんなら証拠見せようか?」
「しょ、証拠って・・・・んぅ・・・ふぅ」
「ぷはっ・・・・どう?証拠になった?」
「う、うん/////」
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7スレ目>>551
縁側でお茶をすする二人。
時間は大体巳の刻(午前9時)
「平和ね」
「平和だな」
「なぁ霊夢」
「なに?」
「俺のこと好きか?」
「大好き」
「そっか」
「平和ね」
「平和だな」
「なぁ霊夢」
「なに?」
「俺のどこが好きだ?」
「全部」
「そっか」
「平和ね」
「平和だな」
「ねぇ」
「ん?」
「私のことは好き?」
「愛してる」
「ありがとう」
「ん」
「平和ね」
「平和だな」
「…もう暗くなってきたな」
「そうね」
「飯にするか。今日の担当どっちだっけ」
「さぁ?どっちでもいいんじゃない?」
「そうだな」
「ねぇ」
「ん?」
「私の作るご飯は好き?」
「好きだ」
「ありがと」
「んじゃ、今日はお前か?」
「ううん、それは嫌」
「なんで」
「私は○○の作ったご飯が好き」
「そっか」
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7スレ目>>567
「なぁ、霊夢」
「何?」
「俺は何で、お前の下に居るんだ?」
「私が押し倒したからよ」
「何で?」
「だって○○、何時も魔理沙やアリスと話してるし……
私に……話しかけて…くれないじゃない……」
そう言う霊夢の目に何時の間にか涙が浮かんでいる。
「それは、何時も霊夢に話しかけても答えてくれないから」
「だって……なんて答えたら…良いのか分からないんだもん……
……何て言ったら……好きな人の喜ぶ返事が出来るか分からないんだもん…」
そう言って霊夢はとうとう泣き出してしまった。
「霊夢……」
そんな霊夢の下から抜け出した俺は霊夢の体を抱きしめる。
「御免、霊夢。俺、霊夢の気持ち…分かってなかった」
そう言いながら霊夢の涙を指で拭う。
「○○……私の事、好き?」
「あぁ、俺は霊夢が大好きだ。だから、ずっと霊夢の側に居るよ」
そう言って霊夢に口付けをする。
これからの未来を誓って。
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7スレ目>>592
「すー、すー……ん、○○」
散々泣いてすっきりしたのか霊夢は泣いた後俺のひざを枕にしたまま寝てしまった
あんなに泣いた霊夢を見たのはおそらく初めてだった
「……そんなに悲しかったのか」
霊夢が泣いた理由、なんてことはない些細なことが切欠で始まったただの軽口、悪口の応酬だったはず
それがだんだんとエスカレートして霊夢が
「なによ!○○なんか嫌いよ!」
なんて言うもんだから俺も売り言葉に買い言葉でつい
「あーそうかい、俺だって霊夢のことは嫌いだな、魔理沙の方が好きだな!」
と口を滑らしてしまった
その後はそれはもう泣くわ喚くわの大惨事だった、スペルカードが出ないだけまし何だろうが
手当たりしだい物を投げてくるのは勘弁して欲しかった
「……まあ、俺の責任だしな」
霊夢が俺のことを好きなのを分かっていながら
彼女が一番嫌がる言葉を言ったのだむしろ当然のことかも知れない
「ごめんな、もう悲しませたりしないからな」
そう決意をし俺は彼女の唇に口付けをした
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最終更新:2011年02月26日 23:04