咲夜11



11スレ目>>721


3,2,1・・・はっぴぃニュウイヤァァ!!
ラジオから流れているらしい音、ちょっと気になって覗いたのがいけなかった
彼女は俺が見ているのに気付いていないのかカウントダウンの瞬間にジャンプした
「・・・俗に言う年が変わる瞬間に地球に~とか言う奴か?」
こちらに気付いた様子はなくラジオから流れる曲に鼻歌で合わせたりしている
「咲夜さん?こんな時間にご苦労様です」
「え?あ、○○さん、こんばんは」
手元には・・・何処からどう見てもおせちだな
「おせち料理ですか」
「ええ、霊夢が面倒だから頼むとか言うし、お嬢様も食べてみたいとおっしゃるものだから・・・」
こんな時間まで頑張って作ってるというわけか
「それで一人寂しく年を越す瞬間を満喫してたわけですね」
「・・・・・・み、見てたんですか?」
「いや、私が見たのは年が変わる瞬間にジャンプして地球にいなかったとか言う子供のようなむぐぉ」
いきなり口に卵焼きを押し込まれた
「だ、誰にも秘密ですからねっ!」
「むぐむぐ・・・了解・・・ちょっと甘めですね」
「ちょっと砂糖を入れすぎたかしら?」
「ですね、まぁ俺はこれぐらいのほうが好きですけど」
焦げ目も無く綺麗に巻かれた卵焼き
他の料理を見ても日本食が下手ではない事が解る
「咲夜さんって家庭的だよね、料理も掃除も、家事全般ばっちぐーですもんね」
「まぁ・・・仕事だから」
「凄くいい嫁さんになれますよ」
「あ、ありがと・・・まぁ相手がいなきゃ結婚はできないけどね」
「相手?そんな山ほどいるでしょう?」
「あら?お世辞言っても何もでないわよ?」
といいつつ豆みたいなものを一口くれた、鶯?とても甘い
若干機嫌もよさそうな気がする
「少なくとも一人はいますよ」
「あら、何処のどなた?」
「貴女の目の前の俺」
きょとんと、目を丸くしている咲夜さん
お得意の時間を止めるのが自分に作用しているように、ぴたりと動きが止まった
「え、あ・・・し、新年早々たちの悪い冗談は」
まな板に向かう咲夜を後ろから抱きしめた
握っていた包丁や里芋が鈍い音を立てて落ちる
「・・・嫌なら行動より言葉でお願いしますね、年明けて速攻串刺しは嫌ですから」
「今日は・・・冷えますね」
「?」
「もっと・・・その・・・ぎゅってしてくれますか?」
もう少し体を密着させて、抱きしめる力を強めた

「あー・・・咲夜さん」
「なんですか?」
「今年も・・・よろしく」
「は、はい!こちらこそふふ不束ものですがど、どうぞ宜しくお願いします!」

人生最高の年越し
そして人生最高の元旦(予定
来年もこうして彼女と過ごす事が出来れば、それが最高のお年玉だろう

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11スレ目>>992


たったの一言だけ・・・

咲夜さん・・・貴方を愛しています。

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12スレ目>>320


「○○さーん、ちょっと荷物を・・・」
「ほいほい、何処に運びましょうか?」
頼まれた大型荷物を倉庫やら私室やらに運んでいく
お役に立てるのはこれぐらいしかないのだ
「ありがとうございました・・・すいません色々押し付けちゃって」
「いえいえ、いいんですよ・・・これぐらいでしかお役に立てませんから」
「そんなこと・・・ないですよ」
残念ながら自分のことは自分が一番解っている
掃除も料理も満足に出来ない私では荷物運びか夜の見回り警護くらいしかできない
昼間出歩ければもう少し何か出来るのだろうが・・・
「○○さんが毎朝起こしてくれて皆助かってますし、気持ちよく挨拶してくれるから、皆喜んでます・・・
夜だって今まで交代でやってた見回りを全部お任せできて楽になりましたし、今まで運べなかった家具とか
お嬢様の気まぐれの模様替えとか、とても助かってます、○○さんがいないと、みんな困ります・・・だから・・・」
早口でいろいろ一気に言われたのでちょっと混乱した
でも彼女の一所懸命な気持ちが伝わってきて、瞼が熱くなった、でも頑張って我慢した
感極まって、気がついたら抱きしめていた
「あ・・・」
行動の後にしまった、早まったなんて思った
殺人ドール?俺終了のお知らせ?
しかし、予想に反して咲夜さんは抱き返してきた、柔らかい体の感触に、鼓動が早まるのが解った
「・・・私も、○○さんが居ないと駄目だから・・・一緒に頑張ってくれますか?」
「は、はい・・・もちろん・・・一緒に、頑張ります」
彼女が一緒なら、頑張れる、頑張っちゃう、張り切って相当頑張れる
だから、彼女と二人三脚で、いっそ抱えて走るぐらいの勢いで頑張ろう
「咲夜さん」
「・・・なに?」
「これから・・・咲夜さんのために頑張らせてください」
「わ、私も・・・○○さんのために頑張りますからっ」
誰かに望まれて、必要とされて、居場所がある、それはとても素晴しい事だ
そして私が望む人が、それに応えてくれる
それは最高に素敵で、幸せな事に違いない

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12スレ目>>567


「お嬢様の花婿候補になりましたから修業を兼ねて私が色々教えて差し上げますね」
とか口実に咲夜さんと暮らす夢を見た。
色々って本当に色々なんだがとりあえず、
二人羽織だった。
やっぱりあれはパッドじゃないね。


「残念ながらお嬢様は貴方を選ばなかった様です。あんな事した責任取りますね」以下略

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12スレ目>>960 うpろだ899


「咲夜さん、ちょっとお時間よろしいですか?」
「ん?いいけど・・・」
ある晴れた日のことでした

お嬢様の部屋の掃除を終え、洗濯物を洗い場に持っていこうというときでした
周りをキョロキョロと見回しながら現れた○○さん
彼は私を探していた様で、私のほうへ駆け寄ってきました
何の用事かは知らないけれど、彼の表情が真剣だったのでとりあえず仕事を中断し、彼についていくことにした

つれてこられたのは中庭
ちょうど日も昇って暖かい
「それで・・・何の用事ですか?」
「・・・咲夜さん、私は・・・貴方の事が好きです、宜しければ・・・お付き合いしてください」
「・・・・・・・・・」
私は頭が真っ白になってしまった
人間は予想だにしない出来事が起こると、その状況を受け入れようとしない
「咲夜・・・さん?」
「え、あ、うぁ・・・・・っ!」
なにを思ったか、私は脱兎の如く、その場から逃げ出した
「ちょ!?咲夜さん!!?」




「ふぅん、それで・・・混乱して逃げてきたわけね」
今日も変わらず、本を読んでいた
いつもと違う事と言えば・・・咲夜が取り乱して図書館に逃げ逃げ込んできた事ぐらいかしら
訳を聞いてみればなにやら訳の解らない状況になっているではないか
「頭が真っ白になっちゃって・・・気がついたら走り出してて・・・「パチュリー様ッ!」
図書館のドアが乱暴に開けられた、それと同時に低い、聞きなれた声が聞こえた
「ああっ!いらっしゃった!!」
反射的に逃げ出そうとした咲夜の襟を掴んで、○○の方へと向き直らせた
「くぁwsでrtgyふじこ」
「落ち着きなさい、ほらほら、○○もしっかり抑えて」
「ぱぱぱパチュリー様!離して下さいっ」
面倒なので咲夜の後頭部をつかんで○○と向き合わせ
「咲夜、落ち着いて・・・○○と目を合わせなさい」
「・・・・・・」
「咲夜さん・・・」
あらあら、体温が上がっている、耳も赤い
こちらからは見えないがきっと顔はもっと真っ赤になっているだろう
「咲夜、貴方は○○の事はどうなの?」
「どどどどどうといわれましても」
「・・・○○の事、好きか嫌いか大好きかで答えなさい」
「パチュリー様、そ「○○は黙ってなさいっ!」
「わ、私は・・・その・・・・・・だ、大す、き・・・です」
よし、言った
やっと言った
まったく、その一言の為にどれだけの手間をかけさせるというのかしら
「さ、咲夜さん・・・お、俺も大すk「終わったなら出て行ってくれるかしら?静かに本を読みたいし・・・ここでいちゃつかれても困るわ」
幸せオーラに包まれている二人を外に追いやり、読書に戻ろうとした
「・・・疲れた」
他人の恋路なんて応援しても残るのは疲労と、ちょっとした安心感
「はぁ、誰か私の恋路を応援してくれないかしら」
言っては見たものの相手を見つけるところからはじめなきゃいけないなぁ
「たまには里にでも行ってみようかしら・・・なんてね」


そのときは下らない考えだと思ったパチュリーだが
咲夜と○○を見ているうちに恋人ウラヤマシスと思い、里まで出かける決意をするのだが、それはまた別のお話




終ワル

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12スレ目>>938 うpろだ909


 バレンタイン。
 それはある種のきっかけと成り得るものだ。
 例えば、愛を告げるためのきっかけ。あるいは、お世話になった人へ感謝の思いを伝えるためのきっかけ。
 さらに、たくさんのお返しをもらうためのきっかけ、というものもある。

 私、十六夜咲夜にとっても今日は一つのきっかけとなるはずだった。
 そう……、好きな男性に想いを伝えるための……。

 最初は、ここで働くようになった外の世界から来た人間、というぐらいの認識しかなかった。
 しかし、いつからか彼のことを目で追うようになっていた。
 それだけでなく、いつも彼のことを考えるようになった。
 今日は一度も話せなかった。今日は彼と手が触れた。今日は彼の笑顔が見られた。考え出すときりがない。
 そして、彼の事を考えれば考えるほど、鼓動が速くなり、顔が赤くなる。
 ああ、そうだ。私は彼に恋をしているのだ。そのことに気がついたとき、私は目に見える世界の全てが素晴らしいものであるように感じた。
 それからは仕事が忙しいこともあり、その仲はあまり進展しなかった。
 そんな私にとって今日という日は絶好のチャンスだった。けれど……。

 私は溜息を吐き、机の上に置かれた箱に目をやった。
 それは赤いチェック模様の紙に包まれ、薄いピンクのリボンが巻かれてある。
 これは今日の朝に、他ならぬ○○から受け取ったものだ。
 曰く、日頃のお礼です、だそうだ。
 バレンタインは女性から男性へ贈り物をする日ではないかと問えば、男でもお世話になった人に渡す人はいますよ、と。
 私自身も、他のメイド達からチョコを受け取ったことがあり、そのことは理解できなくもない。
 しかし、お世話になった人、彼の中での私の評価がその位置にあるという事実は、私の小さな決意を打ち砕くには十分だった。

 いや、今一度考えてもみれば、私が一方的に好意を抱いていただけなのだ。
 このことで彼を責めるのは酷と言える。
 だが、私はどうやってこの沈んだ気持ちに整理をつければいいのだろうか?

 私は椅子に深くもたれかけて、両手を上げ、大きく体を伸ばした。
 懐から取り出した時計を見ると、昼休みも残り十五分といったところだった。

 いや、まだきっとチャンスはある。
 今日伝えることはできないが、いつかは伝えられるだろう……。

 と、私は顔を左右に振り、その思考を否定する。

 今まで、そんな風に考えていて、想いを伝えられなかったことを忘れたのか。
 だから、今日という日に賭けたのではなかったのか。
 しかし、それも……。

 考えれば考える程、思考はどうどうめぐりを繰り返す。
 まるで、夜霧に迷い、行き場所がわからなくなってしまったみたいだ。

 いくら考えても埒があかない。
 何度目かの思考でようやく気付いた私は、とりあえず気を紛らわせるために、彼からの贈り物を開けてみることにした。
 リボンを外し、包装を丁寧に剥がす。中から現れたのは品の良い白い小箱。
 私はさらに小箱のふたを開けた。

 中に入っていたのは、六種類の小さなチョコレート。
 どれも綺麗な形で、それでいてそのどれもが違う形をしていた。
 もしかしたら、中に入っているものや、味が違うのかもしれない。

 そこで私は初めて、ふたの裏側に二つ折にされた小さなカードが貼り付けてあるのに気がついた。
 私はそれを手に取り、開いて読み始めた。

















 十六夜咲夜さんへ

 今回、私は自分の想いを伝えるために、このような手段を取らせて頂きました。
 その不甲斐無さを笑って頂いても構いません。
 しかし、それでもあなたに伝えたいことがあるのです。

 私はあなたのことが好きです。

 初めて会ったときから、あなたのことが好きでした。
 そして、その想いは日増しに強くなっていきました。 
 あなたの凛とした姿、時折見せる優しさ、全てが好きです。

 あなたにとっては、いきなりのことで驚かれたと思います。
 けれど、もし良ければ返事を下さい。

 ○○より






















 その文章はとてもぎこちないものだった。けれど、誰よりも丁寧に書かれたものであることは理解できた。
 私はそれを読み終えたとき、自分の顔がこれまでにないくらい紅潮していくのを感じた。
 何というか、ストレート過ぎるというか、思ってもみなかったというか、さっきまで悩んでいたのが馬鹿みたいというか。
 しかし、私は今間違いなく、嬉しいと感じている。
 それだけは断言できる。

 私は彼が作ったチョコの一つを口に運んだ。
 それは上品な甘さのミルクチョコレート。
 どことなく彼らしい味だ。不思議とそんなことを感じた。

 それを食べ終えた私は、自分の机の引き出しを開け、そこに入っていた一つの小箱を取り出した。
 それは青い包装紙に包まれた、愛する彼への贈り物。

 まだ昼休みが終わるまでには時間がある。

 私はさっそく行動することに決めた。
 私の返事と想いと贈り物と少々の憎まれ口を彼に叩きつけるために。
 私をあれだけ悩ませたのだ。もっと男らしく告白しろ、の一言ぐらい言っても罰は当たるまい。

 私は白い小箱にふたをして、椅子から立ち上がり、上機嫌で自分の部屋を後にした。
 その右手に、青い小箱を持って。

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13スレ目>>77



 俺は咲夜さんを探して図書館まで足を運んでいた。
「なぁ、パチュリー咲夜さんどこにいるか知らないか?」
「咲夜だったら今ここにきているわ。なにか用なの?」
「ああ、ちょっと探し物をしていて見つからないから探すのを手伝ってもらおうと思ってな」
「そう。あ、ちょうど今戻ってきたわよ」
 そう言われて視線を向けるとこちらに向かってきている咲夜さんが見えたので声をかけた。
「あ、お母さん」
 どんがらがっしゃーん
 凄まじい音を立てて咲夜さんがすっころんだ。と一瞬で俺の首筋にナイフをあてて笑っている咲夜さんがいた。
 うわぁい、すごくいい笑顔なのにマジデコロスって殺気がビンビン伝わってきます。正直たまりません(恐ろしくて)
「うふふふふ、おもしろいこと言ってくれるわね○○? もう一度言ってくれるかしら?」
「いや、ちょっと間違えただけですって。良くあるでしょ? 上司や先生を間違えてそう呼んじゃうこと? ね?ね?」
「へぇ、つまり○○は私のことオバサンっていいたいことかしら?」
 あぁ、何を言っても悪いほうにしかとってくれない……
「パ、パチュリーたすけて……」
 しかしパチュリーは顔を本で隠してプルプル震えていた。ダメだこりゃ。
「ぷっ、あははははっ。だ、だめ、ツボにはいった。さ、咲夜がお母さんって、あははははっ」
「ちょっ、パチュリー様までなにいってるんですかっ!?」
「でも、咲夜ってたしかにお母さんって感じはするわね。メイド長って肩書きがなければ○○が言ったこともあながち間違いじゃないわね」
「い、いやでもっ」
 よし、パチュリーの相手に夢中になって俺の方に注意が薄れた! チャンスは今しかないっ!
「隙ありっ!」
 俺は手を伸ばして咲夜さんの胸を鷲づかみにした。
「やあんっ!?」
 急に胸をつかまれてひるんだ咲夜さんの脇をすり抜けて一気に逃げ去ろうとした。
「ちょっと! ○○待ちなさい!」
「嫌でーす! 今度捕まったら何されるかわかりませんからー! あと今日はP○D入れてなかったんですねー、おっぱいすごくやわらかかったでーす!」
「ほう……いい度胸ね……いいわ私も本気でいかせてもらおうかしら……」
 咲夜さんがスペルカードを取り出そうとしているのを見て俺は更にスピードを上げて逃げ出した。



 その後ス○ーク並みのスニーキングを行ったが結局見つかってしまい、今は縄で縛られた状態で椅子に座らされて頭にはリンゴが載せられている。
「はぁ、まったく手間をかけさせてくれたわね」
「すみません。反省してますのでこの縄解いてください」
「だめよ。まだ私の気が済んでないもの」
 いきなりナイフを投げてくる咲夜さん。それがリンゴの横スレスレに投げてくるのが恐ろしい。
「それにあのあと大変なことになったんだから」
 そう言って咲夜さんは語り始めた――

 ○○を見失って私はしばらく屋敷中を探して歩いたが○○の姿形も見当たらなかった。逃げ足だけは本当に速いのだから。
 途中でメイドからお嬢様が紅茶を持ってきて欲しいと伝言を頼まれたと聞き、一時捜索を中断してお嬢様に紅茶を持っていった。
「お嬢様。紅茶をお持ちいたしました」
 いつものようにお嬢様から労いの言葉がかけられるはずだった。
「ん、ありがとう。お母さん」
 ぎごんっ
 ありえない音を立てて私は頭からすっころんだ。
「おおお、お嬢様?」
「パチェから聞いたわよ? あなた○○にお母さんって言われたそうね?」
「あ、あれは言い間違いだって本人も認めていますっ」
「けれどいいえて妙ね。たしかにメイド長もお母さんも本質的には近いのかもね。今度から完全で瀟洒なお母さんって名乗ってみれば?」
「お嬢様? いい加減ふざけるのはやめてもらえませんか?」
「あら? ふざけてる気はないんだけど? その証拠にほら」
「あー、お母さんだー」
 その声に振り向くとフラン様が私を指差してそう呼んでいた。
「あ、あのフラン様? なぜ私をお母さんと?」
「え? お姉様がそう呼べって言ってたからだけど」
「ふふ、そういうこと。これからはみんながあなたのことをお母さんって呼ぶようにしたから。ほんと○○が来てから退屈しないですむわぁ」
 私は目の前が真っ暗になったような気がしてがっくりと膝をついた……

「それから会う人会う人にお母さんって呼ばれてついにはあの白黒にまで言われたわ。でも中国がお母さんって言ってきたときはハリネズミにしてやったけど」
 うわぁ、めーりんヒサン。しかも話しながらナイフを寸分違わず投げてくるのはやっぱりスゴイ。主に俺の顔面脇スレスレに。
「それでもね、みんなからそう言われてきてお母さんも悪くないかなって思ってきたのよ。ただしお父さんは○○じゃないとダメだけれど」
 やわらかく微笑む咲夜さん。俺はおもわず見とれてしまった。
「でも、お母さんって呼ばれるには子供がいないとだめなのよね」
 いきなり俺を持ち上げるとベットまで運んでいって縄を解き始めた。
「え? え? 咲夜さんちょっと?」
「一姫二太郎って言葉もあるし始めの子は女の子がいいわね。それじゃがんばりましょう、お父さん」
 そのまま俺にキスをした咲夜さんはしゅるりと胸のリボンをほどいて俺に覆いかぶさってきた――

(省略されました。続きが見たい方は紅魔館でPAD長と叫んだ後一日咲夜さんから逃げ切ってください)

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13スレ目>>165


「〇〇・・・また解雇されたわ・・・これで五軒目よ・・・」
帰ってくるなり咲夜は玄関でがっくりとうなだれる。
…あそこをクビになるのはそんなに屈辱なのだろうか?
「・・・あぁ、まあ、次があるさ。
 就職先が見つかるまで家に居ていいからさ」
「ええ・・・ごめんなさいね・・・家事位しか出来なくて・・・」
なんて言いながらも一瞬の内に台所へ移動し、
冷蔵庫の中身で夕餉の支度を始める。
「うん、こちらこそいつもありがとうね」


「ところで咲夜さん、」
「どうしたの?」
ふぅ、深くため息をついた咲夜さんに聞いてみる。
…結構無理そうなのに、
「何であの職にこだわるの?」
「・・・だって、幻想郷に帰った時に腕が鈍ってたら、お嬢様に申し訳ないわ」
「・・・多分咲夜さんは向いてないよ、あれ」
「む・・・私は完璧で瀟洒に仕事をしてるつもりだけど?」
いや、多分それが問題だよ。
「うーん・・・じゃあさ」
…言って、みるかな。
「こ、ここでメイドとして住み込みで働くのは駄目なの?」
そうすれば一緒にいれるし、
働いているって面子も・・・
「勿論無理ね」
あらあ・・・orz
「好きな人から搾取するのは趣味に会わないわ」
そう言って、咲夜さんは微笑んだ。

「って、何も解決してない気がする・・・」
「あら、ロマンが足りないわね。
 ・・・それに、メイドだったらこんな事も出来ないじゃない?」
ぎゅ




咲夜さんはメイド喫茶で働いてもなんか上手くいかない気がするぜ。
完璧過ぎてry

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うpろだ1050


十六夜咲夜は瀟洒にして従順な悪魔の狗である。
故に主の指示は絶対。何においても優先されるべき事項であらねばならない。
だから、

「咲夜。貴方は少し時間操作に頼りすぎるキライがあるわ。それでは現状からの脱却は図れない。成長なんてあるはずもない。なので当分の間使用禁止ね。いいって言うまで時間止めちゃ駄目だから」

等という無体極まりない事を言われたとしても遵守せねばならないのだ。
それ絶対今思いつきましたよね。なんて思ってても口に出さず、ただ一言、了承の意を表す。
現状からの脱却、新たなステージへの扉。結構ではないか。
お望みとあらば如何なる私にでも成りえましょう。この身は常に、髪一本から血液に至るまで貴方だけの物なのだから。

「あ、当然だけど職務上の失態にはペナルティーを課すから。とりあえずワンミスにつきスカート膝丈マイナス1cmね」
「……ハイ」

うるさい。泣いてなんかない。




「場合が場合だし否も応も言ってられないわ。不本意ではあるけど私の手が回らない分はサポートをお願い」
「期待してたわけじゃないですけど、わざわざ呼び出されて上にそこまで言われたんじゃ流石に凹みます」

能力を制限しての職務遂行に不安を感じた私は、まず補佐をつける事を考えた。
美鈴は(仮にも)門番なので持ち場を離れさせるわけにはいかないし、小悪魔も立場上、パチュリー様の傍を離れるわけにはいかないだろう。妖精メイドでは、とてもではないが任が務まるとは思えない。
そこで白羽の矢が立ったのは、先日湖畔で行き倒れていた所をお嬢様の気まぐれで拾われた○○という男。
捨ててきなさいと主張する私やパチュリー様に対してお嬢様はしたり顔で「これも運命よ」等とのたまったものだが、そんなノリで近い将来紅魔館が浮浪者だらけにならないか、密かに胸を痛める日々である。
さりとて、○○も全くのゴクツブシというわけでもないようだった。
労働力の足しにでもしてくれと言う彼にとりあえず仕事を与えてみたのだが、これが存外に覚えも早くその仕事ぶりもなかなか配慮が行き届いたものだったので、これには正直驚かされた。
現に今も不満を口にしながらも呼び出しに素直に応じる辺り、職業意識も悪くない。
だというのに、ただ一つ、どうしてもこの男に素直な評価を下せない理由がある。

「しかし能力制限とはまた思い切った事を始めたもんですね」

あたかも自分が難題を仰せつかったかのように、難儀そうに言う○○。

「だからといって完成度の低い仕事をするつもりはないわ。無論手を抜くつもりもね」
「立派ですけどあまり無茶はしないで下さいよ」

そう言って今度は苦笑交じりにこちらを気遣ってくる。こういう所は素直に好感がもてる。
そこでふと、○○は何かに気付いたかのように真剣な顔で考え込み始めた。
時折こぼれる「そうか、普通の人と……」という呟きが、何やら不穏な気配を感じさせてやまない。

「あの、○○?」

放って置くべきかとも思ったが、異様な雰囲気にのまれてつい声をかけてしまう。
そしてそれはすぐに失敗だったと後悔する破目になった。
名前を呼ばれた○○は俯き加減だった顔をガバッと上げて、妙な決意を宿した眼をこちらに向けて一息にまくし立てた。

「つまり今の咲夜さんは普通の婦女子となんら変わらんわけですね!? 今なら勢いに任せて強引なイチャイチャ展開も可だと!」
「ちょっと落ち着きなさい。○○」
「大丈夫。心配はいりません。腐ってもこの○○、紳士です。普段と違う状況下で内心小動物のように震えているであろう貴方の心ごとエスコートして差し上げます」
「妄想なら自分の部屋でやってもらえるかしら」
「っていうか正直、辛抱たまりません。咲夜さん愛してr」

いい加減うんざりしてきたので、取り出したナイフで頬をペチペチ叩いてやると○○はおとなしくなった。

「さっき言ったわよね?『手を抜くつもりはない』って。部下の躾も然りよ。オワカリ?」
「・・・いえす、まむ」
「よくできました。それじゃ別命あるまで待機。以上」

「ラジャー」と力無く答えてトボトボと去っていく○○。
本当に、ああいう所さえなければ評価してあげてもいいのだけど。

「○○」
「なんすか」
「後で買い出しにいくから里まで付き合いなさい。荷物持ちよ」

俄かに○○の顔が喜色に染まっていく。

「デートですか!」
「だから荷物持ちだって……あぁ、もう如何とでも取ればいいわ」

なんにせよ、こんな事で子供みたいにはしゃぐ○○を見ていると、こう思わなくも無い。
当分はこのままでも良いかもしれない。と。

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うpろだ1058



 ガシャーン
 けたたましい音と共に調度品がコナゴナになった。

「ああ、また……」
「咲夜さん、大丈夫ですか?」
「いえ、さすがにこれほどコナゴナになってると直すのは無理ね……」
「いや、俺が言っているのは咲夜さんの方ですが」
「私のことはいいから、ほらホウキとチリトリ持ってきて」
「はい」

 言われた通りにホウキとチリトリを持ってきて粉砕された壷を二人で掃除しながら俺は咲夜さんを見ていた。
 今日の彼女はどこかおかしい。さっきみたいな普段しないようなミスをしたりボーッとして話しかけても上の空だったりしている。
 紅茶に間違えてトカゲの血を入れてお嬢様が噴出した時は笑いを堪えるのが大変だったが。

「本当に平気ですか?」
「……え、ごめんなさい。聞いてなかったわ。それでなに?」
「咲夜さん、やっぱり休んだほうがいいですよ」
「そうもいかないでしょ、私が休んだら誰が紅魔館の仕事を行うの?」
「それはそうですが……」
「ムダ口はそれ位にして、これを捨ててきてちょうだい」

 渡されたゴミを持ってゴミ捨て場に向かおうとしたら、背後でパタリと何かが倒れる音がした。
 慌てて振り返るとそこにはうつ伏せになっている咲夜さんがいた。

「あ、あれ? おかしいわね、なんで急に」

 無理に体を起こそうとするが腕に力が入らないのか、また倒れこんでしまう。

「ほら、やっぱり無茶してたんじゃないですか」
「な、何言ってるのよ。これは転んだだけよ、すぐ立ち上がるからあなたは別の仕事をしてなさい」

 そう言って三度起き上がろうとするが、その姿はまるで病人が無理をしている風にしか見えない。

「咲夜さん、失礼します」
「きゃっ!?」

 彼女の背と膝の下に手を入れて抱きかかえるようにして立ち上がる。いわゆるお姫様抱っこというやつだ。

「ちょ、○○! 下ろしなさい!」
「だめです。このまま部屋まで連れて行きます。で、場所は何処でしたっけ?」

 じたばたと暴れていた咲夜さんだったが、逃げられないことを悟るとしゅんとして大人しくしてくれた。

「……そこを右に曲がって突き当たりの部屋が私の部屋よ」
「わかりました」

 部屋のドアを開けて中に入り、ベットに咲夜さんを寝かせる。ここまでほんの少しの時間しか経ってないのに彼女は気を失っていた。
 布団をかけて俺は永遠亭に足を運んだ。





「疲労ね。しかも疲れがとれてない状態でかなり無茶をしているわね。今日は一日休養を取らせなさい」
「わかった。ありがとう永琳」

 永琳を見送ったあと部屋に入ると咲夜さんはベットから起き上がろうとしていたので慌ててベットに寝かす。

「と、とめないでちょうだい、まだ仕事が残ってるんだから……」
「駄目ですってば。今日一日はゆっくりしていなくちゃいけないって言われたばかりでしょう?」
「で、でも掃除が……」
「それは小悪魔とメイド妖精がやってくれてます」
「せ、洗濯もまだ……」
「美鈴が今干してます」
「う……それじゃあ料理にお嬢様のお世話は……」
「料理はパチュリー様が、お嬢様は自分でできることは自分でしてわからないことは明日聞くそうです。
 あとお嬢様の言付けで、「咲夜にそんなに負担をかけていたなんて主失格ね。今日は一日休むこと。これは命令よ」とのことです」
「……わかったわ。で、あなたは何をするの?」
「咲夜さんの監視だそうです。放っておくと何かしら始めるだろうからそれを食い止めなさいって。実際起き上がろうとしてましたし」
「い、痛いとこ突いてくるわね……。わかった、今日は休養を取らせてもらうわ」

 ようやく落ち着いて休みを取ってくれることになり、ほっと一安心だ。
 が、何故か顔を赤くしてこちらをチラチラと見てくる。何だろう、何か言いたいことでもあるのだろうか?

「あ、あの○○……着替えたいのだけれど」
「あ、そ、そうですね、俺がここにいたら着替えられませんよね。じゃ外にいますので着替え終わりましたら声をかけてください」

 ギクシャクとした動きで部屋の外に行き、声がかかるまで待つ。あー顔が熱い。
 しばらくして、もういいわよと言われたので中に入ると部屋着に着替えた咲夜さんがベットに寝ていた。

「……こうして二人きりになるのは久しぶりね」
「そうですね、会ったとしても会話はほぼ仕事のことばかりでしたからね」
「ねぇ、何か話して」
「話っていってもこれといって面白いことはないですよ」
「それでもいいわ」
「ええそれじゃあこの間神社であったことなんですけど……」

 ――少女、青年談笑中――

「で、結局魔理沙が一番被害を被ったわけで」
「まあ、自業自得というやつね」

 と、ドアをノックする音が聞こえたので開けるとそこには茶器を持った美鈴がいた。

「お見舞いにきちゃいました。大丈夫ですか? 咲夜さん」
「あんまり良くはないわね。ところでそれは何?」
「ふふふ、これは特製の漢方茶です。これさえ飲めばたちどころに疲れなんか吹き飛びますよ!」
「……美鈴、あんまり言いたくないけどそれ高麗人参とかガラナやにんにくなんて入れてないよね?」
「失礼ですね○○さん。普通のお茶ですよ。ささ、冷めないうちに飲みましょう」

 テキパキとお茶の準備をする美鈴。普段は門番としての姿しか見ていないので手際のよさに驚いた。
 それは咲夜さんも同じようだった。
 そして彼女の淹れてくれたお茶を飲んでみる。ふむ、甘い香りが鼻を通り抜けお腹の中からぽかぽかと暖めてくれる。すごくおいしい。
 けれどもこのお茶、めちゃくちゃ眠気を誘う。なんでもない俺が眠気を耐えるのが精一杯なほどだ。
 咲夜さんの様子を覗うとうつらうつらとして心ここにあらずという状態だ。

「……○○さん、どうやら効いてきたみたいですね」
「美鈴いったい何したのさ」
「このお茶元々リラックス効果が高いんですが、寝つきを良くする茶葉を多めに入れてみたんですがどうやら成功したみたいですね」
「なるほど、その薬草の力で眠らせてしまおうってことだったのか」

 お茶を飲み終えると美鈴は茶器を片付けると部屋を出て行ったがドアから顔を出してこっちを見ていたので
 何かまだあるのかと思っていたらニヤニヤと笑いながら俺に話しかけてきた。

「○○さ~ん、いくら咲夜さんがぼ~っとしてるからってネチョいことしちゃダメですよ~」
「ばっ、誰がそんなことするかっ!!」
「きゃ~怒られた~」

 まったくいつも一言多いんだからな美鈴は。
 俺はベットの側に行き、咲夜さんに話しかけた。

「咲夜さん眠そうだから、俺はこれで失礼します。何かして欲しいことありますか?」
「えっと……それじゃあ」
 布団で顔を半分隠して上目遣いでこう言った。

「……お休みのキスをちょうだい」
「ああ、お休みのキスですね。わかりました……ってええっ!?」

 うう、急にそんなことを言われるとは思わなかった。
 だっていつもは完全で瀟洒なあの咲夜さんが今は普通の女の子になっているんだぜ!?
 そしてさっきから軽く目をつぶっていつでもどうぞっていわんばかりの姿だし。
 しかし、ここで期待に応えなければ男じゃない! 俺はおずおずと彼女に覆いかぶさり

「い、いきます」
「ん――」

 彼女と唇をそっと合わせた。

「――これでいいですか?」
「うん、元気も貰ったし明日にはいつも通りになると思うわ」
「それはよかった」
「本当なら続きもしてあげたいんだけれどこんな状態じゃあね。だから元気になるまでお預け。
 そうしたらキスもその先もいっぱいいっぱいしてあげるから」
「あ、あぅぅ……」
「あら、赤くなっちゃってかわいい。あふ……それじゃおやすみなさい」

 すぅ、と咲夜さんの吐息が落ち着く。眠ってしまったようだ。
 俺はドアと開けると咲夜さんを振り返って最後にこう告げた。

「お疲れ様です。メイド長」

 静かにドアを閉めると部屋を後にした。

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最終更新:2010年05月16日 00:21