てゐ1



1スレ目 >>262


てゐ、一生俺を騙してくれ!!


てゐなら幸せです…いぁまぢで

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1スレ目 >>268-270


ここは墜ちた月の姫が住まう永夜邸。そして兎もいっぱいいる。
ある日、因幡の素兎たる因幡てゐがいつものように碌でもないことを考えながら廊下をほっつき歩いているとなにやらきゃいきゃいと騒ぐ声が聞こえた。
彼女は本能でその騒ぎに突っ込む。聞けば兎共の男性遍歴だの恋愛事情だのであった。
曰く、流した浮き名が数知れず。
曰く、実は私、女の人にしか興味がないんです。
曰く、百人男を喰いました――それは食い殺した人数の話だ。
話す趣はてんでまとまらない。
しかし、兎は人と並んで年中発情期と呼ばれるだけあって、話す事には事欠かないようである。
そしてある若い兎が、ぽそりとこんな事を言った。
――ただの兎だった頃の飼い主が、一番好きだった。大きな掌で撫でられるのが、大好きだった――

てゐの脳裏に返るのは、この邸に来る前の、神世の時代、人と神と妖怪が、今よりももっと近くに生きていた時代の思い出だった。

――そう、私の一番好きだった人。
ある日、彼女は海を渡ろうとして、その場にいた鮫を利用した。
だが、未熟な彼女の嘘はばれて、鮫達は彼女をぼろ切れのようになるまで蹂躙した。
そして、息も絶え絶えの体で助けを求めた神々は、彼女の今までの行いの代償とばかりに嘘の治療法を教えた。
――思えばこれが自分第一、健康志向の始まりだったかも知れない。
今ならばそう回顧できるが、当時味わった絶望は凄まじかった。
もう、痛みのあまり命を投げ捨てようか――その時、かのじょの長い耳は、ある男の声を聞く。

「――息はあるか、兎」

そして、痛みを堪えて開いた瞳に、荷物を担いだ長身の男性の姿が、差し伸べられた手の大きな影が映った。
だまされて、苦しんで、誰かを信じるなんて馬鹿なことはもう止めよう――そう考えた彼女でさえも、思わず震えた手を差し伸べ返していた。
その後、彼女は真水で洗われ、がまの穂の上を転がされる。
それを行った彼の男の名は、大国主命。
出雲の王にして出雲大社の主祭神と呼ばれる、神世の英傑であった。

「傷はもう良いのか」
彼は鷹揚に、膝に乗せたてゐの頭を撫でて訪ねる。
その振る舞いは、当時最も巨大な国家の王に相応しく、勇壮にして慈悲に溢れていた。
「うん、もうすっかり。薬草ってすごいのね」
「そうか、それは良い。これに懲りたら、もう人を騙すなど考えぬ事だな」
てゐの答えに王は豪快に笑みを浮かべてそう言う。
しかしてゐは小生意気にもその耳をピンと立てて胸を張り、「これからは人を幸せにする嘘を付くわ」と言ってのけた。
その仕草に一時あきれた王は、すぐに彼女が耳を伏せたくなるほどの大声で笑いだす。
「ふはははっ!「人を幸せにする嘘を付く」か!全く、口の減らぬ兎だわい!それが「一皮剥かれた」末の答えか!」
王はハハハハと大きな声で笑って乱暴にてゐの頭を撫でる。
無骨で節くれた武人の手がてゐの頭を覆うたび、彼女は言いようのない安心感を得ていた。


戦乱。
それは後生に国譲りと記される物語。
アマテラスの子を名乗る、日の本の民達の侵略の物語。
出雲の王たる彼の子供達も、ある物は敵の軍門に下り、ある物は刃におびえて戦いを投げ、最も強かった息子でさえも軍神の前に破れた。
大国主命は決断を迫られていた。
戦って死ぬか。おとなしく諸手をあげて、死ぬか。
侵略者は降伏するならば彼を最も偉大な大社に祭ると言う。
神として祭る――それは人として終わる。つまり体の良い処刑であろう。
傍らを見やれば、妻は青い顔をして座していた。
女性である彼女に置いては最早座して死を待つ身である。
その顔に浮かぶ悲壮は彼の心を揺らした。
――どうせ死ぬならば、奴等に一矢報いてから――
そう思いかけた彼の目に、一匹の影が飛び込んできた。
それは両手一杯にがまの穂を抱えた、てゐ。
「大国主様っ!戦うなら、傷薬になるから!生きて、帰って、これるからっ!」
息を弾ませた彼女は、両手に抱えたがまを差し出してそう、絞るように口にする。
その光景に、大国主命は思わず彼女の名を呟いて呆然とする。
そしてその必死な様に、小さな体に彼は一つのことを思い出した。
――そうだ、戦うならば、民は死ぬ。国の命は王の命。民の命ではない!
今にも泣き出しそうな顔で、震えて彼を見やるてゐ。
王はその傍らに、憑き物の落ちたかのごとき顔で屹立していた。
「てゐ――戦は無しじゃ」
「…ぇ」
王の口から飛び出た言葉に、てゐは両手のがまを地に落として小さく呟く。
「王が戦えば民が死ぬ。王が死ねば民は生きる」
見つめた横顔は神話の英雄。
神となるべき男の、最後の決断の顔。
「儂は、大国主命は天照大神に降伏する。王として、国としてこの命、民のために差し出さん!」
恐ろしく、優しく、どこまでも澄んで響く声で、王はそう宣言した。

「てゐ、そう悲しい顔をするな。これが王としての、儂としての生き様だ」
彼はそう言うと、傍らで目尻に涙をためた兎の頭を、その大きな掌で豪快に撫でた。
言葉も口に出来ず、揺さぶられた彼女の瞳から、清らな滴が一つ落ちる。
「――有り難う、てゐ。お前は幸せを呼ぶ兎だ」
一拍おいて出た王の呟きに、てゐは形振りもかまわず大国主の胴に抱きついた。
「……っ…大国主様っ……私、全然幸せになんか出来てないっ!……死んじゃ、やだぁ!」
泣きじゃくり、悲鳴のように叫ぶてゐを、彼は優しく抱えて言い聞かせる。
「いいや、お前は幸せを呼んだ。お前のおかげで儂は愚かな戦いを止め、王として死に、偉大な神として祭られる事が出来る。儂の民も、お前のおかげで無駄に死んでいく事は無くなった。全く、お前は幸せを呼ぶ兎だ――」
彼はそこまで言うとてゐを引きはがして身を正す。
次いで、奥で泣いていた妻に向かって口を開いた。
「行くぞ、スセリ。華々しき神の座へ、この名連ねてみせようぞ!」
――そして、彼はまるで勝ち戦に赴くかのように、悠々と、颯爽と、堂々と、出雲の大地を踏みしめて歩き出した。

「っ……大国主様っ、大好きだからっ…あなたは、最高の王様だからっ!!」
泣き叫んだ兎の瞳は、真っ赤だった。


「……でね、その男ったらね………てゐ?どしたの?ぼーっとして」
遠い過去に思いを馳せ、あの時の彼よりも大きな背中は、ついぞ見かけたことはない等と思っていたてゐは、仲間の言葉に思わず跳ね上がる。
「…ホントにどしたの?なんか涙が出てるよ?」
そう訪ねる仲間に、てゐはあくびをかみ殺しただけだと返す。
そして、あんたの話がつまらなすぎて、眠くなってきたのよ、とも言った。
「あーひどーい!じゃーてゐはどんな男落としたのよー」
兎はふくれてそう返す。
するとてゐは小生意気に耳をピンと立てて胸を張り、こう宣言した。

「男を落とした?私はそんな下らないことはしないわ!だって、私は人を幸せにする嘘を付く兎だもの!!」


竹林の中に、兎たちの笑い声が響く。
ここは日の本の国。神の住まう国である。



1スレ目 >>340


プロポーズされるほうだが、

てゐ「結婚詐欺にだまされてみませんか?」


1スレ目>>381-382 >>391-393



381 名前: 名前が無い程度の能力 投稿日: 2005/09/06(火) 20:13:11 [ Ji26yZ5. ]
  >>373
  Aの展開ならまんざらでもないなと
  思ってニヘラッとしてしまった俺、新しい自分発見みなさん初めまして。

382 名前: 名前が無い程度の能力 投稿日: 2005/09/07(水) 00:19:04 [ j0DXaKsA ]
  そのうち本当にてゐが妊娠してしまい、大きくなったお腹を撫でながら
  「赤ちゃんは男の子と女の子とどっちがいい?」
  なんて幸せそうに尋ねられる展開に。
  あれ?なんかてゐって一児のお母さんが似合いそう?

391 名前: 名前が無い程度の能力 投稿日: 2005/09/07(水) 22:19:13 [ 1cUaqMQQ ]
  >>382
  興味津々で「あ……今動いた」とてゐから離れない鈴仙
  「子供の名前は私が付けるのよ。いいわね」と譲らないてるよ
  「胎教には音楽がいいって聞いているわ」と虹川姉妹を呼び寄せる永琳
  産まれようとする一つの命にてんやわんやの永遠亭。いつの間にかほのぼの

392 名前: 名前が無い程度の能力 投稿日: 2005/09/07(水) 22:49:41 [ yS0WS5iU ]
  >>391
  何かしたいけど何もできずにウロウロして、てるよに邪魔物扱いされる俺。
  とりあえず、ミルクとかオモチャとか絵本とか幼児服を用意するものの
  まだ気が早いわよ、とてゐに優しく笑われがっくりする俺。
  気持ちは分かるわ、落ち込まないで と妖怪ウサギに肩をたたかれ慰められる俺。

393 名前: 名前が無い程度の能力 投稿日: 2005/09/08(木) 13:44:22 [ evsv0.zc ]
  >>392
  がんばれお父さん!

1スレ目 >>472


てゐの場合、無条件で人間を幸せにする能力があるからなぁ。
たとえ裏切られても結局幸せになるとしたら、
そんなのずるいよてゐ
だって告白して、
あんたなんてお呼びじゃない
ってさんざんバカにされて言いふらされて
もう立ち直れないほどにこっぴどく振られても

俺きっと幸せになるんだぜ。

そんなピエロな俺どんだけMなんだよ



あぁ、てゐに幸せにしてもらいたい…

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1スレ目 >>639


て ゐ に 押 し 倒 さ れ た い !

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1スレ目 >>684


「ええと…、あなたが好きですっ!」
まさか人参畑で告白された男も俺が初めてじゃないだろうか。
予想もしなかった事態に意識が現実逃避する。
目の前には顔を真っ赤にした鈴仙。
夕食の人参収穫していてこんな事態になるとは紅い館の主人でもわかるめぇ。
「え~、えっとだな…。」
なにか答えようとするものの、言葉が上手くでてこない。
「あ…、あの、いきなりで迷惑でしたよねすいません返事はあとでも結構ですのでなるべくならいい返事がいいかなとかずっと待ってますんで!」
息継ぎもせずに言いたいことだけ言って、鈴仙は飛び立ってしまった。
あ、青の縞。
「どうしたもんかな・・・。」
正直な所、鈴仙にそこまでの感情は持っていなかった。
「確かに可愛いと思うし、あの弄って下さいオーラはなんともいえないんだけどな…。」
一人つぶやきつつ、人参を収穫する。なんだか、心に違和感が残った。




数日後。
あれから、鈴仙とは何もなかった。
無論、一緒に永遠亭に住んでいるのだから会うことはある。
だが、以前から鈴仙とは持ち前の狂気の瞳ゆえにお互いに余り目を合わせなかったし、こっちを見かけると鈴仙が逃げてしまうのだ。
これじゃ話もなにもできやしない。
永琳さんからも、
「あなたはいい加減はっきりしなさい、それがあなたにできる善行よ。」
と、どこかで聞いたようなフレーズでからかわれてたりもしていたのだが。
それでも決心がつかなかった。心のどこかに何かひっかかりがあったのだ。


「それじゃちょっと姫の様子見に行って来るわね。」
どうやら今日の殺し合いは結構ハードらしい。替えの服やらを持って永琳さんが慌てて出て行く。
「鈴仙も連れていくから後はお願いね。」
そういって何か液体の入ったビンを渡される。なんだかこれコンソメ臭いんですけど。
「いざとなったら、それを飲むといいわ。」
何があっても飲めないな、この薬。
「あ、師匠~。ちょっと待ってくださいよ~。」
後を追って、鈴仙も出て行く。あ、やっぱり目合わせてくれない。
ちょっとしょんぼり。




数時間が経過。今回は随分長引いてるな。
くいくいっ
ズボンのすそを引っ張られる。永遠亭にいるウサギ達の一匹だ。
彼女?達はしゃべれないので身振り手振りで伝えてくる。最初は苦労したが、今じゃ二次方程式までいけるぜ。
「えーっと、なになに。鈴仙が、部屋で、待ってる?」
とうとう向こうからお呼びがかかったか。
覚悟決めていかないとな…。


「鈴仙、入るよ?」
襖を開け、中に入る。
「…鈴仙?」
鈴仙はこっちに背を向けて立っていた。
「あの時の返事のことだよな…。えーっとあれはだな…、その…。」
緊張してまともにしゃべれない。ああもう!!
「たぶん俺はお前のことが好き……どわっ!」
急に飛び掛ってきた鈴仙に押し倒される。
俺の上に馬乗りになった鈴仙がこっちを見つめる。
なにか引っかかる違和感。
「……。」
鈴仙の顔がゆっくり近づいてくる。
あー、これキスってやつですか?鈴仙ってばこんなに強引だったのね。

……
あれ、鈴仙と見詰め合ってるのに何もない?狂気の瞳なのに?
そういや、鈴仙の目、……黒い?
そこまで考えたとき、頭に浮かんだのはいたずら好きのうさぎ。
「……もしかして、てゐ?」
鈴仙、いやてゐの動きが止まる。
「おい待てよてゐ!いたずらにもほどがあるぞ!」
「……なんで、鈴仙なの」
押しのけようとした手が止まる。
「なんでいっつも鈴仙なのよ!私だって、私だってあなたの事が好きなのに!!」
頬に涙が落ちる。
「最初に会って、永遠亭に連れてきて、ずっとずっとあなたのこと見てたのに!!なんでなんで鈴仙に盗られなきゃだめなのよ!」
ああ、そうか。
俺を永遠亭に連れてきてくれたのもてゐ。怪我をしてた俺を看病してくれたのもてゐ。人参の育て方からなにまで教えてくれたのはてゐだった。
ずっと引っかかってた心のしこり。
自分でも気づかないままに、俺はこの子に惹かれていたのか。
「ごめんな、てゐ。」
頬に手を添えて、引き寄せる。
「罠とかいたずらも構って欲しかったんだよな。ごめんな。」
そのまま顔を引き寄せてキスをする。
「んっ……。」
てゐの能力は会った人間を幸せにすること。なら、初めて会ったあの時からずっと幸せだったんだな俺は。
こんなひねくれてて不器用な幸せを逃がすなんてありえない。
そして、俺はてゐを抱きしめた。














「あらあらまぁまぁ、お熱いわねぇ。」
永琳さん、タイミング計ってましたね。
「てゐ……。私の部屋で何やってるのよ……。」
鈴仙さん目が怖いです。狂気バリバリです。助けて。
「べーっだ!鈴仙ちゃんには渡さないもんねー!」
あああああ!!てゐも煽るなっていうか状況楽しんでるだろ!!
「波符『月面波紋(ルナウェーブ)』!!」
「遺言『エンシェントデューパー』!!」
弾幕の余波に巻き込まれて、ぶっ倒れる俺を師匠が見下ろす。
「で、どっちにするの?」
「勘弁してください……。」


1スレ目 >>755


「ん~…」

朝起きて、まず目に入ったのは、てゐの唇だった。
「ちょっ、ちょっと待って!!待てって!」

「…なによ、わたしに起こされるのは不満?」
「いやいやてゐ、そういうことじゃなくてな?日本の朝はもっと健全で健やかで爽やかであるべきで、
朝っぱらからそういうのはちょっと…」
「……わたしのことが、きらいなの?」

うっ、でたよ。必殺上目使いで涙目。且つ、頬を薄く染め上げる。
永遠亭にきた時、こいつに騙されててゐに惚れて、今ではすっかり主導権を握られてる。
てゐは本当はしたたかで腹黒くて俺俺詐欺で…でもちょっぴり優しくて。
きっとその優しさを隠すために、周りを騙してるんだ。
その『騙す』レベルがちょっと普通じゃないけど。

例えば、部屋から出たらたらいが落ちてきて、
横にふらついたら巨大な岩が転がってきて、
それに吹き飛ばされた先に何故か十字架があって、
そのまま屋根の上まで吊るされて、

その上俺目掛けて雷が落ちてくる。
なんて罠を遊びで仕掛けて悪戯好きを装う。
でも絶対に死ぬような危険な罠は配置しない。そこがてゐの優しさだ。

…………俺にはその優しさが向けられていないように思うのは気のせいか?


「…嫌いなわけないだろ?俺は、てゐが好きさ」

色々と思うところはあったが、それでも。俺に幸福をもたらした、俺だけの兎。

「じゃ、改めて、おはようのキス……」

俺はそっと目を閉じて、てゐを待つ。


…………チュ。

躊躇いがちに触れた、てゐの唇。そのやわらかく冷たい食感をもっと感じたくて、俺はさらに吸いついt


………『やわらかく冷たい食感』?




俺はそっと目を開けた。            こんにゃくでした。



「てゐぃぃぃぃぃーーーーーーーー!!!」
「あははははははーーーーーーーー!!!」


3スレ目 >>452


騙したいならいくらでも騙せばいい。
裏切りたいなら裏切ってくれて構わない。
利用したいならそれでもいい。不便な道具以下だろうけどな。

それでも、俺の手を取ってくれるなら、俺はずっとお前と一緒にいる。

さあ、どうするてゐ。お前が選んでくれ。


4スレ目 >>67


『俺が、絶対に幸せにするから……てゐっ!!
  好きだぁぁぁぁぁっ!!!!』

いやもうね、幸せにしてくれるのならそれ以上に彼女を幸せにしてあげたいなと。
短くて気が利いたのも意外と難しい……。


最終更新:2010年05月27日 00:53