輝夜5



13スレ目364、365


   輝夜にプロポーズされたい。難題を出したい。

  僕の子供を産んでください。
  僕が死んでも、僕のことを忘れないでください。
  でも、僕のことで何時までも泣き続けないでください。みたいな。

  ‥‥五つも思い浮かばないorz

365 :名前が無い程度の能力:2008/03/05(水) 23:10:17 ID:2KOq28HU0
  >>364見て何か幻視した


  「○○!私と結婚しなさい!」
  「だが断る」

  「えぇえええっ!?なんでよ!かぐや姫よ私!?伝説のかぐや姫が求婚してるのよ!?
   数多の男性から求婚された伝説の美少女かぐや姫が求婚してるのよ!?」
  「いや……そうは言われても…色々と難題がだな」

  「何!?難題って何よ!二人でイクところまでイッちゃった仲じゃないの!えーりんだって○○ならおkって言ってたのよ!」
  「おkって……まぁ、兎に角色々と難題が」

  「だからその難題って何よ!忌々しいわね、私と○○の愛の旅路を邪魔するヤツ…………ッ!
   そうか妹紅ね妹紅だわええそうよ妹紅に決ってるわあの小娘考えたわね事もあろうに人のダンナに手を出すなんて」
  「いや…ちょっと落ち着け輝夜」

  「止めないで頂戴○○これは流石の私も鶏冠に来たわフフフあの芋娘久々に私の逆鱗に触れたわねジャンクにしてあげるわ!」
  「あーほら落ち着け(ぎゅっ」
  「ふぇええっ!?」

  「妹紅は関係ないぜ。その問題っていうのはだな」
  「……………(ぱくぱく」

  「ん?どうした輝y」
  「…………きゅ~(ぱたん」

  「……気絶しやがったよコイツ」
  「流石は○○ね。抱きしめるだけでイかせちゃうなんて」

  「わざわざカタカナ表記にしなくてもいいです永琳さん。で、なんで冷蔵庫から出てくるんですか」
  「気にしちゃダメよ。ところで、難題って何かしら」

  「…難題というかお願いというか」
  「例えば?」

  「俺の子供を産んでくれ。
   俺が死んでも、俺のことを忘れないでくれ。
   でも、俺のことで泣いたりしないでくれ。
   あと…」
  「言うわねぇ」
  「茶化さないで下さい…」

  「むぅ、あと何なのよ」
  「あら、おはようございます姫」
  「ちょっと幸せすぎて死にかけたわ。で、あとのお願いはなんなの?」

  「それは…まだ思いつかん」
  「何それ」

  「輝夜のように難題を5つ出そうとしたんだが……ぶっちゃけ思い浮かばない」
  「…そんな事で私の求婚断ったっての…?いい度胸してるわね」

  「そりゃ輝夜の恋人やってるからな」
  「上手いわね」
  「ちょっとそれどういう意味よ」

  「○○、結婚してから考えたらどうかしら?」
  「……それもそうですね。よし、じゃあ結婚するか輝夜」
  「―――」

  「ん、どうした?」
  「あー……フリーズしちゃってるわね。というか昇天してるわね」

  「えー」
  「ああもうこういう所が可愛らしいわ……兎に角リザレクションするまで待ちましょうか」


うpろだ1147


初夏の空気。
最近めっきり蒸し暑くなってきた陽気に押されて、夕涼み。
周りを竹林に囲まれた永遠亭は、常に涼しく、心地よい風が吹いている。
宵の口。
今日は薪拾いやら薪割りやら、重労働だった俺は珍しく一番風呂を頂いていた。
風呂をあがってみれば、太陽はすでに顔を隠し、残照だけが空を紫色に染めている。
縁側に腰掛ければ、御影石のたたきが裸足に心地良い。

クイッ

冷酒を呷る。
今日はちょっと趣向を凝らして、竹の水筒に竹のぐい飲み。
さっき山に入った時に、青竹をちょいと拝借して作ったもの。
取れたての竹の青臭い匂いも、こんな暑い日にはむしろ清々しく思える。

「いい香りだ」

酒も、竹も。
そう呟いたとき、

「それって、私のこと?」

後ろから声がかかった。
恋人の輝夜の声。
振り向いた先には――いつもと違った彼女が、いた。

「その動きってことは、私に気づいてなかったのね……」

拗ねたような声も、半端にしか耳に届かない。
そこにいたのは、

黒髪をアップにして、ポニーテールにまとめた輝夜だった。

「ねえ、何か言いなさいよ」

振り向いたきり、反応を示さない俺の頬を、つんつんとつつく輝夜。
いつもにまして身軽な浴衣でこそ、できる行動と言えなくもない。

「綺麗だ……」
「え?」
「あ、いや、その、思わず本音が出たというか、いつもと髪型が違って新鮮だったというか、
 風呂上りの火照った顔が色っぽくて凄く可愛いうなじがえーとそのー……」

いかん。動揺しきっていて自分でも何を言っているかわからない。
しかし、輝夜は機嫌が直ったのか、

「ふふっ。ありがとう。嬉しいわ。
 ……ここ、座るわね」
「あ、ああ……」

ふわりと、左隣に腰を下ろした。
そして、俺の肩にそっともたれかかる。

「私、綺麗だった?」
「あ、ああ。ポニーテールって新鮮だったから」
「うふふっ。
 たまたま、湯浴みのあとに髪を解くのを忘れてきてしまったのだけれど、
 あなたがいいのなら、何よりだわ」

照れて庭の灯篭のほうをなんともなしに見ている俺に、
そんな俺を見ていたずらっぽく微笑む輝夜。

「でも――」
「ん?」
「振り向く前に、私が来ていることに気がついて欲しかったわ。
 “かぐや”の意味は、“輝く”を表すと同時に、“かぐわしい”をも表すもの」

輝夜は、先ほどより体を近づけると、そのまま胸に体を預けてくる。
頬が触れて、柔らかい感触が走った。

「たまさかには、髪を纏めてみるのもいいわね。
 いつもは髪が邪魔で触れ合えない頬が、こんなに近く、直接触れられるのだもの。
 ――どう? 馨しいでしょう?」
「ああ。なんだか爽やかな匂いがする。
 若竹のような、柑橘系のような、そんな感じ――」
「一言で言うと?」
「うーん……。おいし、そう?」
「もう……。でも、あなたらしいわ。そうね、
 味わって、みる?」
「へ?」
「葡萄酒のソムリエだって、そうでしょう?
 目で色を見て、吸気で香りを感じて。
 そして、味をみる――」

輝夜は、俺の膝に左手を置いてバランスを取ると、俺の顎に右手を添えて、
静かに、唇を重ねた。
唇を割って、舌が入り込み、絡まりあう。
上に、下に、右に、左に。
舌同士で追いかけっこを、相撲を、逢瀬を愉しむ。
唾液が交叉して、輝夜は、
こくん、と。
おとがいを鳴らして、それを飲み込んだ。
どちらからともなく唇を離すと、そこには一筋の橋。

「どうだった?」

懐紙を袂から取り出して俺の唇を拭いつつ、そんなことを尋ねる輝夜。

「甘かった」

正直に答える。というよりも、それしか答えようがない。
語彙のないことが悔やまれる。

「そうね、私も甘かったわ。
 和三盆よりも甘くて、カステラよりも舌で蕩ける感じ。
 私としたことが、もうすでにあなたに蕩かされているのね」

言葉と裏腹に、嬉しそうな輝夜の声。
そんな時、一陣の風が舞い降りる。
小さく、体を震わせる輝夜。

「初夏とは言え、夜風はまだ寒いわね。私はそろそろ行くわ。
 ……たまには、一緒に寝る?」
「やめておく。このまま一緒に寝たら、輝夜に溺れそうだ」
「私は別に構わないんだけど……。
 そうね。じゃ、今日のところは諦めるわ。
 あなたには、あなたに溺れている私が掴まる、大きな太い棒でいて欲しいもの。
 お休みなさい、○○」

チュッ

頬に可愛いキス、丸い息の感触。
そして、そのまま立ち上がると、彼女は奥へと音も立てずに入っていった。

「ふぅ」

俺は思い出したように、青竹の香の利きすぎた酒を含む。
物足りなさが残る。

「実際のところ、俺もすでに輝夜に溺れているんだろうな……」

ざわざわ――、ざわざわ――。
そんな呟きを聞いた竹たちが、隠れてそっと囁きあっていた。


うpろだ1162


「あれ……? もしかしなくても私寝てた?」
「おはようございます」
 卓に突っ伏していた顔を上げ、両目をこすりながら輝夜が○○に聞いた。
「ええ。この世のものとは思えないくらい美しい寝顔でしたよ」
「……褒めても何も出ないわよ。でもその好意は受け取っておくわ。ありがとう」
 輝夜は満更でもないように笑う。
「『橘のにほふあたりのうたたねは夢も昔の袖の香ぞする』」
 伸びをし、輝夜は一首詠んだ。
「この歌の意味、○○には分かる?」
「いえ、全然。覚えている歌は何首かありますけど、その歌は知らないです」
 意味はこうよ、と言いながら輝夜は○○の隣に移動する。
「橘の香りがする場所でうたた寝してしまったせいで、橘の香を服に焚き染めていた昔愛したあの人の夢を見てしまった……」
 何かを問うような瞳で輝夜は○○の顔を見上げる。
「でも、ここに橘はない。ただ単に詠んだだけなの。愛しいあの人の夢を見てしまったのは事実だけどね」
 お互いの視線が交わり、暫く見詰め合うががどちらも口を開かない。ただ○○だけが何か言おうとして迷っている。
「夢に出てきた愛しいあの人が誰か知りたい?」
 ○○は答えない。
 輝夜はそれを肯定と受け取った。

「あなたのことよ」

「――えっ?」
 呆けた顔をして○○は目しばたたかせる。
「――うたた寝をしてしまう前に見ていたあなたのこと」
 輝夜は一呼吸の間を置き、続きの言葉を紡ぎだした。
「前から言っているでしょ? 私はあなたに恋しているの」
 うっとりとした表情で輝夜は○○を見つめ、ごく自然に口付けをする。
「さて、ここで問題があるわ。あなたの香りは橘じゃないの。いったいどんな香りかしら」
 これは私に与えられた難題ね、と輝夜は自嘲するかのように笑う。
「あなたの香りはあなただけのもので、他に同じ香りはない。――そんな答えもいいけど、それじゃあ面白みに欠けるわ。あなたの香りを詩に詠んでみたいの」
「あ、それじゃあ……俺も輝夜さんの香りを知りたい――歌に詠んでみたいです」
 ○○は真剣な面持ちで輝夜を見つめる。
「あら、○○に出来るのかしら。外の世界では私がいた頃の歌は廃れてしまったと聞いているわよ」
「う、確かに……」
 かつて学校の授業で作った歌を思い出し、○○は内心で悶絶して激しい後悔に襲われた。
「無理はしない方がいいんじゃない?」
 表情の変化から○○の心境を察する輝夜。
「そうですね……」
 ○○はがっくりとうなだれ、嘆息した。
「さてと。私は○○の香りがどんなものか知りたいわけだけど……」
「どうするつもりです? 永琳さんに分析してもらうとか?」
「何を言っているのよ。私が知りたいのはそういうことじゃないの。香りの成分なんて歌に詠んでも風情がないじゃない」
 それもそうですね、と○○は苦笑する。
「『時鳥鳴くや五月の菖蒲草あやめも知らぬ恋もするかな』」
「どういう意味です?」
「分別のつかない恋をしてしまう、という意味よ。分かる?」
 輝夜は○○の首に両手を回した。
「恋に落ちて分別のつかなくなった男女の物語くらい、あなたも読んだことがあるでしょ?」
 二人の顔の距離が吐息がかかるほどに近くなる。
「……はい」
 口付けをされた時とは違う香りに○○は戸惑いつつも輝夜の顔を見つめる。○○の視線は輝夜の整った眉の上をすべるように落ちていき、すっと通った鼻、先ほど触れたふくよかな唇、小さく綺麗におさめられたおとがいへと移動していく。
「今の私は分別を失っているわよ……?」
 輝夜の夜天色の髪がさらりさらりと流れ、そこから漂う芳香が○○の心を誘惑する。
「か、輝夜さん……?」
 先ほどの口付けと同じようにごく自然に○○を押し倒し、輝夜はその上に馬乗りになる。
「あなただけの香りを知りたいの。――永琳が言っていたわ。私が攻めで○○が受けだって」
「いったい何を根拠に……」
「月の頭脳と謳われた永琳よ。私達に気づかれずに調べることくらいわけないわ。それに満更でもないみたいじゃない」
 妖艶な笑みを浮かべ、○○の顎を撫でる輝夜。
「そ、それは……」
「素直じゃないのね。それとも、私が勘違いしただけで、私に魅力がないのかしら。○○は永琳のような扇情的な体つきの方が好みなの?」
 ○○は必死に首を横に振って否定する。
「で、でも、流石に昼間からこんなところでは……!」
「今の私は分別を失っていると言ったじゃない。歌にも詠んだわよ」
 色を宿した瞳で○○を見つめる輝夜。
「だ、だからって――!」
「じゃあ夜だったらいいのかしら」
「そ、それは……」
 ○○の顔がどんどんと赤くなっていく。
「いつだったらどんなことをしていいのかしら。はっきりと言って」
 輝夜は意地の悪い笑みを浮かべながら○○の耳元で囁いた。
「あー、その……アレですよアレ。男女が懇ろになるのは夜と千年以上前から相場になっているじゃないですか」
 出来る限り婉曲的な表現を使おうとする○○とそれを見て満足げに笑う輝夜。
「背の君がそうお望みならば、私は従います」
 表情をいつものおっとりとしたようなものに戻し、輝夜は○○の体から自身の身を離した。
「……からかわれる方の身にもなってくださいよ」
 ○○は半ば疲れきったような表情で身を起こし、乱れた衣服を整える。
「ごめんなさい。あなたを見ていると放っておけないのよ。それにね、からかいは愛情表現のひとつよ。からかえるかどうかで相手との距離をはかることが出来るわ。難題をふっかけるのとはわけが違うの」
「まあ、殺し合いをされるよりはマシですけど……」
「確か、○○が私を初めて見たのは私の上半身が吹き飛ぶ瞬間だったわよね」
「ええ」
 ○○は言葉と同時に息を吐き出し、嫌なものでも思い出したように額を押さえる。
「私が最期に見たのはあなたを見つけて驚く妹紅の顔だったけど、あれは滅多に見られるものじゃないわ」
 対する輝夜は珍しいものを見た時のことを思い出すように微笑んでいる。
「あんなところで殺し合いなんかしてたら、誰だって驚きますよ」
「普段は誰も来ないもの。けど、卒倒した○○を妹紅がここまで運んでくれたおかげで私達は出逢うことが出来た。言わば、あの殺し合いがきっかけね」
「まあそうですけど……」
 身もふたも無い発言する輝夜だが、○○もその内容に同意する。
「長い時の中で、無限にやってくる過去の中で、あなたに出逢えたあの一瞬に本当に感謝しているわ」
 今までとは違い、悪戯心のない曇りなき瞳で輝夜は○○を見た。

「過去は無限にやってくるから、その一瞬を大切にする」

「そうよ」
 輝夜は○○を抱き寄せ、宝石を知らない子供が宝物にした硝子細工を扱うように、優しく愛おしそうに頭を撫でる。
「よく覚えていてくれたわね」
「……大切な人の生き方くらい覚えますよ」
 ○○は顔を赤くしているが、抵抗する素振りもみせず全てを輝夜にゆだねている。
「――ありがとう」
 輝夜はきゅっと○○を抱きしめた。

「ありがとう」


最終更新:2010年05月29日 00:49