魔理沙4
3スレ目 >>651(うpろだ0003)
今回は魔理沙×自分。妄想だけを頼りに頑張ってみた。
643で書いたものより短いのは気の所為。
照れる魔理沙はとても可愛い、とか言ってみるテスト。
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月に照らされた夜の森に、二つの足音が響いている。
「なぁ、魔理沙」
一つは青年…俺のもの。
「あー、どうした」
もう一つは少女のものだ。
「なぁ、このキノコ何に使うんだ?」
「あー、魔法」
俺の手の中には籠。その中にはいくつかのキノコが入っている。
「魔法…って、どんな?」
「魔法薬だ。効果は…お前に飲ませれば解る」
「訳の判らんモノを俺に飲ませないでくれ…」
冗談を交わしながら二人は歩く。行く先は魔理沙の家だ。
「そういえば、なんで今日は一緒に来たんだ?いつもは家で実験してるだろ」
「…それ…は…その…」
「?」
魔理沙は顔を背けて、蚊の鳴くような声で言った。
「たまには…その…○○と……いっしょ…に……」
「…?」
「いっしょに…あるい…て…?うあぁ?!」
べっちーん。
突然、魔理沙が転んだ。それはもう盛大に。
「ま、魔理沙っ!大丈夫か?」
「い、いててててて…脚を…挫いたみたい…だ」
「歩けるか?」
「こ、この程度…痛っ!!」
「お、おい無理するな」
どうやら、脚を痛めたようだ。
ここから魔理沙の家までまだ距離がある。歩くのは無理だろう。
そうすると、アレしかない。
嫌ではない。むしろ色々と嬉しいのだが…とても恥ずかしい。
…この場合は仕方ないだろう。
俺は魔理沙に背を向けてしゃがみこむ。
「……?」
「その…掴まれよ。背負ってやる」
魔理沙の顔が赤くなる。
その表情が、とても可愛らしく思えた。
少しの間。
「…いい…の…?」
申し訳なさそうな顔で訊いてくる。
「お前歩けないだろ。いいから」
「…うん、ありがとう…」
そういって、少し躊躇しながら、肩に手を回す。
それを確認して、俺は立ち上がった。
「よ…っと」
…軽い。こんなにも軽いとは予想外だ。
「重い」
それが精一杯の照れ隠しだった。
「…ドラゴンメテ…」
「悪い、冗談だ。すまん」
魔理沙の脚を抱えて、ゆっくりと歩き出す。
肩に回された腕は、白くてか細い。
背中には、魔理沙の胸のふくらみまでもが感じられる。
後ろから、小さく細い息が聞こえてくる。
正直、とてもドキドキしていた。
「…○○の背中…意外と広いんだな…」
「…魔理沙も…結構…小さいな…」
「……////」
「……////」
照れくさくて、お互い何も言えなくなる。
ただ、魔理沙の身体の温もりを感じていたくて。
ゆっくりと、ゆっくりと、歩いていく。
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二人は魔理沙の家に到着した。
「よっと」
魔理沙を背中から下ろす。
「あ、ありがとう。…助かった」
少し俯きながら、真っ赤な顔をした魔理沙は言った。
…なんて可愛いのだろう。
「…そうだ○○、なにか礼をしないとな。なにか欲しいものとか、あるか?」
その問いに、俺はこう答えた。
「俺は…俺は、魔理沙に一緒に居て欲しい」
「…ぇ」
魔理沙が驚きに目を見開く。
その綺麗な琥珀色の瞳を見つめながら、さらに言った。
「俺は、…魔理沙が好きだから」
自分でも驚くほど、自然に告白していた。
魔理沙は、まだ驚きに硬直している。
…魔理沙は俺のことをどう思ってるんだろう。
それを訊ねようとした時だった。
魔理沙の顔が突然に迫ってきて…
それを判断するより早く、唇と唇が触れた。
「んッ…」
俺は、何も考えられなかった。頭が真っ白になっていた。
…魔理沙が、唇を離すまでに、どれだけの時間がたったのかは判らない。
先に口を開いたのは、魔理沙だった。
「その…これは………お礼、だ…」
魔理沙は言葉を続けた。
「私も…○○が…」
一呼吸の間。
「○○が、好きだから。…だから、これからも…」
…
「これからも、よろしく…な」
嬉しかった。
何を考えるよりも早く、俺は魔理沙を抱きしめた。
「…魔理沙、大好きだ」
「うん。…嬉しい」
そのまま俺たちは、しばらく抱き合っていた。
「…今日はすっかり遅くなったな、○○」
「ああ…もう真夜中だ」
「…その…夜雀なんかに襲われると危ないから…その…」
「…?」
「…今日は、私の家に…泊まったら…どうだ…?」
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幻想郷の夜が明ける。
妖怪の時間は終わり、人間が目を覚ます。
朝日の届かない薄暗い森を、二つの人影が横切る。
俺と魔理沙は手をつないで。
昨日、道端に置き忘れたキノコを取りに。
二人で、歩いてゆく。
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あとがきという名の弁解。
えーSS書くのは二回目だったりした。
相変わらず文章が異常。今は反省している。
それ以前に魔理沙の性格が安定していない罠。
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3スレ目 >>782
「師匠……」
「ん、何だ?」
「好きですよ」
「そういうことは、私の符を避けてから言うもんだぜ」
…………
……
「なあ」
「何ですか?」
「腹減ったから、何か軽く作ってくれ」
「なら、煎餅でいいですね」
…………
ぱりぱり……
「なあ○○」
「おかわりはありませんよ」
「たまには『魔理沙』って呼んでくれないか?」
「恥ずかしいから嫌です」
ぱりぱり…………
ずずず…………
「まあ、何だ。その……嫌いじゃないからな。お前のことも」
「だから煎餅は切らしてますって」
「じゃあ茶のおかわりをくれ」
「いつもの出枯らしでよければ」
ずずず……
ずずず……
「いいですけどね、二人っきりなら別に」
「煎餅か?」
「焼きませんよ、魔理沙」
…………
……
「なあもう一回」
「やっぱり恥ずかしいから止めときます」
「いいだろ別に、減るもんじゃないし」
「減らなくても大事にするのが節約です」
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3スレ目 >>961
手作り弁当 ~制作編~
21:00
「さて、張り切って作るとするか…」
22:00
「なかなか味が安定しないな…。これではとても食べさせる訳にはいかないぜ……」
23:00
「しまった!試作で材料を使い切ってしまった!紅魔館の食料庫から拝借するか……」
24:00
「ぐぁ……。また味付けが濃くなってしまった……。このレシピ本当に合っているのか?」
25:00
「なんとなく形が見えて来たか…。手製の弁当というのも奥が深いものだな……」
26:00
「よし、明日の弁当はこれで決定だな。まずは仕込みからだ……」
27:00
「……はっ!?意識が飛んでいたな……」
28:00
「……完成……もうすぐ夜明けか……もう寝よう…おやすm……zzzzz」
12:34
「うぉっ!すげー!この弁当マジで魔理沙の手作りなのか!?」
「コレくらい朝飯前だ。無駄口叩いてないで、さっさと食べたらどうだ?」
「……!?こ、これはっ!?うひはぁーーっ!!超うっめーーー!すげー!神様仏様魔理沙様ありがとーーう!!」
「当たり前だ。恐れ入ったか?私の料理の腕をナメてもらっては困る。……明日も作ってやらない事もないぞ?」
負けず嫌いの魔理沙なら、これくらいはやってそうだ…
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4スレ目 >>70
季節はもう梅雨なのか、外は窓をすべて閉め切ってもわかるほどの土砂降り。
既に効果音がザーザーとかではなく、ドドドドドドな感じだ。
そんなことと関係あるのか無いのか、俺は玄関先にいて、目の前には全身びしょ濡れの魔理沙。
「よぉ魔理沙。どうしたよ」
「あー……まぁ何だ。恒例の図書館突撃をしたんだがな?その帰りにこう……あー見ればわかるだろ!朝は快晴だったのに帰りにどしゃぶりとかわかるか!」
湿った金髪を手でかきながら言う。
「説明をしようとしたはいいけどいろいろ面倒くさくなって打ち切った上に逆切れとは流石魔理沙だな」
「……それは褒めてるのか?それとも貶してるのか?間違いなく後者だよな?今更訂正は聞かんからな?オーケー其処を動くなよ?」
腰を低く据え、構えるはかめh……マスタースパークの姿勢。
目がマジです目が。本気と書いてマジと読む。
「今の私は相当に機嫌が悪いからなぁ……覚悟しろな?」
「いやいや魔理沙?ここでぶっ放したら家が吹きと―――」
「問答無用だ!マスタァァァァスパアアァ―――」
「ぎゃああぁああ!」
「……くしゅ!」
ん?
「この……くしゅ!動く……くしゅ!マス……くしゅ!」
えーとこれは……
「……魔理沙、大丈夫か?」
聞くまでもない気がしたが聞く。
そりゃあ全身びしょ濡れで長い間いたらこうなるわなぁ……
だと言うのに
「こ、このぐらいダイジョ……くしゅ!」
あーあー意地張ってるのか知らんが強がってまぁ……
ガジガジと頭をかいて溜息を一つ。
当たり前のことを言うつもりなのに覚悟がいるのは何でだろうね?
「あーもう無理すんなよ。風邪引くだろうがそれじゃぁ。風呂でも入ってけ」
「あ、ああ。ま、まぁ最初からそのつもりだったんだけどな」
はははははと空笑い。
と、顔が少し赤い。
「オマエもう風邪引いてるんじゃないだろうな?」
「……へ?何でだ?」
「いやだって顔が―――」
とペタペタと顔を触り、ピタっと硬直するは魔理沙。
「……魔理沙?」
「な、なんでもない!なぁんでもない!」
顔やら手やらをブンブン振り回して極大否定。
さらに顔が赤くなってるのは気の所為かね?
「と、兎に角風邪はまだ引いてないか……くしゅ!」
「あー……なんでもいいから先に風呂入れ」
「ん……そうする……」
さて、と言うわけで今魔理沙がうちの風呂に入っているわけだが
→A.魔理沙と一緒に風呂に入る
B.おとなしく出てくるのを待つ
C.せっかくだから俺はこの紅い扉を選ぶぜ!
とりあえずネチョは無いでしょ多分w
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4スレ目 >>166
親父が旅先からいきなり荷物を送ってきた
八卦路といってこの中は常に燃えてるそうだ
俺は興味本位で穴を覗き込んだ
そしたらいきなり八卦炉が光り出し中から金髪の少女が現れたのだ!
「よう、お前が私の新しい主って奴か。冴えないさそうな奴だな
しかし呼び出された以上は仕方ない。派手に守ってやるからよろしく頼むぜ」
,j;;;;;j,. ---一、 ` ―--‐、_ l;;;;;;
{;;;;;;ゝ T辷iフ i f'辷jァ !i;;;;;
ヾ;;;ハ ノ .::!lリ;;r゙ そんなふうなことを考えていた時期が
`Z;i 〈.,_..,. ノ;;;;;;;;> 俺にもありました
,;ぇハ、 、_,.ー-、_',. ,f゙: Y;;f
~''戈ヽ `二´ r'´:::. `!
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4スレ目 >>231>>238>>269-270
香霖堂にて
店内には、すでに先客がいた。
「お、いいところに来たな、お二人さん」
魔理沙が早速話しかけてくる。
この娘はいつも、どこか少年のような笑みを浮かべている。
「いいこと、ね。日をあらためて出直すわ」
そう言うや否や、急いで帰ろうとしているのが咲夜。
店に来る途中で偶然一緒になったのだ。
「ちょ、おい待てって。宴会だよ宴会」
あわてて引き止める魔理沙を無視して歩き出す咲夜。
ああ、さすがに踏んでる修羅場の数が違う。
少しでも疑わしいものは決して信用しない。
随分と言えば随分な対応だが、魔理沙の場合にはこれもやむを得ぬ事かもしれない。
彼女が如何に迷惑な人間かは幻想郷でも有名だ。
だが、それでもこれはやりすぎだろう。
「まぁ、話しぐらい聞いていこうよ。それに、ここに買出しに来るために午前中急いで仕事したんだろ?」
僕が魔理沙の援護に回ると、ようやく立ち止まってこちらを振り返り、肩をすくめる。
話しを続けろということらしい。
僕と魔理沙がなんとなく目を合わせてため息をついていると、それまで会話に入ってこなかった霊夢が。
「人徳ね、魔理沙?」
くすくすと笑いながら茶化す。
魔理沙が少しふてくされながら説明してくれたことをまとめると、大体このようなところになる。
三日後の晩に博麗神社で宴会を行う。正確な時間は決めていないが日が暮れるところには飲み始める。酒とつまみは持参。
「って、それだけ?」
思わず声を上げてしまった僕をみんなが不思議そうな顔で眺めてくる。
「それ以外に何か必要なことがあるのかしら?」
真顔でそう返してくる咲夜の言葉を受け、先ほどの魔理沙の説明を吟味してみる。
会場の位置、日程、そして持参品。
一見問題がなさそうだが、やはりどこか変だ。でも、ここでそんなことにこだわっても仕方がない。
「いや、特には見当たらない」
そういった僕のどこがおかしかったのか。
その場にいた三人の少女達が一斉に笑い始める。
幻想に生きる連中に笑われるなんてなんとも心外なことだと思いながらも、そう悪い気はしなかった。
「それにしても」
ひとしきり笑った後、霊夢が話しを変えるように言う。
「こうも宴会が続くと、色々と大変なのよね」
実際、苦労しているのだろう。博麗神社は彼女一人でもっているようなものなのだから。
普段から一人で管理しなければならない上、何かあるたびに集合場所にされるのだ。
気がつくとこう言っていた。
「じゃあ、手伝うよ。準備とか、片付けとか」
幽霊でも見たような顔をしている霊夢の顔を見て、少しくじけそうになりながらも念を押す。
「いいだろう?」
「それは、そうしてくれれば、嬉しいけど……」
りんごみたいに真っ赤になった霊夢が何事かをぶつぶつ言っていると、それにかぶせる様に咲夜が。
「なら私のほうも手伝ってもらえないかしら。宴会に持っていく料理の下ごしらえを前の晩のうちに済ませておきたいの」
と言ってきた。
普段人に頼ることをしない彼女の申し出には多少驚いたが、快く承諾した。
鬼の形相の霊夢と彼女をあからさまに馬鹿にした表情で鼻を鳴らす咲夜の対決は、確かに見ものではあった。
しかし、そのときの僕は浮かない顔をして脇に立っている魔理沙のことが気になっていた。
「もう日暮れか。こっちに着てからは時間のたつのが速いや」
結局、あの後も店の奥から出てきた主人、こーりんを交えて散々無駄話をしてしまい、用事を済ませて店を出るころには日が沈みかけていた。
目の前にいる少女を見つめる。彼女は僕の視線に気づくこともなく、下を向いて空を飛んでいる。
元気がない。普段の彼女からは想像もつかない姿だった。
いつもなら気分を高揚させる真っ赤な夕焼けも、彼女につられたのか、どこかさびしげな光を放っている。
いきおい、僕の口数も減り、想念の中へ自己が埋没していく。
嫌われてしまったのかもしれない。
ふとそんな想像が脳裏をよぎり、思わず唇をかむ。
きっとそうだ。何がまずかったのだろう。
彼女の腰に手を回していることか。でも、そうしていないと箒に振り落とされるだろうし、やっぱり仕方ない。
「あのさ」
宙を舞う箒の上で手を離すことと、自転車に乗ったままそうすることのどちらがより危険かを真剣に考えていた僕に、魔理沙はこのように切り出した。
「ナニ?」
最悪。声が変だ。思わず頭を抱え込む僕を無視して、彼女は続ける。
「私も、頼みごとをしていいか?」
「……うん?」
「明日さ。宴会の事をあっちこっちに知らせに行くんだけど、つきあってくれないか?」
「いいよ」
即答。
当然のことだ。僕が彼女の頼みを断るはずがない。
何故なら……
「お前ってさ」
再度物思いに沈みかけた僕を、魔理沙は速やかに現へと引き上げた。
僕の返事を待つこともなく、彼女は続ける。
「好きなやつとか、いるのか?」
頼みごとでもなんでもなかった。
いや、その話題はさっきのやり取りで終了していたのだろう。
それにしても。
「君がそれを言うのかよ」
「え?」
「や、なんでもない。好きな人なんかいない」
胸がズキズキと痛む。
ここまであからさまな嘘を吐くのはこっちに来てからは初めてだ。
何でこんな思いをしなきゃいけないんだろう。
伝えたい想い。伝えたい言葉があるのだ。
それを、今にも溢れそうなそれを彼女に告げてはいけないのだろうか?
その通り。それはいけないことだ。
なぜなら、四日後の朝、僕はここを去るのだから。
今度宴会をやるのも、つまりはそういうこと。
いままでありがとう。それではさようなら。
僕のうちにつくまで沈黙は続いた。
日が暮れたせいで、別れるときも彼女の表情を確かめることはできなかった。
家に送ってもらうと、僕は食事もとらずに床についてしまった。
かたく湿った布団に包まれながら、今日起きたことをつらつらと思い出す。
香霖堂での会話。宴会。元気のなかった魔理沙。帰り道。それと……
そう、確かに覚えたはずの違和感。あの時みんなに笑われたのは心外だった。結局考えるのを諦めたんだっけ。
でも、もうその正体はつかめている。
会場の位置、日程、そして持参品。
僕はこれらの要素だけでは足らない。不足であると感じていたのだ。
何が足りないのか。
それは「誰が来るのか」だ。
幻想郷に来る前に参加した、あらゆる飲み会を思い出す。
そこで最も大事なのは、果たして自分が誰と飲むことになるのかということだった。
大嫌いな奴と隣り合わせて、終始不快な気持ちで過ごすことになったり、あまり親しくないグループの二次会に混ざってしまい、気まずい思いをする。
このようなことを避けるため、事前に参加者を調べることは大変重要なことだった。
でも、と、そこで僕ははたと気づく。
何でこんな大事なことを忘れていたのだろう。
いや、大事なこと、というのがすでにおかしいのかもしれない。
最初に違和感を持ったとき、僕はそれをどう処理したか。
「そんなことにこだわっても仕方がない」
なぜそんな風に考えたのか。
そこで、今はまったく関係のない約束が、突然脳裏をよぎった。
「明日さ。宴会の事をあっちこっちに知らせに行くんだけど、つきあってくれないか?」
こちらに来てから何度か宴会に参加したことがあったが、そのたびに魔理沙が直接参加の約束を取り付けに行くことを、僕は知っていた。
大変ではないのか。そう尋ねたこともあった。
そのとき彼女はこう答えたのだったっけ。
「そうでもないぜ。二、三人に声かけたら、後はそいつらに任せてるし」
呆れた顔をしている僕を見て、にやりと笑い、彼女はこう続けたのだ。
「ここじゃ、知らない奴が混じってても誰も気にしないぜ?」
気がつくと布団を跳ね上げていた。
どうしたというのだろう。
自分の行動が理解できずに戸惑う。
そして、そうやって悩んでいる間にも、自分の下半身が小刻みに震えていることに気がついた。
貧乏ゆすり。
小さい頃。親にみっともないからやめろとよく叱られた癖。
でも、それをなぜ、他ならぬ今この時にしているのか。
これでは、まるで……
「まるで、焦っているみたいだ」
焦っている?
自分の考えの突飛さに笑う。
僕に焦ってまでやるようなどんなことがあるだろう。
いや、一つあるとするならば。
「お前ってさ」
「好きなやつとか、いるのか?」
限界だった。
「くっ」
布団の上でうつ伏せになって震える。
僕は魔理沙が好き。
はっきりと言葉に出してみようと思ったが、口から出るのは獣のようなうめき声だけだった。
今からでも彼女の家に押しかけて、言ってやりたいのだ。
君が好きだ、と。
でも、それは叶わない。
僕はもうすぐここを去る人間なのだから。
いや、それは後付けの理由。
本当は、本当は単に拒絶されることが怖いだけなのだ。
ここに来る前からそうだった。
根拠のない疎外感。
人付き合いの苦手な僕は、幼い頃からそれを味わって生きてきた。
そして、今もそれを実感している。
だというのに。
「ここじゃ、知らない奴が混じってても誰も気にしないぜ?」
他人が怖くて仕方がないのに。
「幻想郷はすべてを受け入れる」
とうして。今も心の底に張り付いて離れない言葉。湧き出ては枯れぬ信頼があるのだ。
昼に気づいた違和感。
なぜそれをすぐ棚上げしてしまったのか。
今ならよくわかる。
どうでもよかったのだ。
だってここはすべてのものを受け入れる場所なのだから。
そして、それにすぐ頭が回らなかったのは、きっと。
僕が、すっかりここの住人になっていたから。
黙ったまま立ち上がる。
このまま森を抜けて魔理沙の家まで歩いていくつもりだった。
夜更けの森を歩くことの危険は熟知していた。
でも、そんなことは少しも気にならなかった。
だって、やりたいことがあるのにそれをやらないなんて、おかしいから。
「そうだろ? 魔理沙」
唇の端がつり上がるのがわかり、それがまた愉快だった。
さぁ、行こう。
問題はまだ山積みで、いつ解決するのかも知れなかった。
けれど、今の自分を遮るものなんて何もない。
それだけはわかった。
なぜなら、僕はいま、こんなにも魔理沙に会いたいのだから。
人が本気で何かを望んだとき、達成できないことなどないのだ。
「僕が会いに行ったら、魔理沙はどんな顔をするだろう」
想像するだけでも楽しくなってくる。
きっと彼女らしい豪快な驚き方をするのだろう。
でも、それだけでは終わらない。
おそらく、今夜は特別な夜になる。
幻想郷中に響くくらい大きな声でこう言ってやるのだ。
「僕は、魔理沙が好きだ」
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4スレ目 >>352-354
初書き、初投稿。文章削り能力がないので無駄に長いです。
あといろいろと「密度」が足りてないと思います。ですので最初に謝ります。ごめんなさい。
…………
…………
人間にとっていつ危険に遭遇するか分からない幻想郷において、読書に没頭できる静かな場所があることは非常にありがたい。
「いよーーう香霖! 遊びに来たぜーー!!」
・・・たとえ容易に破られる静寂であったとしても。
「いらっしゃ・・・なんだまた魔理沙か」
「なんだまた○○か」
「そこ、真似をしない」
「お約束の挨拶だぜ。香霖はどうした?」
「奥でお休み、誰かさんの無茶な注文のおかげでね」
調整の仕上がった八卦炉をぞんざいに魔理沙に投げつける。
「っと、悪いな」
「悪いと思うならツケくらい払ったらどう? 森近さん徹夜で調整してたみたいだし」
聞きいれられることはないとは思うが、それでも言わなくてはならない。
がやはり聞いていない魔理沙はいそいそと八卦炉をしまう。
・・・胸元へ。
「あの~、魔理沙さん?」
「ん、なんだ?」
「少なくとも男の目がある場所ではそんなところへ堂々としまわない方がいいと思いますが」
「はっはっはー、私と○○の仲じゃないか」
「はぁ・・・」
「やれやれ、森近さんも無茶な仕事は断ればいいのに。やっぱり魔理沙のことが好きなんだろうねぇ」
「そりゃ、な。○○が知り合う前からの深ーい付き合いがあるんだぜ」
「ふーん。で、そういう魔理沙はどうなん? 森近さんのことが好きなわけ?」
「嫌いだったらこうして調整を頼みに来るわけがない」
「いやいや、一人の男性として好きかどうか聞いているのだよ、魔理沙君」
「うるさいな! そう言う○○こそどうなんだ!」
何故か不機嫌な顔で魔理沙が詰め寄ってくる。
って、ちょっと距離が近すぎるんですけど・・・
「え、あ、どういうこと?」
「お前こそ誰か好きなやつがいるんじゃないかってことだ!」
さらに詰め寄られ。
怒った魔理沙の顔のアップとなんともいえない柔らかい匂いが鼻をくすぐり。
自分の顔が急速に赤くなっていくのが分かる。
「え、いや、あの、その・・・」
しどろもどろになる自分を見て余裕を取り戻したのか、嫌なにやにや笑いをうかべる魔法使いが一人。
「どうした? この魔理沙さんに正直に話してみ?」
形勢は完全に逆転された。至急この状況を打開する策を立てよ。
「う、うるさい! 先に聞いたのはこっちだ! 恋の魔砲使いのくせに自分が好きなやつも分からないのかよ!」
思わず目をつぶって叫んでしまう。
下の下。⑨。総員対ショック体勢、更なる衝撃に備えよ。
・・・あれ?
さらに突っ込まれると思ったのに、目を開けると魔理沙の帽子、髪、背中。
「あ、あの、ごめん・・・」
「確かに香霖は好きだぜ・・・世話になってるしな。
けど、○○のことも、その、悪くはないと思っている」
え、なんでこうなってるの?
「え、それってどういう・・・」
「ああはっきり言ってやる! ○○! 私はお前が好きだ!
さぁ言ったぜ! 次はお前の番だ! お前は私が好きなのか、答えろ!」
そう言って振り向いた魔理沙の顔は心なしか赤く、目も潤んでいるように見える。
まずい、非常にまずい。
パニックになるな落ち着けいやまあ確かに魔理沙かわいいよ魔理沙けどど
ちらかというと気軽に言葉をぶつけ合えられる性別とは関係のない友達と
言うかってこういう状況はまったく考えてなかったしいやでもどうみて
も美少女で胸はほどよく控えめでお前これ以上何を求めるというんだと
えー恋愛ってのはお互いの気持ちが重なって初めて成り立つんじゃないのかと
だまれ小僧女性に告白させておいて断って恥かかすなんでお前それでも男かうわ
なにをするやめr
ええええええええええええええええええい、考えるのやめ!
今の気持ちを率直に、だ!
「霧雨 魔理沙!」
前への決意 手を彼女の肩に置き
「ごめん!」
言わせた懺悔 その体を自分の方に引き寄せ
「好きさ、大好きだ!」
呪縛の言葉 できるだけ強く、それでいて潰れないように、私は魔理沙を抱きしめた。
パシャッ
ぱしゃ?
開け放しの入り口の方から聞こえたような・・・まさか。
ジャーン!ジャーン!ジャーン!
「スクープあるところ天狗あり! ペンは弾幕より強し! 曲解、捏造思いのまま! 記事の内容こそ事実!
真実の綴り手、最速の新聞記者、
射命丸 文 参上です!」
げえっ、射命丸!
思わず魔理沙を突き放す。
「おっと、酷いぜ」
射命丸の横に並ぶ形になった魔理沙だが・・・待てなんだそのにやにや笑いは。
「ここで種明かしです。今度の特集『一目瞭然! 幻想郷恋愛相関図(仮)』の取材に魔理沙さんを訪ねたのですが」
「そんなこと答えるわけ無いだろ」
「しかし半数以上の方への取材は終わっているので、そう易々と引き下がるわけにはいきません。
そこで交換条件を出しました」
「それが○○の好きな相手を聞き出すってことだ。悪いな」
「そういうことです。しかし予想以上の収穫でした、さすが魔理沙さんですね」
の・・・逃れなくては・・・
く くそ!
今はとりあえずなんとかして逃れなくてはッ!
なんとかして二人をだしぬく方法を考えなくては・・・!
「それでは、次の取材に行きますね。ご協力ありがとうございました!」
「おう、またな」
まずい、射命丸に行かれてはおしまいだ! ゲームオーバー、ダス・エンデ。
「・・・・・・むむむ」
「何がむむむだ!」
振りに対して即座に反応するのはもはや新聞記者としての本能か。
しかし、ひとまず足止めはできた。
あとは・・・
「・・・見事だ、実に見事だよ射命丸君!
一度に二人分の取材を終わらせるとはな!」
なるようになれ!
「魔理沙。お前さんは騙されてるぞ。あれだけはっきりとした証拠写真があれば魔理沙だって言い逃れはできない」
「甘いぜ。そこはしっかりと淑女協定を結んであるところだしな」
「そうです、約束は守りますよ」
「・・・一応確認しておくけど、その約束は『取材に協力したら魔理沙は答えなくてもいい』ってものじゃないのか?」
「ああ、そうだ・・・ぜ?」
・・・・・・・・・
「つ、次の方との約束の時間が迫ってますのでそそそろそろ失礼します!」
「魔理沙! 逃がすな!」
「おう! マスタァァァーーー」
げ。
「そ、それは止めろ、止めるんだ」
「スパーーーーーーーーーーーク!!!」
ここは店内だーーー!!
「ケホッ、ケホッゲホケホッ」
「ケホッ・・・○○・・・掃ケホケホッ・・・除してるのかよ・・・ケホ」
そういう問題じゃないだろ、と言い返す気力も無い。
膨大なエネルギーの余波で舞い込む突風、好き勝手に飛び回る埃、木片、土煙。
店内の品はどのくらいが無事だろうか。
無理矢理に顔を上げ細目を開けると、原形の一部すら留めていない入り口と抉られた森の木々。
そして星の大きさになったマスタースパーク、と恐らくは新聞記者。南無。
「生きてるか? ほら、これを鼻にあてときな」
手渡されたハンカチを大人しく顔に当てる。
さっきも感じた柔らかい匂いが鼻に刺激され、思わず大きく息を吸い込み、
「げほげほげほっげほぁ!」
盛大に咳き込む。乾いたハンカチでは細かい塵を防ぐことはできないようだ。
「何やってるんだ、外に脱出するぜ」
そう言う魔理沙に手を取られ、何とか外へ出る。
しかしなぜ魔理沙は平気なんだろう?
そう思って顔を上げると八卦炉を顔に当てている魔理沙が見える。
自分の顔の周りだけ綺麗な空気を作ってるのかよ、きたねー。
しかし。
「・・・・・・・・・くっ」
「おい、○○、大丈夫か?」
思わず屈みこむが、視界には覗き込む魔理沙の顔。
「・・・・・・・・・・・・ぅぷっ・・・」
「○○、しっかりしろ! 傷は浅いぞ!」
やめろ、そんな真剣な顔をするな。
駄目だ。
「・・・・・・・・ゎあはっははははははもう我慢できないっなんだよその顔ははっは!」
「・・・っ!」
緊張を強いられてきたせいか、どうでもいい事で笑えてくる。
「人の顔を見て笑うとは随分失礼なやつになったもんだな」
「ははっはっ・・・いやだって・・・クク・・それおかしっぷははっ!」
笑えば笑うほど魔理沙の表情が硬くなっていくのが分かる。
「それ以上笑うとノンディレクショナルレーザーだぜ?」
「・・・ごめっ・・・うひっっとめようとして・・っ・・・・もとまらなひっ・・・いひっ・・・ひっく・・・」
しかし笑いの発作は止まらない。
涙で視界が歪む。魔理沙は今どんな顔をしているのだろう。
「お前こそ、鼻水までたらして・・・っ・・・ひどい顔だぜっははは!」
笑い出した。笑いは伝染するのだろう。多分、きっと。
静かなようで賑やかな森の中、仰向けに寝転がる二人。
「なぁ○○」
「ん?」
「さっきの告白は本気か?」
「そう言う魔理沙は?」
「今度は私が先だぜ」
「ん~・・・秘密」
「なら私も秘密だぜ」
・・・・・・
「魔理沙」
そう言って体を起こし、
「ん?」
私は魔理沙の顔を覗き込む。
「たまには秘密を共有してもいいと思わない?」
「・・・そうだな」
終わりよければすべてよし。
過程や方法なぞ、どうでもよいのだ。
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4スレ目 >>630
七月七日、七夕当日。
星を見ながら寛ぐ予定だった丘に着いたはいいのだが。
「…やれやれ、分厚い雲だな…。
どうする、魔理沙。折角用意した竹と飾り、無駄になりそうだが。」
「ん?無駄にするわけ無いじゃないか。」
「まぁ、そうだな。曇り空だが雰囲気だけでも…」
「なに言ってるんだ?ほら、乗れ乗れ。」
疑問符を浮かべる俺を無視して、
指さすのは二人乗り用と言っていたデカい箒。
「…雲の上まで飛んで行く気か?」
「それもいいんだが、それじゃ私ら位しか楽しめないしな。
たまにはパーっと行くのも悪くは無いだろ。」
「???」
俺には彼女の真意がよく分からなかったが、
逆らってもいいことは無いと言うことだけは分かっている。
と言うわけで、素直に指示に従うことにした。
「よし、竹持ったな?…行くぜ!」
思い切り地面を蹴ると、ふわりと箒が浮き上がる。
重力を魔力で制御しているのか、全く落ちる気配はないが。
そして下を見回してみて、一瞬呆然とした。高さに、ではない。
「…おいおい、ありゃ何だ?」
川の方に見える、「地上の天の川」。
不思議としか言えない光景に魅入っていると、
「ああ…成程、蛍か。へぇ、あの蛍の妖怪もけっこうやるもんだな…」
「ん、知り合いなのか?アレをやった奴と。」
「ま…ちょっとな。」
雲の層の真ん中あたり。
死にそうなほどジメジメしていて気分が悪いことこの上ない。
「さて、そろそろ頃合か…」
「…なあ、何をする気なんだ?」
「なぁに…ちょいと頼まれてな。
盛大に行くぜ、魔符…「ミルキーウェイ」ッ!」
…ああ、そうか。
雲を吹き飛ばすにしても、何でそれかって。
…天の川、か。
「…なあ、魔理沙。」
「ん?何だ?」
「頼まれたって…誰にだ?」
「さてな?その答えは…ほら、アレが語ってるぜ。」
「アレって……へ?」
ふわりふわりと舞う白い…「雪の結晶」。
「夏に…雪?」
「どうやら、七夕の願いは通じたようだな。
やれやれ、冬の妖怪に会えますように、か。無茶な願いをしたもんだぜ。」
「…あの氷精…か?」
「いんや、その保護者。…いや、あの雰囲気からするともちっと親密かな?」
笑いながら言う魔理沙の頭をぽんぽんと叩く。
「何だ、結構いいとこあるじゃないか。」
「えー、と…いや、それはだな…」
急に口ごもる魔理沙。
「…? どうした?」
「その…お前と一緒に見たかったし…
チルノの件は、あくまでついでだ。」
「…魔理沙。」
「…好きだぜ♪」
そしていつもの悪戯っぽい笑みを浮かべると、そのまま抱きついてきた。
幻想郷の空の上、天狗さえも与り知らぬ小さな空間。
雲の上の本物の天の川。
雲を蹴散らす光の天の川。
川を飾る地上の天の川。
3つの天の川を見渡す箒の上、今宵は二つの影が重なっていた。
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4スレ目 >>688
こんなんでました~
「なあ、俺と1対1の勝負をしないか?内容はどっちが相手をより幸せに出来るか…だ」→魔理沙
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4スレ目 >>824
「ホンの少しでいい、お前の努力する姿を 俺に見せてくれないか」→魔理沙
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最終更新:2010年05月14日 23:44