アリス11



うpろだ540


 思えばあれはただの私の気まぐれだったのに。
 なんでこんなに、胸が苦しいのだろう?


 私の家に突然現れ

[貴女の事を高名な人形師と聞いた。 弟子にしてくれないか?]

 という紙キレをいきなり突きつけてきた男。
 幾度か断っても紙切れを取り下げることはなく、とうとう私が根負けしてしまった。
 何故紙切れなの? という問いにだけ、彼はその紙切れの裏に

[私は喋れないんだ]

 とだけ書き、悲しそうに微笑んだ。
 それが、全ての始まり。






 口がきけなくても、夢はあった。

 ――意のままに操れる人形を作り、子供達を楽しませたい

 喋ることができないのを筆頭に、音楽も試したがてんでダメだった。
 昔から裁縫等の細かい作業は割と得意だったので、人形なら、と思い立ったのだ。
 腕のいい人形師はいないかと方々を聞いて(見せて)まわり、ようやくそれらしき人物の話を聞けることが出来た。
 まるで魔法のように人形を操る人物……アリス・マーガトロイド
 里から少し離れた魔法の森とよばれる奥深い森に居を構えているという。
 居ても立ってもいられず、馬を借りて森へと駆けた。

 ……途中で雨が降ってきたのは予想外だったが。
 "必需品"は雨に濡れないように油紙を被せてある。問題はないだろう。
 教えられた道とも言えぬ道を走ること半刻ばかり、それらしき家を見つけた。
 幸いなことに明かりも着いている。

 少々不躾だとは思っていたが、この機を逃すわけにもいかない。
 前準備としていくつかの事を紙に書き留め、呼び鈴を鳴らす。

「どちらさま?」
 戸を開けて現れたのは私より年下と思えるくらいの少女だった。
 相当面食らったが、すぐに冷静を取り戻す。この子はアリスとやらの弟子かも知れない。

[失礼だが、貴女はアリス・マーガトロイドで間違いないかな?]
 とりあえず最初の紙切れを差し出す。
 喋れない私はこうしてコミュニケーションをとる他ないのだ。
「え、ええ……そうだけど、それが何か?」
 少々驚いた顔で私の顔を見る。それにしてもやはりこの少女がアリスだったのか。
 構わずに次の紙を差し出す。

[貴女の事を高名な人形師と聞いた。 弟子にしてくれないか?]
 その紙切れを見るなり、彼女は若干の溜息をつく。
「貴方には悪いけれど、弟子を取るつもりはないのよ。面倒だしね」
 ……予想していたとは言え、さすがにこうもハッキリいわれるとは。
 それでもあきらめるわけにはいかない。
 差し出した紙も、下げない。
「だから嫌だって、言ってるじゃない。それに、人形師になって何をするつもりなの?」
 しまったな、それの答えは用意していない。
 ちょっと待っていろ、とジェスチャーで示し、紙に筆を走らせる。

[子供達を、喜ばせたい]
 急いでいたせいで随分汚い字面になってしまったが、読めない程でもない。
 その紙切れを示した後、今度は先ほどの紙切れを半分破り



[弟子に、してくれないか?]
 再度、突き出した。






 元々手が器用だったせいもあってか、彼はめきめきと上達していった。
 最初は針の穴に糸を通すことすら苦心していたのに。
 ちょっとしたコツや素材の選び方等も教えると彼は熱心に聞いて、そして吸収してくれた。
 弟子を取るのは今までにその技術を悪用しようとするものがいたから断っていたのだけれど。
 彼はどこまでも純粋だった。

 私が魔法使いだと知った時も
[すごいな、空とか飛べるんだろ?]
 と書いた紙をくれた。
 普通の人間ならもう少し驚いたり怖がったりするものなのに、ね。
 その時からかな、少しずつ彼が気になり始めた。
 もう私にとってはルーチンワークでしかないような作業……彼もとっくにマスターしているはずの事ですら
 彼は真剣そのものの表情で取り組む。
[弟子なんだから、これくらい]
 そう言いながら、身の回りの世話も全てやってくれた。
 割と小奇麗にはしていた家ではあったけれど、前にも増して綺麗になっていった。
 仕事の合間を見つけては掃除をしたり、簡単な日用品を作ったり、修繕したり。
 そのくらい私がやるわ、と言っても
[いいから、いいから]
 と決して譲りはしなかった。






 あれから、どれほどの月日が過ぎただろうか。
 時々家を空ける彼女に代わり、人形師としての腕を磨く片手間家事をする。
 日々をいくつも積み重ねたのち、私はようやく彼女のお墨付きが出る程度の腕前にはなった。
 曰く、「もう一人で動いても問題はないんじゃないかしら」という程には。
 さすがに魔力なんてもんは持ち合わせていないので、人形を喋らせたりなんて芸は出来なかったけれど。

 彼女と過ごす日々は楽しかった。
 弟子なんだから何でも言いつけてくれと言ったのにあくまで対等に接してきたのにはさすがに驚いた。
 結局こっちから色々やってしまっているのだが。
 私を弟子にしたのも何とも変な理由だった。理由を尋ねた時も
「その体格で、子供達を楽しませたいなんていうものだから……面白くって」
 そうしてひとしきり笑った彼女はとても眩しかった。
 さて、今アリスは家を空けている。近くに住んでいるらしい知り合いの魔法使いに薬剤を貰いに行ったようだ。
 恐らく、あと数時間は戻ってこないだろう。長くて半日か。
 ……チャンスがあるなら、今か。





「ふぅ……ただいま。魔理沙ったら散々私の事からかって……
 ○○? 外にいるのかしら」
 魔理沙から目的のモノを貰い、揚々と帰って来た。
 普段のように長引きはしなかったが、色々とからかわれた。
 彼に愚痴りながらまたいつものように人形でも作ろうと思った。

 家の中にはいる気配がしなかった。
 外で野良仕事でもしているのかと思い、ぐるっと回ってみてもいなかった。
 入れ違いかと思って家へ戻っても、彼はいなかった。
 変わりに見つけたのは、彼がいつも座っていた作業机の上に乗せられたメモだった。


[ええっと、我が師ことアリス・マーガトロイドへ。
 今まで長らくお世話になりました。
 貴女の言う、一人で動いても問題ない、がどの程度のものなのか少々試してみたく
 誠に勝手ながら暫くのお別れです。
 道中が無事でありますよう
 頭の片隅ででも祈ってくれればこれ幸い。

 追伸:旅に出るにあたり、いくつかの食料を拝借致しました。申し訳ない。
    北の畑を上空から眺めて下さい。最後のメッセージです。

 それでは、お元気で。 ○○]

「ちょっと、何よこれ……」
 勝手に出て行っていいなんて言った覚えはない。
 彼の腕は確かに上等だけど、まだまだ教え足りない。ツメも甘い。
 安楽椅子の手摺の調子が悪いから直してもらわなきゃいけないのに。
 まだ畑の取り入れも終わってない。私一人じゃ重いから彼には居てもらわないといけないのに。
 まだ、まだ……
 気づけば、涙が頬を流れていた。
 それと同時に自分の気持ちに気づいてしまった。

 追いつけばまだどこかを歩いているかもしれない。
 慌てて空へと飛び上がる。彼のメモを握り締めたまま。

 そこでふと下に目線を落とす。
 北の、畑。
 いくつかの作物を刈り取った後に残された文字が、見て取れた。

[愛してる]

 そして「る」の場所にはまだ刈り取りをしている○○の姿が。
 いつもなら後数時間は帰ってこない。そうタカをくくっていたのだろう。
「あの、馬鹿……!」



(こんなもんかなぁ……ちゃんと字になってるよな。多分)
 満足気に腕を組み、頷く。
(さて、そろそろ行く、か)
 彼女ともう会えないかも知れないのはとても寂しい、が
 いつか戻ってくるつもりではある。
 立派になった自分を見てもらうために。
 荷物を肩に背負ったあたりで後ろに気配を感じた。
「アンタね……
 そういうことは、もっと早く言いなさいよ、この、馬鹿ッ!」

 蹴られた。

 受身も何も取るまでもなく、畑の剥き出しの土の上に倒れる。
 あれ、なんでこんな所にいるんだ……まだ魔理沙の家にいるはずなのに。
 うわ、しかも私のメモ持ってるし。
 何か泣いてるし。何かあったのか……?
 それらを尋ねようとメモ帳とペンを手にしたところで
 上からアリスが飛び乗ってきた。

「言いたいことだけ言って逃げるなんて卑怯よ!
 私の気持ちも知らないで!
 大体、興行くらいなら麓の里で十分できるじゃない!
 私は貴方が好きなの!
 私は、アナタと……○○と、もっと一緒にいたいの!」

 それだけ一気に言うと、アリスは私の服に顔を埋めた。
 どうやら泣きじゃくっているらしい。

 本来ならば言葉でもかけたいが、喋ることができない私にはどうしようもない。
 優しく抱きしめることで、彼女が落ち着くまで待った。


 そのまま起き上がる。アリスは丁度私の足の間に座って私にもたれている。
 改めてペンと紙を握り、先の返事を書く。
[このまま一緒にいたら、私が気持ちを抑えられそうもなかったから]
 だから出て行こうと、思った。
[貴女は私のことなんてさして気にもしていないと思っていたんだが]
 これはさすがに小突かれた。「女心が分かってないわ」との説教つきで。
[すまない]
 頭を下げる。
「謝らなくてもいいわ……こうして追いつくまでもなかったけれど、また会えたのだし」
 そうして涙目で笑顔を浮かべる彼女はいつにもまして綺麗に見えた。

[それで、今後のことなのだが]
 彼女も私を好きだと言ってくれた。
 それならば、家を出なくても問題にはならないということだろう
「どうしたの?」
 この一言を書いてもいいものか、逡巡した後に。
 悩んでも仕方ない、と一気に書き綴る。

[君さえよければ、また一緒に暮らしたい]
 そのメモを破り、彼女の手に持たせる。
[ダメかな?]
 渡したメモにそう書き足す。
「そうね……返事は……」
 言うなりペンをひったくられる。
 そして書かれた文字は

[いいわよ、未来の旦那様]

 驚きに目を見張る私を見て彼女は微笑み、
 そのまま唇を合わせた。


「さ、帰りましょ、私達の家に」

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11スレ目>>18


「それにしてもあのときの霊夢の落ちこんだ顔は忘れられそうにないぜ」
「……魔理沙、その60ガバスっていうものを賽銭箱に入れたのはあなたなんでしょ?」
「そのとおりだぜ。いやぁ、パチュリーにも見せたかったぜ。なぁ、アリス?」
「私に話をふらないでよ」
「……本当にあなたは毎度毎度お騒がせなんだから」

 日の光の入らないヴワル図書館。
 今、この図書館に居るのは四人の少女達と一人の青年、つまり俺である。
 今日も今日とて魔理沙の強奪劇に有無を言わさず駆り出された俺はいつものように紅茶をご馳走になっている。

 まあ、ここへ連れて来られるのはいつも無理やりだがそれでも悪いことばかりとは思えない。
 まず第一にここへ来ればいろいろな本、それも外の世界ではお目にかかれないようなものが読める。
 次に咲夜さんの淹れてくれたおいしい紅茶が飲める。
 そして何より、アリスと必ず会うことができる。

 正直に言おう。俺はアリスに惚れている。
 いわゆるベタ惚れというやつだ。
 なぜ俺が彼女に惚れたのかは彼女との出会いから説明しなければならんので今は割愛させていただく。

 まぁそれはおいといて、俺と彼女との仲は客観的に見てもそれほど悪いものではないと思う。
 だがそれ以上は進展していない。
 というのは、俺に後一歩踏み出す勇気が足りないんだ。
 そう、俺は今の関係が崩れるのを恐れている。
 もしアリスに拒絶されてしまったら。もしそれまでのように友人としても付き合えなくなってしまったら。
 そんなことばかり考えてしまう。

 ああ、せめて何かチャンスがあればなぁ……。





「ん、それじゃあそろそろ魔導書を取りに行くか」
「ちゃんと返しなさいよ」
「大丈夫。後できっと返すぜ」
「全く……、少しはアリスや○○を見習いなさい」
「そうね。少しは返す努力をしたらどう?」
「はいはいっと。じゃあ先に行ってるぜ。また後でなパチュリー! ○○!」
「待ちなさい! 魔理沙!」
小悪魔、魔理沙が必要以上に借りていかないように見張ってなさい」
「はい、パチュリー様」

 そんなかしましい会話とともに魔理沙、アリス、小悪魔の三人の姿は見えなくなった。

 と、ふいにパチュリーが口を開いた。

「○○、ちょっといいかしら」
「うん? どうした?」
「あなたってアリスが好きなのよね?」
「なっ……! くぁwせdrftgyふじこ!」

 彼女から放たれた言葉は俺の予期しなかったものだった。
 ていうか何故にあなたが俺の秘めたる思いを知っているんで!?

「あなたのアリスへの態度を見ればすぐにわかるわ。あれでわからないのはよっぽど鈍感なやつだけよ」
「う……、その……」
「それで本題に入るわけだけど、どうして彼女にその思いを伝えないの?」
「えっと……、それは……」
「今の関係が壊れるかもしれないから?」

 ガタッ!!

 核心を突く言葉に思わず立ち上がってしまった。

「そう、なるほどね。だったら一つ言わせてもらうけど、あなたが思ってるほどアリスは弱くはないわ。
 もし彼女があなたの申し出を断ったとしても、あなたが態度を変えなければ今のままの関係、友人としての関係はきっと続くわ」
「けど……」
「少なくともアリスとの付き合いは私の方が長いわ。だからまあ、私を信じて突撃してきなさい」

 そう言い、彼女はカップに口をつける。

「……本当に信じてもいいんですか?」
「ええ、保障するわ」
「わかりました。俺は「ストップ、その前にこれをあげるわ」

 そこにあったのは一冊の本だった。

「えっと……、初心者のための恋愛バイブル?」
「それを読んで少しは勉強しなさい」
「……」

 いくら何でもこれはないだろう……。

「不満そうね。せっかく私があなたのためと思って用意したのに」

 彼女の方を見るとこれ以上ないくらいに微笑んでいた。ただし目は全く笑っていなかったが。

「い、いえ……そんなことありません!」
「そう、なら頑張りなさい」

 その後、家に帰ってから俺はその本を読みふけった。


























「何よ……、これ……」

 顔が熱い。きっと私の顔は真赤になっているだろう。
 今、私が見ているのは一冊の雑誌。しかも外の世界のものである。
 そこにはデートではどうすればいいとか、彼氏へのプレゼントは何がいいか、などが書かれていた。
 そしてさらには口では言えないような過激なことも……。

 私がこんなものを持っている理由……、それは魔理沙と別れて魔導書を探している途中に小悪魔から渡されたからだ。
 その時の彼女は満面の笑顔でこう言った。

『これで○○さんとの仲もきっと進展しますよ♪』

 はぁ……、どうして私が○○のことが好きだとわかったのだろうか。
 このことは魔理沙にも言ったことないのに……。

「うう……」 

 いけないいけない。さっきのことを思い出したらまた顔が……。

 でも、小悪魔が応援してくれているのは事実よね。
 よし! この本の知識を借りて○○ともっと仲良くなろう。
 そしてあわよくば恋人に……。

「よーし! やるわよ!」


























 あれから俺はパチュリーにもらった本を読み、五つの必勝法を編み出した。

 まず一つ目は、デートで仲を進展させるべし、だ。
 ということでさっそく誘ってみることにした。
 とはいえさすがに二人でデートに行こうと言っても断られるのがオチである。
 だから彼女には薬草を採りに行くから手伝ってくれと言ってある。
 まあ、一応採りに行くから嘘は言ってない。

 よっしゃ! 彼女とのデート、絶対に成功させるぞ!






 それからしばらくしてアリスがやってきた。

 そして俺の必勝法、二つ目と三つ目が炸裂する!

 まずはいつもと違う服を着てくること。これにより今日は特別な日だと印象づけるのだ。

「おはよう○○。あら、今日はいつもと少し感じが違うわね。そういうのも結構似合ってるわ」   

 よっしゃ! 大成功!
 わざわざ香霖堂まで行って買ってきた甲斐があったぜ。

 そしてすかさずもうひとつを発動!

「ありがとう。いやぁ、今日のアリスもかわいいね。そのカチューシャもよく似合ってるよ」
「お世辞なんか言っても何にも出ないわよ」
「お世辞なんかじゃないさ。俺がそう思ったから言ったわけだから」
「そ、そう……。あ、ありがとう……」

 さりげなく女性の容姿を褒めるべし。
 こっちもなかなかの成果だな。

「そ、それじゃ行きましょ」
「おう」

 こうして俺とアリスの薬草探し、もといデートが始まった。





















 ああ、かわいいなんて言われちゃった……。
 もう嬉しすぎて死んじゃいそう。

 それにいつもと違う服の○○もカッコいい……。
 ああ、今日は本当にいい日だなぁ。

 て、呆けてる場合じゃないわ。今日のような日のためにいろいろと仕込んできたんだから。
 しかしまさか○○の方から二人きりでデート……、じゃなくて薬草採りに誘ってくれるなんて。

 アリス! 今日というチャンスを最大限に生かすのよ!

「ふぅ、結構腰にくるな」

 と、薬草を採っていた○○が立ち上がりながら言う。
 さっそくチャンスね!

「ここは私にまかせて。上海!」
「シャンハーイ」

 上海の持つ剣は次々と薬草を刈っていく。

「アリスの人形はいつ見てもすごいなぁ。うちにも欲しいぐらいだよ」
「そう? じゃあ今度作ってあげようか? 最も自律型みたいなのは無理だけど」
「え、でも何か悪いなぁ」
「いいのいいの。好きでやってることだから」
「そう? じゃあお願いできるかな」

 よし! これで○○とまた会う口実ができた。
 いつもは魔理沙のつきそいぐらいでしか会えないからなぁ。
 もっと会えれば、あんなことやこんなことを……。

「じゃあ、今度はあっちをお願い」
「え? う、うん。わかったわ」

 あ、危なかった。つい思考がトリップしてしまった。
 ちゃんと気をつけないと……。  


















「ふぅ、これだけ集めれば十分でしょ」
「いやぁ、助かるよ」

 薬草はなんだかんだでお金になるからな。
 そう言えば魔理沙にも何度か手伝ってもらったっけ。

 と、もう昼過ぎだな。
 よし四つ目を発動させるときだな。

「えっと、アリス?」「その、○○?」

 と、アリスが言った言葉とかぶってしまった。

「じゃ、じゃあアリスから先に言って……」
「○○の方こそ先に……」
「「……」」
「ねぇ、同時に言わない?」
「そうね、そうしましょ」

「「せーの」」

「そろそろお弁当を食べないか? 俺が二人分用意してきたからさ」
「そろそろお弁当でも食べましょ。私が二人分用意してきたから」

「「……」」

 おい、内容もかぶっちゃたよ。
 これじゃ四つ目の必勝法、男は黙って料理で勝負、の効果が発揮できないじゃないか!
 でも、アリスの手料理も食べたいし……。

「「ぐぎゅるー」」

 と、何やら変な音が二つ聞こえた。

「……とにかくお昼御飯にしましょ」
「そ、そうだな……」

 うう、アリスにあんな音を聞かせてしまうなんて……。

















「うん、この卵焼きおいしいね」
「ありがとう。○○のつくったハンバーグもとってもおいしいわ」
「いやぁ、頑張って作ったからね」

 結局、二人で分け合って食べることにした。
 俺の料理も褒めてもらったし、アリスの手料理も食べられたし本当に最高だ。
 まあ四人分あるわけだからかなりの量が余ってしまうが……。

「ん、もうお腹いっぱい。ごちそうさま」
「おそまつさまでした。私ももういいわ」
「余ったのはどうする?」
「んー、二人で分け合えばいいんじゃない?」
「そうだな」

 それから二人の間に少し会話がなくなった。

 よし、これなら最後の必勝法を……。
 いい雰囲気になったところで愛の言葉をささやくっていうのを……。

 あ、愛の言葉……?
 しまった!? 必勝法を考えるのに夢中で告白の内容まで考えてなかった……。

 え、えっと……。ど、どどどどうしよう……!?。
 何か、何か言わなくちゃ! せっかくのチャンスなんだから……。
 こんなにいいチャンスもう二度とないかもしれないんだぞ!
 せっかくパチュリーも手伝ってくれたんだぞ!

 こうなったら男○○。一世一代の大勝負に出る!

「あー、アリス? ちょっと話があるんだが……」「○○? ちょっといいかしら……」

「「……」」

 ま、またかぶってしまった……。
 け、けど言わなきゃ! 何か言わなきゃ!
 テンパッてて何言えばいいかわからないけどとにかく言わなきゃ!

「アリス!」「○○!」

 またかぶった。けど今の俺にはそこまで気にする余裕はない!

「俺はアリスのことが好きなんだ!」「私は○○のことが好きなの!」

「「……え?」」



















 しばらく二人の間に何とも言えない空気が流れる。




「え、えっとつまりその俺達は……」
「そ、そうね。要するに……」

「「最初から両想いだった?」」

 何なんだろう今のこの気持ちは?
 告白が成功したのに、こう何か複雑というか。
 あそこまでテンパった意味はなかったなぁっというか。
 まあ、嬉しいに決まってはいるんだが。
 と、そんなことを考えていると彼女が話しかけてきた。

「ね、ねぇ。う、嘘じゃない……よね」
「あ、当たり前だろう! 俺はアリスが好きなんだ」

 その言葉に俺は精一杯肯定の意を示す。

「う、うん! 私も!」

 アリスは本当にうれしそうに笑いながら答えてくれた。
 それにつられて俺も微笑んだ。

 うん。とりあえず今はこの喜びをかみしめていよう。
 そして、俺に踏ん切りをつけてくれたパチュリーにも感謝を。








(略)
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11スレ目>>73


「んー」

外に出て軽く身体を伸ばす。
すっかり弱くなった秋口の日差しが、やさしく私をお出迎え。
今日はハロウィン。
外来のイベントなのだが、寺子屋では子供たちに仮想させて、ご丁寧にも一軒一軒回るらしい。
愛しい彼は、寺子屋の先生の真似事をやっているので、
私ことアリスも、彼が引率して来るのに合わせて、こうやってお菓子作りをしているのだ。
美味しいお菓子を食べさせて、子供たちに「人形遣いのおばさん」などと言われないようにしなければ。

「だーれだ?」

不意に、視界が暗くなる。
こめかみには、筋肉質のごつごつとした手の感触。
この大きな手は――。

「○○?」
「正解。もう少し声色を変えるべきだったかな」

両目にかかる手をゆっくり外して振り返ると、そこには、微笑を浮かべた彼の姿があった。

「どうしたの? こんな時間に。子供たちが来るのは夕方じゃなかった?」
「ああ。でも一応、道の確認をね。いざ、という時に焦らないようにしないと。
 それに――」
「それに?」
「なんとなく、アリスと会えるような気がしたから」

顔を朱色に染めながら、気障を言う彼。
そんな言葉を聞かされたら、私まで照れてしまう。

「も、もう! バカ! それに私は怒っているんだからっ!」

プイッ

頬を膨らませて抗議する。ついでに横も向いてやった。
あんまり、照れた顔は見せたくない。
だけど、彼は、

「どうしたんだー、ア・リ・ス」

頬をぷにぷにとつついてくる。
「本当は怒ってないこと、わかっているよ」とでも言わんばかりに。
そんな彼の手を振り払って、一言。

「Trick or Treatって言わなかったでしょう? いきなり悪戯なんて、ルール違反よ」
「それはすまなかった。では、改めて。
 Trick or Treat」
「え?」

しまった。
まさか、こう返されるとは。
今の私の顔はきっと、ぽかん、としているに違いない。
それもそのはず。
パウンドケーキはさっきオーブンに入れたところだし、もう作ってあるクッキーはテーブルの布巾の中。
これからもう一踏ん張り、と思っていたガレットデロワは、まだ生地を寝かせたまま。
つまり、お菓子なんて持ってない。

「あ、あの――」
「ふふふ、持ってないようだね。じゃ、遠慮なく悪戯しようかな。
 さあ、目を瞑って」

ぎゅっと目を瞑る。悪戯好きな彼のことだ。何をしてくるか、予想がつかない。

カシャッ カシャッ

落ち葉を踏んで、彼が近づいてくる音がする。
きっと、もう唇が触れられるくらい。
彼の吐息が、カールした前髪をそっと、靡かせた。

「――っ!」

手が、首筋にかかる。
も、もしかしてキス!? もしかしてキスなの!?
彼の両手が、うなじを撫でて――。

「ひゃん!」

肩を、揉みだした。

「アリスのことだから、きっとケーキとか力の要る洋菓子作ってたんだろう?
 やっぱり、相当凝ってるよ。無理しないで欲しいな」
「あ、あふう、そ、その……」
「はい、これで終わり」

最後に軽く肩を叩くと、揉むのをやめる彼。
うう、なんだかさっきから見透かされている。
ちょっとでも、逆襲したいな。
そう思っているところに、天啓が閃いた。……これならば、きっと。

「―― ― ――」
「おいおい、道の下見に来た俺が、お菓子なんて持っている訳ないだろう。
 はいはい、悪戯を受けますよ、お姫様」

茶目っ気たっぷりの彼の言葉。
ならば、遠慮なく。

「じゃあ、目を瞑ってくれる?」
「ん。こうか?」

私より頭一つは大きい彼が、目を瞑ったことを確認する。
うん、大丈夫。

ゴクリ

一つ、唾を飲み込む。
そして。
彼の首に両手を回すと、一気に唇を奪った。

「んんっ! ア、アリスっ!」
「じゃ、じゃあ、夕方には待ってるからっ!」

そのまま、玄関のドアを開けてバタバタと家の中に入ってしまう。
頬が火照り、心臓が早鐘を打っていた。
恥ずかしい。
自分は、あんなに大胆だっただろうか。

窓枠に肘をついて、紅潮した頬を冷ましながら彼を見ていると。
彼は、呆然と唇に手を触れ、その後、こちらを振り返りながら村の方へと去っていった。

彼は、気がついていただろうか。私がその言葉を放った時点で、このことは確定事項だったと。
それは、魔法の言葉。

「Trick and Treat(いたずら、そして甘い口づけ)」

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8スレ目 >>49


「なぁアリス、オバケが苦手な魔法使いってありかよ?」
「五月蝿いわね!オバケが怖いんじゃなくて正体が解からないから怖いのよっ!」
「だいたい魔法使いも妖怪の一種だろうが、お前はなに怖がってんだ」
「誰が妖怪よ、魔法使いって言うのはね人間から進化した優性種族で「長い話は勘弁」
「久方ぶりにアリスのほうからデートの誘いかと思えば山菜とったりトカゲやらヤモリやらコウモリやらを捕まえて一日終了おーあーるぜっと」
「おーあーるぜっと?」
「気にスンナ」
「・・・別にいいでしょ!○○と出掛けたかったけど何処に行っていいか解からなかったんだもの」
アリスの瞳から涙がぽろぽろとこぼれ始めた
「ちょアリス!泣くなって!何だかんだ言って俺もお前と一緒に入れて楽しかったし!お前となら何処行ってもからさ!」
「○○・・・ごめんなさい、私ったら・・・ごめんなさい」
「謝るなって、俺はお前に笑ってて欲しいから、さ」
「莫迦、面と向かってよくそんなセリフが言えるわね」
アリスは照れたのか○○から顔を背け俯いた
「帰ろうか、もう日が暮れる」
「その・・・泊まっていく?」
「ああ、もちろん」

アリスと○○の数十m背後
「なぁ霊夢、俺の場合は久しぶりのデートが友人カップルの尾行だったんだが」
「何よ、何か文句あるの?」
「いや・・・あいつら見てたら俺らもイチャイチャしたくなった」
「あいつらも帰るみたいだし私たちも帰ろっか・・・泊まっていくでしょ?」
「うへへーお言葉に甘えさせてもらいます」
「じゃあ夕飯はお願いね」
「うむ、腕によりをかけて作るぞー」
「はいはい」

霊夢達の後方上空
「あー私もお相手が欲しいぜー恋は火力か?」
魔理沙にはまだ春は来ないらしい

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8スレ目 >>62・63・64


  壮年の男は困った顔で辺りを見回す。
  「こんな辺鄙な場所での待ち合わせだ。何かあるとは思っていたがね」
  まばらに生えた薄気味悪い樹木と、明らかな敵意を見せた無数の人形達。
  自分がどうしてこんな状況に立たされているのかを男は理解できず、近年めっきり薄くなってきた頭に手をやり、はてと呟く。
  「私は何か君を怒らせるような真似を仕出かしただろうか」
  緩やかに波打つ金の髪に冷たく青い瞳を覗かせ、この場の全てを掌握した若く美しい少女は、陣取った人形達の中心で素っ気なく答えた。
  「私の知る限り、そんな事はなかったと思うけど」
  それと聞いて男は暢気にも表情を綻ばせる。
  「今日は貴方にお願いがあって来たの」
  「ふむ。それは何だろう」

  一見すれば親と子ほどは年が離れているように見えるが、実際には少女のほうが遥かに長い時を生きている。
  彼らのいる世界においては、それも珍しい事ではなかった。
  だから、それは事此処においてのみ日常であることを赦される――

  「死んでくれる?」

  無表情のまま少女は言い放つ。

  外見相応の落ち着きを持ち合わせた男はすぐに返事を返さず、言葉をよく吟味した上で尋ねた。
  「何故かな」
  「分かり切っていた事だけど」少女は僅かに目を細める。「私と貴方では流れる時の速さが違いすぎていたわ」
  「そうだね。昔から分かり切っていた事だ」
  乾き擦り切れた掌を眺め、その掌で男は自らの顔を確認するように何度か触る。
  「老いた私は嫌いかい?」
  「いいえ。私の気持ちは変わらない」
  「老いた私は醜いかい?」
  「いいえ。今の貴方も充分素敵だわ」
  「では何故私は殺されるんだい」
  「この先も素敵なままでいられる保障はないから、かしら」
  「鉄は熱いうちに打て、か」
  「もうとっくに冷めてるわよ」
  「相変わらず手厳しいな」
  「私は貴方と初めて会った時から変わってないもの」
  「成る程。変わってしまったのは確かに私の方らしい」
  男は遠い目となって視線を彷徨わせるが、すぐに少女の声が彼を現実に引き戻した。
  「逃げないの?」
  「馬鹿言え」突如男の口調が変わる。「好きな奴の前ぐらいイイ格好してみせたいだろ」
  そして目を丸くした少女に悪戯小僧じみた、外見に似合わない笑みを向けた。
  「最後になるなら尚更だな」
  何も言えずに立ち尽くす少女に、男はおどけた様子で語る。
  「家に帰る途中、足を踏み外したかと思ったらいきなり黴臭い土の上にダイブしたんだよな。波乱の人生のスタートだった」
  「あの時は本当に驚いたわ」少女も楽しげに言う。「いきなり目の前に、変な格好の人間が落ちてきたんだもの」
  「それからお前の家で幻想郷の話を聞いて、魔法を馬鹿にして人形の材料にされかけた」
  「ええ。それから博麗神社に行って霊夢と魔理沙と会ったのよ。あの時のこと覚えてる?」
  「覚えてない。無理やり箒に乗せられて気絶してたから全く覚えてない!」
  「あれは傑作だったわね。それから新入り歓迎会とか尤もらしい理由をつけて宴会になった」
  「次にあったのは俺の誕生日か。小さな上海人形のお守りを貰った」
  「その次に開かれたのが私の誕生日。プレゼントされたのは小さな小さなオニキスのアクセサリ」
  「あれでも精一杯努力したんだぞ?」男が情けない声を上げる。「ヤスリ掛けで手の皮がボロボロになった」
  「あの時も一言一句同じ台詞を聞いた気がするわ」
  堪えかねた様子で少女が笑う。男は憮然とした様子で見ていたが、やがて自らも過去を懐かしんで笑った。
  「幻想郷に来たのも、もう二十年以上も前になるんだな」
  「私にとってすれば二十年なんて感慨すら湧かない、束の間の一時だけどね」

  男はふと思いついたように少女へ尋ねた。
  「俺は人形達の仲間入りするのか?」
  「人形に魂を固着させる事は不可能じゃないけど」少女は首を振る。「輪廻の輪から外れる恐れがあるわ」
  「そうか。詳しい事は分からないけど、お前がそう判断したならいいや」
  知識に乏しい己を恥じるように男が苦笑し、その反応が気に入らなかったのか今度は少女が質問を返す。
  「怖くないの?」
  「怖いよ」男は震える腕を掲げてみせる。「でも逃げ出して今更一人寂しく暮らすのもちょっと、なぁ」
  「いつからそんな弱虫になったのかしらね」
  くすくすと上品な仕草で少女は笑った。

  やがて、指の鳴る音で人形たちは左右へと別れ、男と少女の間に一本の道が出来上がる。
  手入れの行き届いたナイフを抜き、少女は男の元へゆっくりと歩み寄る。
  識者が見ればモーセのような光景だ、などと喩えたかもしれないが浅学なこの男では及びもつかず、ただ鈍い光に息を飲む。
  「意地を張らなくてもいいのに」
  「お前もなー」
  明るく振舞ったところで隠しようもなく、男の声も震えていた。
  「泣くなよ」
  「泣くわけないでしょ、そっちの方じゃない」
  「たまには認めろ意地っ張り」
  「認めるも何も、気のせいよ」
  「本当に面倒くさい奴だな」
  「あんたに言われちゃおしまいね」
  一度だけ、どちらからともなく抱き合う。

  「ごめんなさい。私は魔法使いとしてしか、貴方を愛していられなかった」
  「種族なんて関係ない。今でもお前を好きになったのは間違いじゃないと思ってる。今までありがとう、アリス――」

  瞬間、男の表情が歪んだ。


  「昔、本で目にした通りだったよ」血を吐きながら笑う姿は凄絶で、しかしどこか哀れだった。「死に様を選べるってのは贅沢だ」
  「その話は初耳だわ。ねえ、その本の題名は?」
  男は何も言わない。
  少女は血溜りの上で、亡骸を抱いたままいつまでも答えを待った。



  事此処においてのみ日常であることを赦される、ありふれた恋の話。


  ※オニキスの和名はメノウ。日本でもたまーに落ちてます。

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8スレ目 >>106・110


第一話 挑戦 アリスとの戦い~序章~
アリス「わ…私ね……」
   (がんばれ……がんばるのよ 私! 今日こそ告白するのよ!)

○○「うん…」

アリス「あ…あなたが……」
   (あともう少し! もう少しよ! がんばって私!)

○○「あ…ああ……」

アリス「あ……あなたがすごく強いって聞いたのよ! だから勝負を挑むわ!!」
   (……え? 私何言って…)

○○「は?」

アリス「そうね……私と、私の人形をすべて倒すことができたら 何でも言うことを聞いてあげる。」
   (な、何言ってるのよ私! 違う違う! そんなことが言いたいんじゃないんだってばぁぁ!)

○○「ちょ……ちょっと待て! 弾幕もスペカも使えない俺がおまえの人形に勝てるわけないだろ!! ってか、俺が強いとか誰から聞いたんだよ!!」

アリス「だ、誰でもいいでしょ! それに弾幕やスペカ使えないくらいで なに怖気づいてるの!? 弱虫!」
   (ば…バカぁ!! 私ってば○○になんてひどいこと言ってるの!! )

○○「っ! ……ああ、そうかよ……」

アリス「悔しかったら、私たちを倒して 強いってことを証明してみせたらいいじゃない。」
   (ああ……言うに事欠いて私なんてことを。これじゃ、私 ただの嫌な女みたいじゃない……)

○○「わかったよ! おまえとおまえの人形、絶対に倒してやるからな! ぜってー言うこと聞かせてやる!!」

アリス「ふふん、期待せずに待ってるわよ。」
   (あーもう私のバカバカぁ!! どうして素直に「好き。」って言えないのよぉ……)

つづくのかー

最終話 希望を胸に アリスの不器用な片思いを終わらせる時…!

  ○○「チクショオオオオ! くらえ仏蘭西人形! 相手は死ぬ 新必殺「エターナルフォースブリザード」ォォッ!!」

  仏蘭西人形「サア来イ○○! 私ハ 実ハ 一回凍ラサレタダケデ 死ヌヨォォ!」

  ザンッ!!

  仏蘭西人形「ウアアアァッ! コ…コノ 博愛ノ 仏蘭西人形ト 呼バレル 私ガ…コンナ 普通ノ 男ニ…バ…バカナアアアアアア」

  ドドドドド……

  仏蘭西人形「ウアアアア」
  上海人形「仏蘭西人形ガ ヤラレタ ヨウネー」
  蓬莱人形「フフフ…奴ハ アリスノ 人形ノ 中デモ 最モ 二人ノ恋路ヲ応援シテル…」
  上海人形「主ノ 恋路ノタメニ 負ケタフリ スルナンテー 人形ノ 鏡ヨー 」

  ○○「くらええええ!」

  ズサッ!

  上海人形「シャンハーイ!」
  蓬莱人形「ホラーイ!」

  ○○「やった…ついにすべての人形を倒したぞ…これでアリスのいる家の扉が開かれる!!」
  アリス「よ、よく来たわね○○…べ、別に待ってなんてなかったけど!」
     (き、来た……! 落ち着いて、落ち着きなさい私! 今日こそ絶対に……)

  ギイイイイイイ

  ○○「こ…ここがアリスの部屋か…! 感じる…アリスの魔力を…」

  アリス「○○…戦う前に一つ言っておくことがあるわ。あなたは私を倒すのにはまず“弾幕”が必要だと思っているようだけれど…べ、別になくても私はあなたのことが……」
     (大丈夫だから落ち着いて私……お風呂に入って身体は奇麗にしたし、一番かわいい下着も選んだし……)

  ○○「な 何だって? 最後のところ 聞こえなかったぞ!」

  アリス「で、でね……あなたが強くなるのを待てなかったから、『誰でも使えるインスタントスペカ(香霖堂にて絶賛販売中!)』があなたの手に渡るように仕向けたの……あとは、私を(ゴニョゴニョ)……」
     (ああ…もう、恥ずかしいよぉ……好きって一言がうまく伝えられない……どうしよう……)

  ゴゴゴゴ

  ○○「フ…何を言ってるのか まるで聞き取れなかったが 上等だ…オレも一つ言っておくことがある。このオレがおまえを倒せば、何でも ひとつだけ言うことを聞いてくれるらしいが……お前さえよければ…俺とずっと一緒にいてほしい。」

  アリス「えっ……」
     (じ、じゃあ○○も私のこと……)

  ○○「だーっ!! もう、恥ずかしいから いちいち反応するな!! ウオオオオいくぞオオオ!!」

  アリス「さ…さあ、来なさい○○!!」
     (あ……あなたが私を倒せたら……その時は私も……)

  ○○の告白が アリスを素直にさせると信じて…! ご愛読ありがとうございました!

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8スレ目 >>298


幻想郷のみんなが大好きだ!
だが、愛してると言えるのは君だけだ!アリス!

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最終更新:2010年05月18日 22:53