妖夢4
3スレ目 >>861
「友達?」
「そう、友達」
「いませんよ」
「いないってウソだろ」
「私は自分のことで手一杯ですから、必要ありませんよ」
「いやいや妖夢。必要不要で作るもんじゃないから」
「では私の代わりに庭掃除をお願いします。そうすれば暇ができますから」
「…イタタ、突然持病の急性胃腸炎が……」
「胃薬ここに置いておきますね。それと、持病と急性は矛盾してますよ?」
「連れないなぁ。これでも俺、キミの友達のつもりだよ?」
「友達じゃないほうがいいですね」
「うわ、ショック。この上ないくらいショック…」
「……こ、恋人のほうが……」
「へ?」
「なんでもありません」
「もう1回!もう1回聞かせて!ちゃんと聞いてなかったんだYO!」
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4スレ目 >>559>>561
559 名前: 名前が無い程度の能力 投稿日: 2006/07/13(木) 22:49:52 [ rD/7a99Y ]
でもうどん粉でどろどろならすいとんになるだろ?
それはそれで旨いよな?
白玉楼ですいとんなんて、それはそれで見た目と場所がマッチしてry
「おーい、妖夢。これお前の半身に似てな…」(ズバシャア!)
…何言ってんだ俺は…
561 名前: 名前が無い程度の能力 投稿日: 2006/07/13(木) 22:57:52 [ fratWntg ]
うどん粉ってことはアレだよな?こういうことだよな?
「白くてドロドロしてて熱いわぁ~」
「ぶふぉっ!!?」
「ゆ、幽々子様!!冗談はやめてください!!」
「んん…おいし♪」
「うぉヤベヤベヤベ…」
「ななななな何考えてるんですか○○も!」
「妖夢ぅ、もっとぉ~♪」
「ちょ、うは…!」
「いやぁー!!!」(ズバシャア!)
…何言ってんだ俺も…
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4スレ目 >>690
「妖夢、一人前なんかにならないでくれ。
一人前になったら俺が入る隙間が無いじゃないか」
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4スレ目 >>691
先を越されたが…いざっ
「どんなに硬い盾でも傷はつくだろ。傷を変わりに受けれるほど強くは無いけど。せめて、その傷を埋める役割だけはさせてくれないか?
傷ついた妖夢を見ているだけなんて、できないから」
あれ、何でこんなにヒロインみたいな言葉になっちゃったんだろ
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4スレ目 >>764-765
葉桜の頃はとうに過ぎ、季節は初夏から盛夏への顔を見せ始めた、そんな折の白玉楼。
整然と敷き詰められた石畳は果てが霞むほどに長く続き、はらりはらりと緑の雨が彩りを添える。
今日は小鳥遊と雀の霊が抜ける青空を舞い、或いは枝木に下りてち、ちと鳴く。
いつもと変わらぬ穏やかな昼のひと時。
しかし彼女の佇む一角だけは、夏の陽気を忘れたかのようにぴんと張り詰めた空気を纏っていた。
「…………」
一人の少女がいた。
目にも鮮やかな、透き通る銀御髪(ぎんぐし)は眉の高さで切り揃えられ、顔にかかる横髪は黒揚羽を彷彿とさせる髪留めで上げている。
小柄な身体を包むのは、木々の青に溶け込むような深緑のツーピース。
華奢な四肢とあどけなさを残す可憐な容貌は、見る者に儚さと愛らしさを覚えさせるのに十二分に足りて余りある。
しかし少女は余人に守られるようなか弱い娘ではなく――むしろ正逆の位置に或る者だった。
その証拠が、彼女の背中と腰にあって異質ともいえる存在感を放つ二振りの刀と、緊の一字を周囲に置く構えである。
少女は、剣士だった。
腰を落とし佩いた一刀に軽く手を掛け、瞼を閉じたまま微動だにしない姿は余分な力や気負いなど一切無い。
一朝一夕で成される構えではなく、それが彼女の剣への熱意を如実に示していた。
風が、吹いた。
さああ、と葉擦れの音を立てて緑がざわめく。
風は木々を、石畳を、雀達を撫でつけて――隔てなく、少女の髪にも触れていく。
だが少女の銀髪は揺らせても、少女を動かすには至らない。
石畳に降りていた木の葉が、風を受けて舞った。
少女を包むように緑の雨が降りしきる。
閃。
光が疾った。
一拍、否、半拍の遅れを持って鍔鳴の音が響く。
金属が触れ合う硬質の音は、柔らかな風の唄の中に一滴の波紋を拡げ残心、そして消える。
素人目には見事としか言い様の無い抜き打ちに、しかし少女は僅かに眉根を寄せて嘆息した。
「……はぁ」
足元に視線を落とす。そこには、緑と白のまだら模様の石畳。
再び風が攫う波のように石畳を滑ると、落葉の幾枚かが真一文字の痕に別れて散っていった。
「“斬れる”なんて」
“落ちる木の葉の間隙を縫って放った”抜き打ちの筈が、結果は惨々たる有様である。
「あらあら、妖忌に見られたら大目玉ね、妖夢♪」
「ゆっ、幽々子様!」
突如背後からかかった声に、少女は――魂魄妖夢は狼狽の色を含んだ表情で振り向いた。
ふわふわと地に足の着かない足取りで(文字通り足は着いていないのだが)やってくる妖夢の主、西行寺幽々子の声はどこか楽しそうな響きを持っている。それはまあいつもの通りなのではあるが、ここ最近は特にその傾向が顕著だ。
「おっ、おおお恥ずかしい様をお見せ致しました。幽々子様の御目に叶う見世物には御座いませんので私はこれで――」
「まぁまぁ、今のでも十分凄いと思うわよ私は。私じゃあんなに早く刀なんて振れないし。って事で私に気にせず続けて頂戴」
「い、いや、しかしですね――」
にこやかな幽々子とは対照的に、妖夢の顔には焦りと動揺がありありと浮かんでいる。
なんとかして幽々子から逃れなくては、そんな心の裡が手に取るように分かってしまう。なんとも真っ直ぐで正直な娘さんである。
「しくしくしくしく……酷いわ妖夢、私が邪魔だからどこかに行けと、そう言うのね。幽々子大ショック」
妖夢の慌てぶりを逆手にとり、幽々子が手にした扇で顔を隠しながらよよと崩折れる。
「そ、そんな事はございません!」
「じゃ問題無しね。さぁ続けて続けてー♪」
「う、ぐ……ぅ。か、畏まりました……」
どこから見ても芝居にしか思えない幽々子の仕種にも、毎度々々律儀に返してしまう妖夢だった。
了承してしまった以上、妖夢にはもう成す術は無い。
出来る事といえば、幽々子が最近大好きな“あの話題”を振ってこないように祈る事だけだった。
導入編。
次回、本編。
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4スレ目 >>769-770>>805-806
「ねぇ、妖夢」
暫くの間、妖夢の鍛錬をぼーっと眺めていた幽々子が、突然口を開いた。
素振りの手を止め、妖夢は幽々子に向き直る。額の汗を傍らの木の枝に掛けておいた手拭で拭き取り妖夢は応えた。
「はい、何でしょうか」
「修行、身に入らない?」
ずばり不意打ち、しかもいきなり核心を突いて来た。
「い、いやっ? そんな事あああありませんにょっ?」
しどろもどろで噛みまくりな否定の言葉は、むしろ肯定よりも是にしかならない。
そんな妖夢の様子が面白くて仕方が無いのだろう。幽々子は顔に浮かぶ愉悦の笑みを隠そうともせずに畳み掛ける。
「そうよねー。妖夢はいつだって剣術一筋だものねー。剣以外に妖夢が傾倒しちゃうようなモノなんて私想像もできないわ」
「は、はい。仰る通りです」
「んー? でもおかしいわね妖夢、さっきから素振りの合間に溜息ついてばかりだったような?」
「そっ、それはですね! 己の未熟に気が滅入り、思わず漏れてしまったといいますか……」
「ふむふむ。なるほどそーいう事にしときましょうか。じゃあ『彼』の名を口ずさんでいたのはどういう事なのかしら?」
「ふえっ!? え、やだ、嘘、私そそそそんな事しちゃってました!?」
「ううんしてない♪」
「――――っ!」
嵌められた、と気付いた時には既に遅く、妖夢の顔は鬼灯の様に赤く染まっていた。
遣る瀬無く手拭で顔を隠し、精一杯の抵抗を試みる。
「ゆっ、幽々子様! 御戯れも程々にして下さい!」
「あらあら何を言ってるの妖夢。古今東西を問わず恋の話は女の子の大好物なのよ? こんな身近にそれが転がってるとあって、無視する方がどうかしてるわ」
隠しきれていない耳の先が真っ赤になっている様に、幽々子は上機嫌でころころと微笑んだ。
普段は可愛らしく、それでいて凛とした妖夢が羞恥に悶える様は、幽々子の嗜虐心と優越感をこれでもかと刺激してくれる。
要するに、「妖夢いじりって堪らないわ!」なのである。
そんな幽々子のちょっと歪んだ愛情に中てられたわけではないだろうが――もしかしたら中てられたのかもしれないが――、妖夢を挟んで幽々子と対する空間に"亀裂"が入った。
一筋の線でしかなかった"亀裂"は、次の瞬間口を開ける様に中央からじわりと広がり、虚空の貌を覗かせる。
「そうそう。しかもその獲物……じゃなかった、話題の主が妖夢ちゃんとあっては夜摩天だろうと食いつくに決まってるじゃない」
「あら紫。来てたの?」
「ええ、たった今」
虚空の中から滲み出るように現れた金髪の少女の名を呼びつつ、幽々子はさして驚いた風も見せずに手を振った。
妖夢は手拭で顔を覆ったまま頭を抱えた。
幽々子に負けず劣らず掴み所の無い紫が加わる事で、「妖夢いじり」は格段に威力を増すのだ。過去の苦々しい記憶からそれが身に染みて分かっている妖夢は今日一番の大きな溜息を吐いた。
最悪だ。幽々子様お一人でも手に負えないというのに、紫様までやって来るとは。
幽々子様と紫様。幻想郷でも一、二を争う程の大妖であるにも関わらず、普段の言動にはまるで威厳というものがない。
「……でねでね、妖夢ったら素振りのたびに溜息ついて、『彼』の名前を呼ぶのよ~!」
「きゃぁー! 妖夢ちゃん乙女してるわねー!」
現に、ああやって二人できゃいきゃいとはしゃぐ様を見て、誰も御二方が――って、
「そっ、そんな事してません! ある事無い事吹聴しないで下さい!」
「あら、今のはある事も含まれてたの? 私はてっきり幽々子の作り話かと」
「ぅ」
「それが全部ウソってわけでもないのよねぇ。 あのねさっきね、妖夢が……」
「庭の掃除をして参ります! 紫様、どうぞごゆっくりお寛ぎ下さい! ではっ!」
限界であった。
ここに留まっても百害あって一利なしと今更ながらに悟った妖夢は、適当な言い訳を立てると傍らに立てかけてあった箒を手に、頭上から湯気を噴きつつ一目散と駆け出した。
耐え切れず逃げ出す妖夢の姿を見て、これまた初々しいわぁと微笑む二人であったが、妖夢の姿が白玉楼の向こうに見えなくなるまで見送ると、不意に今までとは違う色を含んだ声音で幽々子が口を開いた。
「どう思う、紫?」
「いい兆候だと思うわ。ただ――」
答える紫の瞳にも、先程とは異なった、静かな光が窺える。
紫と同じ答えを持っていたのだろう。幽々子は紫の言葉を継いで続けた。
「妖夢の性格を考えると、ちょっと捩れた方向へ行ってしまうかもしれない」
「ええ。それが気掛かりね」
「まあ、その辺りはあの男の度量次第、ってところじゃない?」
「それもそうね。それじゃ、私達はのんびりと行く末を楽しみましょうか」
「ええ」
手にした箒が、力なく振られ石畳を掃く。
しかし石畳には掃かれるはずの落ち葉は既に無く、妖夢は心此処にに在らずとかれこれ四半刻の間ぼうっと立ち尽くしたまま足元に箒をかけていた。
考えていた。『彼』の事を。
初めて会ったのは何時だっただろう。
第一印象はそこそこ腕の立つ同業者、といった程度のものでしかなかった。
鎬を削るに良い相手が出来た、是非これからも手合わせをと請われ、妖夢にしてみてもやはり相手のいる鍛錬は望むところだったので二つ返事で引き受けた。
以来、月に一、ニ度の割合で白玉楼を訪れるようになった『彼』と武を研鑽するようになり。
鍛錬が終われば桜の木陰に腰を下ろして、やれあの打ち込みは見事だった、あの誘いは判り易過ぎだったなどと語り合い。
日が暮れると次の手合わせの日を約束して、帰っていく『彼』を見送る。
そんな事を繰り返しているうちに――いつの間にか、『彼』が来る日を心待ちにしている自分がいることに妖夢は気付いてしまった。
最初は、鍛錬に張り合いが出るから待ち遠しいのだと、そう思っていた。
幽々子の為に剣を振るい、幽々子の為に強くなる。
それだけが妖夢の生き甲斐であり、喜びだったのだ。
だが、今は――
箒を持つ手が、ぴたりと止まった。
妖夢は瞼を閉じる。
屈託無く笑う『彼』の横顔が眼に浮かぶ。
『彼』の名を舌に乗せ、声に出してみる。
ただそれだけで、心の臓がとくん、と強く打つ。
ああそうだ、偽る事は出来ない。
己を騙す嘘は、なんと難しいのだろう。
ついぞ恋などとは無縁の生――半人半霊の生というのもおかしな話だが――を歩いてきた妖夢でさえ、ここまで来れば気付かない訳が無い。
妖夢は、『彼』を恋うていた。
幽々子への敬愛の念とは違う。
剣の道への情熱の想とも違う。
初めて経験する、全く知らない感情。
『彼』の傍にいたい。声を聞きたい。触れていたい。顔を見たい。
一人でいると、『彼』の事ばかり考えてしまう。
どこにいても。何をしていても。
胸を締め付ける様な淡い疼きは、妖夢にとって何よりも甘い果実であり。
そして、身を刻まれるに等しい責苦であった。
もう一度、妖夢は『彼』の名前を口にする。
湧き上がる恋慕の情。
嬉しいのに、それが辛い。
相反する二つの感情に、妖夢は惑い悩む。
そう、『彼』を好きになればなるほど、心は乱されていくのだ。
何故なら。
魂魄妖夢は、剣士なのだから。
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4スレ目 >>922-923 5スレ目>>335
流れも空気も読まずに夕飯時に幻視したものを書いてみるぜ。
「あーん♪」
差し出された箸の先には芋の煮物。
妖夢が作ってくれたとても美味しい料理だ。
ソレを前に、俺は固まった、固まりつくした。
箸を握る繊細な指の先には微笑む幽々子がいる。
身を乗り出してこちらに箸を伸ばす格好の彼女の胸元。
そこに複数形で揺れる何かは確実に俺の精神を削っていく。
同時に、横から伸びてくる殺気が更に精神を削っていた。
険しい眼を向ける少女、この煮物を作った本人。
何でだろう、幸せなシュチュエーションに俺の目から感涙以外の何かが流れそうだった。
「う……あ……んぐっ」
うろたえて口をパクパクとさせていると。
見計らったように箸が口に突っ込まれる。
俺が咀嚼する様子を見て、幽々子が妖艶に笑う。
脳が蕩けるようだった。
蕩けた先から横からぶつかる妖夢の殺気ですり潰されていく。
死後の世界は天国と地獄を混ぜたものなのだった。
「○○はデレデレしすぎです」
箸を置いて、いかにも怒っていますというオーラを出す妖夢。
純粋に怖かった、主に傍らに置かれた刀とか刃物とか金物とかが。
「妖夢、なんで怒っているのかしらー?」
「怒ってません!」
主に対して素晴らしいキレっぷりである。
そんな様子にカチンと来たのか幽々子もなにやら思案顔をする。
「○○、あーーん♪」
とかやってくださいました亡霊嬢。
言いながら、箸を差し出してくる。
ふらふらと目の前で揺れる煮物。
迷った、俺は人生でこれ以上は無いというほどに迷っていた。
「ゆゆこにあーんってされるのいやなの?」
「え、いえ……そういうわけじゃないですけど!」
一人称が急激に変わった。
さて、この誘いを否定できる男子が、はたしていただろうか。
いや、居ない。居てはいけない。居たらまず俺が殺している。
たとえ頭のいい彼女の策略と分かっていても、否定できるはずが無いのだ。
結果は決まっている。俺は迷った末に煮物をぱくりと口へと入れた。
その様子を見て幽々子がかわいらしく微笑む。
こんな状況じゃ無かったなら男として握りこぶしを作ってしまうようなふやけた笑顔だった。
「お止めください幽々子様。そのような行為は……その、恋仲の者達がするような行為でして……○○等には不適切なですね……」
「あら、それなら貴女がやればいいじゃない」
「なっ!」
「好きならできるわよねぇ……妖夢?」
ニヤニヤと薄く笑う幽々子の言葉に妖夢の顔が真っ赤に染まる。
なんでこの人はこうも場を地獄へと変えたがるのだろうか。
亡霊だからか?
考えていると、妖夢が思いついたような顔で箸を置いた。
「な、なら、幽々子様は○○に好意があるとでも?!」
「あら、私は○○のこと好きよー」
即答してくださる。
やばい、地味に嬉しい、どうせ嘘なんだろうけど。
妖夢のしてやったりというような表情が崩れていく。
彼女は騙されやすい真っ直ぐな子だ、また幽々子の冗談を真に受けたに違いない。
「ほらほら、どうしたのかしら妖夢。できないなら……○○は私がもらっちゃおうかなぁ」
にやにやと妖しい微笑で妖夢を追い詰めていく。
妖夢苛めに関して幽々子の右に出る者はもちろん、その背後にさえ追いつける者はいない。
妖夢はというと俯いたまま震えていた。表情は読めない。
「ゆ、幽々子さん、少し冗談の度がすg……ん?」
言い終わる前に、俺を箸が遮った。
横を向くと妖夢が性質の悪い疫病にでもかかったように顔を真っ赤にしながら箸を伸ばしている。
彼女は何も言わない、ただ目線を俺から外して俯くばかりだった。
俺の鼻の粘膜が弱かったならこの時点で鼻血をリットル単位で噴出していただろう。
そして、視界の端で幽々子が鼻血をドバドバと放出しているのを見た。
恐らく、彼女の狙いはコレだ、手を妖しげに動かしているのは隠れている天狗へのサインだろう。
くそっ、後で写真一枚ください。
「わ、私じゃ……駄目か」
「え、ちがっ」
固まったまま暫しの時が流れて、妖夢はうっすらと涙を浮かべながら言う。
駄目なわけがない、俺は慌てて否定する。
「じゃあ、あの……あ、あーん」
「あ……あーん」
やはり恥ずかしいのか目線を逸らす、可愛い。
可愛いのでどんな予想通りの結果になっても俺は怒らなかった。
「なぁ……妖夢」
「な、なんだ」
恥ずかしいんだから早くしろとでも言いたげに妖夢が返す。
しかし、残念だがそれはできない、可愛いからというのもあるが食べたくてもできないのだ。
「俺は、鼻で煮物を食べることはできん」
「……へ?」
そう、先程から顔を伏せた妖夢は俺の鼻の中に煮物を押し付けていやがるのだ。
隣で声も出せないほどに震えて爆笑している幽々子が少しだけウザイ。
状況を確認した妖夢は顔を青くしている。
「私……ごめんなさいっ!」
涙さえ浮かべて、妖夢は飛び出して行ってしまった。
居間に残されたのは呆然とする俺と未だに息も絶え絶えに笑う幽々子だけだった。
「幽々子さん、あれはやりすぎじゃないですか?」
「いいじゃない、貴方も嬉しかったでしょう」
「まぁ、ええもん見させてもらいました」
「素直でいいわー」
「でも、俺が好きだなんて嘘吐いて、妖夢が誤解したままですよ」
そこまで言って、俺は幽々子の様子が変わるのを感じた。
いつもと違う、意味深な笑顔ではなく純粋な笑いを浮かべて。
「あら、○○が好きなのは本当のことよ」
にこにこと微笑みながら、呆然としている俺を残して幽々子は席を立った。
「ほら、早く追いかけなさい。女の子を泣かしちゃ駄目よ」
「え、幽々子さん?」
疑問が渦巻く頭を抱える俺にデコピンを一つ与えて、幽々子は居間からするすると出て行く。
俺も追いかけて廊下に出るが、幽々子の姿はもう無かった。
「……泣いたのはあんたのせいだろう」
一人残されて、俺は少し遅れた突っ込みを呟いた。
(幽々子の気持ちの真偽を確かめる為には妖夢隠し撮りクエストをクリアする必要があります)
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続き物とかこのスレでやるのはダセェとわかっているけど。
それでもついカッとなってやってしまった。
前スレ922-923と>>86の続きです。
最近妖夢と喋っていない。
言葉を交わしていない訳ではない、しかし、喋っていないのだ。
食卓での事務的な言葉は交わす、他には何もない。
廊下では普通に擦れ違う。仕事中は見向きもしない。
“貴方が私に云った好きとは、どうも私が捉えていた意味とは違うものだったのですね”
いつも通りの喧嘩みたいなものだと思っていた。
明日になれば険しい顔を死ながらもおはようと言ってくれると思っていた。
毎日の彼女の笑顔が、恋しかった。
「妖夢、話がある」
「私はありません」
決死の思いで決めた覚悟を2秒足らずで砕いてくれた妖夢。
そこに怒りはなく、ただ無表情で言うものだから、少し泣きそうだった。
俺は重大な勘違いをしていた。
両想いだなんて浮かれて、一番大切にしなきゃいけない彼女の前で馬鹿なことをやっていた。
俺は、最低だった。
だから今、俺は真夜中の庭に佇んでいた彼女に声をかけたのだ。
「妖夢……お前が、好きだ」
「――っ!」
瞬間、ドスンッと重い衝撃が腹に食い込んだ。
夕食の直後だったら間違いなく溶けかけの食材達と再会していただろう。
拳を叩きつけた妖夢は怒りを浮かべながら、泣いていた。
「いまさら、そんなことを……言うのですか!」
「……」
「信じられませんよ!私を好きといいながら、何度も違う女性と色事を繰り返したくせに!」
「……違う」
「違ったとしても、貴方はいつもふざけてたじゃないですか!なんで……もっと真剣に否定してくれないんですか」
「……すまん」
「どんなに貴方が好きでも……信じられないよ……」
涙をぽろぽろと溢して、俺の手の届かぬところで彼女は言葉を溢す。
俺が、彼女をここまで追い詰めていたのだと、自分を殺したくなるような感情が沸いてくる。
彼女が一途で、真剣で、弱い存在だと俺が一番知っていたはずだった。
彼女が俺を好きでいてくれていたことを知っていたはずだった。
俺は裏切った。
俺は妖夢が好きだった。
なのに、俺は馬鹿みたいに彼女を傷つけてしまった。
「妖夢、ごめん」
「来ないで……ください」
言葉を流して、俺は距離をつめていく。
もう一度、今度は鳩尾に妖夢の拳が叩きつけられた。
その衝撃に、俺は肺の中の酸素が全て吐き出されて、ひざを突く。
無様に倒れながら、それでも手を伸ばして妖夢を掻き抱いた。
「やめてよ、ずるいよ……○○はずるい」
「ごめん、俺はお前の好意を知ってたのに」
「離してよ……」
「お前を一番大切にしなきゃいけなかったのに、誤解なんてあっちゃいけなかったのに」
妖夢は力の抜けた拳で俺の胸を叩く。
泣きながら、責めるように痛くも無い拳をぶつけてくる。
それは、さっきの重い拳よりも遥かに痛くて、泣きながら抱きしめた。
「好きなんだ、お前が一番……何よりも」
「……ずるいよ、そんな風に言われたら責められなくなっちゃうじゃない」
「……ごめん」
叩きつけられていた拳が止まって、小さな手が俺の背中に回るのを感じた。
強く、妖夢の小さな身体を抱きしめる。
「私以外を見ないでください」
「はい」
「私以外を抱きしめないでください」
「分かった」
「……もっと強く抱きしめてください」
「……ん」
「そ、それと」
「何だ?」
「あ、あの……キ……キー」
「……」
澄んだ星空の下、歪な月が見ている中で、顔の赤い妖夢キスをする。
離した顔はお互い酷いもので、軽いキスは涙でしょっぱかった。
「……やっぱり、○○はずるい」
「わりぃ」
「……もう一回、してください」
「……ん」
月夜の絶景の庭で、月明かりで出来た俺達の影がゆっくりと重なって見えた。
俺はもう、絶対にこの子を離さない。
◇
「よかったのー? 幽々子」
「あぁでもしないと、気づかないのよ」
「老婆心ねぇ」
「紫には言われたくないわ」
「……」
「……」
「良かったの?」
「何が?」
「彼似てたじゃないの、あんたの初恋のアレにさ」
「アレとか言わないで頂戴」
「転生して元気にやってるかしらね」
「さぁ……どうでしょうね」
「……じゃあ、いいもん見れたし私は帰るわ」
「……ん」
「……泣いても、いいのよ?」
「うるさいわ」
(続きはありません、新しく物語を始めるにはNEW GAMEを選択してください)
5スレ目>>211
華麗なグレイズは百戦練磨の皆様にお任せします。
そして満開間近の
西行妖に辿り着けない自分は余裕を持って回避させて頂きます。
真っ直ぐな彼女が好きだから。
一生懸命で、毎日全力で生きている彼女が好きだから。
そう想ってしまう自分は――無責任かもしれない。
あとどれくらい、彼女と一緒に居られるのかも解らないのに。
自分が彼女に釣り合うだなんて、思えないのに。
だけど、ほんの少しでも、彼女の支えになれるのなら。
自分よりも遥かに長い彼女の人生に、何かを残してあげられるのなら。
彼女の、その精一杯の気持ちに、自分の素直な気持ちを返そう。
「――ありがとう、妖夢」
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5スレ目>>369
妖夢と夫婦になってから、早三日。今日の買い物当番は俺。
香霖堂から帰る頃には、すっかり日が暮れてしまった。
「ふぅ、ただいまっと……。やっぱあの階段を飛ばずに登るのはキツいn……」
玄関開けたら2分でごは……じゃなくて、三つ指立てて妖夢がお出迎え。
「…お、お帰りなさぃ……」
最後のほうは消えそうな声になって、顔は熟れたトマトのように真っ赤っ赤。
「お、おう、ただいま……。遅くなって悪かった。ところで晩飯の用意は……」
「ま、まって……! あ、あの……」
氷精のようにイッパイイッパイになりながらも、必死の思いで言葉を繋ごうとする妖夢。
「……ご、ご飯にしますか? そ、それともお風呂にしますか? そそそそれともわわわたわたわた」
「落ち着け」
「…………」←完熟トマト
コマンド?
・ごはん
・おふろ
rァ ・よーむ
・かすり
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5スレ目>>389
空気読まずに投下。
妖夢。
ぜんぜんネタ寝かせてないです。
======
「妖夢!」
白玉楼の庭で素振りをしている妖夢に、縁側から俺はスポーツタオルを投げた。
「ふっ!」
気合一閃。
それを木刀に引っ掛けて受け取る妖夢。
俺の恋人。
死者の集まる白玉楼。
ここに来て半年ほどになる。
何かの弾みで結界が開き、こちらに来ることになってしまった。
本当ならすぐに返してもらえる筈だったのだが、幽々子さまに教えた囲碁が気に入られてしまい、そのまま囲碁指南役として滞在している。
「囲碁指南は終わったのですか?」
汗だくの顔を拭きながら尋ねる妖夢。
「まあね。と言っても、一局打っただけだけど」
「幽々子さまは?」
「今度は和歌のお勉強だとさ」
「そうですか」
そう言って、妖夢は縁側へ腰を下ろす。
つられて、俺も隣へ腰を下ろした。
さっきまで屋内で囲碁をやってきた身としては、燦々と照りつける太陽と桜の新緑が眩しい。
庭に敷き詰めた小石からは、多少ながらも陽炎が立ち上っている。
「ほれ、ジュース」
「用意がいいですね。どうしたのです?」
「さっき、台所に行って貰って来た。なに、いつものチェリージュースだ」
妖夢にジュースを渡す。
ここには、基本的に果物はサクランボしかない。
果樹園のスペースがあるなら、別なものにしてしまうためだ。
ゴクッゴクッゴクッ
妖夢が喉を鳴らして、美味そうにジュースを流し込む。
それでも、ジョッキ一気飲みは無理だったようで、相当の量が余っていた。
「なあ、妖夢?」
「はい?」
「俺もジュース貰うぜ」
そう言うが早く、俺は妖夢の膝の上の手から、ジョッキを奪って口をつける。
ふむ、ほのかな甘みがいい感じだ。
「あ、え、え、ええ!?」
ふと妖夢を見ると、何とも言えない動揺した表情でこちらを見ていた。
「どうした?」
その言葉に、我に返る妖夢。
「どうした、じゃありません!
か、か、間接キスなんですよ! わかってますか!」
「ああ、そんなことか。
別に構わないだろう? 恋人なんだし」
「そ、それはそうですが。でもこういうことは人のいないところで……」
段々と声が小さくなっていく妖夢。
「それは悪かったな。じゃあ、お詫びに――」
俺は妖夢の腰を抱き寄せた。
「ひゃん! な、何を!?」
「えいっ」
空いたほうの左手で、ジョッキの中の赤い液体を、妖夢の唇へと導く。
「んっ……ぷはぁ」
「どうだ?」
「全く、あなたは唐突なんですから」
「でも、美味かっただろう?」
溜息をつく妖夢。
「はあぁ。あなたには呆れました」
ふてくされたようにそう言うと、
ポフン
俺の肩に頭を預けてくる。
「妖夢?」
「修行で疲れました。一眠りします。
私の頭が落ちないようにちゃんと抱いていること」
そう言って、妖夢は目を瞑った。
程なくして、規則正しい寝息が流れてくる。
穏やかな顔をして眠る、俺だけの眠り姫。
そんな寝顔を見ながら、
「なんだか、俺も眠くなってきたな」
まどろみの中へと俺も落ちていった。
「んん~、○○、大好きです」
意識が落ちる直前、そんな声が聞こえた気がした。
「幽々子さまが逃げたー!」
その声に、反射的に俺と妖夢は立ち上がった。
空を見ると、日も随分と傾いてきている。
「妖夢!」
「はい、わかっています。留守番よろしくお願いしますね」
「わかってる」
そうなのだ。
空の飛べない俺には、幽々子さまは捕まえられない。
だからいつも、皆のいなくなった後の館の管理を任されている。
「そういえば、この時間は琵琶だったはずだ。幽々子さま、琵琶嫌いだからなあ」
「確かに。だからと言って、逃げ出すのはいかがなものかと思いますが」
逃げ出されるもう一方の雄、剣術の師範が苦笑をしている。
「と言っても、このままにしておく訳にもいかないだろう?」
「ええ、すぐに行きますよ」
妖夢は、口ではそう言いつつも、周囲を気にしているばかりで出かけようとしない。
「どうした?」
そして。
妖夢が背伸びをしたかと思うと、一瞬で唇を奪われた。
「んんっ!?」
「恋人の、いってらっしゃいのキス、です。
いささか、立場は逆ですが」
顔を真っ赤にしてそう言うと、向こうへと一目散に駆けていった。
その間。
俺は、妖夢に奪われた唇に、呆然と手を触れていた。
ジュースの中の解けかけの氷が、カラン、と鳴った。
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5スレ目>>488
そんな流れの中、再びガリ作ってみました。
踏み込みは、大事である。
間合いの外から中へ、移る速度は威力に加わるからだ。
剣という、槍や弓矢、弾幕などと比較して間合いの狭い得物であれば、より一層踏み込みは大事になる。
敵の攻撃を避け、間合いを詰め、次の一撃を繰り出される前に斬り伏せる。
そのためにも踏み込みは大事だと、彼女は経験から解っている……はずなのだが。
「…………」
かれこれ半刻、彼女は踏み込めずにいた。
相手の攻撃が熾烈を極めていたかといえば、むしろ全く無防備だからこそ困りもの。
まだ短い白楼剣でこそ十分に過ぎる今の間合いだが、徒手空拳の今の彼女には半歩足りない。
たかが半歩、されど半歩。
今の彼女にとってその半歩は、二百由旬の幅を持つ彼女の仕事場の端から端よりも遠く感じられた。
――足が出ない。
――踏み出せない。
如何に相手が無防備とはいえ、音無しの構えとは訳が違う。
相手は、敵ですらないのだから。
(う、うぅ~……)
その姿は白玉楼の亡霊姫の護衛を勤める剣士だが、内心は恋に臆病な乙女の迷い。
横目でちらりと見るだけの、切なく甘い片思い……の時期は過ぎたものの、何時まで経っても初々しいのが彼女の魅力。
気付かれぬように、柱の影からこっそり見ている彼女の主も、そんな彼女が大好きで。
(ふふ。妖夢、頑張って~♪)
背中を押してあげたいけれど、ぐっと我慢の幽々子様。
従者に主が出来ることは、黙ってそっと見守ることだから。
手も足も口も出さないで、顔だけ出して見ていたよ。
それからうんうん迷いに迷い、四半刻ほど経った頃、遂に彼女は覚悟を決めた。
行くか行かぬかその迷い、白楼剣なら斬れただろうけど、恋に刀は使わない。
静かに彼に寄り添うと、真っ赤になって手を握り、彼の隣で目を閉じた。
白玉楼の昼下がり。
眠れぬ妖夢の昼下がり。
恋には未熟な妖夢の修行は、まだまだ長く続きそう。
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5スレ目>>582(うpろだ0056)
あらかじめ予想が出来るのなら、心の準備くらいは出来るはず。
だけど、予想も出来ない『突然』には、一切の準備もなしに臨まなくてはならない。
「妖夢。たまにはお休みをあげるわ」
そういう意味では、彼女の主はいつだって、彼女の想像の上を行っている。
もっとも今回に関しては、彼女も原因の一端なのだが。
「……はい?」
「だ・か・ら、お休みをあげるって言ったのよ。『暇を出す』って言ったら、何だか誤解しそうだし。
あ、おかわりちょうだい」
一体どういう風の吹き回しだろう、と妖夢はご飯をよそいながら考えた。
たまに……というか、よく突拍子もないことを言い出す主の考えは、その裏に深い思慮があったりなかったり。
さて、今回は一体どちらだろう?
「宜しければ、理由をお聞かせ願えますか?」
「ん~……と、よく考えたらお休みじゃないかも」
なんのこっちゃ。
「ちょっと紫の所に行ってくるから、『二人で』お留守番しててね」
「う」
敢えて強調された言葉を聞いて、妖夢の顔は一気に赤くなる。
広い屋敷でふたりきり。
ちょっぴり意識しただけで、心の余裕は現世斬。
「まあ、護衛だけはお休みね。ご飯の仕度とかは、自分『達』でやってもらうことになるけど」
恋する妖夢に優しいけれど、ちょっぴり意地悪幽々子様。
あんまり進まぬ二人の恋に、何度やきもきしたものか。
それならまずは邪魔者消えて、二人っきりにしてみよう。
「あああのですね、お帰りはいつ頃になりますのでしょうか」
「ん~~……どうしましょうね。
紫が帰してくれなかったら、しばらく帰って来ないかも♪」
扇で隠した口元は、見えずとも解る含み笑い。
「そういう訳だから、宜しくね~」
さっきのおかわりぺろりと平らげ、茹蛸妖夢を置いといて、ひらひら手を振る幽々子様。
「あ、そのっ」
「後で色々と聞かせてもらうわよ~♪」
何か言おうとする間も与えず、蝶の様にふわふわと出ていく主に、
「い、いってらっしゃいませ……」
妖夢は半ば固まったまま、見送ることしか出来なかった。
(ふ、二人きり……二人きり……)
恋する妖夢は可愛い妖夢、幽々子お嬢様のお気に入り。
半分人間魂珀妖夢、剣技も恋も半人前。
いつでも一緒にいたいのに、仕事はぽんぽん湧いて出て、手分けしなけりゃ終わらない。
ようやく一緒の昼休み、静かなぽかぽか縁側で、二人一緒に寝るだけで、毎日どきどき止まらない。
そんな奥手な恋する妖夢。棚から牡丹餅この好機、どうしていいか解らない。
――パシっ!
まずは両頬平手で打って、自分の心に断迷剣。
頬は確かに痛むから、これは現実間違いない。
(……そういえば)
頭を冷やした恋する妖夢、肝心なことを思い出す。
妖夢にお熱なその相手、一体何処にいるのやら。
(この時間なら……まだ庭の掃除ですよね)
二百由旬の広さを誇る、白玉楼のそのお庭。
手入れも掃除も大変な、働く二人のそのお庭。
そこまで解ればいざ行こう。
準備は素早く手際よく、手にする手拭い・竹箒。
二百由旬の彼方まで、大切な人の所まで、駆けてく妖夢は一直線。
一緒に仕事を終わらせて、残った時間で何しよう。
大事な大事なその時間、きっと思い出に残るから。
恋する妖夢の休日は、そんな朝から始まった。
・おまけ
「……食器?」
「そうそう。お茶碗とかお皿とか余ってない?」
「悪いことは言わないわ。いかに幽々子でも食器は食べちゃダメよ」
「もぅ~、違うってば。最近妖夢が沢山割っちゃって、あんまりないんだから。
ぼーっとしながら洗いものしてると、すぐに『がちゃん』って~」
「あら。それじゃあ毎日おにぎりになっちゃうわね」
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最終更新:2010年05月23日 00:08