永琳4
3スレ目 >>564
「あれ、師匠……弓の手入れですか?」
「えぇ、大事なものだから念入りに
やっているのよ」
「そう言えば。その弓、いつも肌身離さず
持っていますけど、それ程?」
「まぁ一応、初めて真面目に贈られた
物だしねぇ」
「家族にですか?」
「うーん、もう少し大事な人かしら」
「家族よりって……?」
「まぁ、ウドンゲにもいずれ分かるわよ」
「はぁ……それじゃ、失礼します」
「……本当に大事だったわ」
こんな状況を幻視する俺悲恋スキー
読みにくかったらスマソ
4スレ目 >>150
『永琳様、どのような実験でもお受け致す故、お側に置いて下され!』
…や、何人だよ。
4スレ目 >>163
えーりんに膝枕をして貰っている俺。
ふと、母親の事を思い出す俺。
唐突に軽いホームシックに見舞われ、涙を流す俺。
「今日は特別よ?」と言って頭を軽く撫でられる俺。
思わず涙腺が緩み、えーりんの膝の上で少しマジ泣きして格好悪い俺。
落ち着いた後柔らかい笑みを浮かべるえーりんを見て、思わず見とれる俺。
(男性は母親に似た女性に惚れるって本当なんだなぁ)とウトウトしながら思う俺。
次の日の朝、何時の間にか自分の布団の上で寝ている俺。
きっとえーりんが運んでくれたのだろうと解釈する俺。
(重かっただろうなぁ。母さんもえーりんも…)とちょっと悪い気がする俺。
押入れを開けて、中でスヤスヤと眠るえーりんを見て少し元気が出た俺。
押入れの下の段で寝ていた映姫様に勺でスネをぶっ叩かれて思わず悶絶する俺。
その日の朝、えーりんと映姫様が火花を散らせている中講義を受けにいく俺。
自分の思いの中だけでいいから、これだけモテてみたいものだ。
4スレ目 >>329-330
もう永遠亭で手伝いをしてどれほどになるだろう。薬師見習いとして八意先生の下で
実験台と言う名のモルモット生活を送って結構な時が経つ。八意先生はまぎれもない
天才ではあるが人格が・・・ちょっとアレな人だ。今その八意先生からのお呼びがかかったところだ。
「八意先生。なんの用ですか?」
「ん、来てくれたのね。実はまた新薬の・・・って逃げないの(はぁと」
言い終わらないうちに全力で逃げようとしたはずなのにコンマ一秒たつかたたないかの
うちに首根っこをつかまれ取り押さえられる。
「やぁねぇ~私がただの一度でも調合に失敗したことがある?新薬の理論が
間違ってたことがある?今回も完璧な出来だから大丈夫よ~」
「だから嫌なんです!前回はナイトメアの改良型とか言って発狂しかけるほどの悪夢が体感時間で
半年も続くし!その前は右腕が自由意志を持った兵器になるし!その前は宇宙意思と対話がで
きるようになるような薬だったじゃないですか!」
「改良型ナイトメアは実効果時間は三秒だし後者二つはおかげで大成功だったわ!」
「いばるな!」
「それだけ元気があれば大丈夫ね」
首根っこをつかんでいた手を顔面に写し鼻をつままれる。当然酸素を求め口は開かれる。
今回目に入ったのは小瓶に入った透明な液体。もっとも液体が入っているのを確認できた
のは口に流し込まれるまでの数瞬だったわけだが。ほんのり甘い。
「ゲッホゲホゲホ!な、何飲ませたんですか!」
「はい。そんなことより私を見る。」
「はい?」
「見・る。」
ぢ~・・・・
見詰め合うこと一分。何か期待したような表情。天才なのにどこか少女じみたような表情。
少し赤味が差した頬。心なしか目が潤んでいる。やっぱり美人なんだよな・・・。
「なんですか?一体。」
「なんにも起きない?」
「はぁ。特に。」
「ときめかない?」
「いや特に。」
少し強がってみたり。
「おかしいわね。この私に限って失敗なんて・・・材料も比率も手順も完璧・・・」
「・・・・?」
ふと気付くと先生の机の上には一枚の紙が乗っていた。間違いなく調合の手順書だ。
「ちょっと失礼。」
「あ、こら!勝手にもってかない!」
すぐさま取り返そうと抵抗されるがこれでも先生の下で修行した身。どんな薬か判別するには
一目見れば十分だった。
「これ・・・惚れ薬?」
「・・・・・!」
ポーカーフェイスを装ってはいるが明らかに狼狽しているのがわかる。こんな表情永遠亭に来て
から一度だって見たことが無い。
「なんでこんなものを?」
「・・・・」
「先生・・・」
「だ、だって私○○が好きなんだもの・・・でも好きって言って断られるのが怖くって・・・
私ずっとあなたを好き勝手使ってたし、ずっとわがまま言ってたし、それでも傍にいて
好きになってほしくって・・・ごめんなさいごめんなさいごめんなさい・・・こんなの間違っ
てるってわかってたのに・・・」
「材料も比率も手順も完璧ですね」
「でも・・・失敗・・・しちゃった。肝心な時にね」
「いや。完璧ですよ。」
「え・・・?」
「これ対象の恋愛感情ベクトルを全て飲んだ直後に視認した人へ向けるものでしょう?」
「ええ・・・流石ね」
「それじゃあ効果ないですよ。俺の持ってる恋愛感情は完全に十割一部の隙も無く徹頭徹尾
一切の無駄も無く先生のものです。飲んでも何も変わらなかっただけです。」
「え、え、え、え?」
「愛してますよ。八意先生。」
うつむいているので表情はわからない。しかし今言った言葉に一切の偽りは無く。ただ目の前の
人が愛しくて仕方なかった。本心を全てさらけ出してしまった今ただ立ちすくんでいるだけなど間
が持たず、思わず微動だにしないその体を抱きしめる。
「○○・・・」
「先生・・・」
「えーりんって呼んで・・・?」
先生。いやえーりんの方からも抱きしめてきて、お互いに抱きしめあう形になる。互いの心臓の音が
心地よく、俺はこのときほど永劫の時間を欲したことはなかった。えーりんの胸が当たって息子がの
っぴきならない状態だが今はそうも言ってられん。
「えーr」
「師匠ー?いますかー?」
唐突に部屋の外から呼びかける声がする。間違いなくウドンゲだ。・・・あとで報復が必要だな。いくら
なんでもタイミング悪すぎだろ!なんで今なんだよ!運命のイタズラか!?だとしたら真紅の大悪魔
にも報復を考えないと!
「う・・・ウドンゲ!今ちょっと立て込んでるから!あとにしてもらってもいいかしら!?」
「すぐ済む用事ですのでー。言われたとおり床の用意済ませてあります。あとさっき頼まれた砂糖水
余ってるようなら持って行っちゃいますけどー?」
……砂糖水?あれ?さっきの薬ほんのり甘かったけど気のせいだよな?さっきのアレって惚れ薬だった
んだよな?いや実際に調合したって証拠もないけどアレが惚れ薬じゃないとするとさっきの仕草も台詞も
表情も調合書も全部伏線ってことに・・・
「えーりん・・・?」
「あー・・・いやその・・・頭使うと糖分が必要に・・・って駄目?」
まるで恋する少女のようなあどけない顔で上目遣い。これに逆らえる雄などいるか?いやいない。
「愛してますよ。」
「へへ・・・私も。」
どう見ても一生尻に敷かれマンです。本当にありがとうございます。
4スレ目 >>361-362
(4スレ目>>239-240の続き)
――明朝。永遠亭。
「……zzz」
「○○、起きなさい。着いたわよ」
「……zzz」
「…………」
――ぷす。
「……うをっ!?」
首筋に鋭い痛み。割と本気で洒落にならないその痛みに、眠気眼も一気に覚醒。
蜂か何かに刺されたのか、と思い慌てて掃うも、何も無い。
「……気のせいか?」
いや、こういう台詞が出る時は、大抵気のせいじゃないんだけどな。
お約束って大事。
そして、そんな俺を笑顔で見下ろすのは えーりんさんこと八意永琳。
竹林から漏れ出る朝日と朝露が、その美しい笑顔と銀髪を引き立てる。
……俺の家の周囲に竹は一本も無いけどな。
ていうか俺。移動中に起きろよ。寝るときかけてた筈の毛布も無いし。
「おはよう。いい夢は見れたかしら?」
「お陰さまで。三人のスペカで家と一緒に冥界まで飛ばされた夢を。妙に現実感溢れる夢だったけど」
「あら、心外ね。本当に冥界逝きになっても、私の薬で引き戻してあげるわ。強制的に」
だから安心しなさい。と柔らかく笑うえーりんさん。
先日のアレやこの発言はともかく、こういう笑顔をする彼女は結構好きだ。綺麗だし。
そして、さっきまで見てたあれは間違いなく飛行中の夢だと思う。妙に浮遊感があった。
……しかし、えーりんさんはどうやって俺を運んできたんだ?
やっぱりおんぶ? だっこ? 俺も男だから、正直お姫様抱っこは勘弁。
「…………」
敢えて、締められたように痛む前首を無視しながら妄想。
服が微妙に伸びてるのも全力で無視。
(ま、現実なんてそんなもんさ。特に幻想郷じゃあな)
無意味に悟る俺。
今なら仏陀ともタメを張れる自信がある。
勿論嘘だが。
「で、なんで俺は此処にいるんですか? 永遠亭ですよね、此処。後、俺今日仕事あるんですけど」
目の前の和風建築を見ながら問う。
他の可能性もゼロではないが、竹林の屋敷と言えば他に思いつかない。傍にいるのがえーりんさんだし。
「三人の中で私が最初に起きたのよ。あのままだと大変な事になるでしょう? 仕事は張り紙してきたから大丈夫よ」
なんでもないように言うえーりんさん。
つまり修羅場が帰ってくる前に離脱しよう、と。
でもえーりんさん。これは強制拉致、誘拐だと俺は思うんだ。
「あらウドンゲ。ただいま」
聞いちゃいねえし。いや、口には出してないんだけどさ。
そして裏口から出てきたのは、丁度薪割りを終えたであろう、鉈を抱えた鈴仙。
……こんな朝っぱらでもやっぱりブレザーなんだな。まさか他の服は無いのか。
――ごとん。
不意に、鉈が、手から、零れ落ちた。
膝が震える。寒さに耐えるように両の手で自分を抱く。兎特有の長い耳が垂れる。顔面は蒼白を通り越して土気色。
まるで、悪夢を、絶望を、見てはいけないモノを見たかのような。そんな反応。
――その仕草自体は微妙に保護欲を掻き立てられるものの、残念な事に、次の台詞でそれも見事に吹き飛んだ。
「し、師匠が朝帰りで男の人と!? 嘘、うそですよね? ししょう……。うそだほいって、くらさい……。おながいですから……」
「「…………」」
ちょっと待て鈴仙。そのリアクションはありえない。
お前は自分の師匠を何だと思ってやがる。
「全く……これしきの事でうろたえるなんて。ウドンゲもまだまだ未熟ね」
瞬間、えーりんさんの姿が陽炎のように消えうせた。
だが俺は驚かない。だってえーりんさんが人外なのはいつもの事だし。慣れって怖い。
後、あれはうろたえる、というより錯乱と言った方がしっくりくる気がする。
――ぷす。
神業とも言える速度で背後を取り、左腕で首を絞め固定。
そして右腕に持った注射器を以って獲物(鈴仙)を一撃で仕留める。
多分に暗殺技術が含まれてそうな治療法だった。
「これでよし」
「あばばばばばば」
「……うわあ」
いい仕事したわー、と笑顔を浮かべるえーりんさんの前で、白目でガクガクと壊れたように痙攣する鈴仙。
正直このコントラストは怖い。夢に見そうだ。
投与したのは鎮静剤か何かだろう。効果がそうは見えない上、注射器の中身が紫色なのが気になるが。
「……って、○○さんでしたか。失礼しました」
激しく取り乱し、彼岸に逝っていたであろうものの、俺の顔を見るなり青い顔で微笑む鈴仙。さっきの寸劇は無かった事にするらしい。後遺症が無ければいいが。
で、それはいいとして、その安堵はどういう意味なのか。問い詰めてみたくもある。
まさか俺は彼女の“男の人”のカテゴリに入っていないとでもいうのだろうか。それはそれでショックだ。
結局、その日は一日永遠亭の姫、輝夜の話に付き合わされたり、てゐに騙されてえーりんさんの部屋に入り生死の境を軽くさ迷ったり、鈴仙の愚痴に付き合ったりと永遠亭で楽しく(?)過ごし、夜は俺に宛がわれた部屋で眠った。
深夜に咲夜と文が来たらしく、ドンパチの音が聞こえたがまあ詮無き事だろう。俺の家じゃないし。
――そして翌日。
「……あれ?」
目が覚める。
俺の家、ていうか俺の部屋だ。
いつ永遠亭から帰ってきたっけ?
不思議に思いつつもいつものように着替え、食事をし、仕事に行くために外に出る。
――がちゃ。
……ドアの向こうは、思いっきり屋内だった。永遠亭の。
「……いやいや、落ち着け俺。これは在り得ない」
夢、そうこれは夢なんだ。
だから早く起きろ。
いや起きてくださいお願いします。
目の前に佇む圧倒的な現実を否定し、藁にも縋る思いの俺の前に表れるのは、
「あら、おはよう。今日は随分と早いのね」
「俺はいつも早いんですよ……ってそうじゃなくて」
何処からとも無く現れるえーりんさん。
今の今まで誰もいなかったのに。
彼女なら“くうかんを きりさいた!”位は楽に出来そうだ。流石黒幕。
「えーりんさん。俺の家は?」
「そこにあるじゃない」
「いや、向こうの」
「無いわよ。そこにあるんだから当たり前じゃない」
随分と事も無げに言ってくれる。思わず閉口。
この人、マジで誘拐しやがったのか。それも家ごと。
「俺の仕事はどうすりゃいいんですか?」
「あら。ここからでも行けるでしょう? 飛べないなら教えてあげるわ」
確かに行ける。
元が紅魔館近所だからな。寧ろ人里に近くなった。
違う。そうじゃない。
「俺、今日からここで生活するんですか?」
「ええ。だってそこが貴方の家でしょう?」
成る程。概念的には確かにこのドアの向こうが俺の家だ。
そこ以外に俺の家は無い。
……違う。大事なのはそこでもない。
「……戻してくださいって言ったら無理ですか?」
「弾幕ごっこで私を倒してならいいわよ」
おk、物理的に無理。
「……最後に一ついいですか?」
「ええ」
「鬼ですか?」
「残念。愛に狂った月人よ」
6スレ目>>418
「ん、完成」
「何が出来たんだ?」
「服用者を強制的に発情期にさせる薬よ」
「今から被害者が哀れに思えてきたよ」
「まったくね」
れいせんは にげだした!
しかし まわりこまれて しまった!
「毎度のことながら不憫だなぁ」
「そう思うならたまには助けてよ!」
「君に命の危険がありそうなら考えるけどね」
「この外道!」
「はいはい、ジタバタしないの」
「いや~ッ!」
「……あ」
「私が、飲んじゃった」
「す、すいませーーん!」
れいせんは にげだした!
「むむ、これはマズいかしら」
「おいおい、大丈夫か?」
「とりあえず手近なあなたを頂きしょう」
「は? え!?」
えいりんは いきりたって ○○におそいかかった!
「ちょい待て!」
「おとなしくして、しばらく付き合って頂戴」
「嬉しい申し出だが却下! これじゃ不本意だ!」
「なによ、私じゃ気に入らないの?」
「いや、その……だな」
「なによ?」
「俺はお前が好きだ、だからこんな形では嫌なんだよ!」
「双方合意の下でなら、問題ないわよね」
「……は?」
「ごちそうさま」
「ハメラレタ」
「ええ、ハメましたとも」
「……下品だぞー」
「そっちじゃないわ」
「やっぱりハメてたのかよ!」
うpろだ89
―――12月25日博麗神社
酷い有様だ。酔いつぶれた少女達の屍が積み重なっている。
今日はクリスマス。例によって幻想郷の少女達は総出で宴会を開いていた。それも昨日のイヴからだ。
「……やっぱり、クリスマスともなると、凄まじいわね」
「……だからって、昨日から、ほぼ丸一日ぶっ通しで飲みつづける馬鹿がいますか?」
俺の問い掛けに永琳さんは深く溜息をつき、答える。
「いるわ。ここにいる連中みんな、よ」
爆睡している者、あるいは真っ青な顔で苦しそうに唸っている者。そして既に吐いている者とで、博麗神社の境内は地獄と化していた。
そんな中で、あのスキマ妖怪と亡霊の姫君はまだ笑いながら飲んでいる。恐ろしい。
「あらあら幽々子~、薬師御夫妻のお出ましよ~妬けちゃうわ~」
「そうね紫。羨ましい限りだわ~」
などとほざいているが気にしない。だが、永琳さんはそうはいかなかったらしい。
「どいて○○。邪魔。そいつら殺せない」
ちょー!永琳さーん!……俺は必死に止める。
「ムフフ。幽々子。あの調子じゃ○○、尻に敷かれるに違いないわ」
「○○には妖夢みたいな子が調度いいんじゃないかしら」
「いや、永琳みたいに引っ張って行くおねいさんタイプの方が良いかも知れないわ。つまりベストカッポー」
ああ……好き勝手言われてる……。永琳さんの怒りも限界のようだ。
「いい加減にしなさい!アポr」
「ストーップ!プリーズストーップ!」
……もう駄目だ、わけわからん。カオスだ。
どうしてこんなことになったのかというと……。
幻想郷に流れ着く前に、薬剤師の仕事をしていた俺は、幻想郷に来た際永遠亭の住人に運良く拾われた。
そこにいた永琳さんは、俺が薬剤師の資格を持っていると知ると、快く雇ってくれたのだ。
彼女曰く「多分うどんげよりは使える」だそうだ。
そして今日は、大きな宴会ということで万が一に備えて永琳さんと俺は永遠亭で待機していたというわけだ。
その後姫様や鈴仙の帰りがあまりにも遅いので、駆けつけてみればこの有様である。
「ったく、あの二人はどうにもならないわ。○○。貴方はとりあえず吐いてる連中にこれを飲ませなさい。
寝てる連中は平気だろうから放っておいていいわ」
ようやく落ち着いた永琳さんはそう言うと、大量の薬を渡してきた。……何か向こうの世界で見たことあるような?液キy(ry
「……わかりました。永琳さんは?」
この際細かいことはキニシナイ。
「重症の連中の治療に当たるわ。ではよろしく頼むわね」
そう言い残して永琳さんは屍の山に向かって消えていった。
(あれほど飲み過ぎには気をつけろと…一回死んだほうが良いんじゃないかしらこの連中)
とブツブツと呟いていたが、聞いてないことにしておく。
「ううう~、○○、ありがと、う……」
「助かった……」
とりあえず言われた通りに薬を投与していくと、流石八意印(?)の薬。次々と皆の容体が安定していく。
一通り投与すると、永琳さんが戻ってきた。実に不機嫌な顔だ。俺も疲れたよえーりんさん。
「疲れたわ……まったく。飲むなとは言わないから、適度に飲んで欲しいものだわ」
「……同感です」
酒は飲めども飲まれるな、だったか。よく言ったものである。
バタバタしているうちに、気がつけばもう一時間弱で日付が変わりそうだった。なんだかなぁ。せっかくのクリスマスなのに、ねぇ?
「○○。永遠亭に引き上げましょう。姫様達はここで寝かせておくわ。重症の連中も落ち着いたし、帰っても平気よ」
「そう、ですね。帰りましょう。疲れました」
「新年会はこれよりも酷い状況になるだろうから覚悟しておくように」
そんな殺生な……肩が重くなるのを感じつつ外に出る。
中で紫さんと幽々子さんがニヤニヤしながら手を振っていたが、キニシナイ。
永遠亭への帰り道。俺は空を飛べないので、永琳さんと歩いての帰宅だ。
妖怪たちもクリスマスを祝っているのだろうか。気配が全く無い。まぁ出てきたところで永琳さんにぶち殺されるのだが。
「悪かったわねぇ、貧乏クジ引かせて。貴方も参加したかったでしょ、宴会」
「いえ、あんな風にはなりたくないとです……」
素直に答える。あの風景はトラウマになりそうだ。
「ふふ。良い心掛けだわ……貴方がいてくれてよかった。とても助かったわ」
「はは、そう言ってもらえると嬉しいです」
沈黙。雪を踏む音だけが辺りに響く。
俺は、耐え切れずに口を開く。
「今年も、もう終わりですね。早いものです」
「そうね。本当に」
もうちょっと気の利いたこと言えよ、俺。はぁ。
雪が降ってきた。どこか向こうの世界の雪よりも綺麗に見えるのは気のせいだろうか。
永琳さんも空を見上げて、雪を眺めている。
「綺麗ね、雪。春になると溶けて消えてしまう儚いものだけれども、その儚さのおかげで綺麗に見えるのね」
以外にロマンチストなんですね。なんて言ったら殺されそうだ。
だが、目を細めて愛おしそうに雪を眺める彼女は、雪そのものよりもずっと綺麗だと思った。
永琳さんは俺が見ていることに気付いたのか、こちらへ目を向けたが、少し顔を赤くして目を逸らしてしまった。俺もそんな永琳さんを見て顔の温度が上がるのを感じた。
「○○」
「ななななな何でしょう?」
「……やっぱり何でもないわ。さ、行きましょう」
それからはお互い言葉を交わさなかった。
「ふぅー、やっとついたわね。炬燵にでも入って温まりましょうか」
「そうですね……あぁー生き返る。炬燵は良いですねぇ」
「まったくだわ」
そして、そんなこんなで、うだうだと永琳さんの愚痴(九割が姫様に対するもの)を聞いているうちに、気が付けば日付が変わっていた。今年も残すところあと五日だ。
「終わったわねぇ。クリスマス」
蜜柑の皮を剥きながら言う永琳さんは少し寂しそうだった。そこで俺は、宴会場でくすねた酒を取り出す。
「まぁまぁ、これでも飲みましょう。何でも、博麗神社に伝わる名酒みたいですよ」
「……実にナイスなのだけど、何で神社に伝わる名酒がワインなのかしらね」
……そういわれてみればおかしい気もする。
「ま、まぁ細かいことは気にせずに。ささ、飲みましょう……霊夢には内密に」
ばれたら殺されそうだ。
「構いやしないわ。当然の報酬だもの」
そう言うと永琳さんは持ってきたグラスにワインを注ぐ。良い香りが鼻腔をくすぐる。
「んー流石神社に伝わる名酒。良い香りね。綺麗な雪を見ながら美味い酒を飲むってのも、乙なものだわ」
「そうですねぇ……さて、少し遅いですが……」
「……そうね。来年は、もう少しマシなクリスマスにしたいわ」
同時にグラスを持つ。今年一年、無事に過ごせたことへの感謝、そして互いへの労いを込めて、二人の声が重なる。
「「メリークリスマス」」
チンッ と、グラスとグラスの当たる音が部屋に響いた。
―――ほぼ同時刻
「良い雰囲気ねぇ。でも、普通こんな状況なら押し倒すくらいしてもらわないと……イライラするわ」
「いやん下品よ紫。でも本当に良い雰囲気よ。羨ましいわあの二人。妖夢にも早く素敵な殿方が現れないかしら」
「……あの酒楽しみにしてたのに。ま、いいもの見せてもらったから良しとするか。まだまだ進展しそうだわこの二人」
博麗神社では紫と幽々子、そしていつの間にか復活した霊夢がスキマTVで○○と永琳の様子を実況中でしたとさ。
終
6スレ目>>826
「えーりん、好きだよっ!大好きだ!」
「ふふふ、本当かしら?」
「冗談でこんなこと言えないよ。」
「じゃあ…そうね、この弓で、この矢を打ってみてくれる?」
「???」
「貴方の矢心(やごころ)を見せて。
貴方の気持ちが強ければ強いほど、その一矢は強い光を放ち、
貴方の気持ちがまっすぐであればあるほど、
その軌道もまたまっすぐなものになるはずよ。」
「わ、わかった…」
(ゴクリ…)
「さあ、的はあそこよ。」
俺は精神を集中し、永琳の指す的を目掛け、
彼女への一途な思いを示さんとその一矢を放った…
(バキィ!)
「あら…♪」
「どうだ!」
その一矢は、その闇を切り裂く流星の如き光を放ち、
的に射るどころか、的を打ち砕く威力を見せた。
その威力も輝きも、まさに俺の彼女への思いを現すのに十分だった。
「うん、貴方の気持ち、十分に判ったわ。」
「それじゃあ…!」
「でも、何で5WAYショットが出たのかしらね?」
「(´∀`;)」
うpろだ240
答え② えーりんがきて助けてくれる
「……え?」
―――― 一瞬の油断。
気づいた時には、俺の左腕から先がなくなっていた。
「ぐ……ああああああああああああああああああッ!!!」
苦痛の叫び声をあげる俺の前に、勝利を確信した捕食者が近づいてくる。
「わはー♪」
嫌だ……
「おいしいー」
来るな……
「いただきまーす!!」
「―――― ッ!!」
その時、それは死ぬ前に見ると言われる走馬灯の一場面だったのだろうか
ふと、永遠亭にいた薬師のことが頭に浮かんだ。
以前、彼女に『危なくなったら私を呼ぶように』と言われたことを思い出す。
だから、俺は ―――― 最後の力を振り絞って叫んだ。
「たすけて! えーりん!!」
そして
「下がりなさい、小娘!」
その場に響く凛とした声が響いた ――――
―――― 天呪「アポロ13」
ド ゴ ォ ォ ン ! !
「はわーーーー!」
ルーミアが「アポロ13」を直撃で喰らい吹っ飛ばされる。
だが、俺にはそれを確認する力さえも残されていなかった。
「う……」
「しっかりしなさい! 今、手当てするから!!」
「永琳…さん……? ……助かった…ぁ……」
「目を開け…! 死な…いで!」
目が霞む
周囲の音がだんだんと聞こえなくなっていく
俺…死ぬの…かな……
そして、俺の意識は深い闇のなかへ落ちて行った
・
・
・
「う……」
ひどくだるい気分の中で、俺は目を覚ました
俺、何をしてたんだっけ?
思い出せない……
「…おはよう、気分はどう?」
「永琳さん……?」
ってことは……ここは、永遠亭?
「左腕は義手にしておいたわ。他に、どこか痛むところはない?」
俺は左腕に目をやると、そこには俺のものだった腕ではなく、作り物の腕があった。
血の気が引くと同時に、俺は 俺に何が起きたのかを思い出す。
「左腕……が……」
俺は、ルーミアに左手を喰われて……
「……」
いきなり足元がガラガラと崩れ去っていくような感覚を味わっていた。
そして、打ちひしがれる俺に、永琳さんが――――
「あなたは、少し軽率すぎるわ」
「え…?」
その時になって、俺は初めて彼女の様子がおかしいことに気づく。
顔がやけに青白く、生気がない。
だけど、そんなことを全く気にせずに永琳さんは――――
「いくら夜雀を助けるためとはいえ……あなたが死んでしまっては何もならないでしょう!?」
予想もしていなかった強い口調で責められ、口を挟むことができない。
永琳さん……本気で怒っている。
「あなたは、なんの力もない普通の人間なんだから! もっと、自重しな…さ…………」
永琳さんの言葉は最後まで続かず……彼女はそのまま前のめりに倒れてしまった。
「え…永琳さん!?」
ベッドから飛び出て永琳さんを抱き起こす。
だが、かなり顔色が悪い……というよりも蒼白だ。
その時、部屋の外から声が響いた――――
「―――― 師匠、○○さんの看病は私がやりますから、いい加減に休ん………って、し…師匠!?」
鈴仙が入ってくるなり、倒れた永琳さんに驚愕する。
彼女はすぐに永琳さんを俺が寝ていた寝台に乗せて、簡単な診察を行う。
そして……
「……ただの過労ですね。ここ十数日間 ほとんど寝ずにあなたの看病を行ってましたから……」
「ほとんど寝ずに……!?」
「ええ…」
永琳さんが やつれ果てていたのはそのためだったのか……
俺は……何をやっているんだろう。
みすちーを助けようと、自分の実力に分不相応な道を選択し。
こんなにも、俺を心配してくれている人に迷惑をかけて。
苦労をかけさせて。
心配をかけさせて。
悔しさとともに、俺の中にふつふつとある感情が湧きあがってくる。
そして、その感情とともに俺はあるモノを欲した。
「鈴仙さん…ひとつお願いがあります」
「はい、なんですか?」
「俺に、この世界で戦う術を教えてください」
「え?」
「俺、強くなりたいです。永琳さんに心配をかけないような……いいえ、逆に守ってあげられるくらいの力が欲しいんです」
もう、二度と永琳さんを心配させたくない、そして、迷惑をかけたくない。
この幻想郷は、弱肉強食の世界……それを俺は今回のことで痛いほどに理解した。
この世界で、生き抜くためには強くならなければならない。
俺を助け 自分が倒れるまで心配してくれた、永琳さんのためにただひたすら強くなりたかった。
「……師匠を…守ってあげられるような……ですか……」
「はい…!」
「……苦しい道のりになりますよ?」
「構いません!」
「病み上がりなんですから、体が回復してからでも……」
「鈴仙さえよければ…今すぐお願いします!」
「……」
鈴仙が少し考え込む。
その表情には、どこか寂しげなものも含まれてはいたが……俺は気づくことはなかった。
「……わかりました、そこまで決心が固いなら――――まずは、基礎体力作りから! 永遠亭の周囲50周です!!」
「はいっ!!」
・
・
・
○○が勢いよく走り去って行った数秒後。
「ここぞというときの意思は一人前ね……」
眠っていたはずの永琳が呟く。
「師匠……起きていたんですか?」
「ええ」
先ほどに比べると永琳の顔色もやや良くなっていた。
「しばらく休めば、本調子に戻れそうかしら」
その時、永琳を見ながら……鈴仙がぽつりと呟く。
「……師匠が…うらやましいです。あの人に守ってもらえて……」
その時の鈴仙の顔を、たぶん永琳は忘れることはないだろう。
彼女の、嫉妬と悲しみがないまぜになった表情を――――
「ウドンゲ…あなた、あの子のこと」
「いいんです! それより、師匠…あの人のこと、見捨てないであげてください……!」
「ウドンゲ……」
「私は……あの人が望む力を与えてあげられれば……っ!」
それ以上、鈴仙は言葉を紡ぐことができなかった。
密かに淡い思いを抱いていた男に、自分自身が守られたかったという無念の想いの涙を流す。
「残念だけれど……ある意味では 見捨てることになるわ」
「っ! 師匠!?」
失望の声をあげる鈴仙。
「ウドンゲ、勘違いしないで」
「え……?」
「あの子は、ずっと私が守ってあげなければと思っていたけれど……でも、その必要はなくなったの」
永琳は笑っていた。
その表情は母親が子供の成長を期待するような笑み。
そして、一人の女性が愛する人の成長を期待するような笑みだった。
「いつまでも、待っててあげるわ。辿りついて見せなさい……私の高みまで」
・
・
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数年後 ――――
「姫様は大丈夫かしら?」
「ああ、防御結界を何重にもかけておいたから、あっちは心配ない」
永遠亭に正体不明の集団が攻め込んでいた。
それも異常と言えるはずの数が攻め込んでいる。
―――― えーりんさまぁ! ○○さまぁっ! 大変ですよぅ! れーせん さまがやられちゃいましたぁ!
「――――!」
伝達係の兎から連絡が入る。
あまりに敵が多すぎて 鈴仙 では抑えられなかったらしい。
「ウドンゲ がやられるなんて……」
「ああ、でも 鈴仙 や他の兎達の命なら大丈夫だよ。倒される直前に 全員転送用の術で逃がしておいているから」
そして、転送先は永遠亭の医務室。
まあ、今頃 医療担当の兎たちが怪我の治療でてんやわんやしているだろうけれども。
「ふふ……相変わらず抜かりがないわね」
嵐の前の静けさ。
鈴仙が倒された今、えーりんと俺が待ち受けるこの場所に敵が来るのも時間の問題だ。
身を削られ、血反吐を吐きながら…左腕がないというハンデを抱え、それでも諦めずたどり着いたこの場所。
こうやってえーりんと一緒に肩を並べて戦えている姿。
何度、夢に見たことか。
「そういえば……」
「ん?」
「前から気になっていたけれど、あなたの弾幕やスペルカードは かなり防御に特化したものになっているのよね……なぜなのかしら?」
えーりんの言葉どおり、俺が長い研鑽ののちに得ることができた弾幕やスペカは防衛、回復、支援に特化……いや、極化していると言ってもいい。
何故か?
答えは簡単。
「俺の目的は、えーりんと俺自身を守ること。攻撃する分の弾幕やスペカはいらないよ」
「……質問ついでにもう一つ答えなさい」
何故か頬を赤く染めているえーりんが二つ目の質問を出す。
「なぜ、左手を再生させたのかしら? 私の作った義手に、何か不満でもあったの……?」
俺は自分の左手に目を向ける。
ルーミアに喰われた俺の手は今や完全に元の形を取り戻していた。
かなり手間がかかったが……自分の力だけで自分の腕を再生させることに成功したのだ。
ただ、別にえーりんの作ってくれた義手に不満があったわけではない。
正直、えーりんが作ったの義手はかなり性能がよく、下手をすれば元の腕よりも動きが良かった。
では、なぜ腕を再生させたかというと……
「不満なんてなかったよ……でもさ」
えーりんを抱きよせ、唇を奪う。
「ん……っ!?」
最初は頑なだった彼女の体は、次第に次第に力が抜けていき…2秒も経つ頃には、彼女は俺にキスされるがままになっていた。
たっぷり30秒も抱擁と口づけを交わしたところで、俺は彼女を解放する。
「こーやって、えーりんを生身の両腕で抱きしめたかったからね」
「………ばか…」
真っ赤になっている えーりんが可愛い。
彼女のこんな姿、数年前までは誰一人見ることは叶わなかっただろう。
俺だけが、見ることを許される姿。
「惚れてくれるかい?」
「……ええ、惚れすぎて おかしくなりそうなくらいにね」
えーりんが、俺の首に両腕をまわし、しなだれかかってくる。
「頼りにしているわ、○○」
「ふふ、えーりんに頼られるような男になれて嬉し――――」
『『『ウオオオオオオオオオオ!!』』』
怒号とともに膨大な数の敵が向かってくる。
「……」
「……」
しばし沈黙、そして――――
「……10秒でコナゴナにしてくれる!」
「いいえ、3秒よ……」
人の恋路を邪魔しやがって。
馬に蹴られて死んでしまえコンチクショウ!
「背中は預けたわよ」
もう、助けを呼ぶことはない。今度は俺が彼女を ――――
「ああ、預かった」
―――― 守る番だから!!
えーりん Guardner End「たすけてあげる! えーりん!」
……すべてのルートを制覇したあなたの前に、新しい道が開かれます。
Try to Extra Stage !
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うpろだ283
「そーらーを自由にとーびたーいな」
「はい。なんだかよくわからない薬」
そう歌いながら永琳の部屋に飛び込んでいったら、即座に薬を渡された。
もしかしなくてもこの女はエピタフ持ちなのではないのかしらん。
「……何の薬?」
「さあ。今出来たばかりの薬だし」
そういってぐぐっと手を差し出してくる永琳。
これは飲めということか。
「あ、俺用事思い出したから」
「あなたに特に仕事を頼んだ覚えは無かったけど」
言いながら更に腕をずずっと伸ばしてくる。
「鈴仙に仕事の手伝いを頼まれて」
「バンジステーク作りはやめなさいと言っておいたわよ」
そういって膝立ちで寄ってくる。
「あとてゐに新ネタ考案も頼まれてて」
「これを飲めば浮かんでくるかもしれないわねえ」
言いながら体を寄せてくる。
「いや、姫にACで対戦するように言われてるのよ」
「あらそう。じゃあブレーカー落としましょう」
「そこ切っちゃうの!?」
瞬間、バチンという音とともに部屋に点っていた緑色が消える。
ついで今つけたNMR-CTのコンソール画面、これがブレーカー落ちの原因だろう、も消える。
対してどこかから悲鳴のようなものが起こり、どたどたという足音が起こり、水音が起こった。
「あの……今姫が……」
「まあいいじゃない。さあさ、ぐいっといっちゃって」
「いや、アレはさすがにまずいんじゃ」
「ほらほら一気にいっちゃいましょうよ」
「見てきたほうがいいんじゃないですか? っていうか見てきます」
「何時までも薬飲まないと、こうしちゃうわよ」
そう言うと、永琳は薬をおもむろに口に放り込むと水を含み、空いた手で俺の鼻とあごを押さえつけると、
呼吸のために開けた口にまた口をつけ、そのまま薬と水を流し込んだ。
「おま、なにを……」
「ふふふ。これで次に起きたとき、あなたは……」
「起きたら何だよ! 何がおk」
「あらもう寝ちゃった。この薬大分効きが早まったかしら」
………………
…………
……
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ああ、こんな幸せな気分は初めてだ! 。
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し し ~ 幸せ回路作動中 ~
……
…………
………………
「何じゃ今のは!」
がばっと起きる。
「おはよう」
動ぜず応じる永琳。
「おはようじゃないわい。ありゃ胡蝶夢丸か!」
「いいえ胡蝶夢丸NEOよ」
「どう変わったのさ」
「名前。あと薬効薬理ね」
「それはひょっとして別の薬って言わないか?」
いや、ひょっとしないでも別物だろう。
「じゃあ胡蝶夢丸EXにしておくわ」
「何がじゃあなの? 文脈に合ってないでしょ?」
「あら、DXのほうがよかった? それともSUPERとかのほうがお好みかしら」
「つける単語の問題じゃなくって、効果が違うんなら違う名前にしてよ」
息を切らしながら言う。何でこんなこと力説せにゃならんのだ。
「まあそれはそれとして」
「さらっと流さないでくれまいか」
「何か体におかしなところは無い? 火照るだとか漲るとか」
「特にそう言うのは無いなあ」
「そう? もうそろそろ効く時間なのに」
「何が効くのさ」
「もうひとつの効果よ」
笑みを崩さずに言ってくる永琳。正直かなり不気味である。
「だからもうひとつの効果って何なn」
すべて言い切る前に永琳にチョップを食らう。
対して痛いわけでもない一撃は、しかし体の自由の全くを奪い去った。
「あらどうしたの? 体が動かないの?」
「永琳?」
どうやら口は動くらしい。これだけ動いてもしょうがないが。
「ならこっちの部屋で一緒に休みましょう」
「あの……永琳さん?」
「しんぱいしないでもちゃんとかんびょうしてあげるわようふふ」
なにやら永琳の目付きがおかしい。これはヤバイ。
「メディコ! メディコ! 永琳が壊れた!」
「だいじょうぶこっちがかんごしつよすぐにかいほうしてあげるわ」
そうだここは医務室兼備の場所だった。
ざんねん!! わたしの ぼうけんは これで おわってしまった!!
7スレ目>>824
「お前のためなら人としての生をすてる覚悟だ」
最終更新:2010年05月28日 22:50