咲夜18



新ろだ2-131


「1・2・1234!1・2・1234!!」

 紅い悪魔の館に、あまり似つかわしくない声が響く。
美鈴が行う武術はあまり声を出さないし、それにこの声は男の声だった。

「あら、またやっているんですか? 随分と熱心ですわね」
「ああ十六夜か。 訓練ってものは毎日やるから効果が出るものだからね」

 そう言いながら腕を万歳の様に上げ、鉄製の何かを持ち上げて駆けまわる○○。
幻想郷に来る前までは、その国を護る為の組織に入っていた……と聞いたが、
その癖が未だに抜けないのか、それとも別の理由からか彼は毎日決まった時間になると、
中庭で今の様に訓練(ランニングや腕立て伏せ等)を行っている。

「そうやって訓練してますけど、この世界では弾幕ごっこが主流ですわ。
その様に身体を鍛えても、弾幕を張る事は出来ないでしょうし……無駄だとは思いませんか?」
「いや、身体ってのは怠ければ怠けた分だけ衰えるものだからね。
早々サボる訳にはいかない……ま、何かあった時に対処できないってのは情けないからね」
「はあ……まあ心がけは立派だと思いますが」

 笑顔で話す彼は、魅力的かと聞かれればどちらかと言うと子供っぽさが垣間見え可愛い。
鍛えているだけあって、無駄な贅肉の無い引きしまった身体をしておるが……

「十六夜はどうしたの?」
「いえ、特に用事は無いですが……お茶でも如何でしょう?」

 そう目線を移す先には木陰に置いてあるティーセット。

「丁度良かった、それならお願いします」
「畏まりました……どうぞ」

 瞬きをする間に紅茶が用意され、十六夜が手渡してくる。
一口飲んでみると、冷ましておいたらしく涼しい喉越しにさわやかな紅茶の味が口内に広がる。
火照った身体には嬉しい飲み物だ。

「……美味しい、気を使って貰ったみたいだね。 ありがとう」
「いえ、この程度の事は当たり前ですので」

 さらっ、と涼しげな表情で私を見ている十六夜。
日差しは強く、風はあるのだが気温が高いのであまり涼しくは無い。
こちらは汗をかなりかいているのだが、十六夜は汗一つかいていない。
……臭わないだろうか? ふと自身が汗だくだった事を思い出し唸る。

「……むう」
「○○さん? どうかなされましたか?」
「あ、いや……十六夜は暑くないの?」
「少し暑いくらいですが……それが?」

 やっぱり暑くなさそうに涼しげな表情で話す十六夜。
汗の一つでもかいていれば説得力が多少増すのだが……

「いや、暑そうには見えなかったからさ……汗一つかいてないし」
「もっと暑くなれば私とて汗の一つもかくわ。 貴方は動いていたから随分と汗だくね」
「そうなんだよな……臭くないか?」
「? 少々失礼致します」
「え?」

 何の反応をする事も出来ない間に十六夜が首元に顔を近づける。
肩に十六夜の手がかかり、少しだけ力が加わる。
ふわっ と香ってくるのは何の香りだろうか? ラベンダー? それとも紅茶の茶葉?

「そうね、少し汗の臭いがするかしら」
「……あ、ああ……ありがとう。 ちょっと離れておく……
と言うか着替えるか風呂にでも行くよ、紅茶ありがとう。 それじゃ!」

 そう言うのが精一杯だった、紅魔館の自室へと逃げる様に走り出す。
顔が熱いのが良く分かるが、それを訓練していた為の火照りだと自分に言い訳をする。
冷静になれ自分……情けない。


「……どうしたのかしら?」

 顔を真っ赤にして駆け去って行ってしまったが……
臭いがする事が恥ずかしかったのかしら?

「もう少し話してみたかったわね……折角冷えた紅茶を暑い日に渡すという、
大義名分を持って話をしてみたのに……まあ、過ぎた事は仕方ないわね」

 ふう、と小さくため息を吐きティーセットを片づける。
悪魔の館に住む○○、あの方は……一体何故ここに居るのだろうか?
この世界に来る前は? 国を護る仕事って? 聞きたい事は山ほどある。
……まあ良い、また次の機会を伺うとしよう。

「さて、お仕事に戻りましょうか」

 そう、時間はまだまだある。
そうそう慌てる必要は……無いはずだ。



新ろだ2-132(新ろだ2-131続き)


 紅魔館に仕える瀟洒なメイド、十六夜 咲夜にも寝る時間はある。
主人であるレミリアが眠るのを見送った後、自室で眠りに着くのだが……

「……珍しいわね、寝付けないなんて……」

 今日に限り、ベットに入り横になっても睡魔は襲って来なかった。
無意味に数回寝返りを打ち、枕の位置を変えても見たがやはり眠気は来ない。

「はあ……仕方ないわね、少し水でも飲んできましょう」

 紅魔館の廊下を歩き、食堂へと向かう。
流石に妖精メイド達も全員寝てしまっているのか、食堂に人影は……居た。

「○○? どうしたのこんな時間に」
「ん? ああ、咲夜さん……仕事です。 食糧庫の残量と使用した食材の数量を確認しています。
それから少しの書類仕事と、雑務をこなしています」
「御苦労さま、でも無理しないで寝なさいね? また明日も仕事があるんだから」
「はい、もう少しで終わりますので……咲夜さんは?」
「私はちょっと眠れ無かったから水を飲みに来ただけよ」

 そう言いながら食堂の流し台へと向かう。
しかし彼もこんな時間まで起きているなんて……生真面目で関心ね。
美鈴ももう少し見習ってくれたら……

「眠れないのですか?」

 書類を纏めた彼が心配そうな顔で横に立っていた。
偶々眠れないだけなのだが、彼の気持ちは正直嬉しかった。

「ふふっ……ちょっと眠れ無かっただけよ。 心配しないで良いわ」
「その……私に何かできる事はありませんか?」
「特には……あ、そうね」

 ふと思いついた事、それはこんなにも心配してくれている彼には失礼かもしれないが……
逆に気を負いすぎると空回りすると言う事を教えてあげるのに丁度良いかもしれない。

「なら、私が眠るまで手をつないで居てくれるかしら?」

 そう彼を見ながら右手を差し出してみると、キョトンとした顔でこちらを見る○○。
冗談よ と言いながら下げる筈だった手を○○が握る。

「分かりました、それで眠れるのでしたら」
「……えっ?」

 ぐんぐんと手を引いていく○○に引きずられる様に自室へと連れて行かれ、
ベットに寝かされる私。

「これで大丈夫ですか? 眠るまではみていますので……安心して下さいね」
「……え、ええ……」

 左手を優しく握り微笑む○○、その手から伝わるのは暖かい気持ち。
……冗談だったのに……まあ良いわ。

「貴方も無理しないで寝なさいね?」
「はい、咲夜さんが眠った後に自室に戻ります」
「……そう」

 ポンポン、と頭を優しく撫でる○○の手。 その感触がやけに心地が良い……
そんな手の感触がゆっくりと私をまどろみに包んでゆく。
全く……彼の優しさが嬉しいと思うのもそうだけれども、
私の事を心配してくれているって考えるだけでこんなにも幸せな気持ちになるなんて……

「……寝たかな? ……おやすみなさい、咲夜さん」


 そう、私も自室に帰ろうとしたのだが……
……手を握りしめられたままで離してくれそうに無い。
気温事態低くは無いし、夏になりつつある気候から寒くは無いが……
……仕方ない、このまま寝るしかないか……
微かに聞こえる咲夜さんの寝息を聞きながら、私もベットにもたれかかる様に眠る。

 翌日、珍しく起きるのが遅いと思った美鈴が咲夜の部屋を訪れると、
幸せそうに眠る咲夜とその横で手を握ったまま眠っている○○の姿があり、
あまりにも幸せそうな表情から起こすのを躊躇いそのまま放っておき、
後に目が覚めた咲夜に照れ隠しに弾幕で追いかけられる事になったそうだが……
それはまた別の話



新ろだ2-138


最近、私に恋人ができた
名前は〇〇
容姿はパッとしないし、能力と言えるものは何も無いただの一般人
けれど、私みたいな可愛げのない女を好きと、一緒にいたいと言ってくれた人
私もそんな彼のことを愛しているし、館のみんなも私たちを祝福してくれ
〇〇はこの館で住み込みで働く事になった
何一つ不満の無い、はずだった
でも、私には一つだけ、どうしても容認できないことがある

「咲夜さん! 今日こそは時を止めた世界で、廊下に張った糸の結界を切る過程を見せてください!」

[世界]
彼の、こういうところなのだ
[そして時は動き出す]
「ぐはっ」
全ナイフ命中
そしてだめ押しにもう一本
美鈴に投げるような勢いだが、〇〇相手にはこのくらいがちょうどいい

「やれやれだぜ……ナイフを警戒して図書館の魔道書を服と帽子に入れてなかったら死んでたな……」
「結局後で殺されるんじゃないの?」
「その時は咲夜さんも一緒に謝ってくださいね」
「嫌よ。あと、それでも全治一ヶ月はかたいと思うのだけど」
「ほら、咲夜さんは優しいから、無意識に手加減してくれたんですよ
まさかって感じだがグッときたぜ!!」
「いつも思うんだけど、その話し方って何なの?」
「え? まさか咲夜さん……まだ読んでくれてないんですか!?」
世界の終わりのように驚く〇〇
読んでないというのは、以前〇〇が図書館から三日三晩かけて探し、渡してくれた100冊近いコミックの事だろうか
ストーリーの半分弱と作者が吸血鬼だと言う事で興味は持ったものの、絵があまり受け付けられないと言う事と
そんなに大量に読んでいられる時間がないのだ
私と同じ能力のライバル、って設定は今も気にはなってるけれど
「まだ一巻しか読んでないわ、なんだか絵が気持ち悪くて」

「ヤッダバアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!」」

どこの言葉だろう
それはさっぱり分からないが、〇〇が嘆き悲しんでいる事だけは分かった
「それは、それだけは言ってはならない言葉をオオオオオオオオッ!!」
「うるさい」
ノーモーションで投げたナイフは、正確に〇〇の眉間を射抜く
それくらいでは、彼を10分くらいしか黙らせられないことを、私は経験から知っていた
たまに、私の恋人は人間なのかどうか本気で分からなくなってくる

「本当に、〇〇はこのコミックが好きね」
「ええ、信仰していますよ」
もはや〇〇にとっては宗教みたいだ
「何かの狂信者って、はじめて見たわ」
「外の世界でも信者は多いですよ
博麗神社の信仰×数千倍くらいは」
「ねえ、ゼロにいくらかけても答えはゼロのままなのよ」
「……咲夜さん、ずいぶん言いますね
でもまあ、自分の心には2分燃えの信仰の火が灯りっぱなしです」
それはずいぶん少ない気がするが
「てっきり、私は八部燃えくらいと思ってたけど」

「残りはありません
残りの自分の心は根こそぎ咲夜さんに持ってかれてしまったんで」

「……」
どうして、この男はこう恥ずかしい事を簡単に言うのか
もちろん嬉しいけど、感情をストレートに出すのが苦手な私にとってはやっぱり恥ずかしい
何も言えず、私はそっぽを向いた
「あれ、咲夜さん?
……顔が真っ赤、体温上昇、過度呼吸……」
ちゅ
「!!?」
「この味は……照れの味だぜ! 十六夜咲夜!」
「うるさい! 馬鹿!」
今度は二本、ナイフが眉間に突き刺さった

私の恋人、〇〇
某コミックかぶれで、空気の読めない大馬鹿者
それでも、私にとってはかけがえのない恋人だ


新ろだ2-202


「って事でどうだろう咲夜?俺達は踊る側ではなく、ダンス用のバンドを組むというのは」
「いいからさっさと練習するわよ」

即却下された。

「勘弁してくれー俺はこういうのは苦手なんだー」

小学校のフォークダンスするまともには踊れなかったし。

「だから、こうやって練習しているんでしょう?」
「強制でな」

館内を歩いていたらいきなり攫われて『ダンスの練習をするわよ!』って巻き込まれた。
しかも間違ったステップを踏む度にそこにナイフが飛んでくるのだから、たまったものではない。
瀟洒なメイドとその相方は、完璧でなければならないらしい。

「ナニカイッタ?」
「ノー!マム!」

キラリと光る瞳とナイフに速攻で服従する。
これがここで生きるための必須条件だと知ったのは執事就業1日目だった事はいい思い出である。

「ほら、最低でもお嬢様と>>667様の従者として、イザという時誰に見せても恥ずかしくない位にするわよ」
「うぃー…」
「まったく・・・やる気が無いわね・・・」

とはいってもねぇ…ダンスというのはなぁ…あ、そうだ。

「踊れるようになったらなんかご褒美でもあるなら出すが?」
「ご褒美ねぇ…」

咲夜は少し考えるように俯いた。

「じゃあ、今度あなたの好きな物を作ってあげるかとかパーティー『当日』の仕事無しとか?」
「いや、休みより膝枕で」

我ながら欲望に忠実である。
いや、だって当日仕事なかったら絶対暇だしねぇ?かといって1人じゃ微妙だし。

「う、う~ん…まぁそれくらいなら…」

若干困った顔をされたが、了承を得る事に成功した。
そうか…OKかぁ……咲夜の膝枕…サクヤノヒザマクラ…SAKUYANOHIZAMAKURA…。
あ、想像したらなんかテンション上がってきた。

「クックックッ…」
「…〇〇?」
「うぉっし!!俄然やる気が出てきた!!明日までにはマスターしてやらぁ!!」

欲望がかかった俺に不可能などない!!

「ふふっ…あなたも結構現金ね」
「そりゃ俺も男だからな」

惚れた相手の膝枕がかかるなら尚の事だ。

「そう。じゃあパーティーまでに私よりうまくなったらもっといいご褒美をあげるわ」
「なんだとっ!?」
「もっとも、私よりうまく踊れるようになったらね」
「言ったな?そnご褒美、絶対獲得してやる!!」
「あらあら…楽しみにしてるわ」


その後、俺が彼女よりうまく踊れるようになったかは定かではない。
ただ1ついえるのは――――


「あーやっぱ咲夜の膝枕は最高だなぁー」
「あら、ありがとう。そういってもらえるとする甲斐もあるわ」
「それに今日は天気もいいし、寝そうだなぁ……ふぁ~」
「確かにいい天気ね。風も気持ちいい…」
「……」
「〇〇?」
「Zzz…」
「寝ちゃったのね」
「それにしても本当、呑気な寝顔ね。……でも昨日はなんだかんだでかっこよかったわよ?」
「本当に…ご苦労様。……ぁ…私もちょっと眠くなってきた…お休み〇〇」


 ***

後書き
おかしい。1レス分で収めるハズがいつの間にうpレベルに長くなってた。
でも膝枕って最高だよね!!



新ろだ2-299



「お嬢様大変です! 咲夜さんが倒れました!」

 それを聞いたとき私はとるものもとりあえず、すぐに咲夜の元に駆けつけた。
 咲夜、咲夜! しっかりして! 私が無理させていたの? お願いだから私を置いていかないで!

「咲夜ぁ! どうしてこんなことに!」
「あらあら、そんなに心配することないのに。むしろ喜ぶべきことよ」
「え?」

 永遠亭の薬師の笑顔に気をそがれる私。
 喜ぶべきことっていったい?

「ふふ、彼女のお腹に新しい命が宿っているのよ。つまりおめでたね」
「すみません、お嬢様。心配をお掛けして。でも身体には異常ありませんから」
「あ、そ、そう……。ならいいのよ……あはは……」

 って笑ってる場合じゃなーいっ!
 ……お、おめでたー!? 何それ! どういうこと!? というか相手だれー!?
 などと混乱していると○○が咲夜の手を握っていた。
 え、なに? ○○ったらしっかり手なんか握っちゃって。咲夜もうれしそうな顔をして? あれれ?

「……よかった。きみも、お腹の子も無事で」
「心配しすぎなのよ、○○は」

 あ、すごくいい笑顔……じゃなくて!
 え、もしかして、相手って……○○? あれれええぇぇーーーー!?



 とりあえず咲夜は安定するまで入院ということに決まった。
 紅魔館に戻ってきて、私は○○を部屋に呼んだ。
 うふふ、平常心、平常心……まだあわてる時間じゃないわ。スカーレットはうろたえない……。

「さて、事の次第を最初から話していただこうかしら?」
「……申し訳ありませんお嬢様。隠すつもりはありませんでしたがまさかこんな形で発覚してしまうとは私も思いませんでした。
 二人ともお嬢様に使える身でさく、……メイド長とお付き合いしているとは言い出しにくくて」
「……咲夜と付き合いだしたのはいつごろから?」
「5年前からです」

 ごっ、5年前っ!?

「お嬢様もご存じの通り私は貴方に拾われてから彼女にこの館に携わる仕事を全て教えていただきました。
 メイド長は非常に優秀で、完璧で瀟洒という二つ名にふさわしい方でした」
「で、で、ででで……! その二つ名を汚すようなことをアンタは~~~~!」
「い、いえ! そのようなことは一切ありません! 決して! この首に誓います!」

 確かに二人ともそんなそぶりは見せなかったわね。おもわず熱くなってしまったわ。私はまた椅子に腰を降ろして話を続ける。

「……それで? 5年前何がどうしたわけ?」
「いや、どうもこうもなく、一緒に仕事をこなしていくうち、時折合間をぬって親しく話をしているうちに、いつしか心が通じ合って……」
「通じ合ってじゃないわよっ! だいたいアンタ歳いくつよ!」
「メイド長より一回り上ではありますね」
「だーっ!!」

 ひ、一回りって、そりゃ私達妖怪達から見ればささいなことでしょうが、あんたらは違うでしょ! 離れ過ぎでしょうがー!

「とにかく、驚かして申し訳ございませんでした。もっとちゃんとした時に二人で打ち明けようと考えていましたので……
 こんなタイミングで悪いのですが、彼女との結婚を許しては頂けないでしょうか?」
「……さない」
「はい?」

 おもわず力の限り机に拳を叩きつけていた。

「許せるわけないでしょう! 急にそんなこと言われて! 冗談じゃないわよ!! とにかく私は許さないからね!」

 感情に任せて怒鳴ってしまったけれど○○はまっすぐな瞳で私のことを見つめていた。
 その視線に耐えきれなくなった私は逃げるように部屋から飛び出していた。





「……で、私のところに来てヘコんでるわけ?」
「う、うー……。だって動転してただ感情に任せて怒鳴っちゃったんだもの。でも咲夜も○○も悪いじゃないの。私に内緒でそんなことしてたなんて」
「言っちゃ悪いけど、ここで二人の関係知らなかったのレミィだけよ。フランだって知ってたんだから」
「うー!?」
「まぁ、あの二人、レミィだけには後できちんと報告するために隠し通すつもりだったみたいだからね。仕方がないと言えばそういうものだけれど。
 だいたい、○○の何が気に入らない訳? 今の紅魔館を咲夜無しでも普段と変わらなく動かせているのは○○のおかげよ?
 十分咲夜と吊り合う相手だと私は思うのだけれど?」

 ――そうだ。今まで紅魔館の内部のことは咲夜一人きりに任せた状態だったのに、○○によってそれは変わったのだ。
   彼は咲夜のように何か特別な力を持っている訳ではない。しかし、彼は人材把握の力に長けていた。
   ただのお飾りであった妖精メイドを普通のこと位までできるように引き上げたのも○○の手腕。そこには並大抵の努力では済まないだろう。
   咲夜が天才であるなら○○は秀才。才能や力で及ばないところがあれば技術で補う者だった。

「ま、レミィがどう言っても変わるものでもないし、最後の手段として運命いじくるという手もあるけれど、そこまでしても認められない?」
「……少し考えさせて」

 図書館を後にして私は自室に戻る。扉を開けて中に入る。
 ……あれ? 何か違和感がある。その正体を探るために周りを見渡すと私のすぐ近くに○○が立っていた。

「? どうしたのよ○○」
「どうしたとは? 今日から私がお嬢様の側近を勤めさせて頂くだけですが?」

 ……はい? 何を言ってるの?

「メイド長のいない間、誰がお嬢様のお世話をすると思っていたのですか? 他のメイドにそんな大役は任せられません。
 彼女の完璧さまでは至らぬ身ではありますが精一杯職務を勤めさせて頂きます」
「あ、う、うん……。そうね。ありがとう○○。でも、今は特に何もないし、下がっていいわよ」

 うぅ、違和感の正体はこれか……。咲夜は違和感なく側に居てくれたからいいけれど、○○はあまりに存在感が強くて……自分の部屋なのに居心地が……。
 とりあえず彼を下がらしてベットで休もう。
 と、何故か私の肩を○○が掴んでいた。

「な、なにかしら……?」
「はい。最近のお嬢様の言動に私からちょっとお話したいことが」

 うわーん、キラリと光る眼鏡がこわーい。
 有無を言わせぬ重圧に包まれて私は抵抗できずに机の前の椅子に座らされていた。

「さて、最近のお嬢様のことですが、何やら奇行が目立ちます。暇だからといってモケーレ・ムベンベごっこを行ったり、ことあるごとに『うー』とおっしゃったり。
 他の有象無象の連中なら構いません。しかし貴方は紅魔館の主であり夜の王。実に嘆かわしい。このままでは下の者に示しがつきません。
 メイド長は大目に見ていたようですが、私はそうはいきません。これから夜の王としての在り方についてしっかりと再教育をさせていただきます!」
「う、うー!?」

 じょ、冗談じゃ……。いや、マジだ。あの表情は○○が本気の時の顔だ。

「さ、最近の吸血鬼はフランクさが売りだと思うの……。だ、だからね?」
「なにか?」
「ぴぃっ!?」

 こ、怖いっ! 普通の笑顔なのに恐ろしく怖いっ!
 ただの笑顔が怖いのは風見幽香だけだと思ったけどここにもいたー!!

「さぁ、トイレは済ませましたか? しばらくはここから動けないつもりでいた方がよろしいかと。さてそれでは始めましょうか? お嬢様――」
「い、いやぁ……」



 ――いやあああぁぁぁぁぁっ!! たすけてぇぇぇっ! しゃくやああぁぁぁっ!!



   ◆   ◆   ◆



 ぐったりと咲夜のベットに脇から倒れこむように上半身を埋める。そんな私を心配そうに見つめる咲夜。ごめん、私いま貴方に気遣う余裕ないの……。

「だ、大丈夫ですか? お嬢様」
「え、ええ、大丈夫よ。何も問題ないわ。あはは……」

 うう……、あれからずっと○○は側にいるし、気が休まる時がなかったわ。マジきっついわ。○○があんなにきっついとは思わなかったわ。
 咲夜のありがたみがよく分かった。すっごく。
 今日だって咲夜のお見舞いに行くっていって何とか抜けだしてこれたんだし。
 ふと、そういえば咲夜は○○のどこを好きになったのだろう? そんな疑問が浮かんできたので咲夜に聞いてみる。

「咲夜、貴方○○のどこを好きになったの?」
「そうですねぇ……挙げるとなると結構あるんですが」

 少し試案顔をしていた咲夜の顔がほにゃっと柔らかく崩れて笑顔になった。

「○○、きっちりしていて融通が利かないように見えますが、結構子供っぽいところがあるんです。
 そういうところ、お嬢様と似ているのかもしれませんね」
「えー。そうかしら……?」
「ええ、ですからずっと側にいて欲しいと思ったのかもしれませんわ」

 ……ほんと○○のことを話す咲夜は優しい良い笑顔をするようになった。
 その笑顔を見ると何故か私の胸の奥がチクリと痛んだ。
 でも、そんなに似てるかしら? 私と○○。



 その日、執務机で私の承認が必要な書類に目を通してサインをしていた。
 もちろん側には○○がいる。けれど前ほど違和感はなくなった。
 咲夜とは違った雰囲気を持つけれど、最近は彼が居ないと居心地が悪くなってしまった私も十分毒されている……と思いたい。そう、毒されているのよ、きっと……。
 と、くぅと私のお腹が鳴る。懐から懐中時計を取り出し、時間を確かめる彼。

「ふむ、少し休憩を入れると致しましょうか。お茶をお持ちいたします」
「ん、お願い」

 彼の紅茶の淹れ方もずいぶん見慣れてきた。咲夜は一連の流れに優雅さが溢れていたが、彼の仕草は一つ一つの仕草に気品が優れていた。これも咲夜が仕込んだんだろうなぁ。
 側にティーカップを置くと、次にお茶受けとしてのリンゴをむき始める○○。あ、使ってるナイフ咲夜のと同じだ。
 クルクルと綺麗に剥けていくリンゴとそれに沿うナイフを見つめていたが、不意に○○に声をかけられて彼に意識を向ける。

「どうですか、お嬢様。このリンゴの皮」
「どうって……うわぁ、すごい……」

 ○○が見せてくれた皮は細かいレースが入れられており、それでいて途切れていないのでまるで一本のリボンのように見えた。

「驚いていただけたでしょうか? 実はこれ、メイド長に教えてもらったものなんですよ。いつかお嬢様にお披露目したいと思っていたのです」
「へぇー、咲夜がねぇ」

 そう言って胸を張る姿はどこか子供らしくいつもの○○からは想像つかない仕草だった。
 あぁ、子供っぽいってこういうことね。そう私が思っていると、とつとつと○○が話を始めた。

「お嬢様。私は咲夜さんの強いところが一番好きです。貴方を、大切な主を、ずっと守ると闘ってきた強さが。
 それでも、ふと疲れた時に、少しでも彼女の支えになることができたのならどんなに嬉しいだろうと思ったんです。
 ……そして、そんな彼女が大切に思っている貴方に仕えることが出来ることも、私はたいへんうれしく思っております。お嬢様」

 そう言って笑みを浮かべる○○の顔には、この間の咲夜の笑顔と重なって見えた。






 ――ああ、そうか。咲夜にはもっと似合う男がいるとか

「咲夜さん、この間教えてもらったリンゴの皮のレース、お嬢様にお見せできました」
「あら、良かったわね。どうだった? お嬢様喜んでくれた?」

 いろいろ難癖つけていたけれど

「はい、それはとても喜んでくれました」
「ふふ、いっつも仏頂面の貴方がそんなことするなんてお嬢様も思っていなかったでしょうね」

 結局のところ、私は

「嬉しい限りです」
「私も教えた甲斐があったわ」

 この二人がうらやましくてしょうがないんだ

 まぁ、でも

 この二人が幸せそうだから

 いいかな――



「いやー、あのメイド長が子供を産むとは思っておりませんでした! これは明日の朝刊で一大ニュースにしないといけませんね!」
「はっはっはっ。射命丸さん。明日の朝刊読ませてもらいますが、もし、大半が捏造で埋まっているのでしたら、貴方には山ほど説教がありますがよろしいですかな?」
「あ、あははっ! この清く正しい射命丸がそんなことする訳ないじゃないですかっ! ええ、普通に、ごく普通の記事に仕上げますとも!」
「……幻想郷で普通の笑顔が怖い奴ってアンケートとったら○○、風見幽香の次に並べるんじゃないかしら」
「わ、私は次じゃなく同列でもいい気がします……図書館の整理を手伝ってくれるのは嬉しいですけど、あの笑顔は未だ慣れません……」
「わー! すごくぷにぷにー! これから私お姉ちゃんになるんだね! わーい!」
「さ、咲夜さん! 今度は私に抱かせてください! だ、大丈夫ですよ! 落としたりなんかしませんってば!」
「うーん、でも悪気はなくてもうっかりで手を滑らせそうなのよね。美鈴は」
「ひどっ!」

 ワイワイと皆賑やかな中私は少し離れてその様子を見守っていた。

「……なんか、慣れないのよね。この騒がしさ」
「そうですか? 私は好きですが」

 いつの間にか○○は私の側に立っていた。

「それにしばらくすれば慣れてきますよ。みなこの紅魔館の家族みたいなものなんですから」
「……そうね」
「レミリアさーん! ○○さーん! 写真とりますからこっち来てくださーい!」
「呼ばれてますよ。行きましょうお嬢様」
「ええ」



 ――今日、紅魔館に、新しい家族が増えました。



Megalith 2010/12/31



紅魔館の朝は早い。メイドならば尚の事だ。
私はこの館で一番早く起きて仕事に取り掛かる。朝食の準備や掃除、洗濯などを済ませるためだ。

だいぶ前からお嬢様方も人間の時間に合わせるようになった。
まずは朝食の準備をして、次にお嬢様と妹様を起こし着替えを手伝う。
そして二人の朝食の後片付けが終われば、次は洗濯。さらにそれを終えると館の掃除が待っている。

私は床掃除を終え、窓を拭いていた。お嬢様が言うには、清潔感を保つことが重要らしい。昔は日光が入りやすいと困るのではないかと思っていた。
空は快晴で絶好の洗濯日和だった。太陽の光が窓を通して私にかかる。
視界の端で何かが光った。そちらを見ると私の左手が光っていた。掃除の手を止めて左手で光るものを見る。
左手を胸の前に持ってくる。それは指輪だった。小さな銀の指輪が煌めいていた。

彼からもらった特別な指輪が煌めいていた。

======================================================================

彼との出会いはもう五年も前になる。

人里への買い物の帰り道で倒れている彼を見つけたのだ。服はボロボロで彼自身も怪我をしていた。妖怪や妖精にやられたのだろう。
そのまま放っといてもよかったのだが、どうせならばと連れ帰ったのだ。
目を覚ました彼は「ここは一体何なんだ」と叫び、私はここは幻想郷という隠された地であること、その中の吸血鬼の住む館であること、そしておそらく外来人であろうことを説明した。
彼は随分取り乱していたが、話をするうちに落ち着いてきたようだった。
話を聞くと自宅近くの森で何かに躓いて転び、起き上がったら見覚えの無い場所にいたということだった。

彼は外に帰りたがっていたが、怪我の具合が酷く動ける様子ではなかったので、ここで療養させることになった。
始めのうちは寝たきりと言っても過言では無い状態だったが、薬師の力もあったことから一週間ほど経ったころには、激しくない動きならできるまでになった。
彼は助けてくれたお礼ということで、私の仕事を手伝うようになった。もちろん回復しきっていなかったので簡単なことしかやらせなかった。

しかし体調が良くなるごとに少しずつ難しい仕事も任せるようになっていった。
このころから私は彼のことを意識し始めていた。今どこにいるのか気になったり、私に笑いかけてくれるだけで嬉しくなったりまるで恋する乙女の様だと思ったが、事実その通りだった。


彼の体調が戻りつつあったある日、私は焦っていた。このまま外に帰ってしまったら、もう二度と会えなくなってしまう。そんな気持ちが私を急かしていた。せめてその前に気持ちだけは伝えたかった。
私は真っ直ぐ博麗神社へと飛んだ。やっと着いた時彼が霊夢と話しているのが見えた。
必死に叫んだ。「待って!」彼が驚いた様子で振り返った。

「お願い…待って…。私、あなたに話が…伝えたいことがあるの…」
急いだ所為か、叫んだ所為か、息が上がっていてそれがもどかしかった。
「私あなたのことが好きですっ!だから…だから、外に帰っても私のこと忘れないで!」

涙が溢れそうだったけど堪えた。悔いる気持ちが無い訳ではなかった。でも彼が私を覚えていて、私が彼を忘れなければそれで充分だと思えた。
霊夢が呆れた目をしていたが気にする余裕は無かった。彼の口が動いたから。
恐くなった。「お前なんか」「お前よりも」そんな風に言われたらって。

「帰らないことにしたんだ」

訳が解らなかった。
「帰るのをやめたから、今日は結界の件を断りに来た」
訳が解らなかった。
「な、なんで…」
彼は少しばつが悪そうに頭を掻いて

「俺、咲夜さんのこと好きなんだ」

そう言って私は抱き締められた。
「うそ…」
「嘘じゃない。本当のことだよ」
「ほんとに?」
「ああ。全部本当だ。帰らないのも、君が好きなのも全部本当だ」

そこで私は我慢が出来なくなって、大声で泣いた。
霊夢が迷惑そうな目をしていたが気にする余裕は無かった。とっても嬉しかったから。
彼は泣いている私を落ち着かせてくれた。背中や髪を撫で、耳元で何回も「好きだ」って言ってくれた。私は頷くことしか出来なかった。

それからは今までと少し違う生活が始まった。朝の仕事にお弁当を作ることが追加された。
彼とは違う職場で働くことにした。同じ職場だと気にしすぎて、何も手に付かないからだ。一緒に居られないのは寂しかったが、お嬢様に叱られたくはなかったので納得した。
この幸せな日々がずっと変わらず続くのだと思っていた。

====================================================================

二年前のあの日、私は彼に屋上に呼び出された。その時は「一緒に朝日を見よう」といった、デートの誘いだと思っていた。
屋上に通じる扉を開けた。冷たい空気の中に彼の横顔があった。彼は東の空を眺めていた。

「ごめんなさい。お嬢様方のお世話に手間取っちゃって」
この日は珍しく夜更かしをされて、私もそれに付き合っていたらこんな時間になってしまった。もう夜明けも近い。
「いや、そんなに待ってないよ」
そう言う彼の肌は赤くなっていたが、私は何も言わなかった。
「それでどうしたの?わざわざ呼び出したりして」
「ああ、うん…その…」
彼がこんな風に言い淀むのは珍しいことだった。
「えっと、咲夜とこんな関係になって、三年くらいかな」
「ええ、そうね…」
あの時はいっぱい泣いてしまって、今思い出しても恥ずかしくなる。
「あの時は咲夜から告白したんだよな」
「もう、そんな…」
私の頬も赤くなっていた。

そこで彼は深呼吸して、私のことを、顔を、目を真っ直ぐに見つめてきた。
「だから、今度は俺からだ」
え、と聞く隙もなく彼が何かを取り出した。

「俺は咲夜のことが大好きだ。ずっと大切にする。だから二人で同じ時間を生きていこう」
彼が箱を開けた。それには小さな銀の指輪が入っていた。
「それって…」

「愛してる、咲夜。俺と結婚してください」

その時朝日が箱を照らした。光る銀色が目に入った時、私は涙を流していた。
彼は困ったように笑うと私の左手を持って指にそれを滑らせた。
私は一言だけ返事をして愛しい人に飛込んだ。あの時と同じように私は泣いていて、彼はそんな私の背中や髪を撫で、耳元で「愛してる」と囁いてくれた。私はまた何も言えなかった。
ただあの時と違うのは傍に霊夢どころか誰も居なくて、私と彼だけの時間がここにあったこと。
そして私の左手の四番目の指は、朝日を受けて煌めいていることだった。

=====================================================================

胸の前の左手を見つめる。光が反射して眩しいが、それが幸せに変わっていく気がして心が温かくなる。
彼はもうこの館には居ない。朝早くに里に仕事に行ってしまった。
彼のことを考えるだけでさらに心が温かくなる。この気持ちを知って欲しい。だから指輪に口付けをして、手を組む。
悪魔の狗がこんなこと、なんて考えがよぎるけど

「あなたにこの気持ちが届きますように」

そう、祈った。




今年中に書けて良かった
乙女な咲夜さんが見たくて書いた
でも急ぎすぎ、詰め込みすぎな感じがする




Megalith 2012/06/24


俺の家は人間の里と妖怪の山、そして霧の湖の三方から等しく離れ、若干魔法の森に近い所にある。
見た目こそあばら屋一歩手前だが、雨風はあまり入ってこないし、門前に護符を貼っているため、野良妖怪に寝込みを襲われることもない。
これを作るまでには大分苦労した。取り壊される家からまだ新しい木材をかっぱらい同然に持って行く。博麗の巫女に頼み込んで(賽銭を四桁後半程入れれば一発だったが)護符を作ってもらう。そうこうして何とかここまで整った。

そんな家で小道具を作って里へ売りに出し、飯の種を稼ぐ。この生活を続けて二年ほど経つが、収入が不安定なのを除けば中々いい生活である。
さて、俺は金も稼ぐしそれなりに人付き合いもするが、苦手なのが家事全般である。掃除をすれば物を壊すし、飯は腹が膨れる以外に何もいいところがないものに仕上がってしまう。まあ一人で暮らす分には問題無いと思い、これは放置していた。

しかし、家を作ってから三ヶ月位経った時だろうか。里の祭りに夜店を出して、懐潤いホクホク顔の俺を待っていたのは、これでもかというほど綺麗になった部屋と、当たり前のように佇んでいる青いメイド服の女性だった。

俺はその女性に見覚えがあったが、しかしそれだけにこの状況を飲み込みきれなかった。湖の奥の赤いお屋敷が、まさかメイド長を貸し出した訳ではないだろうと思ったからだ。

「この前のお礼ですわ」

なんでもこれは、この家を作る前博麗神社に居座っていた時に出会った吸血鬼、メイド長の主であるレミリアを興じさせたお礼であるということだった。
あの時俺は、レミリアを普通の子どもと勘違いして、「あぶりだし」やら「かみばん」やら手製の玩具を見せていた。
興味しんしんだったので見せ続けていたら、付き添っていたメイド長に彼女の正体を聞かされゾッとした。俺は幻想郷随一の実力者に子どものおもちゃを見せていたのだ!

しかし、寛大にも「面白かったから許す」と言われたので、その場で持っていた全ての玩具と引き換えに、命を保つことが出来たのである。
全部タダで持っていかれたから結構な損失だったが、まあ命より高いものはないのでよしとしていた。しかし、こんな形で代金を支払ってもらうとは。
レミリアに関してはあまりいい噂を聞かないが、少し評価を上方修正した。しかしまあ、こんな家にわざわざ掃除しに行かせてメイド長を振り回すのだから、相当に我儘なのであろう。
ご苦労様の気持ちを込めて丁重に礼を述べ、名前も知らないのに二人きりというのはあまり居心地が良くないので出ていってもらうように話したら、メイド長は

「はい。では来週また来ます、○○さん」

と告げて、一瞬で姿を消した。
「来週」という言葉に一瞬戸惑ったが、まあ一ヶ月もすれば終わるだろうと予測し、それまでタダで掃除してくれるなら有難いと思い床についた。






それから三ヶ月後、俺は仕事終わりの凝った体を床に投げ出しつつ、メイド長の作る晩飯の匂いに空腹中枢を刺激されていた。

……おかしい。

この時点で初めて疑問を抱いた。
たしか最初の一ヶ月は掃除だけ、それも週一だったはずだ。
それが、それから一ヶ月で週三になり、そのあと一週間経つごとに居る日が増えてきた。

そしていつのまにか、こうして料理を作ってもらうことにもなった。
こうして食卓に立つのは晩飯だけだが、朝起きると彼女のメモとともに(使った食材とかが書かれていた)朝食が置かれているし、昼間に仕事が一段落すると何故か弁当が側にあった。

たまに仕事の手伝いもしてもらっていた。彼女のナイフさばきは一級品で、最近は木の細工をほとんど任せていた記憶がある。
彼女から話題をふられて、仲良く会話していたことも覚えている。今日の天気とか季節の幸とか、そんなありふれたものだったが。

おかしい。いくらなんでも玩具のお代がこんな丁寧かつ健気なものである筈はない。

そう思い、ナイフで大根をみじん切りにしていたメイド長の背中へ問うてみた。

「なあメイド長。どうしてこんなことしてるんだ?」
「お礼だと言ったはずですが」
「いやでもさ、ここまでする理由もさ」
「お礼ですので」
「お屋敷の仕事とか」
「気にかけていただかなくても結構です、お 礼 な ん で す か ら」

有無を言わさず、ぴしゃりと突き放された。これ以上問い詰めるとナイフが飛んできそうだ。
結局今夜はここまでで、いつも通りの美味い晩飯を食べた所で、俺の疑問もうやむやになってしまった。






「と、いうわけなんですがね」

紅魔館の門前。
流石に中に入る訳にはいかないので、古くからこの屋敷に務めているという門番に今までの経緯と事情を話してみた。
彼女は紅魔館の中でも温厚な妖怪であるという話だし、自分の上司たるメイド長の異変だ。「うらやましい」とかほざいていた里の人たちとは違って、きっと真剣に話を聞いてくれるだろう。

「いいんじゃないですか?紅魔館の仕事をサボっている訳でもないですしね」

しかし、この一言だけであっさりと返されてしまった。
その後門番が話す所によると、どうやらメイド長は時間操作の能力を持っているらしく、それで我が家の家事と紅魔館の管理を両立させているらしい。
しかし、そんなハードワークは、たとえ完璧なメイド長とはいえかなりの負担になるのではないか。彼女だってまだ少女の域を脱していない。わざわざ俺の家に出向くより本業に集中したほうがいいのではないか。
尚もめげずに訴えてみると、

「お優しいんですねぇ、咲夜さんも幸せものだ。あーあ、何百年も生きてきたけど、どうして私にはいい人がいないのかなぁ」

それから門番の宿舎らしき所に連れ込まれ、酒を勧められ散々愚痴を聞かされた。
これでも門番する前は中華一の美少女妖怪だったんですよ、それが気まぐれで東欧に渡ってからこの有様です、とか。
随分不満を溜め込んでいたらしい。
これでもかというほど文句を吐き出した後、話題は何故か俺を非難する方向に向かっていった。

「大体ですねぇ、咲夜さんがああまで頑張ってるのに、どうして応えてくれないんですか、えぇ?毎朝食堂の片隅で真剣な目で料理作ってる咲夜さんを見て私はもう胸キュンで辛抱たまらんのですよ?」
「いや、彼女がタダのお礼って言って」
「お礼!? ……あぁ、もう、咲夜さんも素直じゃないというか、貴方も随分と鈍感だというか」
「……はぁ」

鈍感。言われてみればそうかもしれない。メイド長は、彼女は別に無償で奉仕していた訳ではないのだ。彼女は何かを求めていた。それは何か。

「まあここまで言えば分かると思うんですけどね、咲夜さんは貴方のことが」

門番の独演会もそこまでだった。どこからかたくさんナイフが飛んできて、全て門番に突き刺さる。そして倒れたその上に、顔を真赤にしたメイド長が降り立っていた。

「もう、美鈴ったら、何もそこまで言わなくてもいいじゃない、全く」

メイド長は足元の門番をしきりに踏みつけながらそうボヤくと、不意に僕の顔へと向きあった。
彼女は何を望んでいるか。今の宴会で朧気ながら答えは掴んでいる。おそらく門番の方も俺に気づいて欲しくてわざと無理矢理に俺を誘ったのであろう。
そして、俺は答えなければいけない。

「あのっ」
「メイド長」

メイド長が言う前にこっちで言い放つ。こればかりは本人からは言わせられない。メンツがあるのだ。

「いや、十六夜咲夜さん。今後も俺のために、俺の家で家事をしてくれないか」
「あっ……」

告白にしては中途半端な言葉であったが、どうやら咲夜さんには伝わってくれたらしい。顔中に喜びと赤色が満ち満ちている。大輪の花が咲いたようなその笑顔に、俺もまた微笑んでしまう。

「初めて……初めて名前を呼んで下さいましたね」
「あはは、まあ、すいません。あんなに甲斐甲斐しくやってくれていたのに、そっけなくしてしまって」
「いいですよ。今ので十分お釣りが来ます」

ああ、なんて優しいんだろう。咲夜さんとしては一刻も早くこうしてほしくてたまらなかったろうに。無下にしてしまったのが申し訳ない、というより少し恐ろしい。
こうしてタガが外れたのだから、彼女は今まで以上に俺と接近してくるだろう。四六時中咲夜さんと付き合っていくことになるかもしれない。
でも、それでもいいだろう。彼女が不本意にそうしているわけじゃないし、何より俺も、彼女といると心の隙間が埋まっていくように感じるからだ。
どうやら、気づかない内に彼女を好きになっていたみたいだ。

「さて、とりあえず、行きましょうか、我が家に」
「ええ、行きましょう、我が家に」

さっきの宴会で腹は膨れているが、ご飯をつくってもらう以外にも、やることはたくさんある。
先ずは、今までの埋め合わせだ。精一杯一緒にいてやろう。
俺は咲夜さんと手を握って、星があふれる外へと飛び出した。









(咲夜さん、うまくやったみたいですねぇ。ま、しばらく私がメイド長代理ですか。懐かしいですねえ、先代に『チャイナ萌』とか言われて勝手にメイド長にされたこととか……)


ピクリとも動かない門番の亡骸から、何やら幻聴が聞こえてきたのだが、まあ気にするほどのことでもないだろう。




素晴らしいスレとサイトを見つけたので、激情の赴くままに。
ちょっと短いかもだが、そんなことは気にしない。気にしないったら気にしない。


Megalith 2013/05/06



雨が強くなってきたわね……

どうしようかしら、これじゃあ空も飛べない

お夕飯のおかずもビチャビチャになってしまうわ



あら、私に何か用?

……その傘を貸してくれるの?



それは悪いわ、代わりにあなたが濡れてしまうもの。

私は大丈夫よ。これくらいで風邪を引いたりなんか……あっ、コラっ! 待ちなさい!




……はぁっはぁっはぁ

貴方、ずいぶん足が速いのね

時を止なかったら見失ってたわ

ほら、貴方の傘よ。もう濡れちゃってるみたいだけど、無いよりは……

えっ? ココが貴方の家なの?

ずいぶん変わった家なのね。ブタさんのお家みたいだわ

……幻想郷に来たばかりでこんな小屋しか用意できなかったの?

そう。貴方は外来人だったのね

よく見なくてもこの傘、外の世界の物だものね

自分のことだけでも大変なのに人助け? めんどくさい人

そのような人に、幻想郷で長生きすることはできませんよ

あぁ、この傘借りていきますね。

……何故かしら、どこかで見たことある傘ね

というか貴方、どこかで私と会ったことない?

まぁいいわ。後日返しに来ますので、では

……すみません、言い忘れるところでした



私の名前は「十六夜 咲夜」です。親切にしてくれて、ありがとうございます






こんにちは、○○さん。昨日はありがとうございました

……えっ? なぜ貴方の名前を知ってるのか、ですか?

それは……あれ? なぜだったかしら

あぁ、思い出しました。傘に名前が書いてありました。自分で書いたのを忘れていたのですか?

自分の持ち物に名前なんて、なんだか子供みたいで可愛いですね


……失礼しました。恩人に向かってこのようなことを

なぜか○○さんの前だとつい気が緩んでしまって

思い返せば昨日もずいぶん失礼なことを言ってしまいました。申し訳ありません

それともう一つ謝らなければならないことが……

○○さんの傘を壊してしまいまして……本当に申し訳ありません

礼と謝罪の代わりにこれを受け取ってください

あまり良い宝石ではありませんが、売れば今の百倍くらい大きなお家を建てられるお金にはなると思いますよ

これでお腹いっぱいになるまでご飯を食べてください。一流の料理人も独り占めできますよ

……受け取れない? 遠慮なんていらないのですよ。これはお礼ですから

時を止めるくらい忙しいので、私はこれで。さようなら、○○さん





あら、またお逢いしましたね、○○さん

この前のことですか? 急に消えた?

そういえば説明していませんでしたわ

私は時を操る程度の能力を持ち合わせておりまして……もうおわかりですね?

ところで……その手に持っている宝石は、以前私が渡したものですよね?

……返しに来た?

ですから、それは以前○○さんが私にしてもらった親切に対しての当然の応酬でして……

貴方は他人に好意を押しつけるくせに、他人の好意は受け取れないと?

呆れた。貴方は昔か……じゃなくて……少しイライラしてきたわ

何度も言うけど、それはもう貴方の物。貧乏人から頂く物なんて無いわ

それじゃあ、私は忙しいので、これで

……ご飯、たくさん食べてね





こんにちは、○○。以前よりも体がやせてる様に見えるのだけど気のせいかしら?

貴方、ちゃんとご飯食べてるの? 食べてないでしょ!?

まったく。食事は生活の基本よ? せっかくお金の代わりになる物渡したのに、何考えてるんだか

ほら見て、あそこのお蕎麦おいしそう。一緒に食べましょう!

おごりだからお金は気にしなくていいわよ。……気にしなくて良いってば

ほら、行くわよ……行くの! 行きなさい!!!




ふぅ……なかなか良いお蕎麦だったわね。貴方もそう思うでしょう?

私もお蕎麦作ってみようかしら。そしたら貴方にも食べさせてあげるわ

私はこれから市場の方までお買い物に行くのだけど貴方、予定は?

傘作り? もしかしてあの傘も貴方が作ったのかしら

昔好きだった子からもらった傘? そうだったの



…………………………………………………………………………好き? もらった?



……いえ、何でも無いわ

ごめんなさい。そんな大切な傘を壊してしまって

いつかちゃんとお詫びを……もう十分?

そんな……思い出の品を壊してしまったのに、たった蕎麦一杯でお返しなんて……

そうだわ。貴方、いつもお腹空かせてそうだから、お昼のご飯を炊いてあげる

家のオカズ、いつも余っちゃうからそれ持ってきて料理するわ

ねぇ、いいでしょ? いいわね? はい決定ね!

明日からお昼は食べちゃだめよ。お腹空かせて待ってるのよ、いいわね?

あら、いけない。早く帰らないとお嬢様が起きてしまうわ

私はもう行くわ、○○。傘作り、頑張るのよ。また明日!





ふふふ~♪ 来たわよ~○○

あら、ブタご……お家がだいぶ綺麗になってるわね。私に気を遣ったのかしら?

でも、まだまだね。お掃除の仕方がまるでなってないわ。やっぱり男の人ね

機会があれば、私が手取り足取り教えてあげるわよ?

っと、今はそんなことよりご飯よね。お腹空いてるでしょ? すぐ支度するわ

えっ? 何を作るのか……ですか?

そうね……ビフテキ、ポークソテー、リエットにビーフシチュー……

生姜焼きにビフテキトンテキハンバーグロールキャベツビフテキ酢豚にトンカツ餃子ビフテキetc……

思いついた肉料理全部作るわ。男の子ならこれくらい余裕でしょ?

なに間抜けな顔してるのよ。台所、借りるわね




………………………………………台所、無いじゃないの!!!






こんにちは、○○

見て、今日はお弁当を作ったのよ。一緒に食べましょう!

なかなか良くできたと思うのだけれど、どうかしら?

……肉ばっか? 今の貴方にぴったりじゃない

あっ、こっちの分が私のね。……そっち?

嫌よ。そんな肉ばっかのお弁当、不健康だし太っちゃうわ

で。どうなのよ? おいしい? まずい? どっち!?

おいしいの? それは良かったわ! 遠慮無く全部たべてね。

米一粒でも残したらサボテンにしちゃうわよ。わかった?

……うん、わかったならよろしい。

物わかりの良い子には、ご褒美に私の分も分けてあげるわ。はい、あ~~ん





こんにちは、○○。今日もお弁当を作ってきたわよ

毎日牛肉豚肉じゃあ飽きると思って、たまには鶏肉を……

……どうしたの、○○。もしかして鶏は嫌いだった?

……毎日お弁当を作ってもらって申し訳ない?

だから気にしなくていいって言ってるじゃない。これは恩返し……じゃなかった

貴方の思い出の品を壊してしまったお詫びなんだから

結構だなんて言わないでちょうだい。私の気が済まないのよ

ほら、見て、この唐揚げ。美味しそうでしょ? ねっ? 食べていいのよ!?

ねぇ……お願いだから……



……………………………………………………………………………………



あのね、○○。私ね、昔のことはよく覚えてないの

自分がどこで育ったのかとか、どんな人達と一緒に暮らしていたのかとか

私、頭悪いから。お嬢様にもよく叱られてるわ

でもね、少しだけ覚えてることがあるの

私はね、昔から何でも自分の中にしまい込む性格で

どんな嫌なことがあっても、辛いことがあっても

顔に出さないようにして生きてる意地っ張りだったわ、たぶん

それでね、私、小さい頃、よくお腹を空かせてたんだけどずっと我慢してた

そんな私にお菓子を何も言わずに分けてくれる親切な人がいたわ

その人はぶっきらぼうでね、こっちから近づくと、すぐ離れていっちゃう照れ屋さんで

お腹空かせてるときに、お菓子をたくさん食べさせてくれたわ

お腹がいっぱいになると、凄く幸せな気持ちになれた

私、その人に恩返しがしたかったのだけど

どうしてもその地を離れなくちゃいけない事情ができてしまって

結局、最後の日……雨だったのだけど、その日に傘を押しつけるくらいしかできなかった

その人の名前、忘れちゃったんだけど、なんとなく子供になった○○に似ている気がするの

だからね、あの人の代わりに、○○にお腹がいっぱいになる幸せをあげたかった

……ごめんなさい。迷惑だったわよね。私の自己満足につきあわされて

本当に今まで何考えてたんだろう、私ってば。どうかしてましたわ

もうここには……来ないことにします

今まで私のワガママにつきあってくれてありがとう、○○。凄く幸せだったわ





…………………さようなら














……こんにちは○○さん、お久しぶりですね

私に何かご用ですか?

……売りたい物がある? なんでしょうか?

これは首飾りですか? 失礼ながら、あまり出来の良いものではありませんね

手作りですか。まぁ、貴方にしては上出来なのではないでしょうか

努力は認めますが、正直こんな不細工な装飾品、いらな……

……ここについてる宝石はもしかして、以前私が渡した物ですか?

まだ持っていたのですね。早く売ってしまえばいいものを

……私に買って欲しいのですか。金額はいかほどご所望で?

咲夜ですか、分かりました。その程度なら……………………




………………………………………………………………………………はい?






……あぁ、そういえば言いましたね。一級の料理人を独り占めできると



ふふふ………………


ダメですよ………………………



お弁当も……………………もう作ってあげません…………




どうしても私の料理が食べたければ………我が主の館……紅魔館までいらしてください




そうしたら存分に……料理を……振る舞いましょう………






……………………………………………………………………………………………………








………アアア…………私の顔………見ないで…………………………



…………………ヒドイ……………男の人に…………泣かされた……………




…………………………お嬢様に言いつけてやる………………………




………………………………………………………………………………………





……………………………………………………………………………………………………










…………………………………………………うえぇ………ひっく…………ううぅ……うええぇえぇぇぇ……

















ねぇ、○○。紅魔館で執事として働く気はないかしら?

紅魔館に住めば、今の千倍良い部屋で寝られるし、おいしいご飯がいつでも食べられるし

可愛い女の子ともずっと一緒にいられるわよ?

休日は無いし、危険も多いけど、ブタ小屋で傘張ってるよりはずっと楽しいはずよ

お嬢様も「咲夜の気に入った男なら大歓迎!」と、言ってくれましたわ

ねっ? 良いでしょう!? うん、こっちの方が良いに決まってるわね! 決定よ!!

ほら、何ボサっとしてるの、引っ越すから早く荷物をまとめてきなさい! 善は急げ、よ

モタモタしてるとお嬢様の起床時間に間に合わなくなるわ





…………………ねぇ、○○

やっぱり私たち、昔どこかで会わなかった?



35スレ目 >>315


レミリア「咲夜、紅茶」

パチュリー「咲夜、パジャマ」

フラン「咲夜!プリン!」

小悪魔「咲夜さんのパンツ高く売れました」

美鈴「zzz…フガッ!?ね、寝てませんよ!?い、今のはそのあの」

咲夜「ゲッソリ」

咲夜(時を止めてまでお洗濯やお掃除してるのに誰もその苦労をわかってくれない…)

咲夜(いくら普通の人間よりも強いといってもジャック・ハンマみたいな矛盾した生活送るのはそろそろ限界…)

咲夜(私だって、普通の女の子なのに)

僕は知ってるよ
ちゃんと見てるよ
頑張ってる君のこと
ずっと守ってあげるから
君のために歌おう

咲夜「!」
○○「ω・)」

当たり前と言うけど
当たり前じゃない
頑張ってる君のこと
ちゃんとわかってあげたいから
君のためのラブソング

咲夜「!!」
○○「( ・ω・)b」

君という草原に
僕という風がふくよ
道をつくろう
道をつくろう
二人で素敵な道をつくろう
ラーラーラー ラーラーラー

たまには会えない日もあるけど
寂しがりやな君だけど

たまにはけんかもしちゃうけど
すぐに泣いちゃう君だけど

○○「咲ちゃん、ホントは泣き虫やんな」
○○「咲ちゃん、ホントはもっとお出かけしたりしたいもんな」
○○「だってまだ咲ちゃん女の子やもん」

僕は知ってるよ

咲夜「(´;ω;`)」ブワッ
咲夜「わだっわだじ、がんばっでるのに、みんな、みんなぁ」ポロポロ

ちゃんと見てるよ

咲夜「むねっ胸だって、まだ、こっこれから、絶対、うっううっ」ポロポロ
○○「よしよし」ナデナデ

頑張ってる君のこと

咲夜「わだじ、わだじのこど、わがっでぐれるのっ、○っ○○だげぇ。゜(゜´Д`゜)゜。ふぁっふぁぁぁぁん!!」
○○「大丈夫、みんなわかってくれるよ」

ずっと守ってあげるから
君のために歌おう

僕も君もいつか
老いていくだろう
おじいちゃんおばあちゃんになっても
ずっと守ってあげたいから


君のためのラブソング


君のために歌おう








咲夜さんのスポブラ売ってください小悪魔先輩


35スレ目 >>353


咲夜「寒いわ◯◯、暖をとって頂戴」
「かしこまり。紅茶にします?コーヒーにします?…それとも、わ・た・s
咲夜「紅茶」
「かしこまり」

~5分後~
ポッポ

咲夜「でも熱すぎるのは苦手なの…」
「fmm…これは口移しですね」
咲夜「そうね」ニコー
「えっ」

予想外にも彼女は、流され覚悟の冗談に俄然一笑して諾なった。

咲夜「何よ…ほら、早く飲んじゃって」
「いや、自分で言っておいてなんなのですが…俺も猫舌なんですけお」
咲夜「そんなのとっくに承知の助ですわ、猫舌の温度管理は猫舌にしか務まりませんことよ///」エンジェルスマイル

私はもっともらしい彼女の考えに舌を巻いた。文字通り私の猫チックな舌を巻いた。
ぐうの音も出ない私をよそに、彼女は天使のような笑顔を輝かせながら何を思ったか淹れたて熱々ティーポットの持ち手を握った…おおよそ察しはついた、全くやらんとせんことは悪魔である。

咲夜「はい、あーん♡」
ジュッ
「ア"ァ"ァ"‼︎」

注ぎ出た紅茶が唇にHit!
自分で丹精込めて蒸らした紅茶が、強酸薬品よろしく液状の兵器のようであった。
その瞬間脱兎の如く駆け出す俺。

しかし回り込まれてしまった!
考えてみればこの人から逃げれるはずもなかった…
それどころか気づけば顎を抑え口をこじ開けられており、私のマリアナ開口に灼熱紅茶が注がれる一歩前、マジで火傷(ケガ)する二秒前であった。

「くひうふひ(口移し)とかなな(生)言ってふんまへんひた、あから許ひてくだはい…」
咲夜「なんのことかしら?」ニコニコ

割といつものことだが、彼女は天然なのかガチでお灸を据えにかかってるのかわかりづらい。
彼女は依然莞爾として笑いながら、とうとうポットを傾けた。

「ぎゃああつい焦げる!胸が焦げるように熱い!」
咲夜「あら、ベタな口説き文句ですこと///」

幾ら咲夜を愛しているといってもこれは堪る、どんなクリスチャンだってこの拷問を受ければ「愛さえあれば関係ないよねっ!」なんて口が裂けても言えなくなることだろう。
愛があろうと心頭を滅却しようと熱いもんは熱いのだ。
ポジティブに考えたらちょっとハードなSMと思えなくもないが、まあ幽明の境を往復までしたご褒美にしてはちょいと軽すぎだろうし、本来のご褒美といえばこの後の口移しタイムだろう。
飴と鞭とはよくいったものだ、なんにせよ今はこの鞭を我慢…あれ、やっぱSMじゃん。

咲夜「そろそろ頃合い?」

熱さのあまりしゃがみこんでるところをひょこっと覗きこんできた、このままやられっぱなしなのも不公平だと思い、俺は仕返しと言わんばかりに、まだ口の中の紅茶が冷め切っていないまま唇に接吻をしてやった。

咲夜「っ~!///」

彼女は驚きはしたものの嫌がるそぶりは見せずされるがまま、二人の唇の隙間から紅茶が漏れて線を引き、首筋をつたって服を濡らす。
横顎から紅茶が滴るがそんなの御構い無しに互いの口唇を重ね続けた。
あまりの幸甚幸福に、舌のひりひりもなにもかもどうでも良くなったのであった。

はぁ、なんで幻想郷で産まれなかった俺…

35スレ目 >>398


 >>398に咲夜さんといちゃいちゃしたい
咲夜さんに手玉に取られて遊ばれたい


○○「>>398を取れましたね」
咲夜「また語呂合わせ? さくや=398なんてネタ、お嬢様が使い古しているわ」

○○「わかってないなぁ~。イチャスレの>>398を取るのが貴重なんですよ」
咲夜「ふーん。普段の私じゃ足りませんか?」

○○「わかってないなぁ~。咲夜さんが居るから、>>398に意味が生まれるんですよ」
咲夜「ふーん。>>398が他の方のイチャなら価値は無いと?」

○○「……」
咲夜「……>>398じゃ無い私はお嫌いですか?」

○○「……大好きです」
咲夜「はい。>>398ゲットおめでとう」




天抜き 女中床銀鋏蜜言(めいどかみきり はさみのささやき) (避難所>>72-79 うpろだ)


 ※天抜き…とりあえず「絵のない4(±α)コマ漫画」的なものとお捉え下さい


1.鈍いんだから

 咲夜「そういえば○○、明日は貴方お休みの日よね」
 ○○「うん、里の床屋に行ってこようかと思って。流石に伸びすぎてるし」

 咲夜「……そうね。ところで私、ナイフだけじゃなくてハサミや剃刀の扱いも心得があるのよ」
 ○○「へえ、そうなんだ」

 ○○「…………」
 咲夜「…………」

 ○○「……咲夜、さん?」
 咲夜「――もう、一緒にいる時間を減らしたくないから私が切ってあげる、って言ってるのよ」
 ○○「え、ああ! ……じゃあその、お願いします」


2.たぶん漫画か何かの影響

 咲夜「ここが紅魔館の理容部屋よ」
 ○○「こんなところあったんだ……」

 ○○「姿見をずらすと……洗髪台まである!」
 咲夜「河童に発注した突貫工事だけど、なかなかよくできてるでしょう?
     一人分のスペースしかないけれど」

 咲夜「お嬢様の思いつきで作った部屋なの。もう使ってないけれどね」
 ○○「こんなに立派なのに?」

 咲夜「メイド妖精が何人かベリーショートになったわね。
     それだけの犠牲でお飽きになられてよかったわ」
 ○○「切る側!?」


3.形から入る

 咲夜「じゃ、ちょっと外に出てて」
 ○○「え」

  バタン
 ○○「あれ、咲夜さん? おーい」

 咲夜「――いいわよ、ノックして入ってきて」
 ○○「は、はーい」
  コンコンコン

  ガチャリ
 咲夜「いらっしゃいませ。イザヨイ理容室へようこそおいでくださいました」
 ○○(『ごっこ』だ! それもすごく本格的な!)


4.今日のご注文は?

    ファサッ
 咲夜「クロスをかけて、と――
     お客様、当店は初めてでございますね。
     切り方はどのようにいたしましょうか?」
 ○○「ええと――」

 ○○「! そうだ、今お付き合いしてる人がいるんですよ。
     美人でかっこよくて強いけど、すごくかわいい人で。
     ちょうどお姉さんにそっくりな人なんです。
     その人にもっと好かれそうな髪型を見繕って、仕立ててくれませんか」

 咲夜「…………かしこまりました。ではモヒカンですね」
 ○○「ええっ!?」

 咲夜「冗談です。では『いつもどおり』に」
 ○○「びっくりした……初めてのお店なのに『いつもどおり』があるんですか?」
 咲夜「ええ。その女性の好きな『いつもどおり』、似ている私にはよくわかっておりますわ」


5.まだまだ先の話

 咲夜「まずは霧吹きで髪を湿らせて――」 
    シュッ シュゥッ

 咲夜「櫛を入れながら、頭髪の状態をチェックしていきますね」

 咲夜「……白髪、ありませんね」
 ○○「いや、さすがにまだそんな年齢じゃないですから」

 咲夜「お揃いの髪色とか、いいと思いません?」
 ○○「咲夜さ……お姉さんのそれは白髪じゃなくて銀髪でしょう」


6.嬉しさ半分、照れ半分

    シャキシャキ シャキッ シャキシャキシャキ…
 ○○「ハサミ、音もリズムもすごく心地いいですね」
 咲夜「ふふ、手入れと練習は欠かさずにいますから」

 咲夜「ところで、何て呼んでます? お付き合いしてる女性のこと」
 ○○「普通に名前で――」
 咲夜「いえいえ、その人のいない、
     例えばこんな風に外で髪を切ってもらいながらの雑談の中で」

 ○○「そもそもあんまり吹聴するようなことはしないけど……
     恋人、かなあ。強いて話題に上げるとすれば」
 咲夜「………………」

 咲夜(恋人、こいびと、コイビト……)
 咲夜「うふふ、そうですか」
    シャキシャキシャキシャキシャキシャキ
 ○○(精密だけど高速モード
     ……咲夜さん的にはあり、だったのかな?)


7.シャンプーの必要性

 咲夜「最初から洗面台にうつ伏せでのやり方もありますが、
     今日は流すまでは座った姿勢のスタンドシャンプーで」

 咲夜「薄めたシャンプーは使わず、霧吹きで十分濡らしてから
     手でよく泡立てたシャンプーを馴染ませていきますね」
 ○○(あ、覚えのある匂い……そうか、咲夜さんも使ってるシャンプーなんだ)

    シャワシャワ コシュコシュ
 咲夜「お客様、けっこうその……野性味のある髪質になってますけど
     ふだんどのようなシャンプーを?」
 ○○「あー、えーとですね……」

    サコサコサコサコサコサコサコ
 ○○「住み込み先の男湯なんですが、髪があるの自分だけで――
     なんか気が引けるので頭も石鹸でまとめて洗ってます」
 咲夜「あぁ……ホフゴブリン――いえ、同僚の方は気にしないでしょうし、
     恋人さんにシャンプーを分けてもらった方がいいと思いますわ」


8.かゆいところ

   コシ コシ コシ コシ
 ○○「……個人的には、頭を洗ってもらうのが散髪で一番気持ちいいところだと思ってるけど」
 咲夜「はい」

   カシカシカシカシ
 ○○「……これまでの人生で通ったお店よりも、今が一番気持ちいいかも」
 咲夜「ふふ、光栄ですわ。――かゆいところはありませんか?」
 ○○「大丈夫です……」

   カシュカシュカシュ シャカシャカシャカシャカ
 ○○「………………」
 咲夜「………………」

 咲夜「すみません、ちょっと背中がかゆいので掻いていただいてもいいですか」
 ○○「え? あ、はい」
 咲夜「服の上からで結構ですので」


9.心にもマッサージ

 咲夜「――シャンプーを洗い流した後は、頭皮や首、肩や背中を軽くマッサージしていきます」

   ギュッ ギュッ ギュウ
 咲夜「お客様、なかなか凝ってますね」
 ○○「あー……すごくよく効く……けど」
 咲夜「? 力加減強すぎましたか」

   トン トン トン トン トトトトトト……
 ○○「――なんと言ったらいいか、申し訳ないような気持ちになって」
 咲夜「あらまあ、何かと思えば」

   ギュムギュムギュム ポン ポン ポン
 咲夜「お客様が見えるところでも見えないところでも頑張っていらっしゃること、
     ちゃんと気付いている人がいるはずですわ。――だから心置きなく、癒されてくださいませ」


10.※床屋さんごっこ一時中断

  咲夜「それではシェービングを――あら、お嬢様に妹様」
  ○○「これはレミリア様、フラン様、このような恰好でなんとも失礼いたします」
レミリア「いやいや、気にせずそのままでいい。何だか面白そうなことをやってると聞いたんでね」
 フラン「やほー」

レミリア「顔剃り、というやつね。男の人が剃刀で顔を剃られるの、実際に見るのは初めてだわ」
 フラン「お父様はお髭伸ばしてなかった?」
レミリア「気が向いたときに手入れはされてたようだけど、
     従僕に任せたか御自分でか、少なくとも私の前ではなさらなかったわね」

レミリア「というわけで、後学のためにフランと見物させてもらうわ。
      睦まじく過ごしているところ申し訳ないけれども」
  ○○「いえいえ、こんな顔でよろしければ」
  咲夜「お嬢様方にもお楽しみいただけるように腕をふるいますわ」

  咲夜「○○も、顔剃りが散髪で一番気持ちいいところだって言ってたわよね?」(ばちこん☆)
  ○○「……! ええ、ええ! ピカッピカにしてください!」


11.館みんなの愛読書

   サリサリサリサリ
  ○○「んー、いーい! よく研がれてますね。きもちいいです!」
  咲夜「それは……よかったですね……」
   サリサリ サリッ

  ○○「トレビアンですよ、ト・レ・ビ・ア・ン! あごの下も頼みますよ」
  咲夜「はい……あごの下……ですね?」

  ○○「…………」
  咲夜「…………」
レミリア(どきどきどき)
 フラン(わくわく)

  咲夜「――――『あごの下』だなッ、○○ッッ!!」
  ○○「な、なにぃーっ!!」
レミフラ「「きゃ~~~~~~っ♪」」


12.信頼してはいるけど

  咲夜「さ、あとは仕上げと後片付けだけですから、おやつの時間をお待ちくださいまし」
レミフラ「「はーい」」

  咲夜「シルバーブレード、久しぶりに出したわ。……ありがとう○○、ちゃんと察してくれて。
      でも驚く演技こそしっかりするけど、首に剣を近付けられても怖がらず落ちついてるのね」
  ○○「それはまあ、咲夜さんを信頼してるから」

  咲夜「ふふ、ありがと。でも上手く剃れてよかったわ」
  ○○「練習の成果かな」

  咲夜「――ううん、髪を切るのは妖精メイドで実践済みだけど、
      ホフゴブリンたちは髭がないし、剃るような相手もいないからイメージトレーニングだけだったの。
      うん、初めてにしてはなかなかのものね」
  ○○(どちらかというとそれを聞いた今の方が怖い……)


13.預けるのは髪のみならず

 咲夜「はい、できあがりでございます。おつかれ様でした」
 ○○「――ありがとう、咲夜さんのおかげですごくさっぱりしたよ」

 ○○「今度何かお返しできればいいんだけど、さすがに髪を切る技術はないし。
     それでなくても、女性の髪を扱うのはちょっと畏れ多いなあ」
 咲夜「あら、私は○○になら髪を預けられるわよ。
     そうね、じゃあこの三つ編み、今度○○にやってもらおうかしら。
     一からきちんと、やり方教えてあげるわ」

 ○○「うーん、それでも全然やったことないし、責任重大だなあ。
     毛糸か何かでしばらく練習してから――」
 咲夜「だぁめ」

 咲夜「初めても、練習も、失敗も、上達も。私でしてくれなきゃ、だめなんだから。ね?」
 ○○「………………うん」


END


あとがき:
バイノーラル録音で制作された、頭を洗ってもらう音声作品が好きです。

本来『天抜き』というは、『天ぷら蕎麦の蕎麦抜き』の略称、
温かなつゆに天ぷらが浸った、蕎麦屋さんで一杯飲るときの肴的なメニューです。

「『絵のない4(±α)コマ漫画』的なもの」の呼称としての『天抜き』は、
自分が初めて二次創作というものに触れた頃に出会った、
とある個人の方のSSサイト(非東方)で使われていたものです。
今回は、イチャスレでその呼称と様式を拝借させていただきました。


避難所>>193



東方レビュー

○○への評価
※この中で○○に最も気がありそうな人物を答えよ(配点8点)


霊夢…4/10。里の人の評判もいいみたいだし悪い人じゃないけどなぜかいつも飴くれる。小さい子どもとかによく飴あげてるみたいだから私もその範疇にいれられてる気がしてて納得いかない

チルノ…10/10。ログボ、飴くれる、たまに2個くれる。最強。ま、あたいのほうが最強だけどね

慧音…8/10。たまに寺子屋の仕事を手伝ってもらっている、助かってるよ。若干趣味が子どもっぽいとこがあるが寺子屋の子たちとよく話が合うし人気だよ、飴もくれるし。あとこれは秘密にしておいてほしいのだが「飴を餌に子どもに近づく不審者が出没しているらしいので注意」のプリントを配ったことがある、○○だと気づいたのは随分あとだ。ほんとにすまないと思っている

魔理沙…6/10。めっちゃいいやつ。魔法の実験によく付き合ってもらう。この前もやばいキノコくわせたけど笑って許してくれた、ずっと笑ってた。笑うとちょっとキモいと思うから他の人の前では笑わないで欲しいのぜ…あとなぜか私には私から言わないと飴くれない

早苗…4/10。あーっ「飴の人」ですね。いい人ですよいろんなイベントとかでもお手伝いしてるみたいですし。でも人が良すぎるというか、いつも飴くれるんですがわざわざ私の好みの味の飴用意してくれてたのはさすがに気が引けるというか…あとなんでいつも飴持ち歩いてるんだろうって不審感も…飴配ってる不審者の話も最近あったので…

鈴仙…2/10。ヤバい。飴中毒患者。のど飴とかトローチについては引くほど詳しい、「そのうちガンにも効くようになる」とか言ってる、絶対飴の売人。たまに診療所で師匠と会ってる、なにしてるか知らないけど怪しい飴作ってると思う。最近診療所のカウンターに飴を置き出した。ヤバい。

永琳…1/10。口の中が乾燥すると体調悪くなりやすいからね~ほらただでさえ「ちょっと体調悪いくらいで病院行けない」とかいう人いるじゃない?自らできる手短な薬膳的なものが広まったら予防が強まるってあの人の考えは割りと効果的だと思うのよね。それはそれとしてあの人飴中毒だからきちんと病院通わせないと、薬苦いとか錠剤飲めないとか言うのは大減点

咲夜…0/0。全然駄目。趣味子どもっぽすぎる。いつも飴食べてるし飲み物いつも炭酸飲料。あと飴噛み砕いてる、飴の意味わかってる??一緒に買い物とか行った時も家電とか『欲しいなー』とか言いながら買わないくせに何十分もウロウロしてて、『今日は別に買うものがあったんじゃないの?』って聞いても動かなくて結局買わない。飴食べ過ぎ。
食べ物に対しても「もうちょい甘い方が好み」とか平気で言う、最低、ホント最低。チョコ作ってやるんじゃなかった。飴の食べ過ぎで舌おかしいと思う。いや舌おかしいからあんな飴貪ってるのかしら
あと面倒見いいのはわかるけど妹様と遊んでるときデレデレしすぎ。いやデレデレじゃないのかもしれないけどなんか笑顔すぎ、そういう趣味だと思われるからやめたほうがいいわよただでさえ飴で好感度ブーストかけてるんだし私といる時はそんな顔しないんだから余計に
あとさあとさパチュリー様のとこにもよく来るけどさ、なんでいつも魔理沙の変な研究に付き合うわけ??そんなことしてるからパチュリー様に助けに求めるハメになるわけでしょ??え?アリスのとこにも命蓮寺にも行くことがある??…ふーん…ふーん??
あと!お嬢様にも!あのねぇ!元々飴をお嬢様が欲してるって話で紅魔館に呼んだんだからわかるけどねぇ!……(ry


避難所>>516


◯◯「ちょっと遠いんですが、パスタ食べに行きませんか」
咲夜「行かない」
◯◯「そうですか…」

咲夜「ねぇ」
◯◯「はい」
咲夜「もうちょっと粘って誘いなさいよ」
◯◯「えぇ???」

◯◯「パスタ食べに行きませんか」
咲夜「だから行かないってば」
◯◯「そうですか……」
咲夜「…」

咲夜「ねぇ!!」
◯◯「なんスカもぉー!」


避難所>>898-899


咲夜さんが運転免許取ったんで〇〇を乗せてドライブに行ったら、あまりの自分の運転の下手さに
(〇〇って実は運転上手だったのね…)って今までのドライブデートに思いを巡らす咲夜さんと
「ハアっ!?急に割り込んでんじゃねーわよウィンカーぐらいつけろ〇ろすぞ!!」とか人格変わったみたいにデカい声出す咲夜さんに
びくついてる〇〇

899:2024/04/11(木) 22:33:18 ID:pKHxsDXU
 >>898
数年後
「ねー、なんで車の運転はいっつもお父さんがするの?」と子供に訊かれ
「お父さんの方が運転上手だからよ」って優しく答える助手席の咲夜さんと
(教育上の配慮もちょっとあるんだけど触れないでおこう)と思いつつ
「そうそう、父さんが母さんより上手くやれる数少ないことだから」って笑顔で相槌打つ○○
そんな光景を幻視した


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最終更新:2024年08月25日 22:53