妹紅1
1スレ目 >>17
妹紅へ
「お前の焔で俺の凍て付いた心を溶かしてくれ!」
1スレ目 >>185
「月が綺麗だね…こんな事を言うと、あいつが頭に浮かんで癪だけど」
そう言いながら、先を歩く妹紅は夜空の月に向かって手を伸ばす。
妹紅の長い白髪が、月の光を浴びてきらきらと輝いていた。
「そうだね…けど」
「?」
「僕は妹紅も綺麗だと思うよ」
「ばっ…!い、いきなり何をいうかなぁ!?」
少し色白な顔を赤く染めて、ぷいと妹紅はそっぽを向いてしまう。
こんな事を言えばこういう態度を取られるのは分かってるものの、ついつい言ってしまう。
…とはいっても、半分以上は本心なんだけれど。
実際、妹紅はとても綺麗だ。遠い昔は貴族の娘だったという話も頷ける。
そして話せば気の置けない友人のようにいつまでも語り合えて、楽しいのだ。
…そんな妹紅だから、僕は…
「…妹紅」
「ん?どうしたの?また変な事言うつもり?」
冗談っぽくこっちに言ってくる。けど、その瞳を僕は真っ直ぐ見つめ返した。
最初は笑っていた妹紅も、その眼に射られたように、表情がこわばる。
「ど、どうしたのよ…怖い顔しちゃってさ?そんな顔、似合わないよ?」
「……言いたい事が、あるんだ」
ごくり、と妹紅が喉を鳴らす。静かに、二人の間に緊張が満ちていくのが分かった。
妹紅は何も言わず、ただ僕の方を見つめている。
その瞳から眼をそらさないまま…僕は言った。
「僕は…妹紅が好きだ。妹紅と…ずっと一緒にいたい」
妹紅は、数瞬の間呆然としていた。
が…僕が言った意味を理解していくと同時に、顔がどんどんと真っ赤になっていく。
それこそ、彼女が扱う鳳凰の炎と比べても遜色がないほどに、だ。
「や、や、やだなぁ。きゅ、急にそんな冗談言われても」
「冗談なんかじゃないよ。冗談を言ってる眼に、見える?」
そういって、ずっと見つめていた目をさらに強める。
妹紅は急に落ち着きがなくなって、ポケットに手を突っ込んだまま石を蹴った。
「えーと、そのー…ちょ、ちょっと待って…」
そう言いながらも、顔の赤みは引かず、喉元あたりまで真っ赤に染まっていく。
どうやら凄まじく混乱しているみたいだった。
このまま告白しきれたらいいと、一瞬思った。
けれど、彼女は気が付いてしまうだろう。それは、変えようのない事実である。
「あ……」
呟くように小さな、妹紅の声。赤かった顔は色が引き、その顔には哀しげな表情が浮かんだ。
「ねぇ…私の体のこと、知ってるよね?」
「うん、知ってるよ。妹紅が見せてくれたんだもの」
「そう、だよね…私はさ、死ぬ事も…老いる事もないんだ」
そう呟く声は、言いようのないほどの寂しさが満ちていた。
俺のずっと一緒にいたいという願いと、彼女の身体の問題。
その二つをあわせれば…考えたくもない未来は簡単に予想できてしまう。
「私は…絶対にあなたを先に逝かせてしまうよ」
「そうだね…まず間違いなく、僕が先に死ぬだろうね」
僕のほうを見ている妹紅の瞳に、大粒の涙が一粒、二粒と浮かび始める。
それは頬を伝い、輝く軌跡を残す。
純粋な、悲しみの表情。それすらも僕は愛しく思ってしまう。
「私は、あなたが…皆が想像するほど、強くないよ…」
「………」
知っているよ。君は本当は凄く弱くて、寂しがりで、誰よりも温もりを求めてて…
「愛する人…失って、その後も生きていける自信なんて、ないよ…」
「………」
そう思ってしまった。だから、言うのを一度はためらった。けど…
「やだよぉ…困るよぉ……わた、私も好きなのに…大好きなのにぃ…!」
妹紅が言えたのは、そこまで。後は涙で声が出せなくなってしまう。
僕は、一歩一歩、ゆっくりと妹紅へ歩み寄り…そっと、妹紅に手を差し伸べた。
「…慧音さんに言われたんだ。告白して、応えてもらえたとしても、僕の先には苦難が多いって。
だから、一杯考えて、悩んで…全ての覚悟をした上で、思いを伝えろって」
妹紅は涙をぬぐいながら、僕が差し出した手を見つめている。
「僕は全て覚悟をした。死によって必ず分かたれる事も、妹紅をおいて逝ってしまう事も。
…それでも、君を愛さなければ、僕は…きっと生きていやしないのだから」
そう、最初に妹紅と出会ったときから…きっと、この結末は決まっていた。
あの時から…僕は妹紅以外を、愛せなくなってしまっていたのだから。
「僕は…きっと妹紅を苦しめる。生きていても、死んでしまったとしても…
けど、僕は信じられる。妹紅と一緒なら、沢山の悲しみをも超える幸せを、見つけられるって」
一緒にこれからの時を、歩んで行けるのなら。きっと沢山のいい事がある筈だ。
それはきっと、潰されそうなほどの悲しみや、無限の時を背負って生きる妹紅の助けに、きっとなるはずだと、僕は信じている。
「勝手な思い込みだと思ってもいい。怖いのなら、否定してくれたって構わない。
けど、もし僕の言葉を信じてくれるのなら…僕の手を、取って欲しい」
これが僕の覚悟だ。そう言うようにもう一度、妹紅に手を差し伸べた。
「…………」
妹紅は、何度もしゃくりあげながら、僕の手をじっと見つめて…
僕の手を、握り締めた。二度と離すまいとするかのように、強く。
「私も…よ。きっと…今あなたと離れたら…私も生きてなんかいられない」
涙混じりの赤い瞳で、けれども…力強い眼で、僕を見つめ返す妹紅。
「…信じるよ。あなたの言葉を、全て。だから…」
妹紅は繋いだ手を引き、僕を引き寄せて胸元に飛び込んできた。
「私を幸せにして…!これからも、あなたが消えても、ずっと…ずっと……!!」
僕はその願いに、言葉ではなく態度で示した。
腕の中にいる妹紅を、強く強く抱きしめる。大切なものを、離さないために。
1スレ目 >>226>>309
226 名前: 名前が無い程度の能力 投稿日: 2005/08/22(月) 11:51:01 [ WEQNpfyw ]
>>185
妹紅自ら腹を切り裂き取り出した血まみれの肝を差し出すシーンが思い浮かんだ訳ですが。
「これで、ずっと・・・一緒だよ?」
「これで、ずっと…一緒だよ?」
ボタボタと血を流しながら、掌に肝を乗せ、差し出す妹紅。
痛みで顔を歪ませて、それでもしっかりと俺を見つめて。
…これはきっと、彼女の最大の我侭なんだろうと、思った。
不死の苦しみも辛さも、彼女は知っている。
そして、そんな人間を増やしたくないと彼女自身が言っていた。
…それなのに、今こうやって俺を不死者へと誘っている。
一体どれ程悩んだのだろうか?どれだけ、苦しんだのだろうか?
俺はその思いに、答えなければならない。
どれ程の痛みと苦しみが、先に待っていたとしても。
「あっ…!」
俺は差し出された肝を手に取った。まだほのかに暖かく、血に塗れている。
一瞬迷い……そして、ソレに齧りついた。
鈍い鉄の味と、形容の出来ない肉の味。何度も何度も、吐き出しそうになる。
「……っ!………っっ!!」
それでも吐き出さない。涙を零れても、食べることは止めない。
口の周りは血で真っ赤に染まる。きっととんでもない姿だなと、頭の隅で思ってしまった。
「……っはぁっ!げほっ、げほっ…!」
ついに、全てを食べ終えた。残ったのは零れた血に染まった手と服と…俺。
…俺"も紅"に、染まってしまったと実感した。
体中からエネルギーが沸いてくる。これが…蓬莱人というものなのか。
「…ありがとう。拒否しないでくれて…」
へたり込んでいる俺の肩を、妹紅は強く抱きしめた。
「これからは…永遠に一緒よ。私の…大切な、旦那さま……」
妹紅の腕のぬくもりは、これから続く永遠の蜜月の始まりを告げていた…
1スレ目 >>439
>妹紅「私が過ごす時に、どうやってもついてこれない貴方が何を言うのかしら」
うわ、何こいつ、永まじキモ…
死なないだけで人間と変わらないくせに、
もともとの自分の力でもないくせに、
定命のものをそれだけの理由で見下すかの態度。
だいたい、あんたと数少ない「おなかま」を除けばどんなに長命な生物でも
いつかは死ぬんだよ。
そういうのをすべて遠ざけて自分だけ特別、誰も私を幸せにできない、
みたいに勘違い気取ってるわけ?
さびしいヤツ、永遠にさびしいなんて救われないヤツ
あんたは死なないだけで人間だろ?
人は人の時間に生きて感じて
人の時間で幸せにもなって不幸にもなるようにできてる。
あんたは永遠を理由に、
誰にでも当たり前にある、けれどまた見てもいない不幸から逃げてるだけさ。
臆病者の勘違いキモ…
でも、そんなお前を愛してる!
妹紅「・・・!(絶句)
私、間違ってたのかな
ごめんね、気がつかなくて、悪いのは私だったんだね
・・・
アナタヲ問答無用デ殺ラナカッタノハ私ノ過チネ
・・・
さぁ、遺言はもう聞かないわよ(フェニックス再誕」
けーね先生
ひいて見たけどやっぱりダメでした
1スレ目 >>503-505>>513-518
ちょっとした昔話だ。
ある青年が、一人の少女に恋をした。
青年は幻想郷の外から来たただの人間。
少女はかつて蓬莱の薬を飲んでしまったただの不死の人間。
青年は本気で恋をした。少女もまた、青年を愛するようになっていた。
ただ、青年と少女とで決定的なまでに違う点が一つあった。
彼女が不老不死だということだ。
少女は老いず、死なず、変わることのないその命にいい加減飽いていた。しかし黄泉という名の安息は決して訪れることはない。
少女は青年の告白を受け入れられずに去っていった。
青年と少女は出会ってはいけなかったのかもしれないし、逆に青年と少女こそ出会うべきだったのかもしれない。
いずれにしろ、それから長い時が流れることとなる。
「妹紅っっっっッ!」
輝夜の五体を引き裂かれるような絶叫が竹林にこだました。
普段の淑やかな彼女からは想像もつかない、心の奥底から搾り出されるような叫び声。
その瞳は、目の前の信じられない光景のみを食い入るように見つめていた。
名を呼ばれた少女、藤原妹紅の全身が炎に包まれている。
それは特別おかしくはない。彼女は炎を操り不死鳥を使役する。炎に身を包みその体そのものを贄としてさらに炎熱の激しさを増すのが彼女の得意とする戦法だった。
けれども、目の前の炎は明らかに違った。
吐き気を催すような毒々しい灼熱の紅蓮。
邪な意志を持ち、見るものを狂気へといざなう様なその蠢き。
天を焦がさんばかりに吹き上がる揺らめきすら、この世のものではない何か別の法則にのっとって動いているかのようだった。
言葉では同じ炎だ。だが、何もかもが違う。幻想郷にあるどのような炎。それこそ竈の火から火山の溶岩さえも見てきた輝夜だが、このような火炎は一度も見たことがなかった。
熱い。妹紅が立つ地面が焼け焦げて黒く変色し、目の前の草と竹が次々と炎熱にあてられて異様な速さで枯れていく。
あまりにも異常な光景。まともに見たら間違いなく発狂する真の満月を見ても異常をきたさない輝夜でさえ、その炎を直視していると気が狂いそうになるのを感じた。
「姫…………お下がりを。あれは危険です。私たちの知るものではありません」
隣の永琳がそっとささやくが、輝夜には聞こえていない。
彼女が見ているのは、ただ炎に身を焼くに任せている妹紅の姿だけ。耳に聞こえているのは、その業火の吹き上がる音だけ。
妹紅は、こちらを見ていた。
炎に焼かれるのは特別なんともないのか、呆然とする輝夜とは対照的に穏やかな表情で輝夜を見ていた。
輝夜は、たしかに聞いた。
さよなら、かぐや。
その声を。
耳にではなく、心にだったのかもしれない。
それを最後に、妹紅の姿は炎の中に消えた。
一瞬で、終わった。
灰燼に帰す。
文字通りの、消滅。
五体が崩れ、炭化する暇さえなく灰となり消えていく。
燃えるものがなくなれば、炎は消えるのが道理。
あれほど激しかった異形の炎は、その凄まじさからは滑稽に思えるほどに一瞬で消えてなくなった。
肌を焦がすほどの熱風が吹きぬけた後、そこには焼け焦げた地面だけがあった。
「妹紅…………」
もう一度、魂が抜けたように輝夜は呟く。
着物のすそを引きずりながら、黒焦げになった地面にまで幽霊のように近づいていく。そこには何もない。灰の一つまみさえも残っていない。
いつもなら、この後何事もなかったかのように妹紅は空間から五体満足の状態で姿をひょっこり現してくるはずだった。
けれども、今回に限ってはただ沈黙だけがその場を支配している。
「何で…………蘇ってこないの…………なんで?」
誰ともなしに輝夜は虚ろに呟く。あまりの衝撃に泣くことさえ忘れてしまったかのように、ただ空っぽに。
気が狂うほどの、心を抉られるような静けさ。
けれども、
「魂魄のその一切を焼き尽くすほどの炎熱が、この世にあると思うかい?」
輝夜が眼を上げると、竹林の間から一人の青年がゆっくりと出てきた。手には分厚い本を一冊持っている。外見から察するにどうやら魔法使いだろう。
「幻想郷にはない。現世にもない。精霊の炎でも悪魔の炎でも地獄の炎でも、蓬莱の人の魂魄を遍く灰燼に帰せしめるほどの力はない」
「あなたが、妹紅を殺したのですか?」
いつの間にか傍に立っていた永琳が鋭く問いかけるが、青年は肩をすくめた。
「違うね。彼女を殺したのは時間さ」
青年もまた、逆に問いかける。
「あなたたちは、彼女の言っていた月の方々らしいね」
「ええ」
「なら、話が早い。見てのとおり、彼女はもう蘇らない。どこにもいない。魂魄全てを焼き尽くされ、決してここに帰ってくることはない。永眠したのさ」
「無理です。そんなこと…………」
「ありえないってね。私だってそう思っていたさ。そのとおり、現世ではありえない。この世ではありえない。ならば、この世ではない異界の存在ならば、それは可能ではないかな」
永琳は黙った。目の前の青年の正気を一瞬疑ったからだ。異界のことなど、どうして現世にいるものにわかるだろうか。けれども青年は何の表情も顔に浮かべぬまま、手に持っていた一冊の古びた本を掲げた。
「この『死霊秘法』に記された召喚の術式。星の彼方に住まう灼熱の邪神をこの世に喚起する禁忌中の禁忌。儀式を執り行い呼び出された炎はこの世のものではない。あなたたちも見ただろう。あれは絶対にこの世界にあってはいけない異界の業火。全ての生けるものが嫌悪すべき邪悪の神火。けれどもあれならば、あの神そのものが具現した炎ならば、たとえ蓬莱人であろうとも耐えることはできない。文字通り、死に絶える」
気の遠くなるほどの長い時を生き、人類とはかけ離れた文明を築いた月の民である永琳と輝夜。その二人とも全く知りえない事実を、青年は淡々と語った。
「帰りたまえ。彼女はもうここにはいない。妹紅は死んだ」
青年のその言葉に、初めて輝夜が反応した。
「どうして……殺したの」
ようやく失っていた感情が戻ってきたのか、輝夜の頬を一筋の涙が伝った。
「大好きだった……。私のことを嫌いだったことも、私のことを求めていたことも、やがて私のことをちょっとだけ好いてくれたことも、なにもかもひっくるめて私は妹紅のことが大好きだった。愛しくて愛しくてたまらなかった。永遠に一緒にいてくれるって信じてた…………。なのに、どうしてあなたみたいなただの人間が…………」
青年は、一瞬だけ後悔するようなそぶりを見せたが、ぽつりと
「あなたも……彼女のことが好きだったのか」
返答はない。けれども言葉などなくても、答えはまざまざと伝わってくる。
「私も、若いころに彼女に恋した。助けてもらったのがきっかけでね。自分でも驚いたけれども、どれだけ時間が経ってもこの気持ちは変わらなかった。そして、嬉しいことに妹紅も私を愛してくれていた。もう、だいぶ昔の話さ」
青年は目を横へ向け、少し前まで妹紅が立っていた場所を見つめた。
「私のほうから告白したけど振られてね。私だってお前のことはとても好きだ。でも自分は永遠を生きる人間。お前はすぐに死んでしまう。一緒になるべきではないって言われたよ。だったら魔法を極めて不死を手に入れてみせる。いや蓬莱の薬だって作ってみせるって息巻いたけれども、彼女は去っていった。ただこう言い残してね」
青年はため息と共に、一言呟いた。
「永遠に生きることは重荷だ。人という存在は永遠に生きることなど耐えられない。もし死ねるのならば、死んでやり直せるなら、私はそうしたい」
再び、青年は輝夜を見る。
「あなたたち月のものには分からないだろう。人間は永遠に生きられない。たとえ体が生きても、精神がそれを拒絶する。親兄弟が死に、親しいものが死に、出会ったもの全てが死んでいなくなるのに、自分だけが取り残される孤独。妹紅はその孤独に苛まれていたし、そして誰も自分のように苦しんで欲しくないと願っていた」
輝夜は無言。そして横に立つ永琳もまた無言。
「だから、私は魔術を極めた。唯一つの理由のために。彼女を永遠の苦輪から解放するという、ただそれだけのために禁忌に手を染め、異界を覗き見、正気と引き換えに禁断の知識を脳に刻み付けた。そして、それは今ここに成就した。妹紅に全てを話して、自分ならば君を殺せると提案してみた。提案しただけだ。選ぶのは妹紅の権利だ。長い間考えた末に、彼女自身が選んだ結論がこれだった。妹紅は永遠に現世を彷徨うことはない。誰の死をも苦しむことはない。魂魄を焼き払ったから冥界に行くこともない。ただ世界の中にようやく戻り、全てが新しく始まる転生の時を待っている」
青年の独白は終わった。
妹紅を女として愛したものと、妹紅を友として愛したものとが、ただじっと顔を向かい合わせたまま立ち尽くしていた。
「そう…………」
やがて、輝夜は袖で流れた涙をぬぐった。もう、取り乱した様子はない。いつもの静かな、月の姫君に戻っていた。
「よく分かったわ。私はこの永遠で満足していた。妹紅も永遠を生きるものとして満足しているものと思っていた。けれども、それは違ったのね」
「人間である、私の視点から見れば」
「故人のことよ。どう推察してももう分からないわ。御礼を言うべきかしら、私の愛した妹紅を解放してくれたことに。…………けれども、私は親しい友人を殺したあなたを許すわけにはいかない」
静かに、輝夜は右手を上げる。
伸ばした人差し指。そこに光がともる。
「難題を一つあげるわ。これから私が放つ弾幕は一条の閃光のみ。けれどもそれは確実にあなたの心臓を貫き、あなたを絶対に殺す。かわすことは不可能よ。私は永遠と須臾を操るから、どんなにあなたに届くまでに時間がかかろうともそれを一刹那にすることができる」
相手に逃れられない死を告げながら、なぜか輝夜はほほえんだ。
「今から五つ数えるまで待ってあげる。五つ数え終わったら、閃光は放たれる。数え終わるまで私は何もしない。けれども数え終われば、必ず閃光は放たれる。さて、どうすればあなたは死から逃れることができるのかしら?」
隣の永琳が何か言いかけ、けれどもまた黙った。
青年と輝夜と目が合う。
微笑する輝夜。その笑みは、あのとき炎に包まれていた妹紅とまるっきり同じ種類のものだった。
青年は、うなずく。
輝夜も、うなずく。
「一つ」
青年が手に持った本をおもむろに胸の高さまで上げると、ひとりでに本は開きページが次々とめくれていく。
「二つ」
空間を振るわせるような呪文の詠唱。これまでに存在したあらゆる言語とも似ても似つかない、軋るような唸るような呻くような聞いたことのない呪文。耳をふさぎたくなるような奇怪なリズムと胸が悪くなるような発声も、輝夜はものともしない。
「三つ」
詠唱を止めることなく、本を左手に青年は右手を輝夜に向ける。その手のひらに炎がともった。あのときと同じ禍々しい不吉な炎。
蓬莱人の永遠さえも食い尽くし、舐め尽くす異界の神火。
「四つ」
炎が吹き上がり、狙いを定める。それは避けられぬ直線上にいる輝夜その人。
輝夜は、ささやいた。
さようなら、えいりん。あえてよかったわ。
「いつ……」
つ、までは輝夜は口にすることはできなかった。
手のひらから放たれた炎が、狙い過たず輝夜に襲いかかり、その全身を包み込んだ。
炎に耐性のない輝夜など、神火の前では妹紅のように姿を保ったまま焼かれることさえ許されない。
一瞬で、燃え尽き灰となり消え去っていく。
地面は殆ど焦げなかった。炎が焼く対象があまりにも早く燃え尽きたせいだ。
もう、蘇ることはない。
彼女もまた世界に取り込まれ、転生の中に還っていった。
後に残ったのは、最初から最後まで殆ど口を出すことのなかった永琳と、都合二人を炎の犠牲とさせた青年だけ。
「終わりましたね」
「ああ、そうなるかな」
永琳はまるで、何事もなかったかのように平然としていた。
「さて、あなたはこれからどうします?まだ研究が残っているのでは?」
「くくくっ、こう見えていろいろ延命やら不老やらの術の厄介になっていてね。分かると思うけど見た目ほど若くないんだ、私は。それに研究にだいぶ正気をつぎ込んでね。遠からず気が狂うことになりそうだよ。まして、研究の成果など人に教えるべきものじゃない。あれは人間も妖怪も身を破滅させることにしか使えない知識だ。ここに来る前に全部処分したよ」
青年の額を、脂汗がつたった。
がくりと、不意に膝をつく。
「結局…………何も救えなかったな。私は」
「いいえ。永遠などどこにもありはしません。姫はあるとお思いだったかもしれませんが、永遠に互いに愛し合い、仲良く暮らすことなどできません。長い時の果てには幻想郷も滅びますし、月とて遥かな未来にはこの星よりなくなるでしょう。いいえ、この星さえも、やがては太陽に飲み込まれ滅びる定め。いつかはあなたが手を下さなくても、蓬莱人さえも滅びることでしょう。時間が姫たちを殺すよりは、はるかによいことだったと私は思います」
「だったら……いいけどね。私だって、妹紅をもっとよい形で救いたかったよ」
「それは、世界がするべきことです」
「ああ………本物の神がおられるのだったら…………そう祈りたい」
突然、青年の左手が燃え上がった。青年は驚くこともなく、炎を見つめる。
「二度の召喚は負荷が大きすぎたようだね…………。私もまた、邪神の炎に焼かれることになりそうだ…………ちょうどいい」
左手に握ったままの本が燃えて灰となっていく。炎はどんどんと青年の体を包み、禍々しい光と熱で彼の存在をこの場から消し去ろうと牙をむく。
「最後に…………一つ言っておくよ」
「どうぞ。遺言ですか?」
「いいや…………」
まだ無事な顔で、青年はにやりと笑った。魔法使いの顔で。
「私を焼くこの炎…………これも神火でね。私が死んでもしばらく燃えるだろう…………。姫と妹紅の後を追いたいのなら………使ってかまわないよ」
それだけ言うと、青年は力尽きたのかうつ伏して倒れた。
もう、頭を上げることも動くこともない。炎は自らを呼んだ主を焼き、轟々と音を立ててさらに燃え上がる。
あたかもそれは、弔うものもいない火葬の炎のように。
永琳はただ、じっとそれを見つめていた。
「どうだ、藤原。新しい学校にももう慣れたか?」
「はい。すっかり。ここがもともと私の学校だったくらいに」
「それはよかった。君にはよき先輩がすぐにできたからな」
「あ………分かりました?」
「もちろんだ」
放課後となった学園は、急に慌しくなる。部活に向かうもの、寮に戻ろうとするもの。逆に手持ち無沙汰になってうろつくもの。
ホームルームを終えて教室を出た私の隣を、一人の生徒が歩調を合わせて歩いている。
藤原妹紅。先日両親の都合でこの学園に転校し、私の受け持っているクラスにやってきたばかりの生徒だ。
広大な敷地に建てられた女子専門の学園。私はそこで国語の教師をしている。私の実家は何てこともない平凡な家だったが、ここに通う女の子たちはみんなお嬢様ばかりだ。少々場違いだと自分でも感じることもあるが、教えることは楽しく、またやりがいがある。
転校初日からいろいろと学校の中で面倒を見てやったせいか、藤原は親しげなそぶりを見せることが多い。今日もこうして、わざわざ職員室に戻るだけの私の隣を、こうして彼女は歩いている。
はたから見れば、私たちはどう見えるのだろうか。
「でも先生。先生には恋人とかっていないんですか?」
何がどう繋がって「でも」なのかよく分からないが、急に藤原がそんなことを私に尋ねる。
不意の質問に、なぜか私は黙った。
「恋人…………か」
思えば、女性と親しくした経験など殆どない。
告白されて付き合ったことはある。けれどもすぐに別れてしまった。
なぜだろう。私を見つめる昔の彼女の顔。
そこに誰か、別の見たこともない少女を一瞬だけ幻視してしまうのは。
「ああ。いないな」
私は当たり障りなく答えたつもりだが、藤原は足を止めた。
おいてそのまま歩くのも不自然なので、必然として私もまた足を止め、彼女の方を向く。
「女の子って苦手です?」
「いや、そういうものではないのだが……。ただ機会がないだけだ」
どうしてそのことに彼女がこだわるのだろうか。私が解せずにいると
「だったら、私が恋人に立候補してもかまいませんか?」
突然の一言に、心臓が止まった。
冗談はよせ、となぜか口に出せなかった。
こちらをじっと、身長差ゆえに半ば上目遣いに見つめる藤原。
その顔に、
懐かしい何かを、
遠い日の、見たことも訪れたこともないどこかの記憶を、
悲哀でしか語れない追憶を、
幻視した気がした。
「…………うそ」
「は?」
いきなりにやっと笑う藤原に、思わず間抜けな声がもれる。
「だ・か・ら・う・そ。あっ、先生本気にしちゃいました?だったらごめんなさい。でも教師と教え子の恋愛なんてだめですよ」
「わ、分かっているそんなことは。先生をからかうのはいたずらでもよせ」
「謝ってるじゃないですか、ごめんなさいって」
「まったく、誰かに聞かれたら冗談ではすまないことだ」
困ったことだ。どうにも生真面目な性格が災いして、私はまれにこうして教え子にからかわれる羽目になる。悪意はないのだから余計どう対応していいのか分からない。
再び廊下を歩き出した私に、それでも藤原はついていく。
「でもね、先生」
今度は、打って変わって真面目そのものの声だったので、やはり私は仕事柄返事をしてしまった。
「どうした」
「これは本当の話ですけど、先生と私ってどこかで会ったことがありませんか」
私は歩きながら横を向くと、藤原はこちらを見ないでまっすぐ前を見ていた。
どこか、遠くを見るような目つきで、独り言のように続ける。
「初めて先生と会ったときに、一瞬だけ感じたんです。この人と私ってどこかで出会っているんじゃないだろうかって。デジャヴって知ってますよね。そんな感じです。他人のようには思えないんです。ずっとずっと昔、本当に思い出せないくらいに遠い昔に、私と先生はお互い会っていたような気がするんです」
「……………………」
何も言えずに、私は彼女の横顔を見ていた。
「先生は、そう感じません?」
感じる、と答えるべきなのだろうか。私の感じていた幻視の正体が、これなのだろうか。
心の奥で、恐らくそうだと思っていた。この少女こそが、私の幻視の見せる少女なのだと本能が告げている気がした。
けれども私は、首を横に振った。
「理屈では、そんなことはないはずだ」
「そうですか。そうですよね…………」
少し残念そうなそぶりを見せた藤原に、私はけれどももう一言付け加えた。
「だが、もしかしたら偶然に偶然が重なって、そうなのかもしれないな。あるいは、お互いが覚えていないほどの昔に」
「前世って信じます?」
「いや。オカルト関連に興味はない」
私は、自分の心に生じた思いをそのまま封じた。たとえそれが計り知れない造物主のいたずらで事実だとしても、昔は昔のことだ。今の私たちが負うべきものではない。
「あ、先輩。それに八意先生」
ふと、横の藤原がひどく嬉しそうな声を上げたので、私は前に眼を戻した。
「あら、妹紅じゃない。それに先生も」
「こんにちは。奇遇ですね」
見ると廊下の向こうから歩いてくる、私と同じように生徒と教師という一組。
一つ上のクラスの生徒会役員の蓬莱山輝夜に、そこの担任の八意永琳だった。
「ごきげんよう」
丁寧に私たちの前で一礼する蓬莱山。大企業の一人娘という肩書きにまるで恥じない挙措だ。しわ一つない制服も、綺麗に伸びた烏の濡れ羽色の髪も、日本人形のような整った容貌も、まさに良家の令嬢といった感じだ。
「先輩、どうしたんですか」
「あら、藤原ったら約束を忘れたわけ。今日は放課後に図書室で調べ物って言ったでしょ」
「はい、だからこれから行こうと…………」
「もう。たまには迎えに行かせなさい。待っているあなたに会いに行くのもまた楽しいんだから」
「せ、先輩……その、嬉しいです…………」
なにやらずいぶんと深く感じ入っている様子の藤原。そうなのだ、藤原がこちらに転校してからというもの、この蓬莱山が何かと藤原の世話を焼いてくれているのだ。さっそく藤原は生徒会の書記に抜擢され、今ではまるで社長と秘書のようになってしまっている。
「ほら、はしゃがない。リボンが曲がっているわよ」
「あ…………」
藤原の頭に手をやって、髪に付けたリボンをそっと直す蓬莱山。目を細めた藤原は借りてきた猫のようにおとなしい。
友人というよりは蓬莱山が可愛がっていると形容した方が正しいのだが、藤原もその熱愛を一身に受けてまんざらでもないらしい。いや、大いに喜んでいる。
「でも藤原、何か先生とお話があったんじゃないかしら」
「いや、ただ職員室に帰る途中で一緒になっただけだ。安心しろ、藤原を取りはしない」
「ふふ、先生もだいぶ冗談が言えるようになってきましたね」
そっと蓬莱山は藤原の手を取る。
「では、藤原を借りていきますね、先生」
「ああ。生徒会の仕事は頼むぞ」
「もちろんです。それでは、失礼いたします」
手を軽く引っ張られ、私の横を通り過ぎる藤原。
こちらを見て、目だけで挨拶するその目は笑っていた。
まるで抱きとめられるように、藤原は蓬莱山の隣にきれいに収まった。
「さあ、行きましょう。あなたがいてくれて私も助かるわ」
「はい、先輩。そういってくれると嬉しいです」
肩を並べよりそって廊下を歩いていく二人は、仲むつまじい、という言葉がぴったりと当てはまる様子だった。
私がそれを見ていると、横で声をかけられた。
「教え子と堂々と逢い引きだなんて、先生も隅に置けませんね」
「冗談はよしてください。ただでさえ生徒によくからかわれるんですから」
「あら、それは先生がそれだけ生徒に愛されてるってことなんですよ。むしろありがたがるべきです」
そう言ってのけるのは八意先生だ。化学を担当しているため、いつも無造作に白衣をひっかけているが実はかなりの美人で、これでも博士号をもつ天才だとか。
「でも、藤原さんは先生と仲がよいみたいじゃないですか。告白なんてされたりしません?」
「もう少し若かったら、私のほうから告白していたかもしれませんね」
そう言うと、少しだけ八意先生は驚いたような顔をした。
「本気ですか?」
「ええ。何か?」
「いえ……先生もおっしゃるときはおっしゃるんですね」
私は笑って、はしゃぎながら遠ざかっていく二人を見つめた。
「藤原に言われましたよ。私と自分がどこかで会ったことがないかって。まるで前世の因縁のようなことをね」
「あら、それなら私も蓬莱山さんに言われましたよ。先生と私はもしかしたら前世で知り合いだったのかもしれないって。先生もそうだったんですか」
不意に私と八意先生は顔を合わせ、探るような目で互いを見た。
「もしかしたら…………」
「私と八意先生も…………」
その交錯する視線の向こうに、何かを見つけようとして。
…………けれども。
「そんなわけないですよね」
「ええ。きっと気分の問題ですよ」
二人は、お互いのしていることがおかしくて少しだけ笑う。
他人のようは思えない、か。
ならば何をもって「他人」と「知り合い」を区別するのか。自分以外は全て平等に他人だというのに。
私と藤原が、かつてどのような形で出会い、関係を持ち、そして別れたのかは興味がない。
私は私であり、過去は過去である。
現に今、藤原妹紅はとても幸せそうだ。
これが一番大事なことだ。
それ以外にいったい、何を望むというのだろうか。私と藤原はもしかするとかつて恋人であったかもしれない。そのときの自分は彼女を幸せにしようと願ったのかもしれない。
ならば、これこそがその成就だ。
彼女の隣には私ではなく、蓬莱山輝夜がいる。本当に仲のよい親友として。
彼女が幸せなら、私は幻視の眼を閉じたままでいい。
それが、妹紅の得た幸せならば。
それが、私の得た幸せなのだから。
…………え~、長すぎて申し訳ない。これでおしまいです。
なんか結局妹紅の隣にいるべきなのはてるよじゃないかと思いまして。仲良きことは美しきかな。
余談ですがえーりんも最初は生徒でしたが制服が似合わないということで教師に。やっぱり年齢ががががg
>>183
今日は満月…僕は今、竹林を歩いている。
この先には藤原妹紅という少女が住んでいて、彼女を僕の家に連れて行く為だ。
僕と妹紅は知り合ってから半年になる。
妖怪に追いかけられていて、それを救ってもらったのが僕らが知り合ったきっかけだ。
それ以来、満月の夜にワーハクタクである上白沢慧音と共によく3人で会い、語り合うようになった。
妹紅は不老不死で死ぬことが出来ない。そして毎夜のごとく永遠亭に住んでいる輝夜に殺されているという。
僕はその話を聞いたときに満月の夜だけ僕の家で匿えないものか?と提案し、そうすることとなったのである。
幸い、僕の顔は永遠亭の者には知られてなかったので見つかることも無く、満月の夜のみのくだらない駄弁り合いは誰にもジャマされずに朝まで続くのである。
そうして半年が過ぎて今日に至る…
そして今日も僕は彼女を迎えに竹林を歩いている…
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「よぉ、無事だったか?」
「なんとかね、慧音は?」
「今日は遅れるそうだ。なんでも使い魔が言うことを聞かなくてお仕置きするとか何とか…」
「……」
「……掘られたな」
「うん…」
「ハハハ…行こうか…」
「そだね…アハハ…」
心の中でその使い魔の冥福を祈っておこう…
僕の家は人里離れた森の中にある。
おかげで、妖怪たちの溜まり場になったりすることもある。
まぁ、僕に危害を加えないなら別にかまわない。
…時々だが、「そーなのかー」が口癖の妖怪に食べられそうになることもあるが…
「ほい到着だ、上がってくれ」
「お邪魔しまーす」
「待っててくれ、今茶ぁしばくから」
「関西人…?」
「…冗談だよ…今淹れる」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「…というわけで、また宵闇の妖怪に喰われそうになったんだ」
「○○も大変だねぇ」
「まぁな…って僕はお前の方が大変のように感じるが…?」
「アハハハハ…またもや内蔵引きずりd」
「待て、それ以上言うと飲めなくなるからやめてくれ」
…あやうくスプラッタな話題になるところだった…
「ん、お茶が無くなっちまったな」
「あ、淹れてくるね」
「いや、僕が淹れてくるよ。妹紅は客だから座ってな」
「たまには客が淹れてもいいでしょ。○○は座ってて」
「う…まぁ、いいか」
「出来たよ~」
「おう、サンキュ…」
そこには…茶とは思えない色の(土留色)液体が…
「も、妹紅…これは?」
「えっ?お茶だけど?」
「…ハイ、ワン、ツー、スリー、フォー、からあげやん!…じゃなくて…お茶は普通緑色だろ!」
「それは…まぁ…か、隠し味を入れてるのよ!」
「どんな?」
「えーと…なんだっけ…知らん!忘れた!」
「…じゃあ、妹紅が毒見してくれ…」
「うん。(ゴクリ)…ブホッ(吐血)」
「げっ…妹紅!大丈夫か?」
「…ピチューン…(死亡)……(リザレクション)し、死ぬかと思った」
「…いや、死んでるだろ…何を入れたらそんな風になるんだよ…」
「…ゴメンナサイ」
「いや、まぁいいけどな…」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「…どうでもいいけど慧音遅いな…」
「何してるんだろね?」
「……」
「……」
「…すまん、いま慧音が満面の笑みで使い魔をcaved!!!してるのが幻視出来た」
「…私も…」
…ちょっと待てよ…ってことはどう考えても慧音は今日は来れないよな…
夜明けまで妹紅と二人きりなんですか…
う、顔が赤くなってきた…
「○○?顔が赤いよ…大丈夫?」
そういって妹紅が顔を覗き込んできた
「いや!大丈夫だから!」
思わず目線を逸らしてしまう。
一連の行動から妹紅も流石に気が付いたようだ。
あっという間に顔が赤くなっていった。
「あ…う…」
「……」
「なぁ…」「ねぇ…」
「あっ、ゴメン。○○先にいいよ」
「いや、妹紅から言えよ」
「ん…あのさぁ…今日って慧音来ないのかなぁ」
「…多分な…今頃お楽しみかな…」
「ってことは…今日って私と○○とで二人きり…」
「う…」
~5分ほどの静寂~
「ねぇ、○○は何が言いたかったの?」
「ん…同じことだ…」
「そう…」
「……」
「……」
気が付くと僕らの距離はだんだん近づいていった。
「…なぁ、妹紅」
「…何?」
「二人きりだから言えるんだが…僕はお前が好きなんだ」
「…え…い、いきなり何を言い出すの!?」
「…スマン、いきなり過ぎたな…忘れてくれ」
「あ…わ、私も…○○は好きだよ…」
「そうか……」
「うん……」
そして僕らはいつの間にか抱き合ってキスをしていた。
そして僕が妹紅を押し倒した瞬間だった。
「いやぁ~スマンスマン。すっかり遅れてしm…」
「「ッ!!!!!」」
「…○○キサマ…何をしているんだ?」
「あ…その…これは…その…」
「ほぉ…答えられないのか…妹紅、何をしているんだ?」
「え…その…あ…う…」
「フフン…二人して答えられないか…でもその状態…まぁ、お仕置きに値するなぁ」
「「え…」」
「さぁ、尻を出してもらおうか!」
「「か、勘弁して~!!!」」
ハハハ…なんかネタだらけだ…アハハハハ…はぁ…
最終更新:2010年05月29日 01:10