霊夢24
うpろだ1136
俺は幻想郷に来てから博麗神社に居候させてもらっている
霊夢いわく「じゃあ、庭の掃除と買出しよろしく」とのことである
サッサッサッ
「おっす○○遊びに来てやったぜ」
魔理沙か掃除の邪魔だ帰れ
「……恋符「マスターs」
悪かったからスペカだけはやめてくれ
「初めからそう言えばいいんだぜ?」
はぁ……掃除の邪魔はするなよ?
「そんな事はわかってるぜ、後で霊夢に何されるかわからないからな」
霊夢か……怒ると怖いからな
「誰が怒ると怖いって?」
ヒィ!ついに来たか
「そんなことは言わなくてもわかるぜ?」
ちょっおま煽るなって
「ふーん、まぁいいわ、あなた達お茶飲むでしょ?今持ってくるから」
鼻歌を歌ってるなんて機嫌が良いんだな霊夢
「そういや昨日久々に参拝客が来たって言ってたからな、そりゃ機嫌もいいはずだぜ」
なるへそ、俺が買い出しに言っている間にそんな事があったのか
サッサッサッ
なぁ魔理沙?お前も少しは手伝うとかないのか?
「私は見ているだけで手伝っているんだぜ?」
あっそう
……
「……」
……代われ疲れた
「まったくしょうがないな、魔法使い直伝の箒捌きを見せてやるぜ?」
(あっ、魔理沙の手が触れた)
「な、ななな、何してるんだよ○○!」
しょうがないだろ?
「い、いいから早く貸せって!」
???
夕時
「ずいぶんと魔理沙と仲がいいみたいじゃない?」
なんだ霊夢、見ていたのか
「ええ、あなたたちを見ているととても楽しいわ」
ふーん、周りからはそうみえてるんだな俺たち
「さて、ご飯にするから手伝って頂戴」
へいへーい
(何か機嫌悪いな霊夢)
パクパク……
「もぐもぐ……」
ごっくん
なぁ霊夢?
「何よ?食事中に話しかけるなんて貴方らしくない」
俺が魔理沙の事好きっていったらどう思う?
「な!?」
どう思う?
「べ、別にどうも思わないと思うけど!」
ふ~ん、そーなのかー
「……多分ね、って何言わせるのよ!バカ○○!」
いやさ、さっきの霊夢機嫌悪かったからさ、焼きもちでも焼いたかな~と思ってさ
「……もういいわ、お粗末さまでした。片付けやっておいて、もう寝る」
お、おいっ霊夢!?
(さっきはびっくりしたわ……まさか○○にあんな事いわれるなんて
魔理沙となんて私が許すなんて思っているのかしら!
ってまだ私の気持ちをちゃんと言ってないのに、何考えてるんだろう私……)
トントン
霊夢~起きてるか~?
「ま、○○!?」
さっきはゴメンな、変な質問して
「べ、別に……」
でもさ俺ちゃんと考えてみたんだ、そしたら真っ先にお前の顔が出てきて……
「え、え!?」
魔理沙のことも好きだけど、それ以上に霊夢のことが好きだからさ
「○○……」
じゃ、じゃあ俺も寝るな
「あっ、待って○○!」
何だ霊夢?
「あ、ありがとうね!私も○○のこと好きだから!」
お、おうありがと、じゃ、じゃあなお休み
「お、お休み!」
(ま、○○に好きって言われた!夢じゃないわよねこれ!)
次の日の朝
おーい
「むにゃむにゃ……」
おーい起きろー
「ぐーぐー」
霊夢~起きろ~
「すやすや……」
……襲うぞ?
「はっ、お、おはよう○○!」
……お前起きてたんじゃないのk
「さっ!朝ごはんにしましょ!」
霊夢……
「ごめんなさい」
はぁ……もう少しで取り返しのつかないところになるところだったぞ
「わ、私○○だったら……ごにょごにょ」
???霊夢???
「いいから!さっさと庭掃いてきて!」
はいはい
俺の中ではツンデ霊夢がジャスティス
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新ろだ05
幻想郷と外界を隔てる博麗大結界。その境界に位置する博麗神社。
その社に一人の青年が立っていた。
神社をずっと見つめ続け何かを思い出そうとしているようだ。
「何かうちに用?」
そう声をかけられ声のした方を向くと一人の少女がそこにいた。
腋が大きく開いた独特の紅白の巫女服を着て頭には大きなリボンが結ばれていた。
「ここは博麗神社。私はその神社の管理をしている博麗霊夢。その恰好からするとあなた、外来人のようね」
「はく……れい……?」
博麗という言葉を聞き○○の目から涙がこぼれだした。
「ちょ!? ど、どうしたのよ!」
「え? あ、あれ? 俺どうして……?」
自分でも訳の分からない感情が溢れ、拭っても拭っても涙が止まることはなかった。
そんな○○を見て一瞬霊夢の顔に悲しみが浮かぶがすぐに消えた。
「何か訳ありのようだから少し休んでいったら? お茶ぐらいなら出してあげるから」
「すみません。博麗さん……」
彼の背を押すように二人は境内に入って行った。
居間に○○を案内して台所でお茶の準備をしながら霊夢は呼びかけるように口を開いた。
「紫、いるんでしょ?」
突然空間に亀裂が入ってスキマが開きそこから一人の女性が現れた。
「呼んだかしら?」
「どういうこと? ○○がまたここにやって来ているんだけど?」
「私のせいじゃないわよ。彼が自力で結界を越えてしまったのよ。無意識にね」
そう。彼は一度この幻想郷に迷い込んだことがあった。
その時も同じように霊夢に出会い、さまざまな事件、出来事が起き、やがて二人は愛し合うようになっていた。
しかし無重力の巫女が一人に特別な感情を持つことは許されない。
断腸の思いで霊夢は紫に彼の記憶を封印してもらい、外の世界に戻って行ってもらったのだ。
「ほんと、変わってなかったわ。あの頃と……。声も、姿も、仕草も……」
「…………」
俯いた霊夢の表情は紫からは見ることはできないが察するにとても辛い状況であることは分かる。
踏ん切りをつけたとはいえ一度はお互いに愛し合った相手だ。未だ○○に対する感情は残っているのだろう。
そんな彼女を見つめながら紫は話を進めた。
「たぶんこのまま○○を外に出しても彼は帰ってきてしまうわ。だから賭けをしましょう」
「賭け?」
「そう。彼が貴女を思い出すことができたらここに残す。できなければもっと強い封印をかけて外に帰すわ。どう?」
「……いいわ」
「そうそう。直接的なアピールはだめよ? あくまで彼自身に思い出させるのよ。じゃ頑張って」
そう言い残して紫はスキマの中に消えていった。
霊夢は途中だったお茶の準備をして居間に戻った。
「ごめん。ちょっと来客があったものだから」
「ああ、気にしてませんよ」
お茶の入った湯呑みを渡しゆっくりとお茶を飲む。
しばらくお茶のすする音だけが部屋に響く。
そして霊夢が口火を切った。
「で、どうして急に泣き出したりなんかしたの?」
「さぁ……? 自分でもよく分からないんですけど……でも」
「でも?」
「ここの神社、何故か初めて来た気がしなくて。
そして博麗さんの名前を聞いたら、何か大切なものを無くしているのにそれが思い出せなくて……それがすごく辛い……ッ」
「そう……」
○○の慟哭に霊夢は胸が張り裂けそうになった。
貴方の探し物はここにあると。失ったものは目の前にあると。
しかしそれを言うことは許されない。
ぎゅっとスカートを握り霊夢は己の感情を殺そうとした。
「見つかるといいわね……。貴方の大切なもの……」
霊夢は逃げ出そうとしていた。もう嫌だ。これ以上一緒にいたら辛くて辛くておかしくなってしまう。
しばらくどこかに行ってしまいたい。
いたたまれなくなり、霊夢は立ちあがるとお茶の換えを持ってくると言いその場を去ろうとした。
彼女が○○の前を横切り、髪に結ばれた赤いリボンが揺れると○○に膨大な記憶が流れ込んでくる。
―――ちょっと、大丈夫?
こんな所で行き倒れてないでよ。
「――――――――――――――――」
大切な名前。
思い出した記憶はかけがいのないものと思った。
―――まったく、無茶するんだから。
弾幕ごっこの中に飛び込んできた時はびっくりしたわよ。
え? ■■が心配だったから? ……もう、こっちに心配かけてちゃしょうがないでしょ。
「―――――――――――――――む」
―――ねぇ○○? いつまでも一緒にいてくれる?
くそっ、彼女、彼女を思い出さないといけないのに、頭にモヤがかかって、たいせつな、■■が。
―――○○ってさ、私の髪いじるの好きだよね。
えっ? 嫌かって? ううん、むしろ触ってくれるのが嬉しいかな……。
「――――――――――、 む」
―――思い出せ、思い出せ、思い出せ、思い出せ。
ここで思い出さなければきっと後悔する。
―――えっ!? プレゼント? 私に?
……ありがとう。すごくうれしい。大切にするね、○○がくれたリボン。
「れ―――――いむ」
思い当たった。
彼女のこと。
俺を救ってくれた少女。ふわふわとして掴み所がない幻想の巫女。
誰にでも平等で、縁側とお茶が似合う、赤いリボンが可愛い小さい背丈をした俺の大切な―――
「れいむ―――れいむ、れいむ、れいむ、れいむ、れいむ、
れいむ、れいむ、れいむ―――――!!!」
気がつくと○○は霊夢を後ろから強く抱きしめていた。
今まで離れていた時間を取り戻すためのように。
「ごめん、今まで忘れていて……」
「あ、ああ……」
「ただいま、霊夢」
後ろからまわされた手に自分の手を重ねる。
その上にぽろぽろと霊夢の目からこぼれた涙があたる。
「もういちど……あなたに、そう呼ばれたかったの……○○ぅ……」
二度と離れることのないように○○は腕の力を強め、霊夢を抱きしめ続けた。
霊夢もまたその力強さに心から満たされていた……
その様子をスキマから覗いていた紫はスキマを閉じるとにこやかな笑みを浮かべた。
「ヒントつきとはいえ、私の封印を打ち破るなんて、○○の愛は本物ってことね。よかったじゃない霊夢。祝福してあげる」
――――ああ。
手には大切なぬくもりがある。
かつて共に求めあった互いのぬくもり。
一度は手放し、二度と届かないはずだった、だけど、
幻想の地で再び。
つよく、つよく、抱きしめる。。
柔らかい肌に、暖かい陽を受けるように心が満たされていく。
この手には、かけがえのない少女が――――
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うpろだ1210
「霊夢~お茶っ葉買ってきたから煎れてくれ~」
「そんな気を使わなくていいっていってるでしょ。でもまあ貰える物は有難く貰っておくわね。」
「あいあい。じゃあちょっくら上がるよ。」
「どうぞ。」
夏の博麗神社。○○は最近の日課に成りつつある霊夢のもとにお茶を届けるミッションを今日も終え
また最近の日課に成りつつあるそこで一息着くという自分への課題もクリアしようとしていた。
なぜ届けることになったかというのは想像にお任せします。
「なあ霊夢」
「何?今煎れたから持ってくけど」
「まあ持ってきてくれてから話す」
カチャン
「どうぞ。」
「どうも。」
「で何なの?」
「あぁ。最近霊夢可愛いな~と思って」
「何よ突然。誉めてもお菓子さえ出ないわよ」
「お菓子はそこまでいらないかな。いや、そうじゃなくてさ」
「何なの?言いたい事があるなら言いなさいよ」
「唐突過ぎるが、好きだ。」
本当に唐突だ。
「そんなお礼まがいみたいな事今頃しなくていいわよ。お茶だってもらってるんだし」
冷静な彼女はそう笑いながら返す。
「(まだ信じて無いか)いや、そう言うんじゃ無くて単純に。愛してる。意味分かるよな?さらに英語で言うとI LOVE YOU。」
唐突な上に突拍子もない事を言うもんだ。彼女はそう思った。
「…そんなに言って恥ずかしくないの?」
「そりゃ少しは恥ずかしいさ」
○○はニヤケながらそう答える。顔を戻そうとしてもニヤケる。
「私も聞いてて恥ずかしいわよ…」
ここに居る冷静な彼女の口元も緩んでいる
「で、お答えは」
「有難う。私もよ。好きじゃ無かったらこんなに毎日上がってくるやつうるさくて堪らないわ」
「案外あっさりですねぇ」
と、冷静を装っても彼女の用にはなれなりのが○○。やはりニヤける。
「これからはお茶を飲んだあとでもダラダラしていく?」
「お言葉に甘えてそうします。ちなみに今日のお泊まりは許可されますでしょうか?」
「だ~め。」
「そりゃないっすよ」
「これが終わってから!ん!」
「(もしかしてこの状況…霊夢が俺にチューを求めてますか?目を瞑って口を近づけてくる……)・・・」
「まだ?」
「あ!すいません…」
決めるときにまで情けない男だ。
チュッ
「○○…大好き。」
「ありがとう。霊夢。で、何でこんな茶を持ってくるだけの俺を好いてくれるんだ?」
「少し情けないところがまたかまってあげたくなるのよ。」
やっぱり、というか。情けないと言われた。
「俺ってそんなに情けないかね?」
「私の前に現れた時から情けないっぱなしよ」
「俺だめだなぁ・・・」
ぱなしな○○は肩を落とす。
「でも私を悲しませるなんてことは無い。寧ろ楽しませてくれる。私から見たらすごく素敵な男性よ?○○は。」
「霊夢…有難う。」
「で、私を彼女にした以上、毎日私の元に来て毎回イチャついてあげるのよ?」
彼女の顔がまた緩んだ。そして○○の肩もあがる。
「じゃあ、今日から実行させていただくわ」
ギュッ
「…でも突然抱きつくのもどうかと思うなぁ・・・」
やはり突拍子も無い男だ。彼女は少しだけ不満を漏らす。
「あぁごめんごめん」
「では突然抱きついたお返しに私からもっ。」
ギュゥッ
「…もう霊夢かっわいいなぁぁぁぁぁ!!!」
「知ってる。○○もかわいいわ。充分」
「俺はそれでもかっこいいとは呼ばれないか。残念だ」
「人には人のよさがあるのよ。」
彼女が言うんだからそうなんだろう。○○はそう考えた。
「そうか。ありがとう。これからも当然の用にお茶を煎れてもらいに来たりそれ以外のことをしたりしにくるわ。」
「それ以外ってなによ。それとあんまりお茶堂々と飲んでたら私の周りの人間やら妖怪やらに馬鹿にされるわよ。」
今の二人は緩みっぱなしである。緩みっぱなしの幸せである。そろそろ締めてほしいもんだ。
・・・
魔理沙が来て「私は御呼びじゃないのか?お前ら暑苦しいぜ。夏に限らず」などと冗談混じりの茶々を出されて恥ずかしそうにイチャつくのをやめる霊夢。
それはそれでまたいいなぁと思う○○であった。
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うpろだ1221
霊夢の湯飲みを割ってしまった。
「ごめん。明日の昼までに割った代わりを持ってくるから明日もお茶を用意していつも通り待ってて」
「分かったわ。待ってるわよ」
こんな会話を交わしたのにもかかわらず寝坊してしまった。走ればギリギリ間に合うか。そんな時間だったので兎に角走る。
「霊夢に怒られる・・・ヤバイヤバイ・・・」
俺は森を走る。季節も季節なおかげで冷や汗交じりの汗が吹き出る。
間に合わなかったらきっと霊夢は怒るだろう。
・・・
なぜか俺は椅子に寝ていた。
「おっ!○○!気づいたか!」
そしてなぜ魔理沙に顔を覗き込まれているんだろう。
「いや~。私が低空飛行の練習してるときに目の前に飛び出すとはラッキーだな。そんなやつなかなかいないぜ?」
・・・ハッ!!!そういえば霊夢の家に向かってる途中だった!!
時間は無い。
「やばっ!!!ッッ!!!」
「動くな動くな。私は痛くないけど、私の箒に当たった方は動けないほど痛い。」
ハァ・・・これはアレか。
神社に向かってる途中に魔理沙にぶつかり気を失って神社の途中にある椅子に寝させてもらってた訳か。
そして霊夢は怒ってるだろう。
「すまんな・・・。私が言うのもなんだが何かお礼をしたほうがいいかな?」
色々と急いでる今の俺にその言葉はありがたい。
「いつもなら謝ったらそれでいいんだが、生憎だが今日は少し頼みたいことがある」
「なんだ?なんでもしないがなんでもするぜ?」
遅れたことを謝りに行かなきゃなぁ。
「霊夢んところにつれてってくれないか?」
「お安い御用だ。今日はさらにお安く無料で連れてって行ってやろう」
「お願いします・・・」
箒に載せてもらい、魔理沙にしがみ付く。
「・・・○○?」
「おお!霊夢!今こいつとおまえん家いくところだったんだよ!」
霊夢からの殺気が目に見える。多分勘違いしているんだろう。魔理沙といちゃついてると。
すぐに弁解せねば。
「○○?昼までに私の所に来てくれるって言ったわよね?」
「すいません。遅れました。今から魔理沙と向か「それで何?こんなところで魔理沙といちゃついてた分け?」
「いやいや、それは誤解d「そうだぜ?何か不具合でもあるか?」
またこいつは話をややこしくして・・・魔理沙は冗談のつもりだろうが今の霊夢に冗談は通じない
俺はそれを冗談であることを霊夢に伝えるとともに、そういう雰囲気ではないことを魔理沙に言う。
「魔理沙?こういうときに冗談はよくな」「夢想封印」
光弾が辺りを包む
魔理沙が飛ぶ。それに掴まってる俺も一緒に飛ぶ。
予想通り凄い怒ってる。
「ちょ・・・霊夢!冗談だぜ!冗談!こいつはお前のところに行こうとしてた!」
「じゃあなんで?なんであんなところで魔理沙に抱きついてたのよ・・・○○?」
魔理沙の弁解は説得力が無い。いつもどおり嘘の嘘だと思われてるんだろう。
「霊夢!スマン!さっき俺が霊夢の家に向かってる時に魔理沙と事故ったんだよ。」
「え?魔理沙と事故る?魔理沙は空を飛ぶのよ?○○は歩いて来てたのよね?」
お札を持ってここまで浮いてきた。怖い。
「いや、霊夢。それは私が低空飛行の練習をしていたからだ。ぶつかるのもしょうがないぜ。」
「それは嘘じゃないのね?○○?」
うっ。怖い。でもこのたまたま低空飛行をしていて、たまたまぶつかった(まぁ俺は走るのに夢中で目に入ってなかったわけだが)という嘘のようなことを信じさせなければ
ならない。
「そうなんだ霊夢。お前の事を考えていて魔理沙が目に入らなくてぶつかったんだ。それで魔理沙に介抱してもらってた。」
少しだけフォローと取れるような取れないようなセリフも追加しておいた。
「そうなの魔理沙?」
「○○がおっしゃるとおりだぜ。「お前の」○○にぶつかってすまなかったな。○○動けないみたいだから連れてってくれ。」
魔理沙は微妙にニヤついてる。
「はぁ。あんたがそういうのならそうなんでしょうね・・・」
流石は魔理沙。霊夢の機嫌を直した上に事実を突きつけてくれた。
「・・・じゃあ○○。そういうことなら一緒に帰るわよ?」
「あ、ハイ。」
と、ここで大事なことに気がついた。
「湯飲みが無い!」
確か手に持ってたはずだが、魔理沙にぶつかったときに無くしたのかも知れない。
「それならここにあるぜ?」
すっと魔理沙がポケットから出す。
「これお前のだったのか。どこぞの誰かの落し物だと思って、保管させてもらう予定だったぜ。警察と魔法使いの家は落し物保管所でもあるからな。」
霊夢に手を引かれたもう片方の手に、魔理沙がポンッと湯飲みを置く。
「じゃあごゆっくり。だぜ。」
こいつのごゆっくりの意味はいくつあるんだろうか。
「ありがとな。魔理沙。」
「とりあえず○○を助けてもらったことには感謝するわ。ありがとう魔理沙。あと勘違いは・・・ゴメン」
「礼には及ばないぜ。魔法使いは人助けもする。そして勘違いは誰にでもあるものだぜ?」
じゃあね。と、俺と霊夢は魔理沙に挨拶をする。
俺は霊夢に手を引かれつつ痛いが、少し動けるほどに直った体を体を動かす。
「○○?大丈夫?」
「あぁ。まぁ大丈夫だ。それより霊夢。すまんな。」
「魔理沙と一緒にいたことならもういいわよ。私の勝手な誤解だったし。寧ろ私が謝るべきよね」
「いや、そっちじゃなくて昼遅れたことなんだけど・・・」
「あぁ。そんなこと?」
「そんなことて。俺的には結構必死だったんだよ?・・・大分遅れたけど」
「○○が無事だったからもうなんでもいいわよ。そこら辺の妖怪にでも襲われてるのかと思ったから来たのよ」
「霊夢・・・」
「それが魔理沙とイチャついてるようにみえたから・・・」
彼女が頬を赤らめる。
「私ったら勘違いも甚だしかったわ」
「いやいや、俺も遅れて本当にすまんかった。あと霊夢が、魔理沙とイチャついてるように見えたことに怒ったのは嬉しかった。あの時は本気でビビッタけど。」
「・・・そりゃ大好きな人が他の人に取られたのに冷静で居られるほうが不思議よ・・・」
霊夢が俺から顔をそらす
俺も少し恥ずかしくなってきた。こんなに改まって好きだと言われると赤面は免れない。
「ありがとう霊夢。これからも仲良くしていこうな」
とりあえず今の俺の精一杯の言葉だ。
「私からもお願いするわ。それと私の一方的な仲直りの証。」
と、いって彼女の唇が頬に触れた。
「なんか、ありがとう。霊夢。本当に本当にこれからもよろしくな」
「・・・さぁ、あと1分くらいで着くわよ」
「着いたらお茶頼むな。俺の大好きな霊夢。」
「私の大好きな人の頼み。お安い御用よ」
霊夢がまた足を進める
心なしか彼女の足取りは軽い。
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うpろだ1242
「こんにちはー」
「あら、いらっしゃい。素敵な…」
チャリーン
「お賽銭箱はここでしょ?」
「台詞取らないで。また慧音のお遣い?」
「あぁ、そうだよ。生活に必要な食べ物、雑用品、消耗品とか」
「よく続けられるわね。並みの人間だったら、まず来たがるような
場所じゃないのに」
「うーん、そうなるとぼくはもう只の人間じゃあないのかな」
「…涼しい顔して物騒な事言うのね。ある意味そうかも。ところで
お茶飲む?」
「いただきます…とその前に出すもの出しちゃおう」
ひょい ごとごと かちゃかちゃ
「…見てていつも思うんだけど、その『ブラックボックス』?よく
そんなにたくさん物が入るわね。どうやって手に入れたの?」
「森近さんから慧音さまに渡って、慧音さまがぼくにくれたんだ」
「魔理沙には見せちゃ駄目よ?あいつに一度『借りてくぜ』って
持ってかれたらほんとに死ぬまで返ってこないと思うから」
「あはは…気をつけます。置く場所は物置と厨でいい?」
「そうね、そうして頂戴」
「ねぇ」
「うん?」
「いつも慧音のお遣いで来るけど、いいの?」
「いいって、何が?」
「例えば嫌だなーとか思ったり、面倒くさいなーとか思ったりした
ことない?」
「ん…ないよ」
「今日一日の予定が決まってて、そんな中にお遣い頼まれたら?」
「普段は慧音さまの寺子屋で助手をしているから、お遣いを頼まれ
ても不自然さは無いと思うし、それに」
「それに?」
「休日もそんなに予定らしい予定は入ってないんだ。町に出て本屋
さんに行くか、時々遊びに来る慧音さまとぼくより小さい子供達の
相手をしてることが多いかな」
「他に遊び相手はいないの?」
「昔はいたけど、今は皆ばらばら。ある人は対妖怪襲撃の警備隊に
入って、ある人は町に出て商人として生きてる。寺子屋を出てすぐ
結婚した人もいるし、そんな中に入るのは迷惑だと思ってね」
「ふーん…」
「霊夢はいつもここにいるんだよね?」
「そうね。時々人里に買い物か、霖之助さんのお店に行ったりする
くらいで、普段はここでまったりしてるわ」
「変なこと聞くけど、寂しいとか思ったりした?」
「ないわね。一人でいることが当たり前だったから。宴会で人妖が
集まることはあるけど」
「…ああ、それ阿求さんの書いた幻想郷縁起にもあったような…」
「でもね、あれ大変よ?宴会が終わった後片付けはみんな私一人で
やらなくちゃならないんだもの」
「そりゃ大変だ…今度手伝うよ」
「それは助かるわね」
「僕はそろそろ戻るよ。人里の門が閉まっちゃうからね」
「あら、もうそんな時間?待ってて」
「?」
「はい、これ」
「これって、霊夢の博麗護符(アミュレット)だよね。いいの?」
「作ろうと思えばいつでも作れるから大丈夫よ。それに帰っている
途中で妖怪に襲われて死なれたりしたら、流石にばつが悪いわ」
「ん、ありがとう。それじゃ、また来るよ」
「…また来るの?大して面白くも無い場所なのに…」
「そんなことはないよ」
「え?」
「僕はいつも、楽しんでるよ?ここに来るのも、ここに来て霊夢と
話をするのも。時々やって来る魔理沙やレミリア達と話したりする
のも、楽しい。飽きたりなんか、絶対無い」
「…!」
「霊夢が迷惑でなければ、だけどまた来たい」
「…別に、迷惑じゃないわ」
「慧音さまにもよろしく伝えるよ。それじゃまた!」
「…変な人」
「あら、素直じゃない紅白の巫女のオンボロ神社はここかしら?」
「うわぁ、いきなり顔出すなぁ!それとオンボロは余計!」
「うふふふ、ごめんあそばせ。『霊夢が迷惑でなければ、だけど
また来たい』『…別に、迷惑じゃないわ』だって。初々しい恋人
同士みたいじゃない。可愛い可愛い」
「ぬ、盗み聞きしてたのね!?声色までご丁寧に真似して!」
「あら、人聞きの悪い。私は通りかかったところを偶然聞いただけ
ですわ。それに、霊夢は実際そんなことを言ったし、言われていた
じゃないの」
「うぅ~スキマの中にいたくせに都合のいい解釈をぉ…」
「いじけないのいじけないの。あんなふうに言われて一瞬頬が赤く
なった霊夢なんてレアものの光景ね、鴉天狗が地団太踏んで泣いて
悔しがって、羨ましがるわ。それじゃあね」
「…はぁ。何しに来たのよまったく」
「あ、それとね。彼、霊夢のこと意識してるわよ」
「…?だから何よ」
「そこから先は霊夢次第、それだけ。お休み~」
「言うだけ言って帰っちゃうんだから…はぁ」
…しかし、これは彼と博麗の巫女の物語の序幕が上がっただけ。
ここから先の物語は、どう紡がれていくのだろう…
それは運命を操る紅い悪魔にも、歴史を創造し時に喰らう半獣の
賢人にも決して先が読めない不思議な物語。ここから先はあなた次第。
終
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うpろだ1320
○○と霊夢は波乱にみちたドラマの様な大恋愛の末、ついに結ばれて結婚するに到った。
そりゃもう、語るには一行では不可能なのだがそれはそれ、結果からすれば後は甘ったるい新婚生活の日々が続くはずだった。
しかし、ある日霊夢の元に一通の手紙が届けられる事でそれが脆くも崩れ去る。
「前略 霊夢へ
ごめん。
俺の所為でここから去らないといけなくなった。
この手紙を読む頃には、俺はもう居ないだろう…
けれど心配しないでくれ、いつか必ず帰ると約束するよ。
○○」
「…○○!!一体何があったの!?」
霊夢は血相を変えて○○捜索へと飛び出した。
○○が行きそうな所や、幻想郷の要所全てを駆けずり回り、結局成果は上がらなかった。
手紙が届いてから既に一週間、霊夢の顔色には陰りがありありと見れた。
「霊夢…全然寝てないんだろ?○○の捜索は私も手伝ってやるからさ…少しは寝なよ」
「……ありがとう魔理沙。でも、もしかしたら○○の身になにかあったらって思うと…落ち着いていられないっ!」
ここ数日、霊夢はずっと○○を探しつづけて、まったくと言っていいほど睡眠を取っていなかった。
もしかしたら神社に帰ってきてるかも、そう思って一旦帰ってきた霊夢だが○○の姿は無かった。
○○が失踪し霊夢が毎日幻想郷を飛び回っていると聞いた魔理沙は心配して様子を見に来たが、そこにはお日様の様な、どこかぽわぽわした霊夢の姿は無く、暗くやつれ森の中を飛び回ったのか服もボロボロになった酷い姿の霊夢だった。
「手紙には必ず帰るって書いてあったんだろう?信じて待ちなよ」
「でも…!」
霊夢は魔理沙の制止を振り払って飛び出そうとする。
しかし極度の疲労で飛び上がれず、へなへなと崩れ落ちてしまった。
「…なぁ霊夢、もし○○が見つかっても、そんな酷い格好で会って○○はなんて言うかな…」
そう言われてついに霊夢は顔を伏せ社内へと戻った。
「とりあえず後は私に任せろって!知り合いにも声かけて手伝って貰うように言っとくからなっ!」
魔理沙はそういって神社を後にした。
「…○○…どこ行っちゃったのよ…○○……あいたいよぉ…ぐす…」
○○発見の知らせが届いたのは、その次の日の事だった。
「…その…なんだ、人里に買出しに来てた藍に聞いたんだが、…紫の所にいるらしいぜ」
なんだか、ばつの悪そうな顔で魔理沙が言った。
「なんで○○が紫の所にいるのよ!?それに聞いてないわよ!」
「いや…実はだな…」
しかし霊夢は魔理沙の言葉の続きを聞くことなく飛びだして行ってしまった。
「あ!霊夢っ!まてって!く、なんてこった追いつけねぇぜ!どうなってやがる!」
道中、氷精やら猫又やら天狐やらが出てきたが問答無用で撃墜していく姿は、ある意味暴徒。
バン!
激しい勢いで紫の住むマヨイガの屋敷のふすまを蹴飛ばし入る。
「あらあら、だめじゃない霊夢。一体何があったのかしら?」
「とぼけるのもいい加減にしなさい!○○がここにいるのは分かっているのよ!!」
鬼気迫る勢いの霊夢を冷めるような目で見つめる紫。
「…そう、残念ね、○○ならもうここには居ないわ」
「っ!?…どういう事かしら……事と次第によっては容赦しないわよ…」
静かに、かつ地獄の底から吐き出される様な重い響きで霊夢はゆっくりと尋ねた。
それを見つめながら紫は不気味な笑顔で言い放つ。
「今、○○は幽々子の所に居るはずよ……そう、冥界の白玉楼にね」
「ゆかりぃぃいいいい!」
霊夢の手から激しい弾幕の渦が怒涛の如く紫へと打ち放たれる。
しかし紫は目を細め、うっすらと笑みを浮かべたままスキマへと潜りこんだ。
「勘違いしないで、○○はちゃんと生きているわよ。ちょっと冗談が過ぎたかしら」
霊夢のすぐ真後ろから上半身だけを覗かせながら紫は霊夢をなだめる。
「お詫びに白玉楼へ連れてってあげるから、そんな目で睨まないで。……怖いじゃない」
霊夢は鋭い目つきで紫を睨み続けていたが当の本人は言葉に反して涼しそうな顔だった。
「……ふぅ、もういいわ。事情は後できっちり教えてもらうから覚悟しなさいよ?」
「いやねぇ、そこまで怒ることないじゃない」
そう言いつつも紫は霊夢の腕を引っ張ってスキマの中へ入って行った。
「ちくしょう…霊夢に会いたいなぁ」
「○○!」
○○は聞き覚えのあるその声に驚き振り返った。
「霊夢!」
「○○!」
霊夢は一直線に○○の胸元へ抱きついた。
しかし勢い余って○○は霊夢を抱いたまま、その場で円を描く様にくるくると回る。
「霊夢、何故ここに?」
会えて嬉しい、しかし本来ならここに霊夢はいないはずである。
「○○があんな手紙一枚残していなくなるからじゃない!」
バッと顔を上げ怒りながら霊夢は言うが、
「……心配した、凄く心配したんだから…えっぐ、えっぐ」
いままでの緊張がついに解けたのか、ついに霊夢の目からはポロポロと涙がこぼれ落ちていった。
「…ごめんな…心配させて、なんて言えばいいのか…」
「はいはい、水をさす様で悪いけど、感動の再会はもういいかしら?」
振り向けば紫と幽々子、妖夢が揃ってこちらを見ていた。
微妙に妖夢が涙ぐんでいるのはきっと感受性が高いせいだろう。うん。
「あ、あははは」
○○は恥ずかしそうに頭をかいているが、霊夢は知ったことかと頭を○○の胸元に、ぽふっとうずめ抱きついたまま放そうとしなかった。
「それでどういう事かしら?」
漸く落ち着いたのか場所を居間に変え、妖夢の淹れたお茶を飲みながら霊夢は面々に尋ねた。
「う~ん、教えてもいいけど、一応言っておくわね?私達のところにいた事を黙ってる様に言ったのは、そこにいる○○よ?」
紫が○○を指しながら話を振った。
「ええ!?ちょ、ちょっと○○どういう事よ?」
「あ~、なんだ、これには海より深い事情がですね」
「海ってなんですか?「妖夢は黙ってて!」みょん!?」
空気を読まない妖夢の所為で、○○と霊夢の間に微妙な空気が漂った。
「……えー…言わないとダメ…ですか?」
「ダメ」
○○はしどろもどろになりながら焦ったように紫は幽々子の顔を見たり、どっかそっぽ向いたり。
「……○○……私ね、ずっと探し続けてたの。そりゃもう寝る暇も惜しんで駆けずり回ったわ。
だからね。
り ゆ う。
言いなさい」
「ひぃ」
後日、紫は天狐にこう言ったそうだ。
霊夢に対して戦慄したのは、あの時を置いて他には無いと。
「霊夢が留守にしている時、その紫さんや幽々子さん達と賭け麻雀しまして…」
「…それで?」
「そしたら大負けしちゃって…あは、あははは、霊夢さん顔がすごいです」
「……で?」
「…取り返す為にさらに麻雀しましたら…なんというかダルマ式に凄い金額になっちゃいまし…あわわ」
「………いくら負けたの?」
「……ざっと10万え~ん、わぁ~お」
「……」
霊夢は顔を伏せ、腕はわなわなと振るえ口からはギリギリと音が聞こえてくる。
「いや、あのっ、そのっ!支払えないから肉体労働で働いて返すという事になりましてっ!つまりですねっ!」
「○○さんのおかげで私も少し暇をいただけたりと助かってまして!」
なぜか妖夢が○○のフォローにまわっているが、ここでは焼け石に水だ。
「……こぉのダメ亭主!!甲斐性なし!!!あんたなんか一生紫や幽々子のところで働いてろ!!!!」
つまりは鬼が降臨する。
「あらいいのぉ?遠慮なく貰っちゃうわよ?」
間髪いれずに答えたのは紫だった。
「いいわね、うちにもぜひお願いしたいわ、たまには妖夢に暇も出したいもんね」
さりげなく便乗する幽々子。
「ゆ、幽々子さまっ!」
それを聞き感動する妖夢。
「っ!だめっ!○○は私のなんだから!あんた達にはあげないわよ!」
それを聞き霊夢は一転、○○の腕をぎゅっと握って奪われないように威嚇した。
「…本当にごめんな…俺がしっかりしてればよかったのに…ほんとダメな男だよな俺って…」
「○○…ううん、○○が無事だって分かったからいいの」
「微妙に言いくるめられてるわね」
「惚れた弱みってやぁねぇ」
「…○○さんって本当は手玉にとっちゃう様な方だったんですか…幻滅です」
蚊帳の外では言いたい放題だったりする。
違うぞ、というかそもそもの原因はお前らだろうが!○○は心の中でそう叫ばずにはいられなかった。
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最終更新:2011年02月26日 23:34