レミリア8
11スレ目>>351
それは、いきなりやってきた。
何ともなしに紅魔館の廊下を歩いていると。
「さくや~」
奥の方から、ふわんふわんな声が聞こえてきた。
いや、もうほんとふわんふわん。
「さくや~、さくや~」
声はどんどん大きくなる。どうやら俺の方へと来ているようだ。
誰が来ているのかは分かっている。
いつもはその溢れんばかりのカリスマを持ってしてこの紅く塗りたくった館の主を務める。永遠に幼き紅い月――
レミリア・スカーレット。
この館のメイド長を務める十六夜咲夜さんとは互いに全幅の信頼を寄せている。
何より、彼女は吸血鬼である。紅い満月の時だと凄く調子が良いらしい。
その時に一度遭遇してしたことがあり、その時は生きている心地がしなかったのをよく覚えている。
それほど凄い。
しかし、今回のレミリアは一味違う。いや、だいぶ違う。っていうかほぼ別人。
いつものカリスマはどこへやら、その外見年齢相応の女の子へと変化してしまっている。
凶悪な程の幼さと可愛さを持つ吸血鬼――れみりゃ・すかーれっと。
同じ存在ではあるが、まるで別人のようなので、なぜかこう呼ばれているらしい。
ちなみに、レミリアがこのれみりゃになってしまう事を「れみりゃ化」と言うらしい。
何故かは、分からない。
メイドさんたちはれみりゃに会っただけで、可愛さのあまり鼻血を噴出して気絶。
咲夜さんに至っては鼻血を垂らしながら世話をしている事もあるらしい。
この紅魔館は、その鼻血によって紅くなっていった――そういう一説もあるらしく、相当な出血量である事が窺える。
「――あ、○○」
「ん?」
いつの間にか、れみりゃが俺の目の前にいた。
俺を見上げ、頭に?を出しながら首を傾げている。
彼女の後ろを見ると、メイドが全員が倒れていた。
「ねぇねぇ、さくや、しらない?」
「咲夜さん? 呼べばすぐに来るんじゃないかな?」
「よんでもきてくれないの。でもね、さくや、きっとどこかにいるの」
話してみると、普通の女の子だ。いつもの威厳が感じられない。
母を探している女の子みたいだ。向こうではよく見る光景だったけど、まさかここでも見れるとは。
咲夜さんは母親か。じゃあ父親は誰だって話になるが、今はそんな事どうだっていい。
と、服の裾を引っ張られた。れみりゃの方に倒れそうになるのを、慌てて堪える。
なんだよ、と言いかけてれみりゃの方を見ると、穢れの無い純真無垢な瞳が俺を捉えた。
「○○。いっしょにさくやさがして?」
「…………」
「○○?」
反応が無いのを怪訝に思ったのか、首を傾げられた。
れみりゃに限らず、いつもの出来事。
レミリアの時だって、咲夜さんがいない時に一緒に探して欲しい、と頼まれる時がある。半強制的にだけど。
だから、変わらないのだ。いつもとは。余裕があるときは冗談めかして断ったりするものだが。
だけど、これはやばい。断れない。
っていうか、何だ、メイドさんたちがこっち見てるのよ。鼻から血垂らしながら見てるのよ。
"断ったら殺す"ってオーラが滅茶苦茶出ている。冗談すら言える空気じゃない。
「……い、いいよ。一緒に、咲夜さんを探そうか」
「!! うんっ!」
俺が頷いた瞬間、その顔に満面の笑みが宿る。
そんなに嬉しかったのか。いつもの事なのに。
いこ、と言いながら手を握ってきた。
それだけで断らなくて良かったと思えた。
言っておくが、俺はロリコンじゃない。
「ねぇ、○○」
「ん、何?」
「さくやってね、すごいの」
「へぇ、どんな風に?」
あぁ、またこの話か。もう何度目だろう。このパターン。
ほんと、大好きだな。
で、話題の我らがメイド長、咲夜さんはどこにいるんだろう。探し回っても見当たらない。
真っ先に部屋のドア叩いたけど、返事無かったんだよな。
「○○、つかれた」
「……ん、じゃあどっかで休むか?」
「…………」
れみりゃは何も言わずに、俺の方をじーっと見つめてきた。
その瞳には、なんの感情も篭もっていない。ただ、見つめてくるだけだ。
それがかえって怖い。
なんか、失言してしまったんじゃないかと思ってしまう。
いや、今の言葉に間違いなんて、何一つ無いはずだ。
女の子が疲れたから、休むことを提案する。
実にベストアンサーではないか。もっと自信を持っていこう。
自分に自信を取り戻した所で、れみりゃの密着。
俺の足にくっついてきたかと思うと。
「……おんぶ」
「……へ?」
「おんぶして、○○」
上には上があった。俺の回答は間違ってはいない。しかし、正解でもなかった。
しかし、果たしてこのベストアンサーを自分から言ったらどうなるか。
どう考えても変態認定である。
「○○、おんぶ……」
だからと言って、言わないままでいたら、トップには立てない。
つまり、変態という不名誉な称号をもらう覚悟でこれを言うか、それとも言わずにトップの座を誰かに明け渡すか。
「○○……ぅー」
しかし、ここで逆転の発想。ここからは俺のやり方ではあるが、ベストアンサーの一つランクを下げた言葉を相手にかける。
相手はそれを良いな、と思いつつも、ここまで言ってくれる人ならきっと私がやって欲しい事言っても大丈夫! と思わせる。
完璧だ。ある意味紳士ではないか。
っていうか、何か主旨間違ってないか。まぁいいか。
「ぅー!」
れみりゃが目の前にいると思ったら突進してきた。
軽さの為か、後ろに倒れることも無く、だっこの形となってその状態は維持される。
目の前で、悪魔の羽がぱたぱたとせわしなく動いている。
これは怒っているのかもしれない。
「ごめんごめん、おんぶだっけ」
「もうこのままでいい」
どうやら俺が思考している間に、れみりゃはご機嫌ななめに。
何とか挽回しなきゃ、な。
とりあえず、頭でも撫でておく。
「ん……」
れみりゃがさらに擦り寄ってくる。
効果覿面なのかもしれない。
しばらく、そうしながら咲夜さんを探していると、れみりゃが突然口を開いた。
「○○……」
「ん?」
「だいすき」
「……ありがとう」
れみりゃの突然の告白に戸惑うことなく、不思議と穏やかな気持ちで言えた。
きっと、れみりゃの持つ別のカリスマなのだろう、と勝手に納得する事にする。
未だに見つからない咲夜さんを探していると、今度はその理由を話し始めた。
「○○、ちゃんとかまってくれるし、やさしいもん……」
「……ここの人たちの方が優しいよ」
「そんなことないもん、○○のほうがやさしいもん」
ムキになって俺を褒めてくれるれみりゃ。
かまってくれるの意味は、他の人たちは忙しくて相手をしてやれないだけなのだろう。
俺はここに居候気味で何もしていない。正直、迷惑以外の何者でも無いと思っている。
だからこそ、れみりゃの純粋なその言葉に涙が出そうになる。
「あはは、多分あれだよ。俺はみんなより弱いから、その分優しくできるのかもね」
「○○はよわいの?」
「よわいよ。れみりゃなんかよりもずっと」
この間、
チルノと遭遇して数秒で意識吹っ飛んだしな。彼女は十分強いよ、俺の中では。
あれを軽々と打ち返せる人たちはおかしい。もう、なんていうかみんな最強だよ、俺の中では。
「じゃあ、れみりゃがまもってあげる」
「え?」
「れみりゃが○○のことまもってあげる」
「そっかそっか。……ありがとう」
お礼のつもりで、頭を撫でてあげる。
小さいことかもしれないけど、それが俺に出来る精一杯のお礼だった。
もうどのくらい歩いたか分からない。俺の足もそろそろ限界に近づいたとき、救世主の声が聞こえた。
『お嬢様~! どこですか、お嬢様~?』
「あ、さくやのこえ」
「やっとか……」
れみりゃが気付いたので、降ろしてあげる。
声から察するに、向こうも探し歩いていたのかもしれない。入れ違いの可能性が凄く高い。
れみりゃが咲夜さんの所へと行こうとしているのを止めて、ふと思いついた妙案をれみりゃに端的に教える。
あまり意味はないので、深く突っ込まれたらどうしようもないが、そこは流石れみりゃ。快く首を縦に振ってくれた。
「いいか、れみりゃ。俺が合図したら行くんだぞ」
「うんっ!」
咲夜さんの声が少しずつ大きくなる。目を閉じて、声の大きさから距離をある程度計算する。
よし、良いだろう。
「れみりゃ、いいよ。でも、次の合図で走るんだ」
「うんっ!」
第一段階が展開。
陰に隠れているれみりゃを咲夜さんの目に止まる様にする。
「さくや~」
「お嬢様っ!? あぁ、どこに行っていらっしゃ――」
れみりゃを見つけて、咲夜さんが走り寄る足音が聞こえる。
時間を止める事はしないらしい。これならいける!
「今だ! れみりゃGO!」
「さくや、だいすき~!」
ヒュン、という音と共にその位置かられみりゃが消えたのを確認して、陰からチラりと顔を出す。
咲夜さんの上半身にしがみ付いたれみりゃを確認。これで最後だ。
チュッ
れみりゃが咲夜さんの頬に口付ける。
「――――」
一瞬の間の後、メイド長は本物の幸せを手にしたような顔で、鼻から豪雨となるほど血を噴出し、天へと召された。
だから、言ったじゃないか。特に意味はないって。
敢えて言うなら、この紅魔館をもっと紅に染めたかったこと、かな。
「○○」
数日後、レミリアが俺の部屋に来た。
横にはもちろん、咲夜さんがいる。
「――レミリアか。珍しいな、俺の部屋に来るなんて」
「えぇ、暇だから、貴方と一緒にお茶でも飲みたかったのよ」
「それは……光栄な事だな」
ベッドに寝転がっていた俺は、慌てて起き上がりながらも、口では冷静を装う。
やはり、その姿は滑稽だったのか、レミリアにはクスクスと笑われてしまった。
「やっぱり面白い。来て正解だったわ」
「それは……光栄な事だ……な?」
たまに、レミリアから褒められているのか貶されているのか分からない言葉が出てくる。
きっと褒められているのだろうと、前向きに考えるようにしてはいるが、どうしても首を傾げざるを得ない。
そんな中、お茶会の用意は既に完了されていた。
流石はメイド長。仕事の早さで言ったら、誰も勝てる者はいない。
そして、俺たちに一度頭を下げると、部屋から出て行った。
「……二人だけでお茶会か。寂しいな」
「静かな方が、良いじゃない。そっちの方がお茶の香りも楽しめるというものよ」
「確かに、そうかもしれない。でもさ、だったらいつものように一人で――」
「いつも一人じゃさすがに飽きるのよ。だから、今回は貴方の所へ来てあげたのよ」
「……そいつはどうも」
「それじゃ、始めましょう。まずは乾杯から」
「いや、それは違うだろ」
こうして小さな小さなお茶会は開かれた。
始まる寸前のあの時、俺の返しに笑ったレミリア。
その時の表情に、吸血鬼のような残酷さは無く。
年相応の少女の笑みだった。
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11スレ目>>100
用があって昼間にしか紅魔館に来ない人間○○
○○を気に入ってるお嬢様はいつも「就寝時間」を過ぎても起きていようとする
で、ある日テーブルで話をしている時に眠気が限界に来て、机にほっぺをつけて寝てしまう
普段の威厳を保とうとする雰囲気など無かったかのように幸せそうな寝顔をしている
そんな姿に○○は思わず微笑んでしまう
…それからしばらくして○○は出来るだけ夕方に紅魔館に行くようになりましたとさ
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11スレ目>>310
フ「えへへ、○○あったかーい・・・・・」
○「まったく、フランは甘えん坊だなぁ・・・・」
フ「別にいいでしょ? こうしてると気持ちいいんだもん」
○「いや、一応俺ってば君の姉の恋人なんだがねぇ・・・・・」
フ「未来のお兄ちゃんに甘えてるだけなんだから、気にしない気にしない♪」
レ「気にしなさい、というよりも今すぐ○○から離れなさいフラン!」
フ「あ、お姉様」
○「ようレミリア、お邪魔してるぞ」
レ「○○はよく来てくれたわね、フランはどっか行きなさい」
フ「えー、やだ」
レ「・・・・・・」
○「まあまあ、そんな妹を邪険にすることもないだろ」
レ「あなたもなに無抵抗にされるがままになってるのよ!!」
○「だって脆弱な人間さまは強大な吸血鬼さまに勝てるわけないだろー?」
フ「そうだよねー♪」
レ「ああもう、○○は私のモノなの!フランはさっさと離れなさい!!」
フ「お姉様ってば、未来のお兄ちゃんに甘えるくらいいいでしょー?」
○「未来の『お兄ちゃん』、なんて素晴らしい響きだ・・・・・」
レ「○○に甘えていいのは私だけなのよ! ○○も何に感動してるのよ!!」
フ「むう、いいもんお姉様のいぢわる、お姉様のいない時に甘えるからいいもん(ボソッ」
レ「ハァ、ハァ・・・・やっと行ったわね・・・・?」
○「随分お疲れのようだなレミリア、ちゃんと寝てるのか?」
レ「・・・・・・誰のせいだと思ってるのよ?」
○「(無視)ああ、レミリアは今日も可愛いなぁ・・・・」
レ「そ、そんなんじゃ誤魔化されないんだからね!!(////)」
○「レミリア・・・・・・・」
レ「あ・・・・○○・・・・・」
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11スレ目>>396
負けたら何でも言う事聞く賭けに負けたレミリア様。
欲望丸出しで○○が「一日専属メイドになれ」と命令し
しぶしぶ従いメイド服を着用するレミリア様てのを最近バイト中に妄想してばかりで困る
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11スレ目>>426
○「今日はクリスマスイブか」
レ「明日はクリスマスね」
○「年に一度とは言え、サンタの大仕事だな」
レ「フランにちゃんとプレゼント置いていってくれるかしらね」
○「おや、レミリアはいらないのか?」
レ「な……っ! い、いるわけないでしょ!? 私だってもう子供じゃないのよ」
○「フランが貰えるんだったら、レミリアが貰ってもいいんじゃないか?」
レ「いいわけないでしょう? 何度も言わせないで、私はもう子供じゃないの」
○「はいはい、そう言う事にしておくよ」
レ「……そういう○○はどうなの? 何か、欲しい物はないの?」
○「ん……俺は特に無いな。今でも充分だしな」
レ「今……?」
○「レミリアといるだけで幸せなのに、これ以上何を望めと?」
レ「! ……ぅー、○○のバカ」
○「で、もう一度聞くけど、何か欲しいものは?」
レ「……血が欲しい」
○「血っておま……物騒だな」
レ「し、仕方ないでしょう!? 他に思いつかなかったんだから……」
○「は、はは……貰えるといいな、B型の血」
レ「……ぅー」
咲「で、私のところに来たわけね?」
○「お願いします。あの二人のサンタになってやってください」
咲「安心なさい、貴方に言われなくてもやるわ」
レミリアは「(○○の)血が欲しい」と言った訳だが、どうやら伝わらなかったようだ
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11スレ目>>493
「ね、ねぇ○○?聖夜って……吸血鬼には関係ないものよね?」
「え?……まぁ関係ないと言えば関係ないですが」
「……そうよね」
……う~んそのまま答えただけなのに何故かレミリア様は気を落としてしまったぞ。
聖夜か……たしか幻想郷にもクリスマスあるんだよな。
……ん?クリスマス?クリスマス……ってまさかな。
「あの……レミリア様?」
「ん?な、何かしら?」
「間違っていたら申し訳ないのですが……聖夜は恋人同士で過ごす日ですよね?もしかしてそれが関係し」
「してないしてないしてない!」
僕の言葉を遮って顔を赤くしながら首を振るレミリア様。
可愛いですけど、それじゃバレバレですよ?
でも嬉しいな……そこまで考えてくれてたなんて。
「レミリア様……」
「ふぁ!?……○○?」
いきなり僕が後ろから抱き締めるとレミリア様が驚いたような声を出して縮こまった。
ふふ、怯えるレミリア様も可愛い。
「……吸血鬼が聖夜を祝ったって良いじゃないですか。そんなことに縛られるなんてレミリア様らしくないですよ?」
「…………」
僕の言葉をしっかり噛み締めるように聞いているレミリア様。
でも僕は間違ったことを言ってるつもりはない。
「僕も吸血鬼ですけど……祝いましょう?一緒に」
「……えぇ○○」
僕に体を預け、首を上げて見つめるレミリア様。
その顔はとても可愛くて……僕はそっとその額に口付けをした……。
結局紅魔館で聖夜を祝うのをどこで嗅ぎ付けたのか、魔理沙が現れ。
そのまま次々と皆さん現れると、紅魔館で宴会の流れになった。
始めにレミリア様が望んだものではなかったかもしれないけど……これはこれで良い聖夜だったと僕は思う。
ただレミリア様に一言だけ……。
レミリア様……メリークリスマス。
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12スレ目>>504 うpろだ840
妖怪たちがうごめく闇夜の時間。
私はいつものように気ままな散歩に出かけた。
風が頬をなで、景色は次々と移ろってゆく。
その途中で、平原に何かが立っているのが見えた。
普段ならそんなものは気にも留めないだろう。
だが、そのときの私はなぜかそれに興味を抱いた。
後になって思えば、私はそいつから不思議な運命を感じ取っていたのだろうと思う。
「こんばんわ、今日もいい夜ね」
そんな言葉を投げかけ、そいつの前に降り立つ。
それは、見た感じ4~5歳であろう人間の子供だった。
彼の服は幻想郷のものとは大きく違い、彼が外から来た人間であるのは明白であった。
今までにも外から来た人間には何度か会ったことがあった。
ただ、そいつらは大抵、私の翼を見て恐れおののき、逃げるか襲いかかってくるかのどちらかだった。
しかし、その子供はそのどちらでもなかった。
私の向けた視線を真っ向から受け止めていた。
その目には何の光も宿っておらず、顔からはあらゆる表情が消えていた。
いや、まるでそんなものは元から持ち合わせていなかったかのようだ。
おもしろい人間だ。
よくよく見れば、彼の服はところどころほつれており、体には見える部分だけでもかなりのあざがあった。
この少年はどれほどの闇を味わったのだろうか。
私は口の端がつりあがるのを抑えることができなかった。
「坊や、私と一緒に来ない?」
自然とそんな言葉を口にしていた。
彼は無表情でうなずいた。
と、不意に意識が反転する。
「レミリア姉さん、こんなところで寝てたら体に毒だぞ」
目の前に無愛想な顔が現れる。
その顔は先ほどの少年と似ていて、けれど全く違う顔だった。
ああ、さっきのは夢か。
ようやく、思考が澄み渡ってきた。
「○○、咲夜はどこかしら?」
「咲夜姉さんは香霖堂へ出かけてる」
「そう」
彼の顔を見つめてみる。
顔立ちはそこそこ、最も無愛想な表情が全てを台無しにしている感はあるが。
さらに彼の瞳をのぞいてみる。
その目には、はっきりと光がやどっており、彼は今確かにここにいるのだと私の頭へ訴えかける。
「どうしたんだ、姉さん?」
「何でもないわ」
そっけなく言い、明後日の方へ向く。
時間はこうも人を変えるものなのか。
私は心の内でつい一人ごちる。
かつては何の色も見せなかった瞳が、今ではまるで虹のように色鮮やかだ。
これもここで色々な人々に囲まれて育ったせいか。
そういえば昔、誰が彼を最初に笑わせられるか、なんて賭けをしていた気がする。
誰が勝ったかは覚えていないが。
いや、変わったのは私もか。
かつての私は彼がどれほど歪に成長するかを楽しみにしていたのだから……。
しかし、私の予想は外れた。
彼は誰よりも真っ直ぐに、誰よりも馬鹿正直に育った。
そしていつしか、私の大切な弟になり、この紅魔館の一員となった。
本当に変わるものだ。
今では私はこの状況に幸せすら感じているのだから。
「○○、一つ聞いてもいいかしら?」
彼の方に向き直る。
「何だ?」
答える彼は相変わらずの無愛想。
しかし、私は知っている。
彼は私の自慢の弟で、誰よりも優しいことを。
「あなたは今、幸せかしら?」
彼の瞳をまっすぐ見つめる。
「ああ、幸せだ」
その顔はさっきと変わらなかったが、どこか朱がさしたように見える。
「俺はこの館もここに住む人たちもみんな大好きだからな」
続けて彼は語る。
「美鈴姉さんはよく昼寝して、咲夜姉さんに怒られてるけど誰よりも仕事に誇りを持ってる。
小悪魔姉さんはドジでおっちょこちょいだけど、いざってときはすっごく頼りになる。
パチュリー姉さんはいっつも引きこもってるけど、色んな話を聞かせてくれる。
咲夜姉さんは一見厳しい人に思えるけど、それは全部俺を思ってのこと。
フラン姉さんは怖く見られてるけど、実はとっても優しい。
他にもここに住んでる人たちには、皆それぞれいいところがあるって知ってる」
一旦、息を吸う。
「そして何よりレミリア姉さんは俺に居場所と家族をくれた」
彼もまた私の瞳をまっすぐ見つめる。
その顔はうっすらとだが、微笑んでいるように見えた。
「俺は色んな人たちのおかげでここにいる。だから俺は幸せだって言える」
そう言う彼の姿はどこか誇らしげだった。
「そう。それは良かったわ」
私もつい微笑みながら答える。
かつて彼と初めて会ったとき、私はこの運命を感じ取っていたのだろう。
彼が私の大切な家族となることを。
そして、私がこの満ち足りた感情を手に入れることを。
今なら言える。
私はこの世の誰よりも幸せだってことを。
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11スレ目>>990
『レミリア、今日は俺の淹れた紅茶を飲まないか』
「貴方が淹れたの?珍しい」
『稀少品もちゃんと入ってるぞ。世界に2つとない代物だ』
「それは気になるわね。何を入れたのかしら?」
『お前へのありったけの愛、だよ』
「ぶーーっ!!?」
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12スレ目>>966 うpろだ921
「咲夜、居る?」
「お嬢様? どうなさいました、厨房などに来て」
「少し、ね」
どうも歯切れの悪い返答に、咲夜は首を傾げる。
「○○はいないでしょうね?」
「いませんよ。ああ、明日はバレンタインでしたね。チョコを作られるのですね?」
「声が大きいわよ」
「大丈夫です、○○さんなら図書館で読書か蔵書整理していますから」
主の微かな動揺を微笑ましく思いながら、咲夜はそう切り返した。
○○。紅魔館の客分にして、レミリアの眷族。
元は外から落ちてきた只人の青年に過ぎなかった。
博麗神社にしばし世話になっていたこの青年を、あろうことかレミリアが気に入ってしまったのだ。
何に惹かれたのかは言語化し難いところのものだろう。
敢えて言うならば、レミリアが吸血鬼と知りながらも、どこか飄々としたというか暢気というか、そういった態度が崩れなかったから、かもしれない。
一方青年の方でもレミリアに惹かれたのか、少しずつ紅魔館に来る回数が多くなり――いつしか、公然の仲となっていた。
いつだったか、いろいろと事件があった後にレミリアの眷族になると宣言。
それからしばらくは騒動になったが、とりあえず丸く収まって、今に至る。
少し普通とは違う、中途半端――はっきり言って弱い吸血鬼ではあるが。
ちなみに○○自体は背が高いくらいで、外見については特に取り立てて言うこともなく。
(まあ、人は中身ってことかしら。妙にのんびりしてるけれど)
と、咲夜はそんなことを思ってみる。いい加減失礼なのだが、本人が別に構わないという様子なのでついつい好き勝手に言ってしまう。
(それにしても、お嬢様にこんな表情させるなんてね)
罪作りな人、と胸中で微笑する。咲夜とて、○○を気に入ってないわけではないのだ。
そうでもなければ、大事なお嬢様の相手として認めるわけがない。
「咲夜?」
「いえ、少し考え事を。では作りましょうか」
簡単にトリュフでいいですね? と問うと、レミリアは意外なほど素直に頷いた。
「……○○が菓子作りが巧いのが腹立つのよね」
作りながら、レミリアはぽつりと呟いた。
「妖精メイド達にもたまに作ってやってるでしょう?」
「嫉妬ですか?」
「まさか、何でそんなことしなきゃいけないのよ」
声と反対に、表情が咲夜の言葉を肯定している。
「それでも、一番よく出来たものはお嬢様に持って行ってますよ」
「そうなの?」
「ええ。嬉しそうですね」
「そんなことないわ」
気配と表情の両方を隠せていないまま、レミリアは再び口調だけで否定した。
「あら、レミィ、珍しいわね」
「パチェこそ……って、魔理沙も一緒なのね」
「私はおまけか?」
「おまけでしょう」
あっさり会話を切って、パチュリーはレミリアの手元をのぞきこむ。
「ああ、バレンタインね」
「いいでしょ、別に」
「ほー、○○にやるのか」
「うるさい」
絡んでくる魔法使い二人をあしらう間にも、トリュフは順調に出来上がっていく。
「後は冷やしておいたらいいですわ。お疲れ様です」
「ん、ありがとう、咲夜。料理って大変なのね」
「でも、出来上がると達成感もあるでしょう?」
「……そうかもね」
「私はたまに失敗するが」
「会話を台無しにするな」
どこまでも傍若無人な魔理沙に突っ込むが、当の本人はどこ吹く風。
「ところでレミリア、知ってるか?」
「知らないわよ、魔理沙の与汰話なんて」
「そんなこと言ってていいのか? バレンタインチョコの渡し方なんだが……」
数分後、○○に一両日は厨房に近付かないよう厳命するよう咲夜に告げたレミリアは自室に戻って行った。
「……さっきの嘘でしょう?」
「ああもちろんだ」
「あっさり認めるわね貴女も」
もう伝えて来たらしい咲夜が呆れた声を上げる。
「まさか本当には……しそうか?」
「するわね」
「しますね」
「なら教えてやれよ」
自分のことを遠い棚の上に放り投げて魔理沙が呆れた。
バレンタイン当日。○○は自室で借りてきた本をパラパラめくっていた。
「厨房に入室禁止、か。僕何かやったかなあ」
料理が趣味の青年は何すると言うこともなく、だらだらと時間を過ごしていた。厨房は主に彼のテリトリーなのだ。
「無闇と掃除とかやってると、妖精メイド達が怖がるしなあ」
中途半端とは言え吸血鬼。まあ前から出入りしてたので大分慣れてはくれてるようだが。
そして立場が客分というのもまた微妙。本来彼は、館内の仕事をする必要性がないのである。
それは逆に、レミリアにとって彼の順位が高いことを意味してもいるのだが。
「○○、いる?」
「いますよー」
ベッドにだらしなく寝転がっていた○○は、ひょいと起き上がって扉を開けた。
そこには最愛の主の姿。思わず、頬が緩む。昨日あまり構ってもらえなかっただけになおさら。
「どうしました?」
「今日は何の日か知っているでしょう?」
少し考えて、ああ、と頷く。
「バレンタインでしたか。何も作ってなくてごめんなさい」
「……なんで○○が私に作るのよ」
「女性から男性というのはこの国独特の形ですよ。お菓子というのも。でもどうせだから作ってたんですよね」
「……誰か女性に?」
一瞬不機嫌になったレミリアに、○○は首を傾げる。
「うーん……みんなでチョコケーキパーティとかやってましたからねえ」
「……それってバレンタインなの?」
「それにかこつけて騒いでたって感じでしょうか」
のんびりと微笑う姿に、レミリアは一つ息をつく。とりあえず、誰か特定の女性に、ということでなくてほっとしているようだった。
「って、今はそうじゃなくて。貴方と話してるとどうも話がずれていくわね……」
「すみません」
謝ってきたが、この青年はどこまで理解しているのだろうかと、そういう表情をレミリアは浮かべていた。
ふと、○○はレミリアの持っている箱に興味を移す。それに、レミリアも気がついたようだった。
「ああ、これ? 貴方に、よ」
「僕に?」
「Happy Valentine、とでも言うのかしらね」
そして、彼の部屋にするりと入ってくる。ふと見ると、後ろに咲夜が控えていた。
「すみません、二人とも立たせっ放しで」
「いいのいいの。咲夜」
「はい」
○○とレミリアが椅子に座る間に、紅茶を二人分淹れて、咲夜は部屋を出て行く。出て行った瞬間は見えなかった。
「開けていいですか」
「いいわよ」
頷いて開けて、中の綺麗なトリュフに少し感動を覚えてみる。美味しそうだ。しかも手作りみたいで。
「レミリアさんが?」
「ええ、そうよ。感謝なさい」
「はい、ありがとうございます」
嬉しくなって微笑むと、レミリアの白い頬が少し紅くなった。ふいと顔を逸らした後、あ、と呟く。
「待って」
「え?」
食べようとした○○の手からチョコを奪い取る。
「レミリアさん?」
「ええと、確か……」
レミリアは小さく呟くと、○○の側まで来て膝の上に乗り、トリュフを自分の口に咥える。
そして、目を閉じて彼の方を見上げてきた。
(え、と。これは)
何をしろ、と言われているのかはわかる。よくわかる。でも咄嗟に反応できない。というか出来るか。
す、とレミリアの眼が開く。早くしろ、と視線が言っている。言っている、が。
(それは、反則……)
恥ずかしいのか、顔を紅くしていて、かつ眼を潤ませている。自分の膝の上で。無意識にやっているとしたら、本当に恐ろしい。
「で、では、いただきます」
理性が持たなくなる前に、○○はレミリアのチョコを頂くことにした。その口唇と一緒に。
「ん……あ……」
「……御馳走様です。ん、美味しいですよ」
口唇まで存分に味わって、○○はそう評した。そして、ん、と気が付く。
「何か入れました?」
「ああ、私の血を少し」
「なるほど、それは余計に美味しいはずですね」
「……真正面から言われると恥ずかしいわね」
顔を紅くして眼を逸らすレミリアは可愛くて、思わず微笑んでしまう。
「まだ、もらっていいですか?」
「ええ、いくらでも」
再び咥えたレミリアを、抱き寄せるようにしてチョコを頂く。
今年のチョコは、かなり甘いものになりそうだ。
「ところで、どうしてこんなことを?」
「え? 魔理沙がこうして渡すものだって言ってたけど」
「…………信じたんですね。可愛かったし、美味しかったから僕としては大満足なんですけれど」
「……? …………!」
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12スレ目>>968 うpろだ923
「咲夜、○○は部屋にいる?」
「いけませんよ」
紅魔館当主である私の問いに、
忠実なメイド長からはかみ合わない答が返ってきた。
「何を言っているのかしら」
「また○○の血をお吸いになるのでしょう?
近頃多すぎますよお嬢様」
外から流れてきたのを気まぐれで拾った○○は、
冴えない男だと言われながらもその実好意的に、
紅魔館の住民として受け入れられている。
が、そんなことはどうでもいい。
ふと気が向いて吸ってみた○○の血は
私にとって非常に美味だった。
「……偏った食生活はお身体に障りますわ。
○○の血を吸うのでしたら、今日のおやつは抜きですからね」
そう言って、咲夜は部屋を出て行った。
―やめろと言われてやめられる味ではない。
だが、時には臣下の顔を立ててやることも、
カリスマを保つためには必要だ。
……決して、おやつ抜きが嫌なわけではない。
「そうだわ」
チョコレートを食べ過ぎると、鼻血が出ると聞いたことがある。
折りしも今日はバレンタインデーだ。
『○○、チョコレートをやろう』
『ありがとうございます、レミリア様。
……すみません、鼻血が』
『情けないわね。
仕方ない。その血、私に捧げなさい』
……完璧だ。
吸血するのではなく、「やむをえず」○○の血を口にする。
咲夜にも文句は言わせない。
「○○、入るわよ」
ドアを開け、中に入る。
簡素な部屋だ。
ちょうど○○は部屋にいて、ベッドに腰掛けて本を読んでいた。
「あ、レミリア様。どうなさいました?」
「日頃私と紅魔館のためによく働いているお前を
労ってやろうと思ってね。これをあげるわ」
パチェの実験室でこっそり作ってきた
巨大なハート型のチョコを取り出す。
「これは……バレンタインの?」
○○は、予想以上に喜んでいるようだった。
「ありがとうございます……大事に少しずつ食べます」
私は慌てた。少しずつ食べられては意味がない。
「今食べなさい」
「え?……全部、ですか?」
「そうよ。私の言うことが聞けないというの?」
「いえ、そのようなことは」
○○は端からチョコレートを食べ始めた。
ハート型の1/4ほどがなくなった。
○○は、まだ一向に鼻血を出す気配がない。
「……まだか」
「……急いで食べた方がよろしいですか?」
「そういう意味ではない!」
ついに私は痺れを切らした。
「ええい、まだ鼻血を出さないのか!」
○○はぽかんと口を開けていたが、
やがて食べかけのチョコをベッドの脇にあったテーブルの上に置いた。
居住まいを正し、口の端のチョコを拭うと
落ち着き払っていった。
「レミリア様。それは迷信です」
「……何?」
「ですから、チョコレートと鼻血に因果関係はありません。
全くの俗説です」
頬が赤く染まる。……これでは、私はただの⑨ではないか。
「……○○。お前今、私を見下げていただろう」
「いいえ!決してそんな」
「うるさい!!」
乱暴に、○○をベッドに押し倒す。
「○○。私は、私を恐れる人間の血しか飲まないわ。
自らを恐れる人間の儚い命を吸うことで、
私達吸血鬼は永遠に君臨する夜の王でいられるのよ」
○○が私を愚か者として侮る。
私を恐れなくなる。
そうなれば、私は○○の血を飲むわけにはいかなくなる。
「だから、○○」
至上の美味を失うことになるという、それ以上に。
「例え私が、全てを失ったとしても」
もはや血を吸う相手たりえなくなった○○との
繋がりがなくなってしまうことを考えると、
何故だかひどく怖くなった。
だから、
「―お前は、お前だけは、ずっと私を恐れ続けろ」
私は、いつもより力を込めて○○の首筋に牙を立てた。
勢いよく○○の血を吸い取ったが、
例によって、あまりたくさんは飲めない。
だが、紅く、熱く、甘いそれは私の焦燥を確実に癒していった。
「……レミリア、様」
○○の腕が、背中に回される。
急に血を失ったせいか、弱々しい力の腕を
私はなぜか振り払う気になれなかった。
「ご心配には、及びません。
初めてお会いしたときからずっと、
この命が尽きたとしても」
かすかに、○○は微笑んだ。
「私はレミリア様を畏れ、敬い
……心から、お慕い申し上げます」
私はベッドから降り、○○に背を向けた。
「……そうか」
せいぜい威厳を保ったつもりだったが、
安堵と喜びは隠せなかったと思う。
「さて。私は部屋に戻るわ」
当初の目的は一応達成できたし、
俗説でなかったとしてもこれ以上チョコを
無理に食べさせる理由はない。
「残りはせいぜい大事に食べなさい。
ああ、来月には三倍返しを忘れないようにね」
からかい半分で言ったのだが、
○○は面白いくらい困惑した表情を見せた。
「三倍、ですか…
…私には差し上げられるようなものもありませんし、
普段の三倍血を吸っていただくぐらいしか……」
その答えに、私は思わず笑ってしまった。
「○○……そんなに血を吸ったら、
私は貴方を眷属に加えなければならなくなるわよ?」
「!!……す、すみません。
出過ぎたことを」
顔を真っ赤にしてうろたえる○○。
だが私は、それも悪くないと思い始めていた。
「そうね。私への畏敬の念を抱いたまま、
一方で私の伴侶として恥ずかしくないところまで
力をつけねばならないのだもの。
たったの一ヶ月でなんて、思い上がりも甚だしいわ」
「……レミリア様、それは」
「あまり私を待たせないように、精進することね」
ドアを開け、部屋を出る。
「……はい!」
後ろで○○が、力いっぱい返事をするのが聞こえた。
「さてお嬢様。何かおっしゃることはございますか?」
「……咲夜」
ドアの外には咲夜が立っていた。
当初の予定では押し切れるはずだったが、
結局普段どおりに血を吸ってしまったので
何も言い返せない。
「お約束どおり、お嬢様の分のおやつは
パチュリー様と妹様にお分けしますね」
「ちょ、咲夜待ちなさい!」
歩いていく咲夜を追いかける。
「……ご心配なさらずとも、
○○だけと言わず、私も最後まで
お嬢様の側にお仕えいたしますわ」
咲夜は立ち止まると、そんなことを言ってきた。
「……ずいぶんしっかりと部屋の中の話を
聞いていたものね、咲夜?」
嬉しいことを言ってくれるが、
全く油断のならないメイドだ。
「差し当たり、○○を鍛えなければなりませんね」
「ええ、よろしく頼むわ。
……それにしても本当にしっかり聞いてるわね」
今なら何となくわかるが、
○○の血が美味だったのは、
私への恐れだけでなく、思慕の気持ちが
流れていたからなのだと思う。
私が○○の血を吸いたくなったのも、
どこかで彼に惹かれていたからなのだろう。
同族同士の愛情表現として互いの血を吸い合う分には、
吸血鬼の威厳は問題にならない。
いつになるかわからないが、○○には
早く美味しい人間から
美味しい旦那様に昇格してもらいたいものだ。
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最終更新:2010年05月23日 02:27