魔理沙11



8スレ目 >>389・390


  魔法の森。俺と魔理沙はある開けた場所の切り株に背中合わせで座っていた。
  「何でいきなり星を見ようなんて言い出したんだ?」
  「たまには○○とサシでゆっくり話をしようと思ってな。」
  四半刻前、俺は急に森の外れの家から魔理沙に連れ出された。
  「全く、漫画や映画じゃあるまいし。こんなじめじめした所で。」
  「うちの中もじめじめしてるのは一緒だ。晴れてるし、どうせなら星空の下ってのもいいだろ。」

  今日は七夕。ではなく一日後。昨日は生憎の天気だったが今夜は雲一つ無い。
  「ま、いいや。それで何の話だ。」
  「まあそう堅くなりなさんな。ほれ一杯どうだ?」
  魔理沙は懐から酒瓶とグラスを取り出す。俺は苦笑しながらグラスを受け取る。
  「わざわざこんな所に酒飲みに来ることもないだろうよ。しかも二人っきりで。」
  「○○は宴会はうるさくて苦手なんだろ?」
  「なかなかするどいな。」
  「そりゃ毎回端の方で黙って一人で飲んでるほうが変だ。」
  「お前だって分かるだろ?最近は誰の近くに行ってもお惚気話の嵐、良くて従者の優秀さ加減について延々と語られるんだ。
   霊夢も酔えば××について語りだすわ、紅魔館メンバーも同じようなもんだ。
   白玉楼組もだし迷い家一家も他にも天狗もみんなそろってお惚気話だ。鰻一匹すら食ってねえのに五分でおなかいっぱいだ。」
  「あ~あ、私もお惚気話ぐらいしてみたいぜ。」
  すこし話が読めてきた。酒の勢いで口説き落とす気のようだ。
  単刀直入に言わない所をみると、こっちから言い出すのを待っているようだ。
  別に魔理沙が嫌いではないが少し焦らしたくなる。とりあえず酒をちびちび飲みつつ時間を稼ぐ。

  「で、昨日何したよ?」
  「は?昨日どうしたって?」
  「だから七夕だよ。俺は家で内職してたが。」
  「はっはっは。私は宴会に行ってたぜ。永遠亭から竹が配られてな。短冊も書いたぜ~♪貧乏暇無しってヤツだな、お気の毒に。」
  少しむっと来た。俺をどこぞの巫女と一緒にするな。こうなったらとことん焦らしてやる。
  「で、願い事何にしたよ。魔理沙は多分、『霊夢に勝てますように』とかじゃないのか?」
  「な、何で分かるんだよ、そんなの。」
  「いや、お前いっぱいいっぱいだぞ?色々と。」
  「色々と、って何だよ色々って!」
  「ははは、全部ってことだ。」
  向こうも少し熱くなってくる。わはは、そっちから言うんだ意地っ張りめ。

  「そっ、そういえば昨日は曇りだったけど、大丈夫かなぁ。」
  「どうした?急に。」
  魔理沙が話題を少しそらしてきた。体勢を立て直す気か。
  「いや、昨日曇りだったからさ。『七夕の日が曇りだとその年は織姫と彦星は会えない』って永琳が言ってたんだ。」
  「そーなのか?天気一つで一年に一度の逢瀬が潰れるとは…仕事ほっぽり出して遊んでたとはいえ哀れだな。」
  「ああ、願い事もかなうかどうか…」
  「人の色恋事には興味が無いんだな。恋色魔砲使いのくせに。」
  「っ、なんだよ!人が悩みの相談に来たのに○○は!」
  「何だよ、急に怒ることねえだろ。」 
  「うるさい!もっ、もともとは××にどうやったら気に入ってもらえるか相談しようと思ってたのに!」
  「……は?なにいってんだ?××は霊夢の彼氏だぞ?」
  「まだ霊夢が酔った勢いで言ってるだけじゃないか!まっ、まだチャンスはある!」
  「ま、それでも時間の問題だろうな。」
  「もういい!○○に相談した私が馬鹿だった!」
  そういうと急に箒にまたがって猛スピードで帰ってしまった。

  ……だいぶ怒らせてしまったらしい。酒瓶もグラスも置いていった。
  貰ってしまおうと思ったが、流石にまずいか。ちゃんと返したほうがいいだろう。
  魔理沙の家が何処にあるかは知っている。そう遠くは無かったはずだ。
  「ったく、どーせ俺なんか眼中にねえんだろ。いいさ、今年ももてないリーグでビールかけ合ってやるさ。」
  愚痴を呟きながら暫く歩くと魔理沙の家が見えてきた。明かりが点いているところをみると、まだ起きている様だ。
  中に入ることは躊躇われたので、扉の前に置いておくことにする。わざわざ取る暇人もいないだろう。
  ふと家に立てかけてある竹に気づく。おそらく永遠亭から配られた竹だろう。短冊も吊ってある。
  少し気になって短冊を見てみる。どうやら十数枚あるようだ。
  「『霊夢に勝てますように』…『霊夢より先に異変を解決できますように』…ほとんど霊夢関係だな…ん?」
  そんな中で一つの短冊に目がとまる。
  「『○○と仲良くなれますように』か…あの意地っ張りめ…。」
  苦笑しながらあることを思いつく。
  確かポケットに…あった。昨日の内職―――七夕セット作り―――で余っていた黄色の短冊と、鉛筆、それからひもを一本取り出す。
  「……これでよし、と」
  出来たものを酒瓶にかけてそっと魔理沙の家を離れた。
  『魔理沙と仲直りできますように。』
  空を見上げるとおくればせながら、天の川の上で白鳥座が一際光っているように見えた。

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8スレ目 >>447


唐突だが、ホッケーマスクをかぶった白黒がやってきやがった
「何のつもりだ魔理沙」
「よう○○、これから納屋でギシアンやってるカップルを殺しに行こうぜ」
「危ないネタは止めなさい」
「じゃあフ○ディーと対決しようぜ」
「宇宙でも行ってろ、と言うか何処でそんなネタを仕入れてきた」
「☆ヒ☆ミ☆ツ☆」
「間に星を入れるな、いい加減ホッケーマスクをとれ、マチェットも下ろせ」
ぶーぶー言いながらホッケーマスクとマチェットを机に置いたのはいいんだが
「じゃあカップルのほうだ」
「は?」
「納屋でイチャイチャしよう」
「納屋は無い」
「なら此処でかまわないだろ?」
けっきょく魔理沙は俺とイチャイチャしに来ただけだった・・・
ほんとに出ないよな?安心してイチャイチャしていいよな!!?
~終~

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8スレ目 >>892


「魔理沙、魔理沙、起きろー風邪ひくぞーおーい?」
「ん・・・んー」
きのこ狩りに来ていた俺らだった、分かれて探していたはずだが
「人にだけ探させといて自分はお昼寝ですか、いいご身分だなこの魔法使いは」
鞄を枕に、草をベットに、羨ましいぐらい気持ちよく寝てやがる
「おーい、魔理沙さん?起きてくれないと日が暮れるんですが」
「んーむにゃむにゃ」
ああもう、可愛いなぁこのまま悪戯してしまいたい
余談だがいたずらって漢字で書くとエロくない?
「ん~○○・・・あは○○だぜー」
こう、ぎゅーっと、抱きしめられたわけですよ、エロゲみたいな展開に狂喜乱舞していたんですがね
「○○、○○」
「どうした?俺は此処にいるぞ?」
このままルパンダイヴでもいいかな、何て思っていたが
彼女の瞳からこぼれた涙に、体が固まった
「お、おいおい、何で泣いてんだよ!?」
彼女は何も言わない、聞こえるのは寝息だけだ、僅かに上下する胸
「わけわからんぞ、ちくしょう」
唯彼女の涙に、魅せられた事は確かだった
「あー・・・惚れた弱みかね」
結局背負って帰った、彼女は驚くほど軽かった

「こんなもんかな」
魔理沙をベッドに寝かせ、自分で茶を入れ、自分で飲む
広く感じる、こんな静かな家に一人で住んでるのか、あいつは
あいつの茶はすっかり冷めたな・・・
「あー・・・○○・・・その・・・おはよう(笑」
「魔理沙、起きたのか・・・この莫迦、人にきのこ拾いさせといて自分はお昼寝か!?」
「うーすまない、ちょっと寝不足だったんだぜ」
「それで・・・すっきりしたか?」
「もうばっちりだ!寝たらすっきりした」
いつもの元気な彼女が其処にいる、先ほど抱えた時に驚くほど軽かった
此処にいるのは俺と魔理沙、ここに住んでいるのは魔理沙
「なぁ・・・お前ここに独りで住んでて寂しくないか?」
「ん?別に、もう慣れたよ、それに・・・霊夢やアリスや○○が遊びに来るからな」
慣れた、その言葉が辛かった、俺は寂しくないかと問うた、魔理沙はそれに慣れたと答えた、ソレが寂しかった、苦しかった
目の前にいる彼女を、魔理沙を抱きしめたくなった
俺は思うままに動いた
「○、○○!?」
ああもう、何でコイツはこんなに細っこいんだ、抱きしめたら潰れそうだ
チクショウ、何でコイツはこんなに暖かいんだ、俺の理性をぶち壊す気か?
「寂しさに慣れたなんて言わないでくれよ」
「○○・・・」
「俺がいるからさ、ずっと一緒にいるからさ」
「ああ、そうだ、それならさびしくないぜ」
迷いの森の小さな屋敷、真暗闇のなか、其処にだけは、灯りが灯っていた

「よう魔理沙!」
「な、なんだこの荷物は!?」
「俺の着替えとか、家財道具もろもろ」
「なんで!?」
「ずっと一緒にいるっつったろ?今日から俺もここに住む」
「な、なにーーーー!!?」
それでも森は静かなまま、それでも小さな館には、アカリが灯った

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9スレ目 >>409



「霧雨のお嬢さん・・・か」
「何だ、魔砲使いに惚れたか」
仕事仲間に冷やかされつつも買い物をする霧雨魔理沙に見とれる俺
「やめとけって、俺らみたいなただの人間が相手にされるわけねぇって」
んなこたぁ解ってる、しょうがないだろ、彼女はかわいいんだから
「大体魔法使いなんてキチ○イだって、ろくな連中がいると思ってんのか?」
「おいテメー、彼女を何も知らないで決め付けんな」
「あ?やるかコラ?タッパあるからっていつも見下ろしやがって、きばって(ry」
もうなんでうちの店は893予備軍みたいなのばっかりなんだろうね、親父に人は選べって言いたいよ
「五月蝿せーよ、俺の事はどうでもいい、魔法使いを莫迦にするんじゃねぇ」
「はぁ?餓鬼が何を「おいおい喧嘩か?止めとけよ、ろくな事ないぜ?」
き、霧雨魔理沙さん!!?
「女は黙ってろ!このガキが!?あぁ!!?がっ!」
五月蝿い、霧雨のお嬢さんが来てんだ、黙っとけ
俺はおっさんを投げ飛ばして何事も無かったように話しかけた
「御見苦しい所を見せてしまって申し訳ありません」
「別に良いけど・・・そっちの兄ちゃんは大丈夫か?」
「お気になさらずに・・・今日は何をお求めですか?」
「ああ、今日は・・・」

彼女は必要なものがそろうと風のように帰っていった
ちょっと残念・・・まぁいいや
「はぁ・・・緊張した、死ぬほど緊張した」
心臓がバクバクいってる、彼女の話をしてるときに、だもんな
「あの~若旦那?」
「ん?どうした?」
「この人どうします?」
すっかり投げ飛ばしたおっさんを忘れていたのだった

道端で転んだ女の子、膝をすりむいたらしく泣いていた
そして傍らに白黒の魔法使い、泣き止まない子供に悪戦苦闘しているようだった
必死にあやしたり、飴をあげたり、色々頑張っていた
その女の子が泣き止んだとき、彼女はすごい、笑顔だった
そして俺は惚れちまった、霧雨魔理沙に、白黒の魔法使いに

霧雨魔理沙はうちの常連客で、俺はその店の若造、若旦那、一従業員
このまま時間が流れて、俺は店の主になる、彼女は恐らく魔法使いのままだろう
俺はそのまま年取って、死ぬ
でも、告白だけはしようと思う、何もしないで諦めるよりはいいはずだ
さて、今日も彼女は来るのだろうか、明日来た時に・・・いや、明後日・・・
考えているときが一番楽しい、未来は決定していない、自分の想像を張り巡らせる
「俺は、君の事が、好きだ・・・なんてな」
一人で呟いた、応えるものは誰もいない
明日にしよう、ぐずぐずやっててもしょうがないからな
俺は明日、霧雨魔理沙に、告白する・・・予定だ

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9スレ目 >>437


「おい○○!邪魔するぜー!」
今日も勝手に他人の家に不法侵入する白黒
流石にもう慣れた
「そろそろ鍵をつけて良いかな?」
「扉ごと壊すぜ」
向こうの部屋から声は聞こえる、この時間ということは昼飯でも作っているのか
「今日の飯はなんだ!?」
そういえば朝飯を食べていないのでお腹が・・・
「よう魔理沙、今日はパンだ」
パンツ一丁で昼飯を作る○○、さして気にしない様子で魔理沙の問いに応えた
「ななななななそ、そんな格好でうろつくなバカッ!」
「いや、ここ俺の家なんだけど・・・」
「う、うるさい!少しは気を使え!」
「・・・お前に言われたくない台詞だな」
コイツに気を使えとわ言われたくないな
魔理沙は後ろを向いて、怒っている?様だ
いやこれは恥ずかしがっているようなものか
「・・・服着りゃいいんだろ?」
しょうがないから箪笥からジャージを取り出す
「あ・・・」
「何だ、じろじろ見るな」
「み、みてない!莫迦なこと言うなっ!」
「・・・じろじろ見てたじゃん」
「もういいから服を着ろ!」
可愛いなぁ、魔理沙をからかうのは凄く面白い
思わずやりすぎちまったりするけども、しょうがない
「どうした?顔が赤いぞ?」
「ななななんでもないぜ!?だいじょうぶだぜ」
面白い奴だ、初心な所がたまらん・・・俺はおっさんかよ
「それで、今日は何しに来た?お前の好きそうな向こうの本も読みつくしたと思ったが・・・」
「え、ええと・・・」
「なんだ?もしかして俺に会いに来てくれたのか?」
からかうつもりで言った、特に深い意味はなく、だ
だから魔理沙が真っ赤になって逆に驚いたぐらい
「えー・・・あー・・・うー」
どもってる、しかも真っ赤で、これは・・・ソウイウコトデスカ?
とんがり帽子を目深にかぶって真っ赤な顔を隠そうとしている、らしい
「じゃ、邪魔したぜっ!」
咄嗟に、腕をつかんだ
「魔理沙・・・」
「な、なんだ?」
どうしよう、いうこと考えてなかった、こういう場合、う~ん何も思いつかない
「お、俺も、お前を待ってた、ぜ」
俺何言ってんの?脊髄反射で言った台詞にしちゃ恥ずかしすぎるんだけど
互いに真っ赤になって見つめ合うという不思議で珍妙な状況
「・・・飯食うか」
「そ、そうだな」
まぁその状況も空腹に打破されたのだが
ちょっと気まずいまま飯を食った
そういえばいつからか二人分用意するようになってたな
「なぁ○○」
「なんだ」
「明日も・・・来るぜ」
「そうか・・・じゃあ待ってる、お前を」
「ばか、恥ずかしいぜ」
「お前は何しに来るんだ?」
「えっと・・・お前に、会いに、だぜ?」
そう言って恥ずかしがりながらも笑ってくれるのだった
さて、明日の二人分の用意をしておこう
材料だけ買ってきてあいつに作らせてみようか
なんにしろ明日が楽しみだ、いや、明日だけじゃ無い、これからが

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9スレ目 >>802


魔理沙「おーい、そこのビーカーとってくれ」
俺「ほらよ」
 外の世界から迷い込み行き場のなくなった俺。
 小さな魔法使いに拾われ、現在住み込みでお手伝いさんをしている。
魔理沙「うしできた、透明になる薬。 ほら飲んでみろ」
俺「やれやれ、また人体実験しやがって……」
魔理沙「まぁいいじゃないか、万が一のために解毒薬も作っておいた」
俺「ふぅ……」
 俺はビーカーに注がれた刺激臭のする琥珀色の液体を一気に飲み干す。

俺「ううっ!?」
魔理沙「ど、どうした……?」
俺「うあああああああ…………」
 うずくまり、床に倒れこむ俺。
魔理沙「げ……解毒薬……あっ!」
 よほど動揺したのか、魔理沙は誤って解毒薬を床にこぼしてしまう。
俺「う……くうううう……」
魔理沙「おい……しっかりしろよ……」
 掠れる俺の視界には、何も出来ずに涙をこぼす魔理沙が見える……

俺「なーんてな」
魔理沙「え…?」
 俺はすくっと立ち上がって両手を見る。
俺「味はけっこうキツかったけど、服用後は中々いい感じだ。
  んー、やっぱり耐性付いてるのか? 俺相手でも透けるくらいだな……」
魔理沙「バカ!!」
 そう叫んで半透明の俺に抱きつく魔理沙。
魔理沙「心配……するだろ……」
 まだ身体が震えている。
俺「…ごめん。 さ、続き始めようぜ」
 小さな身体を抱きしめながら、俺は作業の続行を促した。

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10スレ目>>23


魔理沙ー!好きだー!結婚してくれ!
お前の為に男になってもいいんだよぉおおお

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11スレ目>>220


お前は何のために生まれてきたんだ?と○○が聞いてきたとき私は上手く答えられずにまごまごしたので、
○○は私の手のひらを取り優しく笑った。


「お前は幸せになるために生まれてきたんだ。そうだよな?魔理沙」


私は○○の笑顔が物凄く綺麗でまさに幸せをボンドで固めて形にしたかのようだったので、寝惚けたようになって頷いた。
少し目の覚めた今もあるいはそうかもしれないと感じる。
だって私はとりあえずいつだって出来れば幸せでいたいと願っている。
良い気分でいたいと思っている。友達と楽しく遊んでいたいと思っている。
痛い思いをしたいとは特に思わない。


「じゃあ、○○は何のために生まれたんだ?」


○○は私の問いに答えず繰り返した。「お前は幸せになるために生まれてきた。そうだよな、魔理沙?」
私はまたうっとりとして寝惚けたような頭で頷く。
私の頭はすぐに寝惚けてしまうのだ。恋をしているからに違いない。


「不幸になるのに俺たちはどうして一緒にいるんだろうな」
「私たちは不幸になるのか?」


○○は部屋の中を歩き回った。「このままじゃ駄目だな」○○はそう呟いている。
私と○○のどこにいけない所があるのか私にはよく分からなかった。
我々は大変よくやってきたのだ。
私はよく色んなことを失敗するけど○○がその度に助けてくれた。その逆もあった。
キスだってたくさんした。
私が○○を拒んで○○が私を拒んだことはまずなかった。
私たちは求め合い双子のようにくっついて眠り翌朝○○が朝食を作って私は風呂を掃除した。
夢のようにそんな日々は過ぎた。


「提案があるんだが」
「なんだ、○○」
「俺はお前のことを出来れば幸せにしたい。でもこれは叶わぬ夢だ。
 何故なら俺は、”誰かを幸福にするようには出来ていない”んだ。
 これはすごく些細なことのように聞こえるかもしれないけど、致命的で絶望的だよ。
 俺たちは離れたほうがいいだろう」


私は○○が何を言っているのかよく分からなかったから、台所に行きフライパンに油をしいてパンケーキを作った。
私はもともとちまちました料理という家事は苦手だったので、パンケーキくらいしかまともに作れなかったのだ。
○○はパンケーキの種の横に、卵を片手で割ってとろりと落として、フライパンの端っこで器用にスクランブルエッグを作った。
私と○○はひとつのフライパンでふたつのメニューを作ることが出来た。
パンケーキとスクランブルエッグ。
私は蜂蜜をかけ○○はコーヒーを飲み、お腹がいっぱいになった私たちはやはり寄り添って眠った。

私は○○のどこが誰かを幸福にするように出来ていないのかさっぱり理解が出来なかった。
私たちは絵に描いたように幸福そうだった。


やがて○○が目を覚まして、私の耳たぶを口に挟んでちゅうちゅうとしゃぶった。
だしが出てしまいそうなくらいしゃぶられたので私の耳たぶはふやけて真っ赤になってしまった。


「○○?」
「なんだ、魔理沙」


○○の歯がちくちくと私の耳たぶに当たるようになった。
私は彼が私の耳たぶを狙っているらしいことを悟った。
私は彼の柔らかい唇と鋭い歯から逃れて、ベットからも転がり落ちた。ごつんと頭をぶつけた。
見上げた○○は私を見てにやにやと変な笑顔を浮かべていた。


「言っただろう、魔理沙」「俺たちは離れたほうがいいって」


○○がベットを飛び降りて、私にのしかかってきた。
荒い息が私の耳ばかりをくすぐる。


「お前が幸せになりたくないならずっと一緒にいようじゃないか。
 俺は幸せになるために生まれてきてはいないんだ。お前とは違う。
 俺は幸せじゃなくたっていい、他にすることがたくさんある。
 だがお前に何がある?ただ痛いだけに耐え切れるか?ただ寒いだけに耐え切れるか?幸せじゃないまま生きていけるか?不幸のまま死ぬことは可能か?
 どうしても俺がいいとお前には言えるか?
 魔理沙、人は忘れることが出来る生き物だな。きっとお前は俺を忘れてしまえる。
 お前は幸せになるために生まれてきているんだ。お前は俺から離れればきっと幸せでいられるだろう。
 魔理沙、お前はきっとしあわせになれるよ」


○○が私の耳たぶをがりり、と食いちぎった。
私は大きな悲鳴をあげて、小屋を飛び出て、森の奥深く深くまで逃げていった。
つもりだったのに気が付いたら私は森を抜け、裸足で、傷だらけで、右の耳たぶを失って泣いていた。
何で泣いていたのか知らないけれどとにかくシクシクと泣いていた。
とても怖い思いをいっぱいした。
蛇がいた。蜘蛛がいた。お腹がすいた。
夜は墨のように暗くざわめきは嘲笑と罵倒のようだった。
だけど私は生きていた。なんのためか知らないけど生きていた。



呆然とする私を見つけた若い男が私を医者の所まで連れて行ってくれた。
私は全部「なにがあったかわからない」と答えた。
本当に何も分からなかったのだ。
私は記憶を喪失した可哀相な少女として扱われた。
耳たぶは生えてこなかったけど、もともとそんな形だったみたいに綺麗に綺麗に治っていった。

私を助けてくれた若い男(その頃私はもう彼の名前を知っていた)は、
今まで見た耳の中で一番綺麗な形だよ、とほんとだか嘘だかたぶん嘘だろうなというお世辞を何回も繰り返して言った。
やさしいひとだった。
私はそれをずっと黙って無視し続けていたのだけどある日、昼ごはんにパンケーキが出てご機嫌だったので男に「ありがとう」と言ってみた。
男は、わっと喜んで笑って、そのあと急に苦しそうに泣き出して、私を捕まえて、花に止まる蝶々みたいなキスをした。
私は○○ほど綺麗でないその男のめそめそ泣く顔を、寝惚けたようになって見ていた。

私は本当に幸せになるために生きているらしかった。
少なくとも私は一度だって○○のために生きていたことはなかった気がした。
そしてこの男のために生きていくことも決してないだろうと思う。

私は本当に自分が幸せになるためにだけ生きているのだ。




時々彼にかじられた耳たぶのことを考える。

○○はあれを飲み込んだだろうか?それともティッシュにくるんで捨ててしまっただろうか?
ぺっと床に吐き出したりしなかっただろうか。そうだとしたらとても大変だ。○○は掃除が下手だから。

ああだけどあなたはとても料理が上手だった。
私をいつもあたたかくしてくれた。
本当に誰かを幸福にするように出来ていないのは私なのだと思う。
私は○○の美味しい部分をちゅっちゅとしゃぶって、何の役にも立たない耳たぶだけ置いて逃げてしまったのだ。
あのままあそこにいて、いたくてもさむくてもふこうでも、○○のそばにいます、と私が言うのを、
○○が心のどこかでほんの少しでも願っていたらと仮定すると私は胸が死ぬほど痛くなる。
きれいじゃない顔で泣く。
でもそういうとき私はひとりじゃないのだ。
若い男が今度私の耳たぶのなくなった耳に優しくキスしてくれて、私は○○を悲しませてしまったかもしれない恐怖に慄きながら自分の幸せをかみ締め暖かさにまどろむのだ。


よっぽど私が誰より悪魔だ。しあわせなにんげんは、悪魔だ。昔に絶対悲しませた人がいる。
報いを受けていない。
私は自分の顔が醜く膨らんで、にきびだらけになってしまえばいいと思う。おなかが出るとか。


でも本当にそうなったら私はきっと絶望して、哀しくて死んでしまうかもしれない。
だって、私は幸せになるために生きているのだから。
みんな幸せになるために生きているんだから。
わざわざいたい思いをすることはない。あたたかいお布団でおねむりなさい。






夢の中で私は何度も○○に耳たぶを差し出して泣くのだけれど、それでも私はまだ幸せといえるんだろうか。
私はきっと○○と一緒にごろごろ眠るために生きていたのだと思うよ。

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うpろだ697


「うーさみー」
 西洋風の家にあるべきではない炬燵に独りでぬくぬく温まっている。
 そんな中のふと発した言葉が、止まっていたかのような時間の流れを戻した。
 気がつけば12月も終わりに近づいていた。 あと1週間もすれば新しい年が明ける。
「……俺この1年で何かあったかー……?」
 ……ここの世界の住人になったこと以外、何もなかった。 これは意外だ。
「あー切ねぇ」
 流れる時間の大切さを後悔と共に噛み締めながら小さくボヤく。

「うーさみー、今帰ったぜ」
「おお、お帰り」
 主がいつものように蒐集してきたものを入れた袋を背中に抱えて帰ってきた。
「……あれ?」
 あの格好……どこかで見たか……?
「ん? どうかしたか?」
 几帳面に手を洗い終えて俺の所へやってきた彼女。
 よほど険しい顔をしていたのだろう。 心配そうに顔を覗き込まれている。
「いーや、何でもないけど」
「そっか」
 彼女は俺と同じく炬燵に入る。
 入るのだが。
「だから何度も言ってるだろ? よく見ろ。 炬燵はまだ3辺あるじゃないか」
「こっちのほうが断然暖かいぜ」
 胡坐をかいた俺の脚の上に乗ってくる。 幸せそうだ。
「ふぅ……ところで、なんだけど」
「ん?」
 おかしい。 昨日までと様子がおかしいぞ。
「今日は……何の日だったっけ?」
 まずい。 時間の感覚がなくなってる。
 ここ1年ずっと彼女の家の掃除なんかで祝日なんか忘れるぞ……
「えーっ……とぉー」
 曖昧な返事。
「ひどいぜ、私がせっかく用意してきたっていうのに」
「何をだ?」
「今日のアレだ」
 アレ……ああ、アレのことか。
「ああ」
 オーバーなリアクションでうなずく。
「その……あれだ。 メ、メリークリスマス……」
 彼女はこっちを見ずに俯き、聞こえるか聞こえないかのか細い声で囁いた。
 耳が真赤になっている。
「うん。 メリークリスマス、魔理沙」
「やっぱり口に出すと……は、恥ずかしいな……」
 魔理沙がどんどん縮こまっていく。
「あー……クリスマスの……プレゼントなんだがー」
「『私』だろ?」
 あてずっぽうで繋いでみる。
 さぁ派ずれろ俺の勘!
「…………そう」
 おおっと。 弾幕でも何でも数撃ちゃ当たるものなのだろうか。
「よし、俺からもクリスマスプレゼントだな」
 炬燵に突っ込んでいた腕を抜き出し、そっと魔理沙を抱きしめる。
「わ、わ、何すんだよ」
 口では嫌がってるようだが抵抗してこないし、声も甘くなっている。
 そしてトドメの一言。
「大好きだ、魔理沙。 これからもずっと一緒にいてくれるか?」
 耳元でそっと囁く。
「…………うー……」
 恥ずかしさやらが混じって返答できないようだ。
 耳にそっと息を吹きかける。
「ぅひゃあん!」
 おおそこはかとなくエロい。 こんな声が大好きだ。
「どう? 俺からのクリスマスプレゼント」
「あの……ありがたく受け取らせていただきます……」
 まずいたまらなくなってきた。 抱きしめている手にも力がこもる。
 もう1度、囁いてみる。 もうおちょくるどころかいじめたくてしょうがない。
「魔理沙、好きだよ。 大好き」
「………ぅゃ………あ…………」
 言葉になってない。 今度は耳を甘噛みしてみる。
「ふぁあああああ……やめ……」
 ピクピクと体を震わせてる。
 流石にこれ以上いくと自制ができなさそうなので止めておく。
「全く……いきなり不意打ちなんて……」
 照れ隠しなのが見え見えな声色だ。
「いやースマンスマン。 あまりにも愛おしくてな」
 笑い混じりに話してみるも、やっぱり。
「……改めて口に出して言うとやっぱり恥ずかしいな」
「だろ?」

 12月25日、クリスマス。
 幻想郷にもサンタはいるのだろうか。
 少なくとも、俺のそばにはいるようだ。
 黒と白の服、大きな袋を持った魔法を使うサンタが。

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11スレ目>>713



「あんた、こんな寒いのによく来るわね……」
博麗神社の巫女博麗霊夢はため息をつき呆れ顔で来客を迎えていた。
「そういうなって、今日は蕎麦をもってきたんだからよ」
「それとおまけの餅と茶もな」
神社の来客である霧雨魔理沙と○○は笑みを浮かべた。
「まぁ、それなら言うことはないわ。ちょうど今から用意しようかとおもったころだし」
それに釣られてか微笑を浮かべ○○から荷物を受け取る。
「じゃあ、じゃまするぜ」
「麺とかは作っているからあとは軽く湯がいて食べるだけにしているから」
「ありがと。それならすぐできるから奥で待ってて」
「わかった――って、魔理沙はもういるみたいだけどな」
「ったく、あいつは……。いくらお腹があれだからって少しは遠慮しなさいよ……。何ヶ月だっけ?」
先ほどの魔理沙の膨れたお腹を思い出す。
○○との子供ができたときはこれ以上とないくらい大騒ぎした。
これで少しはおとなしくなるかと思いきやいつもどおり神社に奇襲をかけてきていた。
さすがに宴会のときは酒は抑え目にするように○○に抑えられたが。
「そろそろ予定日だって永琳は言ってたよ。だから年明けは忙しくなりそうな気がするな」
「よかったじゃない。でも、あの家で子守することできるの?」
「なんとかした…。まさか、掃除に月単位かかるとはおもわなかったけど……」
「……ま、ドンマイ」
「お~い、蕎麦まだか~?私の子供もそういってるぞ~」
「はいはいはい。今から準備するから!じゃ、準備してくるわ」
「わかった。じゃあ魔理沙の相手をしとく」
「あまりイチャイチャしすぎて部屋を甘ったるい空間にしないでよ」
「それは魔理沙に言ってくれ…」


「おまたせ~。年越し餅入り蕎麦できたわよ。って、甘ったるくするなって言ったでしょ!」
「へへへ、細かいことを気にしすぎると禿げるぞ」
「あ~、その。すまん……。俺じゃ無理っぽかった」
霊夢がどんぶりに入った蕎麦を持って部屋に入ったとき見た光景は胡坐をかいた○○の上に寄りかかるようにして座っている魔理沙であった。
しかも魔理沙は体を横に向け○○の胸板に頭を預けて○○の手をしっかりと握っている。
「なんだ、おまえは私にこういうことされるの嫌いなのか?」
「いや…、そういうわけじゃないが……」
「ったく……。あまりやりすぎると外にほっぽりだすわよ」
膨れつつ蕎麦を置く。
二人の分をバラバラに置いたのはいい加減離れろということなのだろう。
「そう言うなって妊婦は大事にするもんだぜ?」
「と、とりあえず食べようか。早く食べないとのびちゃうし」

…少女's、青年食事中

「年明けはもうそろそろかしらね」
食後たわいのない会話をしつつ霊夢がつぶやいた。
ちなみに二人は食事前の状態に戻っている。
というよりも魔理沙が一方的にくっついてきたという状態だったが。
「そうだな。今年は本当にいろんなことがあった…」
「○○と会って、喧嘩して、告白して、そしてプロポーズ…。お前といると退屈じゃなくて楽しかったぜ」
顔を赤くしながら○○の手を握る。
「俺も、魔理沙と会っていろいろと大変だったけどよかったと思ってる」
「はいはい、ごちそうさま。でも、あんたのおかげで私もイロイロと楽しませてもらったしね」
魔理沙達が持ってきた緑茶をすする。
上等なものだったのか自然とほほが緩み、もう一杯とおかわりをつぐ。
すると遠くから響く鐘の音が響いてきた。
「おっ、年明け―――」
突如、魔理沙が言葉を切る。
そして、目に見えて汗がだらだらと流れ始めた。
「ま、魔理沙どうした?」
「餅でものどにつまったの?」
「きた…」
「は?」
「きたんだよ!お腹が―イタタタタ!」
「ちょ!まじか!」
「い、医者を!はやく、永琳を!」
「えーりん!えーりん!たすけてえーりん!!」
「落ち着きなさい!早く永琳をつれてきなさい!!」
「お、おぅ!!」
そういうと○○はこれ以上ないくらいの速度で出てった。
まだ痛がっている魔理沙の手を握りつつ、ひとことつぶやく。
「今年はさらに騒がしくなりそうね…」

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10スレ目>>501


諸君 私は魔法使いが好きだ
諸君 私は魔理沙が好きだ
諸君 私は霧雨魔理沙が大好きだ

黒白が好きだ 魔女っ娘が好きだ 力強さが好きだ 蒐集癖が好きだ
レーザーが好きだ マスタースパークが好きだ ドロワが好きだ 恥じらいが好きだ 優しさが好きだ
森で 人里で 神社で マヨヒガで 永遠亭で 霧雨亭で 香霖堂で 白玉桜で 無縁塚で 妖怪の山で
この幻想郷で行われる ありとあらゆる盗難行動が大好きだ
戦利品をならべ 丁寧に飾り 満面の笑みと共に私に向かって 自慢してくるのが好きだ
空中高く放り上げられた私が 彼女のスペカでばらばらになった時など 心がおどる
魔理沙の操る ノンディレクショナルレーザーが 敵を撃破するのが好きだ
余裕の表情で 燃えさかる弾幕から 飛び出してきて 敵をなぎ払った時など 胸がすくような気持ちだった
あてもなく空を飛び 面白そうな物を見つけると 何でもかんでも 私に見せてくれるのが好きだ
精神不安定な私に 「元気が出る魔法だ」と言って 何度も何度も抱きしめてくれる様など 感動すら覚える
泣いて帰ってきた私に 「泣くなよ……私まで悲しくなるだろ」と 共に悲しんでくれる様などはもうたまらない
魔法実験の時 私の振り下ろした手の平が薬瓶に当たり零れ 「何やってるんだぜ……」と言いつつも
結局は許してくれるのも最高だ
酔った魔理沙に キス攻撃で滅茶苦茶にされるのが好きだ
必死に守るはずだった魔理沙がひとり弾幕に飛び出して 自分は残機0で動けない様は とてもとても悲しいものだ
意味もなく抱き合って お互いの存在と愛を確かめるのが好きだ
褌野朗に魔理沙を盗られ 害虫の様に地べたを這い回るのは 屈辱の極みだ

諸君 私は魔理沙を 私にベタ惚れで天使の様な魔理沙を望んでいる
諸君 私の同士兄弟戦友諸君 君達は一体 何を望んでいる?
更なるネタを望むか? 情け容赦のない キャラから引っ張りだこのような世界を望むか?
鉄風雷火の限りを尽くし 鴉天狗の記者をも寄せぬ 嵐の様な愛を望むか?

魔理沙!! 魔理沙!! 魔理沙!!

よろしい ならば求婚だ
我々は満身の力をこめて 今まさに振り下ろさんとする決断の時だ
だが この暗い闇の底で 何十年もの間 堪え続けて来た我々に ただの魔理沙ではもはや足りない!!

私に超ベタベタに惚れている魔理沙を!! 見返りを求めぬ愛を!!


魔理沙「おーい、何書いてんだー?」
私「何でもないって」
魔理沙「そっか。 じゃ、実験の続きでも始めるか♪」
私「おう」

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10スレ目>>914


魔理沙、俺に一生ついていかないか?

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10スレ目>>990


「魔理沙、お前の集めれない物を俺が手に入れてやるよ。 そう、お前の恋愛をな!」

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最終更新:2010年05月15日 00:24