藍1



1スレ目 >>8


あなたの主人も式も、まとめて面倒見させてもらいますからっ……


1スレ目 >>13


なんでもするのでその尻尾でもふもふもふさせてください!


1スレ目 >>62


俺「藍様!」
藍「な、なんだいきなり!?」
俺「百合・ゲラー!!!!(脱衣)」
藍「ーーーーーっっっっ!!!!!!????(声にならない声+飯綱権現降臨) 」


Extraな弾幕が晴れた時には、既に藍様は姿を消していた。
地面に這いつくばりながら朦朧と煙る意識の中、俺は己に問いかける。

俺(何が悪かったんだろう・・・?)



   BAD ENDING
         ノーマル(な思考)でノーコンティニュークリアを目指そう!


1スレ目 >>97-99


―これは、ありえたかもしれない未来のお話―
 >>62ではバッドエンドですが八雲藍の好感度が一定以上ですとこちらの展開になります。

「藍様!」
 俺はそう叫ぶなり、二人を隔てるこの憎きふすまを力の限り開いた。ピシャンという古風な音。
 「な、なんだいきなり!?」
 向こうを向いて煎餅片手にテレビ蓬莱を見ていた藍様がびっくりしたように体ごと振り返る。
 ああ、そのふかふかもこもこしたお尻尾×9!
 嗚呼、中華風が入ったそのお召し物!
 Oh,ちょっとキツネ目のそのお顔!
 どれもこれもビューティフルジョーならぬビューティフル・ラン!
 も、もももも辛抱たまらん。さあ、この焦がれる思いを伝えようではありませんか!?
 けれども、口では何を言っていいのか分からない。興奮のあまり舌が張り付いてしまったよう。
 ええい、まどろっこしい。愛しの藍様に我が心を伝えるには行動あるのみ!
 俺は自分の着衣に手をかけ、そのまま一気に………………
 「百合・ゲラーーーーーーッッッ!」
 旋風に散る木の葉の如き俺の服。上着は勿論下着まで。マッパで見事な仁王立ち。これこそ俺の告白方法。
 愛する者よ、受け取り候え!(バジリス○風)
藍様の目が飛び出さんばかりに見開かれて、そして、
 「気に入った! その覚悟! その脱ぎっぷり! ならばこちらも……プリンセス・テンコー!!」
 音を立てて花びらのように舞い上がる藍様の服。ボッティチェルリの「ヴィーナスの誕生」もかすむその裸体。
 ああ、そのお姿を見られただけで俺はもう、白玉楼へ旅立ちそうです。
 告白が受け入れられた嬉しさで体が勝手に動く。動いてしまう!
 「百合・ゲラー!」
 「プリンセス・テンコー!」
 「ゲラー!」
 「テンコー!」
 「ゲラーー!!」
 「テンコーー!!」
 「ゲラァァァ!」
 「テンコォォォ!」
 「ゲラァァァァァッ!」
 「テンコォォォォォッ!」
 「GERAAAAAA!!」
 「TENKOOOOO!!」
 飽くことなく、俺と藍様は生まれたままの姿でお互いの気持ちを確かめ合っていた(←誤解を招く表現)
 ……二人の痴態が踊るすぐ隣の部屋に、この家の主である紫と、橙がいた。
 「うわぁぁぁぁぁんっっっ! らんさまの、らんさまのあたまがおかしくなっちゃったぁぁぁっっ! もどって! ちぇんのだいすきだったらんさまにもどってよぉぉぉっ! なんとかしてくださいゆかりさまぁぁ! らんさまがおかしくなっちゃったよぉぉぉっっ! わあああああんっ!!」
 火がついたように泣きじゃくる橙を、紫はただ虚しく抱きしめることしかできなかった。
 「橙……私にできるのは『正気』と『狂気』の境界をいじることだけ。でもね、あの二人は完全に正気そのものでああしているの。だから、私はどうすることもできないわ」
 橙は紫の言葉など耳に入らないかのように、ひたすら涙の枯れるまで泣き続けていた。

 ―幻想郷中に射命丸文によって、一組のスッパバカップル注意の報が広められるまで、さしたる時間はかからなかった―

 八雲藍 TURE ENDING

 永琳先生の補習を受けますか?
 →はい
  いいえ

 すみませんただ勢いで書いてしまいました



1スレ目 >>309


 マヨヒガの上に月が昇る。今日は満月だ。
 幻想郷ではやたらと月が綺麗に見える。だから、こんなにも酒が美味いのだろうか?
 …いや、きっと美味いのはそれだけが理由じゃないな。
「ふぅ…こうやって静かに酌み交わす酒も、いいものだな」
 隣に座っている藍さんが、そういってくいと杯を空にする。
 少し酒精が回っているのか、ほんの少しだけ赤い顔が色っぽい。
「あまり俺、酒は強くはないんですけど…でも、いいものだと思いますよ」
 俺はちびちびと杯の酒を啜りながら、藍さんの言葉に答える。
 辛口の日本酒が若干喉を焼くものの味わいは素晴らしく、もう一口もう一口と飲んでしまう。
 ちょっと一杯のつもりで…といった誰かの言葉は、あながち間違いでもないらしい。
「ほれ、もう一杯どうだ?」
「あ、頂きます」
 藍さんが徳利で酒を注いでくれる。きちんと袖を押さえて注ぐ所が藍さんらしい。
 注いで貰った酒をまたちびちびと飲み始める。若干さっきよりも美味しいと思ってしまうのは…気のせいかな。
「いい飲み方だ。じっくり味わうといいぞ」
「あはは…本当は飲めないから、ちょっとずつ飲んでるだけです」
 そういう藍さんは、くっと飲み干す勢いの良い飲み方だ。見ていて気分がいい。
 庭先には七輪が置かれ、上ではスルメが丸まっている。焼けるのもそろそろだろう。
「…美味いな、今日の酒は」
「ええ…そう思います」
 二人で見上げる月は、優しい光を放っている。月には魔力があるというが、そう言われるのも頷ける。
 …二人での酒盛り。気分は二人とも良い。……言うならば、今か?
 そう思った矢先だった。

「あら?二人とも楽しそうね…私も混ぜてもらおうかしら?」

 来やがりましたよ、幻想郷一の困ったさんが。



 一体何がどうなってしまったのか。
 スキマから飛び出す銘酒・珍酒の連打に、俺はあっという間に撃沈。すでに呂律もあまり回らない。
 見れば藍さんも顔が真っ赤になっていた。平然としているのは紫さんだけだ。
「ほらほら藍~、もっと飲みなさいな」
「こ、これ以上は無理ですぅ~」
 九尾がその言葉に頷くようにぱたぱたと振られている。あー、もふもふしたら幸せだろうなぁ。
「まったく…だらしがないわねぇ。コッチの子は飲めないのにあなたに付き合ったのに」
「…そ、そうはいっても…」
 ああ、気にしないで下さい。一緒に飲みたいって俺も思っただけですから。
 酒のせいか、藍さんもちょっと可愛くなってるように見える。役得だー。
「この子の気持ち無駄にしないの。多分藍の事好きなのよ~」
「なななななななっ!?」
 言いやがりましたか紫さま。こんどモズク大量に食わせてやる。
 …でも、嘘偽りでもない辺りがなんともいえないなぁ。
「健気じゃないの~。で、藍はどうなのかしらぁ?」
「わ、私は…その……あの…」
 あ、まずい。意識が切れる。限界です。
 もったいないなぁ…もしかしたら、藍さんの気持ち…聞けたかもしれない………のに……



「…えーと」
 冷静に状況を見てみる。日差しから多分時刻は朝。俺は布団で寝てる。
 …あと一つ要素があるけど。
「すぅ…すぅ……」
 なぜ俺の隣で藍さんが寝ていますか?全裸じゃないだけマシだけど。
 その所為で身動き一つ取れないんですが。………どうしよう?
「ら、藍さん…あの、藍さん」
 いつまでもフリーズしてるわけにはいかないだろう。とりあえず藍さんを揺り起こしてみる。
「むにゃ……………え?え?え?え?え?え?え?え?え!!!!!?????」
 一瞬寝ぼけたかと思ったら、藍さんは布団から飛び出し、天井に飛びついてしまう。
 うわ、見事に尻尾が逆立ってる。
「ななななななん、ななななっ!?」
「お、落ち着いてください藍さん!俺何もしてませんって!服、服!」
 俺も焦りつつ、それでも誤解を解くために藍さんを指差す。
「…あ。そ、そうか…大丈夫か。すまない、慌ててしまって…」
 そういってようやく天井から降りてくる藍さん。心なしか顔が赤いのは…やっぱり俺の所為か。
「あの…俺の記憶ないんですけど、何かあったんでしょうか?」
 そもそも縁側で転がっていた記憶が最後なので、どうして布団で寝ているのかわからないのだ。
 藍さんはどこかもじもじとしながら、俺の質問に答えた。
「あの…な?私も昨日は深酒をして、前後不覚になって…一応そのままでは風邪を引くと思って、部屋まではつれてきたんだ」
「…はぁ」
「それで…寝かせたのはいいんだが……その……あの……」
 …おかしい。藍さんがトマトよりも真っ赤になってしまった。
 なにかがよほど言いづらいらしい。ずっと『あのその』を言い続けている。
 …ようやくその言葉が出たのは、しばらくしてからだった。

「す、好きな人と寝るのは…正しいことだと……紫様に言われて…それで……つい…」

 ……なるほど、全ては紫さんの差し金ですか。
 強い酒を連打したのも、この為だったんだろうか?
「め、迷惑だったな!私は朝ごはんを作ってくる!」
 もう顔もあわせられないのか、そのままそそくさと部屋を出ようとする藍さん。
 けれど、この機を逃すわけにはいかなかった。多分紫さんも、こうするように水を向けたのだろうから。

「俺も好きですよ、藍さんのこと。藍さんのこと…愛してますから」
「!!!!!!!!!!!!!!!」

 ばたんと音を立てて閉められる障子。ばたばたと廊下をかけていく足音。廊下は走っちゃ駄目ですよ、藍さん。
「やれやれ…」
 意外に藍さん、照れ屋だったんだなと再確認した。
 外から差し込む日差しは、優しく部屋を照らしている。
 今日は何となく、いい日になりそうだった。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

規制されてるから報告しばらくあとになるのかな…

インスピは>>230>>231>>231から。飲んでて紫様に弄られてついでに告白という流れ。
なんでこうも少女チックになるかな。藍さまは大人の女性ってイメージあるのに…



>>93(>>95)


        ※       ※


「じゅうーがーつのやまみーちをー くろーねーこーがあるくー♪
 ごじーまんのー ごしゅじんさまらんーさまとー げぼくの○○とー♪」
「はいはい、さりげなく歌にまじえた状況説明ごくろう。
 …で、ダレが下僕だこの馬鹿にゃんこ!ぐりぐりぐりぐり」
「あにゃにゃにゃにゃっ!こめかみがっ!こめかみが割れるーーー!痛い痛い痛いぃーーーー!」
「ふはは、じっくり可愛がってやる!泣いたり笑ったりできなくしてやる!」
「こらこら、あまり橙を苛めるんじゃない」
「問題ありません、これは躾ですから」
「らんさまーたーすけてーーー」
「あっ、逃げたっ!」
「藍さまー、○○がひどいのー!嫌がってる私に無理やり…
 カタイものを押し付けて……太い指で敏感なところを……乱暴に弄くりまわしてっ…!」
「誤解を招く発言すぎるぞおい」
「よしよし橙、私が慰めてやるからな……はぁはぁ」
「藍さん鼻血鼻血、鼻血出てる」

僕が買い物帰りに外の世界からこの幻想郷にさらわれてほぼ1年。
初日に妖怪に美味しくいただかれて終わるはずだった僕の幻想郷ライフは、
ひょんな事からその妖怪さん達の住処(マヨヒガというのだが)の居候という形で、今日まで続いてしまっている。


で、今日は3人でピクニック。空を飛べる妖怪さん達も、地に足付けて紅葉を楽しむという趣向だ。
……本当は4人だったのだが、寝てるので置いてきた。


「ふーらんちゃんーがっだーいすきなーらっ ふらんちゃんーがっふーえてもいいねっ♪
 ふらんちゃんーでっいーっぱいーなーのー ふぉーおーおーぶあかーいーーんどーーーー♪」

機嫌よく歌いながら、僕らの前を飛び跳ねるように歩いている元気な少女の名は橙(ちぇん)。
妖怪など信じられていない外の世界でも有名な、猫娘というやつである。
妖怪と言っても、可愛い女の子がネコミミと二又尻尾を着けてコスプレしてる様にしか見えない。
が、頭の中身はばっちり猫レベルなので、よくからかって遊んでいる。

「ちぇんーー、あまり離れちゃだめだぞーーー」

橙から大きく離れて後ろ、僕の隣を歩いているのが、その橙の主人であり保護者の八雲 藍(やくも らん)さん。
金色の大きな9本の尻尾が特徴的な、狐の妖怪さんだ。
やはり見た目は、尻尾×9と狐耳でコスプレした綺麗なお姉さんでしかない。
身長もあり、スタイルも良い。性格は温和。家事もばっちり。
言ってしまえばパーフェクト超人である。人じゃないけど。
10人すれ違えば10人が振り向くだろう。
「…すげーいい女」「ちょっと、どこ見てんのよ」
なんてカップルの会話が容易に想像できてしまう。
ただ、ひとつだけ問題があって…

「ああ…橙……飛び跳ねるたびにスカートの裾からのぞくあの躍動感あふれるふとももが……ハァハァ」

……変態なのだ。
橙をまさに「猫かわいがり」しており、橙が絡むと一気に脳みそが溶けた状態になる。
10人すれ違えば、10人が目を逸らすだろう。
「ママー、あれなにー」「ダメYOジョージ、見ちゃいけまセーン!」
なんて母子の会話が容易に想像できてしまう。

「ほらどうだ○○、見てみろ、このチラリズムがなんとも……なあ、そう思うだろう?」

いや、僕に振られても。手を取って理解を求めないでください。同志扱いかよ。

「こらっ、そんな不純な目で橙を見るな!」

どないせーっちゅうねん。
というか、貴女のその血走った目の方が
どうみても不純です。
本当にありがとうございました。

「あーーーーーーーーー!なに藍様と見つめあってるのーーーーーー!」

それを見て橙が何を勘違いしたのか、飛翔韋駄天で駈け戻ってくる。
たしかに傍から見れば、うら若き男女が手に手を取って真剣な表情で見つめ合ってるようにしか見えないが…。

「だめーーーーっ!藍様は私のご主人様なのっ!」

僕と藍さんの間に入って引き剥がしてくれる橙。ありがとうございます。
ふと藍さんを見ると、

「………」

正気に返ったのか、ちょっと顔を赤くして手をにぎにぎしてた。



        ※       ※



「ここらでお昼にしようか」

少し拓けた丘についた。普段は橙の遊び場になっているらしい。

「おひる、おひるーーー!おひるごはーーーーーん!」

ただでさえ落ち着きのない猫が、さらに落ち着きをなくし始め
「ファー…オヒルゴ…ファー…オヒルゴ…ファー」ってなった。
最初は微笑ましかったが、なんかキモくなったので首元を横から思い切りチョップしたら
「ルナスァ」みたいなこと言いながらすごい勢いで飛んで行った。

「こーら、橙をいじめちゃダメだっていつも言ってるだろう?」
「言ってるだろー?」

もう戻ってきてるし。

「HAHAHA、軽いジョークですよ」

藍さんのお小言をアメリカンに流しておく。少しでも聞く姿勢を見せたら負けだ。
日が暮れるまで説教(途中から橙の愛らしさを切々と語るタイムにシフトする)が続くだろう。

「後でアレで遊んでやるから許せ」
「それなら許すー♪」
「……まあ、橙が気にしないのならいいけど…」

ケモノは単純でいいですね。
ちなみにアレとは、僕が幻想郷に来てから作成したスペルカード、
その名も柳符「猫じゃらし」である。
藍さんから教わった法術で、試しに作ってみたものだ。
外の世界で一般人だった僕に、そうそう大きな術など使えるわけもなく。
当然威力もない、護身にもなりえないようなモノなのだが、
『橙を篭絡する』というこの符の唯一の利点が、
マヨヒガでの僕の地位を格段に高めてくれたのは言うまでもない。

「説明は終わったか?早く食べないと無くなるぞ?」

気がつけば弁当の重箱がすでに広げられ、橙の箸が残像を残しながら、おかずの上を凄いスピードで動いている。
軌跡が☆マークを描いているところからすると、飛翔清明-lunch-あたり使っているに違いない。
三角食べを越える五角食べとは………奴は本気だ。本気で食い尽くす気だ。しかも身体にいい食べ方だ。

「…って、ちょっと!説明中は動かないのが怪人のお約束ですよ!?」
「説明および発動、または蒸着は、実際の時間にして0.2秒以内で済ますのが基本だ。修行が足りないな。
 ………で、誰が怪人だって?」
「すいません、嘘です。幹部クラスです。言うなれば冥獣神」
「……とりあえず、玉子焼き抜き」

ひょい、ぱくっ。

大きな弁当箱の片隅に残っていた最後の玉子焼きが、今……冥獣神テンコーによってこの世から消えた。

「ああああああああ!僕の会心の出来の玉子焼きがぁぁぁぁっ!」

朝方、3人でわいわい言いながら作ったお弁当……そこで生まれたたくさんのおかずの中でも、
君はひときわ輝いていたね……




―――思い出を、ありがとう。




「……浸るのはいいが、ほんとに無くなるぞ?」
「ああ、食べます食べます」

橙に負けじと、せっせと箸を動かす。
ここはいっちょ、必殺・瑠那磋食いで!

「な、なんじゃとぉーーー!○○の箸の動きが…!
 まるで…う、『鬱』の字を描くようにっ!」
「○○……恐ろしい子……っ!」

やけに男らしい顔つき、というかヒゲまで生やして解説する橙に、白目で驚きを表現する藍さん。
ふっ、勝った。

「でもむしろ食べるの遅くなってるね」
「うむ、全くの無意味だな」

うるさいやい。
空しくなってきたので普通に食べることにする。
と、おかずの中に、やけに歪な茶色の物体を発見した。

「これは…何だろ?」

箸でつまもうとした途端、

「それはダメだ○○っ!」

弁当箱から消えた。いや、正確には、光の速さで藍さんが奪い取ったのだが。

「なっ!何をするだァーーーーッ!藍さんッ!」

「こっ……これは私のおいなりさんだっ!」

すごく横暴かつ、いろんな意味で恥ずかしい台詞を吐く藍さん。
だが、狐耳まで真っ赤にして、そんな困ったような怒ったような表情で言われると、
むしろこっちがうろたえてしまう。
というかそれ、いなり寿司だったんですね。沖縄名物さーたーあんだぎーあたりだと思ってました。

「こ……これは橙が私の為に作ってくれたものだから…悪いが○○にはや、やれないな……!」

と、自分の取り皿においなりさんらしき物体を残らず載せてしまう。

「わーい、藍さま、全部食べてねっ♪」

無邪気に喜ぶ猫。汗をかきながら曖昧に頷く藍さん。あ、目が死んでる。
僕は目で合図を送ると

「そっかー、ならざんねんだけどあきらめないとなー」

と、棒読みで返しておいた。

「す、すまんな○○…!」

いえいえ、こちらこそ。
橙が料理などできるはずもない。
人間があれを食べれば、間違いなく魂が二百由旬を駆け抜けるだろう。巴里の灯が見えるかもしれない。
僕を肉体的に、橙を精神的に傷つけたくないが為に、
ああいう選択ができる藍さんを、僕は素直に尊敬した。



        ※       ※



「きーりーがーでたなーつーはー とおいーゆーめーのなかーーあーー♪
 そーらーにーきえてーえったっ うちあーげーほんめいりーーん♪」

なにやら歌いながら、食後も元気に飛び跳ねる橙。あいつの体力は底なしか?
さっきまで約束どおり柳符「猫じゃらし」で遊んでやっていたのだが、
さすがに魔力が尽きてしまったので、ひと休みすることにした。

山頂付近には、下に死体でも埋まってんじゃないかと思うくらい大きなイチョウが生えている。
その下には、養分吸われてるんじゃないかと思うくらいグロッキーな藍さんがもたれかかって座っていた。

「藍さん、グレッグ、生きてるか?」

少し甲高い声で聞いてみる。誰だよグレッグ。

「…ああ、なんとかな」

かすれ声が返ってきた。突っ込む気力もないらしい。
実のところ、藍さんは幻想郷でも指折りの力を持つ大妖怪である。
その藍さんがここまで衰弱するとは……橙はおいなりさんに何を入れたんだろうか?

「………橙は?」
「あー、知り合いの夜雀妖怪が通りかかったので、一緒に遊んでます」
「んー……、じゃあ、今夜はサムゲタンにでもするかな」
「…それは鶏料理です」

知り合いを食う気かあんた。

「隣、いいですか?スペル撃ちすぎて疲れちゃって」
「ん?ああ、遠慮しなくていいよ。座ってくれ」

と、すぐ横を掌でぽんぽんと叩く。
……つーかそれ、真横じゃないですか。
さすがに、そんな肩と肩が触れ合うよな距離は照れくさいんですが…

「遠慮、しなくて、いい、と、言った」

…つまり強制ですか。いや、悪い気はしないんだけどね、実際。
外の世界では綺麗なお姉さんとふたり並んで座る、なんてシチュエーションはありえなかったし。

「そ、それじゃ遠慮なく…」
「素直でよろしい。さあ、座った座った」

腰を下ろして樹にもたれかかる。ふんわりとした樹の感触が心地よい。
……って、ふんわり?イチョウの樹って、こんなに柔らかくて黄色でふかふかだったっけ?
つーかこれは………

「………らららら藍さんっこれはししししっぽあqwせdrftgyふじこlp;」
「ふふ、天然モノのソファだぞ?なかなか気持ちいいだろう?」

僕の尻から背中をカバーするように、藍さんの大きな尻尾が敷かれていた。

「どうだ、私の尻尾は?橙には好評なんだぞ」
「……すごく、大きいです……」

間抜けな返答しかできない僕。とてもじゃないが気の利いた答えができるような状態じゃない。
心臓は外に聞こえるほどの大音量で早鐘を打ち、血がすごい勢いで逆流してる。
もしも今、紅魔館の吸血鬼が僕の血を吸ったら、勢いが強すぎて飲みきれずに鼻から噴き出すに違いない(失礼な想像)
目も口も機能しているという感覚がない。きっと顔はやばいくらい赤くなってるんだろう。

「むう、大きさなんて聞いてない」

ちょっと口元をとがらせる藍さん。…なんかキャラ違わないか?

「それとも…こういうのは嫌だったか?」

ちょっと眉をひそめて聞く藍さん。もはや普段の彼女と同一狐とは思えない。
……だがそこがいい!こんな可愛い藍さんは滅多に見られるものではない!

「いや!いい!さいこーーーーーーーーっす!」
「そうか!……それは良かった!」

途端に顔をほころばせる藍さん。
否変態状態でここまでくるくる表情が変わったことなんてあっただろうか、いやない(反語)。

「ゆっくりするといいぞっっ♪」

……聞きまして奥様?語尾が跳ねた上に音符つきましたわよ?
普段が『しっかり者のお姉さん(もしくはお母さん(もしくは変態さん))』なだけに、
こういう『可愛いお姉さん』状態はなんか、もう、アレですわ(錯乱中)
否応なく意識してしまう…というか、
意識しないようにしていた感情が抑えられなくなる…というか、
藍さんが僕にもたれかかっている…というか、
肩の上に頭がのせられてる…というか、
うわあ髪の毛いい匂いだけど狐耳がぴくぴくするのがくすぐったい…というか

「ななな……何やってるんですかっ!」

僕は勢ひよく叫ぶと淫猥な女狐を跳ね除け、こう言つてやつた。
「ゑゑい、何と破廉恥な、この痴れ者が」
「嗚呼御免なさひ旦那様、妾が悪う御座ひました」
「黙れ黙れ。仕置きをしてやらう」
啼き叫ぶ狐奴の首根つこをすいまセーン… ボクウソついてまーした…
そんな事してまセーン…
声とかめっちゃ裏返ってマース…微動だにできませーん…

……とりあえず落ち着け僕…クールになれ○○……
………⑨………178…210………398…………89006……
素数を数えて気持ちを落ち着ける。昔から算数はできませんでした。
……よし、冷静に現状を把握した上で

「なな……何やってるんですかっ!」

…落ち着いた結果、『な』が一つ減りました。やったね!全然落ち着いてないよ!

「私は尻尾を貸した。○○が肩を貸せばおあいこだろ?」
「いやまあ…それはそうですけど……いやそういうことじゃなく」
「いいじゃないか。しばらく……こうさせてくれないか」

僕にもたれたまま小声で囁く。そっと盗み見ると、
両の瞳を閉じてリラックスしきった表情の藍さん。
ほどなく寝息が聞こえてきた。寝るの早っ。
だがそれはまるで、普段藍さんの尻尾にくるまって丸くなっている橙のようで。
とても微笑ましかったり、愛おしかったりで。

頭を撫でたくなったが、必死に我慢した。



        ※       ※



―――――サァァァァァァァ………

「ん、つめたっ」

頬を軽く打つ冷たいものに、意識を引き戻される。…雨か?
顔を上げれば、雨霧の向こうに夕陽がかすんでいる。どうやら居眠りしているうちに降ってきたらしい。

「おはよう、○○。いい天気だぞ」

すぐ隣から聞こえる藍さんの声。起きていたらしい。相変わらず僕にもたれたまんまだ。
まだ霞みがかっていた僕の頭に、すぐ上の※※~※※間の出来事が鮮やかに蘇る。
さすがにもう慌てふためきはしないが、やっぱり照れくさい。

「『HAHAHA、軽いジョークですよ』」
「……蘇りすぎだよ」
「『いいじゃないか。しばらく……こうさせてくれないか』」
「それ言ったのは私だ」
「『グレン・キャノンもだ!』」
「言ってない言ってない」
「『頭を撫でたくなったが、必死に我慢した』」
「……我慢しなくて、良かったのに」
「あ、雨だ」
「………」

突っ込みに混じって、さらりとすごい発言が聞こえたので、全力で話題を変える。
こういうときは当たりさわりのない天気の話題がベストだ、うん。
なんか横から殺気っぽいものを感じるが、今のとてもナチュラルな会話が原因ではないと信じたい。

「雲ひとつないわりに、よく降ってますね」
「……ううむ、確かに、天気雨…というにはちょっと強い。しばらくここで雨やどりだな」
「橙は大丈夫ですかね。あいつ水嫌いだから、そこらでうにゃうにゃ泣いてるんじゃないですか」
「問題ない。このあたりは遊び場だから、雨やどりの場所も確保してるさ。止んだら戻ってくるだろう。
 ……うにゃうにゃ泣いてる橙も可愛いなぁ………ほら、ずぶ濡れじゃないか…温めてあげるから早く脱いで
 ……いやん、恥ずかしいにゃんっ☆………女同士じゃないか…恥ずかしくなんてないよ…うぇへへへへへ…」

とりあえず殺気をゆるめて話にのってきてくれる藍さん。
単に妄想に入っただけかもしれないが。
…恥ずかしいにゃんっ☆ってのは橙のつもりか?と突っ込みたかったが、この若さで死にたくないので我慢する。



………ぼーーーー……
………ぼーーーーー……



………ぼけーーーー……
………ぼけーーーーー……



しばらくの間、二人してぼけーーーっと空を眺める。夕陽を反射してきらきらと光る雨がとても幻想的だ。
僕は今になってはじめて、ここが幻想郷、かつて居た世界とは違うのだと実感した。そういえば……

「……そういえば、○○がここに来た時も、こんな天気だったな。覚えてるか?」
「ええ…はっきり覚えてますよ。藍さんと出会った日ですから。」


                ~ここからセピア色~


…それは1年前のいつもと変わらぬ一日。スーパーで夕食のお惣菜を買った帰りだった。
近道に近所の公園を通れば、そこはなぜだか雨降る見知らぬ森の中。戸惑う僕に襲い掛かる異形の生物達。
わけもわからないまま逃げに逃げ、あっさり追い詰められ、人生の走馬灯がスタンバイした頃に、空から彼女は現れた。

「雲の隙間からのぞく夕陽に照らされて……まわりの雨粒がきらきら輝いてて…綺麗でした。
 あの時は、女神様が降臨して助けに来たんだと、本気で思ったんですよ」
「なっ……馬鹿!何言ってるんだ!綺麗とか、女神とか……そんな…!……もうっ!」
バンバンバン!
「いてててっ!尻尾で叩かないでください!」
「あ、ごめん」

彼女が余裕たっぷりに微笑むだけで、僕に群がって手足を噛み噛みしていた怪物たちが一気に飛び退る。
獲物を狩っていた時の愉悦の表情はどこへやら、恐怖に顔を歪め、手足をガクガクと震わせている。まるでさっきまでの僕のようだ。
すぅっと、彼女の瞳に殺気がこもる。さらに怯える魔物たち。その反応を満足げに確かめると、彼女は一喝した。

『それは私のおいなりさんだ!!』

…初めて聞く彼女の声。女神は、どうやらお腹が減っていた。


                ~ここまでセピア色~


「あー………そのあたりは忘れて欲しいんだけど……」
「……忘れるわけないじゃないですか」
「しゅ~ん…」

後にわかった事だが、あの時藍さんは通り雨で橙が困ってると思い、探しに出たんだそうだ。
道中でいい匂いにひかれて来てみれば、妖怪に襲われている僕の姿。
というより、襲われている人間が抱えているいなり寿司(近所のスーパー『マルカツ』で198円の品。タイムサービスで半額)。

「……つまり、僕の命よりおいなりさんだったんですよねー」
「ほ、ほら!結果的に助かったからよかったじゃないか!…な?な?」
「……あの後、けっこう重症だった僕そっちのけでいなり寿司ほおばってましたよねー」
「そ、それはあれだ!いなり寿司の魅力には誰も抗えないというか…ちゃんとその後連れて帰って治療したじゃないか!」
「……でもその前に橙が飛んできたんで、僕をほっぽって一回帰りましたよねー」
「そそそそそそれはなんというか…濡れた服が張り付いた橙がなんとも言えずエロティックだったから…」

慌てふためく藍さん。本当はいなり寿司のおかげで命を助けられた上に、
右も左も上も下すらわからない世界で衣食住足りた生活ができるようになったのだから、いくら感謝しても足りないのだが。

「あうあうあう……あまりいじめるな……」
「ははは、冗談ですよ。本当はすごく感謝してます。なんたって、命の恩人なんですから」
「……そ、そうか?…でも……改まって言われると、照れるな…ははは……」
「もうどのくらい感謝してるかというと、藍さんのために一生いなり寿司を作ってあげたいくらいですよ」
「………!」

ぼんっ!

僕の軽口に反応して、なぜか顔から火を出す藍さん。比喩ではなく、本当に火が出ている。
まわりがどこも燃えてないあたりをみると、これが狐火というやつらしい。
ずいぶんおいしいリアクションを持ってるなあ。素直に感心する。

「いやあ、そこまで喜んでもらえるとは嬉しいなあ」
「お、おおおおおおお前、じじ、自分でなにをい…何を言ったか分かってるのか!?」

やたらと取り乱している。変な人だ。知ってたけど。

「何を、って…藍さんに毎日おいなりさんでも握ろうかなあ、と。………ん?」

ちょっとマテ。どっかで聞いたことがある気がするぞこのフレーズ。
たしかプロポーズスレのはじめのあたりとか……っておい。


  プ  ロ  ポ  ー  ズ  で  す  と  ?


「……僕に毎日、味噌汁を作ってくれないか?」

うん、これだ。確かに似てる。実にオーソドックスなプロポーズだ。
で、横には僕にめっちゃ身体を預けている一人の女性。
周りには誰も居ない。二人っきりです。
で、こんな台詞を口に出すということはつまり……え?あれ?


……ボク、藍さんに告白しちゃった?


すきだという気持ちは確かにあるし、ぶっちゃけて言えば出会
った頃からずっと想っていたけど、告白して断られたら、やっ
ぱりマヨヒガでの生活もぎくしゃくするし、最悪の場合僕が出
て行く事になったりすると、もう彼女と二度と逢えないかもな
んて考えてしまって、そうなるともう怖くて、想いをひたすら
こころの奥にしまいこんで、家族の様に接してきたけど、この
1年で気持ちはどんどん膨らんでたわけで、んで当の藍さんは


「…………………はい、喜んで」



……マジですか?なにOKしてるんですかあなたは?
ふと藍さんの体が離れる。顔を向けると、彼女は僕の方に向き直って正座していた。
つられて僕も、腰を浮かせて敷かれていた尻尾を自由にすると、彼女の正面に座りなおす。

「…正直、驚いた……でも、嬉しい……ずっと弟みたいに思ってたけど、
 今日からその、お、夫に…っていうのも悪くないかな……はは…照れるね」

朱に染まった頬に、はにかんだ笑顔。ちょっと潤んだ瞳。全身から幸せオーラがあふれ出てる。
やっべ可愛いよどうしよう!

「……ふつつか者ですが、どうぞ末永くよろしくお願いいたします」

三つ指ついて、深々と頭を下げる。

「こ、こちらこそ!…………って、そうじゃなくて!」

つられて頭を下げかけ、思いとどまる。きょとんとした藍さんと目があった。
彼女の事は好きだ。彼女も僕を好きだと言ってくれた。晴れて両想いだ。だが…これでいいのか?
こんな………トイレの前でプロポーズの練習したらトイレの中に相手が入っててそのままOKされちゃった
どこぞのペンギン村の発明家みたいなオチで本当にいいのか?

「藍さん!」
「ひゃんっ!」

上体を起こした藍さんの両肩を掴む。白い肌を紅潮させた美しい顔が目の前にある。

「だめ…そんな、いきなり……子供(橙)が帰ってきますわ…」

恥ずかしそうに目を伏せ、顔をそむける藍さん。なんか勘違いしてるぞ。

「いいじゃないですか奥さぁん……いや、違って!」

ノせられやすい自分にグッバイしつつ、気を取り直してもう一度。
ちゃんと、自分の言葉で思いを伝えよう。

「藍さん、その……もう一度、ちゃんと言わせてください」
「……う、うん、わかった。……聞かせて」

再びこちらを向いて、とても優しい笑顔を見せてくれる。

「その………僕はずっと、貴女の事が好きでした。たぶん、出会ったときから。
 最初は命を助けられたからとか、そんな理由だったからかもしれません。
 でも、この1年一緒に暮らしてきて、貴女をずっと見ていて、この気持ちは消えることはありませんでした」

いつの間にか、雨はあがっていた。

「橙を見守る藍さん、僕に法術を教えてくれる藍さん、橙の風呂をのぞく藍さん、靴下を洗おうとして卒倒してる藍さん、
 尻尾の抜け毛に悩む藍さん、夜中に裸で飛び回ってる藍さん……すべてが好きです」

赤くなったり青くなったりの藍さん。たぶん照れてるんだろう。

「僕はこんな…なんの力も術も持たないただの人間ですが……
 貴女を支えたい。貴女の力になりたい。貴女を……守りたい」

真っ直ぐに彼女の目を見て告げる。僕を映したその金色の瞳がすっと閉じられ…

「………!!」

軽く、互いの唇が触れた。あっけに取られた僕から、藍さんのはにかんだ顔が離れる。

「答えはもう知ってるだろ?……女の子に何度も言わせないでくれ」

立ち上がって、ぷいとそっぽを向く。

「私だって、その……誰かに甘えたくなる時だって……あ、あるんだから……」

向こうをむいたまま呟く。すごい勢いで狐火が噴き出てます。すごい勢いで尻尾が振られてます。
落ち葉が飛ぶ飛ぶ。

「夫にするにはちょっと頼りないけど……将来に期待するからな?」
「…男なら、好きな人の期待には応えないといけないですね。
 見ててください、貴女を式神にできるくらいになってみせます!」

……途端に狐火が消えた。尻尾も止まった。

「……ほっほーう、言ったな?」

くるりと回ってこちらに向き直り、にっこり笑って両手を取る。
笑顔の質がなにやら変わっているんですが……。

「じゃあ早速、今日から法術の特訓だ!」
「な、なんだってー」
「なんだってー、じゃない!一日も早く、頼れるダンナ様になってもらうからな!」
「な、なんだってー」
「ええいしつこい!雨もあがったし、さっさと橙を拾って帰るぞっ!」
「うわっ!藍さん、僕は空飛べないんだけどぅわぁぁぁぁぁぁぁぁ………」

僕の両手を持ったまま、あっという間に宙に浮き上がる。当然僕も吊るされたまま飛んでいく。
下を見れば、一面の紅葉。こんな状況にもかかわらず、その美しさにちょっと見入ってしまった。
そして上を向けば、もっと美しいもの。夕陽を受けて輝く愛しい人の笑顔。




1年前に見た女神が、そこに居た。





















           ※  おまけ  ※

        ~置いてけぼりをくらった4人目~



ふ~ん…私が寝てる間にそんなことがねえ……って、何よその目は。
まさかあなた、今回も私が一枚噛んでると思ってるの?首謀者を見る目よ、それは。
まあ確かに、あなた達の気持ちは知ってたわよ。というか傍から見ててまるわかりよ?
幽々子まで「白玉楼はいつでも貸すわよ~」とか言ってたわねえ……なに落ち込んでるのよ。
もう……私は何もしてないわよ。どのみち藍があることないこと吹き込んだんでしょ?
あは、やっぱり?なんだかんだ言っても単純よねえ、あの娘。
経験則?うるさいだまれ。
いい?1年かけて、あの娘の心のスキマ、私や橙では決して埋まらない部分に入ったのは
間違いなくあなたの力よ。自信を持ちなさい。そして……大事にしてやってね。

あら、反対されると思ってたの?藍はもう私の式神というより家族ですもの。
家族の幸せを喜ばないわけないじゃない。
似合わない?うるさいだまれ。三回目はないわよ。
……いや、そこまで怖がらなくても。いくらなんでも傷つくわよ?

さ、それじゃ早速みんなを集めて披露宴といきましょうか。神社にいくわよ。準備なさい。
今日はサムゲタンが大量にあるから、手土産に持っていけばいいわ。
え?気が早い?気にしないの。むしろ遅すぎるくらいよ。
だって………








天気雨の日は、狐はお嫁に行くものよ?


>>214


「藍……俺、お前が好きなんだ」
「ななな何を急に言い出すんだお前は!」

「本気なんだ。できれば今返事を聞かせて欲しい」
「わ、私は、紫様の式だ。お前のものには……なれない」

「実は、紫さんにはもう了解をもらってるんだ。あとは『藍の気持ち次第』って言ってたよ」
「お、お前! 勝手な事を……!」

「なあ、お前が俺の事どう思ってるか、聞かせてくれないか」
「例え紫様が許して下さっても……お前と私では、釣り合わないわ」

「俺が人間で、お前が式神だから…か? そんなんじゃ納得できないぜ」
「違う!そうじゃない…! **cmそこらのモノしかぶら下げてないお前では、荷が重過ぎるんだ……」
※ プライバシー保護のため、一部伏字になっております。


「……そうか…、って待ててめえ 何 で 具 体 的 な 数 字 ま で 知 っ て や が る !!!」
「済まない分かってくれ…」
「余 計 納 得 で き ん わ !!」
「ちなみに直径は*******より細かったな。テンコーびっくりだ」
※ プライバシー(ry
「ぐぉぉぉやめろ男の価値はソコじゃねぇーっ!」

「これはもう藍に責任取ってもらうしかないな! **cmの底力、一生かけて分からせてやる!」
「何だと*******より細いくせに偉そうに! なら私が責任もって立派に育ててみせるわ! 覚悟しなさい!」
「おう上等だ! やれるもんならやってみろってんだ畜生! 畜 生 ッ!!」


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「…ねー紫さまー、○○がぼろぼろ泣いてるよ」
「そうね、きっとお互いの気持ちが通じて嬉しかったのね。そういう事にしておきましょうね?」
「? …はーい」


最終更新:2010年05月31日 23:59