霊夢13



うpろだ401


 俺が博麗霊夢と付き合いだしたのは丁度一年前。
 始めは助けてくれた恩があって、そのため色々と手伝っていただけだった。
 恩が俺の中で徐々に愛情に変わり、それが恋愛感情に変わっていった。

 そして、俺は一年前のこの日、博麗 霊夢に告白した。







△△△△△△△△△△△△△△△△








「ふぅ……」

 博麗神社の社務所、その居間で俺は霊夢の帰りを待っていた。
 もう、時刻は11時を回っている。

「なんつーか、逆じゃね?こういうのは、さぁ」

 誰も居ない部屋に独り言だけが響く。
 霊夢と魔理沙が妖怪の退治に出てからかれこれ5時間近く。
 記念日だからと内緒で作った外の料理も、とっくに冷め切っている。

「……早く帰って来いよ、待ってんだからさ」

 付き合ってから、一年、まだ一年しか経っていない。
 だけど、最近考えたくないことばかりが頭を過ぎる。

 本当に博麗 霊夢は俺と居たいのか。
 いや、そもそも博麗の巫女を、無重力の霊夢を俺は捉えることが出来ていたのか。

 あの日から何が変わった?
 進展はあったのか?
 恋人らしいことがあったのか?
 天狗もつまらなそうに帰って行った。
 吸血鬼も興味を持ったのは始めだけだった。
 鬼も、亡霊も。

「あー止めだ」

 止めよう、馬鹿馬鹿しい。
 こういうのは昼ドラで間に合ってる。
 大体こちとらスキマ妖怪のお墨付きだ。

『あなた達、きっとお似合いね』

 うん、胡散臭せぇ。
 ……大丈夫だ、俺は霊夢の恋人だ。
 そう、俺は霊夢を信じてる。








■■■■■■■■■■■■■■■■









「もう、12時過ぎたか」

 結局間に合わなかったな。
 しっかし、強敵だったのかね、日付が変わるまでとは。
 取り敢えず飯は保存しといたし、食い意地はとんでもないからな、アイツは。

「ん?」

 表で音がする。
 どうやら、帰ってきたらしい。
 さて、疲れてるだろうし、文句は一言で済ませておくか。

「遅いお帰りだな、霊夢?流石に待ちくたびれ……」
「○○~ただいまぁ~、ひっく」

 顔が赤い、それに酒臭い。

「いやね、ひっく、けーねたちがおれいにって~」

 じゃあ、なんだ、俺は。

「あ~、もうつかれちゃったからぁ、おふろはいって~」

 ずっと、待って。

「そうだ、ひっく、○○も、きょうはとまって……」



「悪い」

 流石に、

「もう帰るわ」

 我慢の限界だった。

「え……ちょっと、ねぇ○○、どうしたの?」

 霊夢の顔から酔いが消えた。

「なんでもない、もう遅いから」

 もう、話したくもない。

「っ…!ちょっと、今はまだ夜よ!? 危ないわ!」

 袖を掴まれる、それを、

「なんでもないって言ってるだろ!」

 ふりほどいて、

「っきゃ!」

 神社から走り去った。







○○○○○○○○○○○○○○○○







 走った。
 がむしゃらに走った。

「畜生……畜生!」

 もうどこに居るのかも分からないくらい走り続けて。

「あぐっ!」

 俺は盛大に転がった。




「……」

 そのまま地面に寝転がり、さっきの自分を思いだす。 

「なにやってんだろ、俺」

 考えてみれば、俺が勝手に怒って帰っただけで。

「忘れてたわけじゃないさ」

 酔っぱらってたのだって魔理沙あたりが邪魔をしてた可能性だってある。
 急いで帰って来てくれたかも知れないのだ。

「だったら早く神社に戻らないと」

 たぶん、心配してる。

「つーか結構走ったな、森の近くか」

 だとすればそんなに危険はないはずだ。
 かなり暗いが、道は覚えている。
 起き上がり、服に付いた葉を落とす。

「ん?」

 ふと、後ろを振り返るとでかい手が見えた。
 気がついたら俺の身体は宙を飛び。
 受け身をとることも出来ず、そのまま地面に叩き付けられた。









○○○○○○○○○○○○○○○○










「知らない天井だ」

 取り敢えずお決まりの台詞を吐く。

「何言ってるの?」 

「いや、こういうとき必ず言う台詞があってだな」

「あら、目が覚めたみたいね」

 声のした方を向く。
 確かー

「あなたは、Dr.ヤゴコロ。それとぐわんげ」
「残念ね、○○さんはたった今ご臨終ね」
「わかりました師匠。至急葬儀屋を」
「すみません調子こきました」

 永琳さんと鈴仙が居るということは、どうやら永遠亭らしい。
 少し体を起こすと、少しだけ体の節々が痛かったが、大したことはないようだ。

「それだけ軽口たたけるみたいならもう大丈夫ね」
「あの、俺一体」

 あのあと、何があったかは殆ど記憶にない。

「頭を殴られて意識不明の重体、なのにたった一日で奇跡の生還、愛の力ってトコかしら」

「そうですか、って愛の力って何ですか」

「文字通りの意味よ。 ウドンゲ呼んできなさい、きっと待ちくたびれてるわ」

「分かりました師匠」

 敬礼のような事をして鈴仙は部屋を出て行く。

「待ちくたびれてるって、もしかして」

「もしかしなくても彼女よ。 ほら来た」

 足音が近づく。
 霊夢が来た。








○○○○○○○@○○○○○○○







「霊「馬鹿!!」……」

 胸ぐらを掴まれる。
 こんなに怒った霊夢を見るのは、初めてだ。

「あんな遅くに外に出れば、どうなるか位分かってたでしょ!!」

「……ごめん」

「あのあと、倒れてる○○見て……グスッ、死んじゃったかと思ったじゃないッ……」

 そのまま霊夢は俺に抱きついてくる。
 肩を震わせ泣いている。
 俺は、本当に霊夢を泣かせてしまったんだ。

「本当に、心配かけてごめん」

「私も、っ、ずっと○○の事、あんなに遅くまで待たせて、酔っぱらって」

「いや、いいんだ」

 そうだ、もういい。
 霊夢は俺を見てくれているし、俺は霊夢を見ている。
 第一何を馬鹿げたことを考えていたのだろう。
 不安になる必要など無い。
 そう、霊夢は俺の恋人なのだ。 

「霊夢」

 霊夢の名を呼ぶ。
 俺が捉えた無重力の巫女を。

「○○」

 霊夢が俺の名を呼ぶ。
 何の力も持たない、単なる人間を。

 そして口づけを交わす。
 それはとてもとても遅い恋人同士の口づけだった。












▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽












 暫くして霊夢も落ち着いたようだ、いつもの霊夢に戻っている。
 といっても、まだ目が赤いままだけど。

「もう大丈夫なの? あの薬師はもう神社に戻ってもいいって言ってたけど」

 永琳さん、輝夜さん、鈴仙達に見送られ俺たちは退院? した。
 永琳さんが手を振りながら親指を人差し指と中指の間に入れたの見ると、覗いてたんじゃ無かろうかと勘ぐってしまう。

「ちょっと頭が痛いけど、それぐらいだな。 もう大丈夫だ」

 ついでにまだ心臓がバクバクしてるのは内緒だ。

「そう、じゃあ行きましょ」

 微笑みながら霊夢が俺の手を掴む。

「ちょ、霊夢!」

 そのまま俺を引っ張って空を飛ぶ。
 全く、本当に逆だろ、色々と。

 まぁたぶんこのままずっと引っ張られて進むのだろう。

 彼女の笑顔を見てそんな予感を感じていた。












 やっちゃったZE☆







 というわけで霊夢です。
 たぶんこの○○はずっと霊夢の尻に敷かれます。
 完全に専業主夫です。
 まぁ稼ぎ手が霊夢だけですので当然ですが。
 それでも本人は満足でしょう。

 序盤で空鍋させようかと思いましたが、バットエンド直行なので却下。

 霊夢が遅刻した原因については後ほど。
















 オマケ














 ○○と霊夢のキスシーン。
 このときこの様子を覗いていた者がいた。

 八意 永琳ではない、彼女は覗きのような無粋な真似はしない。
 直感的に入ってはいけない空気を読み取り、姫達同様二人を祝福していた。

 射命丸 文でもない、いや、実際には行おうとしたのだが、永琳の手によって撃墜されていた。




「あー! やっちゃったよあの二人!」

 紅魔館。
 その主の部屋では幻想郷の実力者達が集っていた。
 レミリア・スカーレット。
 西行寺 幽々子
 八雲 紫
 そして、

「うわぁ、完全に舌入ってるねあれ」

 伊吹 萃香
 彼女が霧となり二人の様子を探っていたのだ。

「ね、言ったとおりになったでしょ、幽々子」

「うう、悔しいわ~紫の一人勝ちじゃないの」

 そう、この妖怪達は、この二人がくっつくか別れるかで、賭をしていたのだ。
 ちなみにくっつくが八雲 紫だけで他はすべて別れるに賭けていた。

「折角私の霊夢があのボンクラとわかれそうだったのに!!」

 バンバンと心底悔しそうに吸血鬼が机を叩く。 
 なんと、このお嬢様、わざわざ別れさせるために○○と霊夢がイチャイチャする運命を手当たり次第改変していたのだ。
 それで負けていれば世話はない。
 というか大人げない。

「ほらほら、負けたんだから素直に払いなさい」

 八雲 紫の一言で皆渋々賭けていた品を渡す。
 幽々子が800年物の酒。
 レミリアが超ビンテージワイン。
 萃香が鬼の酒。

 詰まるところ全部酒だった。

「残念だったわねぇ、当てが外れて」

「うるさい!! さっさと帰れ!!」

 レミリアの機嫌は最悪である。
 それを察したのかしてないのか、すぐに紫はスキマの中へ引っ込んだ。

「しかし、別れると思ったんだけどなぁ」

「そうねぇ~確実に愛想尽かされると思ったのに」

「うぅぅぅ、あんな男のどこがいいのよ!」

 ○○ボロクソである。

「第一、あれくらいで倒れてりゃ世話無いよね」

「そうね、あの程度の妖怪軽くあしらってくれなきゃ」

「正直毛玉でも倒せるんじゃないの?」

「誰が?」

「決まってるじゃない、○○よ……」


 ぎぎぎと鈍い音を立てて後ろを向く。
 そこには博麗 霊夢と○○が立っていた。

「「「げ、げぇ!!霊夢!!」」」

「へぇ、あんた達、賭け事なんてしてたんだ。私と○○で」

「そんな、霊夢、私は賭なんてしてないわ」

 私の眼を見て! と、吸血鬼。

「違うのよ霊夢、落ち着いてこれは孔明の」

 何かの電波を受信した亡霊。

「いや、その、ごめん霊夢」

 一番正直な鬼。

 もう普段の威厳はどこへやらといった感じだ。

「そう、でも証拠は挙がってるの」

「へ?」

「紫が教えてくれたのよ」

「ちょっと待って、霊夢!! アイツは私たちと一緒になって賭けてたのよ?!」

「そうよ!だったら紫も同罪よ!」

「そうだそうだ!!」

「じゃあ、どっちに賭けた?」

「あ」

「う」

「どっちに賭けた? 言ってみなさいよ」

「そ、それは」

 言える訳がない、ここにいる全員が別れる方に賭けたのだ。

「それにレミリア。あんた私と○○の仲を裂こうと色々してくれてたみたいね」

「うぅ……」

「ほら、○○もなんか言ってやりなさいよ」

 その瞬間レミリアの目が光る。
 ○○はお人好しなのだ。
 丸め込めれば霊夢もそれにつられて許してくれる。
 全く反省していなかった。

「○○、確かに色々細工はしたけど、あなた達はそれを乗り越えてこうして「……喃」二人?」

「はかった喃、はかってくれた喃」

「え、ちょっと○○何で刀なんて持ってるの? 待って、落ち着いて」

「」

「あ、あの構えはまさか!」

「知っているの? 美鈴!」

「あれはまさしく虎眼流剣術秘奥『流れ星』!」

流れ星。それは虎眼流創始者岩本虎眼が修行中に編み出したとされる秘剣中の秘剣である。





長いので割愛。






「まさかこんなところでお目に掛かれるなんて」

「そんなこと言ってないで助けなさいよ!! 待って、ご免なさい、私が悪かったわ、だから落ち着いて」

「そうよ、悪いのはレミリアだけよ! 私は乗せられて!」

「何言ってるのよ!ノリノリだったのはあんたでしょ亡霊!」

「あーそろそろ覚悟決めた方が良いよ」

「ひぃい! た、助けて霊」




無惨むざーん

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うpろだ751


霊夢。とりあえずお茶を飲むのをやめてくれ、うん。
ほら、お賽銭あげるから、な? 300円? 2円しかない。2円で我慢しろ。

うん、折り入って話がある。
あ、だから待って、そんな出涸らしのお茶飲もうとしないの。
だって玉露だし、じゃない。後で買って来てあげるから。

…改めて。今日はお前に言いたい事g
あ、コラ。お煎餅切らしてるでしょ。後で買って来てあげるからほら、待てって。
ちょっコラその羊羹は俺のwwww

…え? 何、ジャンプしてみろって?
……したけど。それが何kうわあぁぁごめんごめん500円あげるからっ!小銭全部は持ってかないでー!!

小銭残してお札全部持ってくってのは酷くないですか霊夢さん……。

ちょっま、話があるって言ってるだr…



色々あるけれど、俺は元気です。

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7スレ目>>766


……なぁ
霊夢「……ん?」
ディスガイ〇やりたくなってきた
霊夢「ゲームは一日一時間が理想よ」
理想に溺れて溺死した人がいるらしい
霊夢「ふーん」
ディスはやっぱ、カ〇チスかラハ〇ルだよな
霊夢「ん」
カーチ〇は燃えるし、ラ〇ールは……やっぱ魔王だし
霊夢「……私は中ボスかな」良いキャラだよな、あれ

霊夢「……」
……
霊夢「……ねぇ」
ん?
霊夢「〇〇大好き」
そっか
霊夢「うん」
……なぁ
霊夢「ん?」
霊夢テラ大好き
霊夢「……うん」


そんな昼下がり

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9スレ目>>952 10スレ目>>103


「○○帰ってくるの遅いわね、買い物するのにどれだけかかってるのかしら
 まさか途中で妖怪に襲われているんじゃ(性的な意味で)
 ……ありえるわね、考えてみれば宴会の時紫辺りが妙にべたべたしてたし
 あーもう、迎えに行こうかしら」

「ただいまー霊夢ー」ガチャガチャ
「遅いわよ!って何その大荷物
 私確か食材を買ってきてって頼んだのよね」
「ああ、その帰りに香霖堂に寄ったんだ」
「霖之助さんの所に?」
「おう、強くなろうと思ってな
 色々な物買ってきた」
「……何買って来たのよ」

「まずはこれ!『妖刀:似蛭』これは使い手の妖力を吸って刀を作るというものらしくて
 切れ味は鋼鉄も豆腐のように切れるらしい」
「ふーん、で、何を吸って刀を作るって?」
「だから妖力」
「妖力ねー、でも○○は人間だから妖力はないでしょう」
「あ…………俺は人間をやめるぞ霊夢ぅーーー!!」
「やめなさい!!」ガスッ!

「うぅ痛い……それじゃあ気を取り直して
 次はこれ!スペルカード『狂戦士の魂』これを発動すれば相手に攻撃させるヒマもなく
 連続で攻撃できるらしいって、これ遊○王カードじゃねーか!
 スペルカードでもなんでもねーよ!!」
「ねぇ、ちょっといい?○○」
「畜生、どうせ俺は貧弱なBOYさ明日の見えない餓鬼さ!うぅ
 なんだよコン畜生」

「どうして急に強くなろうと思ったわけ?」
「……この間霊夢妖怪退治しに行くって出てった後怪我して帰ってきたじゃないか」
「ああ、あれね、あれはちょっと油断してたから」
「俺は回復の魔法や永琳さんみたいに薬学の知識なんてない
 だから怪我した霊夢を見たとき何も出来ない自分がすごく悔しかったんだ」

「何も出来ない?そんなことないわよ
 ○○は私と一緒に居てくれるじゃない」
「……それだけじゃん、それ以外何も出来ない」
「そうね、でも私にとってはそれだけで十分なのよ」
「ありがとう、霊夢」
「ありがとうって言うのは私のほうよ○○」
「じゃあこれからもよろしくな霊夢」
「こっちこそよろしくね○○」




「ふっふっふっふっふ」
タッタッタッタッタ!!!
「ふぅー、ジョギング終わり」

あの日から暫らく経った今でも俺は強くなろうと頑張っている
幻想郷に暮らすのであれば最低限自分自身の身位守れなければいけない
そう思い俺は毎日体を鍛えている、何をするにもまず体力が基本だからだ
そして紅魔館にすむ美鈴さんに体術や気孔などを教わっている


「でもそれだけじゃまだ足りないな
 どこぞの銀髪の蜘蛛さんや殺人貴みたいに超絶した身体能力に戦闘技術があれば問題ないんだけど」


いくら体を鍛え身体能力を上げ、気孔を教わったとしてもベースが人間な為
能力を持っていない以上人間の域を越えることが出来ない
以前美鈴さんに習った気を拳に凝縮して対象を殴る「崩山破砕砲」を撃ったら
確かに威力はあったがその威力に俺の腕が耐え切れず肩の根元まで吹き飛んでしまった

そしてそれを見た霊夢が何を勘違いしたのか美鈴さんに襲い掛かり、紅魔館VS霊夢という事態に陥った
しかし紫さんがどこからかやってきて暴走する霊夢をスキマに放り込んで事態は一応収拾がついた
ちなみに吹き飛んだ腕は紫さんの能力で生えた
根元から骨やら肉やら神経やらがもこもこと増殖していくのは流石に気持ち悪かったけど


「そういえば霊夢紫さんを見たら更に怒ってたけど何でだろう
 人を食う妖怪って聞いてたけど俺のうで直してくれたり
 勉強教えてくれたりしていい人だと思うんだけどな」
「こんにちは○○」
「うわぁ!?紫さん!?」
「どうしたの?そんな大きな声を出して」
「いえ、今さっき紫さんの事を考えてる最中に紫さんが出てきたんでびっくりしたんですよ」
「あら、私のことを考えてくれたなんて嬉しいわね
 それで○○はいつもの特訓?」
「ええ、そんな所ですまだまだ強くならないといけませんし」
「そうね、技だけ強くても体がついていかなかったら一緒だものね」
「その節は大変お世話になりました、利き手がなくなったら生活に支障が出ますから」
「その代わり霊夢が甲斐甲斐しくお世話するでしょうけどね
 霊夢的には腕は直さない方が良かったかしら」
「勘弁してくださいよ」
「うふふふふ、冗談よ」


目の前でニコニコと笑う紫さんはとても美しくて
この人が人食いに妖怪だとは到底思えなかった


「からかったお詫びじゃないけど貴方にいい話を持ってきたわ」
「いい話、ですか?」
「ええ、○○、貴方私の式になる気はない?」
「式、ですか?」
「そう、今の貴方が強くなるにはいくつか方法があって
 能力に目覚めること、強力な力を持つ呪具、神具、宝具の担い手になること
 妖怪になること、強力な力を持つ者の式になることよ
 能力のほうは目覚めても強くなるか分からないし、強力な力を持つ呪具等は持ち主を選ぶわ」
「確かに呪具なんがあったとしても俺が必ずしも扱えるとは限りませんよね」


そういえば博麗神社にある陰陽玉は代々博麗の巫女しか扱えないと聞いたことがある
エクスカリバーやフラガラック、グングニルなどの宝具も持ち主を選ぶ
つまり俺が使うであろう武器があるのならいずれ出会うことになるだろう


「そして妖怪になるのは……○○には必要ないわね」
「ええ、俺は霊夢と一緒に生きたい、だから人間のままで強くなりたいんです」
「あらあら、妬けちゃうわね、霊夢が羨ましいわ
 そうなると最後の式になる方法しか残ってないわね」
「あの、式になるのって具体的に何か変わるんでしょうか」
「そうね、基本的にはその種族としてのポテンシャルが軒並み上がるわ
 そして主の力が強ければ強いほど式の力も強くなって
 主の命令を実行する時その力は更に上がるわ
 藍は私の命令を受けると私並に強くなるわ」
「そんなにすごいんですかじならお願いします」
「なら少し目を閉じてもらえr「紫ーーーーーーー!!」あら霊夢、どうしたの?」


紫さんに式にしてもらう為に目をつぶったその時上空から聞きなれた
そして愛しい人の声が聞こえてきた


「どうしたのじゃないわよ!○○の帰りが遅いから迎えに出てみればあんた○○に何しようとしてんのよ!!」
「何って彼が強くなりたいからその願いを叶えようとしてるだけよ
 ねえ?○○」
「そうそう、紫さんの式になったら強くなれるって聞いたから式にして貰おうと思ったんだ」
「…………紫?」
「どうしたのかしら霊夢、そんな怖い顔をして
 折角の可愛い顔が台無しよ」
「うるさいわよ!はやく何処かに行きなさい!!」
「あらあら、しょうがないわね、それじゃあ○○またね」
「あ、はい、また今度」


霊夢に怒鳴られながら紫さんはスキマの中に消えていった





「なあ霊夢何怒ってるんだよ」

あれから俺たちはそのまま真っ直ぐ神社に帰ってきた
帰る途中も帰ってきた後も霊夢は何故かぷりぷりと怒っていた


「別に、ただ私が心配してるのに紫と楽しそうにしてるのに呆れてただけよ
 この間もそうよ!爆発音がしたと思って身に来てみれば
 ○○の右腕がなくなって血を出しながら倒れてるし……私がどれだけ驚いたか分かる!?
 大体なんでまた強くなろうとしてるのよ
 前言ったじゃない、一緒にいてくれるだけで私は満足だって」
「せめて自分の身ぐらい守ろうと思って
 霊夢に頼ってばっかだと霊夢に負担がかかると思ってさ……」
「なによ!私は博麗の巫女よ!○○の一人や二人守るぐらいどおってことないわよ!
 もっと頼ってよ!それとも○○は私に頼りたくないの!?
 馬鹿!○○の馬鹿!!」


そういうと霊夢はわっ泣き出してしまった


「ごめん、霊夢、俺、そんなつもりじゃ……」


俺はそんな霊夢を抱きしめるしかなかった


「もっと頼ってよ、私たち恋人同士でしょ?遠慮なんかしないでよ」
「ごめんな霊夢」
「この前も謝ってたわよね」
「ああ、謝ってばっかだな俺」
「そうよ」
「すまない、もう、間違わない」


そう言うと俺はさっきより強く、強く霊夢を抱きしめた

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10スレ目>>11


「あ」
「うぇ」
森の中でばったりと遭遇したのは空飛ぶ巫女
此処だけの話俺と博麗はあまり仲良くないのだ
「やぁ博麗、今日も異変解決で大忙しかい?金にもならんのに良くやるね」
「あらあら誰かと思えば○○さんじゃ無いですか、今日も妖怪殺しで大忙しですか?お金のために良くやりますねぇ」
見えないが両者の間では火花が散ってるのだ
そもそも異変解決の博麗の巫女と妖怪退治専門の俺では似て非なるのだ
異変の根源を祓う巫女と、異変によって生じた災いを取り除くのが俺であって
そもそも金を貰って以来を遂行する俺と勝手気ままにうろちょろしてるこいつとでは気が合うわけもない

「あの時のお返しをしてあげようかしら?」
「はっ!勝手に突っかかってきて勝手に負けた奴が何を言うのやら」
「あ、あの時は異変解決の帰りでちょっと疲れていただけなんだからっ!」
以前、何の異変の時か忘れたが解決帰りのコイツと鉢合わせしてちょっと色々有ったのだ
「・・・今日は俺が疲れてるからな、悪いがお前の相手はしてやれない」
「なっ・・・ふーん・・・仕事してきたの?」
「ああ、畑を荒らす妖怪に程ほどにしておけと痛めつけてきた」
「へぇ・・・退治するだけじゃ無いのね」
ちょっと嫌味を込めて言ってやった、この乱暴者へのちょっとしたあてつけのつもりだった
「そりゃそうだ、人間も妖怪も妥協しながら共生するって言うのが幻想郷だろ?俺は別に妖怪がきらいってわけじゃ無いからな」
「ふぅん・・・その割には人間よりじゃ無い?」
まぁ人間なんだからそれが普通なのだが
「まぁな、俺は里の人間の味方って言う役割だからな、お前が博麗の巫女なのも、そういうものだろう?」
少し驚いた、この男は金目当てで仕事していると思ってたのだが
自分のなすべきことをよく解っている、そして自分の性質も
「紫みたいなのこを言うのね・・・紫も最強の妖怪というポジションであるが故にどうのこうのって・・・」
「そうか、あの方もそう言ってるのか、ならば自分の考えに自信が持てるというものだ」
彼は嬉しそうに笑う、はじめてみた笑顔に少し、少しだけドキッとしてしまった

「ちょ、ちょっと!怪我してるじゃない!」
よく見てみればコートに血が滲んでいた
「んー?ああ、帰ってから手当てするから大丈夫だって」
「神社のが近いでしょ!ほら!」
「おいこら引っ張るな、ちょっとまてって・・・・・」





「消毒と止血はしておいたけど・・・まぁちゃんとした医者に見てもらいなさい」
博麗神社に連れてこられた俺は簡単な治療をしてもらった
「へぇ・・・結構巧いのな」
「そりゃあ怪我することも多いし・・・これぐらい自分で出来なきゃ」
「そう、か・・・お前もお前で大変なんだな」
彼女をサポートするものはいない、帰ったらただいまを言う相手も、お帰りを言ってくれる人も、怪我の手当をしてくれる人などいないのだ

「そういえばあんた」
茶を飲んでいるとき、唐突に口を開いた博麗
「なんだ」
「何度か戦って思ったけどさ・・・顔とかには攻撃してこないよね、私だけ」
「ああ、そうだな」
「あと傷が残るような事もしてこないし、斬ったりはしないでしょ?折ったり叩いたりはするけど」
「ああ・・・それがどうかしたか?」
「なんで?何で私だけ?なんか手加減されてるような・・・気になるじゃ無い」
少ない接触で其処を見抜けた点は誉めてやりたいが、面倒だ
「そうだな・・・いい喩えが見付からん・・・・・・」
「喩えなんでどうでもいいでしょ?理由を述べるだけなんだから」
ふむ、それもそうなのだが・・・いざとなると気恥ずかしい所がある
「自分が、美しいと、綺麗だ、と感じたものをそう易々とは傷つけたりしないだろ?・・・まぁそういうことで」
「ん?・・・・・・・・・え、あ、それって・・・」
瞬間博麗は赤くなって俯いた、恥ずかしいのは俺も一緒だというのに

「あ、あんたは・・・私の事嫌いだと思ってた」
「俺は別にお前が嫌いだといった憶えは無い・・・と思う」
まぁ職業柄「博麗」と仲が悪いのは・・・まぁ先代までの話しだし、俺は関係ないしな
「まぁその・・・あれだ、せっかく綺麗なんだから、あんまり危なっかしい真似するなよ」
きょとんとしている、まぁ俺も・・・莫迦だな
「ふふ、それはまぁ・・・巫女ですから」
「そうだな、巫女だしな」
二人で少し笑った、俺が美しいと思える笑顔だった

「さて・・・俺はそろそろ帰るよ、手当て・・・ありがとな」
「うん・・・」
「あー・・・なんかあったら呼んでくれ、妖怪退治でも異変解決でも、お茶の友でも、お前が呼べば俺は駆けつけるだから・・・がんばるなとは言わないけど・・・無理はするな」
俺はどうしようもない莫迦だ、こんな台詞しか吐けない莫迦だ、でも
「うん・・・ありがと」
こんな優しい笑顔をされてしまっては、自分の馬鹿さ加減もどうでも良くなるというものだ
「あ、そうだ・・・ちょっとしゃがんで」
「え?あ、ああこれぐらいか?」
「もうちょっと・・・それぐらい」
いきなりしゃがめとは、わけが解らん
キスでもしてくれるのか、まぁ普通に行けばいやしかし
俺がそんな莫迦な考えをしている間に
博麗の顔が直ぐ近くに、唇には柔らかい感触
「んっちゅ、んぷぁ」
「ぷはっ!なななななななにをっ!?博麗!!???」
えへへ、と愛らしく笑う彼女を見て痛感した、惚れた弱み、と
「霊夢って呼んで、私も○○って呼ぶから」
「あ、ああ」
「・・・たよりにしてるからね、それじゃ」
くるりと、背を向けて鳥居を潜っていった
俺はいまだに放心している
正気に戻って、思わず口から出た言葉は
「チクショウ、なんていい女だ」
まさに俺の現状を、自らの気持ちを全て込めた一言だった

~未完~

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10スレ目>>86


「○○ー!」

愛しの○○を見つけて、私は思わず叫んだ。

「おぉ、霊夢か。なんだ、どうしたんだ?」
「いえ、まさか人里で偶然会えるなんて思わなかったから」

○○が人里はずれにある家から出て行ったのを遠くからこっそり見つめていた私が見つけて、
そのまま後をつけてたら偶然人里で会っちゃったわー。

「ははっ、確かにな~」

にこやかに笑う○○。あぁ素敵な笑顔。なんて素敵な笑顔。
私だけに向けて欲しいわ。私だけに。私だけに。

「お、○○じゃないか」
「お?魔理沙か。人里で知った顔を二つも見かけるなんて珍しいな~」

何よ、魔理沙じゃない。あぁもう、○○。笑顔をそいつに向けないで。
私だけに向けてよ。私のためだけに笑ってよ。ねぇ。

「そういえば、お前から借りた本・・・まだ返してなかったよな?」
「そうだな。・・・返してくれるのか?一度貸したら二度と帰ってこないって聞いてたが」

そうよ、そいつは人のものを掻っ攫ってくのよ。だから近づいちゃ駄目よ○○。
貴方は私のもの。貴方は私のもの。魔理沙なんかに盗ませはしないわ。

「返すときだってあるぜ~。これからウチに来るか?」
「ん~・・・そうしたいのは山々だがな。ちょっと用事が」
「用事?・・・分かったぜ、霊夢とデートと洒落込むわけだな?」

魔理沙、軽口叩いてるけど貴方の目が物語ってるわ。
『そんなわけ絶対ない』って思ってるわね?畜生。

「まぁそんな感じかな」
「「!?」」

○○・・・なんて素晴らしい人なのかしら。
私を選んでくれたのね。私を、私のためだけに生きてくれるのね。
あ゙ははははははははははッ!

「まぁ、正確に言えばデートの相手は霊夢じゃなくて美鈴さんだけどな~」
「「!?!?!?!?!?」」
「○○さぁ~ん!すいません、遅れてしまって!あれ、霊夢さんと魔理沙さん。こんにちわ」
「いや、全然待ってないよ美鈴。今来たところさ。それじゃ、行こうか」
「あ、はい!それじゃあまた」




「・・・・魔理沙」
「・・・・なんだ?」
「・・・・・偶然にも包丁を二本持ってるんだけど」
「・・・・・一本貸せ」
「ばれないように夜中にヤりましょうか」
「そうだな・・・あははははは」
「あはははははは」

狂ったような二つの笑い声は、しばらく途絶えることはなかった。

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最終更新:2011年02月26日 23:17