藍3
うpろだ289
マヨヒガは今日もうららかな、一日が過ぎる
「・・・この気配、まさか」
「何年経とうと俺の気配は覚えてくれてるのか、嬉しいよ藍」
八雲藍の背後に、一人の男
「っ!?」
声に振り向いたが既に其処にはなにもなく
「久しぶりだな、いったい何年の月日が流れた事やら」
すぐ背後、首筋に吐息が掛かる距離に、男はいた
「くっ!?何のつもりだ○○」
「おいおい、久しぶりに会った盟友をからかっただけじゃねぇか、熱くなんなよ」
「841年ぶりに会ったと思えば、全然進歩してないじゃ無いか」
「そうか?少しは強くなったと思ったんだが、お前が弱くなっただけだったか」
「舐めるなっ!」
藍の弾幕は、一つとして掠りもしない
「盟友が式になってると思ったら、進歩がないな、つまらんよ」
「・・・うるさい、貴様に何が解る」
ふ、と男が消えた
「ど、どこへ、ひゃん!」
男は背後から藍を抱きしめ、強く胸を握った
「抵抗したきゃしろよ、昔から気はつえーがコッチはてんで駄目だったな」
「んっ・・・は、はなしてくれ、あっ!」
「抵抗しないのか?抜け出そうと思えば抜けれるだろ?」
「・・・せっかく、会えたのに、こんなのはないだろう」
藍の瞳から、大粒の涙が零れ落ちた
「な、泣くなよ、泣くんじゃねぇよ!」
涙は止まらない、とりあえず服の中に入れた手をどければいいのに
「わかった、解ったから泣くな、頼む、お前の涙は反則だ」
だからその手をどけたら泣き止むと思うのに、揉むな
「もう会えないかと思ってた奴に、せっかく会えたのに・・・お前らしいと言えばお前らしいのかもしれないけど」
まだ涙は―
「私のほうの気持ちも考えてよ・・・無神経だ」
「あー・・・すまん、以後気をつける、だから・・・泣かんでくれ」
「いい加減に正面に来てくれないか?お前の顔を、もっと見たい」
「・・・これでいいか?じろじろ見るな、はずかしい」
「ふふふ、やっぱり変わらんな、○○のままだ」
男、○○の顔をまじまじと見つめ、愛おしいモノを、潤んだ瞳で見上げた
「お帰り○○、あいたかった」
「ただいま藍、俺も会いたかった」
今度は正面から、熱い抱擁を交わした
「橙、もうカメラ止めていいわよ」
「はいっ!紫様!」
「ちっ、もうちょっとで藍の(過剰表現の為表示できません)が撮れると思ったのに」
「藍さま・・・結局は女ですねー」
「橙!黒い!黒くなってるわよ!?」
「あははー」
「○○!尾っぽが4本になったぞ!」
「おお、やったじゃねぇか、これでまた強くなったな」
此処は、とある深い森、森が開けた小さな広場
「そっちはどうなんだ?この調子ならすぐに追い越してしまうよ!」
藍は○○に躍りかかった
が、瞬間、既に其処には影もなく
ふわっと、自分の身が投げられるのが解った
「がっ!?」
ドスンと地面に落とされ、○○に両手を拘束された
「・・・まだ敵わないか」
「当然だ、狐娘ごときにやられると思うな」
○○が何者なのか、藍さえ聞いた事がない
わけのわからない男だが、今まで過ごした日々を、信用していた、そしていつの間にか
「ねぇ○○・・・」
モノ欲しそうな目で、馬乗りになった○○を見つめた
「あー・・・ん」
最初にしたのはいつだったか、よく憶えていない、唯自然と、彼と唇を重ねたいと思った
いつも求めるのは私から、彼はそれに恥ずかしそうに応えてくれる
だから私も、彼に応える
ずっと一緒に入れるように、足手纏いにならないように、強くなって彼の傍にいたい
「藍・・・続き・・・いいか?」
相棒か、兄妹か、恋人か、不安定なそのはっきりしない関係は、心地よいまどろみの様だった
私は、彼が私の身体を求めてくれるのが、嬉しかった
私が彼にあげられるのは身体ぐらいだから
そのときの私はソレが間違いである事に、彼が求めていたものが身体ではなく、もっと別のものだと言う事に気付けなかった
このままずっと、変わらないのだと思っていた、ソレが間違いである事にすら気付けなかった私は、何も知らない子供だったのだ
「藍!」
「○○!」
繋ごうとした手は、するりと、何もつかめなかった
「あっ!?」
がばっと勢いよく飛び起きた
わけのわからない嫌な夢だった
○○の手を握れなかった、虚しく空を切った感触、掌に残っている
横を見れば、いつもどおりに○○が寝ている
「よかった」
彼の手を握った、大きくて暖かい手、安心させてくれる手、逞しい手
「おはよう○○、もう昼過ぎだぞ」
「ん・・・ああおはよう藍、いい朝だ」
「だから昼だってば」
目覚めのキス、軽く、互いを確認する口づけ
「さて・・・今日は遠出するぞ」
「何処に行くの?」
「遠野の方、向こうはいっぱい餌がいる」
「ん・・・じゃあ私は準備するね」
「俺も俺も」
二人で着替えて、二人で装飾品を身に着ける
武器なんかない、妖術と、身体である
「ん、じゃあ行こうか」
走る、それこそあ、と言う間についてしまう
私たちは積極的に妖怪を喰らった、力を手にするため
「そろそろ帰るか藍」
「うん、私ももう」
背後に気配、とてつもなくでかい
「なっ!?」
「餓鬼共、遠野の森を荒らすとは、下賤也」
猪か、でかい図体に甲冑、槍
森の番人のように、私たちの前に立ちふさがった
猪の一撃は大木を崩し、大地を裂いた
「ちっ、あんなのが居るなんて聞いてねぇぞ!」
「如何しよう○○!」
逃げきれない、猪はぴったりとついてくる
急に森が開けた、しかし其処は
「崖!?最悪だ・・・どうしたもんか」
後ろは馬鹿みたいに高い瀧、前は猪、そして俺の隣には、大切な、大切な
「藍、俺があいつを引きつけるから、そのときに隙間を抜けて行け」
「それじゃあ○○は!」
「・・・あいつのケツにでかい一撃を叩き込んでやれ」
「う、うん!」
俺らじゃ、今の俺ら程度じゃどうにも為らない相手だって事は解った
そして、俺がしたいことも、やるべきことも
……「今だ!」
藍が奴に向かって走った、奴が迎え撃とうとするが
その前に、俺が奴の前に居た、奴が迷った瞬間には藍は抜けていた
どっ
鋭い槍が、俺の腹部を貫いた
「がっ・・・は」
「○○っ!」
「まずは一人」
「怪力は俺の専売特許だぜ?」
「な、に?」
猪の巨体を、腹部に槍が刺さったまま持ち上げる
「藍!今まではっきり言わなかったがな!俺はお前が大好きだ!愛してるぜ!」
「○○!」
「俺は死なねぇからよ!お前も又会うときまで生きろ!!」
そして○○は猪と一緒に、滝つぼに身を投じた
「○○ー!」
藍の悲痛な叫びは、落ちる水音にかき消された
いったい何日経っただろうか
この崖から動く事すらできずにいた
どれだけ泣いたんだろう、どれだけ後悔したんだろう
どれだけ、彼を思っていたんだろう、ひょっこり現れそうで、期待してしまう
そうだ、彼は言ったじゃ無いか、死なねぇって、生きろって
「そうだ、○○に笑われてしまう」
こんな所でくすぶっていたら、それこそほんとに彼に会えない
「だから行くよ○○、次に会うときまでには強くなってる、誰も及びつかないほどの強さを――」
「ぐ・・・ここは・・・そうか、俺は滝壺に落ちて・・・」
原の風穴にくわえ全身を強く打ち数日間動く事ができなかった
この数日間のロスが、二人に違う道を歩ませるとは、全く思わなかったのだろう
この日から841年の後、二人は再会することになる、だが二人ともそんなに時間が掛かるとは思っていなかったに違いない
うpろだ302
「おーい○○?起きてる?」
「ああ、お前の背後だ」
「なっ!?あっ」
わざわざ起こしに来てくれる藍、通い妻って奴か
俺はちょっとびっくりさせてやろうと背後に潜んで驚かせてやった
「・・・な、なあそろそろ放してくれないか?」
俺は後ろから藍に抱きついたままである
「いやだといったら?」
藍はこう・・・虐めたくなる
「お、お前が・・・望むなら、その・・・」
ああ、かわいいぜ、俺以外にゃあんなお姉さんかお母さんみたいなくせに・・・
「○、○○!?そんな、朝っぱらから、あんっ」
「うーんよきかなよきかな」
いやーやっぱり藍はエロイよ、すごk(ごすっ
「がっ!?」
「ゆ、紫様!?」
「何さらすコラ!人がお楽しみ中に!」
「私はまだあんたを藍の旦那だ何て認めてないんだからねっ!」
それだけ言うとスキマ妖怪は去って行った・・・何がしたかったのやら
「邪魔が入ったな、藍……」
「ちょ、あ・・・あ、朝御飯だ!は、早く作ろう!」
俺の腕からするりと逃げ出すと台所へ逃げていった
「・・・まいっか、夜に食べれるし」
台所に立つ若奥さんを眺めながら、再会の喜びを再び噛み締めた
「あー美味かった、相変わらず料理は上手いのな」
「ふふん、そうだろうそうだろう」
誇らしげに、胸をはっている藍、でかい胸が余計に強調されている
「・・・なぁ、これから幻想郷を案内してくれねぇか?」
「ん?別にかまわないよ、○○も幻想郷の住人になったんだからな」
藍が食器類を洗い終わるのを待って出ることにした
「ふ、ん・・・妖怪にとっては住みよい場所だな、人間といい均衡ができている」
「だろう?此処は楽園といって差し支えない、そして・・・平和だ」
「ああ、綺麗な場所だ」
まるで水槽のようだ、とは口に出さなかったが
「おや?八雲の狐さんが男連れですか!?」
上空から声がする、何だか嫌な予感しかしない
「天狗か、今日もネタ探しかい?」
「ええ!此処にいいネタを見つけた所です!」
「・・・初めまして、最近幻想郷に来ました○○という者です、以後宜しく」
「あ、はい、私鴉天狗の射命丸文といいます、どうぞ宜しく」
藍は思った、○○が礼儀正しいッ!!?と
「○○さんは藍さんとどういった関係で?」
「藍は俺の嫁、俺は藍の夫」
「きゃー!そうなんですねそうなんですね!!馴れ初めなんかも教えてもらえますか!」
~少女取材中~
「疲れた、根掘り葉掘り聞かれた・・・苦手なタイプだ」
「○○・・・その・・・さっき言ったのは」
「ん?俺なんか言ったか?」
「えっと・・・もう一度聞かせてくれないか?あの・・・」
「んー・・・?ああ、うん・・・藍は俺の嫁、俺は藍の夫、昔からそうだったろ?900年前ぐらいから」
「・・・うん、私は○○の嫁、○○は私の旦那様だっ」
その後二人は案内そっちのけでイチャイチャエロエロしてました
けっきょく幻想郷案内は後日することになりましたとさ
~ミカンいや未完~
7スレ目834
藍「……………」
○「なあ藍、暑いから抱きつかないで欲しいんだけど」
ぎゅぅ!
○「いたたたたた!?力を入れるな!痛いから」
藍「……すまない」
朝、朝食を食べ終わった後からずっとこんな調子である
紫様は気を利かせてくれたのか心配する橙を連れて何処かに行ってしまった
おそらく霊夢の所か幽々子さんの所だろう
○「で?どうしたんだよ橙も心配してたぞ」
藍「……気まぐれだ、お前が気にすることじゃない、でも……もう少しこうさせてくれ」
○「あ、ああ落ち着くまでいいぞ」
そう言うと藍は俺の背後に移り背中に顔を押し付けたまま抱きしめた
○「俺が…俺が、悪いのか?」
藍「ち、違う!お前は何も悪くない!!悪いのは私だ!!
お前の気持ちを無視して自分の気持ちを押し付けようとする私の所為だ」
そこまで言われ俺はようやく藍が俺を好きなことと俺は藍が好きだということに気づいた
そしてそれと同時に無意識だとしても藍を悲しませた自身を殺してやりたいと思った
藍「だからお前が好きな者には申し訳ないと思う」
○「藍」
藍「ど、どうした?○○、急に真面目な声を出して」
○「ごめんな藍の気持ちに気づいてやれなくて」
藍「き、気づいていたのか?」
○「アレだけされたらさすがに、な」
藍「……笑いたければ笑ってもいいぞ、三国を股にかけ覇者達を弄んだ私が只の人間に振り回されているのだからな」
○「別に笑ったりしないよ、ただ、聞いてくれないか、俺は藍が好きだ
いや、好きだと気づいたんだ、鈍感な奴でごめんな」
藍「ほ、本当か?」
○「こんな嘘言わないよ」
そう言い俺は正面から藍を見据えた
案の上藍の綺麗な顔は涙で濡れ、目は赤くなっていた
俺の所為でこうなった事に俺は改めて自分自身に殺意が沸いた
○「これからはずっと一緒だからな、その為だったら人間だってやめてもいい」
藍「ずっと一緒だ、愛してるぞ○○」
そして俺たちはこれからの二人の誓いを込めた口付けを交わした
7スレ目892
ザーザーザー
橙「むぅー」
紫「あらあら、どうしたの?橙、そんなに膨れっ面で」
橙「雨がぜんぜんやんでくれないんです」
紫「もうそろそろ梅雨だからよ、それにこれは狐の嫁入りね」
橙「だから嫌なんです、藍様が○○さんのお嫁に行っちゃう……」
紫「橙は藍がお嫁に行くのは嫌?」
橙「行って欲しくないです!……でも○○さんと一緒に居る藍様、すごい嬉しそうで
藍様には幸せになって欲しいです」
紫(やさしい子ね、藍が聞いたら泣いて喜ぶわね)
紫「大丈夫よ橙、藍はお嫁には行かないわ」
橙「え?でもそれだと○○さんはどうするんですか?」
紫「大丈夫、そこは私に任せなさい、何もお嫁に行くだけが幸せになるとは限らないわ」
橙「分かりました紫様」
紫「と、言うわけで○○、あなた八雲家に婿入りしなさい」
○「何がと、言うわけですか」
紫「男の子が小さいことで気にしない、藍と一緒に慣れるなら婿入りでもいいじゃない」
○「まあ、そりゃそうですけど」
紫「じゃあ一名様スキマの世界にご案内~♪」
○「え、えーーー!?」
それから数日後博麗神社で結婚式が行われました
今日起きたら狐の嫁入りだったので書いてみた
7スレ目975
橙「藍様ばっかりずるいです!」
藍「い、いきなりどうしたんだ橙?
な、ななななな何がずるいんだ?」
橙「○○さんを独り占めしてずるいです!」
紫「しょうがないわよ橙、だって○○は藍の恋人ですもの」
橙「でも藍様ばっかり○○さんのお膝で寝たり頭なでてもらったりしてずるいです!
橙も○○さんに色々して欲しいです!」
紫「…………藍、あなたそんなことしてもらってたの?」
藍「た、たまにですよ!そんなに頻繁にしてませんから」
紫(九尾の狐の誇りはどこに行ったのかしら)
橙「うぅ~~~~~~」
藍「わ、私のほうから○○に頼んであげるからそんなに拗ねないでおくれ、な?」
橙「本当ですか!?」
藍「ああ、本当だとも」
橙「やったーーー!!藍様ありがとーーー!!」
紫「あらあら良かったわね橙、じゃあ私も頼んでもらおうかしら♪」
藍「紫様もですか!?」
紫「式のものは主のものよ、了承してくれないと私も拗ねちゃおうかしら」
藍(○○、すまない……)「あくまで○○は『私の』恋人ですからね」
紫「分かってるわよ」
橙「分かりました!」
藍「はあ、じゃあ食事にしましょうか」
7スレ目>>994
「あなたの式になって少しでもお役に立ちたいのです。」>藍
うpろだ570
雪も降りしきる、冬のとある日。
お茶をすすりながら、炬燵で談笑。
「お前がうちの小間使いになってから久しいな、○○」
「そうですね……どれくらい経ちましたっけ、藍様?」
遠い日の記憶はもう随分と色あせてしまっている。
「そうだな……40年と言った所か。しかしお前はいつ見ても変わらないな」
「それはまあ、カスみたいな魔力振り絞って、見た目取り繕ってますから」
魔法使いの端くれとして生まれ、身に付いた能力はせいぜいが魔力で見た目を取り繕う程度。
「藍様も相変わらず綺麗ですよ?」
「ば、バカな事を言うな……それに私はお前が年老いていたとしても、構わないし……ごにょごにょ」
「何か仰いましたか、藍様?」
「なんでもないよ」
顔が少し赤いですよ、藍様。
「しかし橙はどこにいったのだろうな」
「大方夜雀と遊んでもいるのでしょう。……子供は外で遊ぶもの。そんなに心配しなくてもいずれ戻ってきますよ」
「し、しかしだな……」
「あんまり過保護になされては、橙が大人になっても我侭な性格になってしまいますよ?」
「それはそれで魅力的な……大人の姿で無邪気な橙というのも……中々……」
この人の橙好きも、変わらないなぁ……
「藍様、よだれ、よだれ。ドリーム見ちゃだめですよ。現実を見なきゃ」
「――ハッ すまない。そ、そうだな。ちゃんと色んなことを学ばせなきゃいけないな」
「そうです。さすがは藍様」
少しトリップしかけていた横顔を、のんびりと眺める。
「な、なぁ……ところで○○」
「はい?」
「本当に……私の式となるつもりはないのか?」
ずずず、と残り少なくなったお茶を飲み干し、急須からおかわりを足す。
「はい。私はこのまま年老いて、逝く事にしています」
「何故だ? 私の式となれば、そのように魔法を使わずとも任意の姿でいられる。
永遠に共に生きることもできるのだぞ?」
「そのお誘いは非常に魅力的ですが……やはり、お断りさせて頂きます」
「そうか……」
がっくりと項垂れる藍様。
「私は人間ですからね、これでも。
人間として生まれた以上は、人間として一生を終えたいのです」
「……いつかは、別れの時が来てしまうのだな」
「そうですね。 ああ……でもそれに関してはご安心下さい」
「何がだ?」
「ばっちり転生してきますから。貴女の元へ」
「!!!!!!!!っゴホッゴホッ」
藍様、お茶をいきなり噴き出さないで下さい。汚いですよ。
「お、お前は正気か!?」
「勿論」
「転生がどんなものなのか、それに何が必要なのか、どのような苦労を伴うのか理解しているのか!?」
「はい。存じ上げております」
「ここへまた戻ってこれるとも、人間に転生できるとも限らないのだぞ?」
「そんなもの、気合でなんとかしてみせますよ」
「気合でどうにかなるかっ!」
「それでは、藍様への愛でなんとかしてみせます」
「わ、私への、愛……」
真っ赤になって尻尾ふりふり俯かないでください藍様。可愛いじゃないですか。
「時折許されていた外出の折に少しずつ準備は進めていました。
稗田の阿求にも一例を教えてもらってはいますし。 ……あちらの術では転生後に記憶が残らないようですが。
色々な書物も漁って恐らくコレで大丈夫だろうという域には達しましたよ」
「頻繁に里や紅魔館へ足を運んでいるのを見たが……そんな事をしていたのか」
「とりあえずは死後の世界へ行くまでは何とも言えないのが当面の問題なんですけどね」
「そ、そうなのか」
「まあ、楽しみにしていて下さい」
その年の、冬が終わる頃。
彼は、眠るように息を引き取った。
「ねえねえ、藍様。○○はどこに行っちゃったの?」
「それはな、橙。○○は少しだけ、休んでいるんだ」
「そうなの?」
「ああ、そうだ」
「それじゃあ戻ってきたら、また一緒に遊んでもらおっと」
「そうだな……また、3人で遊ぼうな……」
――すぐに戻ります。
今際の際の彼の言葉を、今だけは信じてみようと、思った。
「映姫様ああああああああああああああああああ」
「なんですか、小町。騒々しいですよ」
「ちょ、ちょっと来てください。あたいの手にゃ負えない代物が……」
小町の手にも負えない代物? ……まさか鬼の類!?
そうなると武力行使も止むを得ない。そう思いながら急いで小町の元へと駆けると。
一人の青年が、にこやかに手を上げていた。
「こんにちは。貴女がこの世界での責任者ですか?」
「ええ、そのようなものです。
四季映姫・ヤマザナドゥと申します。……それが何か?」
「転生を担当している者は、どこにいますか?」
転生……また大それた事を。
「転生は私が担当を兼ねています。必要条件を満たさない限りは許可は出せませんよ」
「承知しています。それでは第一の認可を」
す、と差し出された彼の右腕には。
かなり大きな術式の痕が残されていた。
「これはまた……随分と大掛かりですね」
「30年程かかりました。これでもまだ私としては不本意なレベルですよ」
「うはー……アンタ、人間にしちゃ凄い事やってんねぇ」
「静かになさい、小町。 ……第一条件は満たしているようですね。それでは書類作成に入ります。
その間に貴方には地獄で償いをしていただかなければなりません」
「承知いたしました。具体的には何をすればよいのでしょう?」
転生希望者用、と書かれた棚からいくつかの羊皮紙を取り出す。
「ええと……コレと、コレと、コレですね。それぞれの条件を満たし、担当官に印を貰ったら私の所へ戻ってきてください。
その内容なら300年はかか「一ヶ月で終わらせます」……え?」
何を言っているのでしょう、この人間は。
隣では小町が目を丸くして固まってしまっています。
「一ヶ月で、終わらせます。それまでに書類を作成しておいてください」
「ちょ、ちょっと待ってください。貴方は只の人間ですよ?
この内容をそんな短期間で終わらせられるはずが……」
「終わらせる、と言いました」
「冗談ですよね?」
「そう見えますか?」
「字面だけ見るのなら、そう思えます」
「待たせている人がいるもので。彼女の涙が枯れるまでに戻る必要があるのですよ」
「それでも一ヶ月は……無茶じゃないのかねぇ、○○さんよ」
「今は刹那の時間が惜しいのです。それでは失礼致します。書類の件、頼みましたよ」
それだけ言って、彼は地獄への穴へと飛び降りていった。
~一ヶ月後~
「いいんですかい? 映姫様。あの人間、行かせちまって」
「良いも何も……彼は全ての償いを終えてしまったのですよ。あの短期間で。
私にはもう、止める術はありません」
深々と溜息を付く。
まさか300年の刑期を一ヶ月に縮められるとは、思いもしなかった。
とりあえず書類だけは作っておこうと思い書き上げたその矢先。
ボロボロになりながらも認可印を押された羊皮紙を握り締めた彼が戻ってくるなんて誰が予測しただろうか。
「あそこまで想われている彼女が、正直羨ましいですね」
「そうですねぇ……あたいにもそういう人が出来るといいなー」
「ならばそういう努力をなさいな。サボってばかりいるからいけないのですよ」
「あう、耳が痛いなぁ……あ、ほら、来ましたよ彼」
二人が見つめる現世との境目には、一人の青年が立っていた。
「……それでは貴方の希望する姿で、指定された場所へ転生します。よろしいですか?」
「ええ、お願いします」
「わかりました。それでは門を開きます……お元気で」
「ありがとう。短い間でしたがお世話になりました……貴女達も元気でいられるよう、祈っておきます」
それでは、と笑顔で手を振りながら、彼は消えていった。
昼下がりのマヨヒガ近くの野原。
遊びつかれた橙を膝に乗せていると、ここしばらく毎日耳にする質問が飛んできた。
「ねえねえ藍様、○○はまだ戻ってこないの?」
よく橙の遊び相手をしていた○○は、かなり懐かれていたようだった。
若干の嫉妬心を覚えながら、こう答える。
「わからないよ。でもきっといつか戻ってくるさ」
「ふーん……でも、最近の藍様は元気がないの。○○が戻ってくれば元気になるよね?」
橙にまで心配をかけさせてしまっているとは……式の主としては失格かな。
力なく苦笑する。
「そうだな……いつ、戻ってくるんだろうな、○○は」
きっと、いつか。
いつ来るとも知れぬ未来を案じていると、耳元で懐かしい声が響いた。
「お呼びになりましたか?」
「!!!!!!!!!!!!」
全身が総毛だつ。
「ら、藍様? 御気を確かに」
間違いない、確かに○○の声だ。
「あー、○○だー! おかえりー」
「ただいま、橙」
「○○? ……本当に、○○なんだな?」
「ええ。ただ、厳密には元の私ではありませんが」
「……どういうことだ?」
「これを見ていただければお分かりになると思います」
彼の後ろに見えるのは、二房の金色の尾。
「藍様には遠く及びませんが、この度妖狐として転生致しました。
つきましては妖狐らしく、貴女様の式として生涯お仕えしたいと思うのですが、いかがでしょうか?」
「……そういうことならば、この八雲藍、喜んでお前を式に迎え入れよう」
「これからも、よろしくお願いしますね、藍様」
「こちらこそ、よろしくな、○○」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
ちょっとあとがき。
普段ダメダメな○○を書いている反動で
超絶人間○○ を書いてみたくなっちゃったんだ。
何この超人、と思った人。申し訳ない(´・ω・`)
でも好きな人の為に色々頑張るって、格好いいよね!
最近誤字脱字が目立つようになってしまったため(不注意多し)
MSWordの校正チェック機能を使うようになりました。
ら抜きとか細かい所まで反応しますが、割と便利です。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
うpろだ571
非常にまずい。そんな気がひしひしと隣からする寝息ととも感じられるそんな朝。
なんでだろう?
ちょっと寝坊したのは確かにそうだけど。
こんな天国なんだか地獄なんだかわからない状況に放り込まれるほどの悪事を俺は働いたのだろうか?
ちょっと覚えがない。
「すぅすぅ……」
橙がなぜか俺の腕を枕にして眠っていた。
どうでもいいが、そろそろ腕がしびれてきたんだが。
これ、起こしてもいいものか。というか起きてもらわないと死亡フラグだろ。
藍さんあたりに見られたら……考えるだけでもぞっとする。確実に『死』しか先が見えない。
しかたがない。橙には申し訳ないが、起きてもら、お……う?
「おはよう○○」
「ら、藍さん、お、おは、おはようございます」
死んだな。完膚なきまでに。
「いい身分だな。寝坊した上に、橙と、ど、同衾とは!!」
「同衾って……いまどきそんな」
「なんだ? 言い残すことはそれだけか?」
「勘弁してください」
「問答無用だ」
そう言うがはやいか、橙を布団からするりと引きずり出し弾幕を放った。
「○○のアホーっ!!」
しこたま弾幕をくらって次に目が覚めたのは夕食の時間だった。
ちなみにその時、身の潔白は証明された。
どうやら俺を起こしに来たのはいいが、ミイラ取りがなんとやらで、思わず布団にもぐりこんで寝てしまっていたらしい。
その証言のおかげで庭に敷かれた布団は部屋に戻された。
翌朝。
今日は昨日と同じようなことにはならないように、と早めに寝たのだが……なんともデンジャラス……
早くに目は覚めたものの、ここ最近の朝の寒さでなかなか起き上がれず、布団の中で二度寝しようかどうか迷っていると。
「おはよう」
突然柔らかな重さが布団の中に発生したのだった。
「おはようございます紫様。後生ですから布団から出てください」
いろいろと危険です。主に俺の命と理性が。
「あら? こんなにいい女が朝からこうして起こしに来てあげているというのにそれはないんじゃないかしら?」
昨日の夜ニヤニヤしてたのはコレですね? 今もニヤニヤしてるけど。
橙の話を聞いていたあたりからずっと嫌な予感はしていたのだが……まさか本当にやるとは。
こんなところを藍さんにでも見つかれば今度こそ命はないんじゃなかろうか?
理性はともかく命を散らすにはまだ若いはず。
ここは一つ早々に布団から脱出せね……ば?
「お、おは……おはようございます。藍さん」
「あぁ、おはようケダモノ」
とんでもなく機嫌が悪そうだった。
「橙のときは誤解だったようだが、今回は弁解の余地もあるまい」
「いやいやいや、待ってくださいよ藍さん」
「問答無用だ」
「ちょっと待っ……ゆ、紫様も何とか……っていねぇ!!」
紫様は現れたときと同様に突然いなくなっていた。
それを確認したから。というわけではないだろうが、藍さんは弾幕を放った。
「○○のアホーっ!!」
遠くから響く愉快そうな紫様の笑い声をBGMに今日もしこたま弾幕をくらい、目が覚めたときには日がとうの昔に沈んだ後だった。
ついでに、今日も夕食の時間に身の潔白は証明された。「悪戯だった」と紫様がそれはもう本当に心底楽しそうに証言してくれたからだ。
おかげで、危うく燃やされそうになっていた布団を焼却炉から無事回収できた。
翌朝。
今日という今日は何事もない朝を迎えた。
橙は起こしに来てないし、紫様の悪戯よりも前に起きた。もう着替えたし布団も片付けた。
完璧だ。文句のつけようもない。今日こそは完全勝利だ。
俺が勝利の余韻に浸っていると、部屋の襖がそっと開いた。藍さんだ。
「あ、おはようございます藍さん」
今日は何もやましいところがないので気持ち悪いくらいさわやかに挨拶してみる。
「あ、あぁ、おはよう。今日は……起きてたのか」
「はい。昨日一昨日とご迷惑をおかけしました」
「いや、こちらこそ誤解してしまってすまなかった」
「いえいいんです……ところで」
さっきからどうも気になっていたんだが……
「どうして寝巻きなんです?」
「え?」
そういえば昨日紫様も寝巻きだったな。アレは色っぽいというか艶っぽいというか……ネグリジェは最高だねぇ。
藍さんはというと……ブカブカのパジャマかぁ。実に可愛らしい。いや、朝から眼福眼福。
「お前こそ……」
「はい?」
「どうして私が一番に起こしに来たときに限って起きてるんだ!」
ひどく理不尽なことを言いつつ藍さんは弾幕を放った。
「○○のアホーっ!!」
なにやら八つ当たり的にしこたま弾幕をくらい、目出度く二度寝することになった。そしてやっぱり夕食の時間にようやく目を覚ました。
その席で、紫様はニヤニヤし、藍さんは顔を紅くしてそっぽを向き、橙は不思議そうに首をかしげていた。
首を傾げたいのは俺なんだが……今日は何が悪かったのだろう?
まぁ、考えても埒もないことだし、明日こそ藍さんに迷惑掛けないよう早起きして完璧な朝を迎えることにしよう。
翌日、同じ目にあったのは言うまでもない。
うpろだ585
――トントントントン
「○○、塩を取ってくれ」
「はい」
「ありがとう」
――ぐつぐつ
「藍様、味噌はどこに?」
「お前の足元の棚だ」
「……こんな所に」
「時々移さないと橙が悪戯するからな……」
――ジャージャー
「ああ、違う、そうじゃない、もっとこう大振りにだな」
「こう、ですか?」
「そう、そうだ」
――ジャッジャッ
――ぐつぐつ
「しかし、アレですね」
「どうしたんだ?」
「こうして二人並んでゴハン作ってると、新婚さんみたいで照れますね」
「――ぶっ! お、お前はいきなり何を言い出すんだ!」
菜箸と取り落とす藍様。
「冗談ですよ、気にしないで下さい」
「……ものには段階と準備というものがあってだな……」
(あれ、意外と本気にされた?)
「藍様?」
「な、なんでもない」
「……鍋、沸騰してますよ」
「それを早く言え!」
「こちらの用意は済みましたよ、藍様」
「こちらもそろそろ終わるよ。紫様と橙を呼んできてくれ」
「わかりました」
「……それと」
「はい?」
「その、二人きりの時くらいは……様付けを、やめてくれないか」
「私は貴女の式なのに「いいんだ」……」
そんな事は出来ない、と続けようとしたが遮られる。
「お前は、私が、好きか?」
「勿論です」
私からしてみれば、最早好きとかそんな次元ではないのだけど。
「私も、お前が、好きだ。だから……」
俯いたまま顔を赤くする藍さ……いや、藍。
抱きしめたい衝動に駆られるけど、今は堪える。
その代わり、額に口付けをする。
今は、コレでいい。
「わかったよ、藍。 ……これでいいかな?」
「あ、ああ! ……では、二人を頼む」
「はい」
顔をあげた藍は、どこか嬉しそうだった。
「ふふ、藍も随分大胆になっちゃって」
突然、後ろから声が聞こえる。
「なっ……なななななななな、ゆゆ紫様ァ!?」
振り向くと紫様が、スキマと呼ばれる異次元から上半身だけ出していた。
「「様付けを、やめてくれないか」……ですって。なんていじらしい♪」
ふわふわと空を漂いながら私をからかう紫様。
「うわあああ止めてくださいー……っていつからそこにいたんですか!」
「藍が菜箸を落とすちょっと前からかしら」
「殆ど全部じゃないですか!」
……この出歯亀! と言いたいのを必死に堪える。
主人であるこの人に向かってそんな事を言った日には明日の朝日が拝めない。
というか、この人はヒマにかまけてしょっちゅう覗きごとをしたり、変な者を拾ってきたりする。
○○と出会えたのも、この人がいたからこそなのだが。
いい加減慣れなければならないのだけど、紫様のソレはタチが悪いのだ……。
「でも、彼なら藍の事、任せられるわね」
「紫様?」
「私の身だっていつ何が起きるかわからないじゃない? もしもよ、もしも」
ふふふ、と柔らかな(若干怪しさを含む)笑みを浮かべる紫様。
「さてさて、そろそろ部屋に戻らないと○○が来ちゃうわ。また食卓でね~」
「あっ……」
一方的にいじるだけいじって、さっさと戻ってしまった。
……次からは、周りをよく見ながらにしよう。
「ごはんだ、ごは~ん♪」
「こら、橙。もう少し大人しくしてなさい」
「はーい、藍様」
「……紫様を、連れてきました」
「ああ、ありがとう○○……っ!?」
襖を開けて現れたのは、紫様をお姫様抱っこしている○○だった。
「な……一体何をしているのだっ」
「紫様がこうしないと食べに行かないと……」
「二人の愛を確かめてたのよ☆」
「……勘弁してください、紫様」
どこか疲れた顔で紫様を降ろす○○。
「私だってまだしてもら……じゃない、何て羨まし……でもない!
紫様もいい加減にしてください! それから○○も軽々と女性にそういう事をしない!」
「……申し訳ありません」
「いいじゃなーい、別に減るわけじゃないもの」
二人の反応は対極的だった。
あと紫様、多分磨り減ります。私の精神が。
「まったくもう……そういう事は今後控えてくださいね。
それじゃあ○○、皆に御飯をよそってあげてくれ……って、もうやっているのか」
「ええ。少々お待ちください」
「最近○○は何ていうか……変ね、うん」
「人を指していきなり何ですか」
「変っていうよりは……そうね、変わったわ」
「……そうですか?」
彼がちょっと間を空けて帰ってきてからというもの。
前からそうだとは思っていたけど、
藍との意思疎通が言葉を不要とし始めたのだ。
藍は元々ニブチンだから仕方ないけど、○○は最近それが顕著。
それは見ていて微笑ましくもあるのだけれど。
扱いは家族同然とはいえ、藍は私の式。
その心が別に傾いてしまうのは、少し
「気に食わないわね」
「申し訳ありません、紫様。 ……藍様、山葵でしたらこちらに」
「あ、ああ……すまないな、○○」
ほら、また。
「どうしました? 紫様。頬など膨らませて」
「なんでもないっ」
月を見上げながら、のんびりとお茶をすする。
「すまないな、○○」
「何がです?」
「先の紫様だ。普段はああいって拗ねたりすることはあまりないのだがな。
……主に代わって謝っておく。すまない」
「構わないよ、別に。
あの位なら、むしろ可愛いくらいです」
「ばっ……そのような事を軽々と言うのではない!」
「おや、ご不満ですか?」
そういって、優しく微笑む。
その目で見られるのは……なんだかとても、恥ずかしい。
「……卑怯だぞ」
「そうですか?」
「そうだ」
尻尾の一つを手に取り、顔を隠す。
真っ赤な顔を見られるのは、いくら好いている相手でも恥ずかしい。
「「……」」
しばらくの、無言。
思い切って、○○の肩に頭を乗せてみた。
それにあわせるように、○○が私の肩を抱き寄せる。
それだけでも驚きだったのだが、彼はそのまま私の唇に唇を合わせた。
さすがにこの反応は予想していなかった。
「!!……んっ」
「……ダメだったかな?」
「いや、そういうわけではないけど……今日のお前は、大胆だな」
「藍が可愛かったもので、つい」
「そ、そうか」
やっぱりこいつは、卑怯だ。
でも、これはこれで心地よい。
「ところで、挙式はいつにしようか」
「んなっ……モノには段階というものがあってだな!」
「もう少しこのままでいたい、と?」
「う……そういうわけでもないのだけど」
「藍の心の準備が出来るまで、私はいつまでも待ってるよ」
「……すまない」
「いえ、お構いなく」
……後日、これをばっちり見て(覗いて)いた紫によって
半月ほどからかわれ続けることを、この二人はまだ知らないのであった。
8スレ目 >>519
「ね、ね、○○! 次は何して遊ぶ?」
「んーっと、橙ちゃんは何がいい?」
「うーん……かくれんぼっ!!」
「うん、分かった! じゃ、鬼決めよっか」
「うん! じゃん、けん……」
「は、離してください紫様! 二人が、橙と○○がーっ!!」
「ほらほら落ち着きなさい藍。そんな血走った目のままじゃ、二人とも怖がってしまうわよ?」
「橙ーーーっ!! ○○ーーーっ!!」
8スレ目 >>538
轟音が響く。
激しい弾幕ごっこを続けているのは紫と藍の珍しい組み合わせ。
式が主に反抗した理由とは!
「紫様!私はあなたをこえてゆく!」
「いくら藍でもこれだけは譲れないわ。」
あどけなく眠る橙と○○の添寝権だった。
8スレ目 >>627
○「藍ー!」
ポフッ!
藍「ま、○○!?いきなりくっ付くな」
○「あー藍の尻尾気持ちE----」
モフモフモフモフ
藍「こ、こら!くすぐったい!」
○「もふもふー」
モフモフモフモフ
藍「まったく……お前にだけだぞ、尻尾を触らせるのは」ボソッ
○「ん?なんか言った?」
藍「い、いや、何も言ってない////」
○「そ、もふもふー」
モフモフモフモフ
~しばらくして~
藍「……やけに静かだな
おい、○○、寝てるのか?」
○「…………」
藍「○○?」
○「…………」←脱水症状で意識がありません
藍「○○!?○○!?おい、しっかりしろ!!
私を置いて逝く気か!?ずっと一緒にいてくれるといっただろう!?」
ガクガク!
○「…………」←意識はありません
藍「○○!頼むから起きてくれ○○!」
ガクガクガクガクガクガクガクガクガク!!
○「…………」←だから意識はないんだってば
藍「○○ーーーー!!!」
この後藍の大声を聞きつけてやってきた紫と橙によって○○は永遠亭に無事運び込まれました
ちなみに○○は脱水症状の他に首がムチ打ちになってしまいました
10スレ目>>986
率直に言わしてもらう。俺のために割烹着を着てくれ
最終更新:2010年06月01日 00:25