輝夜4
8スレ目 >>5
ホーホー
○「いい月夜だな」
輝「そうね、こんな夜にはこうして静かに飲むのが一番ね」
ある月の綺麗な晩、俺と輝夜は二人だけで月見酒をしていた
永琳さん達は神社の方で宴会をしているだろう
○「宴会もいいけどやっぱり俺はお前とこうやってサシで飲むのが一番だな」
輝「あら、嬉しい事言ってくれるじゃない、さあさ、もう一献どうぞ」
○「ありがたく頂戴します」
そういいながら俺の杯に酒を注ぐ輝夜、月明かりの所為かその姿はまさに月の姫君であった
トクトク
○「グッ……ぷはぁー!只でさえうまい酒が愛しい人に注いでもらうと更に美味くなるな」
輝「もう、上手い事言ってもっとお酒が欲しいんじゃないの?」
○「いやいや、本当に美味いんだって、輝夜も一杯飲んでみろよ」
トクトク
輝「ックックック……ふぅ、確かにおいしいわね
でも、もっとおいしいお酒の飲み方があるんだけど試してみる?」
○「ああ、興味あるなやってみてくれよ」
輝「じゃあそのままでいてね……」
クピリ
そういうと輝夜は酒を口に含みそのまま俺に口づけをした
○「f杖wfぼwrgぺrwgへうfgh4ほえw!!!??」
輝夜の唇の感触を味わう暇もなく俺の口の中に生暖かい酒が入ってきた
○「ん、ふぅん……ぷはっ!はあはあはあはあ……」
輝「ん……どう?おいしかったでしょ?」
○「ああ、極上の酒だ、輝夜もどうだ?」
輝「勿論悦んでいただくわ」
そう言って笑う輝夜の唇にそっと口づけをした
まだ、夜は長い
8スレ目 >>47
万年引きこもりの姫が最近よく外出するようになってきている
妹紅と殺し合いをしているのかと思っていたが、服が無事な所を見るとそうではない様だ
むしろ最近は妹紅との殺し合いの回数は目に見えて減ってきている
姫にどのような心境の変化があったかは知らないがいいことだと思う
そう思ってたのが昨日のことで今日の姫は朝から台所に入ってなにやら弁当を作っているようだ
「ねえ、永琳男の人ってどんなおかずなら喜ぶかしら」
「……もしかして最近外出するようになったのはその男性が原因ですか?」
「そうよ、もしかしたら近々ここに連れてくるかもしれないからその時はよろしくね」
「好き、なんですか?」
「ええ、好き、大好き、愛してるわ
長い時を生きてきたけどこんなにも男の人を愛したのは初めてだわ」
「その彼は姫のことを知っているんですか?」
「知ってるわよ、○○とは妹紅との殺し合いをした後で会ったのよ」
そういえば姫がよく外出するようになったのは最後に妹紅と殺し合いをした時だ
おそらくその○○という男性に殺し合いの現場を見られてそこで姫が一目ぼれをした、といった所か
それにしても殺し合いの現場を見て不死の人間を見たというのに
○○という男性は良く普通に姫と接せられるものだ
「○○さんは姫のことが好きなんですね」
「ええ、いい人よ永琳やイナバ達もきっと気に入るわそれじゃあ行ってくるわね」」
そうそう蓬莱の薬、必要になるかもしれないからその時はお願いね」
「分かりました、それではいってらっしゃいませ」
さて、ウドンゲや他のイナバの子達に一人増えることを伝えに行きましょうか
それと蓬莱の薬も作らないと
8スレ目 >>70
「愉しいわ」
姫様の声は心底うれしそうだった。
「愉しいですか」
その時の自分の声色は、おそらく不機嫌を直に出したような
そんなものであったはずだ。
姫は私がそんなとき、決まって、からかうように言うからだ。
「ええ、とても愉しいわ。貴方はそう思わないの?○○」
つまり、その言葉は私が心底滅入っているようなときに使われる。
例えば今、私の首には真新しい、赤い革製の首輪が装着されており
灯篭に照らされた銀色の金具の照り返しは、妙に妖しい雰囲気を醸し出し
その首輪から伸びるリールが、姫様の手に握られているのだ。
場所は廊下、それも厨房と食卓を繋ぐ部分である。
姫様と私は、晩餐に出向くために歩みを進めているのだが、
よりにもよって、そんな時に、こんな場所を歩けばどうなるか
私も、おそらく姫様も、口に出しこそしないが、理解していたろう。
「私は不愉快です」
あまり姫様に、というよりも、女性に対して強くものを言うのが
得意な性分ではないのだが、そのとき私ははっきりと告げた。
「不愉快?」
姫様の歩行が停止した。その長く、美しい髪が揺れ、端正な御顔が
こちらを向く。
私はこの時の姫様の表情をどう表現したものか迷う。
嘲っているようであり、同時に自らの不満に同意を求めるような
そんな眼で、姫様は私を見つめていたのだ。
灯篭に照らされたその表情は妙に艶かしく、私は一瞬言葉を続けるのを
躊躇ったが、ようやく出た搾り出すような声に対して、姫様は
「・・ええ、私が恥ずかしいのも勿論ですが、姫様が―」
「それは」
姫様の右の人差し指が私の唇を封じた。左手はリールを掴んでいるからだが
その右人差し指は、まるで蛇か蝸牛が這いずるがのごとく
「なぞる」というよりはもはや「なじる」というべきような積極性でもって
私の顎を、喉を、胸を伝い、そしてそこで右に回り、来た時よりもやや
横にずれた軌跡をとりながら、私の頬に戻った。
「いいの」
姫の細い指が私の首筋を伝うだけで、私は反論する気力、勇気、使命感
それらをすべて奪われた気がした。
姫様の手は冷たく、その接触はくすぐったかったが、同時に私に
何か後ろめたい悦楽を与えもした。
よくわからないが私は既にその虜であり、ものを考えるのも困難だった。
「・・・いい・・の、ですか?」
答えはすぐには返ってこない。姫様は私の頬で少しの間遊ばれていた。
あるいはそれだけであれば、死力を尽くして『もうおやめになってください』
の一言くらいはなんとかなったのかもしれない。
だが、腕一本の距離にある、姫様の、だが普段の姫様のものではない眼が
私を束縛していたのだ。
数分ほどもそうしていたように感じたころ、ようやく姫様の唇が開いた。
「そう。だから」
私の頬を撫でていた姫様の手は、あたかも名残惜しむかのようにゆっくりと
私の首筋、そして肩口を伝ってから、主の元へ帰っていった。
「○○、食事にいきましょう」
そしてその手が戻るのと時を同じくして、姫様の眼からも、あの不満の色は
消えうせ、からかうような、自分の玩具を弄り回すような、いつもの顔に
戻っていた。
私は姫様の曳くリールに抗うなど、もはや考えもしなかった。
8スレ目 >>309
「○○~、○○~」
はいはい、何ですか姫
「○○、ギュッてして」
・・・さっきもしましたよね
「さっきのは前から、今度は後ろからギュッて抱きしめてほしいの」
いえ、まだ仕事が残って
「ダメ?」
ぐっ! しかし・・・
「・・・この頃 仕事が増えたんじゃない?」
それは、出来ることが増えてきましたから
「うん、それは良い事だと思うの。でも、私は○○ともっと一緒にいたい」
姫・・・
「○○にもっと甘えたいの。この長い時の中でただ一人愛した貴方だけに」
・・・・・・ふぅ、今日はとてもいい天気だ
「え?」
こんな日は 一日縁側でのんびりとお茶を飲みたくなる
「・・・」
一緒にのんびりしようか、輝夜
「うん!」
8スレ目 >>370
しとしとしと。雨が落ちてくる。
「雨……止みませんね…」
「そうね」
ぽつぽつ。雨が笹の葉を揺らす。
「ねえ、○○知ってる? 七夕の夜に降る雨をね、洒涙雨っていうの」
「さい……るいう?」
「そう、洒涙雨。天の川が水で一杯になっちゃって、
会えない事に悲しんだ織姫と彦星が流した涙だって言われてるわ」
僕は輝夜さんの横顔を見る。蒼い横顔。
「輝夜さんは……悲しくないんですか?」
「悲しいって?」
「月に置き去りになった家族のこととか……」
「ふぅ……ん? 優しいのね」
輝夜さんが僕の方を向く。黒の瞳に、僕の顔が映っている。照れた顔をしている。
「そんな……優しいだなんて…」
「……んて、ないわ」
「え?」
「悲しくなんてないわ。って、言ったの」
ふ、と。輝夜さんが微笑んだ。妖艶な笑み。濡れた唇を盃につける。それを、僕に差し出す。
「――はい、○○も飲みなさい」
「え……と、輝夜さん…………?」
「嫌なら直接しましょうか?」
「あ……え…っと、……いただきます」
輝夜さんが注いでくれたお酒を、ぐいと飲んだ。慌てて飲んだから、僕は咳き込んだ。
それを見て、輝夜さんが笑う。輝夜さんが笑うと、僕も笑う。
「ささ、次も飲みなさい」
「酔っちゃいますよ……」
「そうしたら私が膝枕してあげるわ。…さ、盃を出して」
僕は盃を差し出す。透明な酒が、曇った空と、笑顔の輝夜さんを映す。
しとしとしと。空から涙が落ちてくる。
僕は来年織姫と彦星が会えることを祈りながら、盃をあおった。
夜はまだまだ長い。
8スレ目 >>593
永遠亭に迷い込んだ○○
輝夜に気に入られて「ずっとここに居て良いのよ、守ってあげる」
しかしそれは相方を作ろうと目論むネトゲ廃人てるよの巧妙な罠だったのだ!
なんか違うけどま、いいか。
8スレ目 >>607
ある日の永遠亭にて。
「なぁ、輝夜」
「何? ○○」
「結婚しないか?」
「……え!?」
「俺のキャラとお前のキャラ」
「………」
「うわっ、ちょ、何だよ、叩くな、っておま、スペカは洒落に(ry」
8スレ目 >>619
いとおしき
永遠(とわ)を生きたる
おひめさま
その我儘は
あなたを求む
「うぅ~ん、平安のやりかたはこっ恥ずかしいな」
「あらそう?私は好きよ。今度は私が上の句を読む?」
「今度は俺が返歌かよ!難しいなぁ」
永遠の
果てまでおもふ
愛の夢
正夢となり あなたに届かん
「〇〇、もうちょっと捻ってよ」
「えー、いいじゃんか。俺なりに愛を全力投球してるんだぜ」
「……ばか//」
8スレ目 >>655
気がついたら おなじ
相手とばかり そして
いつも おなじパターンで死ぬ
あきらめずに 廃人TERUYOに 挑戦するけど
すぐにPKKされるよ
激レアアイテムがあれば
戦わなくてもいいけど
何回やっても 何回やっても
TERUYOがたおせないよ
あの攻撃 何回やってもよけれない
ギルメン使って うちつづけても
いずれは各個撃破される
ポット連打も ためしてみたけど
廃人相手じゃ 意味がない
だから次は絶対勝つために
僕は結婚アイテムだけは最後まで取っておく
8スレ目 >>738
「久しぶりね」
「これは……姫様……お久しぶりでございます。相変わらず月よりもお美しい……」
「ありがとう。そういうあなたは少し老けたわね」
「少し……そうですな。はい、少々老けましたな」
「えぇ、ほんの少し」
「それにしても申し訳ありません、この有様では何のお構いも出来ません」
「気にしなくていいわよ」
「安心いたしました。また以前のように難題が降りかかってくるものかと」
「そんなこともあったわね」
「えぇ、ありましたとも。大変なことも多かったですが楽しい日々でございました」
「私もよ」
「有難きお言葉」
「で、どうするの?」
「そうですな、できればこのまま……」
「そう」
「わざわざ足をお運びいただいたというのに申し訳ありません」
「いえ、なんとなくわかっていたもの」
「流石でございます」
「褒めても何もでないわよ」
「存じておりますとも」
「それもなんだか癪に障るわね。私が吝いみたい」
「そんなこと……」
「いいのよ。あなたの気持ちに気がつきながら……自身の心に背いた報いだもの。安いくらいだわ」
「申し訳ありません」
「許すわ」
「有難き幸せ」
「では、また会いましょう」
「見つけてくださるので?」
「見つけなさい。何が何でも。
前世の記憶がなかろうとも。人でなかろうとも。それがあなたに課す最後の難題よ」
「難しそうですな」
「難題ですもの」
「ふふ……生きがいが出来そうです」
「ええ。いつまでも待っているわ。
それじゃあ、私の愛したあなた……お休みなさい」
「はい、私の可愛いかぐや姫。お休みなさいませ」
9スレ目 >>457
「輝夜さま、今晩はいきなりどうしたんですか?」
「ん? あぁ、晩酌?」
「そうです。普段はイナバに頼むのに」
そういいながら俺は輝夜様の差し出した杯に酒を注ぐ。
一息にそれを飲み干して、輝夜様はため息をついた。
「いい加減に気付いてくれないかしら……って思ったの」
「は? どういう……?」
「はぁ、鈍感ね。ヒントをあげるわ、考えなさい」
こほん、と咳払いを一つ輝夜様はした。
そして、朗々と歌を詠みあげる。
「"秋の夜の月の光はきよけれど
人の心の隈は照らさず"」
「……相変わらず美しいお声ですね」
「褒めてないで考えなさい。全く……鈍感なんだから」
また、ため息を一つ。乱暴に杯を俺に向ける。
俺は杯に酒を注ぎながら、言った。
「意味は……存じております」
「え?」
「だから、その和歌の意味は存じております」
「え……冗談おっしゃい、貴方が何で知ってるのよ!?」
「以前輝夜様が口ずさんでおられたのを聞きまして。意味を自分で調べたのです」
笑顔でそこまで言った。段々と輝夜様が赤くなっていって、終いには俯いてしまった。
「知ってるなら……分かるわよね」
「はい、それはもう十分に」
「じゃあ……返して」
「返すって……返歌ですか?」
「そう。きちんと返してちょうだい」
これはしまった。返歌なんて考えていなかった。
少ない知識をひっくり返して、歌を詠む。
「"いつとても恋しからずはあらねども
秋の夕べはあやしかりけり"」
「……………………」
「……どう…ですか…………?」
「…………へったくそ」
「勘弁して下さい……。勉強不足でして」
「じゃあ私のところで勉強なさい」
「それって、いつもと変わらないんじゃないですか?」
「確かにそうね」
小さな小さな俺たちの笑い声が真っ黒な空にとけていった。
9スレ目 >>826
「姫様? 何してるんですか?」
「ちょっとね。……ふふふ、これで良し。反応が楽しみだわ」
「まぁ~たネットですね? 夜更かしはいけませんよ」
「あら、肌が荒れたくらいじゃ○○は私のことを嫌いにはならないでしょ?」
「そんなことくらいじゃなりませんけど……。迷惑かけちゃいけませんよ」
「そうだけど……幻想郷で一番のカップルは私と○○だもの。それだけは譲れないわ」
「そうですね。…じゃ、もう寝ますんで。姫様はどうします?」
「私はもう少し反応見るわ」
「そうですか。じゃあ、お休み」
「あ、ねえ! 寝る前にキスしてあげる」
「あ゛~、いや、寝る前にそれはちょっと……」
「添い寝?」
「いや、ですから、そんなことをされたら悶々として寝れないじゃないですか」
「本望じゃない?」
「確かにそうですがっ!」
「分かったわよ、じゃあキスだけね」
「――んむ゛っ!? ……ぷはっ。いきなりは止めてくれよ…」
「悶々とする? ねえ、する?」
「ああ、するな」
「じゃあお布団へ行きましょ。めくるめく大人の世界よ」
「反応見なくていいのか?」
「○○の?」
「ちがうっ!」
10スレ目>>484
永遠亭宝物殿
隠し部屋の奥には豪奢なベッドで眠る少年
その傍らに、蓬莱山輝夜は佇んでいた
「今晩は、○○……」
輝夜は穏やかに囁き、少年の頬を撫でて唇を重ねた。
満足げな笑みを浮かべると彼に覆い被さり
恍惚とした表情で彼の寝顔を見つめる。
「美しいわ○○
……そう、貴方は美しいまま眠り続ける」
それは輝夜の永遠を操る能力
彼女の能力に囚われた彼は、年を取ることも死ぬこともなく
ただ、眠り続ける
「愛おしいわ○○
……貴方を誰にも渡しはしない」
彼の存在を知るものは居ない
ただ一人、輝夜を除いては……
「私のエンデュミオン……決して貴方を喪いはしない」
月明かりさえ届かない薄暗い部屋、輝夜は少年の衣服を丁寧に脱がせていく
永い年月、彼はずっとそうやって愛されてきた。
そして、彼女に愛され続ける限り、彼が目を覚ますことはない。
永遠に……
11スレ目>>364
輝夜、永遠を生きるお前にとって例え須臾の間であっても隣に居させてくれないか?
11スレ目>>717
○「輝夜、正月といえばなんだ!?」
輝「正月といえばお雑煮に凧揚げでしょう。今更何を…」
○「ちっがーう! 正月といえば姫初めに決まってるじゃないか!」
輝「姫初m……///」
Who's Raw!? Who's Sick!?(12スレ目>>807 うpろだ885 )
【Who's Raw!? Who's Sick!?】
俺が幻想郷に迷い込んでそろそろ1年。
所謂“昔ながら”の生活にも大分慣れてきたところだ。
博麗の巫女やワーハクタクの慧音さんには帰る事を勧められたが、結局俺は幻想郷に残った。
今更外の世界には戻れない。
“落雷を操る程度の能力”の持ち主なんかが外の世界に居ても迷惑なだけだと自覚している。
(ちなみに“雷を呼ぶ”訳ではない。雷雨の時にしか仕えない微妙な能力だ)
こっちに来たお陰で能力の制御も上達したというのもあるし、俺を受け入れてくれた幻想郷に恩返しもしたい。
それに。
「○○、遅いわよ。まったく、相変わらず時間にルーズね」
「この竹林って何回来ても迷うんですよ。そこまで言うなら目印でも立てて下さいよ、姫」
「自分で立てなさい」
「酷いな」
永遠亭のお姫様と仲良くなれた。
彼女に出会って“帰りたい”と思わなくなったし、彼女も帰らせてはくれないだろう。
まぁそれでも――いずれ別れは来る。
彼女は不老不死ではあるが、俺の死は流石に避けられないから。
……その辺の話をしたら本気で泣かれてしまった事があった。
慰めるのに七時間を要したのも、今となっては良い思い出……だ。恐らく。
「さて、○○。貴方を今日呼んだのは他でも無いわ。もうすぐバレンタインデーね」
「あー、そうですね。俺が来たのは弥生の月でしたから、こっちでその行事が来るのは初めてですよ」
「流石“元”外界人ね。話が早いわ。あのね、バレンタインデーには……」
「俺にチョコをくれるから楽しみにしておけ、と?」
「惜しいわ。貴方が作るチョコを永遠亭一同楽しみにしてるわ。頑張ってね」
「惜しいどころの話じゃないですねぇ!!」
流石は輝夜姫。ワガママ具合も超一流だ。
かつて『五つの難題』を出された貴族達に同情する。菓子を用意するだけで済む俺は恵まれてるのだろうか。
とはいえ、目の前に座って楽しそうに笑う彼女を見ると、それくらいならいいかとも思ってしまう。
俺みたいな特に目立たない風貌の男と仲良くしてくれる礼というのも兼ねておこう。
バレンタインデーの本分を忘れてる気がするが、気にしない。
「私のは勿論、瑛琳やイナバ達の分も用意するようにね。ああ、私への本命チョコは手作りを希望するわ」
「…イナバ、って鈴仙やてゐ……だけ、じゃ、ないですよね?」
「ええ、この永遠亭に住む“全てのイナバ”に、よ」
「はいぃっ!?」
前言撤回。俺は今、『六つ目の難題』に直面している。
アレか?姫がこないだ語ってた『新難題』ってこれのことか?
「そんなわけで帰って作業に取り掛かりなさい。これは命令よ」
「……どんだけ重労働を俺に強いるんですか、アンタは」
「あら……不満そうね。だったら……」
当然のように俺は文句を言うのだが、姫がこちらへと座ったままジリジリと近寄る。
膝を突き合わせるような距離まで近付いたところで、彼女は俺の手を握り。
「……お返しは奮発するわよ?永遠亭を上げて、ね?」
「 頑 張 り ま す 」
気がつくと即答していた。
「そう、嬉しいわ」と微笑む輝夜の表情は、絶世の美女という言葉が相応しいと思った。
実際に俺の顔は真っ赤だったし、心臓も破裂するんじゃないかという勢いで鼓動を繰り返していた。
100mを全力疾走したような勢いだ。
お返し云々はともかくとして、だ。(0.3倍返しウサ、とかあり得なくも無い)
何はともあれ、俺が彼女達の為にチョコをプレゼントするのは決まってしまった。
……かつて彼女の難題に挑んだ貴族の気持ちが良くわかる。
こんな可愛いお姫様に頼まれたら、断れない。
「それじゃあ楽しみにしてて下さいよ。俺もお返しを楽しみにしますから」
「ええ、頑張ってね?」
頑張りますとも、お姫様。
……頑張れ、俺。
※
「……姫、無茶を言うのも程ほどにしなさいな」
「いいのよ、永琳。これが私と○○の付き合い方なんだから」
「随分と○○が気に入っているのね」
「そりゃあ、ね。助けられちゃったし」
彼女は思い出す。
彼が永遠亭に運び込まれたのは、夏頃のことだった。
雷混じりの夕立が降り出した頃――○○は落雷を至近距離で受けて永琳の元へ運び込まれた。
そこで交えた会話が、輝夜と○○の出会いだった。
『自分の能力なのに制御を失敗したの?未熟者ね』
『誰が未熟者ですか?……ああ、俺ですね』
『すぐ自覚できない辺り重症ね。病気なんじゃないの?頭が残念になる病気』
『誰が病気ですって?……頭が残念なのは、昔からですよ』
今でも思い出せるほどだ。
運び込まれたのが“外界人”だと聞いて、興味本意で話し掛けたのがキッカケだった。
○○のような「普通の青年」と接点が少なかった輝夜には、久しぶりの新鮮な刺激だった。
その後も何度か交流があり、今ではすっかりいい仲である。
「そこでね、永琳。……○○へのお返しにお菓子を作ってあげようと思うんだけど」
「はいはい、教えればいいんでしょ?」
「流石ね、永琳。それじゃあ早速始めるわよ」
「……本当に、手の掛るお姫様ね」
勝手知ったる仲、という具合で二人は台所へと消えて行った。
――輝夜と○○の二人が、慣れないお菓子作りに苦しむ姿を射命丸文に撮られてたとか。
――「永遠亭の姫、熱愛発覚!?お相手は○○かっ?!」という記事を作られたりとか。
――○○に輝夜ファンである村の男達からカミソリレターを送り付けられたりするのだが。
それは別の話。
13スレ目>>370 うpろだ980
どうして私がネトゲに熱上げてる時に後ろで(・∀・)ニヤニヤと笑ってやがりますか(゚Д゚)ゴルァ!
どうして私が悪いのにケンカになると先に謝りますか(゚Д゚)ゴルァ!
どうしてお小遣かっぱらったのに文句一つ言いませんか(゚Д゚)ゴルァ!
どうして部屋の掃除を嘘ついてあんたに押し付けたのに怒りませんか(゚Д゚)ゴルァ!
どうして子供が出来ないのは私のせいなのに謝りますか(゚Д゚)ゴルァ!
どうして自分が体調悪い時は大丈夫だと私を突き放して私が倒れるとつきっきりで看病してくれますか(゚Д゚)ゴルァ!
どうして妻の私に心配掛けたくなかったからって病気の事を隠しますか(゚Д゚)ゴルァ!
おまけにもって半年とはどう言う事ですか(゚Д゚)ゴルァ!
妻の私には何も言わないで医者の永琳に相談するなんてどういうことですか(゚Д゚)ゴルァ!
申し訳なさそうな顔で俺の事は忘れていい男見つけろとはどう言う事ですか(゚Д゚)ゴルァ!
こっちの気持ちは無視ですか(゚Д゚)ゴルァ!
正直、あんた以上のお人よしで優しい男なんかググっても絶対見つかりませんよ(゚Д゚)ゴルァ!
私みたいなニート嫁にすんのはあんた位ですよ(゚Д゚)ゴルァ!
言い忘れてましたが私、赤ちゃん出来たんですよ(゚Д゚)ゴルァ!
親子でモンハンするって約束が叶いそうなのに何で生きられないのですか(゚Д゚)ゴルァ!
そんな状態じゃ言い出せ無いじゃないですか(゚Д゚)ゴルァ!
それでも言わない訳にはいかないから思い切って言ったら大泣きしながら私を抱きしめますか(゚Д゚)ゴルァ!
泣きたいのはこっちですよ(゚Д゚)ゴルァ!
生まれる頃にはあんたはこの世にいないんですよ(゚Д゚)ゴルァ!
元気な子だといいなぁってあんた自分の事は蔑ろですか(゚Д゚)ゴルァ!
見舞いに来た黒白とか紅白に何自慢してやがりますか(゚Д゚)ゴルァ!
病気で苦しいはずなのに何で姓名判断のサイト覗いてやがりますか(゚Д゚)ゴルァ!
どうして側に居てあげたいのに一人の身体じゃ無いんだからと私を部屋に帰そうとしますか(゚Д゚)ゴルァ!
どうしていつも自分の事は二の次何ですか(゚Д゚)ゴルァ!
永琳にいよいよダメだと言われ泣いてる私に大丈夫だよとバレバレの慰めを言いますか(゚Д゚)ゴルァ!
こっちはあんたと幻想郷なくなっても生きて行きたいんですよ(゚Д゚)ゴルァ!
それがもうすぐ終わってしまうんですよ(゚Д゚)ゴルァ!
私からあんたを取ったらネトゲしかなくなるんですよ(゚Д゚)ゴルァ!
忘れろと言われても忘れられる訳ないでしょ(゚Д゚)ゴルァ!
死ぬ一週間前に俺みたいな奴と一緒になってくれてありがとなですか、そうですか(゚Д゚)ゴルァ!
こっちがお礼を言わないといけないのに何も言えず泣いちまったじゃないですか(゚Д゚)ゴルァ!
あんなに苦しそうだったのに最後は私の手を握りしめて逝きやがりましたね(゚Д゚)ゴルァ!
何で死に顔まで(・∀・)ニヤニヤしてやがりますか(゚Д゚)ゴルァ!
(゚Д゚)ゴルァ!
(゚Д゚)ゴルァ!
そんなのは良いから起きて下さい(゚Д゚)ゴルァ!
生まれてくる子どもを抱いて下さい(゚Д゚)ゴルァ!
子どもに微笑みかけて下さい(゚Д゚)ゴルァ!
ちゃんと働くから永琳○○を助けてやって下さい(゚Д゚)ゴルァ!
家事一つ出来ない私に子供を育てろと言いやがりますか(゚Д゚)ゴルァ!
私はアンタがいないとだめなんですよ(゚Д゚)ゴルァ!
そんなあんたが死んで5ヶ月...
子どもが生まれましたよ(゚Д゚)ゴルァ!
私に似て元気な女の子ですよ(゚Д゚)ゴルァ!
目元はあんたにそっくりですよ(゚Д゚)ゴルァ!
どこかでやっぱり(・∀・)ニヤニヤしてますか(゚Д゚)ゴルァ!
私はこの子と何とか生きてますよ(゚Д゚)ゴルァ!
あんたも遠くから見守って居てください。
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2chの有名なコピペ改変。
改変っていえるほど変わってはいないけど。
>>364を見ていたらどうしても。つまんなくてごめんなさい。
イチャってなくてごめんなさい。
改変前はこれです⇒ttp://ameblo.jp/waros/entry-10005755860.html
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13スレ目>>459 うpろだ995
月の姫が彼を拾った理由。それは気まぐれ以外の何者でもなかった。
強いて言うなら、永遠亭が男手不足だったから、という理由になるのだろうか。
「今日から私に仕えなさい。力仕事を貴方に任せるわ」
彼は月の姫の言葉に従った。
幻想郷という右も左もわからない見知らぬ土地で、縋るものは彼女しか居なかった。
「素直なのは美徳よ。私の名は蓬莱山輝夜。貴方の名は?」
「その……私には名がありません。あったかもしれませんが、もう忘れてしまいました」
「そうね、ならば今日から貴方は○○と名乗りなさい。良い名だと思わない?」
「はい…光栄です、輝夜様」
「姫でいいわ。私の力になりなさいね、○○」
こうして、幻想郷で一つの新たな主従関係が結ばれた。
彼は彼女に対して深い敬意と絶対の忠誠を露わにし、その内心にある想いを隠した。
主従である以上、主に恋心を抱くなど不忠にも程がある。
そう考えた彼は想いを心の奥底に沈みこませ、蓬莱山輝夜の配下として、新しい人生をスタートさせた。
が、一日、一週間、一ヶ月、一年と過ぎていくうちに。
「姫ー、朝ですよー。鈴仙が朝飯作って準備してくれてますよー」
「ん……ぅ……あと少し待って、○○……」
時間は容赦なく“慣れ”を産み、固い誓いも石が川を流れた後のように丸くなっていく。
二人は主従でありながら、世話焼き気質な兄と手間の掛かる妹のような関係になっていた。
勿論、彼は一年前と変わらぬ思いを抱いているし、輝夜もまた彼を従者として信頼していた。
とはいえ、ここは幻想郷である。従者が主にツッコミを入れるなど日常茶飯事。
程よいヌルさが二人の関係を少しずつ軟化させていたのもまた事実であった。
「ほら、布団被ってないで起きなさい。いい天気ですよ……っ?!」
「う……ん?」
無理矢理○○が布団を引っぺがすと、寝巻きをはだけさせた輝夜の肢体が露わにされた。
○○はそのまま凍り付いたように動かない。主であり、想い人である人物の半裸を直視してしまったのだから、仕方ないとも言える。
一方の輝夜はというと、○○を意に介する事もなく枕もとの着替えに手を伸ばす。
「○○、おはよう。…どうしたの?そんなところで石化して」
「……誰のせいだと思ってるんですか、姫」
「勿論、乙女の布団を引っぺがした○○の責任よ」
「でしょうね!」
朝から全責任を擦り付けられながらも(実際、布団を捲ったのは他でもない○○だったのだが)、輝夜を起こすという仕事を終えた彼は部屋の外に出た。
着替えが終わると、二人で下へと降りていく。居間には食卓を囲んで輝夜の到着を待っている永遠亭の面々。
上座にあたる位置に腰を下ろすのを見届けると○○は一礼して、
「それじゃ、行って来ますんで。姫、あんまり永琳さんに迷惑掛けないようにお願いしますよ」
「あまり遅くならないようにね。それに、そんな心配されるほど子供じゃないわ」
「永琳さん、姫をお願いします。鈴仙とてゐも、頼んだぞ」
「わかってるわよ」「はい、○○さんも気をつけて」「んー、いってらっしゃーい。モグモグ…」
彼の仕事は永遠亭における雑務全般だ。主に力仕事を一手に引き受けている為、永遠亭で一番忙しい人物だとも言える。
今日は先日襲撃してきた藤原妹紅と主・蓬莱山輝夜の激闘の爪痕を修復しなければならない。
主な被害は屋根の一角の瓦が全部吹き飛んでいる点に尽きる。
これを修繕する為、人間の里まで瓦を調達に行く。○○が朝食も取らずに出かけたのはこの為だ。
「さーて、瓦は何枚要るんだろうな。…ま、3往復もすればなんとかなるか」
「相変わらず働き者ですねー」
「ん?その声は…文サンか。おはよう」
「どーも、おはようございます」
丁度竹林を出たところで上空からの声に前を向いたまま返事をした。
上を向かないのは「男としての礼儀(by○○」らしい。まぁ、文の服装に理由があるわけだが。
文は降りてくると同時にペンをメモ帖に走らせつつ、満面の営業スマイルで○○に問い掛けた。
「で、昨日の名勝負数え歌の結果はどうだったんですか?」
「俺乱入でノーコンテストだ。というより、取っ組み合いになったところで後ろからゲンコツをこう…」
ぶん、と振り下ろすような仕草を交えて答える。文の取材に対し当然のように答えるのは、最近では○○と山の上の神様くらいである。
「お陰で被害を最小限に抑えられたんだけど、結局瓦が酷い事になって……やれやれ」
「……なんていうか、貴方も変わりましたね。昔はもっとこう、ガチガチの頑固者、って感じだったのに。輝夜さんに手を上げるなんて、
一年前の貴方からは想像も出来ませんよ?」
「幻想郷(ここ)じゃ肩肘張るだけ無駄って気付いただけさ。あの新しい神社の巫女さんにもそう伝えておいて欲しかったんだけどね。
あと、俺が姫を殴るのは永琳さんが怒る前に止める為だ。永琳さんを怒らせると姫がゲンコツより酷い目に合うからな」
「あはは、そうかもしれませんね。そうそう、件の新しい巫女さんなら霊夢さんに倒されて少しは落ち着いたみたいですよ?」
「そりゃ何よりだ。それじゃ、俺は里まで出かけるんで長い取材はまた今度にしてくれるかい?」
「ええ。あ、最後に一つだけ」
「ん?」
「輝夜さんとの仲は進展しました?」
「っ!……はっはっは、何の事だかな?」
「いえ、別に~?それじゃ失礼しまーす!」
ニヤニヤ笑いを浮かべながら高速で飛び去る文を○○は忸怩たる思いで見送るしかなく。
溜め息を一つ付くと、里に向かってトボトボと歩き出した。
※
大工の棟梁、石材店の主と相談する事、数十分。
なんとか瓦を確保する事はできた。しかも大きな荷台まで用意して貰い、○○としては嬉しい誤算だった。
「いやー、日頃の行いが良かったのかな。これで往復しないで済みそうだ」
しかしそんな浮かれ気分も永遠亭到着と同時に打ち砕かれることになる。
「…あ、○○おかえりー」「おかえりなさい……」
永遠亭の外で○○を出迎えたのは呆れ顔のてゐと憔悴しきった鈴仙の二人。
輝夜と永琳の姿は見えないが、屋敷の置くから爆発音やら何やらが響いているのが聞こえ、○○は暫し茫然となった。
「……魔理沙がね。実験に使うから私が死ぬまで薬を借りてくぜー、って」
「今、姫と師匠が止めようとしてるんですけど……」
「……もうやだ」
○○が弱弱しくその場に座り込むのと同時に白黒の影が玄関から超高速で駆け抜けて行った。
それを追うように輝夜と永琳が飛び出してきて、一旦着地する。
立ち止まった二人を見て空中に静止した魔理沙は息を切らせながらも、罪悪感を全く感じていない声で言い放つ。
「ケチケチしなくてもいいだろ?死んだら返すぜ」
「うちを紅色の屋敷の図書館と一緒にしないで頂戴。いいから止まりなさい!」
「永琳、こうなったら実力行使よ!」
輝夜の合図で二人が再び魔理沙を捕まえるべく飛び立とうとしたその刹那……
「おっと、そうはいかないぜ。恋符―――!」
魔理沙が何の迷いもなくミニ八卦炉を、玄関前に並んでいた面々に構えた。
彼女からすれば、紅魔館の門を強行突破する時と何一つ変わらない気分だったのだろう。
しかし魔理沙の行動に慣れていない永遠亭の面々は完全に不意を突かれた格好になり――
「―――『マスタースパーク』!!」
「姫!!みんな!!伏せろー!!」
事実上、永遠亭の門番も兼任している○○が真っ先に飛び出して、懐から符を取り出して――
「石符――『マーブル・タイタン』!!」
輝夜や永琳、てゐ、鈴仙を庇うように両手を広げて、マスタースパークの直撃をその身で受けた。
「…………」
「なっ……アイツ……」
魔理沙はミニ八卦炉を構えたまま、驚愕の表情で立ち尽くしていた。
マスタースパークの直撃を受けた相手が微動だにせず、その場に両手を広げて立ち尽くしている。
それだけでも十分、驚くべき事だ。
相手がスペルカードを使ったも、予想外といえば予想外だ。
とはいえ、永夜異変の時には居なかった相手なので単なるリサーチ不足とも言える。
魔理沙が驚いた最大の理由、それは。
「…………」
人間だと思っていた○○が、物言わぬ大理石の像と化していたことだった。
「人間じゃなくて妖怪――だったのか?」
「そうよ。彼は外の世界で幻想と化したガーゴイル」
魔理沙の背後から、永琳の冷静な声が。
「能力は確か、“硬と軟を操る程度の能力”ね。自分の体限定らしいけど」
右手側からは、てゐの妙に楽しそうな声が。
「一年前、姫に仕えてから…ずっと私達の手伝いをしてくれてる人よ」
左手側からは、目を赤く染めた鈴仙の声が。
「――そして、私の大事な人。石の妖怪であるが故に、共に永遠を生きてくれるかも知れない人」
そして、眼前から静かな怒りに満ちた輝夜の声が響く。
「まて、話せばわかる」
「「「「 問 答 無 用 」」」」
顔面蒼白の魔理沙に四者四様のスペルカードが放たれ、本日最大の爆発が起きた。
その爆音の壮絶さは、遠くはなれた博麗神社の巫女がうたた寝から目を覚まし、すぐ二度寝するほどのものだったという。
※
「痛いぜ痛いぜ痛くて死ぬぜ……」
「それだけ軽口叩ければ十分よ。今度から、紅魔館気分で永遠亭を襲撃しない事ね」
「そうした方が利口だな……うう、こんな目にあったのは何時以来だ……」
四者の猛攻を受けた魔理沙は、そのまま永遠亭にUターンして永琳の治療を受ける事となった。
鈴仙とてゐは荒れた部屋の片付けに奔走していた。
そして、
「アレが噂のマスタースパークですか……マジで死ぬかと思いました」
「もう無茶しちゃ駄目よ。貴方は魔力さえあれば永遠に生き続ける。でも、体が砕けてしまったら修復できないのだから」
「だから“切り札”まで切ったじゃないですか」
「弾幕を飛ばさないスペルカードのどこが切り札よ。それに大理石ってモース硬度3の柔らかい物質じゃない」
「……クリスタライザー加工済みってことで一つ」
玄関でまだ下半身が石像化していた○○の前に輝夜は立っていた。
彼の能力は一つの硬度に安定させる事を目的としている。
故に、一度石化すると少なくとも半日は完全に戻ることは出来ない。
戻るにしても頭から順にゆっくりと人間の体と同程度の硬度に戻さないといけない、という制約があった。
無理に硬化と軟化を繰り返せば、体が耐え切れずにコナゴナに砕けてしまうだろう。
「でも、助けてくれてありがとう。私だけでなく、永琳やイナバ達も庇ってくれたのが嬉しいわ」
「お褒めに預かり光栄ですよ、姫」
「これは褒美よ、取っておきなさい」
「え……?あ、ちょっと待っ……!」
動けない○○の体に身を寄せ、彼に短い口付けを交わす。
「……どう取っておけばいいんですか」
「そのまま再び石化すればいいんじゃないかしら?」
「……勘弁してくださいよ……」
先程まで白い大理石の像だった○○の顔は真っ赤に染まり、輝夜は静かな笑みを浮かべる。
赤い頬に手を添えて、輝夜は静かに尋ねる。
「貴方は私と永遠を共にしてくれるかしら?」
「石像風情でよろしければ、いつまでも」
-END-
ガーゴイルって普通永遠に生きるわけじゃないと思うんだけど、気にしないでください。
-ここまでチルノの裏-
最終更新:2010年05月29日 00:45