霊夢15
8スレ目 >>303
季節の境目のこの季節。
健康そのものと言っていいほど健康体な霊夢が、
珍しく風邪を引いた。
なので、同居人である僕は霊夢の代わりに家事をしてるんだけど…。
霊「○○~」
奥の方から霊夢の呼ぶ声がする。
またか…、と思わないでもないけど、
とりあえず掃除の手を止めて中に入る。
○「何?霊夢」
霊「掃除終わった?」
○「まだ。あと少しで終わるよ」
霊「…さっきも、あと少し、って言ってた…」
○「五分前に聞かれたばっかりだしね」
ちなみにこのやり取りは今ので18回目。
霊「む~…○○が冷たい…」
○「いや、冷たいってあのね…」
あ、何か嫌な予感。だって霊夢が今にも泣きそうな顔して…。
霊「○○は私に飽きたんだーっ!!」
○「えええええっ?!」
いきなり何を言い出すかなこの子はっ!?
霊「私○○に捨てられちゃうんだーっ!!」
○「ちょっ、霊夢落ち着いて!人聞きの悪いこと言わないで!」
霊「私、私…○○に、捨てられたら……」
霊「生きて…っ、いけない、よぉ……っ!」
○「………」
霊「やだよ…独りは、もう嫌…嫌なのぉ……」
○「霊夢…」
霊「○○…お願い、○○…私を捨てないで…独りに、しないでぇ…っ。
何でもするから……だからぁ……っ!!」
まったく……この子は……。
○「霊夢……」(ぎゅっ
霊「ぁ……」
○「大丈夫。君を独りになんてしないし、させない。
ずっと一緒だよ」
霊「ほんと…?」
○「うん。どっちかって言うと、僕の方が離れられないしね」
霊「え…?」
○「僕だって、霊夢がいないと生きていけないよ」
霊「○○…」
○「ずっと、一緒だよ」
霊「…うんっ!」
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8スレ目 >>326・327
最初から、気付いてはいたのだ。
「何か、手伝う事とかは……」
「別に、要らないわ」
彼女は自分の生き方を持っていて、自分で全てをこなしている。
「何処か行くなら俺も――」
「妖怪退治だから、無理じゃない?」
それでも微かな希望を持って、勝手に傷ついた自業自得なのだ。
彼女、博麗霊夢は俺を必要としない。
■
告白は俺がした、想いをこめた精一杯の言葉に、霊夢はただ一言で答えた。
元から下宿していた博麗神社で、恋人になったといっても何も変わることは無い。
俺が求めれば、彼女は恋人らしい行為を体現してくれた。
星降る夜に口付けを交わした、縁側で抱き合いながら月を見上げた。
全ては俺が望んだことであって、彼女は何も求めなかった。
積もった事実は見過ごすことも出来ないような山となって、眼前に広がっている。
その夜、俺は初めて彼女の顔を見るのが辛くなった。
「それで、プチ家出か?」
「……おう」
食卓の対面に呆れ顔が浮かんでいる。
黒を基調とした服を身に纏う、おとぎ話のような魔法使いがそこにいた。
霊夢の友人であり、神社に最も多く顔を出す女の子、霧雨魔理沙である。
「情けないぜ、そりゃあ霊夢も頼れんだろう」
「言う通りだが……もうちょっと言葉を選べよ」
「煩いぜ、甲斐性無し」
慰めが欲しかったわけではないが、遠慮の無い言葉は容赦なく心に突き刺さっていた。
どうにも心に毒でしかないこの環境に転がり込んだのは、単に彼女の家しか知らなかったからである
目の前で一通り俺の悪口をぼやく彼女を前に、俺も遠慮なくため息を吐いていた。
「情けない俺が必要とされてないことくらい、分かってたよ……」
言うと同時に、霊夢への罪悪感と、年下の少女に愚痴を溢している情けなさが心を蝕んだ。
眉根に皺がよるのが自分でも分かって、情けなさに大きなため息が零れてしまった。
対峙する魔理沙も、呆れていることだろう。
分かっていながらも、ため息は止まらなかった。
「……なぁ」
「なんだよ、誰だって偶には愚痴くらい出るだろ……」
「――私なら、お前を必要とするけど」
意味の無い自己防衛を無視するように、魔理沙は言った。
惜しいことに、その言葉の意味が分からないほど俺は鈍感ではない。
覗き込んだ彼女の瞳は、きっと本気だった。
故に、俺も本気の言葉でしか、答えることが出来ない。
応えることは、出来ない。
「それでも、俺は霊夢に惚れてるみたいなんだ……」
小説の空白のような、一瞬の沈黙。
そして、彼女が再び口を開いたのは、笑い声を上げるためだった。
「馬鹿か、本気にしてどうする?」
「う、うるせぇっ!」
普段通りのやりとりに、自然と笑みがこぼれてくる。
「くそ、もう帰る」
「あぁ、夜中に惚気話は迷惑だ、早く帰るといいぜ」
全ては冗談だったのだから、普段通りに会話を続けることも出来た。
しかし、今日ばかりはそうもいかない。
冗談を重ねて微笑む彼女に一言だけ礼を残して、扉へと手をかける。
俺には行かなければならない所があるし、会わなければならない人が居るのだ。
そして何より――。
霧雨魔理沙は、泣いていたのだから。
すっかりと夜は深まり、月の姿はもう見えなかった。
半刻もすれば空に白が混じり始めそうな深夜、俺は躊躇いながら神社の戸を開ける。
そこには見慣れた勝手口と、揃えられた履き物があった。
「……霊夢?」
そして、何故か顔を曇らせた霊夢も座っている。
それ以上言葉は思い浮かばず、俺は驚きに鼓動を早めた心臓を抱えたまま、立ち尽くしていた。
「……どこ行ってたの?」
「え、魔理沙の家だけど」
「こんなに遅くまで?」
薄暗いせいか、妙な違和感を覚える。
心なしか、彼女の声は震えが混じっているように聞こえた。
それは、気のせいなどではなかった。
「――うお?」
軽い衝撃に体勢を崩して、暗い空を仰ぐように倒れこむ。
見上げた空に星は無く、代わりに彼女の泣き顔が目いっぱいに広がっていた。
「何で、泣いて……」
「あなたのせいじゃない!」
「だって俺、何の役にも立ってないし、必要にもされて――」
「そんなことない!」
彼女の両の手が振り下ろされて、胸に軽い衝撃が落ちてくる。
痛みは実際のものより、何倍も重かった。
「おかえりって言って欲しかった、傍に居れば嬉しかったから」
「……霊夢」
「役に立つとかじゃなくて、私はあなたが必要なのよ!」
「ごめん」
「――離れないでよ、傍に居てよ……私が必要なのは、それだけなんだから」
言ったきり、霊夢は俺の胸の上に顔を伏せて、声も無く泣いていた。
暖かい雫が胸を濡らして、心の置くまで染み込んでくる。
俺は、何を思っていたのだろうか。
彼女は、霊夢はこんなにも、自分のことを思ってくれていたのに、気付こうとも思わなかった。
俺は自分のことしか見えていなくて、彼女の真実を見ようとしていなかったのだ。
だから――。
「ずっと傍に居るから」
彼女の泣き顔にそっと口付けをして、誓う。
「……足りない」
「――え?」
そんな簡単な一言で、霊夢は初めてそれを求めてきた。
当然、俺はそれに応える。重なっていく。
普段通り、恋人としての行為を望むのは俺の方から。
時折、それを望むのは彼女の方から。
そして、傍に居たいと望むのは、互いに。
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8スレ目 >>355
「今日は七夕か・・・」
誰と過ごそうかな
→霊夢
魔理沙
アリス
「よう、霊夢!」
夕日が差し込む時間帯、まだ日は暮れていないので天の川は見えない
「あら○○もうすぐ日が暮れるって言うのに・・・急ぎの用かしら?」
「いや・・・七夕だからさ・・・その・・・霊夢と一緒に天の川を見ようかと」
「ふーん・・・なかなか乙女心って物が判ってるじゃ無い」
照れたのか、そっぽを向きつつも、霊夢も俺と一緒の気持ちである事が嬉しい
「それじゃ・・・上がっていいか?」
「ん、どうぞ」
それから縁側で座っていると霊夢がお茶と煎餅をもって来た
「あんたは緑茶でいいわね、レミリアなんか紅茶しか飲まないから」
「緑茶を飲んでる吸血鬼は不自然だな」
それから暗くなるまで話をした、友人達の奇行や以前あった異変の話など、他愛も無い話
「おっ霊夢上を見てみろよ」
「あら・・・綺麗ね」
見事な天の川、あまりの美しさに魅入った、こんな綺麗な空を見れるとは
空を見て、感動した、だが横を見て、隣を見て、天の川に魅入る彼女に魅入ってしまった
愁いを帯びた彼女の横顔、少し手を伸ばせば届くはずなのに、とても遠いものに思えた
「・・・さっきから人の顔をじろじろ見て・・・なによ」
「あっ!えっと・・・悪い、あまりにも綺麗だからつい」
「ば、バカッ!なに言ってんのよ」
顔を真っ赤に染めて照れている彼女は先ほどとは違い可愛い、とても近い所にいる、人間だ
たまらず抱きしめた
「ちょっと・・・痛いよ」
「嫌なら言ってくれ、いやじゃ無いから・・・もう少しこのまま」
「もう、仕方ないわね」
俺の背中に腕がまわされた、彼女の腕はとても細い、こんなか細い身体、抱きしめていて
「霊夢、俺はお前が好きだ、今もその気持ちは変わらない」
「ん、私もだから、何処にも行かないから、私は大丈夫」
「うん、知ってる、俺は霊夢が此処にいるって解かってるから」
天の川のことを忘れて俺たちは抱きしめあっていた
翌朝○○は朝帰りを烏天狗に目撃されてしまうのであった
おわり
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8スレ目 >>467
玄関を叩いても誰も出ない
仕方がないので縁側から入ろうと裏に回った
「こんな所にいたのか」
縁側で寝ている霊夢を発見、出ないと思えば寝てるのか
とても気持ちよさそうに寝ているので起こすのに気が引ける
風邪を引かないようにジャケットをかぶせて、頭が痛くならないように膝枕してやった
「これ普通逆だよな・・・」
それから1時間ぐらいして・・・
「あれぇ・・・○○~」
「おお、霊夢起きたk !??」
いきなり首に腕を回されたと思ったら早業、口付けされた
「おまっ!まだ寝てやがんのか」
仕方ないので、頭突き ごん
鈍い音と共に霊夢が起きた、すぐ起きた
「いたッ!え?なに?なに?」
「おはよう霊夢、簡単に説明するとお前が寝てたので膝枕していたらお前がいきなりおきて頭突きしやがったわけだ」
「あー・・・ごめんなさい・・・寝てたんだ私」
「ほらこれ飲んどけよ、眼が覚める薬だ」
「なにこれ・・・ばいあぐr「いいから早く飲んどけよ、気持ちいいぜ?」
「そう、一粒貰うわね」
小瓶から薬を取り出し一粒、飲み込んだ
いよっしゃぁぁぁぁ!!!きたぁぁぁぁ!!
「ど、どうだ霊夢?何か変わったか?」
「ん、なんか・・・体が熱い・・・ねぇ○○」
~此処から先は18歳以上の方だけが見える特殊なフォントです
残念な事に18歳以下では閲覧不可です、ご了承ください~
~終~
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8スレ目 >>571
ミーンミンミンミーン!!
○「暑っ・・・」
霊「暑いって言わないでよ、余計に暑くなるじゃない」
○「じゃあ熱い」
霊「じゃあって何よ、というかそっちのほうが暑そうじゃない」
○「そりゃそうか・・・」
○「・・・・・・」
霊「・・・・・・」
○「・・・・・・」
霊「・・・
チルノが居れば少しは涼しいかしら」
○「じゃあ連れてこれば良いじゃん」
霊「この暑さの中外に行くのは嫌よ」
○「そりゃそうか」
ミーンミンミンミン!
霊「暑いわね・・・」
○「霊夢だって暑いって言ってるじゃん」
霊「うっさいわね、いいでしょ」
○「汗だっくだくだな」
霊「肌がべたべたで気持ち悪いわよ」
○「水風呂にでも入るか?」
霊「いい考えね、じゃあ○○お風呂に水張ってくれる?」
○「俺かよ!?」
霊「言いだしっぺがしなさい」
○「じゃあこのままで良いや」
霊「一緒に、入っても良いから」
○「イィ、ヤッホーイ!俺今すぐに水風呂いれてくるよ!!」
ドタタタタタタ!!
霊「現金ねー、一緒にお風呂に入る、か・・・
ま、まあ○○ならいいかな////」
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8スレ目 >>650
「ただいまー」
神社に帰ると霊夢が出迎えてくれる
食料調達は俺の仕事だ
「お帰り○○、郷はどうだった?」
「タニシとドジョウとちょっと上まで行ってヤマメとってきた」
「もう!あんまり上流には行かないでって言ってるでしょ!森は妖怪が」
「大丈夫だって、俺はただの人間だけど逃げるくらいは出来るさ」
「・・・もう、あんまり心配させないでよ」
「悪い・・・ほ、ほら、料理はお前の仕事だぜ!早くしないと遅くなっちまう」
「う、うん」
~少女調理中~
タニシの佃煮、ヤマメの塩焼き
ドジョウは泥ぬきちゅう
「いただきまーす・・・やっぱり霊夢の飯は美味いなぁ」
「当たり前よ、前から自炊してたからね」
「それでも美味い、自炊って自分しか食べないから妥協するけどこれは美味い」
「・・・ねぇ、さっきも言ったけど山奥には行かないで」
「う、ん・・・解かってる、妖怪が危ない事はよくわかってる」
「それなら、いいんだけど」
霊夢は心配性だ、俺が無茶するのを嫌がる、心配してくれるのは嬉しいが・・・
「あんまり心配するなよ、少しは俺を信じてくれ」
ときたま彼女に信頼されてないんだと男として自信をなくす
「うん・・・わかってる、でも私は○○がしんぱいだよ・・・」
初めて会ったときは俺を助けてくれた、あの時の強さが感じられなくなっている
ただの弱い女の子にしか見えない、それでも俺は
「霊夢」
優しく抱きしめる、俺はそれしか出来ないから
飯を食い終わってから風呂に入った、もともと広くない風呂は二人ではいると狭い
狭くても、何かが満たされていた
風呂から上がって冷めないうちに寝ることにした
「眠れん」
寝付けなくなった俺は横にいる霊夢を起こさぬように布団を抜け出した
井戸で冷やしていた大吟醸をちびちび飲みながら縁側で月を眺める
満月のいい夜だ、霊夢が起きていれば二人で・・・
「こんばんは○○、いい夜ね」
「あ、こんばんはレミリアさん・・・」
屋根の上から声がして見上げればレミリアがいる
月が、紅い
「こんな時間にここへ何のようですか?霊夢はもう寝ましたよ」
「・・・今日は帰るわ、また会いましょう」
そう言って飛び去っていった、彼女が何をしに来たか、それすらわからない
ただ、彼女の敵意は俺に向いていたと言う事だけは解かった
「おはよう霊夢」
「おはよう」
おきてきた彼女におはようを言う、朝日がまぶしく、小鳥の囀りが聞こえるいい朝だ
俺は霊夢を抱きしめた
「○、○○!?あ、朝っぱらから」
彼女が愛おしくて抱きしめた、この平和が長く続かないと感じたからこそ
俺には彼女を抱きしめるぐらいしか出来ない
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8スレ目 >>656
「霊夢、何処か行くのか?」
「ん、レミリアのとこ、何か知らないけどお呼びみたい」
「・・・気をつけて、な」
「?うん、いってきます」
○○の深刻な雰囲気を感じたが特に言及はしなかった
今日は曇り空だ、夕方のようにくらい
とりあえず中国を無視して紅魔館に入った、相変わらず・・・好ましい空気とはいえない
「あら咲夜、貴方の主人は何処?」
「お嬢様なら出かけてるわ」
十六夜咲夜、レミリアの、
紅魔館のメイド
……オカシイ、彼女から殺気が
「もう博麗神社に着いたと思うわ」
「!?○○!」
行く手を咲夜が塞いだ
「ッ!」
「○○はレミリア様が目をつけていたのよ、食料としても、従僕としても」
「な、なにを」
「貴方の所に住みはじめたせいで手が出せなくてね、レミリア様はとても不機嫌だった、あの方は征服欲が強いのよ」
「欲を満たす為だけに・・・○○を?・・・どうかしてるわ」
こんな所で悠長にしているほど暇な身ではない!
「悪いけど・・・突破させてもらうわ」
「やはり・・・来ましたか」
縁側から空に向って声を発した
「最初からわかってたみたいな言い方ね」
レミリアスカーレット、彼女が、○○の前に降り立った
「・・・なぜ俺を?」
「何となくよ、店で商品を眺めているときに視界に入って、気に入った物なら買うでしょう?手に入れるでしょう?」
いつもの彼女だ、でも其処には僅かな狂気が混ざっている、これこそが本当の彼女なのかもしれない
「・・・血を吸って支配下に置くつもりですか?俺みたいなただの人間を?」
「私のところに来なさい、自ら進んで来るならば・・・それ相応の思いで答えてあげるわ」
「・・・俺は・・・俺の家は此処だ!俺は此処で生き、此処で朽ちる!傍らに霊夢がいれば!その人生に何の悔いが在るだろうか!」
今まで出そうとしなかった気持ち、決意、幻想郷で生きようと、霊夢とともに生きようという決意
今まで避けてきた決定、選ばなかった選択、それを選んで、決めた
「・・・ふ、ふふふ、あはははっ!なに熱くなってるのよ、莫迦みたい」
「なっ!なにを!?」
「興が殺がれたわ、貴方はいらない」
「・・・どういうつもり「其処まで言い切ったんだから、霊夢を幸せにしてやりなさいよ」
それだけ言って、彼女はあっけなく帰っていった
俺を試したのか、それとも本当に俺を?それは彼女だけが知りえることだ
「○○!」
「霊夢!」
入れ違いに、霊夢が帰ってきた、こんなにあせっている霊夢を見たのは初めてか
「レミリアは!?」
「い、今帰ったけど」
「大丈夫!?何もされなかった!?」
「あ、ああ何も・・・なぁ霊夢、ちょっと聞いて欲しいことがあるんだ」
「うん、なに?」
深呼吸、さきほどレミリアと対峙した時より心臓が高鳴っている、緊張で掌に汗をかいている、深く息を吸った
「霊夢、お前さえよければ・・・結婚しよう、俺は幻想郷で生きて行きたい」
よし、噛まなかった、それだけでいいや、言い切った事が達成感、返事を聞く前に満足してしまった
「○○・・・うれしいよぉ」
彼女の瞳から零れ落ちる涙が、日の光に輝いていた
天気は晴れ、先ほどの曇り空が嘘のよう
俺達は強く、強く抱きしめ合った
「おかえりなさいませ、お嬢様」
「あら、だいぶ派手にやられたようね」
「そんな役回りが染み付いてしまいそうで・・・」
「私たちにも春が来るわよ・・・たぶん」
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8スレ目 >>740
里で買い物をしていたときだった・・・急に餡蜜屋に入りたくなった
「いらっしゃいませー、お一人ですか?」
「ん、餡蜜スペシャルを一つ」
「はい、お好きな席にどうぞー餡蜜スペシャル一つ!」
店内を見渡して、見慣れたカラーが眼に入った
「よお、霊夢」
「ん?あら○○、甘味処に何の用かしら」
「お前に会いに来たのさ・・・」
「あっそ、いいから早く座んなさいよ」
霊夢の向かい側に座って餡蜜スペシャルを待った
「お前に餡蜜を食べる金銭的精神的余裕があったとは」
「私だっていつも貧乏なわけじゃ無いの」
「お待たせしました、餡蜜スペシャルです」
もぐもぐ、もぐもぐ
「おい霊夢、さくらんぼ食えるか?」
「別に嫌いじゃないけど?」
「やる、喰え」
勝手に霊夢の更に放り込んだ
「ありがと」
もぐもぐ、もぐもぐ・・・ごくん、ぷはー
口の中が甘ったるくなった、水で流し込むがまだ甘い
「ふう、ごちそうさま・・・○○って食べるの早いわね」
「いや、お前が味わって食ってたからだろ」
「久しぶりの甘味だったわ、たまには甘いのが欲しくなるのよ」
そういって席を立った、俺も続いて席を立つ
「奢り?」
「お前が望むなら」
二人分払って店を出ました、かっこつけるって金かかるのな
「まだ甘ったるい、俺は甘味は苦手らしい、煎餅とかの方が・・・」
「私は帰るけど○○はどうする?」
「俺?買い物は済んだし・・・送ってくよ」
「・・・家には上げないわよ」
「下心はねぇってば!」
神社は静かだ、セミも鳴きやしない
「・・・それじゃあまたな」
石段を降りようと思った時
「お茶ぐらい出すから・・・上がっていけば?」
「お、おう」
普通にお茶飲んで帰りますよ、期待してないって言えばうそになるけどね
「ひ、日も暮れたし・・・帰るよ、遅くまで邪魔したな」
「うん、気をつけてね」
荷物を持って靴をはいた、夜は流石に涼しい
「○○、ちょっとまって」
玄関に腰掛けて靴紐を結んでいた俺は、その低い姿勢のまま振り返った
ちゅ
……はい?えええええ!??!?
ちょっと、まって、これは、霊夢の唇・・・柔らかい、すごく・・・ましゅまろ
「じゃ、じゃあ・・・おやすみなさい」
「お、お、おう!おやすみなさい」
半分壊れたまま家まで帰った、すごい衝撃だった
「あー・・・また甘ったるくなった」
○○は次の朝までニヤニヤが止まらなかった
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8スレ目 >>743
「霊 夢 踏 ん で く れ !」
「……パ ス ウ ェ イ ジ ョ ン ニ ー ド ル ッ ! !」
「うぅ、針より踏まれる方がいい…」
「仕方ないわね、踏んで欲しいところを出して」
「早速で悪いけど、ここを踏んでほしい」
「汚くない?」
「だから踏んでほしいんだよ」
「はいはい、踏まれて気持ちいいのはここでしょ」
「さすが霊夢だっ!だけどもっと強く踏んでくれっ!」
~~少女踏み付け中~~
「足の裏、何でこんなに疲れてたのよ」
「聞いて驚け!! 実は里の収穫を手伝ってな。でっかい西瓜をもらってきたんだ」
…踏まれている間に鬼が食(ry
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8スレ目 >>774
「はっはっは!久しぶりだな霊夢!」
「○○?あんた半年も何やってたのよ」
「妖怪となりてもう半年か、はっはっは」
「・・・やっと私に滅せられる覚悟が出来たのかしら?」
「俺が半年間ただ過ごした訳ではない事を思い知れ!!」
「これは・・・疾風!?」
「喰らえ!「パンチラを起こす程度の能力」を!!」
すさまじい突風、霊夢のぱんt・・・
「ドロワーズorz」
「ちょ、ちょっと、それぐらいで此の世の終わり見たいな顔しないでよ!」
「もう俺は駄目だ、鬱だ、死のう」
「そんなに落ち込まないでよ、ねっ?また次があるわ」
「ふ、ふふふ、ははははは!これで勝ったと思うなよ!半年後には遠くのもの、主に風呂とかがよく見える能力を会得してやる!!」
「・・・心配した私が莫迦だった」
「それではまた会おう我が怨敵!次こそは貴様の美麗なる肉体を拝ませてもらおう!!」
そう言って○○こと莫迦は帰っていきました、帰る時に風にまぎれて帰ったのだけはかっこよかったと思います
「・・・言ってくれれば見せてあげるのに」
しかしその言葉は届かない
「また半年ぐらいいないのか・・・寂しいなぁ」
莫迦で鈍くて駄目な野郎なのに・・・
「何で惚れちゃったんだろうな」
巫女の呟きが境内に木霊した
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8スレ目 >>803
「よう霊夢、今そこであいつに会ったぜ」
「ええ、さっきまでここにいたわよ」
「しかし、あいつもマメだな。来るたびに食べ物やら何やら持ってきて……熱心なこった」
「そうよね。お掃除も手伝ってくれるし。誰かと違って」
「誰だろうな。……ところで、あいつとはどこまで行ったんだ?」
「何の話よ?」
「おいおい、隠さなくてもいいんだぜ。安心しろよ、こう見えても言いふらしていい話と悪い話の区別くらいはつけてるからな」
「どこにも行きゃあしないわよ。別にあの人とはそういうんじゃないし」
「……え、マジで?」
「そうよ。魔理沙も、そうやってなんでも好きとか嫌いとかいう尺度で測るのやめなさいよね」
「測るっていうか……え? じゃあお前、なんであいつが毎日毎日やってきてはお前に食べ物恵んでくれると思ってんの?」
「えっ、信仰熱心だからじゃないの? だってよくお賽銭入れてくれるし」
「……神社の掃除を手伝ってくれるのは?」
「お掃除が好きな人か、奉仕精神にあふれた人なのかなあと」
「んなわけねーだろ! お前を好きだからだよ! 誰が見ても分かるわ! 気づいてないのお前くらいだよ!」
「ええ、だって、恋とか愛とか、よく分かんないし……」
「む、報われない奴……魔理沙さんは少しあいつが可哀想になってきたぜ」
「別に可哀想でもないと思うけど……楽しそうにしてたし」
「いやそれはな……ああもういいや、じゃああれだ、可哀想ついでに私があいつを貰っちまってもいいわけだな?」
「え?」
「私があいつと手をつないだり、キスしたり、挙句の果てに結婚しちゃったりして、あいつがもうここに来なくなっちゃってもいいわけだな?」
「……それは……なんか……嫌かも」
「それだよ! その気持ち! その気持ちをぶつけるんだよ!」
「そ、そうなの?」
「そうなの!」
「ふ、ふうん。それじゃあ、次に来た時に伝えてみるわ」
「手間かけさせんなよな、まったく……」
「ねえ、今日はちょっと、あなたに伝えたいことがあるんだけど……
これからも、どこにも行かないで、ずっとここで……
お賽銭を入れて欲しいの」
その日、泣きながら石段を駆け降りる青年の姿が、複数の人妖によって目撃されている。
「ちゃんと大切に想っているっていうことを伝えたのに……なにがまずかったのかしら」
「お前の思考回路だろ」
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8スレ目 >>854
「霊夢、境内の掃除終わったぞ」
「ありがと、こっちももう少しで出来るから」
ぐつぐつと、何を作っているのか解らないが夕飯である事は確かだ
「ん・・・もういいかな、食べましょ○○」
「おう、皿出すな」
「ごちそーさん」
「おそまつさまでした」
霊夢の料理はだいぶ美味くなった、と思う
最初あった時なんて殺されかけたけど、今は・・・まぁこういう関係に落ち着いている
「・・・・・・霊夢、ちょっと出てくるな」
「如何したの○○なんか用事?」
「ちょっとな」
感じた気配、嫌な圧力
足早に神社の裏へまわった
「やはり・・・貴女でしたか」
「元気そうじゃ無い、あの子とは上手くやってるようで何よりだわ」
幻想郷最強の妖怪、種ではなく、固有の存在として君臨する、絶対の存在
「紫様・・・今宵は何用で?」
「・・・いつまで恋人ごっこを続けるつもりなのか、という事よ」
「俺達は真剣です、ごっこなんかじゃ無い」
怒りを含んだ声で答える、だがあの存在の前で俺の怒りなど無意味だ
「・・・人間と妖怪は結ばれない、結ばれても、その悲しみを、私たちは背負いきれない」
「それでも、それでも俺は霊夢の事が!」
「いい加減にしなさい!彼女は霊夢よ、だけどね一人の少女である前に「博麗」霊夢なの!それが解らないの!?」
解ってはいた、彼女が俺なんかと結ばれるべき立場の人間ではない事は、でもそれを認めたくはない
「私だってあの子をずっと見てみたわ、おこがましいけれど娘みたいに思ってる」
「・・・」
何も言えない、俺には言い返す言葉も、紫様を否定する言葉も持ち得ない
「私だって霊夢の意思を尊重したい・・・それでも、駄目なものは変わらないのよ」
こんな事になった後悔はある、それでも、俺は彼女を愛したこの気持ちだけは後悔したくない
「俺はどうするべきなんでしょう」
「知らないわ、自分で、考えなさい」
「○○ー!どこにいるのー!?」
「!?呼んでるみたいよ、行ってあげたら?」
「はい、それでは・・・」
「また、会えるといいわね」
消え行く彼女が、泣いている気がして振り返った、しかし其処にはただ闇があるだけだ
「○○!何してたの?」
「ああ、霊夢、なんでもない」
「・・・そう」
「もう遅いから、早く寝よう」
「うん・・・ねぇ○○」
「ん、なんだ」
不意に抱きしめられた、か細い腕で、弱々しい力で
「何処にも行かないでね、私と一緒に居てね」
「あ、ああ当然だろ」
答えるように抱きしめた
思えばこのとき、初めて彼女に嘘を吐いたんだろう
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8スレ目 >>871
「なんで!!なんで私たちが戦わないといけないの!?答えて!!○○!!」
「俺は妖怪、霊夢は人間で巫女だ!!食う側食われる側、退治する側退治される側!
今のこの状況は何もおかしくない!!」
そう、俺は妖怪だ人を食い人に仇名す存在
そんな俺が妖怪を退治し人を守る霊夢と添い遂げるなんて初めから無理だったんだ
「妖怪だから何よ!!私は貴方を愛したの!それがたまたま妖怪だっただけじゃない!!」
知ってる、その気になれば俺程度の妖怪なんか数瞬で消せるぐらいの力を霊夢は持っている
それでも俺を消さないのは俺を愛しているからだ
「霊夢……俺は人間を食ったんだよ」
「っ!?……嘘、でしょ?」
「信じられないって顔だな、でも俺は確かに人を食ったんだ
さあ、お前は巫女だろうなら俺を殺せ!!」
「いや、そんなのできない……したくない」
子供のように首を振りながら拒絶する霊夢
「お前は何だ!博麗霊夢だろう!!それなら……それなら自分の役目を果たせ!!」
「それでも!!それでも私は!!」
「……今お前に殺されなくてもいずれはハクタクが殺しにくる
なら、俺はせめて愛した人に殺されたい」
「っ……あああぁぁ!!」
夢符 夢想封印
霊夢から放たれた霊力の塊が次々と俺に直撃する
そして俺の中の妖怪としての何かが次々と失われていくのを感じた
「……ごめんな霊夢」
「なんであんたが謝るのよ」
「俺のせいで霊夢につらい思いをさせたからな……」
「だって、わた……私は博麗の巫女だから」
泣きながら喋る霊夢の頭を撫でようとしたがもはや体を動かず意識をつなぎとめておくのに精一杯だった
「また、会えるのなら、許されるのなら、俺は人間に生まれ変わって今度こそ霊夢と添い遂げたい」
「私も、私も○○と一緒になりたい」
「じゃあ、『また』今度」
「ええ、『またね』」
その霊夢の言葉を最後に俺の意識は上がることのない闇へと堕ちた
「こんにちはここは博麗神社か?」
「ええ、そうだけどもしかして参拝客?」
「いや、探し物があって」
「探し物?」
「ずっと、探してるんだよ
それで知人が博麗神社にならあるって言うから」
「それでその探し物見つかった?」
「ああ、見つかったよ
久しぶり霊夢」
「っ!?気づいてたの」
「記憶自体は紫さんがねってか霊夢も記憶があったんだ」
「私は最初から持ってたわよ」
「そう、ごめんずいぶんと待たせた」
「いいわよ、これからはずっと一緒に居てくれるんでしょ?」
「ああ、もう絶対に離れない、愛してる霊夢」
「私もよ○○」
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8スレ目 >>872
「紫!大変なの!!」
「なによ、騒々しいわね」
「○○が・・・○○が・・・」
紫は思った、やはりか、と
「書置きしていなくなった?」
「今朝起きたら・・・これだけ」
一枚のメモ紙、其処にはいかに霊夢を愛し、そのことに後悔はない、とつづってあった
「ねぇどうしよう、私、彼が」
「落ち着きなさい、藍!霊夢を頼むわ」
「解りました・・・どちらへ?」
「少し・・・ね」
紫は○○の気配を追い、探した
「紫様・・・なぜ俺を?」
山を二つ超えた更に向こう、野池のほとりで、一人の男が啼いていた
「・・・やっぱり彼方には、それしか方法はなかったのね」
「ええ、俺は彼女と幻想郷を天秤にかけた」
「・・・」
「俺はこの世界を壊し彼女を奪おうと思った、それでも、此処には皆が居る、誰にでも生活があり、笑顔も、涙もある」
「それでも彼方は霊夢が」
「俺には皆のソレを奪う権利はない、そして奪ったとしてもソレを背負いきれない」
「・・・彼方は、答えを出したのね、自分達が幸せになる結末ではなく、皆の幸せを」
「愛した女より世界を選んだ、笑いたければ笑ってください、殺したければ殺してください、その方が―楽だ」
この男は、この妖怪は既に死んでいる、その瞳にあの頃の光はない、影を背負って
「貴方を責めることはできない・・・でも、私は戦って欲しかった、彼方が決めた、その答えと」
「妖怪として生まれ、妖怪として生き、妖怪として死ぬ、そう思っていた」
「誤算だったわね」
「ははっ!そうですよ、彼女に出会ったから、俺は一人の男として、生きた」
紫も泣いていたのだろう、この男の涙につられ、涙を流していたのだろう
「以前言いましたよね?俺達妖怪はその悲しみを背負いきれないって」
「ええ、言ったわ」
「俺は背負う前に、触れる前に逃げ出した」
「莫迦!○○のばかー!!!」
「れ、霊夢!?なぜ此処に!?紫様!」
「なんでよ、種族がとか、博麗だからとか、そんなの関係ないじゃ無い!」
「あるんだよ!ここは幻想郷でお前は博麗の巫女なんだ!解らないのか!」
「それが何だって言うのよ!そんなの乗り越えてよ!私を愛してるんでしょう!?」
「なっ!お前、ふざけるな!そんな簡単にいくか!」
「簡単にいくわけないじゃ無い!それでも乗り越えようよ、一人じゃ無いんだよ」
一人じゃ無い、二人なら出来るのか?そういうことじゃ無い、わかってる
「跡取りはどうするんだ!?半人半妖の子が巫女や神主になれると思ってんのか!?」
「なろうと思えばなれるでしょ!やってもないのに諦めないでよ!」
「お前って奴は!生まれてくる子にまで過酷な道を歩ませるつもりか!」
「そんなの私たちが背負ってあげればいいじゃ無い!重荷は、私たちで、わけあって・・・」
いがみ合う、二人を見て紫は
昔の自分を、思い出したのかもしれない、あの人もこんなだったな、と
「ああもう!後悔しても知らないぞ!別れたくても別れてやらんぞ!いいなっ!?」
「望む所よ!何が待っていようがぶち壊してやるわ!」
「意見がまとまったようだし、帰らない?もう日がくれてしまったわ」
流石の紫も飽きたらしい、しぶしぶ「三人」で帰ることになった
「霊夢は?」
「もう寝ました、疲れたみたいで」
「・・・結局どうするの?」
「やれるだけやってみようと思います、修羅の道でも羅刹の道でも」
「・・・こうなった責任は私にもあるんだから、何かあったら遠慮なく言いなさい」
「ありがとう、ございます」
夜は、ただ其処にある、二人の妖怪が、語らっていても
「以前言っておられましたよね、私たちはその悲しみを背負いきれないって」
「・・・昔の話よ、その男は彼方みたいに熱いのか冷めてるのかわからない人だったけどね、やさしい人間だったわ」
「そう、ですか」
「彼方も寝なさい、終わったわけじゃないのよ?まだ始まってもいないんだから」
問題は解決したわけでもない、唯在る、二人なら、三人なら、いや皆ならやれる
何の確信もなくそう思えた
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8スレ目 >>926
「○○ってさぁ」
霊夢が口を開く。そして、そこで言葉を区切り、一瞬の静寂が訪れた。
まずい予感がした。霊夢は、眼こそ私を凝視するだけだったが、その口元に
何ともいえないいやらしさをかもし出していたのである。
私はとっさに湯飲みから口を外して口の中に残留した
緑茶を強引に喉に押し込んだ。
「不細工よね」
対抗措置が間に合わなかった。私は飲み込み間に合わなかった茶を気管に
詰まらせて盛大に咳き込んだ。
いきなり何を言い出すんだこの腋巫女は。
「ひ・・・人が気にしていることを平然と言うものではないだろう」
「だって本当じゃない」
霊夢は、私の抗議に耳を貸さず
卓袱台に両肘を乗せて掌で顎を支える姿勢を取ると、続けた。
「鏡あるわよ。見る?
「毎日風呂場で見てるよ」
「私だってさぁ」
霊夢の肘が倒れ、そのまま腋巫女の上体はぐてりと卓袱台にのしかかる。
「こんな辺鄙な神社に年頃の娘一人、男っ気無し。外から来た居候は不細工。
ちょっと救いが無いと思わない?」
「俺が格好よくなくて悪かったな」
憮然と返す。
「怒ると顔に出るわよね、○○。怒ると余計へんなかおー。あは」
などとのたまう霊夢は、咳き込んだ惨状を片付けている私の後ろから
膝立ちで移動しながら接近する。チェック・シックス。
「面白いのは解るが、こっちは不愉快だ。勘弁してくれよ」
われながら情けないが、居候の身分でこの腋巫女には敵わないのだった。
そんな情けない私の情けない背中に、霊夢はだらりとよりかかる。
霊夢はこのポジションが気に入っているらしかった。
「不細工だけど背中の広さはいいわよね。なんか」
「なんか?」
「落ち着く」
そこには、背中に霊夢の上半身を乗せて、やれやれとばかりに
四つん這いで畳を拭きながら苦笑する、お世辞にも格好いいとはいえない○○があったが
二人ともどこか幸せそうだった。
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9スレ目 >>412
チャリーン
パンパン
霊「お賽銭が入る音がすると思ったらやっぱり○○ね」
○「よう、霊夢邪魔するよ」
霊「いつもありがと、お茶飲むでしょ?」
○「ああ、頂きます」
霊「お賽銭箱にお金が入るの音はいつ聞いても良い音ねー」
○「そういうもんか?」
霊「そういうもんよ、普段どれだけうちのお賽銭箱にお賽銭が入ってないと思ってんのよ」
○「いや、知らんがな」
霊「そういえば気になってたんだけどなんでうちに来るたびにお賽銭入れてくれるの?
まあ、こっちはありがたいんだけど」
○「まあ神頼みかな」
霊「私で出来る事なら協力しても良いわよ」
○「いいのか?」
霊「いつもお賽銭入れてくれてるしそのお礼みたいなものよ」
○「霊夢に出来ることならなんでも?」
霊「なんでも、あんまり面倒くさそうなのや私に迷惑がかかるもの以外なら」
○「大丈夫大丈夫、面倒くさくないから」
霊「ならいいけど、どんなこと?」
○「霊夢、好きだ付き合ってくれ」
霊「…………え?」
○「やっぱ迷惑か?」
霊「め、迷惑じゃないけど……もしかしてもしかしなくても神頼みしてた内容って」
○「そうだよ、霊夢と一緒になれますようにって願掛けしてたんだよ」
霊「そ、そう////」
○「それで……その、返事は」
霊「………………いいわよ」
○「ま、まじで!?フィクションじゃないよね?ファンタジーでもないよね」
霊「何言ってるか分からないけど嘘じゃないわよ
わ、私だって○○の事好きだし」
○「そ、そうか、うんありがとう
じゃあこれからもよろしくな霊夢」
霊「ええ、よろしくね○○」
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最終更新:2011年02月26日 23:26