レミリア14



Megalith 2012/05/21


ここのレミリアは好感度MAXです

  ふ~ん...金環日食ねぇ・・・
 そう。今日は約900年ぶりの金環日食である。

「で、その手に持っている変な眼鏡はなんなのかしら?」
「これは日光を見る特別な眼鏡ですわ」
「なんで咲夜が?」
「人里で配っていましたよ。肉眼で見ると目に悪いとのことなので」

  ふふ~ん... とちょっと興味があるような目で眼鏡を見つめていた。

「ちょっとその眼鏡貸して」

 咲夜は、レミリアに眼鏡を渡した。

「うわ なにこれ、何にも見えないんだけど」
「紫外線を遮断するために、強力なフィルターが貼られているので普段使用しないでください...
と説明書に書かれてありますわ」
「へぇ...」
「でもお嬢様は見れないのが残念ですね」
「パチェが言ってたんだけど、日食は太陽の力が下がるらしいのよ。もしかしたら見れるかもしれないわ!」
「...大丈夫でしょうか」

 咲夜は心配そうな顔でレミリアは見ていた。
 そして、レミリアの飲んでいたカップから紅茶が無くなった。

「紅茶が無くなったから、例の新しい紅茶を飲みたいわ」
「かしこまりました」

 そう言うと瞬間移動をしたかのように、レミリアの目の前からいなくなった。
 と同時にドアからノックの音が聞こえた。
 コンコン

「ん?誰かしら」

 というとドアが開いた。

「あら。○○」
「やぁ。レミィ、今日は金環日食みたいだね」
「知ってるわ。眼鏡もあるから見てみようと思うの」
「危ないんじゃない?」
「太陽の力が弱ってるから大丈夫よ....たぶん」
「たぶんかい」

 とりあえず立って会話するのもアレと思った○○は椅子に腰掛けた。
 するとレミリアは○○の膝に座った。

「?」
「いいじゃない。ここが一番座り心地がいいのよ」

 ○○はレミリアの髪を撫でて遊んでいた。

「くすぐったいわ」




 ちょっとだけ時間がたつと紅茶を持っている咲夜が現れた。

「新しい紅茶ですわ。○○さんの分も持ってきました」
「流石咲夜。気が利くわね」
「メイド長ですから。そしてお邪魔のようなのでこれにて、また用があれば呼んでください」
「ん...」

 咲夜が去った後、いい香りのする紅茶を飲んだ。

「こういう紅茶もいいわね。咲夜が変なのをいれなきゃだけど」
「美味しいね... そういえば言い忘れたけど、今もう見えるらしいよ日食」
「そうね。この紅茶が飲み終わったら行きましょうか」



  しばらく時間がたって、○○とレミリアはベランダに行った。

「さぁて...見ようじゃないこの眼鏡で」
「大丈夫かなぁ...」

 そう言うとレミリアは眼鏡をかけて日の当たるところに立って太陽を見た。

「ん大丈夫...シューシュー やっぱり熱い!ダメ!」
「やっぱり駄目だよね」

 ○○は苦笑した。


「残念だわ。太陽は弱っても太陽だったね」
「無茶しないほうがいいよ」


 残念がりながら日陰にあるベランダの椅子にレミリアと○○は座った。

「○○は見えたの?」
「ちょっと端っこが欠けているだけだったけどね。もうちょっと早く見たらいいのがみえたかも」

 会話しているとまたレミリアは○○の膝の上に座った。

「レミィここに座るの好きだよね」
「ここが一番いいのよ」
「ふふ...可愛いな」
「ありがと」

 照れながら振り返り、レミリアは○○の唇を奪った。

「ん...んん」

 少しだけさっき飲んだ紅茶がした。

「んちゅ...はぁ...ん」

 レミリアの唇はちょっと潤っていて蕩けていた。

「ん...は...」

 口付けをやめた後、どちらもぼうっとしていた。
 するとレミリアが言った。

「日食が見れなくても○○が私の太陽だから問題ないわ」
「あらあら...じゃあレミィは自分にとっては月だね」


  恥ずかしい台詞を言ったせいか、キスをしたせいかわからないが
  どちらも顔が赤くなっていた。



初めての投稿なので、誤字脱字、日本語がおかしいかもしれませんが多めに見てね!

追記<『大目に見る』でしたねw    あと気づいた脱字を直しました。




Megaith 2013/03/11


「――とまあ、たまにはそんなのもいいかな、と思うわけよ」
「はいはいごちそうさま。それで、レミィ? 私は何をすればいいのかしら?」
「さすが、パチェは話が早いわね。またあれを作って欲しいのよ。あの出発前に飲むやつ」
「咲夜に手伝ってもらえばすぐできるからいいけど……
 でもあなたや私ならともかく、ただの人間が飲むには少しきついわよ?」
「その辺は私がなんとかするわ。それじゃあ、お願いね」



 夜の闇はいよいよ深く、紅魔館は最も活気づく時間を迎えていた。

「ふふ、なかなか上達したじゃない」

 真っ赤な絨毯が敷き詰められた紅魔館の一室では、
 オルゴールめいた魔法の箱が奏でる軽快な音楽に乗って、一組の男女がくるくると踊っていた。

「おかげさまで」

 頬を寄せて囁くレミリアに答えた○○の声は、あくまで控えめだ。
 たしなみとして教えてもらったダンスだが、上達しているのかどうか、自分では今ひとつわからない。
 確かに目に見えて失敗するといったことはないが、
 それは身長差を補うためにレミリアが浮かんでいるおかげで足を踏まずに済んでいるからではないか、と内心思う。
 絡めた手や抱いた腰から愛する彼女の温もりが伝わってくるのは、確かに幸せなのだが。

「自信を持ちなさいな。それに今日はちょっとした趣向を用意してあるから、
 ○○にももっと楽しんでもらえると思うわ」

 演奏がさわやかなフィナーレでしめくくられる。一呼吸置いてノックの音が響いた。

「入りなさい」

 音もなくドアを開けて、咲夜が部屋に足を踏み入れた。
 手に持っていた盆を置き、うやうやしく一礼する。
 盆の上には、黄金色で満ちた精緻な水晶細工のゴブレットが一対載っていた。

「お気をつけて行ってらっしゃいませ、お嬢様」
「ん、食事までには戻るわね」

 軽く手を挙げ、退室する咲夜を見送る。
 ドアが閉じられると、レミリアはゴブレットの片方を取り上げた。
 輝く液体が、形のよい小さな唇に吸い込まれていく。

「……ふぅ。効くわね」
「それは?」
「ちょっとした下準備、ってところかしらね
 ――ああ、直接飲んじゃだめよ。そのままだと刺激が強すぎるから」

 伸ばした手を止められてとまどう○○の前で、レミリアが残りの一方に口を付ける。
 見る間に杯を干すと、楽しそうに端をつりあげたまま、その唇が○○の唇に重ねられた。

「ん……」
「んぐ……くっ……」

 レミリア自身を器として流しこまれた液体を、○○は驚きながらも受け入れ、飲み込んだ。
 滋味豊かな蜂蜜の甘さを追いかけて、焼けるような熱さがのどを下りていく。

「ぷはっ……い、今のは」
「これを飲んでおかないと、息ができないからね」

 せかすように○○の手を引き、レミリアは部屋の中央へ進む。
 つないでいない方の手を無造作に振ると、宙空から姿を現した槍がその中に滑り込んだ。

「それじゃ……いくわよっ!」

 石突で勢いよく床を衝いたのを合図に、ほのかな紅い光の魔法陣が床に浮かび、視界が暗転し――



 初めは真っ暗闇だと思っていたが、次第に目が慣れてくる。

「うわぁ……」

 ○○は思わず感嘆の声を上げた。
 前後、左右、頭の上、足の下。宝石をちりばめたかのように、星々がひしめきあっていた。

「星間宇宙でのデートというのも、乙なものかと思ったのよ。気に入ってくれたかしら?」

 力を込めてうなずく○○に、レミリアが嬉しそうに微笑む。

「良かった。それじゃ――」

 レミリアはつないでいた手をそっと離し、改めて柔らかに差し出す。
 二人の為の演奏が、新たな趣向で始まろうとしている。

「もう一曲、踊っていただけるかしら?」
「はい、喜んで」

 ○○は身をかがめると、愛しい吸血鬼の手をうやうやしく取った。



 星の海に浮かぶ、一片の花のような魔法陣の上。
 一組の男女が、くるくると踊っていた。



タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2013年05月11日 23:19