咲夜7




初めてのチュウ 咲夜受編(うpろだ419)


「愛してる」

「え? あ、あの……」


そう呟き、青年は己の身体を使い、少女を壁に追い詰める。
少女は背を壁に密着させ、2人の距離は僅か20センチ程度。その距離が ゆっくりと縮まってゆく。
少女は脇から逃げようとするが、青年は少女の背後にある壁に片腕を立てて、少女の逃亡を阻止した。
間髪入れず、もう片方の手を少女の頬に添えて、少女らしく瑞々しい唇に情欲のまま自らの唇を重ねる。


「~~~~ッ!?」


少女の瞳が大きく見開かれ、声にならない叫びが響き渡った。
想いの丈をぶつけられるように、唇が強く……だが優しく押し付けられる。
仄かに匂う青年の匂いが、麻薬のように少女の精神を惑わしていった。
少女は青年が押しつけてくる唇を、首を振りもぎろうとする。
だが、その動きには、ほとんど力が込められていない。
少女は、スラッとした細い両腕で青年彼を引き離そうと、その胸を押す。
だが、その動きにも、ほとんど力が込められていない。

青年は少女が本気で嫌がってはいないことを理解していた。
少女がその気になれば、この状態から脱出することはおろか、青年を叩き伏せることなど造作もないからだ。
にもかかわらず、少女は青年のされるがままに、その唇を貪られ か細く身を震わせる。

既に、少女の頬は紅潮し、その吐息は熱く上気していた。
青年の温かい吐息が頬に、首筋にかかり、その心地よさにゾクゾクと背筋を震わせる。
じわじわと湧き上がる甘い快楽に、少女が身を任せようとした矢先――――


「ん……ぅ……!?」


少女の瞳が再び、驚きに見開かれる。
青年の舌が少女の口の中までを侵略しはじめたのだ。
既に、心臓の鼓動音はドクン、ドクンと彼女自身の耳に聞こえるほどに激しく高鳴り
少女は――――これ以上されたら自分はどうなってしまうのか――――という恐怖を表情に孕ませる。

その間にも、青年は思うがままに少女の口腔内を嬲り者にしていく。
まずは、唇の裏側を撫で回し、次いで優しく歯と歯茎の間に沿って舌を滑らせる。
そして、最後に少女の脳髄が蕩かされ痺れたように動かない舌を優しく蹂躙し、痺れを解きほぐしてゆく。

少女の四肢から、力が抜けてゆき、膝がガクガクと力なく震える。
けれども、少女が抱いていた恐怖は期待に塗りかえられ、少女は青年の唇と舌に貪られるままになってしまっていた。
少女自身の舌がもみゃくちゃに、めちゃくちゃに掻き回され、彼女は 氷が溶けるように じわじわと痺れが溶けてゆくのを実感していた。


「…ん……ぅ…」


青年は少女の腰に左手を回し、ともすれば崩れ落ちそうになる少女の体を支えた。
そして、少女の左手首を優しく掴み、そのまま己の指を滑らせ少女の指に絡める。

少女が、自らの舌をおずおずと、だが自ら青年の舌に絡めようとしたその時……


――――!
――――……!


少女の茹った意識に、何者かの声が届く。


「―――――!!」


はっとして視線を声が聞こえた方向に走らせるが、そこには誰一人いない。
しかし、声は次第に近づいて来ている。
このままでは、十秒と経たずに青年と少女にはち合わせるだろう。
もし、このまま見つかったら。と恐ろしい想像が少女の頭をよぎった。
僅かに残った総動員させ、甘く蕩かされていた思考を必死で修復していく。
そして、さらに声が近付いてきた その時――――


「ありゃ……」


青年が間の抜けた声を上げた。
それもそのはず、今の今まで腕の中に抱いていた少女が一瞬で消えてしまったからだ。


「やり過ぎたかな?」


その一秒後に、ニ人のメイドが曲がり角から姿を現すのを青年は見た。


 ・

 ・

 ・


一方、こちらは紅魔館のとある一室――――


「……何やってるのよ 咲夜、ノックもなしに」


突然の乱入者に、少女の主――――レミリアは僅かに不機嫌そうな声をあげた。
ただ、その瞳には怒りの色はほとんど無く、どこか咲夜の姿を楽しんでいるような節がある。


「はぁ……はぁ……は…ぁ…」


咲夜は、荒い息をつきながら、閉じられた部屋の扉を背に座り込んでしまっていた。
その顔は耳までもが紅色に染まっており、レミリアに言葉を返すこともできない。
○○の手から逃れ、手近にあった空き部屋に飛び込んだのだが、何故主がここにいるのかと不思議に思う。
しかし、やはり今はそれどころでは無かった。
未だフルスロットルで激動する心臓の鼓動を止めるのに精一杯だ。


「はぁ……」


しばらく時間がたち、ようやく落ち着いたのか、まずは「も、申し訳ございません、レミリア様」と、座り込んだまま頭を下げ一言。


「……部屋の外で、あの男とよろしくやっていると思ったら」

「――――!!??」


主にはすべて見透かされている。
その事実に再び咲夜の心臓の鼓動が跳ね上がった。



「ううっ……」


弱々しい呻き声をあげ、茹った顔を主に見られまいと俯く。
そんな従者の貴重な姿を生温かい視線で見守りながら、レミリアはふと首を傾げた。
何故、咲夜はいつまでも座り込んでいるのだろうか――――と。


「どうしたのよ、いつまでも座り込んじゃって?」

「い、いえ……それがその……」

「?」

「こ…腰が……」


ほのかに想いを寄せる男に強引に唇を奪われた時、あまりの驚きと、喜びと、心地よさのために、腰が砕けてしまったのだ。
その事実をレミリアに告白することを恥じ、俯きながらボソボソと口を濁す。
咲夜は――――時を止めた世界で動けるのは、彼女のみであることに――――己の能力にこの上なく感謝していた。
必死で這いずり、手近の部屋に逃げ込む無様な姿、見られたらたまったものでは無い。
たとえそれが、愛しいあの男であったとしても。


「ぷっ」


あまりの可笑しさと、咲夜の愛らしさにレミリアは噴き出す。
瀟洒で常に氷のように表情を崩さない自分の従者がずいぶんと変わったものだ、と。
そして、咲夜の背後に視線を移して――――


「――――だそうよ、○○」

「え?」


咲夜が引き攣った顔でゆっくりと背後を振り返る。
いつの間にか、背後の扉は開かれており……
そこには先程まで咲夜の唇を思うがままに蹂躙していた男が彼女をニヤニヤと見下ろしていた。
とたん、咲夜の心臓の鼓動が三度跳ね上がる。


「い、いつの間に!?」

「ほら、○○……咲夜を介抱してあげなさい」


レミリアが、○○に勝るとも劣らない程度に顔をニヤつかせて命じる。


「はいよ」


無論、○○がレミリアの命令を拒む理由などは無い。
むしろ、やるなと言われてもしただろう。
○○は、両腕をそれぞれ咲夜の背と膝の下に回し、軽々と持ち上げた。


「や、ちょ、ちょっと! 降ろして! 降ろしなさい!」

「ヤダね」


抱えあげられながら、腕の中で咲夜は足をじたばたさせてもがく。
そんな彼女を笑顔で見つめながら、○○は子供のようにペロリと舌を出し片目をつぶる。
しかし、未だ彼の腕の中では、再び頬を紅く染めだした少女が暴れていた。
だから、○○は僅かな悲哀を表情に滲ませて――――


「……嫌なのか?」


と、一言。
とたん、叱られた子供のように咲夜は大人しくなる。
悲哀が一杯に織り込まれた○○の表情と言葉に、抵抗する気概さえも挫かれてしまったのだ。


「…ぅ……」


この男は本当にずるい、そんな顔で、そんな聞き方をされたら断れないじゃない――――と、咲夜は心の中で呻き声をあげた。


「それじゃあ失礼します、レミリア様」


○○はレミリアに退出の礼を尽くし、開いていたドアから外に出ようとする。
無論、彼の腕の中には咲夜姫が抱えられたまま。


「え、ちょっと……どうして外へ…?」

「ん? いや、だから咲夜の部屋に行って介抱するんだが」


あまりの衝撃に咲夜の目の前が真っ暗になった。
咲夜の部屋は、今彼女がいる部屋から歩いて5分程度。
この館の中ではそれほど遠いわけではないが、今の咲夜にとっては その距離も時間も那由他に等しい。
もし、こんな姿 誰かに見られたら――――と考えると、何のために必死に○○から逃げたのかわからない。


「や…ダメ! お願い それだけは許して!」

「いいじゃん、見せつけてやれば」

「やっ、やめ――――!」


外に出ると、いきなり通りがかったメイドと鉢合わせした。
彼女は○○の腕の中に咲夜が抱きかかえられているのを見て、あんぐり口を開ける。
まるで、鳩が豆鉄砲を喰らったかのように。

咲夜が覚えているのはそこまでだった。
あまりの羞恥と――――本人は気付いてはいないが――――それに勝るとも劣らない喜びに気を失ってしまったのである。

そして案の定、向こう2カ月は紅魔館はその話題でもちきりになってしまった。
天狗の少女のカメラにその場面を抑えられなかったのが、不幸中の幸いとも言えた。


『初めてのチュウ 咲夜受編』end



7スレ目>>800


「咲夜さん!あなたに会ったその日から、俺の時間は止められてしまいました!!」
返事は
「私があなたの時間を止めたのならなら今度はあなたの時間を動かしてあげる」
ってもらいたいな



10スレ目>>133


拝啓
  木々の紅葉も日ごとに深まってまいりましたが、
  貴方にはますますのご隆昌のこととお慶び申し上げます。
  また、採用試験の節には皆様方に大変お世話になり、ありがとうございます。
  そのうえ、採用内定をいただきまして誠にありがとうございます。
  早速、採用承諾書をお届けいたしますので、どうぞよろしくお願いします。
  なお、本採用までの残り少ない日々をさらなる勉学に当て、完璧な従者になるためにがんばります。
  そして、従者になった暁には少しでもお役に立てるような執事になれるように努力を怠らないように心がけます。
  今後ともご指導くださいますよう、よろしくお願い申し上げます。
  貴方のいっそうのご繁栄と皆様のご健勝をお祈りいたしまして、お礼のご挨拶とさせていただきます。
                                              敬具

 平成××年 ○月△日

                                       丸々 ○○

 紅魔館
 当主
 レミリア・スカーレット 様

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 「ふぅ・・・」
 俺はペンを置き、ぐっと伸びをした。
 集中し物事に取り組んだ後に来る脱力感が気持ちいい。




 先日、あの真っ赤な真っ赤な紅魔館に就職試験を受けに行った。
 何故あの紅の悪魔のいる紅魔館なのかというと、その・・・なんだ、一目惚れってやつだ。
 三ヶ月ほど前、里でのバイト中に見かけた銀髪でメイド服の少女。彼女に恋をしたから。

 その後は毎日大変だった。
 執事になろうと決めた。
 周りの友人達は馬鹿にしたので〆た。
 執事の勉強をしようと独学で頑張った。
 ただ彼女と同じ場所で、同じ時間の中働きたいと思ったから。
 だが独学には限界がある。
 そんな時、紅魔館の図書館の事を知った。
 幸い紅魔館の図書館は一般人も入れたので、勉強ついでに下見もできた。
 感想・・・広い、綺麗、広い、紅い、紅い。多少目に悪い気もしたが、慣れればどうってこと無い。
 それからは里と図書館を行き来する日々が続いた。

 そんなある日、館内で彼女と会話を交わすことができた。
 何時ものように図書館で勉強していた時に、声をかけられた。
 「執事になりたいんですって?普通の人間ががんばるわね」
 俺は緊張のあまり、しどろもどろで言いたい事も言えなかった。
 彼女はそんな俺を見て言った。
 「まともに話が出来ないんじゃあ、執事なんて無理ね」
 その一言で俺は落ち込んだ。情けないと思った。
 やはりこんな男が紅魔館で執事など馬鹿げている。
 彼女はさらに続けた。
 「でも、貴方はこのところ毎日ここに来て勉強しているらしいじゃない。努力は何時か実るものよ、がんばりなさい」
 やる気再浮上。
 その日は図書館から20冊ほど本を借りていったので、司書さんが結構驚いていた。


 そして運命の日、採用試験の日がやってきた。
 受験するのは俺一人でなんだか心細かったが、門の前では中国風の・・・そう、美鈴さんから激を入れてもらった。
 「緊張しないで。○○さんなら絶対受かりますから!」
 何度も図書館に通う内に、門番の美鈴さんと仲良くなっていた。
 美鈴さんのその言葉と笑顔に自分の緊張が大分和らいだ。
 館に入ると、内勤の妖精メイドさんに待合室に案内された。
 待合室は他の部屋と比べて質素だった。恐らく集中するために無駄な装飾品を取っ払ったのだろう。ありがたい配慮だ。
 時が来るまで何度も何度も脳内でイメージトレーニングをする。
 ・・・あれ? 戸って押し戸、引き戸?
 ・・・・・・あれ? 当主の名前なんだっけ?
 ・・・・・・・・・あれ? 俺やばくね? 助けてメイド長。

 「えー○○さん、準備が済みましたので、出てすぐ左手側の部屋へ行ってください」
 「は、はい!」
 来た。
 素早く案内状の当主の名前を確認し、身形をもう一度整え、さらにもう一度名前を確認し決戦の場へと向かった。




 「いやー、緊張してたな俺」
 面接時のことは全て忘れてしまった。
 確か面接官には図書館の小悪魔さんと副メイド長と、彼女がいた。それしか覚えていない。
 精一杯自分をアピールできたと思う。
 変なミスは・・・・歩く時手と足が同時に出ていた事ぐらいだ。
 彼女はどう見てくれたのだろうか。
 今目の前に採用内定書があるが、やはりこんな紙切れよりも本人から直接どうだったかを聞きたい。

 「そういや来週からか・・・」
 来週から研修期間に入る。実際に館内での仕事を体験し、執事になるための本格的な勉強をする期間。
 恐らく彼女と接する機会がぐっと増えるだろう。
 そして研修を乗り越え本採用が決まれば、さらに彼女との距離が縮まる。
 何年かかるか解らないが、執事長となり彼女の隣に立つ事も夢ではない。
 「っしゃ! やる気出てきた」
 この想いがあればどんな苦しい時でも頑張れそうだ。
 一目惚れから始まったこの恋物語、今やっと序盤が過ぎたところだ。
 目指すはゴールの職場結婚のみ。他のフラグは全部無視だ。
 「うおおおおお!!! 待っててくれマイスウィートォォォォ!!!」
 「おい○○! こんな夜中に五月蝿いぞ!!」
 「あ、すみません」
 隣の家のハクタクに怒られた。



10スレ目>>281


「ちょっと・・・もう少しどうにかならないの?」
「だから無理だって!これ以上は」
里のとある店、軒先に並べられて商品からして雑貨屋、万屋であろうか
薬に服、履き物、鍋だの装飾品だの一貫性がない
「もうちょっと・・・ね?いいでしょ?」
メイド服のリボン?をするりと解き、胸元をはだけてみせる
「・・・乳でかくして出直しな」
「っ!もういいわよっ!お邪魔しました!」
会計に座っていた俺の頬を銀のナイフが掠っていった
「こえー・・・あ・・・代金」
しょうがないので紅魔館に請求書を、そんな風に考えたときナイフが貫いているのは壁だけでないことに気づいた
「あ、お金・・・お金をナイフで刺すなと何度言えば・・・」
壁のナイフを引き抜いて、お金を回収、こんな状態でもちゃんと使えるのが幻想郷のいいところだな
「しかし・・・俺の理性はいつまで持つかなぁ」
強がって見せても、さっきのはだけた胸元が、目に焼きついてしまっているのだった



「・・・私ってやっぱり魅力ないのかなぁ?」
胸は無いけど、スタイルも悪くないと思うし
何よりメイド服といえば問答無用のリーサルウェポンって言ってたのになぁ(byパチュリー
何処かの誰かも「胸が無い?馬鹿だな、そこがいいんじゃないか!!」って言ってたし
「あ、そうか」
お嬢様に頼んでみよう

「お色気むんむんな服ぅ?」
「はいっ!どうしてもTKOしてやりたい奴がいるんです!」
お色気むんむんなTKO?話がまったく見えてこないわ
「それと!明日おやすみをください!」
「え、ええいいわよ好きになさい」
ありがとうございますと一礼し、十六夜咲夜は退室した
「・・・勢いでOKしたけど・・・明日紅魔館は機能するのかしら?」
はぁ・・・あの咲夜が、何事だろうか?


「おはよう美鈴!行ってくるわねっ!」
「い、いってらっしゃいませ・・・」
翌日朝、勢い良く館を出て行く咲夜、それを何事かと噂する妖精メイド
そして驚き桃の木山椒の木で一日を迎えた美鈴、そんなこんなでメイド長不在の紅魔館は一日を乗り切れるのか!!?


「あれ?まだ閉まってるのね・・・どうせ鍵掛けてないんでしょ」
予想通り裏口のドアは簡単に開いた、泥棒でも入ったらどうするつもりなのかと小一時間
「おはよう・・・暗いわね」
部屋どころか家が暗い、この家の主はいまだ目を覚ましていないらしい
「寝室は何処かしら?」
襖を開けるとすぐにわかった、布団の敷いてるのだから当然か
「・・・あ、寝てるのね」
寝息が聞こえる、上下する胸・・・起きる気配はない
何を思ったのか、私は彼のいる布団にもぐりこんだ
「あ、暖かい・・・・・・」
何だろうこの暖かさ、すごく、安心できる――



「ん・・・」
朝か、少し寝過ごしたかな、だいぶ明るい・・・なんか腕が重・・・
「え?・・・・え?」
現状を整理しよう、俺は今目を覚ました、昨日まで、寝付くまではこの布団には俺しかいなかったはず
なのに俺の腕の中には見覚えのある少女、十六夜咲夜が?・・・居るねぇ
夢なはずはない、今起きたんだから
「・・・・事後?」
彼女は俺の腕の中にすっぽり納まる感じで、でも微妙に隙間風が・・・うーさむ、いやそういうことではなくて
「んん・・・あれ・・・?」
ばっちりと目が合った、完全に、お互いに固まった
「お、おはよう・・・」
「お、おはようございます」
とりあえず布団を出た、続いて彼女も
「あー・・・着替えるから台所の方に行っててくれるか?」
「は、ひゃい!」
噛んだな

「まぁつまりお布団暖かそうだなぁ、と思って、気付いたらすやすやと・・・そういうことだな?」
「はい・・・ごめんなさい」
「いや、謝らなくても別に・・・美味そうな朝食と君の抱き心地で十分」
「ば、ばか!」
あ、また赤くなった、まぁそれはおいといて・・・和食も上手だなぁ、メイドなのに
「・・・ごちそーさん」
「おそまつさまでした」
また沈黙、台所には食器を洗う音のみ
沈黙に耐えかねた俺は
「ねぇ」
「・・・なんだ?」
先に話しかけてきたのは彼女の方だった
「今日・・・お店の手伝いしてもいいかしら?」
「は?いや、俺は別に構わんが・・・せっかくの休みだろ?」
「ええそうよ、私の休みなんだから私のしたいことをするの、だから今日は貴方のお手伝い」
「ふむ、まぁ・・・いいけどな」


「ありがとーございましたー・・・十六夜、今ので食油切れたから倉庫から出してきてくれ」
「幾つあればいい?」
「うーん、5つあれば大丈夫だろ」
「わかった」
昼過ぎ、なかなかどうして今日は儲かっている
塩と油の在庫が尽きるかもしれない、寒くなってきたからなぁ、油の方は相当売れる、食油も売れる
「一月分の売り上げが今日だけで・・・」
「いらっしゃい、油?ちょっと待ってくれ、もう直ぐ」
「○○ー持って来たわよ」
「お、丁度来た、ありがと十六夜、早速一つ」
持って来た油が直ぐ売れた
そういえばさっきからお客さんがニヤニヤと、生暖かい目で見てくる
「そういえば噂になってるのよ、○○ちゃんが嫁さん貰ったって」
「はぁぁぁああああ!!?なんで?いったいどこから」
「え?彼女は違うの?」
十六夜咲夜のほうを、みて、おばちゃんはそう言った
「え?わ、私はそういうのじゃ」
真っ赤になって照れながら否定する十六夜、その様子を見て更にニヤニヤするおばちゃん
おばちゃんは去り際に
「非のないところに煙は立たないわね、んふふふふ」
といって去って行った

「あー・・・」
気まずい空気、今朝のような感じだ
「なぁ十六夜・・・いや、咲夜」
「えっ?な、に?」
「前々から言おうか悩んでたんだがな、今日を逃したら言えないような気がするんだ、だから言わせてくれ」
いつの間にか常連になっていた彼女、安くしろオマケしろと五月蝿いメイド、何だかんだでいつの間にか
「俺は君が好きだ、愛してる・・・俺と結婚してくれないか?」
「え、あ、そ、その・・・お、お嬢様に聞いてみないと」
「咲夜!・・・俺は君の気持ちが知りたい」
「あ・・・はい、不束者ですが、よろしくお願いします」
「咲夜・・・此方こそ、これからもよろしくな」
俺は今度こそしっかりと、彼女を抱きしめた、もうそこに隙間風なんて通らないように





「!?おねー様?何で泣いてるのっ?」
「嗚呼フラン・・・娘が嫁にいくときの両親の気持ちが、痛いほどわかったわ」
「おねーさま・・・でも悲しんでいられないでしょ?咲夜がいない紅魔館が荒れ放題じゃ咲夜も安心してお嫁にいけないよ?」
「そうね・・・小悪魔を司書からメイド長にしてがんばってもらうしかないわね」
「(いや、あんたががんばれよ)」
哀れ小悪魔、仕事量が一気に増えるけど君なら乗り切れるはずだ!がんばれ小悪魔!負けるな小悪魔!



~新婚生活はまだ始まったばかりだ!~



10スレ目>>356


「咲夜、今夜出かけようか」
客の途絶えた昼時
ぼーっと店番をする俺は、昼飯の片づけをしている咲夜に、話しかけた
聞こえているとは思うが返事がない
少し間をおいて
「いいけど・・・変な事したら駄目だからね」
たぶん台所で赤くなっているのだろう
ほんとに初心な娘だ、思わずからかいたくもなるが・・・我慢
「ほら、今夜は十六夜だろ?月見しようぜ」
結局その後客はあまり来なかったので早めに店じまいした




「けど大丈夫かしら、こんな夜に山に登るなんて・・・妖怪とか」
「大丈夫だって、お前と俺のデュエットなら妖怪なんて楽勝さ」
「コンビ、もしくはタッグ・・・だと思うけど」
今はまだ夕方、俺は背中に酒瓶、片手にランタン
咲夜は弁当と・・・シーツを持っている
後1時間もあれば日も暮れるだろう
「荷物持とうか?」
「ん、大丈夫よ」
山とはいえ一応道になっているので歩きづらい事はないが・・・
「歩きづらかったら言え、おぶってやる」
「大丈夫・・・貴方って過保護なのね」
前にも言われたぞそれ、お嬢様並みに過保護って言われたなぁ・・・はぁ

「おお・・・ギリギリ夕焼けも見れたな」
「ほんと・・・綺麗」
山頂に着くとシートを広げて寝転がった
手近な木にランタンを下げ明かりをとる、思ったよりは明るい、やはり山頂は違うな
「はい、どうぞ」
「ん、いただきます・・・うん、美味い」
さんどうぃっちと熱い紅茶、吐く息が白くなる・・・程ではないがやはりは寒いのに変わりない

「咲夜、コッチにおいで」
夕食を食べ終わり、後片付けを済ませた咲夜を呼び寄せた
何も言わず、寄り添うように
肩が軽く触れるぐらいの距離
遠慮がちに距離をつめる、俺はそれがじれったい
「ああもう!よい、っしょ」
胴に手を回し、持ち上げて、抱き寄せた
「ッ~!?」
俺の腕の中にすっぽりと納まってしまう咲夜、小さい・・・こんなに小さかったんだなぁ
「ほら・・・ソラを見て」
高く上がった月、満月
彼女と同じ・・・十六夜
「わぁ・・・綺麗」
言葉を交わすのも忘れて、丸い丸い大きな月に、魅入ってしまった

「今までありがとう・・・ばいばい」
「どうした?」
「十六夜にね、今までお世話になりました、って言ったの」
「?」
「もうこんな機会ないだろうから」
「またくればいいだろ、年に一回ぐらいは見に来ればいいさ」
「違うわよ・・・十六夜の私が見る最後の十六夜ってこと」
「?」
「だから!・・・これからもよろしくね、アナタ」
「っ!?あ、ああ・・・よろしく、咲夜」
俺達は口付けを交わした、自然と、そうなった
「ひゃっ!や、やだ、んっ」
咲夜は俺に背中を預けるかたちで座っている、つまりまぁ・・・無防備なわけで
首や、鎖骨に口付けしたり、下を這わせてみたり、色々と調子に乗ってみた、言い訳するなれば月のせいだと言っておく
「ここがいいの?」
「や、ち、違んっ」
リボンを解いて胸元をはだけさせた
「咲夜・・・その・・・いいかな?」
「・・・こんなにも月が綺麗だから、い、いいよ」
「出来るだけ優しk「たーんたーんたーぬきの・・・きん・・・た」
藪から上機嫌で飛び出してきたのはどっかの屋台の雀
「え、あ・・・・お邪魔でしたか?お邪魔ですね、あはは」
みすちー は 逃げ出した
「・・・」
「・・・」
完全に、空気をぶち壊してくれた
「えーと・・・咲夜?」
「あ、あはは」
そういうムードでもなくなったので、そそくさと退散する事にした


山を降りて、静かな里の通りを歩く、何処も寝静まっている
神社の方で明かりが見えたので宴会でもやっているのだろう
「ねぇ○○」
「ん?どうした?」
「ぎゅーって・・・して?」
「・・・」
「んー・・・ありがと」
「・・・さ、もうすぐ家だ」
「ええ、帰りましょう」
手を繋いで、夜のお出かけを名残惜しむように、ゆっくり、ゆっくりと、歩んでいった



「そうだ咲夜」
「何?」
「鶏肉が食べたいなぁ」
「それじゃあ飛びきり息のいい雀を捕まえてきますね♪」
まださっきの事を根に持ってました

みすちー は 逃げ出した!
しかし回り込まれた


END



7スレ目>>830


「俺はな、お前の時計を動かす鍵になりたいんだ」



7スレ目848


咲夜さん、さーやって呼んでもいいですか?
「何故部下に呼び捨てにされなければならないのかしら。」
…スミマセン。じゃあさーちゃんで
「ちゃん付けにされるのはガラじゃないわ。」
…ナカナカテゴワイデスネ。じゃあ可愛くさっきゅんなんてどうでしょう?
「私はパチュリー様ではないのですよ?」
……ソーデスカ。わかりました、みんなと同じメイド長と呼ぶことにします。
「…。(それでは愛が感じられないわ)」
どうかしましたか?
「だめよ、あなたは今まで通り名前で呼びなさい」

こんな咲夜さんですか?



7スレ目>>952


――ガタガタ。

 紅魔館の数少ない窓ガラスが、量と反して大きな音を立てている。
 嵐だった。それも、数年に一度というほどに大きな、風と雨の合奏である。

「ねぇ、○○」
「……はい」

 そんな紅魔館の中に存在する従業員たちの私室の一室にて、二人分の声が蝋燭の火を揺らしている。
 その度に二つの影が揺れ、まるで外から響いてくる乱暴な音楽に、身を躍らせているようだった。
 それが、二人の僅かな恐怖心を燻らせている。

「ちゃんと、そこに居るわね?」
「あぁ、ちゃんと――」

 少女の問いに答えた青年の声が、近くに響いた雷鳴に遮られる。
 その合間に僅かな悲鳴の音を聞いて、青年は微かな笑みと保護欲を心に滲ませていた。

「大丈夫ですか? 咲夜さん」
「だ、大丈夫……よ」

 強がりを隠しきれていない、普段とは違う咲夜を前に、青年は今度こそ微笑を顔に出してしまった。
 幸い、暗い部屋の中では気付かれなかったようである。
 青年は今、咲夜の私室にある椅子の上に座していた。
 全ては一瞬で、雷鳴と同時に青年は、この部屋に運び込まれていたのである。
 そして、青年は少女らしさの残る咲夜の姿を前に、部屋に残ることしか出来なかった。
 それは正に、惚れた弱みというものなのである。

「――っ!」

 刹那、狭くは無い部屋の中を、白光が塗りつぶしていた。
 泣きそうな咲夜の顔が、雷のそれに照らし出される。
 遅れて届く雷鳴と共に訪れた暗闇の中、青年は引きずられるようにベッドへと倒れこんだ。

「咲夜……さん?」
「手……繋いでて……お願い」

 普段の姿からは想像もつかない弱音を、咲夜は溢していた。
 力強い姿からは想像出来ない細い体躯、凛とした姿とは矛盾した泣き顔。
 そんな年相応の少女が、青年の目の前に存在していた。
 湧き出す粗野な衝動を、僅かな理性で必死に押さえ込む。
 咲夜の髪からは、甘い香りがした。

「いいんですか」
「……」
「俺、男ですよ……」


「――貴方なら、いいわ」


 その言葉が、留めていた理性を打ち砕いてしまった。
 獣の意思を持った腕が、白い肌をすべる。
 少女の身体は温かかった、誘うような甘い香りがした。
 そして何より、咲夜の身体は震えていた。
 肌を滑り、下着の感触を得た指先が、止まる。

「――あ」

 鈍い音を聞きながら、青年は腹部に重い衝撃を感じた。
 止まっていた指先が、痛みと共に咲夜のから離れていく。

「そこまでしろとは……言っていないわ」
「ご、ごめん……俺」

 脂汗と冷や汗が、同時に青年の背を濡らす。
 嫌われただろうかと、指先は僅かな震えを見せていた。

「でも、ちゃんと止めてくれたわね」

 暗闇の中、咲夜が微笑む気配を近くに感じた。
 思わず、青年は顔を上げる。その唇に、微かな感触を覚えた。

「これでお預け……信用してるからね」
「……は、い?」

 長い嵐の夜、熱のこもった青年は眠れそうも無かった。
 そして、紅魔館の最上階に閉じこもる吸血鬼の泣き声は、夜明けまで続いたという。

───────────────────────────────────────────────────────────

10スレ目>>731


「あ、○○」
長い廊下を歩いていると、何処からともなく声をかけられた
「?」
見回してみるが誰もいない
こんな長い廊下、隠れる場所など・・・?
「こっちよ」
この声は咲夜さんか?
しかしどこ・・・え?
「さ、咲夜さん!?そんなところで何を?」
窓の外側からぴょこっと頭だけが出ている
「何って割れた窓を直してたのよ・・・あんまり近づくと灰になるわよ」
「え・・・危ない危ない」
うっかり日の光を浴びそうになる、まだ自覚が足りない証拠だ
「よっ、と」
窓を乗り越えて廊下に着地
乗り越える時にスカートの中が見えtげふんげふん
「ねぇ○○・・・今夜時間あるかしら?」
「え、こ、今夜ですか?何か作業が入れば解りませんが、今のところ空いてます・・・何かあるんですか?」
「ちょっとした宴会よ、博麗神社で」
「ああ、噂に聞く宴会ですか・・・面白そうですね」
「でしょ?それじゃあ行けそうだったら日が暮れてから私の部屋に来てちょうだい」
「はい、解りました」
「それじゃあお互いにがんばりましょ」
用件が済んだのか、変な工具類を持って足早に廊下の角を曲がっていった
「・・・宴会かぁ・・・どんな人が来るのやら」
博麗の巫女さんは人間の時に見たことある
鬼がいるらしいけど・・・俺も鬼の端くれだから、友達になれるといいなぁ
紫様には会いたくないな、聞いた話レミリア様より怖いらしい
「おっと、仕事仕事」
俺は足元に置いた荷物を抱えなおした
速めに仕事を終わらせてしまうために、がんばろうではないか





後10分もすれば外に出れる程度の暗さになるだろう
レミリア様は行かないらしい
フラン様はいつもどおり外出禁止
そういえば・・・パチュリー様は?

まぁ大人数で集まるのは苦手そうだし、そもそも外に出るのは嫌いらしいからな

こんこん、乾いた木の音が響く
「咲夜さーん、きましたよー」
「○○?ちょっと待ってねー」

言われた通りちょっと待った

「ごめんなさい、待たせたわね」
「いえいえ、問題ないです・・・」
なんか違うと思い、じっくりと見てみた
スカートがちっと長い?リボンがちょっと派手?
手首になんかアクセサリーが・・・珍しいと言うか、女の子みたい、じゃなくて女の子だったな
「な、なに?」
「あ、いや、えっと・・・似合ってますよ」
「え?・・・ありがと」
何気ない一言で、ここまで上機嫌になってくれるのか
そう思えば、世のモテル男はこれを無意識でやってるんだなぁ、凄いな


「お、メイド長のお出ましだぜ」
「あら、遅かったじゃ無い」
白黒の不法侵入者と、紅白の巫女が出迎えてくれた、その後ろではわいわいがやがやと、いかにも宴会らしい騒ぎ声
「お?○○じゃ無いか、宴会は初めてか?」
「よう魔理沙、酒は飲めるが腹の方が減ってる」
「えっと・・・誰?」
なんと、巫女さんのほうは俺をご存じなかったらしい
館で何度か遭遇してると思うんだが、まぁ扱い的には雑魚の束ね役の雑魚て感じだし
「紅魔館で執事をしている○○です、以後よろしく」
「博麗霊夢よ、ここの巫女をしてるわ・・・よろしく「れーいーむー熱燗マダー」
「・・・まぁゆっくりしていってね」
「さて・・・まあ飲むでも喰うでも早く行かなきゃな、なくなっちまうぜ」
「そうね・・・行きましょ○○」
「は、はい!」
手を引かれて皆の輪に入った
いつの間にか握られていた手に、少しどきりと、した


この鬼・・・いつになったら潰れるんだ?
最初は気さくに話しかけてきた伊吹さん(年齢不詳)
酒蔵が潰れるぐらいの量を飲んだのではないか?それに酒が入るにしたがって饒舌に・・・五月蝿くなって来る
出来れば酔いつぶれてくれるとありがたいのに・・・全然だ
チクショウ!八岐大蛇だって酔いつぶれたのに!!
「どうしたの○○く~ん全然飲んでないじゃんYO!」
「大丈夫ですよ!伊吹さん!どうぞどうぞ!」
「あ、どもども~・・・んぐんぐ」
ちょ、ざるってレベルじゃねぇぞ!?
このまま頑張るっきゃないなぁなんて思っていたら、嬉しい助け舟が来てくれた
「ちょっと○○を返してもらうわよ?」
「あー咲夜ずるーい」

ずるずると引き摺られて、端の方に腰を下ろした
「咲夜さん、助かりました」
「ふふ、お疲れ様」
あれ?なんか雰囲気が・・・?
「咲夜さん?なんか酔ってません??」
「酔ってる?私が?・・・大丈夫よ、ふふふ」
大丈夫に見えないです、うふふって笑ってます、何が楽しいんですか?
ニコニコしてますよ?上機嫌ですね
「ねぇ○○」
「な、なんですか?」
ちょ、近い近い、顔が近いですって
よくみたら目の焦点が合ってないじゃ無いですか?大丈夫ですか?
「ちゅー」
「え?ん、ぐ」
何が起こったか解らなかった
だって完全に油断していたから、だってあのメイド長だぜ?酔ってるからと言えこんな破廉恥な、その・・・キスを
「んちゅ、んんっ」
官能小説で言う所の淫らな水音がしております
もうなんかドロドロで、べたべたで・・・
「ぷぁっ」
「ぷはっ・・・ふぅ」
「えへへ、○ー○ー♪」
「おわっ」
咲夜さんは俺に体をあずける様なかたちで抱きついてきた
「さ、咲夜さ・・・ん・・・ね、寝ちゃった?」
抱きつかれたまま固まる俺、抱きついたまま寝てしまった咲夜さん
そして・・・周りからの痛い程の視線
「・・・」
「大胆ねぇ」
「写真に収め済みです♪」
「言っとくけどここ神社よ」
色々と終わった、俺の命とか人生とか
でもちょっと儲けもん?だって、腕の中の感触と、さっきのキスだけで、お腹いっぱいだぜ、だぜ
今のうちにと、腕の中で眠る咲夜さんを抱きしめておいた

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最終更新:2011年02月27日 00:40