美鈴4



9スレ目 >>635


やぁ皆、元気にしてるかい?あんまり暑いからってクーラーの効いた職場でネットしてちゃ駄目だぞ☆
暑いからこそ!外に出て、汗をかこうじゃ無いか!でも熱中症と脱水には気をつけろよ(はーと
おれ?俺はいま稽古中の美鈴を眺めて精神の稽古中
あれ?誘われたからもっと近くで眺めげふんげふん、一緒に汗を流してくるよ!

あれだな、胸に目がいくのは男に生まれたんだからしょうがないよな
しかし暑い、美鈴の汗が(以下省略
「○○さん!?」
「へ?ぶるぁっ」
見事な蹴りが、俺の首を薙いだ
めのまえがまっくらになった!

「組手中に余所見をするだなんて・・・危険ですよ?」
「あー・・・すまん」
「まったく、何に目を・・・」
俺が何を見ていたのか、思い出して、かくにんしたらしい
「えーと・・・すまん」
とりあえず起き上がってみた、もんだいない
「・・・」
「・・・」
美鈴は赤くなって俯いている、この暑さのせいではないだろう
嫌な沈黙だなぁ・・・
「美鈴っ!」
「へ?ひゃぁぁ!?」
不意をついてタックル、美鈴はタックルをカットできない!そしてそのまま持ち上げた
「え?え?な、ななに!?」
「はっはっはー」
そのまま湖岸まで走った、そしてそのまま湖へ
「ヒャッホゥ!」
「きゃああああ」
ざっぼーん、ぶくぶく
「・・・」
「・・・ぷはっ!○○さん!?どういうつもりで・・・あ、あれ?○○さん?」
青年潜水中
「○、○○!?もしかして溺れひゃっ!」
水の中、足に纏わりつく何か
水草か、それとも魚か
魚にしては動きがやらし過ぎる、こんなスケベな魚はいないだろう
「この・・・どこに・・・あっ・・・」
消えた、何処かへ、流石の彼でもそろそろ限界だろう・・・大丈夫でしょうか?
「美鈴・・・」
背後からそーっと出て、抱きしめた
「ひゃぅ!?○○さん・・・」
「美鈴、もうちょっと涼んでいこうか」
「あ・・・はい」
そのまま少し、抱きしめていた、不思議と暑さは感じなかった
ただ彼女の体温を感じる事に集中した


9スレ目 >>847


「○○さん~」
夜、俺が最も元気になる時間
美鈴と交代して門を守っていたのだが
「美鈴、まだ起きてたのか」
寝間着で姿を現した美鈴、妖怪とはいえ真冬の夜にそのような軽装では寒かろう
「これ着とけ」
そう言ってきていたトレンチコートを羽織らせた
「わ、私は大丈夫ですから・・・」
そういいつつも、少し震えている、気がした
「俺は寒くないから、吸血鬼だし、死体と変わらんさ、だから・・・遠慮するな」
蜥蜴みたいに周りの気温に合わせる事が出来る、お嬢様ぐらいになれば自由自在らしいが・・・
「あ・・・ありがとうございます」
寒さのせいか、顔を赤く染めて、そう言った
門前で座り込んで紅茶を飲む、ただ何を話すわけでもなく
「・・・眠れなかったのか?」
「え?い、いえ・・・そういうわけでは・・・」
寝付けないわけではないらしい、紅茶を届けてくれただけなのか?十分にありがたいが・・・?
「・・・」
「・・・」
会話はない
肩と肩が触れるか触れないか、そんなギリギリの位置で
俺がもうちょっと小柄か、コートがもっとでかければ二人で一つのコート、何てことも出来たんだろうが
「ああ、あれがあったか」
「え?」
俺は持て余していた莫迦みたいに長いマフラーを
「え?ええ!?」
美鈴の首に、二人で一つのマフラーを共有した
「○、○○さん!?こここれは」
さりげなく距離を縮めた、ゼロ距離
美鈴を抱えて、俺の膝の上に座らせた
「~~~~っ!!????」
美鈴はパニくってる、真っ赤になってなんか悶えてる
「ななな!?○○さん?○○さん?」
「悪い、前に森近のトコで見た漫画でこういうことをやってたから・・・嫌だったら止める」
「いえ!嫌だなんてことは」
即答だ、俺のほうがびっくりした
「・・・漫画だとよく解らんが・・・実際してみると、緊張するな、心臓もドキドキ言ってるし」
「は、はい・・・○○さんの心臓の音が・・・」
気がついたら美鈴を抱きしめていた、支えていた腕を前に回して、力強く
「んー・・・暖かいな」
「はい・・・暖かいです」
そのまま二人で、何を話すでもなく過ごした
これで雪でも降っていれば漫画を再現できたなと、思ったりしたが
結局朝日を拝む前に自室に退散した
そういえばコートもマフラーも忘れてきたな

「○○さんのコート~♪」
曰く、今日の美鈴はは露西亜の軍人の様な格好をしていたらしい
あと長いマフラーをたなびかせていたとか何とか


10スレ目>>52


拳が、〇〇の肝臓を強烈に揺さ振った。

「――〇〇、立てる?」

「無理……息するだけで痛すぎる」

はぁ、なんで〇〇は館に出入りを許されないのだろう。
毎日来て、あっさり私に破れて……これでは日課じゃない

「大体、一度入館を許されたときに何をレミリア様に言ったのよ?次から絶対通すなって厳命されたのよ?」

「大したことじゃないよ」

あ、痛そうに藻掻いてる

〇〇が自力で帰れるまで、いつものように世間話をして……いつものように帰っていった

ずっと続いてるなぁ、この関係



「レミリア様、お招き戴きありがとうございます」

〇〇と名乗る男を、館に招いたときの話だ。

「〇〇、お前程度の実力と素質で美鈴に勝てるはずもないのに。なぜ挑むの?」

「挑むことに意味があるのです」

「ふぅむ、面白いことを言ったら出入りを許そうと思ったんだけど」

「あぁ俺、美鈴が好きなんです。挑んで彼女と一緒に居たいってのが唯一の目的なので、むしろ出入りを許さないでください」

私は、おかしくてお腹を抱えて笑った
本気で思ってるなら、本物の馬鹿だ。
咲夜以外のメイドたちは、笑い転げる私を見て恐怖している

「――…気に入ったわ。〇〇が美鈴を落とすまで、紅魔館への出入りを禁じる。 さぁ、はやく出ていきなさい」



〇〇が、今日は来なかった。日課になっていたので、調子が狂う

〇〇が、今日も来なかった。面倒がなくていい

〇〇が、今日も来ない。暇を持て余す

〇〇、来ないと何だか寂しい

〇〇が来た!

「いやあ、風邪引いちゃって」

そうか、よしボコす!



「はぁ、平和ねぇ……何かこう、派手なことはないかしら?」

「レミィが起こせばいいじゃない」

「そうね、霧を出すなんてどうかしら」

「図書館の湿気は上げないでね」


後の紅霧事変である


うpろだ635


 掌打が入った手ごたえ。
 衝撃音と同時に彼は吹き飛ばされ、地面に転がる。
「――今日はここまでです」
「っ痛~~……お疲れ様、美鈴」
 打ち抜かれた腹部を押さえながら、起き上がる○○さん。
「お疲れ様です……あの、大丈夫、ですか?」
 いつものように実戦訓練を終えて。
 そしていつものようにやられてしまう○○さんに歩み寄る。
「大丈夫、骨とかまではいってない。なんだかんだで美鈴、手加減してるな?」
 そう爽やかな笑顔で手抜いてることを見抜かないで下さいよ……バレないようにやってるつもりなのに。
「……それは○○さんが未熟だからです! もっと精進してくださいね」
「はは、それもそうだな…努力する」
「今日はもういいですから、早めに休んでくださいね」
「助かる……それじゃ、また明日な」


 彼がこの館に来て(拉致られて)2ヶ月が経つ。
 レミリア様曰く「弱そうなくせに、位の高い妖怪と戦おうという気概が気に入った」とのこと。
 紅魔館の外の領域をナワバリとしている妖怪と、無謀にも戦おうとしていたらしい。
 それがたまたまレミリア様の目にとまり、問答無用で連れてこられたのだ。

 彼も行く当てが無かったようで、この館に滞在することを了承した。
 仕事もすると張り切ってはみたものの、咲夜様の仕切る館の中に自分の仕事はないと見たらしく、
 私の元へやってきて「一緒に門番をやらせてくれないか」と頭を下げたのだった。


 紅魔館には人間も妖怪も時折やってくる(大抵は図書館の蔵書の閲覧が目当て)。
 新しく雇われた、非力だという彼には人間の折衝を頼むことにした。
 私は、いざとなったら力を使わなければならない妖怪相手。
 自称非力(それでも人間よりは力強い)な彼ではあったけど、人当たりの良い性格をしていた。
 その事もあってか人間にも好かれ、里にもちょくちょく用事を足しに降りていた。
 人と話して納得させるのがそれほど得意ではない(拳で語るのは好きだけど)私にとって、彼の話術はとてもありがたかった。




「あら、○○。どうしたの? こんな所で」
 彼を見つけたのは看護室の前。
「ああ……咲夜さんですか。ちょっと、美鈴との実戦訓練で」
 しこたまやられまして、と苦笑い。
 よく見てみるとあちこちにアザや擦り傷の痕。
 やられました、なんて自慢にもならない事なのだけど……悪気はないのだろう。
 元々彼には人間の相手しか頼んでいない。余程の事がなければそれほど大事にはならないはず。
「そう。あんまり無茶はしないようにね」
「いえ、館内に外敵を入れないのが門番の仕事ですから。この程度はどうってことないですよ。
 ……咲夜さんこそ、あまり無茶はしないでくださいね。それでは、また明日」
 鼻歌交じりで去っていく○○。

(……不思議なヒト)
 誰かに気遣われるのなんて、何年ぶりだろうか。
 普通、レベルの低い妖怪はどこかネジが抜けた性格をしているハズなのだけど。
 彼はどこまでも人間臭く、そして妖怪らしさが微塵もなかった。
 妖気だってあるんですよ~、と話してくれたこともあったけど、
 よくよく注意をして見なければ気付けない程のもの。
(そもそも低級妖怪ごときが人型なんて取れたかしら。それに……)
 妖気がほぼ0な妖怪なんて聞いたこともない。










「……寒ッ」
 朝起きて、布団から出て。
 第一声がそれだった。というか脊髄反射で口から飛び出た。
 最近めっきり冷え込んだな、位には思っていたのが、窓の外をみやればちらほらと雪が降っていた。
 本格的に冬が訪れたらしい……噂に聞く黒幕、とやらでもやってきたのだろうか。

 勤務服に着替え、その上に防寒着も着込む。
 動きを阻害するので門番の立場としては好ましくないのだが、風邪は引きたくない。
 背に腹は変えられないって奴だ。

「これでいいかな……さて、仕事仕事」
 里で見つけたもこもこの手袋も完備でのんびりと扉を開けた。

「おはよう美、鈴……?」
 ……白銀になりつつある世界に違和感が一つ。

「あ、おはようございます○○さん。寒いですねぇ」
 俺の前で腕をさする美鈴は、いつもと何ら変わらない格好だった。

「お前……それで寒くないのか……?」
 ちらほらと雪も振るような気温である。幾ら妖怪であっても寒暖の差は感じる。寒いものは、寒いはず、だよな?
「なんですか、その変人を見るような目つき……寒いに決まってるじゃないですか!
 ただ、その……冬服、ダメにしちゃって」

 ずーん、と縦線と暗い雰囲気を身にまとう美鈴。放っておいたら地面に"の"の字でも書きそうだ。
 詳しい話を聞いた所、去年の冬服の類を仕舞う際に(忙しさ故か)おざなりにしたせいで、
 冬服一式が悲惨な状況になっていたとのこと。詳しくは想像に難くない。

「何ていうかその……大変だったな」
「そうですよ! こんな寒い中上着もありゃしないし、お気に入りの服だって……嗚呼」
 何てことやっちゃったんだろ、と顔を手で覆う美鈴。随分気にしているらしい。

 ……ふと、良い事を思いついた。
「用事があるから里まで行って来る。これでも着てろ」
 着ていたジャケットを美鈴に被せる。
「へ? うわぁ」
「里のじさまに用事があるのさ。この時間帯なら来客も少ないし、お前一人でも多分大丈夫だろ? じゃな!」
 了解の答えも聞かずに駆け出す。






「あ、ちょっと○○さん!?」
 すぐ戻るから! と振り向かずに叫びながら走り去る○○さん。
「あーあ、行っちゃった……」
 これ、どうしよう。
 ○○さんが私に(半ば投げつけるように)かぶせていった、ファーのついた防寒着。
 置いていった彼は寒くないのだろうか。
「着てろ……って、言ったよね」
 恐る恐る、袖を通してみる。
「わー、でかい」
 案の定、彼と比べて背丈の低い私には有り余る代物だった。
 彼が着ている時は腰くらいまでの丈に見えたのに、私が着ると腿のあたりまで。
 でも、暖かい。

(○○さんの匂いがする……って、何考えてるんだろ私)
 慌てて首を振る。誰も見て……ないよね?
 遠めに人影(?)が見えたのを境に、私は仕事へと気持ちを切り替えた。





「ありがとうございました、○○殿。いつもすいませんな」
「いえ、コレも仕事のうちですから……また御用があれば私に。それでは」
 言い訳程度にはなりそうな量の仕事も終わらせ、里を出る。
 "いつも"よりは幾分か速度を上げながら。






「ただいま~」
「おかえりなさ……って、どうしたんですかソレ!?」
 ○○さんは宣言通りに3時間程で帰ってきた。
 行きは手ぶらだったのに、両手や背中に溢れんばかりの荷物を背負って。
「ん、ああ。里に行ったついでに買ってきた。ほれ、お前の分だ」
 そういって両手に持っていたでっかい袋を二つ投げて寄越す。
「わっ…とと、こんな大きな荷物いきなり投げつけないでくださいっ」
 落とさないよう、零さないようバランスを取っている間に彼は自分の部屋へと荷物を置きに行ってしまっていた。
 ちらっと中身を見てみると、そこには女物の……割とお洒落な、冬服。
 あ、コレ可愛い……ってそうじゃなくて!



「……コレ、なんですか?」
 部屋から戻ると少し不審な視線を俺に投げかける美鈴の姿があった。
 ま、いきなり服とかもらっても困る、よなぁ……
「見りゃ分かるだろ。服。冬の」
 ええい、もう少し上手い言葉を喋らんか、俺!
「それを、○○さんが何故?」
「お前が今までのダメにしたって言ってたから」
「だからって、何もこんな……」
 突然のことでさすがに困惑の色を隠しきれない美鈴。
「気に食わなかったか?」 

 売り子のおねーさんに恥を忍んで相談までして選ぶのを手伝って貰ったのだ。
 おねーさんも「これなら大丈夫ですよ」と太鼓判を押してくれたから問題はない、ハズ。
 よくよく考えてみれば、俺が門番を買って出て、美鈴に買い物させていたほうがよかったような。
 選択、ミスったかな……? でも、そうすると大物来ても俺が相手しなきゃならないのか。それは面倒だ。

「いえ…どれも素敵な服ばかりで……その、ありがとうございます」
「ああ、いや…こちらこそ、大したものも用意できなくてすまない」
 お互いに頭を下げあった。傍から見れば、不思議な光景に見えるのだろうか。


 少しばかり時間が過ぎて。
 門に二人で寄りかかりながら、ぽつぽつと話を続ける。
 寒いといえば寒いのだけど、外で見ていなければならないのが門番の辛い所。


「一つ、聞いてもいいですか?」
「何だ?」
「私の為に、どうしてそこまで?」
「何となく、かな」
「何となく、ですか」
「今朝、冬服ダメにしたって言ってたろ?」
「言いましたね」
「その時に思いついた。美鈴に服でも買ってあげようと」
「それだけですか?」
「不服か?」
 不服なわけではない。純粋に嬉しかった。
 でも、どうしてだろう。「何故?」が頭から離れてくれない。
「でも、あんなに沢山の服……代金も相当なものだったでしょう?
 思いつきだけで○○さんがそこまでするとは思えません」
「ぐ……話さなきゃ、だめか」
「してくれないと、納得できませんよ」
「むぅ……」
 どうしたものか。



「「……」」
「……はぁ……」
 盛大な溜息を吐いてから、彼はようやく口を開いた。
「最初はな」
「はい?」
「最初は……そう、本当にただの思いつきだったよ。
 お前の話聞いて、里にも少しだけ用事はあったしな。
 ついでに上着くらい買っていこうかな? ってくらいだった」
「……」
「で……選びながら美鈴のことを考えてたら、ああなってた」
「そ、そうですか……」
 さらっとそういうことを言われるとちょっと恥ずかしい。
「んー……何と言えばいいのか」
 まだ少し怪訝な顔をしている私を見てか、再び首を傾げる○○さん。




「嗚呼、成程」
 ようやく合点が行った。思わず自分で手を合わせてしまうほどにスッキリと。
「どうしたんですか?」
「どうやら俺は、お前の事が好きらしい」
「はい?」
 目を点にする美鈴。ちょっと面白い顔だ。

「聞こえなかったか? 俺はお前が好きだ、と言ったのさ」
 自分への確認も込めて、もう一度口にした。
 何故かはよく分からないけど、この相棒にいつのまにか惚れていたらしい。
 美鈴に言われ、自身の思いを整理して、行き着いたのはこの答えだった。

「え、あ、あの……好きって……」
 ようやく理解したのか、顔では済まず耳まで赤く染めながらしどろもどろになる美鈴。
「でも、咲夜様からは……その、ごにょごにょ」
「ああ、そういえば……」

 ここで働くようになった日のこと。
 仕事における諸注意として言われた事の1項目として"恋愛に現をぬかさないこと"とあった、気がしないでもない。
 恐らく美鈴も同様の事を言われているのだろうか。……聞いてみるか。
「恋愛に現をぬかすな、だっけ?」
「……です」
 やはり同じ事を言われていたのか。
 小さく溜息を付く。
「でもさ、それはつまり、現をぬかさなければ恋愛はOKって事だろ?」
 屁理屈ではあるのだけど、正論でもある。
 別に恋愛が禁止されているわけではないのだから。


「美鈴は俺の事をどう思ってるんだ?」
 真顔で、正面から見つめられる。
「わ、私は……」
 耐え切れなくなって、少しだけ目を逸らした。

 先ほど真顔で好きだ、と言われてから。
 私も彼の事をどう思っているのか、考えていた。
 誰にも分け隔てなく優しくて、真面目な所もあるのにどこか無邪気で。困っている時は傍に居てくれる。
 今日だってあんなに沢山の服をプレゼント(と呼ぶには些か乱暴な手段だったけど)してくれた。
 そんな、彼を、私は。

「……好き、かも」
 二言目の所で彼が派手にコケた。
「ご、ごめんなさい……でも、少しだけ、時間をくれませんか?」
「ああ、わかった」
 いつでもどうぞ、と言いながら。
 彼は柔らかく微笑んだ。

















 十数日後。















「寒いな」
「そうですね、すっかり雪も積もっちゃって」
「おかげで人間は来なくなったから楽なんだがな」
「妖怪もあんまり来ないから楽ですよ」
「そうか」
 二人並んで、今日も今日とて門番業務。

 俺が告白(といえるのだろうか)をした次の日。
 まるで今から嫁に行きますとでも言うような顔つきの美鈴が
 俺の部屋までやってきて、「宜しくお願いします」と頭を下げたのだった。
 それからメイド長の目には留まらない位微々たるものだったけど、俺達の付き合いは始まった。
 女心が分からないと自負できる俺と、「こういう事、初めてで」と顔を赤くする美鈴。
 二人の進展が亀のように遅いのは、ある意味では仕方のない事。
 のんびりいければいいや、と思う。時間はたっぷりあるのだから。

 ちなみに今日は。
 美鈴が仕入れてきたらしい明らかに一人の手には負えないマフラーを、二人で巻いていた。
 敵襲があったらどうする、なんていう突っ込みは聞かない事にした。



「こんな格好、咲夜様に見られたら怒られちゃいますね」
「開き直ればいいんじゃないか?」
「どう開き直るんです? ボコボコにされちゃいますよ」
「俺達はこんなにもラヴラヴですって」
 そういいながら肩を抱き寄せる○○さん。
 か、顔が近いです……
「そ、そうですね! そういうのも、楽しいかも知れませんね」
「だろー?」


 実際に見られたら私達のクビが危ないのかもしれないけれど。
 ……二人で生きていくのも悪くないかな、と思った。


11スレ目>>535


春は曙。
春眠暁を覚えず。


そんな言葉がピッタリ当てはまるぐらいに眠くなるような天気の春。
そんなことはおかまいなしで、いつものようにいつものやつがやってきた。



「○○さん!敵がやってきました!配置について下さい!」



前方に見慣れた白黒(仮)の姿を発見する。
今日もまた、図書館あたりに用でもあるのだろうか。

こんなポカポカした春の一日ぐらい、寝かせてくれたっていいのに。


「了解した」


紅魔館から○○さんが出てくる。
配置は、私の後ろだ。主に、私のサポートをしてくれている。

「今日こそ・・・あの憎き魔法使いを倒しますよ!」
「ああ、もちろんそのつもりだ」


○○さんは紅魔館で働いている。
主な仕事は雑用や買出し係、料理などである。
ちなみに、私の協力もあって弾幕の腕はまあまあなので、私のサポートも担当している。


「来ました!○○さん!」

いつもの常套句から、いつものビームを打ってくる白黒(仮)。

「言われなくても、わかっている!」

避けながら、平然と言う○○さん。


最初は全く戦えなかった○○さんだったが、私が少し鍛えてあげましょうかと提案すると、彼は喜んで受けてくれた。

○○さんはすごかった。
私の教えをあっという間に飲み込んで、私には及ばないながらも、その辺の氷の妖精位なら倒せるようになっていた。

この間約2ヶ月。驚くべき成長だ。
おかげで、私も負けじと腕を磨き始めている。
切磋琢磨ってやつだろう。

「えい!」

いつもどおりの弾幕を放つ。
○○さんはそれを補助するかのように弾幕を放つ。
それを避け、憎き白黒(仮)も弾幕を放つ。

「美鈴、右!右!」
「く・・・・」

四方八方から襲ってくるレーザー。
主に、私が狙われている。

避けるのに力を使い始め、弾幕が疎かとなる。

こうなってくると、苦しい状況となる。

メインは私なのだから、私が攻撃しないと、サポートの○○さんの弾幕だけでは、力不足だ。

「美鈴、そっちに避けたらまずい!」
「!!」

追い込まれた。レーザーをかわした所に、お得意のマスタースパークが飛んできた。
これは・・・・避けられないか。

止むをえず腕をクロスさせて頭を隠して攻撃を受ける体勢へ。

と、次の瞬間。

「間に合え!」
「!?」

横から衝撃。
何事かと吹っ飛ばされながら見てみると、○○さんが私を突き飛ばしていた。

「な・・・・・」

そして、○○さんの姿はマスタースパークに飲み込まれた。






突き飛ばされて倒れる私。
勝利を確信し、門を突き抜けようとする白黒(仮)。
私を倒したと思ったのだろう。

このまま煙に紛れて攻撃してもよかったが、それ以上にやることがあった。


「○○さん!」

私が○○さんを探している間に白黒(仮)がもう通っていってしまったが、そんなことどうだっていい。

「○○さん!○○さん!どこですか!?」

煙のせいで姿を確認することが出来ない。
私は彼の名を呼び続けた。
すると、ようやく返事が返ってきた。

「ふぅ・・・やれやれ、危なかったな」
「○○さん!・・・・大丈夫ですか!」
「そんな大きな声出さなくても、大丈夫さ。なんとか避けれたみたいだ」

彼を見てみる。
少し服が破けているが、確かに外傷は見当たらない。

「あーあ、また負けちゃったな」

白黒が通ったほうを見ながら、彼は呟く。

「ごめん、美鈴。俺もまだまだみたいだ」
「そんなこと・・・・いいんです」
「・・・え?」

「どうして、あんな真似を・・・」
「・・・・?」
「どうして、あんな真似を、したんですか?」
「・・・あんな真似、とは?」
「・・・・どうして、私を・・・・・・庇ったんですか?」

私は妖怪である。
あのぐらいの攻撃なら、受けたってすぐ回復できる。

でも、○○さんは人間だ。
下手したら、・・・・今ので取り返しがつかなくなるような事が起きたって、不思議ではない。

「・・・・・男が女を守るのは、当然じゃないか」
「え・・・・?」

今彼に似合わない台詞を聞いてしまった気がする。
思ったとおり、彼は少し顔を赤くしていた。

「いや、だってさ、男が女に守られながら戦うって結構情けないわけだよ。
 だからさ、ここぞっていう時ぐらいかっこつけさせてくれたっていいじゃないか」
「・・・・・○○・・・さん・・・」
「まぁ、実際はそんなこと考えないで、体が勝手に動いちゃったりしたんだけどね・・・・・・って美鈴!?」

私は思わず彼に抱きついた。

「ちょ、美鈴、どうしたのさ!?」

逞しくなった彼の胸。
最初はあんなに弱そうだったのに、いつの間にこんなに成長したんだろう。

「・・・・すみません、何でもないんです。ただ、・・・・・・ちょっと今の言葉が嬉しくて」
「え?あれで?」
「・・・・・うん。あまり、女扱いされたこと、なかったから、私」
「・・・・・・・そうか」
「・・・・・・・うん」
「・・・・」
「・・・・」


・・・なんだか変な雰囲気になってしまった。
腕を放そうにも、腕が動いてくれない。

―――まるで、脳がずっとこのままでいいと言っているかのように。

「なぁ、美鈴」
「・・・・・・・・なんでしょうか?」

しばらく続いた心地よい沈黙を、彼が破った。

「俺さ・・・・強くなってるかなぁ」
「・・・・・最初に比べたら、強くなってますよ。私が、保証します」
「・・・・師匠が保証してくれるなら、心配ないか」
「そうですよ」

すると、彼は私を抱いたまま横になった。
ちょっと、恥ずかしい。というか、かなり恥ずかしい。

「・・・・・・」
「・・・・・・」

真下に○○さんの顔。
必然的に見つめあう位置になってしまう。

「なぁ、美鈴」
「・・・・・は、はい!なんですか?」

本日2回目のこのやり取り。
思わず彼の顔に見とれてしまうところだった。

「大事な話があるんだ」
「・・・・・大事な・・・・・・・話ですか?」
「ああ」

彼は私を放し、体を起こして、座った。

「俺さ、実は・・・・・・・咲夜さんに誘われてるんだ」
「・・・・・え?」

今、彼はなんと言った?咲夜さんに誘われている?

「こっちのメイド隊に入らないかって、誘われてるんだ」
「・・・・・」

○○さんは今、門番隊に所属している。
私が、○○さんの修行のために、引き入れたからである。

「返事は・・・・・待ってもらっている。どうやら、俺のことを気に入ったらしいんだ」
「・・・そうですか」
「あとは・・・・・美鈴、君次第なんだ」
「・・・・どういうことですか?」
「・・・・・・・君は門番隊隊長だ。決める権利は、君にある」
「・・・・・・・・・○○さんは、どうしたいですか?」

私の考えは決まっている。

あとは、彼の意思次第。

「・・・・・・・・・・・やっぱり、今、言うしかないか」
「・・・・・?」

何だろうと思っていると、彼は急に真剣な顔になって座りなおした。
思わず、こっちも座りなおした。



「・・・・・・美鈴、よく聞いてくれ。
 ・・・・・・・・僕は、君のことが好きだ。師匠としてではなく、一人の女性として、好きだ。
 妖怪であってもいい。妖怪の、君が、好きだ。
 もし、君が僕と同じ感情を抱いていないのならば・・・・・・僕は潔く諦め、向こうの隊へ行ってくる。この話は忘れてくれても構わない。
 もし、それ以外なら・・・・・・・・・・・僕がここに留まることを、許して欲しい」


・・・・・聞いてしまった。彼の言うこと、全部。一字一句逃さず。
このときほど、私が真剣に話を聞いたことなんてないだろう。



私の返事なんて、とっくに決まっている。



「うわっ!」



―――私は、迷うことなく彼に飛びついた。


「・・・・・・・・ようこそ、門番隊へ。歓迎します!私の・・・・・・・・・弟子であり、恋人である、○○、さん!」
「・・・・・・・・ああ、これからも、よろしく頼むよ。俺の師匠兼、隊長兼、恋人の・・・・美鈴。」


そうして、自然と、私たちは唇を重ねあった。







・・・・・窓から、メイド長が見ているのも知らずに。


「あの二人は・・・・魔理沙に進入を許しておいて何をやっているのかしら・・・・」



このあと、お叱りを受けたのは言うまでもない話だ。


11スレ目>>125


紅魔館の門に一組の男女が眠そうに座っていた

「暇だねぇ・・・」
「そうですね・・・」

「・・・・」
「・・・・」

「でもこういうのもたまにはいいねぇ・・・」
「同感ですね・・・」

「・・・・」
「・・・・」

「やっぱり暇だねぇ・・・」
「そうですねぇ・・・」
「口調移ったねぇ・・・」
「そうですねぇ・・・」

「あ、白黒が来たねぇ・・・」
「そうですねぇ・・・」


ビューン!ドンガラガッシャーン!!


「・・・・・行っちゃったねぇ・・・」
「そうですねぇ・・・・」

「・・・通してよかったのかねぇ・・・」
「たまにはいいんじゃないですかねぇ・・・」
「そうかねぇ・・・」






「いいわけないでしょ?」



「!?」
「!!」


「あんたたち・・・門番の仕事もせずに幸せそうにダラダラと・・・・今週はおやつ抜き!」


「マジっすか~」
「マジなんですか~」
「はぁ・・・アンタが来てから美鈴も大分変わったわね・・・・・・」


12スレ目>>287 うpろだ805


「わわっ!?」
突然吹き抜けていった風
その風は私の帽子を絡め取って、空まで持ち上げていった
お気に入りだったのに、そんなことを考えながら帽子を見送った
「よ、っと」
あんなに高い位置にあった帽子、不可能なはずの高さに届いた手
ぼすっ
深く積もっていた雪が、彼の着地によって踏み固められた
「○○さん・・・危ないですよ、というか何処から現れたんですか?」
彼は高い塀を指差して、笑った
「ほらよ、次は飛ばすなよ」
渡されたのは私の帽子、彼が取ってくれた帽子
「あ、ありがとうございます・・・」
塀を見てみた
高さは4m弱、帽子が飛んでいた高さはその倍ぐらいあったはず・・・波紋?
「こんなに寒いのにご苦労様だな」
「仕事ですから・・・○○さんがくれたコートもありますし」
○○さんがくれた(借りた)コートはとても暖かい
私が着ると膝を隠してしまうぐらい長くて大きい、私が二人ぐらい入るだろう
何でトレンチというかは知らないが、きっとトレンチさんが作ったんだろう
「このコートも、さっきの帽子も、色々お世話になりっぱなしで・・・」
「気にするな、俺が好きでやってることだ」
わたしの頭をくしゃくしゃと、撫でてくれた
それが思いのほか嬉しいというか幸せというか
「・・・今度何かお礼をさせてください」
「だから気にするなって」
「私がしたいからするんです、何か欲しいものとかして欲しいこととか・・・何かないですか?」
「あー・・・んー・・・そうだな・・・恋人は欲しいが・・・それは外法か」
ブツブツと独り言を繰り返す○○さん
特に何かあるわけではなさそうだ、それはそれで困るが
「そうだ!○○さん!甘いお菓子は好きですか!?」
「あ、ああ、嫌いじゃ無いが・・・?」
いつもお世話になっているのだから、こういう行事を有効活用しなきゃ
「ふふふ、2月の真ん中を楽しみにしててくださいね」
「あ、ああ?楽しみにしとくよ・・・??じゃあまたな」
○○さんはふらふらと何処かへと歩いていった
すぐに姿は見えなくなったけど、一時見えなくなった背中を眺め続けた

咲夜さんから聞いておいて良かった
バレンタインなんか全然知らなかった、でも今は知っている
チョコといっても色々あるらしいからなぁ
やっぱりあげ方にも工夫をしなきゃいけないのかな
胸に挟んであげるとか「溶けちゃった・・・全部舐め取ってくださいね」とかきゃーきゃー美鈴のエッチ!
「駄目ですよ○○さん、そこは違いますよ。うへへ」
「中国ー。みりん・・・美鈴っ!」
「は、はいっ!?」
「なに門前で涎たらしながらニヤニヤしてるのよ、気色悪いわね」
いけないいけない、へんな世界に入ってたらしい
しかし咲夜さんが呼びにきたとなると・・・
「冷えたでしょ?一緒に紅茶でもどう?もう交代の時間だし・・・」
咲夜さんは優しいなぁ、私の周りには優しい人がいっぱいいるなぁ、私は幸せだなあ
だからこそ、少しでも恩返しというか、感謝の気持ちを表すというか、そういうことがしたい
そうだ、咲夜さんにもチョコレートをあげよう
でもその前に色々とバレンタインについて聞かなきゃ、チョコをあげる日ということしか知らない
「喜んで、色々聞きたい事もありますし」
「何かしら?聞きたい事って」
「それは紅茶でも飲みながらゆっくりと」
ああ、来月が楽しみだ
それまでに色々な試練があったりなかったり
彼は喜んでくれるだろうか?そもそもどうやって入手しようか?
まぁ色々考えるのは話を聞いてからにしよう、それからでも遅くない

end


11スレ目>>983


「美鈴、よければ俺も一緒に門番やらせてくれないかな。
 1日とかそんなじゃなく、出来れば君と、ずっとね」


12スレ目>>89


北斗神拳っぽい何かを使える程度の能力を会得したので、
スレの趣旨に反するがめーりんをいじめる事にした。


まずは能力を用いて彼女のスピードを上回り後ろに回る。
そして肩こりのツボを突きマッサージする。
後ろを取られるどころかみるみる間に上半身の力を奪われてしまえば、
拳法の達人であるめーりんはきっと恥ずかしいだろう。

上半身を無力化すれば次は下半身だ。
先程の攻撃で脱力しためーりんを押し倒し、
靴を脱がし、足のツボを責める。
全身のコリをほぐしながら意識を覚醒させるツボだ。
これによりめーりんは朦朧とする意識を無理矢理引き戻され、
長らく体がほぐれていく感覚を味あわされるのだ。
そして全身が弛緩しきっためー「○○君仕事サボって何書いてるんですか?」
「も、門番長!見ないで下さい・・・!」
「駄目ですよー、
 う・・・ふむふむ」
「え、あ、門番長。
 なんでそんな袖を捲くって手をわきわきと・・・」
「○○君がそんな趣味だとは知らなかったのですよ・・・
 人にやられて嫌な事は・・・自分が体感すれば一番分かりますね?」
じゃあなんでそんな笑顔なんですか門番長。
え、あ、ちょ、
肩気持ちいい、肩がアッー!


12スレ目>>508


駄目だ・・・
どうしても中国だと「血夜糊嶺闘」みたいな当て字の民明書房っぽいネタを連想してしまう。


「・・・という訳で敗者は勝者に手取り足取りで甘味を食べさせられるという屈辱を受けるのです!」
「てか民明書房の本て幻想入りしてたんだな・・・」
「じゃあまあとりあえずさっさと負けて下さい○○さん」
「いやいやもうちょっと目的の為に手段を選ぼうな?」
「え、つまり○○さんは私にフルボッコにされたいんですか?」
「いやまあそうなる結果は分かってるがせめて形式的にも倒すくらいしないと決闘にならないでしょうが」
「では全身の関節を外してひざ枕しながら食べさせるのと、
 全身の関節を外して口移しで食べさせるのならどちらが良いですか?」
「やっぱもう普通に渡そうぜ」


12スレ目>>948 うpろだ911


「さーくやさんっ」
「ん?どうしたの美鈴」
休みの時間と睡眠時間を削り、いつもお世話になってるおふた形のために作った、カカオ練り菓子
「これを、どうぞ」
「これは・・・ああなるほど、今日はバレンタインだったわね」
咲夜さんは渡したチョコを一つ、口に放り込んだ
「んー、悪くないわね・・・これから本命の方へ?」
「ななななななにをを、唯私は日ごろお世話になっている咲夜さんと○○さんの為に感謝の気持ちを込めてチョコを作ったわけで別に○○さんにアプローチだとかせっかくのバレンタインを利用しない手は無いだとかチョコだけでなく色々な想いを込めてとかそういうことは一切無くてですね!」
「はいはい、今日は大目に見てあげるから、さっさと渡しに行って来なさい」



紅魔館を出て(咲夜さんに追い出されて)○○さんの家へ向かう
異性に対するチョコの渡し方はパチュリー様の所有する本で学習済みだ
今更恥ずかしいとか、そういう迷いは無い
皆がしているなら恥ずかしくないのだ
「○○さーん、美鈴ですー」
こんこんと、ドアをノックすると、中からばたばたと言う足音が聞こえた
玄関が開く、渡す準備はとっくに出来ている
さぁ!
「よぅ、どうし・・・た・・・」
「チョコをッ!渡しにきましたッッ!!」




まぁ聞いてくれよブラザー
美鈴が訪ねてきたんだ
何の用かと玄関まで足を運び、扉を開けたさ
まず思ったのは、胸、胸部、おっぱい
いやいや、美鈴の胸がでかい事ぐらい俺でも知ってるさ
まぁとりあえず胸に目が行ってね、その谷間になんか挟んであるのよ、よく見たらさ
ハート型のチョコレートらしき物体、カレールーと言う可能性も無きには有らずだけどね
チョコを渡すのに、胸に挟む必要が何処に有るのだろうか?
いや、ない
そんなのは成年向けのコミックスででもやってくださいって話ですよ
美鈴は羞恥に頬を染めて、ってそりゃ恥ずかしいだろうね、見てる俺のほうが恥ずかしいよ
俺が固まってると、美鈴が不安そうな顔になってしまったからね
チョコを取りましたよ、胸に触れない努力はした、努力はしたよ?結果だけを見つめる社会って嫌だねまったく

チョコを一口、かじってみた
予想通り甘かった、チョコの味がしたとしか言いようが無い
だけど、俺がチョコを食べる姿を見て、嬉しそうにしている美鈴を見ていると、チョコは何倍にも美味しく思えた
「美味しかったよ・・・ありがとな」
俺はいつもみたいに頭を撫でた
撫でると言うには乱暴に、くしゃくしゃと
美鈴は目を細めて、えへへ、と笑っていた
「ん?」
胸の谷間に、チョコが融けてついてる
俺が硬直して取るまでの間に融けてしまったらしい
「・・・美鈴」
「ひゃぁっ!?○、○○さん!?そ、そんなところ、んっ」
「だってほら、せっかく作ってくれたチョコだ、俺は残したくない」
「だ、だからって、んぅ、はぁ、んんっ」


         心の綺麗な人にしか見えない文字です
            (ドラッグしても見えません)
                                       」





「そうだ、来月にお返ししなくちゃな・・・何が良い?」
「・・・これは、いつもお世話になってる・・・お礼です、だから、お返しされたら、またお返ししなくちゃいけなくて」
「いいんじゃないか?お返しのお返しのお返しの・・・そうやって行けば」
美鈴は解らないといった感じで、首をかしげた
その仕草すら、可愛いと感じてしまう俺がいる
「何かをされたらお返しをせにゃならん、だからさ・・・与えるのと、お返しとで・・・ずっと一緒にいられるだろ?」
「あ・・・」
「だからさ・・・俺はお前とずっと一緒にいたいから、これからずっと一緒にいれば、与えてお返しの繰り返しだろ?それに・・・俺はお前に色々してもらってるしな」
美鈴は、何でか顔を赤くして、俯いてしまった
「どうした?」
「嬉しいですけど・・・恥ずかしくて」
彼女は言う
自分をここまで好きでいてくれる人が居る
そしてその人のに負けないぐらい、その人の事が好きだと言う事
その事が、幸せすぎて
少し前の私なら、受け入れる事すら恐れていた幸せを、こうやって噛み締めていられるのがとても・・・嬉しいのだ、と

そうやって話す彼女は、とてもいい女で
美鈴は俺の嫁
と叫びたくなったが、止めておいた

「○○さん・・・ホワイトデーなんですが・・・」
「おお、なんか欲しいのあるか?」
「その・・・ええと・・・子供」
「それは無理だ」


end


12スレ目>>911


「……なんだ、これは?」
 俺は手渡されたものをまじまじと見つめた。
 箱。綺麗なピンク色の包装紙に包まれた掌よりちょっとばかし大きいかというくらいの箱である。
「こ、これは――あのー、その、チョコ……よ」
 チョコ。何故こんなときに――とも思ったがすぐに今日がバレンタインデイだと気づく。なるほど、嬉しいことをしてくれる。
「これは中国が作ってくれたのか?」
「ええ、そう――っていうか中国って言うな」
「まぁまぁ。それは嬉しいな、中国が俺のために作ってくれたチョコなんだろ?」
「勿論――ってだから中国って」
 中国――こと美鈴が言い終える前に俺はその口を唇で塞いだ。
「ありがとな、美鈴」
「――!……っもう」
 顔を真っ赤に染め、少し視線を逸らしながら彼女は言った。
 その仕草がなんだかすごく可愛らしくて俺は美鈴を抱き寄せた。


最終更新:2010年06月02日 22:53