幽々子2
2スレ目 >>175(1スレ目 >>931本編)
――さくらさくら――
――やよいの空は 見わたすかぎり かすみか くもか――
――にほひぞいづる いざやいざや 見に行かん――
――さくらさくら――
俺「幽々子様の歌だ。」
幽々子様は最近…いや、俺が来てから毎日のようにこの歌を歌っている。
――俺はどうやら死んでしまったらしい。
別にどうという事はなかった。
同じ日常。繰り返しの毎日。
仕事の帰りにまばゆい光。ブレーキの音。
そこで俺の意識は途切れ、気がつくとここにいた。
気がつくと白玉楼の門の前に立っていた
そこで俺はここの庭師として働かされる事になった。
はじめは死んだ実感なんてなかった。なぜここにいるのか。
でもうすうす気づいていた。もしかしたら自分は死んでいるのではないかと。
確証を得たのは、一昨年死んだ友人と会った時だった。
自分の目を疑った。そしてすぐさま幽々子様の所に飛んでいった。
俺「幽々子様。聞きたい事があるんですけど。」
幽々子「何?」
――幽々子様と初めてあった時は自分の中の時が止まるのを感じた。
美しく、そして儚く。
本当に自分と自分のまわりの世界が一瞬止まったのではないかと思うほど俺は固まっていた。――
俺「あの、実は一昨年死んだ友人に会ったんですけど…俺ぼけてますかね(´Д`)」
幽々子「何を言ってるの。
ここはあの世よ?
その友人が転生してなければ会えるに決まってるじゃない。」
俺「は?まぢすか(´Д`)?」
幽々子「えぇ」
俺「そっすか。」
幽々子「あなた。もしかして自分が死んだ事に気づいてなかったの?」
俺「えぇ。とっても。まぁうすうす気づいてましたけど。」
幽々子様は少し考えていた。そして
幽々子「山田…じゃない。閻魔には会ってない?」
俺「は?この世に閻魔なんているわけないじゃないですか
車かなんかに吹っ飛ばされて死んで気がついたらいつのまにかここっすよ'`,、('∀`)'`,、」
幽々子「そう。話しはそれだけ?」
俺「そうっすね。」
――それから数ヶ月が経った。
俺は今日も元気に庭師の仕事をしている。
俺「はぁ~幽々子様美しいなぁ(*´Д`)」
妖夢「な~にいってるのよ」
びくっ振り返ると妖夢がいた。
俺「あ。妖夢さんこんちは~」
――妖夢はこの家の古くからの庭師だそうだ。
ちっちゃい体だが俺より力はあるし仕事は的確だし
かわいいし。って俺勝ってるとこねぇぢゃん(´Д`)――
妖夢「な~にがこんちわ~よ。
あんたなんかが幽々子様に取り入られようなんて、
ってあ!まだ話はまだとちゅ…」
聞いてられないっす(´Д`;)
俺「妖夢は可愛いのにあれさえなければなぁ…」
庭師A「まったく。何を言ってるかと思えば」
俺「あぁ。こんちわ~」
――この人は俺よりちょっと前に庭師になった人らしい。
優しい良い人だ(*´Д`)――
メディスン「仕事さぼってちゃだめよ。」
俺「いや、さぼってないっすよ。ちょっとのんびりしてただけっす。」
――この人は人形だ。初めて見たとき、人形のような美しい人と思ったが、
まさか本当に人形だったとは。
どういういきさつかは知らないがどうやら庭師Aとできているみたいだ。
人形もあの世にこれるんだなって思ったっけ――
(メディスン可愛いよメディスン(*´Д`*))
はっ!何だ今のは…
メディ「どうしたの?」
俺「あ、いや。なんでもないっす。」
そういってその場から去った。
…俺はお嬢様とこの数ヶ月ほとんど会った事がない。
それはまぁ、相手はお嬢様だし俺は庭師。行動自体が違うのだろうと思っていた。
でも、あの歌を歌っている時に桜の木を通ると
かならずいる。桜の木の下で必ずあの歌を歌っている。
俺は掃除の振りをしながらそれを見て、幽々子様は必ず俺に気づいて笑顔をくれた。
あの時までは――
幽々子「ようむ~ようむ~」
お嬢様が妖夢を呼んでるな。俺が変わりにいくか。
俺「幽々子様。私でしたらすぐそばにいますが。」
するとお嬢様は俺を一瞬見たかと思うと強張った顔で
幽々子「あなたを呼んだんじゃないの。妖夢を呼んできて。」
俺「はぁ…あ、わかりました。すぐに呼んできます!」
部屋から出て廊下を曲がった所で妖夢とすれ違った。
俺「あ、お嬢様機嫌悪いみたいだから気をつけてな(´Д`)」
妖夢「お嬢様の機嫌が悪いとこなんて見たことないけど?」
妖夢は首をかしげて幽々子様の部屋へ走っていった。
機嫌が悪いとこを見たことがない…か。
幽々子「はぁ~。やっぱり妖夢の入れたお茶はおいしいわねぇ~。
このお団子もまた最高!」
妖夢「幽々子様太っても知りませんよぉ(´Д`)
まったく、機嫌が悪いなんてこの人にはあるはずないんだから…ブツブツ」
幽々子の顔が一瞬冷たくなった。
妖夢「あれ?幽々子様どうしたんですか?」
幽々子「妖夢。ちょっと話したい事があるんだけど。あの庭師の事で。」
妖夢「あの庭師って、「カレ」の事ですよね。」
幽々子「そうよ。あのね――」
お。妖夢だ。
俺「お~い。幽々子様の機嫌どうだった?」
妖夢は重い顔をして何かを考え込んでいるかのようだった。
俺「あ。無視っすか(´Д`)」
そのまま通り過ぎていった…まったくなんなんだかなぁ今日は。。。
その日から妖夢の態度が変わっていった。
俺に近づこうとも話しかけようともしない。
さらにこっちから近づこうともあの身のこなしで
どこにいるのかさえ分からなかった。。。
嫌われてる節があるなぁ…幽々子様にも妖夢にも
俺「まぁ別にいいんすけどね(´Д`)」
口に出してみたもののすんごい悲しい_no
庭師A「何してんだ?」
俺「あ。どうも。いやぁ、なんか幽々子様にも妖夢にも嫌われてるみたいで」
庭師A「ふ~ん。俺にはそうは見えないけど。
まぁ俺たちはいくらでも時間はあるんだ。
ゆっくり生きていけばそのうち誤解はとけるだろ。」
俺「俺なんか変な事したんすかねぇ…」
それから数日後
妖夢とはボチボチ話しはできるようになってきてはいるがぎこちなかった。
幽々子様とは…
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
俺「はぁ…」
俺は最近うなだれていた。
もちろんそれなりの理由があったわけで、その理由とは…
ガシャーン!
近くで何かちゃぶ台をひっくり返したような大きな音がしたのでかけつけてみた。
そこにはちゃぶ台がひっくりかえりお茶をあびて倒れた幽々子様がいたのだ。
俺はすぐさまかけより手当てをしようとした刹那
幽々子「近寄らないで!庭師風情が私に触れようとするつもり?
掃除でもしてなさい!邪魔だから!」
(´Д`)ガーン
決定的だった。その言葉を聴いた瞬間俺の中の心が壊れてしまったかのようだった。
俺「嫌われてるんだなぁ…」
そういって俺はちゃぶ台を元の位置に戻し、軽く拭いて部屋を出た。
おぼつかない足取りで。
――――それ以来
幽々子様とはあっていない。
むこうが近づいてきたら離れる。
目も合わさない。
常に一定の距離を保つ。これが庭師とお嬢様との本来の関係。
これでいいんだ。これで。
「本当にこれでいいの?」
メディスンと庭師Aがいつのまにか目の前にいた。
俺「あ、今の声にでてた?」
メディ「そんな感じがしただけ。あなた。つらそう。」
俺「そうかもな…」
庭師A「話は聞いた。お嬢様も怒ってはいないようだが…」
俺「悪い。ほっといてくれ。これが庭師とお嬢様の正しい関係なんだ。
俺が不用意に近づかなければお嬢様も傷つかなくてすむ。これでいいんだ。」
庭師A「そうか。ならいいが。」
庭師Aとメディスンが去っていく。
庭師A「あ。そうだ」
俺「?」
何か投げてきた。かんざし?
庭師A「お嬢様が君には本当に悪い事を言ってしまったと言っていてな。
お詫びの代わりにこれをと。大事な物だそうだ。」
俺「いや、そんな…」
庭師A「まぁそんな気にする事でもないと思うけどな。」
そう言って去っていった。
大事な物…もらっていいのだろうか…
その日の夜。風呂に入っていた時の事だった。
「ちょっと、いい?」
その声は紛れもなくお嬢様だった。
「ちょっおまっ!うぼぁっ」
壁越しではあるが、いきなりだとあせる(´Д`)
「クスクス」
壁際のお嬢様が笑っているようだ。
俺「えっと、なんすか?」
幽々子「この間、庭師Aに渡してもらったと思うんだけど、かんざしの事」
俺「あ~あれっすか。大事に保管はしてあるっすけど。やっぱ返した方がいいっすかね?」
幽々子「あれはあなたに持っててほしいの。」
(´Д`?)意味ワカメ
俺「あの、大事な物なんすよね?」
幽々子「そうね。ある人の・・・形見…かな。」
俺「ちょっいやだめっすよそんなのいただいちゃ…」
幽々子「あなたに持っていてほしいから。」
俺「はぁ…」
幽々子「それと」
俺「はい?」
幽々子「貴方と会うのはこれが最後だから」
…は?
幽々子「貴方とはもう会えない。まともに話しもする事はないわ。」
俺「え?あのそれってどういう…」
幽々子「もう会わないって言ってるの…」
俺「いやっあのでもほら!俺ってにわs」
幽々子「会いたくないって言ってるの!」
時が止まった…幽々子様の走り去る音。
風呂場でうなだれる俺
しばらく頭の中で色々と考えていた。
――幽々子の部屋には紫がきていた。
幽々子「やっときてくれたのね。紫。早いとこお願い」
紫「来たばっかりなのにせっかちねぇ。」
幽々子「早くしてくれないと困るのよ。」
紫「あなたのそんな顔を見るのは久しぶりね。」
幽々子「もう。会いたくないから、一緒にいたくないから…」
紫「つらいから?」
幽々子「逃げているだけよ。」
紫「あら。わかってるじゃない。」
幽々子「どうすることもできないでしょ!もう。嫌なの!」
紫「そう。わかったわ。じゃあすぐにやるわ。」
幽々子「お願いね。」
紫「(全く。瞳に涙を溜めながら言うセリフじゃないわよ。)」――
風呂をでて寝て。朝になった。
庭師の朝は早い。
と、言っても新入りの俺が一番早いわけだが。
朝一番で見る桜は本当に綺麗だ。そして、
心の整理がついた。
心の中で決めた。
決心がついた。
「あれ?早いわね。」
見知らぬ声に気がつき振り返るとそこには見知らぬ女性が立っていた。
俺「どちら様ですか?まだ早いんでお嬢様は寝てると思いますが」
紫「あぁ。幽々子の知り合いで紫っていうの。よろしくねぇ」
俺「はぁ。あの、お嬢様は朝は遅いのでまだ寝てると…」
紫「あ~いいのいいの。あなたを見に来ただけだから。」
俺「は?」
と思った瞬間いなくなっていた。
なんなんだろうあれは…
俺「まぁ、いいか。」
俺はその日の仕事を黙々と初めた。
とは言っても庭師の仕事などそう多くはない。
ましてや4人で分かれているからさらに量は少ないだろう。
俺はゆっくりかみしめるように仕事をこなしていった。
俺「色々あったなぁ…」
庭師A「お。早いな。俺の仕事無くなってるんじゃないか?」
俺「あ~、もう大体朝の分は終わりましたね。
まぁ桜が散って夜とかまた忙しくなりそうっすけど。」
庭師A「はは。そうだな。まぁゆっくりするか。」
そして夜になった。
身支度を整えた俺はもう一度庭を見ようと外へ出た。
そこには――
幽々子様がいた。
桜の中で歌いながら踊っている。
儚く優雅で可憐で…
幽々子「どこへ行くつもりなの?」
俺は目をあわさずに去ろうとした。
幽々子「…」
幽々子様の影が消えかけるその時
俺「ここにいるとつらいから…さようなら」
幽々子様の影が崩れたように見えた。
でも俺はもうここには、いられない。
俺がいると全てが狂う。俺がいなければいい。
白玉楼の門の前に人影が見える。
庭師A「よっ」
メディスン「よっ!」
俺「…皆さんお見通しっすか(´Д`)」
庭師A「さぁ?妖夢は寝てるんじゃないか?
で、いくのか?」
俺「えぇまぁ。このかんざしがあれば幽々子様の事忘れないだろうし。」
庭師A「そうか。じゃぁ最後に取っておきの話しをしてやるよ。」
俺「え?」
庭師A「ある所に普通の人間がいました。その人間は鈴蘭畑の生きた人形に恋をしました。
しかし、鈴蘭畑の毒に人間の体は耐えれません。
いつしかその人間は毒で弱っていきました。
でもその人間は鈴蘭畑から決してでようとしませんでした。
なぜだと思う?」
俺「あ、そりゃ…なんでっすか?」
庭師A「さぁ~なんでだろうなぁ。
まぁ最後はその人間は人形に愛を告白し、死んだんだけどな。」
メディ「ちょっとっ!終わってないって!
その後、人形は告白された愛にこたえるためにあの世までやってきて
現在に至るってわけ!」
俺「現在にって、あ…」
メディ「そ。私は愛のおかげでここにいるわ。
鈴蘭畑から出てこの人を生き返らせる方法を探し、気がついたらここにきていた。
後悔はないわ。愛する人といられるもの。あの世でもこの世でも同じこと。
あなたは?」
俺「俺は…お嬢様…」
庭師A「まぁ、俺は告白して死んだけど、こいつがきてくれたからな。
お前も悔いを残さないようにな。」
そういって白玉楼の門を開ける。
庭師A「ここを出たら引き返せない。後はお前しだいだ。」
考えた。だが、俺はお嬢様の幸せを願った。
お嬢様は俺がここにきたせいで苦しんだ。
ならば俺がいなければいい。俺の事を忘れてもらえばいいと。
俺「…俺は、行くよ。これをお嬢様に渡してくれ。」
庭師A「わかった。」
そういって俺は手紙を手渡し、桜の道を歩いていった――
庭師A「幽々子様。これ、あいつから預かり物。」
何も言わず受け取る。
「いきなりすいません。やっぱり、お嬢様、俺の事嫌ってますよね。
まぁ手渡しとか恥ずかしいんで門の前にこの手紙置いとくの許してください。
俺は少しあの世を旅しようかと思ってます。もうこの白玉楼には戻ってきませんが、
皆さんといられた事楽しく思ってます。
俺、お嬢様には嫌われちまったけど、最後に言わせてください。
幽々子様。ずっと、ずっと言いたかった。好きです。
心の底から愛しています。死んであなたと会えた事。
この生を受けた事の全てだと思っています。あなたと巡り会えてよかった。
ま、これだけです。まぁお嬢様は俺の事なんて忘れて、
最初の頃のようなのほほんとしたお嬢様でいてください。
PS.かんざしやっぱり返します。大事な人の形見はあなたが持っていて下さい。」
手紙を持つ幽々子の手が震える。
紫「さて。どうする?」
幽々子「紫…」
紫「おきゃくさまぁ~今なら白玉楼の下の桜まで超特急の便が出ていますがぁ?」
幽々子「でも…」
考え込もうとする幽々子
紫「考える暇はないわよ。下の桜を越えれば道は分かれるわ。
そこからは私の管轄外。悔いの残らないよう今を選択しなさい!」
幽々子「紫…行くわ…」
紫「そう。ではこちらの隙間へ一名様どうぞ~」
――さ~てこれからどこへいくかなぁ。
やっぱここの桜綺麗だなぁ…
あれ?誰かいるぞ?
妖夢やん(´Д`)
妖夢「…」
俺「よ…よう(´Д`;)」
あれ…消えた…全員にばれてたのねぇ…
まぁ済んだ事はしょうがないかぁ
あん。まだ誰かいる…幽々子様?なんで?
幽々子「あなたに…言ってない事があるの。」
俺「へ?」
幽々子「あなたは生きているのよ」
俺「はぁ…はぁ?!」
紫「多分結界が弱っていた所で変な爆発に巻き込まれたせいなのよねぇ。」
俺「あ。あんたは!」
紫「で、幽々子は死を操るもの。ちょっとした拍子であなたは一瞬で死ぬわ。
それが、あの子があなたに近寄らない理由」
俺「そうだったんすか。」
幽々子様は何も言わずにうなずく。
紫「それと、もう一つ。あのかんざしの事教えてあげようか?」
俺「はぁ…」
紫「あのかんざしはね。幽々子が生きている時にある人からもらった物なの。
そのある人っていうのはあなたの父親なんだけどねぇ。」
俺「へぇ…って、は?!」
幽々子「そこからは、私が言うわ。あなたの父上は私にこのかんざしを手渡した。
妻の形見だが、お嬢様に似合うだろうと言って。
だけど。私の力のせいで。私の手の中で死んだ…この力のせいで…」
俺「え~っと…親父って事故って死んだんだけど?」
幽々子「その後こちら側のこの世にきたの。
その頃はまだ私も生きていてこの世に住んでいた時だった。
妖怪に襲われた時に守ってくれた。力強かった。離れたくなかった!」
紫「その想いが強すぎて。幽々子の力が目覚めてしまったの。
それ以来。幽々子は生者には死を等しく与えてきたわ。幽々子に触れる生者全てにね。」
幽々子「これでわかったでしょう。あなたに近づかないわけが。」
俺「あの~一つ聞いていいっすか?俺ここで死んだらどうなるんすか?」
紫「そうねぇ。幻想郷で死んだらそのままここに戻ってくるわね。
まぁ元いた場所で死んだらあっち側のあの世になるけど。」
幽々子「あなたは元のいた場所に帰れるわ。紫が繋げてくれる。」
俺「おぉ。じゃぁ何も問題ないじゃないっすか!」
幽々子「!?」
思い切り幽々子に抱きつくその刹那。脱力感が襲ってくる。
幽々子「あなた…何やってるの!聞いてなかったの?!私の話しを!」
俺「聞いてましたっすよ。俺、手紙に書いたっすよね。
貴方に会えた事がこの生を受けた事の全てだと。
元の世界に戻って貴方の事を想って生きるより、
貴方のぬくもりを感じながら…貴方の中で…」
幽々子「…」
紫「やっぱりねぇ…」
幽々子「私は…私は!」
幽々子の瞳から大粒の液体が流れ出る。
激しく後悔した。何故「カレ」を追ったりしたのだろう。
何故全てを話したのだろう。
何も言わずに紫に元の世界に戻させれば「カレ」は死ぬ事はなかったろう。
何故私は…「カレ」を愛してしまったのだろう。
何故…何故…
あれから数年経った。
「カレ」は未だこちらには来ていない。
あと数十年はこちらにはこれないだろう。
恐らく山田…じゃない。閻魔様の元で残りの寿命をまっとうしている最中であろう。
予定外の「死」それはあの世とこの世のバランスを崩してしまう。
もっとも一人二人ならあまり変わらないが、だが例外はない。
予定外の死を迎えた者は等しく残りの寿命の分だけ閻魔様の元で寿命をまっとうしなければならない。
幽々子様はあれからも毎日桜の木の下で歌っている。時折寂しそうな目をしながら。
それでも最近はやっと笑ってくれるようになった。「あの日」からしばらく
幽々子様はふさぎこんで食事もせずずっと泣いておられた。だが今は「カレ」を待っているのだろう。
その悲しみを唯一拭える「カレ」を…
――桜吹雪――
庭師A「あれ…おい」
――咲き乱れ――
メディスン「え…?」
――いとおしいほど儚くて――
妖夢「うそ…」
――優雅で華麗で美しく――
俺「…ただいま。」
――切ないほど狂い咲く――
こちらに向かって幽々子様が走ってくる
その瞳に涙を浮かべながら。
その美しく、そして儚い体を抱きしめる。かみしめるほど抱きしめる。
幽々子「私…私…ずっと…待ってた…あなたが…好き!
もう…逃げない…愛してる!」
俺「俺の答えも決まってるっす。幽々子様。俺はもうあなたの傍を離れない!
ずっと…永遠に…」
幽々子「もう…様はいらないわ。
永遠に…愛してる…」
――後日
庭師A「おかえり。しっかし早かったな。もう数十年はかかると思ったんだが。」
俺「いや~…なんか俺普通に生きてたら事故って普通に死んでたみたいっす(´Д`)」
庭師A「そ…そうか…」
紫「今日は宴会ねぇ。幽々子の婚約記念に皆集めましょ♪」
妖夢「紫様はただ騒ぎたいだけでしょ!」
紫「あら。不機嫌ねぇ」
妖夢「別に!なんでもないです!」
庭師A「…後悔は…ないな?」
俺「当たり前っす!俺、メディスンさんの愛のおかげでここにいるって意味。わかった気がします。」
メディスン「そっか。よかったね。その心、忘れずにね!」
俺「はいっす!」
幽々子「なんのはなしぃ~?」
俺「うぉっ酔ってるっすね。」
幽々子「そ~よぉ~押し倒しちゃうわよ~」
俺「ちょっ皆みtくぁwsdfgtyふじこlp;@:「」」
HAPPY END
2スレ目 >>487
ゆゆ様死に誘ってくれーーーー!
3スレ目 >>104
ふらふらしてたら運良く白玉楼に入る事が出来た。
もちろん今までと何一つ変わりない、生きたままだ。
妖夢をお使いに出していた幽々子様は、暇つぶしの相手として
僕を特に面倒なく茶室に通してくれた。
少しは茶の湯の作法と、それと目利の真似事をして齧った知識も
あったから、彼女との会話はそこそこはずんだ。
まあ、どんな名画だこれはだれそれの名器だと見せられても、
たおやかに微笑む彼女に勝るものは、そこにはなかったが・・・・・・。
時が経つのも忘れて会話を楽しみ、ふと気が付くと、時計の針が午後11時を指している。
名残惜しいが、終電とかいろいろ気になるので、お暇する事にした。
「もう帰りの心配をする必要なんて、ないのにね・・・・・・」
ぼそりと、幽々子様は嬉しい事を言ってくれた。
3スレ目 >>196
幽々子様がこちらに遊びに来たので、東京のうまいものめぐりをしてみることにした。
おとといは完食できたら写真に撮られて店内に張り出される大盛りカレー三昧。
昨日はケーキ食べ放題。
今日は一時間おかわり自由のバイキング形式だった。
さすがは大食いの幽々子様。どれもこれもあっさりと平らげてしまった。
その健啖っぷり。もはや亡霊の姫様ではなくて、どこかの剣の英霊並みだ。
早速カレー料理店では、余裕で笑みを浮かべる幽々子様のお姿が大量の人魂と共に写真に写って飾られていた。
周囲に注連縄とお供え物と護符がおかれているところからすると、心霊写真扱いらしい。
「やっぱりこっちはめずらしい食べ物がいっぱいあるわね。特にケーキっていうお菓子、なかなかおいしかったわ」
「ははは、またごちそうしますよ」
「ぜひお願いするわ。今度は鳥料理がいいかしら」
「や、焼き鳥ですか。でしたら向こうの居酒屋に…………」
「いいえ。ローストターキーとか、北京ダックとかが食べてみたいの。白玉楼に帰ったら妖夢に自慢できるわ」
「そ、そうですか…………」
俺はそう答えつつも、内心で自分の財布の中身の減り具合に驚いていた。
やばい。手っ取り早く金が入るアルバイトってないものだろうか。
数日経つうちに、俺は自分の冷蔵庫の中身の減り具合にも驚くこととなった。
本気で新しい就職先を考えていると、俺のアパートに見知らぬ人間がやってきた。
「……そちらに、見事な食べっぷりの女性の方がおられると聞いたのですが。ぜひ、うちの番組に特別ゲスト出演していただきたくて」
「はあ、それでどちらさまです?」
ギャラが入ってくることに期待しつつ、俺は聞いてみた。
「ああ、申し遅れました。私、こういうものです」
差し出された名刺には、名前の横にこう書かれていた。
元祖!で○や プロデューサー、と。
ゆゆ様はたかっているわけじゃなくて、素で金銭感覚がなさそうだ。
現代世界もまたいい。普通が一番。
3スレ目 >>447
幽々子さまの足裏を
マッサージしたい。
3スレ目 >>571
休憩がてらにまったり書いてみます。
で、息抜き。
「俺が死んだら……幽々子様に仕えさせて頂けますか?」
「ふふ、そうねぇ。今すぐでも構わないわよ」
縁側で、にこやかにお茶を勧めるゆゆ様。ああまったり。
3スレ目 >>643(うpろだ0002)
SS書くのは初めて。自分の文才の無さを実感した。
まぁ、とりあえず読んでくれ、とか言ってみるテスト。
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満開に咲き乱れる桜の下。
此処、白玉楼では、小さな宴会が行われていた。
ぱくぱく。もぐもぐ。
「うーん。美味しいわねー。あ、○○、そこのお肉取って頂戴」
ぱくぱく。もぐもぐ。
「…幽々子さん」
ぱくぱく。もぐもぐ。
「んー。何かしらー?」
「…食べ過ぎです、明らかに」
彼女の前には、壮大な皿の山が築かれている。
「あらー。あなたももっと食べればいいのにー」
「俺はもう十分食べましたよ。…幽々子さんは宴会始まってから食べっぱなしでしょうが」
「○○は小食ねぇ。私はまだまだいけるわよー」
ぱくぱく。もぐもぐ。
…この人の胃袋は一体どうなっているのだろうか。
しかし、何で今日は急に宴会なんか開いたのだろう?
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宴会も終わりに近づき、妖夢達は後片付けに忙しく走り回っている。
まだ冷めきらない賑わいから少し離れたところに、俺と幽々子さんはいた。
そこは白玉楼最大の桜、
西行妖の下だ。
「ふぅ、馳走様。もう食べられない~」
「あれだけ食べれば普通の人は死にます…というか酒臭いですよ?!」
…いつの間に呑んだのだろうか、この人は。
「あらー、私は人じゃなくて亡霊よー。うふふ~♪」
「…って幽々子さん酔ってます?」
「あら~。そんなことないわよ~♪ひっく」
…駄目だ、完全に酔っている。
「ふあぁ~…なんだか眠く…なってきたわ…」
「ちょ、ちょっと、こんなところで寝ないでくださ…」
そのとき。
不意に幽々子さんの体が傾いた。
そのまま倒れこんでくる。
…俺の胸の中に。抱きつくようにして。
一瞬、何が起きたのか解らなかった。
ただ、目の前の少女の体の温かさに、甘い香りに感覚を奪われていた。
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---10秒ほどの時間をかけて、我に返った。
気が付くと、心臓が激しく高鳴っていた。
「ゆ、幽々子…さん?」
少しの間。
「…むにゃむにゃ…ねむぃ…」
「こ、こんなところで寝ると、風邪…」
「ねぇ…○○」
「…?」
「何故…今日宴会を開いたか…わかる…かしら?」
混乱した頭で考えてみる。しかし、何も思いつかない。
「…?」
「そう…解らないのね…ふふ…」
少しの間。
幽々子さんは顔を上げて、優しい微笑みを浮かべて、こう言った。
「今日は…○○。貴方が白玉楼に来て、ちょうど一年経った…特別な日…」
「……!」
-----------------------------------------------------------------------------------
そう、思い出した。
あの日、死んだ俺が白玉楼に来た日。
俺は何故か生前のことを全く覚えていなかった。
成仏するとか、しないとか、そんなことはどうでもよく思っていた。
…そんな俺を、幽々子さんが拾ってくれたのだ。
始めは、主に雑用をやっていた。妖夢の手伝いをしたこともあった。
しかし日が経つにつれて、幽々子さんの身の回りの仕事を任されることが多くなった。
…なぜか幽々子さんは、俺を気に入ってくれたらしい(妖夢は残念がっていたが)。
いつしか俺は、いつも幽々子さんの隣にいるようになっていた。
俺はいつも幽々子さんを見ていた。
幽々子さんの呆けたような顔を見ていると、安心できた。
幽々子さんの言動に振り回される日常が、楽しかった。
幽々子さんの役に立てることが、幸せだった。
幽々子さんの笑顔が、嬉しかった。
そう…
俺は、幽々子さんが…
------------------------------------------------------------------------------------
あの日から一年。
「幽々子…さん」
うれしかった。
幽々子さんが俺の来た日を覚えていて、宴会まで開いてくれた。
…幽々子さんが俺のことを、気に留めていてくれたのだ。
「ありがとう…俺のために…」
応えるように、幽々子さんは微笑んだ。
その微笑を見て、俺は思った。
今、自分の腕の中にいる少女を、
愛しい、と。
突然、幽々子さんの体から力が抜けた。
ぐったりと、俺に体をさらに密着させる姿勢になる。
「…?幽々子さん?幽々…」
返事は無い。
代わりに、すぅすぅと小さな息が聞こえた。
…寝てしまったようだ。
彼女の寝顔を見ながら思う。
言ってしまおう、俺が一年間言えなかったことを。
今は眠っていて聞こえないけれど。
いつかは、幽々子さんが起きているときに聞かせたい言葉。
「俺は……」
腕の中の少女に向かって。
「俺は…幽々子さんが…好きだ」
言った。
やはり、返事はない。
でもいつか、いつか必ず伝えて…
「あら、それは嬉しいわねぇ♪」
「………!!!!!!!!!!!!?」
心臓が停まるかと思った。
「な、なんで…寝てたんじゃ?!」
「ふふふ、嘘♪ 起きてたわよ、ずっと」
「!!…じゃあ、聞いてたのか?!さっきのアレ」
実に面白そうな笑みを浮かべて。
「ええ、聞いてたわよ。一字一句逃さず、はっきりと」
死ぬほど恥ずかしかった。自分でも解る、俺の顔は今真っ赤になっている。
「い、いまのは、その、あの、なんていうか、その…んッ?!」
一瞬だった。
唇が塞がれた。
甘い香りがする。
目の前には、愛しい少女の顔。
…それがキスだと解るのに、暫くかかった。
一瞬のような、永遠のような、そんな時間が終わる。
唇が離れていく。
頬を赤く染めた少女は、言った。
「…○○、ずっと、ずっと、いつまでも一緒にいてくれる?」
答えを返すのに、時間はかからなかった。
「もちろん。ずっと、ずっと傍にいる」
再び、キスを交わす。二人の永遠を約束する、長い永いキス。
宴会が終わる。
それは、これから二人が生きる新しい時間の始まりだ。
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あとがきという名の言い訳。
えー。
お楽しみ頂けたかどうか禿しく不安。
ごめんね、文章変で。
でも書いてすっきりした。うん。
書きたくて書いた。後悔はしていない。
最終更新:2010年05月31日 21:49