追田の地は内陸部であるが故、海産物は大変に貴重であった
輸送に週単位の日数を要する為、当然ながら外側は傷んでいる
そのため、この地ならではの郷土料理が生まれることとなった
魚の柵やイカの切り身などから傷んだ部分を切り除き、四角い牌状のネタを作り、それを酢飯の上に並べて重しを乗せる所謂押し寿司である
その形状が麻雀牌の様であることから、いつしか牌寿司と呼ばれるようになった
時代が下り、江戸前では握り寿司が主流となる
その評判を行商人より聞いた追田の地の食事処の主が、ものの試しに牌寿司を握りにて提供してみたところ、これが大いに受け入れられ、
以降、牌寿司は握り牌寿司が主流になっていった
現在でも追田の地において牌寿司はポピュラーな存在で、昔気質の料理屋であれば大抵はメニューに載っているので
一度注文してみることをお勧めする
「握りぱい寿司へいお待ち!」と威勢よく供されるこの希有なる郷土料理にぜひ舌鼓を打っていただきたい
最終更新:2020年03月09日 02:28