原稿
- LaTeXです。(tatejima,12/14/2013)
\documentclass[slide,papersize]{jsarticle}
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\usepackage{ascmac}
\title{$E=mc^2$を導く}
\author{計算物理研究会 立嶋聖太郎}
\date{\today}
\begin{document}
\maketitle
\section{不変であるということ(確認)}
不変とは、適当なパラメータを弄っても値が変わらないことを指す。パラメータの例として
\begin{itemize}
\setlength{\itemsep}{0.15cm}
\item 時間
\item 座標
\item \textcolor{red}{観測者}
\end{itemize}
などが挙げられるが相対論で不変といえば\textcolor{red}{観測者}に対しての不変を指すことが多い。
\section{光速度不変の法則って何?}
光速度不変の法則によれば
\begin{itemize}
\setlength{\itemsep}{0.15cm}
\item 光の速さは\textcolor{red}{誰から見ても同じ}らしい。
\item 静止している僕らから見ても、電車に乗っている人から見ても同じ光を観測すると同じ速さ($c=3\times 10^8{\rm [m/s]}$)が観測されるらしい。
\end{itemize}
\section{こんな法則は非科学的!?}
\begin{itemize}
\setlength{\itemsep}{0.15cm}
\item 【光速度不変の法則】光の速さは誰から見ても同じ速さ($c=3\times 10^8{\rm [m/s]}$)
\item こんなことは\textcolor{red}{ニュートンの力学では説明不能!}
\vspace{0.15cm}
\scriptsize{一人が観測する光の速さを$c$、もう一人が観測する光の速さを$c'$として二人の相対速度を$V$とすると、ニュートンの力学では$t'=t,x'=x-Vt$(ガリレイ変換)だから$V\neq 0$である限り}
\begin{equation}
c'=\frac{x'}{t'}=\frac{x-Vt}{t}\neq\frac{x}{t}
\end{equation}
よって
\begin{equation}
c\neq c'
\end{equation}
\end{itemize}
\section{光速度不変の法則を検証する}
光速度不変の法則とニュートンの力学、正しいのはどっち?
\begin{itemize}
\setlength{\itemsep}{0.15cm}
\item \textcolor{red}{マイケルソン・モーリーの実験}(1885-1887)
\item 本来は光速度がどれほどバラバラな値をとるか確認するための実験であった。
\item しかし何度試しても実験結果に光速度のバラつきを確認することは出来なかった。$c_1=c_2=c_3=\cdots=c_n=\cdots=3\times 10^8{\rm [m/s]}$
\end{itemize}
\section{そして特殊相対性理論へ}
\begin{itemize}
\setlength{\itemsep}{0.15cm}
\item 実は「光の速さは誰から見ても同じ速さである」とする光速度不変の法則の方が正しくて、間違っているのはニュートンの力学の方だった!
\item 1905年、アインシュタインはニュートンの力学を捨て、実験によって検証済みの\textcolor{red}{光速度不変の法則をベース}に特殊相対性理論を考えた。\footnote{相対論をニュートンの力学から導くことは不可能}
\end{itemize}
\section{2つの変換方法}
変換とは観測者を変える際にすべき操作のこと。\\
\begin{minipage}[t]{3cm}
ニュートンの力学\\
$\Rightarrow $「ガリレイ変換」
\begin{align}
x'&=x-Vt\\
t'&=t
\end{align}
\end{minipage}
\begin{minipage}[]{0.2cm}
\end{minipage}
\begin{minipage}[t]{3.5cm}
特殊相対性理論\\
$\Rightarrow $「\textcolor{red}{ローレンツ変換}」
\begin{align}
x'=\frac{x-Vt}{\sqrt{1-(\frac{V}{c})^2}}\\
t'=\frac{t-\frac{V}{c^2}x}{\sqrt{1-(\frac{V}{c})^2}}
\end{align}
\end{minipage}
\section{ローレンツ変換}
【ローレンツ変換】光速度不変の法則を満たす為に特殊相対性理論では2つの慣性系の相対速度を$V$としたとき次のように位置や時間を変換する。
\begin{align}
x'=\frac{x-Vt}{\sqrt{1-(\frac{V}{c})^2}}\tag{6}\\
t'=\frac{t-\frac{V}{c^2}x}{\sqrt{1-(\frac{V}{c})^2}}\tag{7}
\end{align}
\section{ローレンツ変換(確認1)}
ローレンツ変換なら本当に光速度は不変か?
\begin{align}
c'&=\frac{x'}{t'}=\frac{x-Vt}{t-\frac{V}{c^2}x}=\frac{\frac{x}{t}-V}{1-\frac{V}{c^2}\frac{x}{t}}\\&=\frac{c-V}{1-\frac{V}{c}}=\frac{c(c-V)}{c-V}=c
\end{align}
$c=c'$であるから光速度は確かに不変。\footnote{途中、$\frac{x}{t}=c$を利用した。}
\section{ローレンツ変換(確認2)}
2つの慣性系の相対速度$V\neq 0$である限り
\begin{equation}
t'=\frac{t-\frac{V}{c^2}x}{\sqrt{1-(\frac{V}{c})^2}}\neq t
\end{equation}
なので観測者によって流れる時間が違ってくる。
\begin{equation}
t_1\neq t_2\neq t_3\neq \cdots
\end{equation}
\section{新しい不変量を求めて}
観測者によって流れる時間が違うので、時間という物理量は不変量ではない。\\
特殊相対性理論では\textcolor{red}{固有時$\tau $}\footnote{$\tau $はギリシア文字でタウと読む。}と呼ばれる不変量を時間$t$の代わりとして扱う。
\begin{equation}
\tau ^2=(ct)^2-x^2-y^2-z^2
\end{equation}
(→$\tau$が不変量であることを板書でチェック)
\section{新しい運動量の定義}
相対論では座標を次のように定義する。
\begin{align}
x^0&=ct\\
x^1&=x\\
x^2&=y\\
x^3&=z
\end{align}
このとき運動量は次のように定義される。
\begin{equation}
p^\mu =mc\frac{dx^\mu}{d\tau}
\end{equation}
\section{$p^0$とは何か}
\scriptsize{
新しい運動量は以下の式を満たす。(→導出を板書する)
\begin{equation}
(mc)^2=(p^0)^2-(p^1)^2-(p^2)^2-(p^3)^2
\end{equation}
ここで${\bf p}^2=(p^1)^2+(p^2)^2+(p^3)^2$として、$p^0$について解くと
\begin{align}
p^0&=\sqrt{(mc)^2+{\bf p}^2}=mc\sqrt{1+\frac{{\bf p}^2}{(mc)^2}}\\
&\simeq mc\left(1+\frac{{\bf p}^2}{2(mc)^2}+\cdots \right)\\
&=mc+\frac{{\bf p}^2}{2mc}+\cdots
\end{align}
\section{新しいエネルギーの定義}
$p^0$は${\bf p}$が十分に小さいとき次のように表すことができる。
\begin{equation}
p^0\simeq mc+\frac{{\bf p}^2}{2mc}+\cdots
\end{equation}
実は相対論では\textcolor{red}{$p^0$に$c$をかけたものがエネルギー$E$である。}
\begin{equation}
E=cp^0
\end{equation}
この定義から式(17)よりエネルギーと運動量の関係式が求まる。
\begin{equation}
E^2=c^2{\bf p}^2+(mc^2)^2
\end{equation}
\section{世界で一番有名な数式}
式(21)と式(22)より
\begin{equation}
E=cp^0\simeq mc^2+\frac{{\bf p}^2}{2m}+\cdots
\end{equation}
よって${\bf p}=0$のとき…
\end{document}
最終更新:2013年12月20日 21:17