レミリア3



3スレ目 >>154


「レミリア! 俺と結婚してくれ!」
「・・・そう。ならば吸血鬼の『花嫁』にしてやろう」
「本当か?! よっしゃ・・・え、花y(ぢぅぅぅぅぅぅぅぅぅ」
「不味いわ。咲夜、どこかに捨ててきて」

───────────────────────────────────────────────────────────

3スレ目 >>463


レミリアお嬢様に献血のため部屋に行く。

 「あら、やっと来たわね。でも、最近ずっと首筋からしかもらっていないから、少し飽きてきたのよ。
たまには趣向を変えて、ほかの場所からもらってみるのもいいわね。どこがいいかしら。言ってみなさい?」

1・手首
2・耳たぶ
3・指
4・唇

4を選んだ場合
 「……いいわよ。言うようになったわね。でも、私とあなたじゃ背の高さが違いすぎね。
……私を抱き上げなさい。あなたの唇から、奪ってあげる」

───────────────────────────────────────────────────────────

3スレ目 >>596


「レミリア、好きだ」
「100年早い」
「そうか・・・残念だな。俺は100年は生きてられない・・・」
「ならば私の眷属になればいい。・・・100年間、待っていてやろう」

───────────────────────────────────────────────────────────

3スレ目 >>728


「あれ? お嬢様、お出かけですか? お酒持ってどちらに?」
「ちょっとそこまで、ね。サボるんじゃないわよ、美鈴」
「判ってますよ。ナイフは嫌ですから」

 ――キュポン。

「久しぶり。数年ぶり、かしら? 最近来てあげられなくてご免なさいね。アレ、なかなか手に入らなくって」
「……」
「怒ってるの? 心配しなくても貴方の事は忘れやしないわ」
「……」
「でも、貴方も悪いのよ? 貴方があんな無茶な注文してくれるから」

 ――ダバダバ。

「そ、アレ。貴方、コレが大好きだったでしょ?」
「……」
「そうそう。一度無理矢理私に飲ませようとして大変なことになったわよね。あの時のパチュの青い顔ったらなかったわ」
「……」

 ――ダバダバ。

「この前言ってた人間? ああ、咲夜の事? ええ。とっても出来た従者よ。あの子にもいつか貴方のことを紹介してあげるわね」
「……」
「ふふっ、そうね。あの子、きっと吃驚するわ」

 ――ちょろちょろ。

「最近あった面白いこと? そうね……フランに友達が出来たわ。それも人間の魔法使いの」
「……」
「白黒の変な奴よ。図書館から色々くすねてるってパチェがぼやいてたわ」
「……」

 ――ぴちゃん。

「……さて、と。咲夜が心配するといけないから帰るわね。丁度お酒も切れちゃったし。次が何時になるかは判らないけど」
「……」
「じゃ、またね。――私が大好きだった人」



 ――俺の事はあの酒が手に入った時にでも、思い出してくれればいいから。
 ――馬鹿ね。忘れないわ。ずっと、これからも。

───────────────────────────────────────────────────────────

3スレ目 >>898


「突然だけど」
「なんだ」

「私はあなたが好きよ」

「そうかい」
「何よその反応、もう少し喜んでよ」
「……悪いが」


「俺は突然夜中に家に押し入って眠い俺を外に叩き出した挙句、
 不夜城レッドで俺の大切な新築ログハウスを破壊するほどのデストロイヤーな吸血鬼から好きと言われて喜べるほど頭は春じゃない」

「つまりは?」
「嫌いってことだ」



「そう。で、今日はどうやって生きるつもり?」
「お前が破壊したんだろ……」
「そうね、責任は取るわ」
「……お前の口からそんな言葉が出るとは意外だよ」
「失礼ね」
「ああ、失礼だ」

「まあ、兎も角。うちは広いから住んでも別にいいわよ」
「無論そのつもりだ、俺が新しい家を建てるまでな」
「決まりね」



「ところで」
「なに?」
「あのぐらいのでっかい洋館なんだから空き部屋の一つぐらいあるよな?」

「無いわよ」

「……じゃあ俺は何処で寝ろと?」
「私の部屋」
「……断る」
「じゃあフランのところで寝泊りする?」
「すみませんでした貴方様の部屋で寝泊りさせて頂きます」



「あ、そうそう。さっきの話だけど」
「なんだ」

「あなたが今嫌いでも、きっと好きにしてみせるから」

「……俺としてはあんまりレミリアと関わりたくは無いんだが」
「ふふふ、そのうちその言葉も言えなくしてあげるわよ」
「それはそれで物騒だな」


一蹴されるのが有りならするのも有りなのかなって思って書いてみた。

───────────────────────────────────────────────────────────

4スレ目 >>23


レミリアへ
ぼく以外の血を吸わないで

───────────────────────────────────────────────────────────

避難所 >>50(うpろだ0027)


「……俺は何しようとしてたんだ?」

 ドアノブに手をかけたところで俺はふと思った。
 っていうかそれ以前の記憶が無い。
 ……記憶喪失か? だとしたら大惨事だ。
 行くとしたら妹様のところか永遠亭だな。

「……あー、そうだ。外に行こうとしたんだっけ」

 しかし、少し考えてすぐに思いつく。
 いやはやド忘れなんてことは俺には無いと思っていたが……世の中は広い。
 ついでに言っておくが、今は夜でここは紅魔館の内側だ。
 この時間帯はレミリアが起きているのでメイドたちも大変らしい。
 まぁそんなことは俺には関係ない。
 で、なんで外に出ようとしたんだっけ。
 ……お、思いだせん。

「まぁ、少ししたら思い出すだろう」

 と楽天的に考えてドアを開けようと押すが―――

「あ、開かないっ!?」

 開かなかった。
 力いっぱい押してもナチュラルな人間である俺に扉をぶち破るほどの力は無い。

「ま、まさか閉じ込められた!?」

 やばい、食料とかためてないぞ? 水は? 暖は? えーと他には……

「そのドアは引くて開けるのよ?」

 狼狽している俺の後ろから呆れた声がしたので慌てて振り向くと、そこにはまぁちっさい吸血鬼が立っていた。
 小さすぎて俺の今までの焦りが嘘の様に消えたほどぐらい。

「悪かったわね、ちいさくて。というか、教えてあげたんだから感謝しなさい」

 勿論発狂している妹のほうではなくて、傍若無人のレミリアのほうだ。

「あはははは、そうだっけ。このドア押すんじゃなくて引くんだったんだなぁ」

 とうとうボケが始まったか。
 畜生、まだ若いのに……。
 とりあえず気を取り直して、本来を目的を達成させるために引いてみようとするが―――

「うお! 開かないっ!?」

 これまたどんだけ力を入れて引いてもびくともしません先生っ!
 もしや鍵が必要とか!? それかレミリアが嘘ついたかなのかっ!?
 お、落ち着け。もちつけ。そういえば餅食べてないなー。
 ……って、違う違う。落ち着くんだ。
 とりあえず辺りを見まわしてみよう、もしかしたらヒントがあるかも試練。
 左よーし。
 右よーs…………元凶発見。
 そしてその極悪な元凶ちゃんはドアが開かない様にドアによりかかってこちらを見ていた。

「なにやってんだお主は……」
「あなたの邪魔」
「……何故?」

 レミリアの理不尽は初めてではないがやっぱり訊きたくなる。
 っていうか理不尽なまますごすごと帰ってたまるか。

「妖怪を舐めちゃ駄目よ。あなたなんてすぐ食べられるわね」

 成る程、俺の身を心配してくれるのか。
 初めて俺に気を使ってくれた気がする。

「食べられたらあなたの血が飲めなくなるもの」

 前言撤回。
 やっぱりコイツは自分勝手な我侭お嬢様だ。
 しかし、どうせ無理やり行こうとしてもレミリアと俺の力の差なんて火を見るより明らかだ。
 この状況は普通に変えるのが得策。

「はいはい解りましたよ」

 外に出る理由も忘れちまったしな。
 俺は踵を返して自分の部屋に戻ろうとした。

「待ちなさい」

 が、やっぱりこうなるとは思っていたがレミリアに呼びとめられた。
 勿論振り向かないのは礼儀的に咲夜さんに殺されるので、仕方が無く振り向いて問う。

「なんで?」
「私が外に出たいから付き合いなさい」
「一人で行け」
「一人じゃつまらないわ」
「じゃあメイド長と一緒に出りゃ良いだろう」
「咲夜は今忙しいらしいわ」
「じゃあ――」
「五月蝿い黙れさっさと行くわよ」

 他の案を出そうとしたら凄い剣幕で止められた。
 そして俺に反撃の隙を与えずに外に出てしまった。
 ……我侭だなぁ。
 散歩なんだけどレミリアと一緒に外に行くのが主流なのか? 正直困るだろ。
 俺はそのまま帰ってやろうかとドアに手をかけかけて―――

「行くわよ!!」

 本気で怒鳴られた。





 ってな事でレミリアに無理やりに散歩に参加させられた。
 ちなみに湖を越えるときは(強制的に)レミリアに運ばせてもらった
 どんな運び方だったかは教えられない。死んでも教えねぇ。
 とりあえず現在は現在は森の中を歩いている。
 なんでかって言うと、空を飛べない俺に配慮してかもしれない。
 まぁ、飛べない奴置いて空飛ぶほど非情じゃなさそうだしな……。
 森の中といえば妖怪がうじゃうじゃいると思うが、レミリアのお陰か妖怪は寄り付きさえしない。
 それでも四方八方木ばっかりで俺としては薄気味悪い。

 話をしようにも話題がなければ声も出ず、結局は無言で歩いている状況だ。
 そしてなんとなく気まずい雰囲気があたりを支配する。
 何が悲しくてこんな吸血鬼と薄気味悪い森の中を歩かなければいけないんだ……。
 日ごろの行いが悪いせいか?
 いやいや神様。俺は普通に悪い事なんてせずにゆったり生きていますよ。
 天罰下すなら目の前の吸血鬼にしてくれ。一応悪魔なんだし。
 歩いていて気付いたが、結構蒸し暑い事に気付く。
 まぁ夏だしな、仕方がないか。

「○○」
「な、なんだっ?」

 突然の呼びかけにビックリしてしまって5mmくらい浮遊してしまった。
 その上若干上ずって返答してしまった。ああ、なんか笑いの種になりそう。

「今日は何日か知ってるかしら?」
「何日かだって?」

 なんでこの吸血鬼はそんな事を聞くのだろう。
 しかしながら俺もここに来てからというもの年月とかは忘れてしまったので解らないと素直に答えた。

「そう。いいわ、別に期待してなかったし」

 何気ない一言が俺の心を傷つける。
 幻想郷に来てから何回心を傷つけられただろう。結構荒んでいる気がする。
 そんな事もお構いなしだから困る。

「毎年この時期になると見えるのよ」
「何が?」
「上を見てみなさい」

 と、いわれたので仕方が無く上を見てみると―――

「木だな」

 暗いから良く解らないけど日が出てきたら青々とした木と枝が見える事が大いに予想がつく。

「そうじゃなくて…………ああもう、ここからじゃ見えないわね」

 そう言ったレミリアは俺の手首を掴んで一気にスピードを上げて前に進んだ。
 前に言った通り、俺は普通の人間だ。
 そんな普通の人間が吸血鬼のスピードに絶えられるわけが無く、つまりは―――

「痛い痛いもげ、もげるからレミリアさん聞こえているけど無視してどんどん速度上げてるでしょてめぇこら止まれぇぇぇぇぇぇ!!!」

 俺の腕が千切れそうになったとさ。





「はい、着いたわよ。上見て」

 着いた場所はなだらかな斜面の草原が広がる一種の丘だった。
 なんでレミリアはこんなところを知っていたのだろうか。
 それよりもこの腕の痛みはなんとかならないのかな。

「し、死ぬ、千切れる。……てめぇ、絶対殺す……」

 俺がブツブツと呪詛を呟きながらレミリアの支持通り上を見ると―――

「……うぉ」

 それまでの怒りやらなんやらが吹っ飛ぶぐらい綺麗な―――

「凄いでしょ?」

 俺の元いた場所では想像できないほど綺麗な星空と天の川だった。

「……ああ」

 久しぶりに天の川。
 これを見てぎゃーぎゃー騒いでたのが前の俺なんだよな今の俺は家に引きこもってるから困る。
 少し俺の心が洗われた景色だった。

「まぁあなたの事だからこの時期でさえ空が見えないところで寝ていたんでしょうけどね」

 そして洗われた部分をさらっと傷つけるのがここの吸血鬼だ。

「成る程、レミリアが散歩しようとした理由がわかった」
「……っていうか、私が運んでいるときには見なかったのかしら?」

「怖くて下ばっかり見てましたが何か? 上見たら負けかなぁなんて思ってた」
「そうね、多分あなたが上を見たら思いっきり下に投げてたわ」

 そんなことで人間版スカーレットシュートしないでくださいな。
 血が吸えなくなるから外に出るなっていったのは誰だよ。

「で、俺を強制的に外に連れ出したのはこれが理由か?」
「咲夜には結構見せたからね。どうせあなた見てないと思ってたし」
「失敬な、ガキの頃は見たぞ」
「ってことは最近は見てないって事でしょ」

 なんて他愛な話を座って空を見つづけながら言い合う。
 こんな雰囲気が続いたら良いなーって思っている俺がいた。
 適当に喋って、嫌だけどまたあの運び方で紅魔館に戻って、また明日って感じで。

「○○」

 けれど、ゆったりムードの雰囲気もそう長くは続かなかった。
 原因は別にパララッチな天狗でもナイフが怖いメイド長でも俺の歌を聞けーな夜雀でもなんでも無い。
 すぐ近くにいる吸血鬼だ。
 突如視界が吹っ飛んだと思うとドスッという鈍い音と共に背中と頭に痛みが走り、目の前に写る景色が突如変わった。
 その景色とは、レミリアの顔だった。当然目線が合ってしまう。
 肩にはレミリアの手がかなりの力で乗っているため、俺は置きあがれずに逃げ場が無くなってしまった。
 良く見ると普段青白い顔が若干紅いような気がする。

「前から思っていたんだけどね……」

 そう言ってレミリアは一旦言葉を噤んだ。
 その一瞬で俺の心臓の鼓動がかなり早くなった。
 なんで俺が緊張せねばいかんのだ。

「私はあなたに前から興味を持っていたの。食料以外でね」
「……興味?」

 思わず聞き返してしまう。
 ああ、なんか言いたい事が解ってしまうと顔が赤くなるな。
 視線を逸らしたいけど逸らしたら何言われるかわからないからそのまま固定。

「それで、何故かと色々と考えをめぐらしていたら答えについたのよ」

 俺の質問を無視するのは故意ではなくて気に出来ないほど緊張しているからだとは思う。
 思いたい。思いつめたい。小一時間思いつめたい。

「○○。私はあなたが好きみたい」

 言いやがった、この吸血鬼。
 心臓がかなり早いスピードで脈を打っているのが解る。
 慣れてない事はどうしても駄目だね。

「あなたは私の事をどう思っているのかしら?」

 うおぃ、返答聞かれちゃったよ!
 なんて答えれば良いんだ? いや、自分に正直になればいいんじゃないのか?
 正直に答えるとなると……
『……我侭で傍若無人、とりあえずはかかわり合いたくない相手』
 ってなるじゃないか! し、死亡グラフ確定!?
 却下! でも嘘ついても見破られる気がしないでもない……。

「ちなみに恋心としてだから。解ってるわね!?」

 どうやら考えている事を読まれしまったらしく若干怒り気味で言われた。
 はて、恋心?
 そう言えばそんなの生死の境を毎回いったりきたりの毎日じゃそんなこと考えられんわ。
 さて今は安全なので考えてみよう。
 気付いたら傍にいるのは誰だ? ふとした時に思い出すのは誰だ?
 ……決まってるじゃないか。半強制的だがな。

「恋心かどうかはわからないが……、気付いたらレミリアと一緒にいて気付いたらレミリアのことを考えている事が多い。
 多分、お前の事を意識しているとは思う」
「なんか微妙な言い方ね……。まぁ、あなたが何時も憎まれ口を叩いているのもわかるけどね」

 そいつは驚きだった。また別の意味で心臓の鼓動が早まる。
 ついでに冷や汗も。

「だって言うじゃない? 嫌よ嫌よも好きのうちってね」

 いや、そうなのか? 俺にそれは適用されるのか?
 ファンだ。違う、不安だ。

「でもね、そんな曖昧な言い方じゃ駄目」

 結局却下されちゃったみたいですわ奥さん。
 はいはい解りましたよ。薄々は俺も気付いていたし、曖昧な答え方でなんとかなるかなって思ったけど駄目みたいですね。

「レミリアが好き……みたいだ」

 最後の言葉は俺の精一杯の抵抗。
 でないと心臓が破裂してあたり一帯がスカーレットな状況になってしまう。

「また曖昧だけど大体解るから許してあげるわ」

 ……ひょっとして、俺に好きと言わせるまで何回も訂正させる気だったのか?
 そういえばこんな大胆なレミリアは初めて見るな。気付くのが遅すぎるか?

「……そういえば。なんで七夕を選んで、しかも俺をここまで連れていってまでしようとしたんだ?」
「ここなら多分見つからないと思うし、織姫と彦星が一年に一回会える時期、妖怪と人間の境界も越えられるかもって思ったのよ」

 おうおう、ロマンチストだな吸血鬼よ。
 まぁ関係無いけど粋な計らいだ。

「じゃあ誓いの……」

 なんか色々吹っ飛んでいる気がするんですけど先生ー。
 いきなり誓いのうぎぎなんて早すぎる。
 ちょ、今ここで? ってか逃げられんっ! 別に嫌じゃないけど助けてっ!

「吸血を」

 ……まぁそうだろうと思ってたさ。
 なんか泣ける。
 仕方が無い、せめてもの抵抗でもしてやろうか。どうせ無理だろうとは思うけどさ。

「ちょっと待て、今やる気か? 帰ってるときに血が無くなったらどうするんだお前はー!? うわ、無視かっ! 非情だっ!」

 なんて抵抗も空しくレミリアは首筋に顔を近づけたその時―――

「あははははははっ!!! だ、駄目死ぬわっ! これはっ!!」

 凄まじく場違いな笑い声がした。





 気付いたら俺はレミリアの部屋で机に突っ伏していたわけだが、そこに居たのは―――

「だ、駄目ですよお嬢様。○○が起きてしまいますわ」

 けっこう顔が引きつっている咲夜さんと―――

「いいえ、もう手遅れの様ね。……プッ」

 最後のほうでたまらず噴出してしまったパチュリーと―――

「もう、ちょ、っと、見れるかと、お、もったん、ですけ、どね」

 笑いを堪えているのかで途切れがおかしくなっている小悪魔と―――

「あははははは! あははははははは!」

 無茶苦茶に笑い転げているレミリアが居た。
 ……はい?
 状況が掴めませんが、俺は先程吸血されそうになったはずじゃないのか?
 キョトンとしていると引きつったままのパチュリーが答えを教えてくれた。

「こ、紅茶を飲んだのは、覚えているかしら?」
「紅茶?」

 えーっと、紅茶なんて飲んだかなぁ……。
 過去を振り返ろう、どうせ浅い時間だろう。
 紅茶……確かに飲んだな。その後……の記憶が無いんだが。

「アレは睡眠薬入りの紅茶よ。私特性の」

 思いっきり引きつっている顔のままパチュリーがまたもや教えてくれた。
 ってぇことは?

「あなたはずっと夢を見ていたわけ。それを私の水晶球でウォッチしていたの。勿論内面描写もろもろね」
「あははははは!」

 成る程、どうりでレミリアがいつもより変だと思った。
 っておい、内面描写って事はだ、俺が夢の中で見ていたことやらなんやらが全部? 包み隠さず? ここの面々に見られたわけで?
 ああなるほど、だーから皆笑っているわけかぁ。
 成る程成る程。
 どうやら解ってきた俺を見て更に全員それぞれに横を向いて口を抑えたり、余計引きつったり、余計に笑い転げたりしていた。
 くあっ! 首吊りてぇっ!

「首吊ってくる!!」

 有限実行とはこのことだね。俺ってば素晴らしい。
 なんて焦りながら自分を褒め称える。

「まぁまぁ落ち着いて」
「これが落ち着いてられるかっ! 今から俺はここにいる全員を根絶やしにするか幻想郷から出たりしない限り俺の安眠は無い!」

 自殺が駄目なら外に漏らさなければ良い。
 そう考えた俺は、そこらへんに偶然あった新鮮な長ネギを二本持って謎のフィンランド語の歌を口ずさみつつ身構えた。

「レミィが無意味にこんな事をすると思う?」
「思う!!」
「……レミィ、彼からの信頼無いわね」
「あははははは! だって、からかうのが、面白すぎて、あははははは!」
「オーケー、今から閻魔のところまでぶっ飛ぶがいい」
「落ち着きなさい。今の状況でもあなたがレミィと戦って勝てる見込みは無いわよ?」
「…………う」

 そりゃそうか、吸血鬼と人間だしねぇ。
 しかし長ネギは下ろさずに構える。その気になれば誰か一人くらいは……無理だけど、とりあえず下ろさない。

「レミィは私に聞いてきたのよ。効率良くあなたの気持ちを知れないかって」
「……仮にその話が本当だとしても、レミリアが俺の気持ちを知ろうとする理由が思い当たらないが」
「……呆れた」

 引きつった顔のまま言われても困る。
 ちなみにレミリアは未だに笑いつづけている。
 時折俺の内面描写の一部をブツブツと言った後また笑ったレミリアを見ると、やっぱりコイツは極悪だなと解る。

「ついでに私はこう答えたわ。他人の気持ちを知るならばまず最初に自分の気持ちを言うべきだってね。

 でもね、レミィはそれを聞いたときに自分からは言えないって言ったわけ。で……」

「この作戦が採用されたわけか」
「そう」

 なんか卑怯な気がする。自分で言えってのに……。

「拒否されるときにレミィはどう対応すればいいかとか解らなかったんじゃないかしら?」

 さらっというあたりさすが友人だ。
 レミリアが居るにもかかわらず言ってのけるところ、笑いで状況判断ができなくなったのだろうか。
 と、今更ながらある事を思いつく。

「ってことは、レミリアが夢で言った事は?」
「若干捏造はしたけど大体は本当よ」

 うへぁ! そいつは知らなかった。
 いや、知らなくて当然か。今言われたし。
 そういえばここはレミリアの部屋だな、うん。
 なんで呼び出されたんだっけか。たしか、重大な話があるっていってたっけ。
 ……なんとなく、未来がわかった気がする。
 ここで俺がやることは一つ、逃げねば。

「く、国に帰らせていただきます!!」

 そう言ってダッシュはしないにしろ早歩きでドアへと向かう。
 そしてドアノブを捻って思いっきり押したが―――

「あ、開かないっ!?」

 夢の続きかっ!? 押しても引いても開かないってどう言う事ですか先生っ!!
 もしや思って振り向くと、レミリア以外の三人が居ないじゃないか。
 ……閉じ込められた?
 部屋には俺とレミリアだけが取り残された。
 レミリアがもう笑っていないせいか俺が喋ってないせいかはたまた両方か、部屋が物凄い静寂に包まれていた。

「○○」

 と、レミリアが突然話しかけてきた。
 少々ビックリしたので声が上ずってしまわない様黙る。

「私はあなたのことが……好きよ。あなた、は?」

 真っ赤になって答えるレミリアがそれほど近くない距離からでも解る。
 元が青白いからそのぶん変かがわかりやすいって事だな。
 で、質問の答えだが。もう言ったはずだ。
 まぁ言わなければいけないんだろう、しょうがないから言ってやろうじゃないか。

「俺は……レミリアが好き、みたいだ」

 夢と似たような答えにレミリアは少し笑って夢と同じ答え方をした。

「また曖昧だけど大体解るから許してあげるわ」

 どうせなら俺も乗ってやることにする。

「……そういえば。なんで七夕を選んで、しかも俺をここまでやってまで確かめようとしたんだ?」
「織姫と彦星が一年に一回会える時期、妖怪と人間の境界も越えられるかもって思ったのよ」

 本当なのだろうか、まぁ捏造込みって言ってたし。嘘かも。

「じゃあ誓いの……」

 と言った瞬間ベッドに投げ飛ばされてしまった。
 ……ちょいまち、この状況ってことはこうなるわけで?

「吸血を……」
「うおい! ここまで再現する気なのかっ!? それともなにか、俺が見たのは予知夢だったのか!?」
「ふふふ、どうかしらね」
「話せば解るっ!」
「嫌よ嫌よも好きのうち、でしょ?」
「それはお前が言った事だろ! お、鬼! 悪魔!」
「私は吸血『鬼』で悪魔よ」
「じゃあ豆は弱点だなっ!」

 と、まぁよくわからんことをグダグダ言っている間に月明かりや天の川やらに照らされて出来た二人の影は変わった形で重なり合いましたとさ。





 ちなみに、俺の夢については他言したら撲滅とレミリアと俺で決めた。
 ……いやはや世の中はどうなるかわかりませんねぇ。
 彦星と織姫みたいな関係にはなりたくないけど、こちらもどうだか。

「なんか言った?」

 いや、なんにも。
 なんでお前なんかを好きになったのかなーなんてこれっぽっちも思ってないよ。

「……ふうん。どうやら現実でもう一度、今度は全員の前でやる必要があるようね……」

 おうち、つい調子に乗って本音を言ってしまった!
 レミリアストーップ! 話せば解る! だからアレは勘弁! 絶対止めて! 頼むから!



 お姫様抱っこは死んでもやめてくれっ!!

Hoppy End?

───────────────────────────────────────────────────────────

4スレ目 >>652


窓から一条の光が差し込む薄暗い部屋
彼女はその光に腕を差し出し その深紅の瞳で俺の眼を射抜いていた。

「吸いなさい。それだけで貴方は永遠の命を得ることが出来る」

「私と共に歩んでいく命を得ることが出来る」

「でも、それは何よりも深い闇の道を歩むと言うこと」

「死よりも辛い時間という流れを歩むと言うこと」

「それでも、私を愛していると言うのなら」

「私を求めると言うのなら」

「今ここにその覚悟を示しなさい!」

「人を捨て、光を捨て、私を手に入れて見なさい!」



何と言うか・・・
私の願望?というか、こんな事をレミリアに言われてみたいな~とか
思っていたら出来上がってしまった妄想文です。
もう一つ、弱いレミリアVerを考えているんですが
投稿しようかどうか迷っています。

───────────────────────────────────────────────────────────

4スレ目 >>696


「まぁ……お前が運命を操るとかいう以前に、俺はお前が好きだったって
ことなんだろうな」→レミリア

───────────────────────────────────────────────────────────

4スレ目 >>844


いつのまにか、自分は家の窓から満月が映える空を見上げていた。
どうも、自分は寝ぼけているようだ。頭がすっきりしないし、今まで何をしていたのか思い出せない。
ただ、気付いたら満月をずっと眺めていた。
まぁ、これも暑さと暇な所為だろう。そう思って、その晩は結局そのまま床についた。

しかし、翌日になっても、この不思議というより、困った記憶の感覚はひきずったままだった。
昨日の事がさっぱり思い出せない。いや、それだけではない。昨日より前の日の出来事も所々忘れているようだ。
どこか出かけた事は覚えていても、どこに向かったのか、何をしたのか、誰と会ったのかが抜け落ちている。

深く考え込みながら過ごしているうちに、今日も夜が来た。窓から見上げた月は少し欠けていた。
ふと、視線を周辺の木々へと移すと、そこに見慣れない人の影があった。よくは見えなかったが、
月明かりによって見えた姿は、大きなリボンのついた帽子を被り、髪は長く青みがかった銀髪の少女だった。

その直後、自分は幻想のようなものを見た。一人の男と、さきの少女のような人が話をしている。
けれど、その二人の表情はよく分からなかったが、どこか悲しそうであった。そして、少女は目元に光を残して去っていった。
同時に幻想はゆっくり、うっすらと消えていった。現実に戻った自分の目の前に、あの少女は居なかった。

あの夢のような、幻は何だったのだろう。ただ、この光景は知っているような気がした。そして、胸が押しつぶされそうな感覚を受けた。
思わず顔を俯かせる。すると、自分の手のひらに涙がこぼれ落ちた。そして、一言口にした。

「君は・・・誰?」

───────────────────────────────────────────────────────────
最終更新:2010年05月23日 01:29