妖夢8



うpろだ421


「ん・・・あれ?もう朝?」
ついさっき寝たと思ったらもう朝らしい、何か損した気分
「いえいえ朝ではありませんよ!此処は貴方の夢の中!」
「誰!?」
底には見知らぬ男が!
「私は貴方の白楼剣の精霊、○○です」
「いやぁぁぁ」
「ああ!?逃げないでっ!っていうか引かないで!」
「知るかボケー!近寄るなぁー!切り捨てるぞっ!!」
「・・・いいのか?君が夜な夜な私を使って「わぁぁぁぁぁぁ!!!!」してる事とか天狗にばらすぞ」
「・・・それで今日はいったいどのようなご用件でイラッシャッタノデショウカ」
おっさ・・・イカス青年は偉そうにふんぞり返って
「いつも幽々子様のために東奔西走右往左往とがんばってる貴方を応援しに来ました、さぁこのありがたい精霊様に何でも言って御覧なさい!」
「そ、それでは・・・私はこの先も幽々子の小間使いで本来の仕事を何もなせずに終わるんでしょうーか?あとこれからもスペカるーるでフルボッコなのでしょうか?」
「・・・まーね」
「うわぁぁあああん!」
「ま、まちなさい幼夢!今のなしっ!ノーカン!ノーカン!」
「うわぁぁん!幼くないもん!」
「そんなことより妖夢!こんなことしている場合じゃありマセン!もう直ぐ君にはゴイスーなデンジャーが迫っているのですよ!」
「へ?」
「さぁ早く起きなさい!」

妖夢起床

「な、なんだったんだあの夢はorz」
そして
~妖々夢~
ぴちゅーん
~えいやさー~
ぴちゅーん
~かえーづか~
ぴちゅーん
~すいむそー~
フルボッコ

「あの精霊め・・・酷い目にあった」
「だからデンジャーだって言ったジャマイカ」
背後からだいぶ前に聞いたむかつく声がした気がした
「幻聴だ、寝てないのに聞こえるわけ無い」
「おい幼女、こっち向けこら、お前が俺等を粗末に扱ってるの妖忌に言いつけるぞこら」
「っ!?ななななんで!?」
「はっはっはいろんな妖気に中てられてパワーアップしたぜ」
「もう斬るしかない、斬り捨てるしかない、そうすれば」
妖夢がなんかブツブツ危ない事いってるし、こわれたー
「剣とは斬る物であって斬られる物ではないのだよ!そもそも斬るという概念である俺っちを斬る事は無理?無駄?」
「・・・そうですね、剣は斬るものじゃなくて折るものでしたね」
「ちょ!?妖忌に言いつけるぞ!?」
「知るかぁぁぁ!!」
楼観剣を振り回して突っ込んでくる妖夢、目がヤバイです
「妖夢がこわれたぁぁ」
脱兎の如く逃げる、ただひたすら逃げる、ぶっちゃけそれしか出来ません

「あらあら、楽しそうねぇ」
「幽々子さまっ!見てないで助けtぶ@しskjly」
「お前が!折れるまで!殴るのを!やめないっ!」

唐突に~終~

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7スレ目>>810


紫「ねー○○、一緒にお昼寝しない?」
幽「あら紫、○○は私におやつを食べさせてくれるのよ」
○「あのー、昼寝の後におやつじゃ駄目ですか?もしくはその逆」
紫幽「「駄目よ」」

先ほどから修羅場(?)を展開しているのは亡霊の姫君で私の主である幽々子様と
そのご友人であスキマ妖怪の紫さんそしてその渦中でいるのは事の元凶であるただの人間の○○さん
おそらく自分がなぜこんな目に合っているかわからないのでしょう
それもそのはずお二人は私がその……○○さんと恋人同士なのを知っているんです
つまり二人は私の目の前で○○さんにちょっかいを出して私の反応を楽しんでいるのです

藍「妖夢も災難だな、本当なら幽々子嬢や紫様のポジションに居たはずなのに」
妖「別にいいですよ、もう慣れましたから……」

そう、二人がこうして私の前で○○さんにちょっかいを出すのは何も今日が初めてじゃない
最初は三日に一度だったのが最近ではほぼ毎日○○さんにちょっかいを出している

藍「二人ともいい加減にすればいいものを、まったく大人気ない」
妖「私をからかうのが目的ですからね、最初は確かにからかわれていましたけど最近じゃ流して見れるようになりましたから」
藍「その……なんだ、強くなったな妖夢(いろいろな意味で)」
妖「そりゃぁ、恋する乙女ですから」
藍「そ、そうだな恋する乙女は強いからな(強くなったというより壊れてきてる!?)」

紫「さあ、観念しなさーい♪」
幽「お姉さん達にまかせて~」
○「ちょ!?まっ!?よ、妖夢ー!助けてー!HELP ME-!」

段々と二人の行動が過激になりそして最終的には私に助けを求める○○さん
これもいつの間にか日課になってきている気がする

妖「ほら、幽々子様、紫さん、○○さんが困っているじゃないですか離れてください」
紫「あらあら、真打登場ね」
幽「それならここは若い二人に任せて」
紫「頑張ってねー♪」

妖「まったく……○○さん大丈夫ですか?」
○「あ、ああすまないな妖夢」
妖「大体○○さんも○○さんです!お二人に抱きつかれてデレデレして!」
○「いや、そのですネ」
妖「私は貴方のこ、ここここ恋人なんですよ!分かってますか!?////」
○(真っ赤になってる妖夢、可愛いなぁ)「勿論分かってるよ恋人同士だから……キス、する?」
妖「みょん!?キ、キキキキキスですか!?」
○「恋人同士だろ?しようぜ妖夢」

そう言いながら段々と近づいてくる○○さんの唇を見て
視界の端にスキマからこちらを見てくる幽々子様と紫さんが見えましたが同でもいいと思えました

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7スレ目>>825


お前と一緒だからゆゆ様のお世話が頑張れるんだ

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7スレ目861


「…突然なんだが、俺はMだ」
「……○○さんッ!?」
「妖夢も…やっぱMか?」
「う、うぅ…そのぉ」
「っと、スマン。 言いたくないなら無理には」
「わ、私はどちらかと言うと『いぢめる』ほうが…」
「…えぇ!?」
「で、でも、貴方にだったら『いぢめられる』のも…」
「…ちょっと待て妖夢、一体何のハナシだ」
「……………はい?」
「いや、俺が訊いたのは服のサイズなんだが」
「え、えぇぇっ!!??」
「あ~、うん。 俺の訊き方も悪かったな…しかし」
「あああの、その」(プスプス)
「そっか~、妖夢は『いぢめる』のがお好きか…
機会があったら試してみようかな~。 あ、でもその前に」
「うあああああああ…あぅ」(プッツン)
「紫さんに苦痛と快感の境界を弄って貰って…
…って妖夢サン? 何でイキナリ抜刀しtはべぎゃ」
「う、うわああぁぁぁぁぁぁんっ!
飛べっ飛べっ記憶! 死ねっ死ねっ記憶ー!」(ガッガッガッ)
「ちょ、妖…っぐお、ぶるあぁぁああ!?」

(少女乱撃中…しばらくお待ちください)

「○○…随分と立派になったわねぇ」
「…………」
「そう見えてるんなら嬉しいですなぁ」
「で、今日は一体ナニでからかったのかしら」
「いえそれが…何を言ったのか自分でもサッパリ」
「…それはまた」
「…………」
「下らない事のような、重要な事のような」
「分からないの?」
「ええ…そうなんですよ」
「「う~ん………」」
「…………」(あぁ…どうしようどうしよう!
○○さんの顔がマトモに見れないよぉぉ!?)

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7スレ目902


1.

白玉楼の座敷で、主従二人が膝を突き合わせていた。
妖夢の眼差しは真剣そのもの、主の言葉に耳を傾けている。
と、突然に妖夢が腰を上げた。意気揚々と座敷を出て行く。

2.

所変わって二百由旬の庭。
葉桜の下で立ち尽くすのは○○である。
「○○さん」
「……よう、妖夢」
彼の背中から手を回して、妖夢が張り付く。
普段の彼女からすれば、いっそ扇情的ではあるが○○は気付かない。
「どうした妖夢。おんぶでもして欲しいのか?」
妖夢の意図に彼が気付くはずもない。
妖夢は煩悶とした。そして思う。心のうちで叫ぶ。
『当ててるのに!』と。

3.

座敷に一人残った幽々子は考える。
従者は意気揚々と繰り出して行ったが、結果は果たして。
彼はおそらく気付くまい。
そしておそらく、妖夢本人も気付かれない理由は分からないだろう。
幽々子は座敷で一人ごちる。

「妖夢に当てるほどあったかしら」

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8スレ目 >>181・182


  「はっ…」
  俺はその日、ある訓練をしていた。
  紫さんに協力して貰い、隙間から超高速で物体を射出させ、それを眼前で素手で受け止める訓練。
  弾幕戦闘自体を余りやっていない自分だったが、訓練をして一ヶ月。
  まぁまぁごっこ遊びを余裕を持って楽しめるぐらいには成長していた…のかな。

  隙間から放たれる、超高速飛行物体
  全神経を瞳に集中させ、それを見極める。
  眼前に迫ったそれを…がっ、とキャッチ。
  よし、とりあえず目標の10本キャッチは成功だ。
  …その100倍ぐらいの高速飛行物体をぶっ放されたけどな。
  「紫さん、今日はこれぐらいで大丈夫です」
  「あら、そう?ホントに大丈夫?」
  「ええ、実践はこれよりも結構遅い…はずですから」
  「だといいのだけれどね。あの子も鍛練を怠ってる訳じゃないから気をつけなさいな」
  「了解です」
  俺が言うと、紫さんは相変わらずの胡散臭い笑みを従えて隙間の中に消えていった。
  そう、これはすべてある実践に置けるための特訓なのだ。
  さて、実践を行うべき対象は今日呼んであるはずだが…

  「訓練、ご苦労様」
  「おっと」
  声のした方を振り替えると、丁度そいつはいた。
  そいつの銀色の髪が冥界の風になびく。
  「妖夢、来てくれたか」
  「突然呼び出して何の用なの?しかも貴方、庭師の仕事をサボったりして。紫さままでわざわざ呼んで特訓なんかして…」
  そいつ、魂魄妖夢は愚痴るように俺に言う。
  年下の癖に、相変わらず生意気だ…が、俺よりも弾幕も剣も実力があるから反抗はできない
  死ぬまでは剣術には自信があったんだがな…まぁいいや。
  「幽々子さまもなんだか思わせ振りな口調だったし、お暇を出されたから来たけど…」
  「いいか妖夢。俺は大事な話をしたい」
  「…何?」

  「俺はお前に一対一の勝負を申し込む!」

  「…唐突ね」
  「唐突で結構。始めて白玉楼に来たとき。お前にやられた悔しさ、未だ忘れられん!」
  「子供だ…その為にわざわざ紫さままで呼んで特訓してたのか…」
  頭を抱える妖夢。
  まぁ、それ以上に理由がひとつあるわけだが…それは内緒だ。
  「で、勝負を受けてくれるか?」
  「…まぁ、いいけど…」
  少し不満げな口調で妖夢はぼそりと言う。
  …この様子見る限り、幽々子さんが言ってることも本当っぽいな…
  それはいいか。
  「あ、そうそう。一つだけ頼みが」
  「? 何?」
  「あの時と同じシチュエーションで勝負したい。つまり…未来永劫斬で来い」
  「…? わかった」
  そういって、妖夢は少し俺から距離を取る。
  未来永劫斬は、あの駆け抜けるスピードを最大限に利用した強力なスペルカードだ。
  故に、できる限りの距離があればその分加速が付き、威力は上がる。
  妖夢は、だいたい俺から10mぐらいの距離を取ると、腰を低くして楼観剣を構える。
  その瞳は、真剣そのものだ。うむ、いいぞ。

  「全力で、斬るわよ」
  「斬れるものなら、斬って見やがれよ」
  「後悔、するなよ!」
  「そっくりそのまま返してやるよ!」

  ---未来永劫斬
  放たれた一閃が、一直線に俺に向かってくる。
  成程、紫さんの言う通りあの時より確実に早くなってるな。
  けれど、その早さを見れるようになってるって事は…
  俺も割と、強くなってるって事なのかな。

  「ハッ!」
  「ッ!?」

  こいつを守ってやってもいいぐらいに。
  …少し、自惚れ過ぎかな

  妖夢の未来永劫斬の一閃。
  だが見切った俺には通用しなかった。
  俺は…そのまま一直線に向かってきた妖夢を、そのまま両腕で抱きしめていた。
  よし。特訓の成果、ここにあり。紫さん、ありがとう。
  俺の目線のしたにすぐある妖夢の顔をみると、何が起きているんだかさっぱりわからないような表情をしている。
  そして今の状況に気づき…顔を、真っ赤に染める。
  「!!!???」
  「よっしゃ、とりあえず成功っと」
  「なななななな、なにを、なにをして…」
  「好きだ、妖夢」
  「なっ!?」
  本当に、極限まで顔が赤く染まるのが、俺でもわかる。
  抱き抱えているせいで、こいつの無駄に小さな胸から聞こえる心臓の鼓動の早さもしっかりと感じ取れる。
  …俺はどうなってるんだろうな。少し顔が熱いのはわかるんだが。
  「な、なにを…」
  「お前に会ったときから、お前のことが本当に好きだった」
  「じゃあ…どどど、どうして、今まで…」
  「お前より強くなってから…こうやってお前の技を防げるようになってからの方が良かったから。
  年下の女の子より弱いなんて、そんなの情けなさ過ぎるもんな」
  「…え…えと………えっと…」
  ずっと下を向いて、俺と目を会わせようとしない妖夢。
  いや、唐突すぎて無理もないのは良く分かってるんだが……
  「それとも…俺の事が、きらi?」
  「わたしもっ!…わたしも、○○のこと…大好き…」
  「…」

  …最終的な質問をする前に答えられてしまった。
  こういうときだと、割と積極的だよな、妖夢。
  しかし幽々子さん情報がよもや本当のことになるとは思ってなかった。
  いやだってねぇ、「妖夢が貴方のこと好きみたいなの」なんて言われて信じたらただの自意識過剰だろ。
  でも、ちゃんと返事もくれたことだし。
  …まだ、俯いてるんだな。

  「妖夢」
  「…はい」
  「俺の事、本当に好きなら…俺の目を見てくれ」
  「…○○」

  妖夢が俺の目を見るために振り向いた瞬間、俺は一気に妖夢に顔を寄せ、キスをした。
  まだ幼い妖夢の唇はとても柔らかくて、僅かに罪悪感すらも覚えたほどだった。
  舌までぶち込んだ挙げ句、30秒ほどそのままキスをし続け…俺は、唇を離した。
  軽く、今までのように妖夢に笑いかけて、問う。

  「どーだった?人生…ああ、半幽霊生始めてのキスの味は」
  「…………て……い」
  「ん?」
  「はじめて……ぐらい……」

  どうも、顔を真っ赤に染めてプルプルとふるえている。
  しかも、なぜか楼観剣をしっかり握り締める。あれれ?
  これはもしや…えっと…

  「ごめんなさいしなきゃ…かな?」
  「初めてのキスぐらい、もう少し優しくしてくれたって良いでしょぉぉーー!!」
  そんな俺に叩き込まれた迷津慈航斬の想いはプライスレス、だとかなんとか


  ちなみにどうでもいい話。
  その日、妖夢はキスの感覚が忘れられずに寝不足になったとかなんとか。
  やれやれ。これだから子供は。

  …ま、実は俺も初めてだったけど。
  言わない方が幸せかな。

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8スレ目 >>513


「ようむおねーちゃーん!」

「どうしたの? ○○」

「あのね、あのね、えっとね」

「あぁほら、落ち着いて。もう、仕方ないわね」




「あらあら、妖夢ったら、楽しそうねぇ」

「みょん!? ゆ、幽々子様!」

「いくら○○が可愛いからって、襲ったりしちゃダメよ~」

「そ、そそそっそ、そんな事しません!!」

「ようむおねーちゃん? おかお、まっかだよー?」

「な、何でもないの、何でも!」

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8スレ目 >>625


「なあ妖夢、あの門はいつ閉じるんだ?」

「いつでしょうね?でも閉じたら…」

閉じたら、妖夢はこちらに滅多に来れなくなるだろう。今でさえ、彼女の買い物の合間でしかデートの時間はない。
閉じたときは、実質お別れの時だ

「大丈夫、まだまだ閉じないって」

「でも、いつかは閉じる…それに、映姫様にもこっちに親しみすぎだと怒られたし」

「まぁ、何とかなるって。何とかするいい手があるなら、俺だって命懸けで頑張るよ」

「…本当に、いいの?」



それ以来、妖夢の半霊が一つ増えた。そんな噂が立った。
彼は成仏も忘れ、彼女と共に過ごすのだ。

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8スレ目 >>682


最近、と言うよりここ数日のこと、妖夢の様子がおかしいんです。
何処か眠たげな様子でぼーっとしていたり、食事もろくに取らなかったり。
植木の手入れをミスして切る枝を間違えたり、お皿を割ってしまったり。
普段の厳格な様子の彼女とあまりに違ったから、僕は訊ねてみました。
「何かありましたか? 妖夢さんらしくありませんよ?」
そうしたら彼女は言うんです。恥ずかしげにほっぺたを紅く染めて言うんです。
「実は…………」
なんと彼女は虫歯が出来てしまったそうです。
聞くところによると、幽々子様のご相伴に預かっている内、出来てしまったらしいんです。
口の中を覗かせて貰うと、何のことはありません、虫歯になっているのは乳歯でした。
これなら抜けば大丈夫です。そこで、古典的ではありますが虫歯に糸を結んでえいやと、引き抜きました。
「それにしても、妖夢さんはまだ乳歯残ってたんですね」
「あの……。血がたくさん出たのですが大丈夫なのでしょうか」
「大丈夫ですよ。これで妖夢さんも大人の仲間入りですね。その年でやっと、と言うのも珍しいと思いますけど」
「私は成長が遅いですから」
「気持ちよくなりましたか?」
「はい、有難う御座いました。私、あんなこと初めてでしたから緊張したのですが……」
「私も緊張してましたよ。これからは、自己管理に気をつけて下さいね」
「はい」
これにて一件落着です。


「あの、幽々子様……。どうして今日は御赤飯なのですか?」
「だって妖夢が大人の仲間入りしたって聞いたんだもの。お祝いよ」
「はあ…………」
「ありがたく頂きましょう、妖夢さん」
「ところで、二人とも。子どもはいつできるのかしら?」
「「ぶーーーーーーーーっ!!」」

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9スレ目 570-571


本日ハ晴天ナリ 天気晴朗ナレドモ波高シ
と、言う訳でなぜか俺たちは海に来ている。
というのも、幽々子さまの「海に行きましょう」の一言からなのだが。
その張本人は、今、向こうの海の家で焼きそば相手に格闘している。
あのお嬢様は、自分のプライベートビーチに海の家があることとか、
それがあまつさえ永遠亭の兎がやっていることとか、不思議に思わないんだろうか。
……思わないんだろうな。
心の中で小さく溜息をつくと、もう一つの頭痛の種に声をかけた。

「なあ、妖夢。そろそろ離れてくれないか?」

魂魄妖夢。
いつもは凛々しい剣術庭師が、今日は俺の背中に抱きついたまま。
おりしも夏真っ盛りの日差し、流石に暑い。

「い、嫌です。
 だいたい、この水着って素肌に一枚しかないですし、
 下着みたいなものじゃないですか。
 こんな姿で男の人の前になんて……なんて……」

ぎゅっ。
俺を後ろから抱きしめる力が、また少し強くなる。
つつましくも、きっちりと自己主張する双丘の感触。

……いかんいかん。
煩悩退散、煩悩退散。

「なあ、妖夢。
 その……胸とか当たってるんだけど……」
「いいんです!
 こんな、あられもない姿を見られるくらいなら、
 多少胸が当たっている方がマシです!」

あられもない姿、って。
そんなことを言われると、なんだか見たくなってきてしまう。
……俺、Sだったのかな。
とりあえず、それは心の棚に仕舞い込み、作戦を開始する。

「あ、あんなところにUFOが!」

そう、そしてここで、妖夢が注意を逸らした隙に振りほどく。
振りほど……。
振りほ……。
振り……。
……あれ?
力が、弱まってない?

「そんなに、私の水着姿を見たいんですか?
 ……えっちですね」

動きを止めると、こころなしか非難するような妖夢の声。
でも、いつもの元気さが鳴りを潜めている。

「ああ、見たい。
 だいたい、それじゃあ幽々子さまやてゐに丸見えだろう?」
「いいんです!
 ……こんな風に抱きついていれば、あなたに身体を見られないで済みますから」

少なくとも、離れる気はない、ということか。
思案する俺の前に、1匹のシオマネキが顔を見せた。
……やってみるか。
素早くそれを捕まえると、間髪いれず妖夢へと放る。

「きゃっ!?」

緩んだ!
腕から一瞬のうちに抜け出すと、振り返って眺める。
彼女は驚きのあまりに腰が抜けてしまったようで、ぺたんと座り込んでいた。
ふむ。
グリーンと白のチェックか。
スポーツタイプのセパレートが、活動的な妖夢によく似合っている。
というか、これ普通の水着なんじゃあ……?
目が、合った。
すると、今まで呆然としていた彼女の目から、泪が溢れ出てくる。

「うえーーーーんっ!
 もう、お嫁に行けませんーーーーっ!」
「な、なら、俺が貰ってやる!」
「え?」

泣き出してしまった彼女に駆け寄って肩を抱くと、
無我夢中で言葉を紡ぎだす。
きょとん、とする妖夢。
……今、俺、何を言った?

「私のこと、好きなんですか?」

一瞬の間の後、話しかけてくる妖夢。
照れくさい。
思わず俺はそっぽを向いてしまう。

「そうだ。愛している。
 それより、妖夢はどうなんだ?」

それでも、告白ははっきりと。
ここで躊躇うようでは、仕方がないから。

「私ですか?
 ――もちろん、愛しています」

言葉とともに、後ろから抱きついてくる妖夢。
先ほどのような締め付ける感じではなく、
柔らかく、大事なものを包み込むように。
俺は、その手を指の一本ずつ、愛おしげに解くと、
妖夢へと向き直って、そっと、抱きしめた。

「ごめんな。指輪の一つも用意してなくて」
「いいです。私の恋人のあなたが、今ここに居るんですから」

耳元で囁かれる声。
ふと、妖夢の後ろに広がる海が見えた。
……そうだ。

「妖夢、ここで少し、待っていて!」
「え、ええ!?」

うろたえる妖夢を尻目に、俺は海へと駆け出した。
ほどなく、目的のものが見つかる。
と、そこへ、妖夢が追いついてきた。

「なんですか、これ?」
「蛤の貝殻、さ。
 この貝は、元々の2枚でないと殻が合わないから、夫婦の象徴なんだよ。
 これを、ね……」

少し力を込めると、貝殻は簡単に外れた。
その一方を自分で持ち、もう一方を妖夢に持たせる。

「指輪とは似ても似つかないけど、約束の印に」
「あ……、はい。嬉しいです」

そう言って、目を瞑り、静かにその貝殻にキスをする妖夢。
それを見て、妖夢に倣い、俺も自分の貝殻にキスをする。
目を開けると、潤んだ瞳の彼女が、俺を覗き込んでいた。

もう、言葉は要らない。

どちらからともなく頬を寄せ合い、吸い寄せられるように唇を交わす。

先ほどのシオマネキが、呆れたように俺たちを見ていた。

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最終更新:2010年05月23日 00:37