パチュリー1



1スレ目 >>18


君がいてくれるのなら、なんだって出来る。
絶対に寂しい思いなんてさせない。
喘息だって治してあげられる。
だから・・・だからパチュリー、目を開けてくれよ。
お願いだからもう一度、笑顔を見せてくれよ。
生きていた頃の君に、逢いたいよ・・・。

───────────────────────────────────────────────────────────

1スレ目 >>260


既に日の暮れた紅魔館の中の図書館に俺はまだ居た。
俺の仕事というものがまだ終わってなかった為だ。
普通な役職の俺の主な仕事といえば、図書整理と、この中の警備の二つ。
前者は本当に時間がかかるし、後者はどこかの白黒の魔法使いが来たら、色々な
覚悟を決めなければならない事が欠点だ。
だが、そんな仕事にもいい事というのは存在するものだ。
「…仕事は終わったの?」
「あぁ、パチュリーさん。まだ終わってませんから、先に戻ってくれても構いませんよ」
この図書館の主、パチュリー=ノーレッジが、そのいい事の大半を占めている。
貴重な本を貸してくれたり、普通では手に入らない本なんて見せてもらうのも珍しくない。
それよりも俺にとっては、パチュリーさんに出会えることが一番の喜びだった。
「ダメ。私は最後まで残って、鍵を閉めなきゃならないから」
「でも、遅くなりますよ?」
「待ってるから、さっさと終わらせて」
と彼女はイスに腰掛けて、本を読み始めた。
待っていると言ったから、多分俺の仕事が終わるまでずっとここで本を読んでいるつもりだろう。
「分かりました。じゃあ行ってきます」

………

約一時間かかって、管理カードを書き終えて俺は戻ってきた。
白黒の持っていった本に時間がかかったという理由なのは内緒だ。
「パチュリーさん、終わりました…よ?」
「すぅ…すぅ…」
俺を待っている間、どうやら本も読み終わったらしく、パチュリーさんは眠っていた。
それにしても、身体が細くて白い。ちゃんと栄養は取っているのだろうか?
いや、それよりもこの後をどうするかだ。このまま放っておくのも夢見が悪いけど、何の許可もなしに
身体に触るのもなぁ…。こういう時の頼みの小悪魔の娘も居ないし…
「仕方ないか…」
悪いとは思ったがパチュリーさんを背負う。思ったとおり彼女の身体は軽かった。
やっぱり栄養を取ったり、運動したりした方がいいよなぁ…

ようやく辿り着いた時に、パチュリーさんは目を覚ました。
「ここ、は?」
「パチュリーさんの寝室ですよ」
背から降ろしてしばらく支えてやる。初めはフラフラと危なげだが何とか普通に立つ。
「それじゃ鍵は俺が閉めますから、お休みなさい」
鍵置き場から鍵を回収して部屋から出ようとすると、いきなりパチュリーさんに袖を
握られた。
そこからは、もう既にスローモーションだった。
パチュリーさんの唇が近づいてきて、俺の唇にそっと触れた。
それがキスだという事を理解するのに、二、三分はかかった気がするが、多分普通の時間的に言えば
数秒なんだろう。
「お休み…」
最後に顔の赤いパチュリーさんを見てから、俺は――さっさと部屋を出て行った。
図書館を出て鍵をかけて自分の部屋に戻ってから、まだ唇にあの感触が残っていた気がした。

やっぱり…これは、そういう意味なんだろうか?




あれ以来、どうもパチュリーさんと一緒にいると気恥ずかしくなってしまった。
考えてみれば俺って、女の人にキスされた事なんてないんだよな…。
いや、ファーストキスなんてロマンチックに言う気はないけど…どうも、しっくりこない。
もしもパチュリーさんが寝ぼけててキスしたなんて言ったら、それはそれで悲しいけど。
「あ…そこ、間違ってますよ」
「…あ、すいません」
どうやらずっと考え事をしていたためか、手元の管理カードの記入にミスをしてしまっていたらしい。
小悪魔の娘に謝ってから、記入を訂正する。それほど大きなミスではないが、失敗には違いない。
「どうしたんですか?今日もボーっとしてますね」
「いや、ちょっと寝不足で…」
あながち間違ってはいない。
あの日以来、夜はずっとあの時の事を考えて、最近の寝る時刻といえば、前寝ていた時間の半分くらいだ。
「もしかして、パチュリー様と何かありましたか?」
「…!いえ、別に何にも無いですよ!?」
何やってるんだ俺。あからさますぎてバレバレだ。
俺のその様子に、小悪魔の娘はくすりと笑い、
「パチュリー様は魔理沙さんとあなたが来てからお変わりになりました。
魔理沙さんとは良い友人として、あなたに対しては――」
とそこで言葉を切る。
「…俺に、対しては?」
「恐らく、あなたが考えている事と同じだと思いますよ?」
俺が考えている事って…。いや、そんな事があるはずがないよな…。
「…それでは、頑張って下さいね」
それだけ言って、小悪魔の娘は次の仕事に移ろうとしていた。
「…待ってくれ」
俺の言葉に小悪魔の娘は振り返る。
今、彼女に対してどうしても言わなければならない事があった。
「何ですか?」
「…ありがとう、これで少しは勇気が出た」
彼女は先ほどと同じような笑みを浮かべて
「いえいえ、パチュリー様が幸せなら、いいんですよ」
それはまるで、娘を嫁に出す母親のような言葉だった。



俺の方は昨日の小悪魔の娘の言葉で、今日告白する覚悟はできた。
しかし俺は全くといって良いほど、他の可能性を失念していた。
「…どうして、今日に限ってパチュリーさんが休みなんだよ!」
「あの、図書館ではお静かに…」
「あ、すいません…」
そう今日はパチュリーさんは体調を崩してお休みなのだ。
それもかなり心配なのだが、俺がこのテンションを保つのも無理が出てきた。
昨日のままなら、まだそのままの勢いで告白できると思っていたのだが、今になって
不安が出てきた。
「…はぁ」
「やっぱりパチュリー様が居ないと作業がはかどりませんね」
俺の方を見ながら言う小悪魔の娘。
どうせ俺はパチュリーさんが居ないとやる気が出ない男さ…。
「仕方ないですし、今日はもう終わりにしましょう。あなたも面会したいでしょう?」
「あ、まぁ…」
…本当は心配でしょうがない。体調が悪いのはいつもの事だけど、俺の方もいっぱいいっぱいなのだ。
できる事なら、スパッと事を進めたい。
「…ちゃんと行ってきて下さいね」
「はいよ」
…やっぱり、何か持ってくべきだよな。しかし俺が持ってるものでパチュリーさんが
喜びそうな物なんて無いんだけどな…。
そう考えながら、俺は紅魔館の中庭に足を運んでいた。




『えっと、パチュリー様のお見舞い?じゃあ、これとか持っていってね』
初めに、服装やら何やらが中国っぽい門番にそう言われて花束を渡された。
『パチュリー様のお食事、持っていってあげてね』
その花束を持ちながら紅魔館と図書館を繋いでいる廊下近くを歩いていると
いきなりメイド長に止められて、お盆とお粥まで持たされた。
…何で俺がパチュリーさんのところに行くって分かってるんだ?
いや、まぁ仕事とかで一緒にいることが多いけどさ…。今日、休みだってみんな知ってるだろうか?
『果物とかも持っていってあげなさい』
最後にこの館では昼間、出会う事がほとんどありえないお嬢様と遭遇して、そんな事まで言われた。
それだけ持たされた俺の腕はほとんど機能停止寸前だったが
果物と花束を一緒に袋に詰めて、お粥を片手で持つという荒業で何とかなった。
しかし、この作戦には重大な欠点がある。
彼女の寝室に辿り着いた時、目の前のドアを開けられなかった。
「…どうしよう」
「はい、どうぞ」
救いの女神は案外近くにいた。いや正確には彼女は小悪魔だが。
とりあえず彼女に感謝しながら、俺は部屋の中に入った。
気を利かせたのか小悪魔の娘は鍵を取っていった。どうやらもう閉館予定らしい。
「ありがとう」
「いえいえ、どういたしまして」
いつもの笑顔で、小悪魔の少女は微笑んだ。



寝室で彼女――パチュリー=ノーレッジは規則正しい寝息を立てていた。
どうやら症状は安定しているらしい。
「…う…ん」
「起きましたか?」
「…何で、あなたがここに…?」
寝ぼけながら身体を起こすパチュリーさん。
「お見舞いですが、迷惑でしたか?」
「そんな事……ないけど…」
このまま行くと、気まずさが更に上がる気がして俺は慌てて話題を振った。
「こ、これ門番の人から花束です。あと、こっちはお嬢様から果物です」
「レミィ…から?」
何とも意外そうに声を上げる。お嬢様もあまり果物なんてあげないようだ。
「後はご飯ですけど…食べれますか?」
「…ちょっと今の状態じゃ、普通に食べるのは辛いかもしれないわ」
「そうですか…温かいうちが美味しいと思うんですけどね」
「……て」
とても小さな声で、パチュリーさんは何事かを呟く。
「はい?」
「た、食べさせて」
上目遣いに頬を染めながらそんな事を言う彼女に対して、その時の俺は
ちょっぴり、くらっときてしまった訳で…
「え、と…じゃ、あーんして下さい」
食べさせてもらう方と、やっている方どっちが恥ずかしいんだろう?とそんな無駄な事を
考えながら俺は高鳴る鼓動を押さえていた。
「…あーん」
おずおずと小さな口を開いて、レンゲを口に入れる。
「どうですか?」
「……おいしい」
そりゃメイド長特製ですから、と言おうとして言いとどまる。
何となく言いたくなかった。理由らしい理由は、分からないけど。


結局、彼女はお粥を全部食べ終わってしまった。
しかし流石にあーんというシチュエーションは初めてだった。
やってみると死ぬほど恥ずかしい。
「…それじゃ、果物を剥きましょうか」
「レミィからの林檎ね…」
魔女が持つ林檎は毒林檎という相場が決まっているけど、パチュリーさんじゃ
適用され無さそうだな…。
「はい、じゃあ剥きますよ」
慣れているわけじゃないけど、ここにきて最初の方に叩き込まれた技能に皮むきはあった。
「……あーん」
これは、また食べさせろと? いや、死ぬほど恥ずかしいだけで、それ以外は別に問題ない。
むしろ、率先してやらせてもらいたい。
「はい、あーんです」
…そんな独特で甘い空気がしばらく流れた。

「……さて、本題に入りましょうか」
その後、しばらく本や白黒への対策など他愛のない話で盛り上がり、俺は決心した。
「私もあなたに、伝えなければならない事があるの」
まさか彼女にも重大な話があるのか?
「…別に良いですけど、急ぎのお話ですか?」
「いえ、他愛のない話だから、あなたの後で良いわ」
他愛のない話、か。じゃあ多分、大丈夫だろう。
「…えと、それじゃ一回しか言いませんから、よく聞いてください」
よく深呼吸して、呼吸を整える。今なら普通に言える、そんな気がした。
「パチュリーさん、俺、あなたが好きです」
「……そう」
「…返事は――」
「いいわよ」
「そう、ですか…やっぱり…って……はい?」
「いいって言ったのだけど」
…いい、って事はこれはOKって事だよな?
「…お、俺の用事はこれで終わりです!パチュリーさんの用事って何ですか!?」
慌てて言う俺に対して、パチュリーさんは赤い顔で俯きながら
「…あなたが大事だって分かったの。だから一生、私と居て、下さい――」
俺は、その日陰に生きる本の少女を急に愛しくなって、抱き寄せた。
「…ははっ、喜んで…パチュリー」
嬉しい時の涙という物を、俺は初めて流した気がした。
その日の俺はまさしく、人生最良の日だった。


蛇足――
これは彼が彼女に対して告白した後のお話である。
「…お嬢様、あの行動に関してなのですが」
「あぁ、咲夜の言いたい事は分かっているわよ。どうして異種族同士の恋愛を助長するような事を
したのかって事でしょう?」
この館の主であるレミリア=スカーレットは紅茶を飲みながらカーテンを開く。
まだ空は完全に夕闇に染まっていない。微かに出ている月を見て
「だって友人の恋愛を応援しないものなんて居ないでしょう?」
それはそうですが、と言おうとする。咲夜の口を押さえて
「彼とパチェは寿命が違いすぎるの、きっと彼はパチェを置いてこの世を去るでしょうね」
…友人には幸せになってもらいたい。
だからこそレミリアは彼に対して、少しだけ力を使ったのだ。
パチュリーが彼を思っていることは前々から知っていた。滅多に人間の話題を出さないパチュリーは
彼の話が出てくるたびに、どことなく嬉しそうに話す。
あぁパチェは彼に恋をしているんだな、と感覚的に悟った。
たとえ非業の死が二人を別っても、愛の絆は永遠にその心の糸を結び続けるだろう。
「それで咲夜、お願いなんだけど、あの役をやってくれないかしら?」
「いえ、それはお嬢様がやるべきでしょう。二人を繋ぐ紅い糸を、作り出した張本人なのですから」
「ダメよ。私は真剣な場で何を言うか分からないもの」
「多分、大丈夫だと思いますよ。あの場では」
結婚式の場というのは、新郎と花嫁が主役だ。
そして、その愛を壊すものは誰一人としていない。
誰もが祝福をしにその場所に集まるのだから――


「これより、行われる誓いは神の前において嘘偽りなく、
己が心に正直に答える事。よろしいかしら?」
「はい」
「はい…」
式場の中は明るく、それでいて厳かな雰囲気に包まれていた。
神父の役をやっているお嬢様は淡々と聖句を読み上げるが時折、パチュリーに
優しそうな笑顔を覗かせる。
「新郎、――。汝、健やかなる時も病める時も、新婦パチュリーに生涯、永遠の愛を誓うか?」
「誓います」
こうなる事を俺は望んでいた。
そう彼女と一緒に人生を歩む事を…
「では、新婦パチュリー。汝、健やかなる時も病める時も如何なる時も新郎――を愛する事を
誓うか?」
パチュリーはその聖句を聞きながら俺の方を一瞬見た。
「……誓います」
してやったり、といった表情を見せながらお嬢様――神父は言った。
「では、誓いの口付けを…」
「…パチュリー」
俺はパチュリーのヴェールを持ち上げる。練習とかで何度もやったはずなのに
どうも、みんなの前でやるその時だけは妙な気恥ずかしさに襲われた。
唇が触れた時、俺はみんなが騒がしくなるのを肌で感じていた。
口で騒いでいるわけじゃない、心が騒いでいるんだ。
「…ありがとう」


教会――と言っても実際は大きな外部屋を改修したものだが――から出ると
大きな歓声に包まれた。この声はすべて祝福のものなのかと思うと、心地よく感じる。
太陽の光が苦手だといった彼女も、今回だけは特別なのか
眩しそうに目を細めるだけでいるだけだった。
「…神社とかでやってくれると嬉しかったんだけどねえ」
紅白の巫女が唇を尖らせていた。
「まぁまぁ、普通に祝福してやれよ。目出度い席なんだからさ」
と白黒の魔法使いが諌めるように巫女の肩に手を置く。

「おめでとうございます。――さん」
いつの間にか小悪魔の娘が近くまで来ていた。
思えばこの娘のおかげで、俺はこうなったのかもしれない。
「…ありがとう。キミのおかげで俺はこうなる事が出来た」
「いえいえ、私はちょっと後押ししただけですよ。だから、こうなったのはあなた自身のおかげです」
「…それでも、ありがとう」
俺の言葉に小悪魔の娘は「どういたしまして」と言い残して、祝福する声の渦に入っていった。
「…さぁてパチェ、そろそろブーケを投げなさい」
神父の役をしていたお嬢様もいつの間にか着替えて、ブーケが投げられるのを今か今かと
待っていた。
見ると、他の女性達もそれを待っているのか妙にそわそわしている。
「パチュリー」
「…えぇ」
上空高くブーケは投げられた。
そのブーケは弧を描き――





End




如何でしたでしょうか?
これは誤字とか加筆修正を加えたものであり、あんまり内容は変わっていません。
ちなみに結婚式を、つい最近になって見てきたのは内緒です。
とりあえず、俺×パチェのSSはこれでお終いです

───────────────────────────────────────────────────────────

1スレ目 >>346>>351-353


「よっと、邪魔するぜ」
 そう言って入ってきたのは、魔理沙だった
 このヴワル図書館の常連者でもあり……そして本泥棒だ
「お、○○じゃないか」
「魔理沙、今日は勝手に本を持って行くなよ。
 ……あとでパチュリーさんに怒られるのは俺なんだから」
「おいおい、それじゃまるで私がここに来るたびに本を取っていくような言い草じゃないか
 それにだ。私は本を借りているだけだぜ?」
 ――未だに返しに来るところを見たことないけどね。
 と、まぁ言ってもしょうがないので心の内に閉まっておく。
「それにだ、今日はパチュリーにちょっと用があってな。
 本を借りに来たわけじゃない」
「パチュリーさんに?」
「ああ。というわけだ、パチュリーがどこに居るか知らないか?」
「パチュリーさんなら…えーと―――」
 俺はパチュリーさんの大体の居場所を魔理沙に伝える。
「サンキュ。助かったぜ」
 そして、手に持った箒に跨り――
「そうだ。今度、また外の世界の話、聞かせてもらうぜ。
 じゃあな!」
 白黒の魔砲使いは俺の視界から消えていった。


 私が本を読んでいると、遠くから騒がしい音が聞こえてきた。
 この飛行音、おそらくは魔理沙だろう。
 そして、間もないうちに白黒の魔砲使いが姿を現した。
「よぅ、パチュリー」
 上空から聞こえてくる声。
「何? 今日もまた何か持っていくつもり?」
「おいおい…どうしてお前も○○も第一声がそれなんだ?」
「常習犯だからに決まっているからじゃないの」
「私は泥棒か何かか?」
「泥棒じゃないの、それもとびっきりの」
「酷い言われようだぜ」
「で、今日は何の用?」

 その後、魔理沙と取り留めのない会話をする。
 最近の出来事、取り留めのないこと、その他色々…
 しかし、どことなく違和感を感じる。
「…というわけなんだが…… どうかしたか?」
 どうやら思考が顔に出ていたらしい。
 ただ、向こう側から問いかけてくるのであれば、ここは流れに乗させてもらうことにした。
「魔理沙…あなた、何か隠していない?」
 きょとん、とする魔理沙。
「何かって…別になんにも隠していないぜ?」
「そうかしら。さっきまでの会話、何か違和感を感じたわ
 ――そうね。一番聴きたい事を中々繰り出せない。
 と、言ったところかしら?」
「――――」
 沈黙が訪れる。
「やっぱ、分かるか?」
「私は知識と日陰の少女、パチュリー・ノーレッジよ。
 私が持つ知識の中には読心術の心得もあるわ」
 魔理沙は観念したかのようにため息をつき――
「その、だな…
 ○○ってさ、誰か…誰か好きなヤツって……いるのか?」
 息が詰まる。
 今、魔理沙はなんて言ったの?
「いや、いざ本人にそれを聞くのは…ちょっと、な。
 で、パチュリーなら、もしかしたら知っているんじゃないかと思ってな……」
「………け…ゃない」
「…? パチュリー?」
「いくら私でも、他人の好いている人が分かるわけないじゃない!」
「!?」
 本当に自分が出したのだろうかと疑いたくなるような、大きな声。
 こんなに大きな声を出したのは生まれて初めてかもしれない。
「ど、どうしたんだ、パチュリー… そんな大きな声を出して……」
「え、あ…ごめんなさい。魔理沙が変なことを聞いてくるから…つい」
「…そうか」
 多分。いや、絶対。魔理沙は○○のことを――
「その…○○だけど……」
 だから私はあえて聞くことにした。
「好きなの? 魔理沙」
 魔理沙の本心を。

「ああ――好きだぜ」


 その後、話すことがなくなったので魔理沙は帰っていった。
 そして幻想郷の夜が訪れる。
 私は自分のベッドに腰をかけて、昼間のことを思い返す。
 魔理沙が――○○のことを好き。
 実はそのことは薄々感づいていた。
 最近、魔理沙と会話するとき、大抵○○のことが話題に上がってくる。
 その時の魔理沙の顔は、意気揚々としていたのに気が付いた。

 だが、そのことに気がついたもの、ある一つの理由から。
 だって、私も―――
「あの人の事が―――好きだから」

 ある日、俺はパチュリーさんに呼び出された。
 やっぱまたお咎め…か? というか、それ以外特に理由が浮かばないが…
 まぁ、なんにせよ。行けば分かるということだ。

 数分後、パチュリーさんの部屋の前に立つ。
(さて…鬼が出るか、蛇が出るか。答えはこの扉の向こう――か)
 意を決して、ドアをノックする。
「パチュリーさん、○○です」
「いいわ、入ってきなさい」
「…失礼します」
 ドアを開け、部屋に入る。
 そして、テーブルに備え付けられた椅子に腰掛けるパチュリーさんを見る。
「それで…なんのようですか?」
「そんなに急かさなくてもいいわ。…とりあえずこちらに来て腰掛けなさい」
「はぁ…」
 意図がつかめないが…
 とりあえず、言われたとおり向かい側の椅子に腰掛ける。
「今回あなたを呼んだのは…そうね。少し話をしようと思って、ね」
「話…ですか」
 珍しいこともあるものだ。パチュリーさんから話の誘いがあるなんて。
 …まぁ、パチュリーさんと話す機会自体珍しいので、俺としてはうれしい限り。だが――
「しかし、なんでまた」
 当然の疑問といえば当然というべきか。
「特に理由なんてないわ。ただ、あなたと話がしたかった。それだけよ」
 だが、彼女から帰って来た言葉はアッサリとしたものだった。
 ――俺は、夢でも見ているのか?
 そう思いたくなるような返答。
 つまりは普段からは到底考えられない理由ということだ。
「その前に…」
 パチュリーさんは、テーブルに置いてあるポットを手に取り、カップに紅茶を注いでゆく。
「あ、それぐらい、自分が」
「いいのよ。たまには自分でやるのも面白いものだわ」
 これまた普段の彼女からは想像出来ない行動であった。
 普段なら小悪魔さんか、俺がいれるのだが…自分でやるなんてことがあっただろうか。
「はい、どうぞ」
「あ、はい。頂きます」
 カップが手渡される。
 それを手に取り、一つ軽い礼をして紅茶を一気に飲み干す。
「相変わらず、一口で飲み干すのね」
「あ、はい……。癖みたいなものなので……すいません」
「いいのよ。飲み方なんて人それぞれだわ。
 礼儀に沿った飲み方をする人もいれば、貴方のように自分の飲み方をする人もいるもの」
「そう…ですね
 …ところで、話って、一体なんですか?」
「ん…そのことなんだけど

 貴方、何か違和感を感じない?」
「違和感…ですか?」
 別に何も感じない、と言おうとした矢先、体に異変が起きていくのを感じた。
「な…っ!?」
 あ。コレは、なんかマズイ。
 凄い、嫌な予感がする―――。
「ふふ…先ほど貴方に飲ませた紅茶。実はとある魔薬を含んでいてね? ふふふ……」
 パチュリーさんの、目が、怪しく耀く。
「――お休みなさい。 ○○」
「パチュ―――――」
 言葉を言い終えることなく――俺の精神は深遠の底へと沈んでいった。



「ふふふふふ……」
 目の前には、私の薬で倒れたあの人が居た。
 安らかに、まるで寝ているかのようにうつ伏せている。
「でも、もう目覚めることは――」
 そう。この人は目覚めることは、もう、ない。


 魔理沙が○○のことを好きと聞いてから、
 私はあることを考え始めた。

 この人を私のものにしたい。
 この人を私だけのものにしたい。
 この人を誰にも渡したくない。
 この人を魔理沙に渡したくない。
 この人を魔理沙にだけは渡したくない。

 そして、これが私の結論。
 私の部屋に閉じ込めて、私だけのものにする。
 貴方の顔も、躰も、手も足も。
 全て私だけのもの。
 何も語ってくれないけれど――それでも

「貴方は、私だけのモノよ……」

「よぅ、パチュリー」
「…あら、魔理沙」
 図書館で本を読んでいると魔理沙がやってきた。
「相変わらずな生活を送っているな。たまには外に出てきたらどうだ?」
「そんなの、私の勝手でしょう?」
「ま、それもそうだな…
 おお、そうだ。最近○○見かけないんだけど、知らないか?」
 私は心の奥底でほくそ笑んだ。
 普通であれば、何も知らないフリをするか、嘘を付けばいいのだろうけど――
「○○なら私の部屋で寝いているわ――」
 あえて私は本当の事を言う。
「―――永遠にね」
「なっ――――」
 驚愕する魔理沙。
「あの人は、私だけのもの―――誰にも、特に、魔理沙だけには渡さないわ」
 静まり返る図書館。
 完全無音が世界を支配し、時が止まる。
 そして、やはりというべきか。静寂の世界の針を動かしたのは魔理沙だった。
「それは、どういう意味だ。パチュリー」
「言葉通りよ。彼は私の部屋で寝ているわ。
 しかも、ただの睡眠ではなく、私の造った魔薬によって永遠に目覚めることのない眠りに付いているわ」
 その台詞に魔理沙は反応して、私の襟元を掴む。
「どういうことなんだよ、パチュリー!?」
「どういうことも…魔理沙。貴女○○の事が好きなんでしょう?
 私は○○を魔理沙に取られるのが嫌だった。
 だから――こうしたのよ」
 流石に魔理沙も気が付いたらしく、ハッとする。
「パチュリー…まさか、お前」
「そうよ。――私も○○の事が好きだもの!
 だから私は彼を私だけのものにするためにこうしたの!
 他の誰にも取られないようにするため!
 魔理沙に○○を取られないようにするために!!」
「この……バカッ!!」
「そうよ! 馬鹿みたいでしょ!?
 でも、あの人の事が好きで好きで好きで好きでしょうがないのよ!」
「だったら、直接想いを伝えればいいじゃないか!!」
「しようと思ったこともあった!
 でも、怖かったのよ! 振られるの怖くて!」
「っ…この大馬鹿パチュリーッ!!」
 瞬間、弾ける様な音が鳴ると同時に、私の頬に痛みが生じた。
 魔理沙が、叩いたのだ。
「この、大馬鹿…!
 コレはアイツのとの約束だから言うつもりはなかったけど、
 もうガマンできない!!」

「アイツはなぁ!!」



「―――嘘」
 私は言ってやった。
 アイツとの約束だから絶対言う事はないと思ったけど、
 この馬鹿を説得するにはこれしかないと思った。
「本当だ。――この前聞いた。嘘なんかじゃない」
「…っ!」
 パチュリーはこの場を離れ、自分の部屋へと飛んでいった。
「はぁ…悪いな、パチュリー。叩いちまって」
 自分の手を見る。
 かなり思いっきり引っ叩いたので、かなりヒリヒリする。
「…わりぃ、○○。約束、破っちまった」

 それは数日前のこと。
 私は○○に告白した。だが――
「悪い、魔理沙。気持ちはうれしいけど。――俺には、好きな人がいるんだ」
 と、あっけなく振られてしまった。
 で、その好きな相手というのが
「俺は、パチュリーさんが――いや、パチュリーが好きなんだ。
 ただ――正直向こうがどう思っているのか怖くて……
 だから、いつか俺自身がパチュリーに告白するときまで
 この事は魔理沙の胸の内に秘めておいてくれないか?」
 とのことで。
「つまりは、まぁ。両想いだったって訳だ」

 とんだすれ違いや、恋に臆病な二人が起こした小さな騒動。
「ま、親友として二人を祝福するぜ」
 そうして魔理沙は図書館を後にした。
 ――一筋の雫を頬に流しながら。

 深遠の闇が広がる世界。一切の光が存在しない世界。
 俺はここにいた。
 ふわふわと浮いているような感覚。
 体を動かそうにもまるで動く気配が無い。
 そこには、ただ薄れた意識だけが存在していた。

「……!!」
 ――声が聞こえた。
 懐かしい声。久しぶりに聞いたような気がする。
 それと同時に、闇の中に一粒の光が生じた。
 俺はそこに向かって意識を飛ばす。
「…! ……!!」
 より一層光が大きくなった。
 声も先程より良く聞こえるようになった。
 この声は――ああ。
「お……い! ……て!!」
 再び大きくなる光。先程と同じく。より聞こえるようになった声。
 俺の、愛しい人の声。
 その、愛しい人の名は―――
「お願い…! 起きてっ……!」
 ――その瞬間、世界が光で包まれた。
「……パチュリー」
 そこには――愛しい人の涙に濡れた笑顔があった。



 私は紅魔館の廊下を歩いていた。
 あの人が呼び出してくれた場所に向かうため。

 あの後、私は安堵心からそのまま寝てしまった。
 寝顔を見られたのは少々恥ずかしいが、○○が目覚めてくれて本当に嬉しかった。
 あの薬は対象者を永遠の眠り――とは言っても、別に死ぬというわけではなく、
 永遠に睡眠させる薬、といったものである。
 外の世界の言葉を使うならば――植物人間、と言う言葉が一番近いかしら。
 ともかく、本来なら目覚めることは絶対ない筈なのだが。
「奇跡……とでもいうのかしらね」
 普段なら使わないであろう言葉。
 だが、こんな事が起きたのであれば、それはもう奇跡と呼ぶしかないだろう。

 そして――
「お待たせ」
 あの人の所へ辿り着いた。
「パチュリーさん」
 優しく微笑みかけてくれる。
「それで、話って、何かしら?」
「えー、っと、その。ゴホン」
 私の大切な人。
「俺は、パチュリーさん……いや、パチュリー。
 ――俺は、君が好きだ。君と共に一生を歩んで行きたい。
 もしよかったら、俺と付き合って…くれないか?」



「―――よろこんで、お受けいたします…」

                          fin


えー無意味に長くなってしまいました。

結果的には『自分×パチェ』になりました。

なんかキャラが崩壊している気が…いろんな意味でごめんなさい
ちょっと纏まっていない感じがする。
大抵の流れからすると「眠る=死」なんだけど、魔理沙は何故か気が付いていた模様
そこら辺は目を瞑っていただきたいorz

───────────────────────────────────────────────────────────

1スレ目 >>429-430 >>427を受けて


「貴方と一緒に生きることが、得られる筈の知識をどれほど失わせるか解る?」
「確かに君にとっては、俺はそんなものかもしれない。
 だが俺は、通り一遍等の知識では到底得られないものをお前に与えてやることが出来る。
 俺の今までの、そして残りの人生全てをかけて誓ってもいい。
 俺は、誰よりもお前を幸せにしてやれる。どんな知識よりも尊いものをお前に経験させてやる。
 絶対に後悔はさせない。だから俺と…」

しつこく食い下がる俺。俺の気持ちは、想いは、そんな一言で泡となり消えてしまうようなものじゃない。
それを感じ取ったのか、先刻までの無関心、無感情な顔をあらぬ方向へそむけるパチェ。
その表情は気のせいか、少し悲しげにも見える。

「どうしてそんなに…」
「どうして?決まってる。お前が好きだからだ。愛しいからだ。何よりも大切で、誰よりも愛してるからだ。
 君のニ百年の知識がどれほどかは分からないが、俺のこの想いが劣るとは思わない」

俺が想いを放つ度に、その体躯を震わせるパチュリー。顔は完全に下を向き、表情はこちらからは見えない。
言葉を噛み締めているのだろうか、膝の上に置かれている手の、震えが、徐々に、強く、なって、いって―――



その、手の上に、一滴の、涙が、零れた―――――――


長い、その長い長い沈黙は、永遠にも、一瞬にも感じられ、
さながら、罪を告白するかのように、パチュリーが言葉を紡いだ。


「………百年前、幻想郷はとても賑やかだった。沢山の妖怪や幽霊達。……それと、幾人かの人間。
 紅白の巫女、白黒の魔法使い、この館のメイド長、だった、人。
 毎日賑やかで騒がしかったけど、不快ではなかった。

 でも、その日々は有限だった。

 みんな、先に逝ってしまったわ。でもそれも当たり前、人間ですものね。
 数百の年月を生きる妖怪と違って、人間はせいぜい数十年。種族が違うことを、これほど恨んだ時はなかったわ。

 最初はみんな気付かない振りをしてた。

 でも、宴会を開くたびに、弾幕ごっこをするたびに、
 あの楽しかった日々が、もう二度と訪れない事に、みんな徐々に気付いていって。

 ……そして、幻想郷は変わってしまった。

 レミリアはここを飛び出したし、冥界の姫は静かにその生を終えたというわ。
 ……亡霊が生を終えるというのも、変な話だけれど」

 言って、パチュリーはクスッと笑う。自虐的な笑みを浮かべて。

「だから、貴方がどんなに想ってくれても、私には無理。
 アレはみんなの心に深い傷跡を残した。もちろん、私にも。
 もう二度と私はあんな思いをしたくない。
 私はもう二度と、人間と関わる気はない」

静かな告白。俺は何も言うことが出来なくて――――

───────────────────────────────────────────────────────────

1スレ目 >>821


SS書きは東方キャラを愛しているか?
「生涯忠誠! 命懸けて! パチェ萌え! パチェ萌え! パチェ萌え!」

───────────────────────────────────────────────────────────

1スレ目 >>866


_________________
「パチュリー、紅茶淹れたぞ」



<(本を読んでいる)ありがとう、そこに置いといて。・・・○○、辞書はどこかしら>
_________________

「えーと・・・ほれ」



<ありがとう>
_________________

「・・・・・・・・」



<・・・・・・・・(ぱらぱら)>
_________________


「・・・・・・・・」

<・・・・・・・・(ぱらぱら)>

_________________

「・・・・・・・・」
<・・・・・・・・(ぱらぱら)>

_________________

「・・・・・・・・」<・・・・・・・・>

_________________

「・・・・・・・・」<・・・抱きつかないで>

_________________

「いいじゃん」<本が読めないわ>

_________________

「なあパチュリー・・・」<何よ・・・ん・・・>

_________________

「<・・・・・・・・・・・・・・>」

_________________

「・・・ふう」<・・・ふはっ>

_________________

「なあパチュリー」<何よ>

_________________

「愛してるぞ」<・・・・・・・>

_________________

「・・・・・・・」<知ってるわ>

_________________

「・・・そうか」<・・・そうよ>

_________________

「・・・・・・・」<・・・・・・・>

_________________

「・・・・・・・」<・・・・・・・>

_________________

「・・・<・・・・・・・・・・・>」

_________________

(がちゃり)

〔パチュリー様ー、○○さーん本の整理についてご相談したい事・・・が・・・〕


「・・!!<・・・・・・・・!!>」
__________________


───────────────────────────────────────────────────────────

1スレ目 >>937


 パチュリー・ノーレッジ様は紅魔館一のお風呂嫌い
本を読めない時間は無駄なの、なーんて言っちゃって
あれを鴉の行水って言うのよね。なんて囁かれてるし
それを言うならもやしの行水よ。調理前にさっと水洗いだけだから


変化の少ない紅魔館の生活も少々飽き気味。仕事変えてもらえないかなぁ
だってね、パチュリー様って暗すぎるの。図書館が暗いからかしら
でも掃除部は大変だしぃ…調理部は面白そうだけど、私料理苦手なのよね
「ねぇねぇ。知ってる? 人間の男が1人雇われたって話」仲間のメイドから、驚くべき知らせ
な、なんだってー(AA略
図書館に人手が欲しいし、丁度いいわ
…いいオトコかしら? …あんま期待しちゃダメよね
でも外界から来た人間って…?
なんかすっごい弾幕とか撃ちそう…どうやっても避けられないとか
カラフルなだけの弾幕とかは絶対嫌よ。意味無いしぃ


「パチュリー様、おはようございます」いつもの朝…なはずなんだけど
「…おはよう」本当パチュリー様は暗いのね。朝なのに
「もう知ってるかもしれないけど、外界から来た方よ。…ここで働きたいって」
へぇ…割といいオトコかも。少しは楽しめるかしら?
「レミィが連れてきたらしいけど…何か思うところでもあったのかしら」
うわぁ…なんか意外。あのお嬢様が、ね
「よろしくお願いします」
わわっ礼儀正しいのね。思わずドキンとしちゃったじゃない
「あ…え、えっと宜しくね」しっかりしろッ私。先輩らしく威厳ってモノを出さなきゃ
「それじゃ、あなた色々教えてあげて頂戴。」
思いもかけぬ言葉に、私の胸は高鳴るばかり


 それから十日ほど。私としては彼に図書館の仕事を全て教えたつもり
彼ったら真面目なの。礼儀も弁えてるし、素敵よね
私ったら彼のことばかり見て、失敗ばかりでパチュリー様に起こられたり彼にフォローされたり
…その度に胸がキュンとする
「そこまで思いつめてるんなら、告っちゃいなさいよ」仲間は気軽にそういうけど
私なんてしがない一メイド
私も人間だったら良かったのに


「どう? 彼の様子は。ちゃんとやってくれてるかしら」
パチュリー様は私を呼び出すと問い掛ける。いつも通り本から目を離さずに
…全然見て無いのかしら
「はい、凄く真面目ですしミスもほとんどありません。立派な方だと思いますが」
私としては素直に答えたの。本当のことだしね
「そう…」
私は見逃さなかった。パチュリー様の頬がうっすらと紅潮したことを
よりにもよって、ライバルがパチュリー様だなんて
私にどうしろって言うの?
私が手を出していいわけないじゃない
それこそパチュリー様お得意の魔法で一発で消し飛ばされるに決まってるじゃない
御機嫌を損ねて吹き飛んだ同僚だって見たんだからっ
木の符で吹き飛ばされるの?
水の符で貫かれるの?
金の符で押しつぶされるの? どれだって嫌よ


…熱いキスを交し合ってる二人がいた
覚悟はしていたけど、いたたまれないものね
私の恋は終わった
でも…こっそりサポートするのもいいかも。彼が幸せなら
義理と人情秤にかけりゃ、ってね
だったら私は義理に生きるわ
彼の同僚として、先輩としてね
…頑張ろっと


 パチュリー・ノーレッジ様は紅魔館一のお風呂好き
綺麗になるための大事な準備よ、なーんて言っちゃって

───────────────────────────────────────────────────────────
最終更新:2011年02月27日 00:36