紫18

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新ろだ427


どうも、初投稿ならぬ初作品です。

二次創作です。

原作とはかなりかけ離れています。

それと、キャラ崩壊が激しいです。

初心者丸出しです。(ゆとり宣言アリ

それでもいいという方のみ閲覧してください。

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 あの方は美しすぎた…
 俺のこんなくだらなかった人生を変えてくれたのもあの方である。
 あの方を一生離したくないんだ!! そんな俺の想いが俺自身を変えてくれたんだ。


「紫…」


 「おはようございます、藍様」
「おはよう、○○。あと、私のことは藍でいいぞ」
「すみません、慣れないもので…」
 ここは幻想郷のマヨヒガというとこで、俺はここでお手伝いをしながら住ましてもらっている。
 そして、毎日が平凡で楽しい生活を送っていた。
 
 そもそも、何故この俺が幻想郷にいるかというと、こんなことがあった。
 俺は、高校三年生で学校は工業関係の学校だった。俺は工業については誰よりも詳しかった。部品さえあれば、それをいじって物にするのも容易い御用だ。
 あとは、料理が得意だった。何かが食べたくなったら、自分で作って食べる。これが常識だ。それだけだけど。
 
 ある日、俺は我慢ならなかった。何がかというと、親である。
 いつも無表情で、何か嫌な事があると、すぐに俺にあたってくる。そんな日常から抜け出すため、俺は家出をすることを決意した。
 今まで貯めてきたお金と、簡単な機械を鞄にいっぱい詰め込んで俺はダッシュで家を出た。
 その日は、大雨だった。俺は泣きながら大雨の中を突っ走っていった。
 そして、隣町に行こうと山を抜けようとしたら迷子になり、気づいたら幻想郷にいたというわけだ。
 
 いきなり変な娘がでてきて、食べられそうになるし…
 名前はルーミアっていったかな?でも、ポケットに入っていた飴をあげたら食べられずに済んだよ。
 それで、ご機嫌のルーミアにここの事を聞いてなんなく俺は冷静さを保ち、考えることが出来た。

 幻想郷・・・多くの妖怪たちと僅かな人間たちが住んでおり、結界によって幻想郷が閉鎖された為、外の世界とは異なる精神・魔法中心の独自の文明を築き上げてられている所と俺はまとめた。

 俺はそんなにビックリしなかった。どちらかというと嬉しかった。まだ見ぬ世界と会うことが出来たから。
「よっしゃああぁぁあぁぁぁあぁぁあ!!!!!!!」
 ついつい叫んでしまった…まぁいいか。それより、寝床を探そう。
 そして、行動を決意したときに、俺の前に現れたのだ。



                     ~魅惑の少女が~



 一目惚れだった。とにかく、彼女を見て最初に思ったことは「彼女の傍にずっといたい」ということだった。
 彼女もルーミアが言っていた「妖怪」なんだろうか?そんなことはどうでもいいんだがな。
「あら?見ない人間ね・・・迷い込んだのかしら?」
 そうだ。彼女にここから近い村を尋ねてみよう…
「おー…え?」
 急に体の力が抜ける。目がかすむ。吐き気がする。これは・・・風邪か?大雨の中を突っ走ってたからな…
 そして、意識がぷっつりと切れて俺は倒れこんでしまった。
 
 
 ここは何処だろう…
 目の前には春爛漫ってかんじのお花畑が見える…
 あっ…あの少女が手を振っている…可愛いなぁ…
 さっきから足元が冷たいな…
 なんだ…三途の川か…

 ……え!?

 俺死んだの?たかが風邪で?でもあっちにはあの少女がいるしいっか…


「いいわけあるかぁぁぁぁあぁぁぁぁあぁああ!!!!!!」


 俺はトビウオのように布団からおもいっきり跳ねた。電気ショックかよ。
 次の瞬間………
「きゃん!!…ん!?」
 なんだ?変な声が聞こえたぞ…
 あ!!あの少女だ!!俺を看病してくれたんだ…
 ということは俺は生きているということで?つか、やけに唇がアッタカイゾ?ナンデ?

 そりゃそうだ
 少女は俺を看病し、ずっと見守っていた。
 そしたら、いきなりトビウオのごとく患者が飛び跳ねたらビックリするだろ。
 そして、跳ねた勢いでやってしまったんだよ…「キス」を…

 彼女の唇は優しくて、大人って感じがして、ずっとこのままでいたいと思った。
 まぁ…そんなことを思っていても時は待ってくれないぞ。
 というわけで、強制現実に戻されたのだ。チッ!

 ふたりとも顔が真っ赤で、俺なんか放心している…
 少女が顔を真っ赤にしているのを見ると、なんとなくレアな瞬間だな…と感じてしまった。
 そして時は動き出す。
「ご、ごめんなさい!!急に…してしまって。悪気はなかったんです!!」
 そして、少女も動き出す。
「し、しかたがないのよ。こ、これは誰が見たって事故ですもの!!」
 うわぁー…顔が真っ赤だよー
「それよりあなた…お名前は?見かけない顔だけど…何処から来たの?」
「○○っていいます。日本というところから来ました」
「幻想郷についてはルーミアから聞いているので、大体は分かっています」
「あら、利口だわね。別世界のことを把握し、冷静に受け止めて行動出来るなんて」
 別世界…一生のうちにこんな言葉が聞けるなんて嘘みたいだよ。
「あ!さっきまで看病してくれてありがとう。あの…お名前は?」
「八雲紫よ。私は妖怪だわ。ちょっと待っていなさい。藍!!橙!!」
 紫がそう叫ぶと、障子から二人やってきた。

「藍、橙自己紹介しなさい」
「八雲藍です。紫様の式神です。私を呼ぶときは藍でいいぞ」
「橙です。らんしゃまの式神です。よろしくねー」
「○○です。よくわかんないことだらけだけど、まぁ…よろしく」
 猫に狐かぁ・・・尻尾がたくさんだ。暖かそうだなぁ…
 馬鹿の考えていることです。無視してくださいねー
「藍、橙あとは私に任せなさい。彼にもまだ話したいことがあるから」
 わかりました。というと、式神同士仲良く出ていった。ん、いい家族だ。
「さ、今から話すことは結構重要なことよ。ちゃんと理解してね」

「この世界は○○のいた世界とは違って、たくさんの種族が共存しているわ。そして、ここに住んでいる大抵の奴が能力を持っているの。ちなみに、わたしは境界を操る程度の能力よ」
「程度って…まぁそこはいいや。境界を操るって…凄過ぎません?」
「あら?私は凄いわよ。まぁいいわ。それで、幻想郷にも人間はいるの。そして、能力をもっているの。人間でもね」
「そうなんですか…俺には能力とかあるんですか?」
「それは私にもわからないわ。まぁ外から飛ばされてきた人間だから能力はないと思うけど…まぁあるかもしれないわね」
 自分の能力…そんなのあるわけがない。俺は普通の人間だ。何処にでもいるような…普通の人間。
「そして、ここに住むたくさんの人?たちは○○のような人間と違って体のつくりが丈夫なの。そして…死ぬことがないに等しいわ。どんなに年をとっても体や顔も変わらないのよ」
 なるほど…紫たちは丈夫なのか。そして、死ぬことはほぼなく、昨日も今日も明日も同じ姿ってことか。
 自分が出来ることはせいぜいこの世界の人に迷惑をかけないように頑張ることか。
「ところで○○。あなた住む場所は決まっているの?」
「いえ…まだです。これから探そうと思って」
「ならいいわ。安心しなさい、今日からあなたが住む場所はここよ」
「え!!いいんですか!!」
「えぇ、構わないわ。道端で妖怪にでも襲われたら危ないし」
「ありがとうございます!!…妖怪って襲ってくるんですか!!聞いてないですよ!!」
「容赦なく襲ってくるわよ。だから、この世界では能力が必要なのよ」

「そうですか…紫さんも襲ってきたりしますか…?」
「襲っちゃうかもしれないわねぇ…フフ」
 俺にはそのセリフが嬉しく思えた。今は紫に近づけるチャンスだ!!
 そして、俺は勇気を出していってみた。
「俺…紫さんになら襲われてもいいです…でも、僕も襲います」
 頑張った!!俺頑張った!!
 紫は顔が真っ赤になっていた。さっきのカリスマは何処に行ったし。
「と、とにかく幻想郷のみんなにご挨拶をしてらっしゃい!!」
 真っ赤だよー…まぁ成功ってことでいいかな。
 藍に地図をも貰い、鞄を持って俺は挨拶をしにいくことになった。


 んじゃ最初に…博麗神社へ挨拶しに行こう。
 俺が挨拶で狙っていることは挨拶のついでに相手の能力を聞いて理解する。
 自分は能力がないかもしれないが、相手の能力を理解すれば少しくらいは対策が出来るかもしれない。
「しかし幻想郷は空気が綺麗で・・・田舎って感じだなー」
 そう。幻想郷は緑が豊富で昔に来た田舎みたいに綺麗だ。
「ここが博麗神社か…」
 博麗神社・・・いたって普通な神社だと俺は捉えたぞ!!
「あっちに誰かいるぞ」
 俺が近づいてみるとそこには四人少女がいた。
 巫女さんと、昔の魔女って感じの人と、金髪だぁ…金髪の女の子と、げ!?角が生えている!!鬼かな?でも幼女って感じ…
 とりあえず、身の危険を感じたから一旦引こう…そう俺は判断したそのときだった。
「だぁれ?」
 ぐあ―――――見つかった・・・やはりあの鬼娘只者ではないな!!
 落ち着け、とにかく命を助かる方法を探そう

 1全速力で逃げる
 2挨拶を交わし、お互いについて理解を得る
 3幼女を連れ去り、結婚フラグへ

 とりあえず、あっちには魔女がいる。この時点で1は潰れたぞ。
 2か3…俺は3でもありだが、話を進めるならば2しかないだろ…
 つか、俺は2をしにきたんだろがぁ!!
 
「初めまして。○○って言います。外の世界からやってきました。これからよろしくお願いします」
 巫女さんが答えた。
「外の人間・・・珍しいわね。しかも男だなんて。私の名前は博麗霊夢よ。ここで巫女をやっているわ。ちなみに私も人間よ。あと、お賽銭箱はあっちだからあとで奉納よろしくね」
 魔女が答えた。
「おいおい霊夢、ちゃっかりしているぜ。私の名前は霧雨魔理沙だ。魔法の森に住んでいて、霊夢と○○と同じ人間だぜ。見たとおり、魔女だぜ。よろしく」
 金髪の女の子が答えた。
「魔理沙はいつも家でねるねる○るねを作っているのよ。私の名前はアリス・マーガトロイドよ。今は魔法使いで、昔は人間だったわ。人形が大好きなの。べっ、別にあんたのために人形作ってあげたりなんかしないんだからね!!」
 鬼娘が答えた。
「アリス嬉しそうだなーお?私か?私は伊吹萃香というぞー。鬼だぞー。それより○○、一緒にお酒飲もうよー」
 みんなが楽しそうに話している。いいことだ。

 霊夢に魔理沙にアリスに萃香ね。あとは能力かぁ…
「みんなの能力を教えてくれないかな?僕は能力はないんだ」
霊「主に空を飛ぶ程度の能力よ」
魔「主に魔法を使う程度の能力だぜ」
ア「私は主に魔法を扱う程度の能力よ」
萃「密と疎を操る程度の能力だー」
「わかったよ。みんなありがとね」

 大体は理解した。萃香難しすぎだよ(笑
 よし、ここの挨拶は終わったぞ。
 次は…紅魔館か。ん?なんか入っているぞ。
「紅魔館の門番にこれを見せなさい」だって。チケットみたいな?
 お賽銭箱に奉納し、紅魔館に向かった。霊夢が喜んでいた。

ア「能力がない…ねぇ…」
魔「でも、その…かっこよくなかったか?」
霊「お賽銭もくれるし…いい人に違いはないわね」
萃「かっこよかったぞー」


 紅魔館に行く途中にまたあの妖怪にあった。ルーミアだ。
「○○だー。食べていい?」
「だーめ。はい飴あげるから。ね?」
「やったぁ!!あーん」
 え?あーん?食べさせろと、恥ずかしいじゃまいか…落ち着け、相手は子供?だ!!
 まぁ顔が赤くなりつつも…
「はい、あーん」
 パクッとルーミアが飴を食べていった。可愛いですねぇ…
「おいしいか?」
「うん!!おいしい!!」
「そりゃよかった。ところで、ルーミアは紅魔館が何処にあるか知っているかい?」
「うん、知ってるよ。一緒に行こうよ!!」
 というわけで、ルーミアが仲間になった。
 ルーミアは、まさしく襲ってくる妖怪だが、飴があればへっちゃらなのだ。
 俺はルーミアを肩に担ぎ、紅魔館へと再び向かった。

 
 よし、着いたぞ!!ここが紅魔館か…
 目の前には、とっても大きな館があった。雰囲気が不気味である。命が足りない館って感じ。
 あれが門番かな?
 僕の立っていた奥には、大きな門の番人がいた。
 ルーミアを肩から下ろし、一人で向かうことにした。
「すみませ…え!?」
 俺はビックリした。だって門番が…寝てる?
「すー…zzz」
 うわー…座って寝てるよ…勝手に行くと後が怖いしなぁ…
 寝ているのを起こすのも気の毒だから、俺は待つことにした。
「よっこいしょっと」
 座って寝ると関節が痛くなると思い、俺は門番の頭を自分のひざにおき、着ていたジャンバーを被せてあげた。
 いわゆる、膝枕ってやつである。
「幻想郷は気持ちがいいなー…」
 そういって、僕もうとうととなり、ついには寝てしまった。

「ん~…気持ちよかったー」
 門番が起きたみたいです。
「はっ!!また寝てしまった!!咲夜さんには…よかったぁ!!見つかっていない!!」
「…で、この方は誰でしょう?」
 私が目が覚めると、目の前には知らない方の顔があり、布団代わりにジャンバーがかけられ、膝枕されていたのだ。
 そして、俺も目が覚めた。
「うぁー…あ!門番さん起きましたか?」
「あなたは?」 
「俺の名前は○○。外の世界から来ました。これからもよろしく」
「私の名前は紅美鈴です。ここの門番をしています!!よろしくね!!」
 美鈴は体術が得意で、能力は気を使う程度の能力らしい。
「ジャンバーありがとうございます」
 と、美鈴からジャンバーを返してもらった。
「これ、紫からです」
 俺は、鞄からチケット?を出し、美鈴に見せた。
「わかりました。中へどうぞ」
 ありがとうと言い、中に入ろうとしたら門番に止められた。
「○○さん!!」
「どうした?美鈴?」
「その…また膝枕してください!!」
「いいよ」
 そういって、俺は紅魔館の中に入った。
 美鈴の頬が紅潮しているように見えた。

 さて、入ったもののどうすればよいか…とにかく、歩こう。
 階段を上り、しばらく奥に進むと部屋があった。
 …部屋にしては大きな扉だな?ま、選択肢は開けるしかないんだが。
 扉を開けて奥に進むとそこは・・・図書館だった.
「図書館か…それにしても、大きいなぁ。あれ、人がいる」
 誰かと思い、近づいてみた。そしたら、声をかけられた。
「あなたは…誰?」
「初めまして。俺の名前は○○。よろしくね」
「私の名前はパチュリー・ノーレッジよ。よろしくね」
「あのーパチュリーの能力はなんですか?」
「喘息よ」
「喘息ですか…喘息?」
「そうよ」
「…程度の能力って言わないんですね」
「そうよ」
「あのーパチュリー…」
「喘息よ」

 俺は喘息という能力だと理解した。…は?まぁ…いいか。悪っぽそうに見えないし。
「あのー紅魔館の方に挨拶がしたいのですが…」
「道がわからないのでしょ?わかったわ。咲夜ー!!」
 パチュリーが呼んだ途端に、メイドが現れた。さっきもメイドは見たから、きっとメイド長なのであろう。
「パチュリー様どうなされましたか?おや、この方は?」
「初めまして、○○って言います。よろしくお願いします」
「私の名前は十六夜咲夜よ。ここのメイド長をしているわ。よろしくね」
「咲夜も○○と同じ人間よ。あと、能力は時間を操る程度の能力よ」
「パチュリーさんありがとうございます。咲夜さん、お願いできますか?」
「えぇ、いいわよ。ついて来なさい」
 俺は、咲夜の後について行った。
 咲夜は、銀髪でとっても綺麗だ。でも、紫さんほどではないな!!
 そんなことを思い、顔を赤く染めてしまった。

咲…さっきから私のことばかり見ている?しかも顔が真っ赤…もしかして○○私のことを…!!
俺…紫さんは俺のことを見てくれているのかな?つか、唇やわらかったな…

 二人は、変なところで交差しあっていた。
 そして、この紅魔館の主の部屋の前まで着いた。
「この部屋の先に紅魔館の主が居られます。さぁ、行きましょう」
「わかりました。それはそうと咲夜さん、何故僕たちは手をつないでいるのでしょう?」
「未来のことだもの…いいじゃない…フフ」
 はぁ?よくわからないが、主に挨拶をするため、扉を開けた。
 そこには、吸血鬼がいた。
「あら咲夜。どうしたの?…あなたは誰かしら?」
「初めまして。○○と申します。これからもよろしくお願いします」
「私の名前はレミリア・スカーレット。運命を操る程度の能力を持ち、永遠に紅い幼き月、紅い悪魔、永遠に赤い幼き月、紅色の世界とは私のことよ!!」
「ひゃぁー…凄いですね。さすがお嬢様ですね!!」
 俺がそういうと、レミリアは頬を赤く染めてこう言った
「そ、そうよ!!私に惚れたでしょ!!」
「つか、なんで咲夜は○○と手を繋いでいるのよ!!○○もなんか言いなさい!!」
咲「それは…」
俺「何ででしょう?よくわかりません」
レ「咲夜――――!!○○と手を繋ぐ運命は私だ!!離せぇ――――!!」

 結局、咲夜とレミリアは弾幕ごっことなり、俺はそこから無事、抜け出すことが出来た。
「あれが本物の戦いかぁ…たしかに、俺には避ける事でも精一杯だ…つか、避けれるのか?」
「紅魔館の挨拶も終わったし、後は…永遠亭と香霖堂か」
 外はすっかり暗くなっていた。
 そして、あの門番がまた寝ていた…
 置き紙「寝ていた罰としてコッペパンを一つ減らします。by○○」

 美鈴もビックリするだろう…俺は、一人クスクス笑っていた。
「次は永遠亭ねぇ…早めに行って挨拶をして帰ろう」
 俺は、地図を頼りに走っていった。


 地図を頼りに来たらここは何処ですか…
 俺も地図もあっている。ここは竹林なのも知っている。この近くに永遠亭があるのも知っている。
 ただ、360度竹だらけなのだ。
「迷った…」
 誰か人はいないか…訂正。妖怪だね!!
 と一人芸をやっていると、二人の少女が仲良くこっちに歩いてきた。
 ここのあたりの人かな?と思いつつ、俺は尋ねてみた。
「すみません、永遠亭に行きたいのですがどこにあるか知りませんか?」
「あんた見ない顔だな。永遠亭はこの先を真っ直ぐに進めば着くよ」
「寺子屋にもこんな人はいないわ…あなた名前は?」
 寺子屋って…俺は高校生だぞ?言ってもわからないか。
「俺の名前は○○。外の世界から来ました。これからよろしく」何故略さなかったし。
「通りで見かけないわけだ。オレの名前は藤原妹紅だ。よろしく」
「私の名前は上白沢慧音よ。よろしくね」
 よろしくお願いしますといい、俺は慌てて永遠亭に向かった。


 永遠亭に到着した。 
 あれはなんだろう…入り口に、兎みたいのがいる。
 入り口まで駆けると、そこには兎のぬいぐるみがあった。
 ぬいぐるみ?縫い目もないし、暖かいし…まぁいいか。中まで持っていこう。
 汚さないようにと思い、俺はそのぬいぐるみを抱きしめた。
 ?さっきより暖かいような…気のせいだよね。
 俺はそのぬいぐるみを抱きしめて、永遠亭に入った。


 永遠亭は、高級な和風の家という感じがした。
 紅魔館は、高級な洋風の館という感じだったから、永遠亭は紅魔館の和風だと覚えておこう。
 永遠亭は紅魔館より安心さがでている。俺も安心して入ることができた。
「すみませーん、誰かいませんかー!!」
 俺がそう叫ぶと、一人の少女が出てきた。
「どちらさまでしょうかー?」
「初めまして。俺の名前は○○。外の世界から来ました。これからよろしく」
「鈴仙・優曇華院・イナバっていいます。よろしくお願いします」
 優しそうな方だな。
「ところで、てゐは何しているの?」
 鈴仙が俺の抱きしめていたぬいぐるみに話しかけていた。
「このぬいぐるみはてゐって言うんですか?もしかして、鈴仙の?」
「ぬいぐるみ?てゐ…あんたぬいぐるみのふりして何がしたいの?」
 でも、さっきまで全く動いていなかったし…
 そう思い、ぬいぐるみの首筋を指でつーとやってみた。そしたら、
「んはっ!!…」
 ぬいぐるみじゃなかった。
 そして、てゐが動き出した。
「ドキドキしたー首筋つーなんて…犯されちゃった!!えへ☆」
「鈴仙…説明してくれないか?」
「この子は因幡てゐっていうの。幻想郷で一番のいたずらっ娘よ」
 わかった、嫌というほど理解した。
「私は、玉兎といって、月から来た妖怪なの」
 なるほど。魔法使いに妖怪に吸血鬼ときた次は玉兎ね…
「驚かないの?」
「いや、この世界に慣れてきたからな。たくさんの種族がいるのは知っているさ」
 そこに、てゐが顔を出してきた。
「わたしね、○○に抱かれていてずっとドキドキしたの…またお願いできるかな?」
「別にいいけど、これもいたずらじゃないよね?」
「これは違うもん!!いたずらじゃないよ!!」
 まぁいいか。真剣みたいだし。
 すると、鈴仙が俺の腕に抱きついてきた。
「れ、鈴仙どうしたの?」
「てゐばかりずるい…わたしも抱いてもらいたい」
 うーんと考えたが、このままだと鈴仙がかわいそうに思えたからすることにした。
「鈴仙、こっちおいで」
 そういうと、俺は両腕を広げた。
 鈴仙は、吸い込まれるように俺の胸の中に飛び込んできた。
「鈴仙いいなー」
 そういうと、てゐも俺の左腕に飛びついてきた。
 まぁいっか。つか、このセリフ便利だなー
「鈴仙、ここには他に誰かいるのか?」
 そう尋ねると、鈴仙が俺の胸から顔を出した。
「うん、師匠と、姫様かな?」
「挨拶をしたいんだけどいいかな?」
 そしたら、鈴仙が胸から離れて、右腕に抱きついてきた。
 うーん…まぁいいか。

「師匠!!」
 と叫ぶ前に、その人は俺の目の前に現れた。
「うわっ!!」
 俺はあまりにも早すぎてビックリしてしまった。
「あら、あなたモテモテねぇ…誰かしら?」
「初めまして。俺の名前は○○。外の世界から来ました。これからよろしく」
「私は八意永琳っていうの…ねぇ、私も入れてくれない?」
 と永琳がいうと、俺がしゃべる前に胸に飛び込んできた。
「うわっ!!」
「あら、てゐに鈴仙?腕から離れないと○○が私を抱けないでしょ?」
 そういうと、永琳はすさまじい殺気を出した。
 てゐも鈴仙も○○の腕から離れて、ブルブル震えながら二人で抱き合っていた。
 安心していいのかなんやら…
 そんなことを思いつつ、俺は永琳を優しく抱きしめた。
「あっ…」
 永琳がつぶやいた…
 大人の女性だな…背も高くて、胸も大きいし…
 でも、身長はまだ負けていないかな?これは譲れない。
「師匠がこんなに甘えるのは惑星が一個爆発するくらい珍しいんですよ?」
 と鈴仙が言った。そのとたん、殺気が一瞬だけ急増し、再び鈴仙はてゐに抱きついた。
 へぇ…永琳はやっぱり大人の女性って感じするしなぁ…
 いたずら心が沸いた俺は、永琳にいたずらをしようと思った。てゐのせいだ。

 1します
 2しません

 まぁ永琳も怒ると思うし、2にしておこうか…

 …期待は裏切りません、1ですね?
 さよなら…俺よ…永琳に葬られるんだね…
 俺は、永琳の綺麗な長い銀髪を掻き分けた。
「○○?どうしたの?」
 そして、俺は覚悟を決めた。
 永琳のうなじを見つけ、指でつーとしてみた。
「んはっ!!…ンン―――!!」
 永琳の体の力が抜ける。そして崩れそうな永琳を片方の腕で抱きしめる。
「ひ、久しぶりに感じたわぁ…あとでお仕置きが必要ねぇ…」
 ハァハァと言いつつ、俺を見つめる永琳…これはヤバイ!!
 お仕置き?俺死ぬんじゃね?そう思った俺は決心した。ごめんなさい!!
 永琳のうなじを今度は…
「ちゅっ…」
 キスをしたのだ。すると
「んはっあぁぁっぁぁああぁあぁあああぁぁぁあ!!」
 と言って、ついに永琳は気絶した。
「やりすぎちゃったな…まぁ誘惑されたってことでいいか」
 鈴仙とてゐは、顔を赤くするものの、いつもと違う永琳が見れたみたいで、満足しているみたいだ。
「…やりすぎちゃった」
 俺が鈴仙と、てゐにいったら、二人とも親指を上に立てて笑っていた。

「そうだ!!あと、姫様に挨拶して早く帰らないと」
 俺がそういうと、てゐと鈴仙が顔を見あわせて、鈴仙が言った。
「うちの姫様はなんというか…会わせ辛いと言うか」
「何かあったのか?」
「実は、うちの姫様はニートなんです…」
「はぁ?ニート?」
「そのうえ、ゲーマーで、ネットばかりしている引きこもりなんです」
 おいおい…もうちょこっとはカバーしてあげろよ。
「挨拶するだけだ。あわせてもらえないか?」
 と鈴仙にお願いする俺。
「はぁ…わかりました」
 そういって、永琳を布団に寝かせてから姫様の部屋まで案内してもらった。

「姫様、外の世界から来た方が姫様に挨拶をしたいみたいですが」
「いいわよ。通しなさい」
 そういうと、鈴仙が障子を開けてくれた。
「…すげぇ」
 姫様は、布団に入り、目の前のテレビでwi○のスマ○ラⅩをして、同時にPCを使い、攻略していた。
 すごいという衝動を抑えて、俺は挨拶をした。
「初めまして。○○っていいます。外の世界から来ました。これからよろしく」
「…」
 姫様はゲームに熱中で返事をする時間はないようです。
「これってスマ○ラⅩだよね?」
 そういうと、姫様の体がピクッと動いた。
「…知っているの?」
「うん。でも、うちにはゲーム機がなくて出来なかったんだー」
 俺がそういうと、姫様が
「いっしょにやらない?」
 とコントローラーを渡してくれた。
「うん、やる。ありがと」
 といい、ゲームを開始した。
俺「んじゃ俺はガノンド○フで。ニックネームは…よしこっと」
姫「なんでよしこなのよ!!お母さんか!!」
俺「姫様は?」
姫「ゼ○ダで。ニックネームは…かぐやっと」
俺「姫様は名前はかぐやっていうの?」
姫「そうよ。私の名前は蓬莱山輝夜っていうの。」
俺「可愛い名前だね」
 俺がそういうと、輝夜は頬を赤く染めて布団の中に潜り込んだ。
姫「…バカ」
俺「ゲームスタート!!」

 そして、惜しいところで輝夜に負けた。

俺「くっそー負けたー」
姫「○○初めての割にはなかなかやるわね…私がここまで押されるなんて…」
俺「ラスト一回!!」
姫「いいわよ。いくらでもかかってきなさい」
俺「寒いなぁ…」
 俺がそういうと、輝夜が頬を紅潮させて、俺に言った。
姫「私の布団の中に入りなさい」
俺「うわぁーありがとー」
 俺は、遠慮なく布団の中に潜った。
俺「暖かいね…」
姫「私も…もっと暖かくなってきたわ…」

 そういって、俺は再び挑戦したが姫様には叶わなかった。

「もう深夜じゃないか…そろそろ帰るね」
 俺は、そういって部屋を出て行くそのときだった。
「○○!!あなたは今日から特別、私の部屋に入ることを許可するわ」
「輝夜…」
「だから…また遊んでね」
 はいといい、俺は輝夜の部屋を出て行った。
 こうして、俺は永遠亭への挨拶は終わった。


「残る最後は…香霖堂か」
 香霖堂…未知なるアイテムがたくさんあり、俺にとっては一番興味がある場所だ。
 もしかしたら、香霖堂で思わぬものに巡り会えるかもしれないからね。
 そして、香霖堂に着いた。

「おじゃましまーす」
 中に入ると、一番に店主が目に入った。
「いらっしゃい。見かけない顔だね。僕の名前は森近霖之助。フリーの店主さ!!」
「初めまして。○○っていいます。外の世界から来ました。これからよろしく」
 そういって、俺たちは握手した。やっと男に会えたよ。女の子ばかりで気を使いすぎたよ。
「店主、たくさんの品がそろっているんだね!!しかも、安いし!!」
 そう俺が言うと、
「いやー気に入ってくれたかい?それはどうもありがとう」
 と返事を返してくれた。
 それにしても品揃えがいい。食料から武器までたくさん揃っている。

「武器か…」
 そう。俺はみんなと違って能力を持っているわけではない。そして、この世界に銃刀法違反があるわけでもない。この世界で自分の身を守り、自分の力で攻撃し、愛人を守るためには武器が必要なのだ。
 そう思い、俺は香霖堂で売っている武器を丹念に探した。
 魔法の杖か…確か、属性が月火水木金土日とあるんだったっけ?
 運良く、香霖堂には全種類の杖が売っていた。俺に魔力があるかどうかは知らないが、安いので買っておこう。
 次に…と探していると、衝撃的なものが目に入った。
「店主!!これ銃じゃないですか!!」
「あぁ、それはわかるんだが、どうもジャンクしているみたいでだな。安く売ってあげるよ」
「店主!!この程度なら俺の持ってきた道具で十分直りますよ!!」
「何…?本当かい」
 任せてくださいといい、俺は新しく銃を手に取った。後は…剣か。
 もう一度、丹念に探し出すも、やはりいい剣はなかった。
「まぁ仕方がない。この銃と杖を使えば未知の武器も作り出せるかもしれない」
 そう思い、俺は杖と銃を買った。
「店主!!この机使っていいかい?」
「いいよ」
 こうして、俺の武器作りが始まった。
 
 まず、杖だ。杖を削っていくと、中から石が出てくる。一般人の魔法とは、その石に魔力をこめると、その石の属性に適した魔法が出現するらしい。
 時間を掛け、七色の魔石を取り出すことに成功した。
 そして、次に銃だ。銃自体はすでに修復しており、香霖堂で買った実弾をセットし、空に撃ってみたら本当に出てきた。つまり、成功と言うわけだ。だが、そこで俺は終わらせたくなかった。
 そこで、俺は魔石を利用し、魔動銃を作ろうと思う。きっと、日本だったら初の挑戦であろう。
 まず、銃がリボルバー式だから、全属性+実弾でいこうと思う。魔石をダイヤモンド状に削って加工し、リボルバーにも同じ形の穴を空け、はめ込んだ。そして、魔法のボンドを店主から借り、外れることのないようにくっ付けた。
 そして、完成した。
「やったぁ…やっと完成したよ!!」
「どれ、見せてください…本当に凄いですね…全属性の魔石がうまくはめ込んである…」
「店主、ありがとうございました!!」
「いえいえ、わたしは何もしていませんよ…」
「そういえば○○さん、何故武器にこだわるんですか?スペルカード…わかりました」
 店主は、気づいたみたいで、申し訳ない顔をしている。
「気にしないでください。まだ、今はないんです。いつか、きっと…」
 そういうと、店主が俺に声をかけた。
「ちょっと待っていてくれ」
 そういうと、店主は部屋に上がり、何かを持ってきてくれた
「こ、これは…」
「そう、これは太刀といって大きい剣を自由に扱いやすくしたものだよ。だけど、さびだらけで僕には直す気がしなくてね。」
 そういって、店主は俺に太刀をくれた。
「それと、これもね」
 店主がくれたもの…それは、丸い球体の形をしたものだった。
「店主?これは…?」
「僕の能力で調べてみたんだけど、どうやらスペルカードみたいなんだ」
「!?」
「ただ、使い方がわからなくてずっと置きっぱなしだったんだ。それで、○○に貰ってほしいんだ」
「使い方がわからないですか…ですが、ありがたく受け取ります!!」
 そういい、俺は銃をベルトに、太刀を腰に、球体を抱いて香霖堂を出た。
 案内書の最後に、紫からメッセージがあった。
「挨拶が終わったら、私の名前を叫んでちょうだい。迎えにいくわ」
 おーラッキーと思い、俺は叫んだ。
「ゆかりぃいぃぃいっぃぃいいぃいぃぃいいぃ!!」
 …彼女は来なかった。

 一方そのころ、紫は…
「くーすぴー」
 寝ていた。

 まぁこんなに遅くなってしまったんだ。時間でいうと深夜の2時だ。きっと寝てしまったんだろう。
 そう思い、俺は歩いて帰ることにした。
「しかし、この太刀…デカ過ぎるぞ…」
 店主がくれた謎の太刀・・・さびだらけでわからない姿となっている。
「マヨヒガまでも遠いし、さびをとりながら帰るとしよう」
 そういい、俺はさびとりを使って削りながら歩いた。
 
 この球体…店主曰く、スペルカードみたいなんだが使い方がわからない…
 とにかく、俺はこの球体に期待を寄せた。
「なんだ?この太刀・・・さっきから全くさびがとれないぞ?」
 そう、さっきからずっとしているのに、全然さびが落ちない…
「なんだ…これ?」
 太刀の剣だと思われるところに、ダイヤモンド状に出っ張っているところがあった。
 俺は、そこを集中的に磨き歩きながら帰った。
 そして、やっとの想いでその部分だけはさびが落ちた。
「魔石…?しかもこれは…レインボー?」
 太刀に埋め込んであった魔石・・・それは、見たこともないレインボーな色をしていた。そして、
「うわっ!!」

 
 急にその魔石が光りだした。
 

 俺は、まぶしくてそれを直視できず、一旦身を引いた。
 そして、抱いていた謎の球体も光だし、宙に浮いた。
「何が起きているんだ…!!」
 俺は、完全に冷静さを失っている。パニック状態だ。
 そして、太刀のさびが一気に消えていった。見た感じ、宝刀と感じてもおかしくない気迫を出している。
 さらに、宙に浮いた光る謎の球体が、俺に向かって突進してきた。そして…


「うっ…ぐああがぁあぁあぁああっぁぁがぁぁぁぁあああぁああ!!!!!!!!!!!」


 突進してきた謎の球体が、俺の胸にめり込んでいる。
 血は出ない…しかし、尋常ではない痛みが襲ってくる。もがき苦しみ、汗も大量に出てきた。
 人間ではないような声を出し、ついには声が枯れてしまった。
 そして、一時痛みが治まった。
 何が起きた?太刀は元の姿を取り戻し、同時に球体が俺の体にめり込んだ。
 とりあえず、太刀を回収しようと手を伸ばした。
 俺は驚愕した。

 俺の手が…違う。

 そう、俺の手が妖怪化していたのだ。指の爪がかなり伸び、折れる事がないと悟っているように見える。
 手も力が湧き出ている。試しに近くの倒木を殴ってみたら半分に折れた。
 それに、頑丈な皮膚。さっき殴った手からは傷も見当たらない。
 そして、違うのは俺の腕だけではない。全体が違う。
 足も手のように力が湧き出ており、皮膚もしっかりしている。
 体は鋼のように鋼鉄で、まるで機械である。
 そして、一番驚いたことは…翼が生えている。
 銀色に輝く綺麗な翼…気づけば、髪も銀色である。
 空を飛べと脳が命令し、背中に妖力をこめると空も飛べた。
「………………」
 一体どうなってしまったんだ?といいたいが、声が枯れているから無理だ。
 そして、あの痛みが再びやってきた。


「があぁあぁぁぁぁぁっぁぁぁああぁあああぁ!!」

 
 ついに、俺は痛みに耐え切れず道端で気絶した。


 俺はどうなっちまったんだ?球体が飛んできて俺の体にめり込んで妖怪になって…
 あぁ、体全体が痛い。起き上がることも出来ず、目も開けられない。
 今回こそ死んじゃったのかな…
 すると、目が見えてきた。

 ここは何処だろう…
 目の前には春爛漫ってかんじのお花畑が見える…
 あっ・・・紫が手を振っている…可愛いなぁ…
 さっきから足元が冷たいな…
 なんだ…三途の川か…

 ……え!?

 俺死んだの?でもあっちには紫がいるしいっか…


「いいわけあるかぁぁぁぁあぁぁぁぁあぁああ!!!!!!」


 俺はトビウオのように布団からおもいっきり跳ねた。電気ショックかよ。
 …ん?待てよ、これは前にも見たような…
 そんなことを思いながらも、動き出す体。そして、また…やってしまった。

「ちゅっ」

 目が覚めて、目の前では紫が顔を赤くしていた。
「紫…またキス出来てよかったよ」
 そう俺が言うと、紫は心配そうな顔で俺を見てくれた。
「○○、あなた二度と私に会えないとでも思ったの?」
「俺はみんなと違って体も丈夫じゃないんです…正直、紫と会えるのも最後だと思ったよ」
 不覚にも、俺は涙を流してしまった。
 紫も後ろを向き、俺に見せないように涙を流した。

 二人とも落ち着き、俺は身にあったことを話すことにした。

「ここは…マヨヒガか」
「えぇ。朝起きても○○がいなかったから、私が探して拾ってきたのよ」
「そうか…紫、ありがとう」
「別にいいわよ。それより、あなた何があったの?」
 自分の体を見直す俺。体は人間の体に戻っていた。
「俺…妖怪になった」
 はぁ?と言われ、とりあえず俺の身にあったことを全部話した。

「やっぱりね…っていうことは、この太刀はあなたのかしら?」
 紫が外に指を指すと、そこにはあの太刀が置かれていた。
「やっぱり?俺の身に何か起きたんですか?」
「えぇ。あなたから魔力と妖力を感じるわ」
 と言われるが、俺には全くわからない。
「紫、ちょっと待っていてくれ」
 俺はそういうと、俺は布団から出て、ベルトにセットしてあった魔動銃を手に取り、外に出て行った。
「なんだ、体動くじゃないか」
 そして、リボルバーを水にし、空に向けて撃ってみた。
「バヒュン!!」
 銃の魔石が光ると同時に、魔弾が発射された。
「あら、面白い武器だわね?」
「はい、香霖堂で材料を集めて作ってみました」
「その武器でどうするわけ?」
「この世界で生きていくために自分の身を守るためとして作ったんです」
「そして、俺の役目は最愛の人を守ること」
「あら?もうそんな人が出来たの…誰かしら?」
「そんなこと言えませんよ。片思いですから」

 
 …この銃はあなたを守るためにあるんだ・・・紫。
 ただ、拒まれるのが怖くて…伝えれなくて…
 でも、この気持ちは変わらない。そして、誰にも負けないんだ。
  待っていて、紫。俺のこの思い、必ず伝えるから…


 俺は、その場から崩れてしまった。
「○○!!どうしたの!!」
「わりぃ…まだ、完全に治っていないみたい。横になっていいか?」
「…いいわよ。まったく、驚かさないでちょうだい!!」
 俺のことを心配してくれた紫にちょっと萌えた。
 俺は、再び横になり話の続きをした。
「ところで、○○はどうやって妖怪の姿になるかわからないの?」
「…どうやってなるんでしょう?あの時は…あの球体が体に入って行って、気づいたら妖怪になっていたし…」
「まぁ今は体を休めなさい。早く元気になって私に○○の笑顔を見せてちょうだい」
 俺は、照れ顔隠し布団に潜り込んだ。
 確かに、体を治さないと自分も紫も守れないしな。明日には復帰できるようにしよう。
 そして、俺は眠りにつくことにした。

「すー…zzz」

 俺が眠りに着くと、紫は俺のところに来た。
「○○ー?…寝たわよね?」
 紫が俺に尋ねる。寝ていますよー
 紫の頬は紅潮しており、さっきまでのカリスマさは全く感じられない。
「もう…あなたのせいだわ。私をこんなことにして…」
 しかし、俺は寝ているので全く聞こえない。そして、紫の顔が崩れていく。
「私は…きっとあなたのことが好きなの。好きで好きでたまらないの」
「なのに…最愛の人って誰よ…わたしのことは…愛してくれないの?妖怪…だから?」
 紫が泣いている…紫の涙が、俺の頬に落ちる。


 なんでだろう…寝ているのに、体が痛い…違う、心が痛いんだ。
 俺のせいで、誰かが苦しんでいる…誰かじゃない。最愛の人…紫だ。
 俺は…紫を苦しめているのか?きっとそうだ。
 はっきりしない俺に紫は苦しんでいるんだ。
 紫が苦しんでいるのに…俺は何をしているんだ。
 ただ、自分が拒まれるのが怖くて、それを回避するために紫は苦しんでいる。
 そんなことは…だめだ。絶対ダメだ。許されることではない。
 この俺の気持ち…断られてもいい!!けど怖い…だけど、紫が苦しむことは一番ダメなんだ!!
 …俺が起きたら、この思い…必ず伝えよう!!俺は決心した。
 

 紫は涙をふき、外に出た。
 そこに、あの蓬莱人と、玉兎がやってきた。
「あら…珍しい客だわね?何の用かしら?」
「紫さん!!師匠を止めてください!!このままじゃ、師匠のキャラ崩壊が限界突破します!!」
「あらぁ?うどんげは何を言っているの?ただ、私は○○と一つになろうとしているだけよぉ…ハァハァ」
「永琳…なの?あなた…超エロいオーラー出ているわよ… こ れ は ひ ど い」
 必死に止めようとする鈴仙。かなりの勢いで引いている紫。超エロい永琳。
「○○の魅力に気づくなんて…あなたも目が利いているわね。でも、残念だけど○○には会わせれないわ」
「あらぁ…何故かしら?ゆかりぃ…あなたはわかってくれるんじゃないのかしらぁ?ハァハァ」
「だからよ。私は○○を愛しているわ。だから、あなたには○○は渡せない」
「とにかく、○○にお仕置きをしないと気が済まないのぉ…ゆかり、どいてくれないかしらぁ?ハァハァ」
「どけないわ。どうしてもっていうなら…弾幕ごっこで勝ったらいいわよ」
「あなたとは争いたくなかったんだけどぉ…しかたがないわ。殺りましょう。ハァハァ」
「あわわ…大変です!!ニゲナイトー!!」

 
 そして、紫は○○を守り抜くために、永琳は○○にお仕置きをするために戦うことになった。

 
 永琳が弓を構える。紫が境界を操り、弾幕を出す。そして戦いは始まった。
 永琳から無数の矢が飛んでくる。同時に、紫の操る境界から弾幕を出し永琳の矢を相殺する。
「永琳…あなたこんなに強かったかしら?正直…辛いわ」
 そう。さっきから、紫は永琳に押されているばっかりで、全く反撃が出来ない。そして、さらに永琳の撃ってくる矢の威力が上がってくる。これがエロのパワーか!!紫はうろたえた。
 だが、負けずと紫も弾幕を繰り出す。必死だった。
 永琳は、一旦身を引いた。そして、力を一つの矢に集中し、狙いを定めた。
 だが、それと同時に紫も妖力を溜めて、ばれぬように永琳の後ろに一つ、境界を造った。
「この矢をあなたに破壊することが出来るかしら?」
 そして、永琳は矢を放った。
 クル…クル…矢が、凄い勢いでこっちに飛んでくる。あれをくらったら、ひとたまりもなさそうだ。
 そして、矢は紫の目の前まで来ていた。そして、二つ目の境界を造った。
 矢が境界に吸収されてゆく。そして、その矢は永琳の後ろに造っていた境界から発射される。
 勝った…紫がそう思ったそのときだった。
「永琳が…いない…」
「私ならここよ?」
 そういうと、永琳は紫の目の前にいた。
「!!どうして…」
「簡単なことよ。私が矢を放ったときに、あなたは少しの抵抗もしなかった。不自然に思って周りを見たら、後ろに小さな境界があったってわけ。それで、矢を難なく避けてあなたの境界からお邪魔したってわけ」
 ヤバイ、油断しすぎた。体勢を整えなければ…
「これでおわりよ」
 永琳がそういうと、永琳は紫の背後に回り弓を構えた。
「くっ!!境界が間に合わない…」
 
 紫は負けを覚悟した。そのときだった。


「バンッ!!!!!!!!!!」


 銃声が鳴った。そして、その弾丸は紫に向かって飛んでくる。いや、違う。
 紫の後ろにいる永琳に であった。
 そして、永琳の弓が弾丸によって撃ち砕かれた。

「ゆか…りに…手を…出すな…」
 とてもかすかな声だった。そして、俺は強く言った。

「俺の紫に手を出すなぁ―――――――――――――――!!」

 俺は叫んだ。恐怖で足が振るえそうだ。だが、それに耐えて俺は叫んだ。
 拒まれてもいい。嫌われてもいい。ただ、これ以上紫を傷つけたくなかった。
「○○さん!!」
 登場場面が少なかった鈴仙が俺の名前を叫ぶ。
「○○…お仕置きをしに来たわ。それにしても私に弾幕を撃つなんていい度胸だわ」
 永琳が俺に言う。俺も永琳に言った。
「弾幕?…これのことか。仕方がないだろう。この銃は最愛の人を守るためにあるんだから」


               そのとき、紫が大粒の涙を流した。


「紫、今まで悪かった。この俺の気持ち、はっきりさせるよ」
 と俺が言った。ただ、紫は泣いていた。
「永琳!!選手変更だ!!俺と戦え!!」
 俺がそういった。紫と鈴仙が止めようとした。
「○○さん!!無理です!!人間と蓬莱人が対等に戦えるわけがありません!!」
「そうよ○○!!あなたは人間よ!!私たちとは違ってすぐ死んでしまうの!!だから…お願い…」
 鈴仙、紫、ありがとう。俺は不意にそう思った。
「これは俺が原因なんだ。紫を巻き込むわけにはいかない」
「そして俺は誓ったんだ。紫を苦しめないって!!」
「でも、○○が死んだら私が苦しむのよ!!だから…」
 紫から再び涙がこぼれる。
「紫…勝手に俺を殺すなよ。俺は生きて帰る。何があってもだ!!それとな…」


「男ってのは何が何でも女ってのを助ける生き物なんだ!!」


 そして、俺は銃を構えて外に出た。
「○○…男らしいわぁ~さぁ、早く戦いましょう…ハァハァ」
 凄く…エロいです。紫が俺のところに降りてきた。
「私…あなたを信じるわ。だから…生きて帰ってきてね…」
 俺が紫の涙を拭く。そして俺は言ってやった。
「当たり前だ。俺を信じろ!!」

 そして、俺は紫を守るために、永琳は俺にお仕置きをするために戦うことになった。

「おい、永琳。弓がないお前と今の俺なら対等に戦えそうだな!!」
 そう、俺はさっき紫を守るために撃った弾丸が永琳の弓を壊した。勝てると思った。
「バカねぇ…○○わ。弓がなくても、矢ぐらい撃てるわよ?」
 一瞬時が止まった。

 弓がなくても…矢は撃てる?

 勝率が49%くらい落ちた。残り…1%?
「わりぃ、紫。前言撤回だわ」
 紫の顔が引きつっている。格好悪いな、俺。
「でも、必ず紫のこと守るから。それだけは信じて」
 俺は、僅かな希望にすべては託した。そして、銃を構えた。クル…!!
 永琳は両手を広げた。すると、宙に矢が五本浮く。
「ゆっくり…楽しみましょ?」
 永琳がそういうと、矢が一斉発射された。
 冗談じゃない。俺は紫のところに帰るんだ!!
 俺はリボルバーを回転させ、銃を連射する。弾丸を中心として、魔弾が周りを囲む。
 魔弾は…日と水!!これは来たぜ!!

 
 日&水弾符「ハイドロジェナスプロミネンスバスター」


 パチュリーさん…すみません…何故か、俺はそう思ってしまった。
 弾丸を囲む日と水の竜が永琳の撃つ矢を相殺する。そして、弾丸が永琳の太腿を貫く。
「……くっ!!」
 俺は目を背けてしまった。いくら永琳とはいえ、撃ったことに苦しみを持った。
「あら、何目を背けているの?どちらにしろ、私は蓬莱人…死ぬことはないわ」
 蓬莱人?死なない?…そうだと思ったよ。この世界で死ぬのは人間だけだ。
「それより○○、油断してるとあなたなら死にかねないわよ?」
 永琳がそういうと、十本の矢が飛んできた。これは…きついぜ…
 再び、リボルバーを回転させる。ヤバイ、避けれるのか…
 銃を連射し、弾丸を中心として、魔弾が周りを囲む。魔弾は…日と月か、耐えろ!!


 日&月弾符「ロイヤルダイアモンドリングバスター」


 パチュリーさん…すみません…本当に…
 綺麗に輝いている魔弾の中心に、凄い勢いで飛んでゆく弾丸がある。
 三本の矢を破壊し、永琳の左肩を貫く。さすがに、彼女も堪えているみたいだ。
 しかし、残りの七本の矢が俺に向かって飛んでくる。避けなければ…!!
 左右から二本の矢が飛んでくる。俺は、前にステップをし、難無く避ける。
 前から五本の矢が飛んできた。体を横にし、当たり判定を小さくする。
 そして、一本の矢は俺の左足を貫いた。

「ぐがぁああぁぁぁああぁあ!!」

 俺の左足に、激痛が走る。だが、俺は逃げない。紫の苦しみに比べたら小さいもんだ。
「○○!!」「○○さん!!」
 紫と鈴仙が叫ぶ。気にすんなや。
 そして俺は立ち上がる。鈴仙と、紫が泣きながら訴えた。

「○○!!もうやめて!!お願いだから…死なないで…」
「師匠!!○○さんが死んでしまいます!!もうやめてください!!」

 俺は銃を構えた。永琳が俺に話しかけてきた。
「○○!!いい加減に負けを認めなさい!!そして、大人しく私のものになりなさい!!」
「おいおい、冗談はよしてくれ。お前も結構弱ってんじゃねえか…」
 俺は、リボルバーを回す。そして、射撃した。
 永琳も、矢を放ってきた。今度は…なんだありゃ?五十本はあるんじゃないか?
 ヤバイぜ…魔弾は…月と金。あの天才、自分が強すぎたことを後悔しやがれ。


 月金弾符「サンシャインリフレクターバスター」


 …あとでパチュリーに謝りに行こう…
 弾丸を囲む魔弾が、一体化する。そして、弾丸は透明半球のようなリフレクターに変形し、俺を囲む。
 飛んできた矢が、リフレクターによって跳ね返される。ざまぁ。
 すべての矢が跳ね返り、永琳に向かって飛んでいく。
 それと同時に、守っていたリフレクターが破壊される。限界だった。
 永琳は、五十本の矢の間を通り、避けていった。凄すぎるだろ…
 しかし、さすがの永琳もすべては避けきれず、数本突き刺さった。
「さすが○○…そう簡単にはいかないわね…いや、逝かせないわぁ…」
 くっ!!こいつ…二発撃たれて数本の矢も刺さっているのに…エロいぞ!!
 さすがに、俺も魔力が尽きてきた。あれだけ撃てば仕方がない。
「永琳、さすがに俺もヤバくなってきたみたいだ…次の攻撃で、全力をかける!!」
 俺は、全魔力を銃に集め、連射した。魔弾は見なくてもわかっている。
 永琳は、使える片腕を上げ、二十、五十…さっきの二倍、百本を繰り出してきた。
「これで最後だ!!永琳!!」


 火水木金土弾符「賢者の弾丸」


 パチュリー…これ以上思いつかなかった…
 射撃と同時に、俺は倒れた。
「いけぇぇえぇぇぇぇぇぇぇええぇぇぇぇえええぇ!!」
 弾丸を中心として、五属性の魔弾が周りを囲む。綺麗だ…まるで…紫のように…
 永琳も、一つの矢を中心に九十九本の矢が囲む。俺の真似か!!そして、弾丸と矢がぶつかり合う。
 火が矢を焼き尽くし、水が矢を受け流し、木で大量の矢を束縛し、金で弾丸を強化し、土で矢に重力をかけて潰す。
 しかし、百本の矢も負けずと魔弾を潰そうとする。そして、決着はついた。
 弾丸が永琳の谷間を貫き、矢は俺の胸を貫いた。
  永琳が空から落ちてくる…それを、鈴仙が受け止めた。
「重っ!!」
 鈴仙が口走ってしまった。だが、永琳は気絶していた。鈴仙は、無事に生きていられそうだ。

 紫がこっちに走ってくる…そして、俺は吐血した。全身が…痛む…
「○○のバカっ!!死んだらイヤ!!私を置いていくの!!」
 紫が泣く。鈴仙も永琳を担いでこっちにやってきた。
「○○さん…無茶しすぎです…人間と蓬莱人が戦うなんて…おまけに、勝っちゃうし…」
「永琳が…手加減して…くれたしな。スペ…ルカードを使…われていたら…確実に死んでいたな…」
 ヤバイ、目がかすんできた。おまけに、眠くなってきた…
「○○さん!!しっかりしてください!!はやく師匠のところに行って治してもらいましょう!!って師匠気絶してた!!」
 この子…天然だな…くっ!!これはえーりんならずえーみんしそうだ…寒い、鬱だ、ちのう…
「ちょっと○○!!しっかりして!!鈴仙!!あなた永琳の弟子なんでしょ!!治してちょうだい!!」
「すみません、私は妖怪の治療しかしたことがないんです。人間の治療は、師匠しかできないんです…」
 紫が絶句する。紫が焦りだした。だが、間に合わなかった。

 そして、○○は目を閉じた。

 俺は…紫を守ることが出来た。やっと男らしい子としたな…俺…
 でも、なんか違和感を感じる。紫を助けた。だけど、心が痛む…
 そうだ。俺は紫を守るために戦った。しかし、それは紫の望んでいたことではない。
 紫の望んでいたこと…それは、「俺が生きて帰ってくること」だ。
 また俺は紫を苦しめてしまうのか?そんなのはもう懲り懲りだ。絶対にダメだ。
 死ぬなよ…俺…紫への思いはこんない軽いものだったのか?違うだろ!!
 生きろ…生きろ…生きろ…生きろ…生きろ…生きろ、生きろ、生きろ、生きろ!!



 俺は紫のためにも死ねないんだぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁあぁぁあぁぁ!!



 俺の胸が光る。胸と、左足に刺さっていた矢が消える。
 そして、傷がどんどん塞がっていく。体内の怪我も治っていく。
 背中に違和感を感じる…どうなるかって?決まっているだろ?
 銀色の翼が生えた。そして、髪も銀髪になっていく。爪が伸び、体は鋼鉄のように硬くなっていく。
 今回は前みたいに全然痛くなかったぞ?そして、俺はあの…妖怪の姿になった。

「紫、ただいま」

 紫は、俺の姿を見て見惚れていた。口が開き、ポカーンってなっていた。
「おーい?紫ぃー帰ってきたぞー」 ポカーン
「鈴仙、紫がおかし…ってあんたもか」
 鈴仙も、永琳を担いだまま、口が開き、ポカーンってなっていた。
「俺の妖怪姿そんなに気持ち悪いか?俺的には気に入っているんだけどな…」
 ポカーン
「…ちゅっ(頬に」
 ポカーン
 俺は、紫を担いで鈴仙の後ろに置いた。そして、口を近づける。
 紫と俺との口の距離が0になったそのとき、紫は丁度我に戻った。JUST!!
「○…んむっ!!」
 残念、紫さん間に合わず。
「ぷはっ…ちょっと○○!!何してるの!!」
 赤面少女だぁ~何回見ても可愛いですねぇー
「紫がポカーンってなってたから、いたずらしてみた」
「そりゃ…○○が格好良過ぎだから見惚れちゃったの。別に…いいでしょ?」
「妖怪の俺にか?」
「何言ってんのよ…バカ…」
 俺は、紫を正面から抱きしめた。紫は暖かかった。
「約束どおり、生きて帰ってきたぞ」
「…死にかけてたじゃない。心配…したんだから…」
 紫は俺の腰に手を回し、強く抱きしめる。俺もそれに応えるように強く抱きしめた。
「はっ!!あの格好いい妖怪は!!何処!!」
「!!!!」

紫・ヤバイ!!鈴仙が起きた!!今、○○と私が抱いているところ見られたら私の威厳が吹き飛んでしまうわ!!どうしよう…

 わかっていますよ。俺は、羽根を広げて鈴仙を吹き飛ばす。
「きゃぁー!!!!」
 鈴仙は、マット運動の後転を連続やるかのように転がっていった。その隙に、俺と紫は離れた。
「あぶなかったな」
「た、助かったぁ…」
 俺はへらへらしてた。紫は、真剣な顔をしていた。うけた。
「鈴仙…大丈夫か?」
「いたぁ…あなたは格好いい妖怪さん!!」
 どんな名前だよ。…もしかして気づいていない?
「あ、あなたのお名前はなんですか!!」
「俺の名前か?俺の名前は…それより、その少女大丈夫か?」
「へ?…師匠!!すっかり忘れていました!!永遠亭に戻りましょう!!」
 そういって、鈴仙は永琳を担いで飛んでいった。

「彼女気づいていないみたいだわ。何で教えなかったのかしら?」
「次に会った時に驚かすためさ」
 安心したからだろうか?俺の体は人間の体にと戻っていった。
「俺のこと嫌いになったかい?」
 俺は紫に尋ねた。
「バカ…大好き」
 そして、俺と紫は再び抱きしめあった。紫から、ほのかな少女臭がした。



「紫、聞いてほしいことがある」

「何?」

「紫、君の事を愛している。一生あなたの傍にいたい」

 紫は、俺の頬に掌を当ててこう言った。

「よろこんで」

 そして、俺と紫はキスをした。

 それは、俺が人間の限界をあらわした瞬間だった。

「でも、結婚はまだダメよ」

「一応、理由を聞いておこう。何故だ?」

「きっと、○○を奪いに来る人たちがたくさんくるわ。そんな生活を楽しみたいじゃない」

「意地悪な人だ、あなたは…」

 こうして、俺の波乱万丈が…始まった!!


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

お疲れ様でした。

最初は試作品を投稿し、皆様の意見を参考にして最低限を直してきました。

二つに分けようと思いましたが、分けどころがいまいち判らなかったので、やめました。

○○のキャラ設定が最初から激しく変わり、今に至りましたが、僕はこの○○が好きです。

ですので、これからはシリーズものとしてうpしたいと思います。

その日まで皆さんさよなら。



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最終更新:2010年05月22日 10:34