妖夢5




5スレ目>>617


 >>583のネタの宝庫に嫉妬

 >「妖夢は、剣を放すと凄く可愛いのよ。それに、
 > 妖夢のあの控えめな胸の良さがわからないのは、男じゃないわ」


白玉楼にて

妖夢と婚約して半月。共に歩むは剣の道。聞いてください「夫婦道」
「なんですかその素振りは! 全く魂がこもってません! それでは弾幕を斬るなんて到底不可能ですよ?」
「押忍!!」
今日もみっちり妖夢に稽古をつけて貰っている。なんで俺が書く先生はこうもスパルタ揃いなんだ?
「まあ弾幕なんて斬れなくても、俺はお前を守れたらそれでいいんだけど……何つって(テヘッ)」
「はあ……腕が悪いならともかく、頭が悪いのは私には手に負えませんよ?」
「……ごめんなさい」
「反省するくらいなら始めから言わないで下さい。罰として、今日は夜まで休憩抜きです」
「いやいや妖夢、俺死んじゃう」
「ほら、腕がお留守になってますよ?もう300回くらい素振りがしたいのなら別ですが…」
「ひえぇ……」
微妙に尻に敷かれていると思うのは俺だけか?




「イタイイタイ!痣にお湯がしみtひぃぃぃっ!!……今日はシャワーだけにしとこうかな」
あれから素振り、座禅、その他色々とやったらどうやら尻に来たようだ。
しっかし、お湯がこんなに染みるなんて知らなかったな……

コンコン(ガチャ)
「……は、入りますよ……ゆ、湯加減はどうですか?」
「ちょちょちょちょちょ!何何何!」
突然バスタオルを巻いた妖夢が風呂に入ってきた
「その…今日の稽古はキツかったみたいなので疲れてるんじゃないかと思って……
 それで…背中を流して労を労ってあげようかと……迷惑でしたか?」
「いやいや! その、何だ……うれしいです」
「よかった……今日は遅くまで頑張りましたね。あなたの剣の腕が日に日に伸びて行くのが嬉しくて……」
「だからって、詰め込み稽古は身体が持たんぞ……」
「でも、頑張るあなたの姿はとても格好良いですよ? ……早く私を護れるくらい強くなって下さいね」
「へ?」
「稽古中に言ってたじゃないですか。けっこう嬉しかったんですよ?」
「へへっ…そら言った甲斐があったよ。ところで、何でバスタオルなんか巻いてるんだ?」
「え?」
「せっかく一緒に風呂に入っているんだ。たまには裸の付き合いと行こうじゃないか」
「…はぁ……わ、分かりましたからバスタオルの裾を掴まないで下さいっ!! ……む、むこう向いてて下さいよ?」

そして浴室にこだまする衣擦れの音…

「…………………………こ、こっちをむ、向いても、い、いいですょ」
振り返ると全身真っ赤になった妖夢の姿。のぼせてる?
「あ、ああああまり! み、みないでくださいっ! む、胸には自信が、なぃ……
 って、腕掴まないで下さいっ!手も駄目ですっ! 剣ダコが出来てて無骨だから……
 その……腰まわりとかなら……ちょっと、自信…ありますから」
「そんなこと無いぞ。全部俺好みの可愛らしい姿じゃないか。剣ダコは俺と同じで、頑張り屋の証拠だろ?
 やれやれ、こりゃ死ぬまで一生護らなきゃな……まったく、もの凄く高い買い物しちゃったかな?」
「返品…しませんよね……?」
「それこそ生活に困った時は、夫婦で演歌歌手デビューさ」



むしゃくしゃして書いた。妖夢との入浴シーンが書ければ何でも良かった。
今も反省していないし、これからも反省するつもりは無い。嘘ですごめんなさい反省してます。

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5スレ目>>899


「遅くなってごめんね」
日も暮れたくらいに、俺は妖夢に呼ばれた場所についた。
決闘かと思ったが、そこにはかわいい少女が立っているだけだった。そして妖夢は決心したように大きく息を吸い吐いた
妖「は、はじめはなんともなかったんです。でも貴方の優しさに触れる度に胸の鼓動が早くなりました。
永遠亭にも行ってきました。医者には『恋なんじゃない?勇気をだせばきっと治るわ』と言われました。
幽々子様に抱く感情とはまた違ったもの…。
だ、だから…あの、その……みょん。

す、好きです。半人半霊…ですけど」

目の前の半人半霊少女はそう告げた。
「僕も好きだ」
そういうと彼女は西行妖に匹敵する可憐な笑顔を振り撒いた。妖夢の後ろにスキマがあったのを指摘したかった。
白玉楼に夕食を招待され、玄関に入るとゆゆ様がでむかえてくれた。
「今日は記念日ね」と笑顔で言っていたが、頬には一筋の水跡がついていた。

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6スレ目>>77


妖夢に起こされたい。
それで寝ぼけたフリして抱きついたりしたい。

「朝ですよ、起きて下さい。いつまで寝てるんですか?」
「んー…あと1日ー・・・」
(がばっ)
「わっ…ちょ、斬りますよ?」
「斬って~」
「あーもう!本当に斬りますよ!?」
「本当に斬って~」

みたいな感じ。

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6スレ目>>86


それはある昼下がりのことだった。
ちょうど幽々子は紫と一緒に遊びに行ってしまった。
白玉楼には俺と妖夢の二人だけ。
しかも、妖夢は朝からずっと庭の手入れを続けている。
あまりに暇なんで俺は自分でお茶を淹れ、
隠しておいたお茶請けの煎餅を出してきて、縁側でぼんやりする。
しかし、暇だ。
「なあ、妖夢。暇で暇で仕方がないのだが」
「そうですか。私は庭の手入れで忙しいですね」
まるで聞く耳なし。
「はぁ~、暇だ……」
暇を持て余していると妖夢の半霊がふわふわやって来た。
俺のところまで近付くと、

ぼん

と音を立てて妖夢の人間形態に化けてしまった。
そう言えば、何時ぞやの鬼の騒ぎの時はドサクサ紛れに化けてたな、
などと考えている内に妖夢(霊)が俺の右膝の上に腰掛けてきた。
そのまま俺に抱きついて顔を胸に埋め甘えてくる妖夢(霊)。
「ふふ、愛い奴め」
等と気取って、その銀色の髪を梳いてやると、気持ちの良さそうに目を細める妖夢(霊)。
俺もすげーほのぼのとした気持ちになって、ずっと梳いてやる。

「なっ、何をしているのですか!」

声のした方を向くと真っ赤になって激高している妖夢(人)が、
わなわなと震えながら立っているではないか。
「何って、妖夢とイチャついているのだが?」
と言って妖夢(霊)の頭を今度はわさわさ撫で回してやる。
すると、ここぞとばかりに甘えてくる妖夢(霊)。
「こら、半身! あなたも何をサボっているのですか!」
妖夢(人)の怒り声に一瞥くれるも、すぐに俺に抱きつき直してイチャつき始める妖夢(霊)。
「片方が素直じゃないからなあ~、もう片方が気を使っているんだろう」
そう言って妖夢(人)に見せ付けるように、妖夢(霊)に頬ずりをする。
満面の笑みで頬ずり返す妖夢(霊)
「妖夢の肌はすべすべで気持ちいいなあ」
なんてご満悦で浸っていると妖夢(人)が怒りからどんどん泣き顔へシフトしていく。
下を向き、唇を噛みしめ、ぷるぷる小刻みに震えている。
ちょっとやり過ぎてしまったか。
どうも妖夢はからかいがいがあって直ぐ苛めてしまう。

「ほれ」
そう言って、空いている左膝を叩いてやると、本当におずおずと妖夢(人)が座った。
そして、そのまま力いっぱい俺に抱きついてくる
俺のシャツを握った手は力が入りすぎて白くなりそうだし、まだ少し震えている。
妖夢(人)の緊張を解そうと妖夢(霊)にしてやったように、優しく髪を梳いてやる。
丹念に繰り返すと妖夢(人)の力が抜けてきて、俺に体を預け始める。
すると先ほどまで妖夢(人)を見ているだけだった妖夢(霊)がポンポンと優しく妖夢(人)の頭を叩く。
妖夢(人)がゆっくり顔を上げると、にっこり微笑んで
「「!?」」
俺にキスをした。
そして、少し勝ち誇るように妖夢(人)に笑いかける妖夢(霊)。
シャツの左側が急に力強く握られた。
妖夢(人)の方を見ると、もはや緊張でがちがちという感じで俺の方を睨み付けていた。
妖夢(人)はかなり浅い深呼吸を何度か繰り返すと、意を決したように目をつぶり、唇を上に突き出した。
これはアレか、アレしろということか。
とりあえずじっくり観察してみると、顔が徐々に紅潮し、また小刻みに震え始めた。
しかし、決して目は開かず姿勢も変えない。
まあ、これ以上焦らすと鬼畜になっちまう、ということで、
妖夢(人)に優しくキスをする。
ぼんやりと夢にいるような恥じ入るような視線を俺に向けてくる妖夢(人)。
すると今度は妖夢(霊)の方が頬を膨らませて明後日の方向を向いてしまった。
俺はその素直な表現に苦笑しながら、妖夢(霊)の膨らんだ頬にキスをすると、
澄ました顔でこっちに向き直り、目をつぶって唇を突き出した。
俺はもう流されるままに妖夢(霊)の唇にキスをする。
びしっと抱きつき甘えてくる妖夢(霊)。
その頭を優しく撫でる俺。

「ぬおっ!」
突然強烈な腕力で顔をがっちりホールドされてしまった。
そのまま、妖夢(人)方へ力づくで向きなおされる。
そこには半泣き半怒りといった感じで、涙を溜めながら真っ赤になった妖夢(人)がいて、
ヘッドバットでもするような勢いで強烈なキスをお見舞いされた。
そのまま俺の頭を抱きしめて離そうとしない。
今度は妖夢(霊)が首に手を巻きつけてきて妖夢(人)を突き上げるように下からキスをしてくる
俺は二人の勢いに押し倒されてしまった。
上を見上げると、息を荒く俺を見据える二人の妖夢。
誰からともなくお互いのシャツのボタンに手をかけて……

(省略されました。全てを見るにはとりあえず白玉楼へ)

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避難所>>74


 辺りはまだ暗く空にはまだ太陽が昇っておらず、月が美しく輝いている様な早朝に俺は起きる。
 起きたらまず筋トレをする。その後に神社の周りを走り、そして刀を振る。
 俺が幻想郷に来る前に行っていたことを毎日の様に行う。
 親父が居ないので打ち合いができないので以前よりも終わるのが早い。
 しかし手を抜くことは絶対にしない。
 戦いでは、日々の鍛錬がものを言うからである。
 特に俺のように外から来て接近戦しかできない者には。



 鍛錬を終わり朝食を食べる。

 「やはり霊夢や妖夢の様にはいかないな」

 すぐ近くの神社に住んでいる巫女や、亡霊の姫に仕える庭師の料理を思い出す。
 少し大袈裟かも知れないが彼女達が作るものと比べたら天と地の差だ。
 俺の料理は正直あまり美味くはない。言うほど不味くもないのだがもう少し上手に作れればとは思う。
 そう言うどうでもいい事を考えながら朝食を食べ、今日は何をしようかと考えていた。
 そんな時だった。
 思いもしない人が現れたのは。 

 「おはようございます、○○さん」 

 「え、妖夢? 」

 そう言って、妖夢は少し嬉しそうに微笑みながら挨拶をしたのだった。




 ・・・・・・

 「あの、○○さん?どうかしましたか?」

 何も反応しない俺を不審に思ったのか、笑みを消し少し不安な表情で妖夢はおずおずと尋ねてきた。

 「……は」

 俺は一瞬呆けていたようだ。
 それはそうだ知り合いとはいえ朝に、それも女の子が自分を訪ねてきたからである。
 俺は急いで彼女が訪ねてくるような事をしたのか思い出そうと脳内ネットをフル活用した。

 検索中…… 検索中…… 該当件数一 件名 手合わせ」

 思い出した。この前の宴会で一緒に飲んだときに剣の話になって意気投合したんだった。
 その時に鍛錬の為に一度勝負をしようと誘ったんだ。
 そしてその日が……今日
 正直すっかり忘れていた……
 剣士が試合をする日を忘れるのは致命的だと思うがこの際無視だ、無視。
 俺がそんなことを考えていると……

 「○○さん、いきなり何を訳の分からない事を言っているんですか?」

 妖夢が呆れたように呟いていた。











 NOW LODING ……  移動中  NOW LODING ……  移動中











 場所は変わり神社の近くの森。

 俺は、試合ルールと勝敗条件を告げる

 「ルールは一本勝負。スペルカードの使用は無し。剣術、体術、その他何でもあり。これでいいか?」

 彼女はそれを黙って聞く。

 「私もそれで構いません」

 そして、依存はないのかすぐに返事をした。


 ルールと言っても特に俺には制限がない。
 スペルカードなど俺は使えないからだ。
 だからこのルールは実質彼女のみ適用とされる。
 これを肯定したと言うことは、彼女から俺への所謂ハンデというものだ。



 一通りのルールが決まったので、俺達はいったん離れた。
 そして軽く体をほぐす。
 全力で戦うには、ある程度体を温めた方がいいからだ










 そして森の広いスペースで、俺達は対峙する。
 互いの獲物を握り抜き放つ。
 彼女は二本の剣を持ち、俺の前に立つ。
 俺は一本の刀とその鞘を持ち、彼女の前に立つ。


 俺達は睨み合ったまま微動だにしない。
 周りにいるはずの動物たちは、俺達の切羽詰まった空気に飲まれたのか動こうともしない。





 「強いな……」


 俺は絞り出すように呟いた。
 対峙した瞬間、理解した。
 (彼女は強い。おそらく俺よりも……)
 隙なんて見あたらない。少なくとも俺の目には。


 俺の中で彼女は、どんな事にも一生懸命だけど何処か抜けている。
 そんな風な女の子だった。
 しかしその認識は覆された。
 今日、この場で彼女と対峙したことで……




 ○○がそう思っている時、対峙する妖夢もまた考えている。


 「少し時間がかかりそうですね」

 妖夢は呟いた。


 彼女は気付いていた。
 自分は彼よりも強いと言う事を。
 彼女には○○の隙が目に見えて解るからだ。
 と言っても、その隙も大きくはないのだが。


 私はどう攻めようか考えています。
 自分が彼より強い、と言う事は解りました。
 でも、彼より強いと言っても、一撃や二撃で倒せる程ではありません。
 スペルカードを使えば話は別だけれども、純粋な剣技だけでは少し時間がかかると思います。
 (……こんな事考えていても埒があかないな。)
 とりあえずは様子見で行きましょうか。





 何時まで睨み合ったままだっただろうか。
 一瞬であった様な気がする。しかし、一時間であった様な気もする。
 そんなことを考えた時だった。

 「○○さん、行きますよ!」

 妖夢が動き出したのは。





 妖夢が走ってくる。
 それに合わせて俺はタイミングを計る。
 そして妖夢が俺の攻撃範囲に足を踏み入れた瞬間に、刀を横に振り抜いた。
 (此処!)


 「はぁ!」

 受け止めなくては当たる。そんなタイミングでの斬撃。
 だが……

 「なっ!」

 妖夢は受け止めなかった。
 彼女は○○の斬撃を、前に倒れ込む様にしゃがむことによってやり過ごしたのだ。

 「やぁ!!」

 そしてすぐさま体制を立て直し、腕を振りきっている○○に楼観剣を振り上げる。

 「くそ」

 俺は悪態を付き、左手で持つ鞘で妖夢の振るう楼観剣を受け止める。

 「ふっ!」

 しかし楼観剣は囮で、すぐさま俺の顔に白楼剣の突きが迫る。
 それを俺は顔を横に逸らす事によって何とか避けた。


 これらは一瞬の攻防である。
 しかし主導権は完全に妖夢が握っていた。
 ○○は防戦一方の様だ。


 少し掠めたのか、髪の毛が数本落ちる。
 しかしそんな事には目もくれず、すぐさま俺は妖夢に向かって刀を奔らせる。
 それを妖夢は後ろに飛びながら勢いを殺し、剣で受け止める。

 俺の攻撃を難無く躱すと、彼女は再び攻めかかる。
 彼女は俺の間合いに侵入し、剣を振るう。

 「此処です!」

 妖夢は楼観剣で横凪の斬撃を放つ。

 「ふっ!」

 俺はそれに合わせ刀を振り下ろす。

 「はぁ!」

 すると彼女は白楼剣で突く。

 「ちぃ!其処!」

 俺は鞘を使いその軌道をそらす。


 そんな打ち合いが楽しく感じる……

 一合、二合、三合……
 俺達は何度と無く刃をぶつけ合う。
 そして十数合打ち合う。
 二十合に達するか達しないかそんな時、

 「しまった!」

 俺は妖夢に刀を弾かれた。

 妖夢の剣が迫る。
 感覚が研ぎ澄まされる……
 (拙い、やられる! 間に合うか!?)
 そう思いながら妖夢に向けて、正確には剣を持つ手に向けて蹴りを放つ。
 そのことに気付いた妖夢は剣を振るう手を一瞬止める。
 その間に俺は鞘を、剣との間に滑り込ませて受け止める。

 受け止めると、腕に力を込め妖夢を押し返す。
 そして後ろに飛び距離を取った。





 距離を取った○○は、少し俯き大きく息を吐いた。
 そして刀を鞘に納める。
 すぐに顔を上げ妖夢を真っ直ぐ見て告げた。

 「今度はこちらから行くぞ」



 俺は体勢を低くして、鞘に左手を添え妖夢に向けて走り出す。
 (速く、速く、速く、疾く!)
 妖夢まで後
 5歩、4歩、3歩、2歩、1歩 
 (タイミングを見極めろ!)

 「シッ!」

 俺は攻撃範囲に入った瞬間に全身を使い、刀を抜き放つ。
 狙いは妖夢の銅から下。
 今度は避られることも念頭に入れての斬撃。
 (さてどう出る。受け止めるか? いや……避ける!)
 何故かそう思った。ほとんど直感だったのだろう。
 そして俺の「避ける」と言う予想は的中した。
 そう彼女はまた避けた。
 (なっ!飛んだだと!?)
 俺を飛び越えると言うその行動によって……

 そしてそのまま、俺の首を狙い斬撃を放つ。
 (……だがまだだ!)
 しかし避けられると読んでいた俺は、そのまま前に走り抜けて斬撃を避けたのだった。



 私は一連の動作を思い出す。


 ○○さんの間合い方が若干広いので、私は後手に回ります。
 これは仕方がありません。
 姿勢を低くして走ってくる○○さん
 その速度は目を見張るものがあります。
 そのまま速度を落とさずさらに上げ続けます。
 どうやら勢いをつけての抜刀で来るようです。
 中々良い選択ですね。
 勢いが増し、速度が上がります。
 でもあの体勢がいけませんね。あの体勢での抜刀ならあまり高い場所には攻撃できません。

 そう考えている内に○○さんが迫ります。思った通り低い場所への斬撃。
 なら!

 「シッ!」

 私は○○さんを飛び越えました。
 ○○さんが目を見開くのが解ります。
 (これで終わり!!)
 そして私は空中で○○さんの首元に向け斬撃を放った。


 此処までは予想道理でした。
 しかし、その後が違いました。
 ○○さんはそのまま走り抜け、私の斬撃を避けたのです。
 驚きながらも私は、空中で身を捩り体勢を立て直します。


 (今のを避けますか……本気で行っても良さそうですね。)









 攻防が終わり振り返る。
 押されているが……極端な腕の差ない
 (これぐらいなら……いける!)
 俺はそう確信した。
 そう思った時、突然彼女の雰囲気が一変した。

 「な、に」

 俺はそう呟くのが精一杯だった。



 彼女に何かが起こったんだ。
 そんな疑問を持つ。
 そんな俺を察してか、彼女が口を開いた。

 「すみません○○さん。今まで手を抜いていました」

 彼女は告げる。
 今までの自分は本気ではなかったと……





 同時に俺は理解する。
 目の前にいる少女は自分より遙かに強いと……


 悲観的な自分の考えに喝を入れる。


 そんなことは最初から解っていた事だ。
 今の俺では、彼女に実力では勝てないと。
 でも、だからこそ彼女と戦うのではないか。
 強くなるために……





 そして彼女は続ける

 「でも、今からは本気で行きます!」

 手加減はもう無しだと……


 あれこれ考えるのはもう止めだ。
 今は、自分の持っているもの全てをぶつけよう。
 そう思い、俺は刀を再び鞘に納める。
 そして勝つために、右手で強く柄を握りしめた。

 そして走り出す。
 先程と同じように。
 (速く、速く、速く、疾く!)
 妖夢まで後
 5歩、4歩、3歩、2歩、1歩 
 (気取られるな! これを失敗したら俺に勝ち目はない!)
 そう思い、俺は刀を振り抜いた。
 鞘に左手を添えずに……


 私は、○○さんを本気を出すに値する人だと認めた。
 そして○○さんを見る。
 どう攻めようか考えている、そんな様子だ。
 しばらく見ていると、○○さんは再び刀を鞘に納める。
 そして前傾姿勢で走ってくる。
 (また抜刀で来る)
 私はそう思い今度は受け止めてやろうと身構えた。
 そして○○さんが私に向かって刀を振るう。
 左手を鞘に添えずに……



 手を鞘に添えていないのだから、それは私の方に飛んでくる。

 「なっ!」

 私は意表を突かれ硬直する。
 その間に鞘が私の顔に接近する。
 私は焦ってしまう。
 (速く避けないと!)
 何とか顔を逸らす事で、鞘での攻撃を躱す。
 そして安堵する。
 だが同時に気付く。

 「あっ」

 ○○さんが振り抜いた筈の刀を、もう振りかぶっていることに……
 (く、間にあえ!!)

 「はぁっ!!」

 そして斬撃は放たれた。



 勝った。
 俺はそう確信した。
 当たり前だ。全てが上手くいったのだから。
 彼女は性格的に不意打ちに弱いと思ったので、実行してみたら見事に隙を作ってくれた。
 そしてその隙をつかせて貰う。

 「はぁっ!!」

 そして決着は着いた。










 世界が反転した。
 少なくとも俺にはそう感じられた。
 確実に勝ったと思ったのに、倒れたのは俺だった。
 そして首元には剣が添えられている。

 「何が起こったんだ?」

 俺は問う。俺を倒した相手、魂魄妖夢に。

 「簡単に言うと、私が○○さんの攻撃より速く足払いを掛けました」

 彼女は実にわかりやすく答えてくれた。





 私はあの時のことを思い出します。
 斬撃が来る瞬間、私は思い切りしゃがみました。
 そして刃が上から迫って来るのを感じつつ、○○さんの足を払います。
 こう言う時は、足のどちらかに重心が傾くものです。
 幸い左足が少し浮き、右足に体重が掛かっていたので、そこを思いっ切り払いました。
 斬撃が届く数舜前の事でした。
 あぶなかった。
 もう少しで切られてしまう所でしたよ……










 NOW LODING …… 休憩中   NOW LODING …… 休憩中










 「ふう、結局負けちゃったな」

 俺は寝転んだまま、ついそんな事を言ってしまう。
 奇襲まで使ったのに負けてしまったからだ。
 そんな俺に彼女は苦笑しながら言う。

 「経験の差ですよ。それに勝敗なんか別にいいじゃないですか」

 俺は答える。

 「ハンデもらってた上、奇襲まで使ったのに負けると言うのは流石に恥ずかしい」

 これは正直な話だ。
 彼女は本気を出すと言ったが、多分全体の6、7割程度の力しか出してないと思う。
 それにスペルカードも使っていない。
 ……そう考えると泣きたくなってきた。



 俺は気を紛らわせるように明るく妖夢に言った。

 「そろそろ帰ろうか」

 それと同時に立ち上がる。
 が、

 「あれ?」

 すぐに倒れてしまった。

 「○○さん! 大丈夫ですか!?」

 妖夢が駆け寄りて来る。
 そして、俺の隣にしゃがみ込み不安げに問う。

 俺はそれに体だけ起こして言う。

 「ああ大丈夫、大丈夫。少し平衡感覚がないだけだし」

 どうやら転けた時に頭を打って、軽い脳震とうを起こしたらしい。
 なのでしばらくは、立ち上がれないと思う。
 いっその事、寝転んでいようかと思った。
 その時に彼女が言った。

 「あの、○○さん頭痛く無いですか」

 いきなりの質問なので俺は正直に答える。

 「あ~少し痛い。それがどうかした?」

 そして俺は問い返す。
 そうすると、彼女は頬を少し桃色に染め、上目遣いで言った。

 「そ、その膝枕しましょうか?」

 俺はその言葉に唖然とした。










 俺は今、妖夢に膝枕をして貰っている。
 妖夢の膝はすごく柔らかくて暖かい。
 解りやすく言うなら気持ち良いだ。

 「え、えと、その、どうですか?」

 妖夢が俺におずおずと尋ねてくる。
 恥ずかしいのか頬が少し染まっている。
 そんなことを考えながら、俺は思っていることを正直に言った。

 「うん、すっごくきもち良い。」

 瞬間、妖夢の顔が面白い位に赤く染まった。

 「あ、あうぅ」

 その反応が面白くて、かわいくてついからかってしまう。
 まあ本音でもあるけど。

 「あぁもう、妖夢はかわいいなぁ」

 妖夢はその言葉に過剰なまでに反応する。

 「え、ええぇぇぇー!」

 やばい楽しい。
 妖夢の反応を見て、そんなことを思ってしまう。

 「えと、その、えと……あうぅ」

 どうやら何かを言おうとしているのだが言葉になっていない。
 男にこう言う事を言われるのには免疫が無いのか反応が初々しい。
 ならもう少しからかって見るかな。










 妖夢の膝の感触を味わいながら、俺はそんなことを思っていた。










 後書き

 此処までお読みいただきありがとうございます。

 今回は妖夢です。
 妖夢に膝枕をして欲しいと思ったので書いちゃいました。
 戦って、負けて、倒れるそして膝枕が自然かなと思ったのでバトルも書きました。
 俺がバトルもの好きだというのもあり、つい無駄に戦闘描写を書いちゃいました。
 ホントすみませんでした。


 次はまたほのぼの系でいきます。
 では今回はこれで

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6スレ目 >>958


妖夢と手を繋ごうとしたら、
『私の両手は白楼と楼観で塞がっています』って断られた。
ショボーンってしてたら、
『ですから、背中を預けさせてください』って返された。

奥手妖夢もいいけれど、こういうのもたまには。

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7スレ目 >>58


「うむ、実にいい天気だ」

 ここは冥界、白玉楼。
 その屋敷の中のとある一部屋で、俺は襖を開け放ち爽快な目覚めを演出していた。

 春の訪れを感じさせるかのように、幽玄な雰囲気を醸し出す庭に植えられた桜の樹もその蕾を今にも開かせようとしている。
 この分だと今週中には花も満開で見頃になることだろう。その時が非常に楽しみである。
 その景色を一目見ようと、朝から出勤ご苦労な幽霊たちにも同意できるというものだ。

 庭のいたる所に幽霊がふよふよとしているのは一見シュールかもしれないが、慣れてしまえばどうってことはない。
 慣れって怖いね。

「お早う御座います。朝食の準備が整いましたので……」

 しばし壮大な景色に見惚れていると、ふと後ろ側から掛かる声。
 わざわざ顔を確認するまでも無い。声だけで誰だか判断できる。
 庭に群がる幽霊たちから目線を移しそちらの方へと向けた。


「おはよう、妖夢ちゃん」

 華麗な180度ターンと共に素敵な笑顔を一発披露。
 きっと俺の歯は芸能人のように朝日に光り輝いていたことだろう。

 が、俺の素敵スマイルに対して目の前の少女の反応は薄い。というか無い。
 まるでその胸の様だなんてことは口が裂けても言えない。
 言ったら本当に裂ける。裂けさせられる。

「では、遅れないようにしてくださいね」

 妖夢ちゃんはそれだけ言い残して、足早にこの場を去ってしまう。
 うむぅ、相も変わらず無愛想なものだ。




 俺がここに来たのは今から一ヶ月ほど前。
 諸々の事情によりご臨終してしまった俺がいつのまにか居たのがこの白玉楼だった。

 訳も分からないままこんな所に来てしまった俺は、他に縋るような物も無いのでとりあえず白玉楼に厄介になることになった。
 今更幽霊がほんの一人増えたくらいで誰も気にしないわよー、というのはここの主人の幽々子さんの言い分。
 妖夢ちゃんはいたく気にしていたようだったが、主に幽々子さんと俺に押し切られて渋々ながら俺がここに居座る事を承諾してくれた。

 そういえばあの頃から妖夢ちゃんってば俺に対して何かしら敵対心があったなぁ。
 まあ彼女の生真面目で一本気な正確からすれば、きっと俺みたいな異常を受け入れることに抵抗があったのだろう。
 かといって昨今に及んでまでその姿勢を続けられると、ちょっとこっちとしても気になる。
 俺だってこんな険悪な雰囲気の関係のままではいたくない。
 うーむ、何か打ち解けられる切っ掛けがあればいいんだけどなぁ……











「ふぃー、満腹満腹」

 朝食を済ませた後、俺は縁側に腰掛けて湯呑みを片手に近くをへよへよと漂っている幽霊といつものように談笑していた。
 これだけ色々な幽霊がいるとそれだけたくさんの話を聞くことが出来て面白い。
 また基本的には老人が多いので、他人の歩んできた道を聞く事で色々勉強にもなるから一石二鳥だ。



 そんな折、ふと前方に目をやると二百由旬の庭を忙しなく駆け回る庭師の姿が。
 由旬って何だろう?

「お、あれは」

 言うまでも無く妖夢ちゃんである。
 何だか謂れのあるらしい二刀を両手に、せかせかと庭の草木の手入れをしていた。

 小さい体で駆け回るその姿を見ていると、何だか微笑ましい気分になり自然と頬も緩む。
 刀で手入れするのかよ、などという瑣末な突っ込みもどうでもよく思えてしまうものだ。いや、どうでもよくないけど。
 あ、目が合った。


「………」

 だが、それも一瞬。
 ぷいっと明後日の方向を向いて、止めていた手を再び動かし始めた。
 いかん、全く相手にされていない。


「これはもっとコミュニケーションが必要だなぁ、っと」

 中身のすっかり無くなった湯呑みを傍らに置いて、よいしょと縁側から腰を上げる。
 思わず漏れてしまった声に老化と憂鬱を感じながら、一区切りがついたのだろう一息ついている庭師の背中に歩み寄る。


「や、お疲れ様」
「どうも」
「……」

 会話終了。



 再開。

「一人でこんなに広い庭を手入れするなんて大変だねぇ」
「いえ、もう慣れましたので」
「そっかー」

 再終了。

 く、くそぅ、まだまだー!

「ちょっと休憩してお話しない?」
「休憩は構いませんがお話は遠慮させていただきます」
「つれないなぁ。でもそんなところも可愛い可愛い♪」
「なッ…!?」

 ぼっと言う効果音が聞こえてきそうなくらい真っ赤な顔になる妖夢ちゃん。
 ふむ、どうやらこういうことに関しては奥手なようだ。
 生粋の真面目人間である。そういうところも及第点。

「ありゃ、茹でタコだねー」
「みっ、みょんな恥ずかしい事を軽々と言わないでくださいっ!」
「しょーがないよ、だって妖夢ちゃんが可愛――――って」


 突如さっきまでの赤らふっと顔が消え、妖夢ちゃんの顔が俯き加減になった。心なしか殺気さえ感じられる。
 握り締められた拳がぶるぶると震え、その手は腰に差してある刀へと伸びる。
 いかんっ、過去に幾度か経験した事のあるこのパターンはッ……!



「天誅ぅッ!!」
「のわぁっ!」

 繰り出される抜刀からの斬撃を紙一重で交わす。髪の毛が何本か宙に舞った。
 まあ俺はこんな状況でも自分の頭髪の未来を心配する余裕はあるらしい。


「ダメダメっ!俺ゆーれーだから斬られたら成仏しちゃう!」
「問答無用ォォ!!」
「ひいぃぃっ!」

 必死の命乞いもなんのその。
 悪鬼羅刹の如く斬りかかってくる妖夢ちゃん。




 妖夢ちゃんをからかいすぎて、とある臨界点を突破するとこういう事態になる。
 初めて出会った頃は『妖夢ちゃん』と呼んだだけでも手を刀に添えられたものだ。
 それと比べたら最近は本当によく成長した――――ってんな事考えてる暇無ぇーーー!




「ちいっ!だがしかし、俺の足を舐めるなぁーー!!」


 こう見えても俺は足は速い方だ。具体的には、学生時代に選手リレーで必ずノミネートされてたぐらい。
 増して相手は娘っ子!キャパシティにも幾分か俺の方にハンデがある。
 この勝負……貰ったあああぁぁ!!


「ふはははははは、追いつけるなら追いついてみたまへー!!」
「甘いです……剣術にとって最も大切なのは歩法!」
「何ィ!?」

 どっかで聞いたことのある台詞と共に、妖夢ちゃんが不敵な笑みを浮かべる。いや、前向いてて見えないから憶測だが。
 この妖夢ちゃん、なんだかんだ言いつつノリノリである。


「そんなもの、止まって見えますよ!」

 轟、と風を纏いながら瞬く間に俺の前を走りぬける妖夢ちゃん。
 ぬお、物凄いスピードだ!
 って、あれ?確かこの先には……


「ふふ、どうですか!」
「あ、妖夢ちゃん危ないー!」
「?何を言って――――――――って、きゃああぁぁ!?」



 ザッパーン!








「う゛う゛ー……」
「はは、大丈夫ー?」
「……(プイッ)」

 あの後、妖夢ちゃんは庭の池に落っこちて幽々子さんにこっ酷く叱られた。
 そりゃ後ろを向いて走っていればしょうがないだろう。
 今妖夢ちゃんはバスタオル一枚に包まっているわけが、その件に関しては瀟洒にスルーするのが紳士というものだ。
 何となく用法が間違っている気がするがそこは気にしない。


「……へっくし!」
「おっと、風邪引いちゃったかな?」
「……」
「……しょーがない、ほら」

 流石に見かねて着ていた上着を手渡す。
 最初の内は見向きもしなかった妖夢ちゃんだったが、やはり寒さに勝つことは出来なかったのかおずおずとそれを受け取った。



「……」
「ま、もうすぐ春って言ってもまだ寒いからねー」



「……」
「ふう、そろそろお昼ご飯の時間かなー?」



「……」
「うーん、それにしても今日はいい天気だ」



「…………ぁの」
「うん?」



「……ありがとう、ございます、その、上着」
「いいっていいって、ちょっとは俺にも責任あるし」



「……」
「じゃ、俺は行くねー」







「……(ぎゅっ)」










 白玉楼の長い廊下を、一人思案に耽りながら歩く。
 今日は妖夢ちゃんの色んな素顔を見ることが出来た。
 先の様子からして、少なからずとも俺に対する悪いイメージは多少は払拭できたのだろう。


「……ふふっ」

 それにしても。

 妖夢ちゃんがあんなに表情豊かな娘だとは知らなかった。
 行く行くは俺に対して笑顔を向けてくれるよう、これからも努力しよう。


 今日は俺の白玉楼での生活の中に新たな目標が生まれた、そんな一日だった。












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 とある庭師の手記


 ○月 □日 快晴

 今日は○○さんにからかわれた挙句、自分から池に落ちてしまいました。
 一生の不覚です。恥曝しです。
 あの時に天狗がいなくて本当に良かったと思います。

 また一層囃し立てられるのかと危惧していましたが、意外なことに○○さんは私に優しく接してくださいました。
 いつもの調子がああなので、変にむず痒いです。
 考えると余計に意識してしまうので、あまり考えないようにします。


 とりあえず、今はどうすることも出来ないので早く寝ることにしましょう。


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最終更新:2010年05月23日 00:14